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彼誰時の剣戟

#UDCアース

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#UDCアース


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●彼誰時の剣戟
 夜が明ける、その合間に。
 蠢いて、嗤って、呻いて、羽搏いて。
 呪われた鳥と人間の混ざり合った怪物はうろうろとその屋敷を歩き回る。
 そして――招かれたる、狂えた旧き神。
 それを崇める者たちはひそやかに、朝を迎える。

●予知
 ふるりとその狐耳動かして、妖狐の男――終夜・嵐吾(灰青・f05366)は頼みがあるのだがと告げる。
 というのもUDCアースにおいて邪神教団の情報が得られたのだと続けて。
「教団の拠点はとある古びた屋敷。洋館じゃな」
 そこに巣食うもの達を倒し、拠点を潰してきて欲しいのだと嵐吾は言う。
 屋敷を守るように邸内でうろうろしているのは嘲笑う翼怪というオブリビオン。
 そして、その教団があがめているオブリビオンは『灰霞の剣』ヴォル・ヴァ・ドーズだと言葉は続く。こちらは屋敷の地下にいるらしい。
「先に嘲笑うのを片付け、その後に灰霞のを、というところかの」
 皆であればそう苦戦することも無く終わろうよと嵐吾は言い、それからと言葉続ける。
 拠点の襲撃の時間は空が白むころ。丁度日の出の前あたりになるだろうと。
「カタがつけばもう朝じゃなぁ。で、だ」
 ここからも大事なんじゃがと嵐吾はこほんと咳払いしつつふさふさとした尾を揺らし、耳もひこりと動かして。
「さっき教えてもらったんじゃが、その現場近くの街に、朝早ぅからやっとる店があるんじゃと」
 組織の職員御用達。多少のわがままもきいてくれるおいしい朝がゆのお店。
 戦いの後、腹も減るじゃろうと嵐吾は言って、場所は教えておくから行くと良いと告げる。
「朝も早ぅて寒い。腹ン中あっためてから帰るんもよかろ?」
 が、その前に――仕事はよろしくのと言って。その手の内にあるグリモアを輝かせた。


志羽
 お目通しありがとうございます、志羽です。

●シナリオについて
 第一章:集団戦(嘲笑う翼怪)
 第二章:ボス戦(『灰霞の剣』ヴォル・ヴァ・ドーズ)
 第三章:お腹に優しい朝がゆ(オブリビオンをすべて撃破した場合)
 以上の流れとなっております。

●第三章について
 三章については、プレイング受付期間を設けさせていただこうと思っております。
 三章部分の前振りが公開された24時間以上経過後の朝8時半からです。こちらの時間はマスターページの簡易連絡にて案内いたします。
 日常の成功度5である為の指定であり、この受付時間以前にプレイングを送って頂いても大丈夫ですが描写のお約束はできません。流れる可能性もあります。
 またプレイングが送付できる間は、送って頂いて大丈夫です。
 以上、了解の上ご参加ください。

 ひと仕事の後の、朝がゆタイム。メニュー、お任せなども大丈夫です。変な物はでてきません。
 第三章のみの参加ももちろん歓迎、大丈夫です。
 判定には特にこだわらず、楽しめれば良いかなと思っております。
 グループ参加などの場合は、ご一緒する方がわかるように【グループ名】や【ID】を記入していただけると助かります。
 また可能でしたら時間帯を近くで合わせて頂けると幸いです。

 第三章のみお声掛けがあれば嵐吾もご一緒させていただきますが、基本的にはでてきません。

 以上です。
 ご参加お待ちしております。
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第1章 集団戦 『嘲笑う翼怪』

POW   :    組みつく怪腕
【羽毛に覆われた手足】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    邪神の加護
【邪神の呪い】【喰らった子供の怨念】【夜の闇】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ   :    断末魔模倣
【不気味に笑う口】から【最後に喰らった子供の悲鳴】を放ち、【恐怖と狂気】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●嘲笑い、徘徊す
 その洋館は古ぼけて、人の気配の薄い場所だった。
 がっちりと締められた門を開けば重い音。しかしそのくらいでは、屋敷にいる者達は気付かない。
 そうっと、その正面の玄関を開けば嫌な臭いもわずかにする。
 かびたような、手入れの十分されていないようなにおい。
 そして――侵入者の気配に。
 嘲笑う翼怪達がもぞりと動き始めた。
 玄関ホールで蹲っていたものはもぞもぞと動き、潰れた声で笑い始める。
 それは喰らった子供の、叫び声。
 そして、それを合図にしてか居間や寝室、台所と――さまざまな所から現れ。
 地下へと続く階段までの道を隠していくのだった。
篝・倫太郎
邪神、なぁ……
宗教は好き好きなんは判らなくもねぇけどもよ……
オブリビオンはないわー、ないわー(棒)
ないから、とっとと過去にお帰りいただいて、
朝飯喰おう、そうしよう

教団つか崇めてるヒト連中は居るんかね?
居るならそいつらが死なねぇように注意して戦闘するぜー

華焔刀を振るって先制攻撃
かーらーの!2回攻撃で戦闘開始

徘徊してるつーから戦闘の音で寄ってくっかな?
まぁ、そしたらエレクトロレギオンで召喚した機械兵器で陽動と攪乱

討ち漏らしのねぇよう、倒したら邸内を全て確認
確認して討ち漏らしがねぇなら、地下へ

補足
大のパン好きだが時々、無性に米が食いたくなる
粥は色々トッピングしたい派
そして、アホほど喰う。きっと……!


須辿・臨
ふあ、思わず欠伸が。
世界違っても時差ボケみたいになるんすかね……なんて。
最後のお楽しみのためにも頑張るっすよ。

取り敢えず、俺は戦場を掻き回すように斬り込むっす。
邸内っすからねー、広いところは真っ直ぐ突っ込んで、フェイント入れたり。
狭いところは滑り込んで後ろをとってみたり、相手を踏みつけ跳んだり、工夫しつつ削るっす。
倒せそうな相手なら、剣刃一閃で惜しみなく。
寄らば斬るぞってね。
倒れても倒す。前のめりに倒れるのが俺の戦い方っすから。
勿論、共闘できる人がいれば、合わせるっす。

それにしても、嘲笑う翼怪ってこの時間に見ると不気味さ倍増っすねー。
くわばら、くわばら。


ミアズマ・フォルテ
旧き神?……よくわからない。理解しないほうがいいのか?
ともかくロクなことにならなそうなのは確かだ、迅速に潰そう。

SPD重視で行動

なんだあれは……ハーピー?いやもっとおぞましい何かだ。
攻撃の原理がよくわからないから距離を十分にとって
冷静に、千里眼射ちで一体一体落としていくぞ。
孤立は危険だ、出来れば他の猟兵とも協力して動きたい。

終夜さんはそう苦戦することも無く終わるだろうと言ったが
これは別の意味できつい依頼かもしれんな……。



●翼怪は蠢く
 その屋敷は静かに佇んでいた。
 しかし、扉開くその音は小さく響く。その先にあるものの気配はまだ薄い。
 篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)はねむ、と欠伸一つして目の前の屋敷へと足を踏み入れた。
「邪神、なぁ……宗教は好き好きなんは判らなくもねぇけどもよ……オブリビオンはないわー、ないわー」
 ざわり、もぞり。
 嫌な羽根音が、そして声が響く。現れたその姿を見て、倫太郎は思わずといったように零した。
「ないから、とっとと過去にお帰りいただいて、朝飯喰おう、そうしよう」
 華焔刀 [ 凪 ]を倫太郎は振るって手近な翼怪へと走りこむ。
 振り払って、そして斬り裂けばぎゃあと潰れた鳴き声だ。
「かーらーの!」
 そのまま、華焔刀を操ってもう一閃。
 戦い始めればその物音に他の場所からも翼怪が少しずつ寄ってくる。
 その一体が不気味に口端あげて喰らった子供の悲鳴を放つ。
 その声を召喚した小型の戦闘用機械兵器がそれを受け止め消える。
『ギャあ、ああ、アアアア』
 響く声の須辿・臨(風見鶏・f12047)のふあ、と思わずの欠伸も掻き消えていく。
「世界違っても時差ボケみたいになる……なんて今ので」
 目が覚めたっすと臨は敵の中へと切り込んだ。
「こっちはもらっていくっす!」
 倫太郎の傍にいた敵の懐を蹴りつけて突き飛ばし、臨は引き離す。
 それを厭うたか、翼怪はその、羽毛に覆われた手を伸ばしてくる。
 だがその手の上を、焔を宿すかのような赤い刀身が斜めに走り斬り落とした。それは少しばかり乱暴に扱っても毀れぬ業物、焔宴。
「寄らば斬るぞってね」
 そして服の下――臨の戦意に呼応するように肩から全身へと炎の紋が広がっていく。
 そしてその身斬られた翼怪は一層ひしゃげた叫び声を上げながら転がり、昏く光の無い瞳を向け再び向かってくる。
 それを受け止めるように構えた――と、見せかけて。ひらりと、避け振けざまに斬り捨てる。
 動きは、実践形式手段も問わず。だがその剣技は洗練されている。
「嘲笑う翼怪ってこの時間に見ると不気味さ倍増っすねー」
 くわばら、くわばらと臨は紡ぎながら新手へとその刃を振るう。
 屋敷の中は徐々に、静けさを失って騒々しさに満たされていく。
 そこへミアズマ・フォルテ(求める者・f00215)もまた踏み込んだ。
 ミアズマの青い瞳は僅かに歪められた。
 館の中――地下には崇められている旧き神がいるという。
 その存在をふと、思い浮かべミアズマは緩く頭を振った。
「旧き神? ……よくわからない。理解しないほうがいいのか?」
 ともかくロクなことにならなそうなのは確かだとミアズマは迅速に行動しようとロングボウに矢を番えた。
 構えて、視界に入る翼怪の姿に一瞬躊躇するが矢は迷うことなく、放たれる。
「なんだあれは……ハーピー? いや」
 もっとおぞましい何かだとミアズマは距離を取って動く。
 冷静に、一体ずつ確実にとミアズマは矢を番え射抜く。ただ、孤立すれば危険に陥るのは必至。矢を番え、集中する時間が必要だったからだ。
 その事に気づいて、倫太郎はミアズマの傍にも機械兵器を向かわせ、臨もまた何かあれば時間稼ぎを。
 それに感謝しつつ、ミアズマはまた弓を弾き絞り確実に仕留めていく。
「終夜さんはそう苦戦することも無く終わるだろうと言ったが」
 ぞわり、と。ミアズマは狙った翼怪が宿す夜の闇に嫌な物を感じる。ごぼりと、その口端から血を零しながら向かってくる姿は決して気分の良いものではない。
「これは別の意味できつい依頼かもしれんな……」
 ミアズマの放った矢が眉間を入り、翼怪は崩れ落ちた。
 子供の様な断末魔をその耳に残しながら。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

クロト・ラトキエ
良い一日の始まりは良い朝食から、ですね~。
…えぇ。子供を喰らうなど、論外も論外。
そんな礼儀知らずな話は、キッチリ片付けてしまいましょうか。

侵略は密やかに速やかに。
暗殺はまぁ、人並みに。
SPDにて応じ。トリニティ・エンハンスの水の魔力で防御力強化。
ワイヤー先のフックをマインゴーシュ代わりに敵の攻撃を受け、可能ならいなし。
返す刃…基、鋼糸で。翼を、手足を、絡げ取り動きを封じ、他の方の痛打に繋げるか。
或いはそのまま、断ち切ってしまいたく。

子供の叫びなど、まこと悪趣味。
…けれどそういうのは、相手をお選びになった方が。
凪いだ侭の心で、変わらぬ微笑み湛えた顔で、告げる言葉は、
届くことなど無いのでしょうが。


フィン・クランケット
あさがゆ!(ぴこーん!)
わーいわーい、これはもう、ぜひとも!御相伴に預からねば!
どんなメニューがあるんでしょ、楽しみぃ…♪

……と、意気込んできたは良いものの、
あ~~~~~、これ苦手なタイプのやつですこわいやつです~!!(ひーん)

やだもー、来ないでくださいよー!と、スマイル店仕舞いして、手当たり次第に薙刀での【なぎ払い】と精霊さんの力を乗せた【属性攻撃】
目を閉じて【第六感】頼りで攻撃しようとしてるのに、精霊さんが目を無理やり見開かせようとしてくる…つらい…
今日の夜、夢に見そうです…

あーん! こんなんで私、おかゆちゃんと食べられるんでしょうか~!!
(※ 絶対、何事もなかったようにもりもり食べます)



●猟兵は揺るがず
 柔和な笑み浮かべ、クロト・ラトキエ(戦場傭兵・f00472)は屋敷の方へとゆっくり歩みゆく。
「良い一日の始まりは良い朝食から、ですね~」
 けれど、すぅと。その表情は柔らかいままに、青い瞳だけが冷える。
 それは中から響く翼怪の鳴き声を耳にしたから。
「……えぇ。子供を喰らうなど、論外も論外」
 そう呟いたクロトの手からしゅるりと、鋼糸が踊る。
「そんな礼儀知らずな話は、キッチリ片付けてしまいましょうか」
 とんと地を蹴って屋敷の中へと走る。
 今その身は炎と水と、風と。そのうちの水の魔力をもって防御力を引き上げたままに。
『だ、スゲでエぇエエぇぇ』
 クロトへと向かってくる翼怪の放つ声は、子供の叫びだろう。
 痛々しいと零すが相手への容赦はない。
 ワイヤー先のフックで翼の一撃を受け止め、いなす。
 目の前の翼怪がバランスを崩した所でクロトは鋼糸を巡らせた。
 その翼を、手足を、戒めて。
「――断ち切るか」
 絡めて――きゅっと絞れば羽毛を散らすように引き裂いていく。
「子供の叫びなど、まこと悪趣味……けれどそういうのは、相手をお選びになった方が」
 自身の足元で痛いと喚き転がる翼怪へとクロトは穏やかな、変わらぬ笑みを向けていた。
 凪いだ侭の心で告げる――それはこの翼怪へ届かぬこともわかったいるのだ。
『ギャアアアアア、イダイ゛ィ、ゴワイよォォ!!』
 どんなに苦しそうな痛いと告げる悲鳴も、翼怪が放つが故にクロトには響かない。
 けれどフィン・クランケット(蜜柑エルフ・f00295)がびくつくには十分だった。
 あさがゆ! とアホ毛をぴこーんとさせ。
「わーいわーい、これはもう、ぜひとも! 御相伴に預からねば! どんなメニューがあるんでしょ、楽しみぃ……♪」
 と、この後のお楽しみに気持ちはやらせるんるんと屋敷に飛び込んだのが数分前の事。
 ひーんと泣いちゃう一歩手前の声色とアホ毛しょんぼり震わせつつフィンは精霊さんを傍へと招く。
「あ~~~~~、これ苦手なタイプのやつですこわいやつです~!!」
 ぎゅっと握った長年愛用の薙刀は、いつも以上に雑に扱われぶんぶんと狙う方向定まらぬまま振りまわされるのみ。
「やだもー、来ないでくださいよー!」
 その刃に精霊さんが氷の力をのせ。見るのやだと瞳閉じて第六感便りの攻撃を――しようとしているのだが。
「せ、精霊さん、やめ、ひ~~~」
 くわっと精霊さんが瞳を見開かせようとしてくる。つらい。
「今日の夜、夢に見そうです……」
 無理矢理開かされた瞳に映る、翼怪の姿。精霊さんは容赦なく、次はあっちと示してくる。
 向かってくる翼怪はぽっかりと闇のように落ち窪んだ昏い眼を向けその口を開いて叫んだ。
『ああああああああ』
「あーん! こんなんで私、おかゆちゃんと食べられるんでしょうか~!!」
 えぇいとなぎなた振れば氷柱が翼怪を貫いていく。
 大丈夫かな、と思いちらりと視線向けたが案外、大丈夫そうだ。クロトはさぁ、と新手へと向き直る。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

四辻路・よつろ
終(f00289)と

怪物って何で子供をよく食べるのかしら
やっぱり肉が柔らかいから?
……やけに詳しいのね

大きな翼を持った鷲と使用人を召喚
耳を抑えて声を聞かないようにしながら
嘲笑う翼怪の羽に爪を立て、悲鳴を放つ顔を啄ませて黙らせなさいと指示し
終の援護をさせる
あーあー、私今耳塞いでるから聞こえないの
もっと分かりやすくジェスチャーで伝えて
……馬鹿にされたって事だけは何となく伝わったわ
覚えてなさいよ

面倒な攻撃は全て鈴丸と呼ぶ、太刀を持った巨躯の使用人に庇わせ
自身は後方で待機
――ああ、気持ち悪い
まるで地獄のようだわ

ねぇ、あなた素敵な笑顔ね
嘲笑う彼らの最期にはほんの少し、呪詛を込めた仕込み刀で串刺しに


静海・終
よつろ嬢f01660と

いやはやどうでございましょうねえ?
柔らかい、穢れていない、か弱い、そちらの方が悲劇的
詳しい? いえいえ、いつの世もそんなもの、なのでございます
さぁ、悲劇は殺して、壊しましょう

ぞろぞろと出てきたそれに、声に顔を顰め
腕を獅子に変え羽を捥ぎ喰らう
あーあー、私この笑い声苦手でございますー
早く終わらせましょうねえ
支援してもらいながら振り返ると遠くに見える姿に声をかける
……よつろ嬢ー!?聞いてますー!?ねえー!!
聞こえていない…
よつろ嬢ー!喋らなければ美人ですよー!
…あっ、顔がこわい!!

笑いの絶えない地獄でございますかぁ
愉快そうですねえ
私共は不愉快なのでだまっていただきましょう、ねえ



●翼怪は嗤う
 翼怪達の羽根音も、猟兵達の声も。重なり混ざり合い、歪な音を奏でている。
 その中で、四辻路・よつろ(Corpse Bride・f01660)はねぇ、と傍らの男を流し見た。
「怪物って何で子供をよく食べるのかしら。やっぱり肉が柔らかいから?」
 その問いに口元に笑みのせた男は――静海・終(剥れた鱗・f00289)はいやはやどうでございましょうねえ? といつもの調子で返す。
「柔らかい、穢れていない、か弱い、そちらの方が悲劇的」
「……やけに詳しいのね」
「詳しい? いえいえ、いつの世もそんなもの、なのでございます」
 よつろの視線を笑ってかわして。終はお出ましでしでございますと示す。
「さぁ、悲劇は殺して、壊しましょう」
 その視線の向く先――上階から、ぞろりと現れた翼怪達。
 その様によつろはただ静かに。
「――おいで」
 と、一言。すると大きな翼を持った鷲と使用人がよつろの傍に控えた。
 翼怪の、あの羽に爪を立て、悲鳴を放つ顔を啄ませて黙らせなさいと指示をすれば傍らから離れて戦いに。そしてよつろの両手は両耳塞ぐためのものとなる。
 けれど僅かに、くすぐるように。潰れた子供の悲鳴が届く。
 耳を覆わぬ終には――その笑い声は良く響く。
『ギャあ、アア、イタイアアア』
『イヤイヤ、アアア』
 その、翼怪の顔に、声に。終は顔を顰めながらその腕を獅子に変えた。
「あーあー、私この笑い声苦手でございますー」
 早く終わらせましょうねえと終は踏み込んで、振り下ろされた獅子の腕が羽を捥ぎ喰らう。
 別の方向から一体やってくるのが目に見えたが、よつろの鷲がその爪で肩口捉え、嘴はその顔をえぐりゆく。
 終はその援護を受けながら現れる敵を倒していたのだが、振り向けば――よつろが遠い。
「……よつろ嬢ー!? 聞いてますー!? ねえー!!」
「あーあー、私今耳塞いでるから聞こえないの」
 もっと分かりやすくジェスチャーで伝えて、とよつろは言う。
 終は聞こえていない……としばし、考えて。
「よつろ嬢ー! 喋らなければ美人ですよー!」
 終の言葉はよつろには聞こえていない。けれど。
「……馬鹿にされたって事だけは何となく伝わったわ」
 覚えてなさいよとよつろはきゅっと眉寄せる。
「……あっ、顔がこわい!!」
 それだけで、終に伝わるには十分。
 と、終の死角から飛び出した翼怪の一体が自身に毒を追いながら突っ込んでくる。
 けれど。
「――鈴丸」
 一言呼べば、太刀を持った巨躯の使用人は滑るように入り込み、それを切り伏せる。
「――ああ、気持ち悪い。まるで地獄のようだわ」
 切り伏せられた翼怪は、よつろの足元に倒れていた。びくびくと震えているのはまだ一筋、命が繋がっているからだろう。
 ぽっかりと、吸い込むような洞の眼とかすかに叫び零す口端は引き攣れあがり。
 まるで――そう。笑っているかのようだ。
 その笑みに返すように。女は自身にも優雅に笑みをのせ、古いデザインの杖模した仕込み刀の先を向ける。
「ねぇ、あなた素敵な笑顔ね」
 その、“誰か”の骨の刀身にほんの少し呪詛を込め串刺せば醜い断末魔が響く。
 響いた声を耳に、笑いの絶えない地獄でございますかぁと終は零した。
 愉快そうですねえ、と。まだ迫る敵を見据え終の赤い瞳は細められる。
「私共は不愉快なのでだまっていただきましょう、ねえ」
 タスケテ、と潰れた声。その声は癇に障る。これは悲劇の残滓の声なのだから。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ルカ・ウェンズ
敵は地下にいるらしいし、脱出路があるだろうから屋敷を燃やすのは敵を殲滅した後ね。(気に入らないから泣いたり笑ったり出来なくしてやるわ!)

まずは(忍び足)で屋敷に潜入して敵に近づき(暗殺)を狙い見つかったらユーベルコードで攻撃してまだ生きていたら、嘲笑われるのは気に入らないから(怪力)で顔を(2回攻撃)したり敵の(傷口をえぐる)わよ。

敵からの攻撃は(戦闘知識)や(残像)で避けながら移動して囲まれないように戦って、それから余裕があれば味方をフォローして一撃離脱戦法で戦うようにするわよ。(殺した子供の声で喚くとうるさいから耳栓を用意しておいて、後は余裕があれば苦しむ姿だけでも見たいわね)


花剣・耀子
街中でもお構いなしに湧いて巣食うのだから、始末が悪いわね。
――朝はあまり得意ではないの。
さっさと終わらせて仕舞いましょう。

【プログラム・ジェノサイド】を起動するわ。
数が多いなら、油断なく効率良く鏖殺しましょう。
避けられたなら間髪入れずに繋ぎ直すわよ。
たとえ当たらなくても敵が動ける範囲を制限できれば、
其処を狙って誰かが詰めてくれるでしょう。
最終的に殺せればそれで良い。
あたしの負傷も疲労も些末な事。
その首を落とすまでは止まってあげない。

只でさえUDCは嫌いなのだけれど。
既にヒトを喰った輩は、尚更ね。
喰らった後の残滓まで良いように弄ばれるのは腹立たしい。
それを天に還して、お前は地に沈みなさい。



●猟兵は容赦しない
 敵は地下にいるらしい。ということは脱出路があるだろう。
 ルカ・ウェンズ(風変わりな仕事人・f03582)はということは、と呟いて。
「屋敷を燃やすのは敵を殲滅した後ね」
 気に入らない。ここにいるもの達は気に入らないのだから泣いたり笑ったり出来なくしてやるわ! とルカは心に抱いて忍び足――音を立てず屋敷の中へ。
 他にも多くの猟兵達が戦っている。そこへ向かおうと、奥から出て来る翼怪の姿が見えた。
 のそりと動いている翼怪はまだ、ルカに気付いていない。
 ルカは静かに近づき、その後ろに回り込み――重く頑丈な金属で作られた鉄扇を振り下ろした。
 首筋に落としたその一撃に感じた手応えは鈍く重く。だがギャアギャアと翼怪は呻いて――まだ、生きている。
「嘲笑わないで、それは気に入らないわ」
 べしっと、再び鉄扇で叩いたのはその顔だ。それを二度、するとギャン! と短い悲鳴あげて翼怪は事切れた。
 だが、その騒ぎを聞きつけてまた新手が。
 ばたばた、どたどたと急ぎ走り寄ってくる。そして羽毛に覆われたその手が伸びて来て、ルカはそれを正面から、攻撃することによって叩き落とした。
 ひらりと黒いドレスの裾を翻し、ルカは移動し囲まれるように位置を取る。
 ルカは耳栓取り出して自分の耳に。それは子供の声で喚くとうるさいからだ。
 一撃を入れて離脱――その戦法を崩さず、ルカは出会った敵を倒していく。
 敵の数は間違いなく減っているのだろう。
 けれどそれが目に見えてすぐわかるわけではない。
 花剣・耀子(Tempest・f12822)は、はぁと一つ息を吐く。
 街中でもお構いなしに湧いて巣食う。
 始末が悪いわと耀子は眼鏡の奥底から、冷えた青い瞳を翼怪へと向けた。
「――朝はあまり得意ではないの。さっさと終わらせて仕舞いましょう」
 きっとそれが一番良い。
 耀子は表れた翼怪の姿に己の内に予め含めておいたプログラムを起動する。
「数が多いなら、油断なく効率良く鏖殺しましょう」
 とんと床を蹴って一気に敵の喉元へ迫る。
 耀子の手に或る機械剣《クサナギ》は細身の、チェーンソー。
 翼怪も己の身を束縛以て強化してくる。しかし動き鈍れば、いくら強くなろうとも耀子の方が、早かった。
 花を散らす嵐の具現――避けられても当たらなくても。
 耀子は身を翻しすぐに立て直し、間髪入れずに繋ぎ直す。
 最終的に、殺せればそれで良い。
 ひゅっと自身の身を過ぎていく爪先に怯まず耀子は敵の力を削いでいく。
 負傷もある。疲労もある。けれどそれは些末な事。
 とんと、目の前に現れた翼怪の動きが止まり――耀子の動きも止まる。
「只でさえUDCは嫌いなのだけれど」
 既にヒトを喰った輩は、尚更ねと耀子は冷たく言い放つ。
 タスケテ、コワイと小さく聞こえる声は屠った翼怪の最後の声だ。
 けれどその声に耀子は眉顰めた。
 喰らった後の残滓まで良いように弄ばれるのは――腹立たしい。
「それを天に還して、お前は地に沈みなさい」
 そしてまた響く、翼怪の声。
 まだいるのね、と耀子は零し歩み始める。その全てを仕留める為に。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

イェルクロルト・レイン
クレム(f03413)と

鼻につく臭いは随分とまあ嗅ぎ慣れたもの
潰れた笑い声を聞けば舌打ちひとつ
クソみてえな世界だな、ここは
遠慮はいらねえよなあ……?
同行するクレムへ視線をやって、許可を求め
止められたら興醒めだからな、さっさと始めようぜ

獣化した腕で羽根を毟り
獣の咆哮で威嚇する
不気味なヤツだが構うものか
声で、爪で、牙で、使えるものはなんでも使って叩き伏せてやる
目障りなんだよ

感と勘を研ぎ澄ませ、増援があれば即座に対応
木偶の棒じゃねえならヤれんだろ
クレムを嗾け鼻で笑って
背を預けるなんて仲じゃねーが、ま、合格だな

誰かの為とかどうでもいいが
弱きを喰らうその根性が気に食わない
宿る呪いごと食ってやるよ


クレム・クラウベル
ルト/イェルクロルト(f00036)と

陽の覗かぬあの世界も大差ないと思うが
己の出身とて、オブリビオンまみれの屋敷だとかけして珍しいわけでもない
耳に届いた舌打ちには肩を竦めて
はいはい、好きにしろ
どうせ全部潰さねばならないんだ、暴れれば良い

響く声は聞いてて愉快なものではない
手早く終わらせるぞ。……それが喰われた者の為だ
前はルトに任せ立ち回りを支援
援護射撃で相手の反撃封じや
2回攻撃叩き込み撃ち漏らしの処理を
呪いの相手なら慣れている。呪詛ごと撃ち抜き祓ってやる
合格の言葉は褒め言葉に受け取とっておこう
相応の場数は踏んでる、舐めてくれるな

……まったく、此方の方が随分な大喰らいだ
頼もしいには変わりないが、な



●翼怪は呻く
 そこかしこで戦いの気配。
 すん、と鼻を鳴らしたイェルクロルト・レイン(叛逆の骸・f00036)は気だるげな眼差しを歪め舌打ちひとつ。
 この鼻につく臭いは随分とまあ嗅ぎ慣れたものだった。
 そして耳につく潰れた笑い声は酷く心を逆撫でる。
「クソみてえな世界だな、ここは」
 その舌打ちと言葉にクレム・クラウベル(paidir・f03413)は肩を竦めて。
「陽の覗かぬあの世界も大差ないと思うが」
 己の出身とてオブリビオンまみれの屋敷だとかけして珍しいわけでもない世界を、クレムは思い浮かべていた
「遠慮はいらねえよなあ……?」
 クレムへと視線を送る。紡いだ言葉は許可を求めるものだ。
 はいはい、好きにしろとクレムは返す。
「どうせ全部潰さねばならないんだ、暴れれば良い」
 その言葉を合図に、イェルクロルトは跳ねる。
 獣化した腕で振りかぶる翼を握りこみその羽根をむしり取って。
 その様を見つつ、クレムは支援を。
 吸い込むような昏い瞳で、子供の声を上げて来る。
 その響く声に、クレムは眉顰め。
「愉快ではないな……手早く終わらせるぞ」
 それが喰われた者の為だと、クレムは月が与う銀の一露を向ける。
 呪いの相手なら慣れている。呪詛ごと撃ち抜き祓ってやると、攻撃を重ねる。
 しかし数は、多い。
 このまま一体ずつ相手をするのも面倒だと、視線で翼怪の上を舐めていく。
「――目障りなんだよ」
 すぅ、と。イェルクロルトは生き吸い込む。
 ダンっと強く、一歩踏み込んで腹の底から向けるは。
「――――ッァ!!」
 声というには狂暴で、叫びというには悲哀は無く。
 翼怪達の叫びを上書きしてイェルクロルトの咆哮が響いた。
 その声は後方にいても耳に響く。
 が、よろめく翼怪達の後ろからその咆哮をなんとか堪えたものが飛び出してくる。
 しかし、それはクレムの放った弾丸が打ち抜いて、地に落ちる。
 クレムが油断と一声落とせば口端を僅かに、歪ませて。
「木偶の棒じゃねえならヤれんだろ」
 嗾け鼻で笑って、イェルクロルトは咆哮によりふらつく敵
へと向かう。
 ちらりと、視界の端にクレムの姿を収めながら。
「背を預けるなんて仲じゃねーが、ま、合格だな」
「相応の場数は踏んでる、舐めてくれるな」
 クレムはまた現れたと、ざわざわと羽根音をさせ現れる一段を示す。
 それにイェルクロルトは視線を向け。
 誰かの為、などとは言わない。そんなものはどうでもいい。
 けれど、目の前の翼怪の在り様はイェルクロルトには受け入れられない。 弱きを喰らうその根性が気に食わない、と。イェルクロルトは琥珀色の瞳を眇め宿る呪いごと食ってやるよと、再び踏み込んだ。
 その背を見て、緑色の瞳をクレムは細め、まったくと零す。
「此方の方が随分な大喰らいだ。頼もしいには変わりないが、な」
 視線は彼の背中を追いつつ、手を向ける先は四方八方、自由だ。
 撃たれた翼怪達は呻く合間に終わりを迎える。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

メノン・メルヴォルド
ふるり震えて
寒い、ね
アヤシイ教団?

明け方の冷え込みだけじゃないみたい
雰囲気に呑まれそう…
でも、ここまで来たんだもの
気持ちを奮い立たせ

きゃあっ?!
…いや、こわい!
不気味な嗤い声と
もそりと蠢くものに思わず小さく悲鳴
反射的にそれらを拒絶するかの如く
「全力魔法」と「属性攻撃」で
エレメンタル・ファンタジア
炎の鎌鼬を四方八方へ飛ばす

心臓が、まだ、どきどきしてるのよ
お化け屋敷みたい

お仲間さんが居たら一瞬驚くも
ほっとして

援護するね
少しでも動きやすく攻撃しやすいように属性魔法でサポート
誰かが側に居るって心強いな
ここからもっと奥深くまで行かなくちゃいけないなら、特に
気のせいか薄暗さを感じて
ロッドを握る手に力が入る


匕匸・々
屋敷の守り人か。ひとつ違えば俺も……いや、止しておこう。
さて。こちらにも守りたいものがあるのでな、
そこを通してもらおうか。

錬成カミヤドリで短剣を複製しての攻撃を。
短剣や己自身の動きに【フェイント】を用いて
仲間が戦いやすくなるよう攪乱して援護していきたい。

避けることが出来る攻撃には【見切り】で避け、
不可能なものは【オーラ防御】で負傷を軽減しよう。


白雪・大琥
朝粥食べに来たんだけど…ここじゃあねぇよな。

唯でさえ不気味な身体してんのに、そこに気持ち悪ぃ笑みまで乗せてきた
嫌そうに引きつる表情を抑えようともせず
早く仕留めようぜ、と他の猟兵と目を合わす事無く、けれど連携は心掛けながら動く

上着だけ脱いで、氷のような刃をしたダガーで素早く斬りつけては
死角に入り込み身軽さを用いて敵を翻弄する
残り数体になれば血統覚醒し一気に仕留める
返り血には心底嫌そうな顔をしつつも、覚醒時は言葉少なに敵を倒す事を何よりも優先


フィオリーナ・フォルトナータ
一日の始まりに美味しい朝ご飯を食べることは、とても大事なことです(きりっ)
それを邪魔する邪神教団の存在は到底許されるものでは…あら、少し違いますでしょうか?
…いずれにしても、人々にとっての驚異は、わたくし達猟兵の手できっちりと排除させていただきます

現地におられる猟兵の方達と協力しつつ、速やかに地下へ続く道を切り開きます
トリニティ・エンハンスで攻撃力を主に強化し、寄ってくる敵は纏めてなぎ払いつつ、手数を生かして撃破していきましょう
敵の攻撃はなるべく盾で受け流し、消耗を抑えるよう、心掛けますね
さあ、悍ましき翼怪達よ、道を開けなさい!

…うう、少しお腹が空いてきました…でも、まだまだ行けますよ!



●猟兵は揮う
 一日の始まりに美味しい朝ご飯を食べることは、とても大事なことです――と、フィオリーナ・フォルトナータ(ローズマリー・f11550)はきりっとした表情で屋敷へと向かう。
 それを邪魔する邪神教団の存在は到底許されるものでは――と、思った所でこてんと小さく、首を傾げ。
「……あら、少し違いますでしょうか?」
 そう呟いていると、傍に人の気配。
 はぁ、と息吐けば白い。
 メノン・メルヴォルド(wander and wander・f12134)はふるりと震える。
「寒い、ね」
 誰に向けてでもなく零した言葉にフィオリーナはそうですねと思わず、返して。
「アヤシイ教団?」
 その問いに、少し考えるもののいずれにしてもとフィオリーナは紡ぐ。
 いずれにしても、このまま放置できるものではなく。
「人々にとっての驚異は、わたくし達猟兵の手できっちりと排除させていただきます」
 驚異、と聞いて。
 メノンはなるほどと感じていたものの正体を知る。
 明け方の冷え込みだけじゃないみたい、と思っていたもの。
 雰囲気に呑まれそうと足は止まりかけるが、ここまで来たのだ。
 気持ちを奮い立たせ屋敷へと足を踏み入れる。
 フィオリーナもその歩みを合わせ、自身の攻撃力を高めた。
「さあ、悍ましき翼怪達よ、道を開けなさい!」
 刀身にルーンをあしらった剣でフィオリーナは敵を薙ぎ払う。
 そして新手、振り下ろされた羽毛の手の一撃を使い込まれた、けれど良く手入れされている盾で受け流した。
 するときゅう、と小さく響いた音。
「……うう、少しお腹が空いてきました……でも、まだまだ行けますよ!」
 少し頬赤らめながら一歩、踏み込んで。フィオリーナの揮う刃は翼怪を捉えることに迷いはない。
 その援護を――と、メノンが動いた時だ。
 もぞり、ばさりと羽音。そちらへ視線を向けると――ぽっかりと、全て吸い込むような真っ黒の窪んだ瞳の翼怪。
 そしてそれはにたりと口端を上げ、叫びと共に迫りくる。
『ア゛ア゛アアアァッ!!』
「きゃあっ?! ……いや、こわい!」
 思わず反射的に。
 メノンは小さく悲鳴をあげ瞳閉じる。そして拒絶するかのごとく、自らの前に炎を生んだ。
 その炎は揺らめいた後――炎の鎌鼬となって周囲の翼怪を斬り裂いて、斬り口から燃え上がる。
 燃えて崩れ落ちる。その様に心臓の上抑えてメノンはその鼓動の速さを感じる。
「心臓が、まだ、どきどきしてるのよ」
 お化け屋敷みたい、と呟くと何かの気配。驚いて振り向けば、他の猟兵の姿でほっとする。
 その猟兵――匕匸・々(一介・f04763)は驚かせて悪いと、一言。
 ふるりとメノンは首を振り、視界に映った物の姿にびくっと反応する。
 それに々も気づいて向き直れば、後ろから小さな声が聞こえた。
「援護するね」
 少しでも動きやすく、攻撃しやすいようにとメノンは属性魔法を。
 誰かが側に居るって心強いなとメノンは思う。
 そしてきゅっと、ファミリアロッド握る力を強めた。
 まだここは入り口で、奥へ向かわなければいけない。他の猟兵達も多く、翼怪を倒してはいるがこの屋敷の薄暗さは変わらないのだから。
 ばさばさと羽ばたきながら現れた翼怪。
 子供の叫びをあげながら迫るそれに向かって、々は己の本体である短剣を複製し向ける。
「屋敷の守り人か。ひとつ違えば俺も……いや、止しておこう」
 すっとその己の複製を向け翼怪を貫く。
「さて。こちらにも守りたいものがあるのでな、そこを通してもらおうか」
 貫いた翼怪は倒れるように見え――最後の力を振り絞ったかその翼を地にまみれながら向かってくる。
 だが、々にその翼怪の手が届くことはなかった。
 その身を蹴り飛ばした真白い、ぼさぼさの髪の男――白雪・大琥(不香・f12246)の視線はさらりと流れていく。
「朝粥食べに来たんだけど……ここじゃあねぇよな」
 その返答は、周囲から向けられる不気味な声色でわかる。
 大琥は琥珀色の瞳歪めて。
「唯でさえ不気味な身体してんのに」
 気持ち悪ぃ笑みまで乗せてと嫌そうに引きつる表情を抑える事なく向ける。
「早く仕留めようぜ」
 大琥は上着を脱いで氷のような刃のダガーを向ける。
 々が向けた攻撃に翼怪が気を取られているうちに死角に入り素早い一撃を。
 身軽に動いて大琥は的確に、その敵の数を減らしていく。
 悲鳴が響く、それは翼怪のものだ。しかしその声も――減ってきた。
 全て倒すまで、あと少し。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

フレズローゼ・クォレクロニカ
🍓【🐟🌸🍓】
*アドリブ等歓迎!

櫻宵ーーお腹すいたーーご飯ーー
ひゃああ……耳が続々する声が聴こえる…
ボク、あの声は好きじゃない
櫻宵の腕にぎゅうとしがみつき
リルくんに促され下がる

櫻宵、ボクは後ろから支援する!
だから、めいっぱい舞っておいで
そして――殺された子供たちの無念を
祓ってあげて!

第六感や空中戦で攻撃を躱し
雷を込めた全力魔法、2回攻撃を打ち込んでくよ!子供を食べるなんてダメなんだから!ボクだって不味いぞ!
マヒ攻撃で敵の動きを鈍くしてくよ
櫻宵への攻撃は衝撃波で吹っ飛ばして、『黄金色の昼下がり』で敵の動きをとめたなら…
さぁ、櫻宵!怪鳥のクビをはねておしまい!
その声はもう、聴きたくないもん!


リル・ルリ
【🐟🌸🍓】で参加
アドリブ等歓迎です

「お粥というのは初めてだ。どんなものか楽しみ……けれどその前にひと仕事あるんだね」
耳を劈く声に眉根をよせて
嗚呼こんな声はフレズにはきかせられないと、辛そうな彼女の耳をそっと塞ごぎ下がるように促して

「……櫻宵。はやく、この声をとめておくれ。可愛い子が攫われてしまうよ……僕もまた、美しい剣舞も、また見てみたい」
僕は、この声を少しでも柔げられるように【歌唱】を最大限に活かして
【シンフォニックキュア】を歌うよ
喰われた子への鎮魂歌
そしてこれから斬られる君への弔いを
攻撃は【空中戦】や【野生の勘】で躱して櫻宵に迷惑をかけないようにする

そう、大丈夫――苦しみはもう終わる


誘名・櫻宵
🌸【🐟🌸🍓】
*アドリブ等歓迎

朝にお粥、いいわよね
なのに
あら嫌だわ
なんて化け物なのかしら
その声
その姿
美しくない
美しくないわ

ええそうね
うちの可愛い子達に危害を加えられる前に
斬り伏せましょ

フレズ、リル
下がってて!いいわよ剣舞、みせあげる
2人を庇うように前へ
敵の攻撃を残像や見切りで躱し
破魔を宿した刀で薙ぎ払い、範囲攻撃を活かして斬って傷口ができたら抉るように何度でも

あらあらそんな声をあげて
泣いてもダメよ?痛い?大丈夫
そんなに痛いなら
すぐにあたしが終わらせてあげる
リルの歌のおかげで和らいでいるけれど
不快よ

フレズが敵をとめてくれたなら、一気に踏み込んでひと息に『絶華』でトドメ

ほら、もう痛くないわよ



●翼怪は羽搏く
「櫻宵ーーお腹すいたーーご飯ーー」
 フレズローゼ・クォレクロニカ(夜明けの国のクォレジーナ・f01174)と桃薔薇の唇を尖らせてお粥! と紡ぐ。
 その言葉に誘名・櫻宵(誘七屠桜・f02768)は笑って。
「朝にお粥、いいわよね。なのに」
 あら嫌だわと櫻宵は零し、溜息を。
「お粥というのは初めてだ。どんなものか楽しみ……けれどその前にひと仕事あるんだね」
 そう言ったリル・ルリ(瑠璃迷宮・f10762)は耳を劈く声に眉根を寄せる。
「なんて化け物なのかしら」
 その声、その姿と、櫻宵は柔い桜の瞳を歪ませる。
「美しくない――美しくないわ」
 それは絞り出すような声。それに重なった叫びは醜く、切なく。けれど、喰われた子の虚しさと翼怪の嘲りがあった。
「ひゃああ……耳が続々する声が聴こえる……」
 その声の響き、重なりは薄くはなっている。それでもフレズローゼの耳には痛い声でふるりと、震える。
「ボク、あの声は好きじゃない」
 そう言ってフレズローゼは櫻宵の腕にしがみつく。
 そしてその、フレズローゼの耳をリルはそっと、その手で塞いだ。
「嗚呼。こんな声はフレズにはきかせられない」
 後ろに、と促せばフレズローゼもそれに従う。
「ええそうね。うちの可愛い子達に危害を加えられる前に、斬り伏せましょ」
 櫻宵の言葉にフレズローゼはぱっと顔を上げ。
「櫻宵、ボクは後ろから支援する! だから」
 めいっぱい舞っておいで、とフレズローゼは円な苺月の瞳を櫻宵へ向け。
「そして――殺された子供たちの無念を、祓ってあげて!」
 その声に、リルも頷いて言葉重ねる。
「……櫻宵。はやく、この声をとめておくれ。可愛い子が攫われてしまうよ……僕もまた、美しい剣舞も、また見てみたい」
 その為に、僕はとリルはそっと自身の喉に触れる。
 この声を少しでも柔げられるようにと歌を紡ぐ。
 喰われた子への鎮魂歌――そして。
 これから斬られる君への弔いをと――リルは優しい。
 フレズローゼとリルと。二人からの言葉を受けて櫻宵はすらりと屠桜を抜き放つ。
「フレズ、リル、下がってて! いいわよ剣舞、みせあげる」
 とんと、二人より前にでて。
 破魔を宿した刀で薙ぎ払い、羽毛の腕を切り伏せる。
「子供を食べるなんてダメなんだから! ボクだって不味いぞ!」
 雷を込めた魔法を放てばフレズローゼの目の前で敵は痺れて崩れ落ちる。
 そして、櫻宵の方へ向かう翼怪を見止めてフレズローゼは吹き飛ばす。
「黄金色の午后のこと。時間はどこかへ行っちゃった! 女王陛下の気まぐれで 終わらないお茶会をはじめよう……逃がしはしないよ!」
 フレズローゼは永遠のお茶会を描いたキャンバスからきらきら光る蝙蝠と、紅茶と砂糖の乱舞の嵐を呼び出した。
 それは相手の、時を奪う。
 奪われた翼怪は羽搏くことも許されず、ぴたりとその場で動きを止めた。
「さぁ、櫻宵! 怪鳥のクビをはねておしまい! その声はもう、聴きたくないもん!」
 潰れた声はわずかに響く。動きは止まるが僅かに、声は出る用だ。
「あらあらそんな声をあげて泣いてもダメよ? 痛い?」
 櫻宵は酷く優しい声で囁いて、そして。
「大丈夫。そんなに痛いなら、すぐにあたしが終わらせてあげる」
 その声はやっぱり不快よと櫻宵は零す。
 リルの歌のおかげでいくらかは和らいでいるけれど、それでもだ。
「そう、大丈夫――苦しみはもう終わる」
 リルの歌声は翼怪にも響いているだろうか。
 どう感じているのか――それを問うても答えはないことはわかっている。
 けれど心なしか、つらい叫びは弱まっているような。
 櫻宵は動き留めた翼怪の懐に入ってその刃を振るう。
「ほら、もう痛くないわよ」
 不可視の剣戟は、空間ごと全てを断ち斬る。
 その一閃を受けた翼怪は何をされたか理解も出来ぬまま、その頭と胴が離れていく。
 ぽっかりとあいたようなその眼孔は何を映しているのか――やがて屋敷は静かになる。
 それは翼怪達がすべて、倒されたということ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『『灰霞の剣』ヴォル・ヴァ・ドーズ』

POW   :    焔を焚く者
真の姿を更に強化する。真の姿が、🔴の取得数に比例した大きさの【灰色の焔 】で覆われる。
SPD   :    灰霞の剣
【灰霞の剣 】が命中した対象を燃やす。放たれた【霧とも霞とも見える灰塵の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
WIZ   :    焔・灰・剣(BLAZE ASH BLADE)
【焔か灰か剣】が命中した対象を切断する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は吾唐木・貫二です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●地下の灰霞
 翼怪たちがいなくなった屋敷は今まで響いていた叫びが嘘であったかのように静かになる。
 そして――屋敷の奥。厳重に守られていた扉を開ければ地下に続く階段があった。
 その階段の先には地下室。人の気配は――息遣いはあるようで、ない。
 いくつか小さな部屋があり、そこには誰かは、かつていたのだろう。しかしいまは、いない。
 そんな小さな部屋をみつつ、通路を抜けた先には大きな部屋があった。
 その床には赤い色で描かれた妙な図形がある。そしてその中心で、それは蠢いていた。
 何かを喰らって、いたのだろう。鈍く歪んだ赤色がソレの行ってきたことを示す。その残骸さえも隠すように平らげてしまう。
 ソレは『灰霞の剣』ヴォル・ヴァ・ドーズ――このままにしておくには危険な存在。
 部屋に入った猟兵達は、ソレを倒すべく事を構える事となる。
篝・倫太郎
カルトだよなぁ、実際
宗教好き好きつったけども
マジでヤダわー、ナイわー(棒)

崇める対象がロクでもねぇってな、良くねぇよ
やーっぱ、とっとと過去にお帰りクダサイ、ってな

さっきと同様に華焔刀を振るって先制攻撃
からの2回攻撃で戦闘開始ーっ

エレクトロレギオンで召喚した機械兵器を散開させて撹乱
剣とBABの攻撃には機械兵器を当てて相殺する形で対応してくぜ
自身に向けられたものもだけど
味方に向けられた攻撃にも対応してくー

元々、俺は支援攻撃のが向いてっからな
本命つーかは、同行してる奴らに任せるぜ

でかいのは任せたぜ!
一発ガツン!と決めてくれよ!

補足
段々、空腹になってきているので
とっとと朝飯ーという気持ちになりつつある


ルカ・ウェンズ
貴方に恨みはないけど、オブリビオンだから始末させてもらうわ。

教団員が見当たらないのは、呼び出した邪神に食べられたからなのかしら?もしそうなら元は良い神様だったのかもね。(私と同じで、呼び出した奴らが気に入らなかったのかしら?)

どんな攻撃が有効なのか【戦闘知識】で考えた後に、気付かれないように【忍び足】で近づき敵に【怪力】でユーベルコードを叩き込む、それとオーラ刀での【2回攻撃】や【生命力吸収】も試してみて、敵の攻撃は燃やされたり、切られるのは嫌だから足を止めない様に【残像】で移動しながら一撃離脱を心掛ける様にして、それから味方と一緒に戦い一対一では戦わない様に気をつけて戦うわ。


須辿・臨
なーんか、わかっててもイヤな雰囲気っすねえ。
相手が斬るべき、斬らなければならない相手ってのはいいんすけど。
……ま、すっきり目も冴えたし、全力で戦うっすよ。
こっちも、朝粥が待ってるんで!

UCは羅刹旋風。
直接斬り込む前は必ず使い、力を上げて仕掛ける。
相手が形あるものならば、灰霞でさえ斬ってみせるっつー気概っすね。
一段も二段も劣るは承知の上、肉を切らせて骨を断つ覚悟で。
捨て身の攻撃が取り柄っすから、傷を厭わず、前に出ていくっす。
そもそも長物は持ってないっすからね!

……そんで、怪異の剣、参考にさせてもらうっすよ。


匕匸・々
崇める者をなくした神よ
此処はお前の在るべき場所ではない
早々でご退場願おう

相手からの攻撃を避けられるようであれば【見切り】で避け、
不可能であれば【オーラ防御】で出来うる限り、負傷を防ぎたい。
僅かな間隙があればシーブズ・ギャンビットで素早く攻撃。
隙が大きければ一撃だけとは言わず【2回攻撃】
皆のお役に立つ為に戦場を駆けてみせよう。

仲間が攻撃する際に【フェイント】で
俺が目眩ましになるのもありだろうか。




 ゆらりと、歪む。灰霞の剣の姿があった。
 ただその部屋に、それだけがいる。他の教団員の姿はまったく見られなかった。
 それはそれで、戦いやすくはある。
 しかし――倫太郎はそれを目にし、半眼で視線を向ける。
「カルトだよなぁ、実際。宗教好き好きつったけどもマジでヤダわー、ナイわー」
 そう言って構えた華焔刀の切っ先を振り切って、返して。
 二度の攻撃を向ける。そして召喚した機械兵器を散開させて。
「崇める対象がロクでもねぇってな、良くねぇよ。やーっぱ、とっとと過去にお帰りクダサイ、ってな」
 ごう、と灰霞の剣が焔を振りまく。その焔は手のように伸びて、猟兵達へ向く。
 しかしそこへ、倫太郎は機械兵器向かわせ仲間達を守った。
 その代償は、切断され消えていく事。
 もともと、自分がどうこうというより支援攻撃の方がむいていると倫太郎は自身を知っている。
 だからこそ、重い一撃は他の仲間達に任せる事となる。
「でかいのは任せたぜ! 一発ガツン! と決めてくれよ!」
 ガツン、かどうかはわからないけれど。
 ルカはすっと、自らの残像を残しながら移動する。
 どんな攻撃が有効なのか――それを考えつつ動く。
 そういえばとルカは視線を巡らせる。教団員が見当らなかった、と。
 灰霞の剣の足元には、赤い色のにじみが見られる。何かを食い散らかしたような、そんな様子は見られないが――考えられる可能性として、ルカの思考の端に廻った事は、十分にあり得た。
「呼び出した邪神に食べられたからなのかしら? もしそうなら元は良い神様だったのかもね」
 そう零しつつふと巡るのは私と同じだったのかも、という事。
 呼び出した奴らが気に入らなかったのかしら? と小さく零すが灰霞の剣からの答えはない。
「貴方に恨みはないけど、オブリビオンだから始末させてもらうわ」
 ルカは近付き、思い切り、力の限り攻撃を叩き込む。その攻撃を、灰霞の剣は灰色の焔をその身に覆い被せ、耐えた。
 しかし――今、ルカと灰霞の剣の間には見えない蜘蛛の糸がある。
 それを辿れば敵のもとに辿りつくは易い。ルカは何度も一撃離脱を繰り返し少しずつ灰霞の剣の力を削いでいく。 その合間に々も、多様にその身から繰り出される攻撃を避けながら距離を詰める。
「崇める者をなくした神よ、此処はお前の在るべき場所ではない」
 早々でご退場願おうと、一重のところで攻撃をかわし、続く攻撃はオーラで守り。
 出来るだけ負傷を避けつつ、々は距離詰める。
 ダガーを構えその刃を奮う。実態が無いようで、けれど手応えはある灰霞の剣。
 その刃を受け止め、その身を滑るように二度、切り裂いて、々はちらりと視線を向ける。
 仲間の攻撃するタイミングをうまく作るために、自らが目くらましになるのもありだろう、と。
 その々の金の視線の先には、今力を貯めている途中の臨がいた。
「なーんか、わかっててもイヤな雰囲気っすねえ」
 臨はくるりくるりと焔を宿すかのような赤い刀身の業物、焔宴を振り回す。
 目の前の相手は斬るべき――斬らなければならない相手であるという事は簡単で良い。
 寝ぼけ眼も、いまはすっきりと冴えている。全力で、と振り回す手ももう十分だろうと、動きを止め。
「こっちも、朝粥が待ってるんで!」
 々が生み出した隙間を見つけ、一足、跳ねるように踏み込んだ。
 相手が形あるものであれば、それが灰霞でさえあっても、斬ってみせる。
 けれど易く斬れる相手でないのも知っている。一段も二段も、まだ己のほうが劣るのも承知の上だ。
 肉を切らせて骨を断つ――その覚悟で傷を負う事厭わずに臨は前へと出る。
 伸びる灰と焔が混ざったものを斬り伏せて。ひゅっと右から左から。
 臨の視界に入ってくる。その一方を叩き緒とし、一方は寸でのところでどうにかかわして――けれど一筋、薄く傷は走る。
「……参考にさせてもらうっすよ」
 同時、かと思えば少しずらして攻撃をかけてくる。
 敵からも学ぶことがあると臨は再び灰霞の剣の懐へと身を沈めた。
 まだ灰霞の剣の力は満ち足りて、簡単に崩せる様子は見られないがそれでも確実に、攻撃は募っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

メノン・メルヴォルド
静かになった…

あの声を聞きたくないと思っていたけれど
こうして静かになれば、それも不気味で
でも、心細い気持ちは、お仲間さん達のおかげで軽くなったのよ

扉を開け地下へ
何か居る、ね…
踏み入れた瞬間感じる禍々しい気配
こんなのを野放しにはできない

敵を察知したら「全力魔法」と「属性攻撃」で
エレメンタル・ファンタジア
水の津波で全てを呑み込むように
その炎を喰らって!

周囲のサポート
樹氷や氷柱で牽制してみるね
味方が有利になるように
少しは敵の動きを邪魔できる?
緊急時には「高速詠唱」も使って素早く対応するね

無事終了に、ほっとして
…ずっと気を張っていたみたい
意識したらワタシもお腹が空いちゃったな
朝がゆのお店に行ってみたい


クロト・ラトキエ
なるほど…灰霞。
そう呼ぶに相応しい、何とも言い難い蠢きに。
世の中、未知との遭遇は絶えないものだと、ぼんやり思ったりもするけれど。

あぁ、失礼致しました。おはようございます。

思索は刹那。お仕事ですから。
瞬きの間に、相も変わらずのやんわり笑顔。
鋼糸にトリニティ・エンハンス、炎の魔力を宿し攻撃力強化。
何処を削ぐものか迷うなら…
触れる全てを落とすまで。
破壊工作と範囲攻撃の要領で、鋼糸を早業にて広範に仕掛け、
引き切る一撃で2回攻撃も狙いつつ。
勿論、皆さんを巻き込まない様に、
寧ろ誰かの攻撃の為の隙を作るだとか逆にフェイントを計るだとか、連携を。

それでは――どうぞ、おやすみなさい。
次の眠りは、永遠に。


フィン・クランケット
っ!
〜もうっ、朝一から何てものを見せてくれるんですかっ
気分を害されたことも、貴方の行いも、どっちも許しませんよぅ
私、すっごく怒っちゃってるんですから!

●SPD
『ダッシュ』で走り回って敵の撹乱と攻撃回避を狙います
注意を引き付ければ、他の方が動きやすくなりますしねぇ

あわせて、他の猟兵さんと連携
他の方が敵の注意を逸らしてくださったら、その隙をついてユーベルコードを使用
走りつつ、多方向から氷柱での攻撃
灰をもらってしまったら、精霊さんに冷やしてもらいましょう

戦闘後、可能なら食べられていたものの骸に手を合わせます
命を奪うな、なんて驕ったことは言えませんけど…何の糧にもしてもらえないのは嫌ですよねぇ…




 静かになった、とメノンは思う。
 あの翼怪たちの声はもう聞きたくないと。そう思っていたけれど、こうして静かになれば――それもそれで、不気味。
 けれど――向かった地下室から戦いの喧騒が響いてくる。
 そこへ足を踏み入れれば戦う猟兵達、そして灰霞の剣から感じるのは禍々しい気配。
「こんなのを野放しにはできない」
 ぽつりと呟いて、メノンはぱしゃんと、傍らで水音を響かせた。
 一滴、二滴。その水滴は膨れ上がり、やがて津波のように、猟兵達の間を縫って灰霞の剣へと向かう。
「その炎を喰らって!」
 なだれ込んだその津波を灰霞の剣は斬り裂く。しかし跳ねた水はそのまま氷柱となって突き刺さり凍り付いた。
 これで少しは動きを邪魔できるだろうかとメノンは思う。そしてそれは十分なものだった。
 灰霞の剣が動きを留めているところへ続けて――もうひとつ。
「お願いしますね、妖精さん。私に力を貸してください」
 フィンの声に応えて、妖精さんは力を貸し更に戒めるように鋭い氷柱が灰霞の剣の周囲を固めるように突き刺さる。
 その隙間からぞわ、と動く。その動きは歪で、そして不気味だ。
「っ! もうっ、朝一から何てものを見せてくれるんですかっ」
 灰霞の剣の気を引くように蜜柑色の髪をなびかせフィンは走り回った。
 そこへ、焔がゆらりとフィンを追いかけていく。
「気分を害されたことも、貴方の行いも、どっちも許しませんよぅ」
 氷の隙間を縫って伸ばされたそれはフィンに触れようとした。けれどその、触れて燃え上がる瞬間を、妖精さんは防ぐ。
「私、すっごく怒っちゃってるんですから!」
 さらにもう一撃、機会を伺って妖精さんの力を。
 灰霞の剣は猟兵達からの攻撃により確実にその力を削がれていた。
 攻撃の合間を抜けようと這い出る灰霞の剣。その様はぐじゅりと、潰れているようでもあり、蠢いているだけでもあるような。
 それをクロトは目にして零す。
「なるほど……灰霞」
 そう呼ぶに相応しい、何とも言い難い蠢きにクロトはぼんやりと、世の中、未知との遭遇は絶えないものだと思う。
 ずるりと、音も無く静かに、けれど不気味に動く灰霞の剣。
 その姿の思索には刹那、踏み込んでいた意識は引き戻される。
「あぁ、失礼致しました。おはようございます」
 瞬きの間にやんわり笑顔を浮かべ、クロトは炎の力をもって己の攻撃力を高めた。
 しゅるりとクロトの指先から鋼糸が踊って。
 何処を削ぐものか――そう思ったが簡単なことだ。
 触れる全てを落とすまで。
 ゆるりと踊ったはずの鋼糸は、瞬の間に鋭利さを増して灰霞の剣の、そのぼやけた輪郭を落としていく。
「それでは――どうぞ、おやすみなさい」
 次の眠りは、永遠に――酷く穏やかな声の響きと共にクロトはその最後の一端をも、削ぎ落した。
 敵の姿が散れば、部屋にはもう何もない。
「命を奪うな、なんて驕ったことは言えませんけど……何の糧にもしてもらえないのは嫌ですよねぇ……」
 今まで灰霞の剣がいた場所へ、フィンはそっと手を合わせる。
 きっとこの場で絶えたものがあるだろうから。
「意識したらワタシもお腹が空いちゃったな」
 メノンの唇から小さな呟き零れたのはほっとしたからだ。ロッドをきゅっと握っていた手の力も安堵に緩んだのだった。

 教団の中心であったオブリビオンも倒され、この場にもう追わねばならないものは、倒さねばならないものはもういない。
 猟兵達が屋敷から出れば陽の光が柔らかに注ぎ始めていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『お腹に優しい朝がゆ』

POW   :    がっつりしっかりお腹いっぱい、食べる。

SPD   :    少量ずつ、色んな種類を満喫して食べる。

WIZ   :    眠いので、後で食べれるようお持ち帰りをお願いします。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●美味しい朝粥
 託された仕事を終えた猟兵達は話に聞いた店へと向かう。
 朝食――朝粥が美味しいというお店に。
 こぢんまりとした店は古くはあるが綺麗に片付いている。
 四人掛けのテーブルがいくつかと、カウンター席。テーブルの上にはいくつかの調味料。それらは味の調整に使えるものだ。
 そして本題の、朝粥。
 例えばシンプルな白粥に色々なトッピングをしていくのも良い。
 鶏肉、豚肉、梅干し、ネギや生姜。貝柱、海老や半熟卵、皮蛋。カリカリの油条も美味しい。
 他にも色々なものがあるだろう。
 はたまた五目あんかけをかけても、贅沢。
 あっさり塩味の白身魚の粥や、ちょっと変わったものならほうれん草の翡翠粥、トマトとモッツァレラの粥なども人気。
 粥のサイズも、ご飯茶碗より少し小さいサイズから、大きなどんぶりサイズまで。
 色々食べたいなら少量の選べる三種セットなどもある様子。
 色々あるのでメニューをよくよく見てみれば良いだろう。はたまた、店主におすすめはと聞いても良い。
 何にせよ、すきっ腹を満たすのは大事な事。
 朝早くともどうぞお腹を満たしていってくれと、その店は猟兵達を迎えるのだった。
フレズローゼ・クォレクロニカ
🍓【🐟🌸🍓】
アドリブ歓迎!

ご飯、ご飯、お粥!
櫻宵、リルくん!沢山食べようね!
女子会!
嬉しげに跳ねながらお粥を選ぶ
普通のもいいし……あ、ボクはほうれん草の翡翠粥にする!
リルくんお魚にするの
共食いにならない?
櫻宵は朝からお肉ダブル!レディは逞しいんだね!
お手手を合わせ皆でいただきます

お口一杯に頬張れば優しいお味
おいし!
櫻宵にもひと口あげる
あーんして!
リルくんと目があいドヤ顔
あ!リルくんいいな!(櫻宵に食べさせてもらう彼を見て)ボクはお肉食べられない…
好き嫌い根絶を誓い―リルくんが分けてくれたお魚を食べる
デレるのは今だけなんだからね!

今この時を楽しんで
明日も明後日も
キミにおはようって言うんだ


リル・ルリ
【🐟🌸🍓】で行くよアドリブ歓迎

「お粥、お粥。初めてだ」
僕はいつも1人だから、皆で食べる朝ご飯も楽しみ
そわりそわりと尾鰭が揺れる
…女子会はよく分からないけれど

「選んでいいの?じゃあ、白身魚のお粥にする」
食べた事無いものが沢山で慣れているものを
他のものも気になるけれど

「フレズ、共食いじゃないよ大丈夫
フレズのは緑だ
お野菜が好きなの?
櫻宵はお肉…君らしいと思う」
2人に習い手を合わせ頂きます

「あ、」
フレズが櫻宵に食べさせて、目が
拗ねたい気持ちになっていたら櫻宵が分けてくれたから
良しとする
……でもなんか恥ずかしい
「フレズ、魚は食べれる?」
しょんぼりしてたフレズにもお裾分け
これで皆、美味しいでしょう?


誘名・櫻宵
🌸【🐟🌸🍓】
アドリブ等歓迎

フレズ、リル!
朝粥女子会よ
ほかほかのお粥食べましょ!
フレズはお野菜が好きだから翡翠粥ね
リル……あなたお魚食べられたの?
いいわ、栄養があって
あたしは何にしようかしら
やっぱりレディとしては少しガッツリ目にいっちゃおうかしらね
鶏肉、豚肉をトッピング
皆で揃って頂きます!

はぁ……美味しいわぁ
身に染みる美味しさね
あら、フレズ、1口くれるの?ありがと(彼女のスプーンをぱくり
翡翠粥は初めてだけれど美味しいわね!
リル?(拗ねた様子の彼に微笑んで)じゃあリルにはあたしのを分けてあげる
はい
あーん
フレズはお肉食べれないものね

こうしてみると兄妹みたいね!

幸せであたたかな時間をありがとう



●🐟🌸🍓の朝ご飯
「フレズ、リル! 朝粥女子会よ。ほかほかのお粥食べましょ!」
 と、一番楽しそうに嬉しそうに、先を歩むのは櫻宵だ。
 続いてその後ろで女子会! と嬉しげに跳ねるフレズローゼと。
「お粥、お粥。初めてだ」
 リルはその後ろをついていく。
 いつもひとりだから、皆で食べる朝ごはんはリルにとっては特別でそわりそわりと尾鰭は揺れる。でもひとつ。
「……女子会はよく分からないけれど」
 けれど、あたかい気持ちになるからいいかなと思う。
 そして三人一緒にお店の中へ。
 テーブル席に座って広げたメニューを三人で覗き込む。
「普通のもいいし……あ、ボクはほうれん草の翡翠粥にする!」
 ささっと決めたフレズローゼ。
「フレズはお野菜が好きだから翡翠粥ね」
 櫻宵はリルはどれがいい? と尋ねる。
「選んでいいの? じゃあ、白身魚のお粥にする」
 食べた事無いものが沢山。それらも気になるけれど、リルは食べ慣れているものを選んだ。
 それを聞いてフレズローゼは瞬いて。
「リルくんお魚にするの。共食いにならない?」
 こてんと首を傾げて尋ねるフレズにリルは。
「フレズ、共食いじゃないよ大丈夫」
 真面目に答える。そして櫻宵は小さく笑って。
「リル……あなたお魚食べられたの?」
 食べれたらおかしい? と返すリルに櫻宵はいいえと首を振る。
「いいわ、栄養があって。あたしは何にしようかしら」
 そう言ってメニューを目で追ってこれ! と櫻宵が決めたのは。
「やっぱりレディとしては少しガッツリ目にいっちゃおうかしらね」
 鶏肉、豚肉をトッピング! と茶目っ気たっぷりに紡ぐ。
「朝からお肉ダブル! レディは逞しいんだね!」
 そう、逞しいのと笑みながら賑やかに注文を終えてしばらく待っているとほんわか、湯気の漂う器が三つ運ばれてくる。
 フレズローゼの前には綺麗な緑。ホウレンソウの翡翠粥。
「フレズのは緑だ。お野菜が好きなの?」
「うん!」
 その、翡翠粥を目にしてリルはちょっとびっくり。思っていたよりも緑色だ。
 櫻宵の前には、シンプルな粥――その上に鶏肉と豚肉がどーんと構え、薬味がいろいろ付いている。
 リルのお粥は白身魚の切り身がそっとのっており、こちらも薬味をお好みで、ということらしい。
「櫻宵はお肉……君らしいと思う」
 そうでしょうと櫻宵は応え、さぁと手を合わせる。
 それをフレズローゼもリルも真似して。
 皆で手を合わせていただきます、からの一口。
「おいし!」
 優しいお味とフレズローゼは眦落とす。
「はぁ……美味しいわぁ」
 身に染みる美味しさよねと幸せかみ締めている櫻宵。
 フレズローゼは蓮華で一匙、掬って。
「櫻宵にもひと口あげる。あーんして!」
「あら、フレズ、1口くれるの? ありがと」
 櫻宵は遠慮なく、とぱくり。
「翡翠粥は初めてだけれど美味しいわね!」
「でしょ!」
 と、リルと目があって――ふふん、とフレズローゼのドヤ顔。
「あ、」
 フレズローゼが食べさせて、その様子にリルの目はとまり、動けない。
 ちょっと嫌、と拗ねそうになる気持ちがむくむく起き上がってくる。
「リル?」
 その様に櫻宵は気付いて、微笑んでじゃあ、と自分の分を一掬い。
「リルにはあたしのを分けてあげる。はい、あーん」
 差出された一口。それだけでリルは嬉しくなって、さっきの事も気にならなくなる。
 良しとする。そんな気持ちで口を開けるが――でもなんだか、恥ずかしくて。
 リルの頬はその一口の温かさと共にほっこり赤くなる。
「あ! リルくんいいな!」
「フレズはお肉食べれないものね」
 ボクはお肉食べられない……とフレズローゼはしゅんと。
 そしてフレズローゼはきゅっと眉寄せて、きりっと真面目な顔して心に誓う。
 好き嫌い根絶――そこへすいっと差出された一口。
「フレズ、魚は食べれる?」
 しょんぼりしてるフレズにもお裾分け、とちょっとだけ悪戯するときに近い気持ちでリルは差し出して。
「デレるのは今だけなんだからね!」
 そう言ってぱくっと口にすれば美味しい。
「これで皆、美味しいでしょう?」
「むむー、美味しいよ!」
 その様子を見ていた櫻宵はくすりと小さく声零す。
 すると二人の視線が同時に向いて。
「こうしてみると兄妹みたいね!」
「えー!」
「フレズに尾鰭はないよ」
 と、笑い声半分に文句を言ってみて。
 三人で過ごす時間は楽しくて幸せ。こういう時間が、明日も明後日も続けば良い。
 おはようと、紡ぎ合える日々は幸せであたたかだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

イェルクロルト・レイン
クレム(f03413)と

何食ったって味がしやしないのに
昔みたいにウマく食えるわけでもないのに
口に運べばつい期待してしまうから、あまり多くは食べたくない
……他人に言うのも面倒だから、黙ってついていくけれど

一番小さいサイズでいい
トッピングはなんでも
もっと大きいやつ? ヤだよ、残したらアンタが食ってくれンのか?
袖を引っ張り包み隠して
頼むのは変わらず小さい粥

火傷にだけは気を付けて
クレムがウマいというなら、これはウマいものなんだろう
少量ならばとさっさと食べきる
熱だけは、冷えた身体を温めてくれる

待つ間はぼうっとしながら
……それ、どんな味なの
興味本位に口にして
差し出されれば眉を顰め
一口なら、まあ、いいけど


クレム・クラウベル
ルト/イェルクロルト(f00036)と
なんだ、そんな量で足りるのか?
お前は細すぎる、もう少し太れ
相手の事情も知らないなら
口をつくのは服で隠れた細い身体への心配

変わり種も気を引かれるが、今回は山菜粥を
粥と一口に言っても色々あるのだな
他の席へ運ばれる粥を時折興味深く見遣り
湯気立つそれを早速一口運べば
程よい熱が冷えた身体に心地良い
染み渡るあたたかさに美味いと素直な感想が落ちる

どんな味……と言われてもまあ、見たままだ
程よいそれぞれ個性のある山菜の味に、だしの味
……一口食べるか?
匙で粥を掬ってずいと差し出し
しっかり食べた方が身体も温まる。遠慮はいらないぞ
食べるのを見届ければ満足げに頬を緩めて



●熱さはここに
 何食ったって味がしやしないのに。
 昔みたいにウマく食えるわけでもないのに。
 そうわかって、いるのだけれど――口に運べばつい期待してしまう。
 わかっているからこそあまり多くは食べたくないとイェルクロルトは思う。
 思うだけで、口にはしない。言うのが面倒だからだ。
 だから今日も、いつもと同じ。
「一番小さいサイズでいい。トッピングはなんでも」
 それなら軽めの、本当に少しのシンプルな粥。それに梅を。
 そして、イェルクロルトの事情をクレムは知らない。
 知らないからこそ、その注文に瞬いて。
「なんだ、そんな量で足りるのか?」
 お前は細すぎる、もう少し太れとクレムは言う。
 それは服で隠れたその細い身体への心配だ。
「もっと大きいやつ?」
 聞き返しイェルクロルトは表情歪め、己の袖を引っ張り、その身を隠す。
「ヤだよ、残したらアンタが食ってくれンのか?」
 そう言われるとクレムは引き下がるしかない。
 そして何にするんだと問われクレムが選んだのは、変わり種も気になるが――今回は山菜粥だ。
「粥と一口に言っても色々あるのだな」
 他の席へ運ばれる粥を時折興味深く見遣り、クレムは楽しみだと思う。
 そして、二人の元にも。
 ことんとイェルクロルトの前に置かれた小ぶりのものは小さな子供が食べるくらいの量だろうか。
 ほこほことあがる湯気。熱いのは確かだ。
 火傷に気を付けてイェルクロルトは一口。
 味はわからないが――喉を通って腑に落ちていく。
 その熱は冷えた身体を温めてくれるものだ。
 クレムも早速と一口。
 程良い熱が冷えた身体に心地良いとまた一口。
「美味い……」
 染みわたるあたたかさも、またその理由の一つ。素直な感想がクレムの口から落ちた。
 クレムがウマいというなら、これはウマいものなんだろうと手元の粥をイェルクロルトは見つめ、もう一口。
 イェルクロルトはすぐに食べきって、クレムが食べ終わるのをぼぅっと待つだけ。
 一口ずつ、クレムが食べる。その姿にふと。
「……それ、どんな味なの」
 興味本位で口にして。
「どんな味……と言われてもまあ、見たままだ」
 程よいそれぞれ個性のある山菜の味に、だしの味――食感も良いとクレムは言う。
 そして、説明するよりもこうするほうが早いと粥を掬ってずずいと、差し出す。
「……一口食べるか?」
 しっかり食べた方が身体も温まるとクレムは続け。
「遠慮はいらないぞ」
 その差し出された一匙にイェルクロルトは眉を顰める。
 けれど。
「一口なら、まあ、いいけど」
 そう言ってゆっくりと、その一口を貰う。
 味はわからないけれど、山菜の、その少し独特な香りはわずかに鼻をくすぐるように通り抜ける。
 ゆっくり喉奥に落としていく。
 その様を見届けてクレムは満足気に頬を緩めていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

静海・終
よつろ嬢/f01660と
はあ、こんな時間まで働いてしまいましたねえ
おススメもされているしお粥をいただいて帰りましょうか
まあ、なんとも言えないのはわかりますが
生きているとお腹がすきますからねえ生きている証を謳歌しましょう

よつろ嬢はどんなお粥にされます?
私、男の子ですのでしっかり食べたいところなのですが…
悩んでいる間にもお腹がすいてきました
そうですね、濃いめの味の玉子粥に鶏ささみと梅を乗せましょう
手を付ける前に茶碗に分けて
よつろ嬢もいかがです?
…お酒以外も口にするんですねえ?ちょっと揶揄う様に笑い

はあ、お腹にしみる…
私、食べたらお腹いっぱいで寝てしまいそうです…
えぇー、薄情でございますー


四辻路・よつろ
終(f00289)と

ああいう事の後にご飯ってのも変な気分ね
まあ、でも朝ごはんってのはありがたいわ

私?私はちょっとでいいわ
”男の子”のあなたと違って”女の子”なもので
ほら、慎重になるのもいいけれど早くしないと
後の人が待ちくたびれてるわよ

無難にシンプルなトリ肉のお粥を選び、刻んだネギをトッピング
窓際の席に二人で腰掛け、外の景色を眺めながら朝ごはん
あー、これ二日酔いの朝に食べたい味ね
いかがです?と差し出された粥を遠慮なく一口貰って
うん、美味しい

終のからかいに、眉をひそめ
失礼ね、ご飯ぐらい食べるわと口を尖らせて

――仕事終わりの一杯にしては優しい味ね
寝てもいいけど、置いて帰るから



●薄情で、そうでなく
 息吐けば、白い。
「はあ、こんな時間まで働いてしまいましたねえ」
 おススメもされているしお粥をいただいて帰りましょうかと終はよつろに声かける。
 寒い、朝の道を二人往きながらよつろは先程までいた場のことをちらりと思い出した。
「ああいう事の後にご飯ってのも変な気分ね」
 い返す戦いの喧騒は決して、心地の良いものではなかった。
 終もそれを思い返し困ったように笑い零す。
「まあ、なんとも言えないのはわかりますが。生きているとお腹がすきますからねえ生きている証を謳歌しましょう」
 その言葉によつろはそうね、と小さく頷き。
「まあ、でも朝ごはんってのはありがたいわ」
 寒いし、温まって帰るのは悪くない。店に入ればすでに他の猟兵達の姿がある。
 二人、窓際の空いている席へ。外の景色は何の色もない殺風景な冬の景色で特に面白みがあるわけではないが、それでもなんだか、しっくりくる。
「よつろ嬢はどんなお粥にされます?」
「私? 私はちょっとでいいわ。そうね……」
 これ、とよつろの指がメニューの上をなぞって止まる。
 それはシンプルなトリ肉のお粥。その上に刻んだネギのトッピングを選ぶ。
「私、男の子ですのでしっかり食べたいところなのですが……」
 悩んでいる間にもお腹がすいてきましたと終はメニューを再度、上から下へと眺めていく。
「”男の子”のあなたと違って”女の子”なもので」
 ほら、慎重になるのもいいけれど早くしないと、とよつろは言って視線を後方へ。
「後の人が待ちくたびれてるわよ」
 それは注文を聞こうと来てくれた定員だ。終の悩みもそろそろ決まる。
「そうですね、濃いめの味の玉子粥に鶏ささみと梅を乗せましょう」
 そして、しばらくして。
 よつろの前に湯気立たせシンプルなお粥。けれどその横にはごまや海苔等の薬味がお好みでと付いているのは嬉しいおまけ。
 それを一口、食べれば。
「あー、これ二日酔いの朝に食べたい味ね」
 優しく、柔らかく。するりと体の中に入っていくような、そんな味。
 終の前に運ばれてきた粥の方は黄金色のよう。鶏ささみはちょこんと真ん中に乗り、梅はお好みでとお代わりもできるようだ。
 それを早く食べたい、と思う気持ちもあるものの終わりは少し、茶碗に取り分けてよつろの方へ。
「よつろ嬢もいかがです?」
 差し出されたそれをよつろは遠慮なくもらい。
「うん、美味しい」
「……お酒以外も口にするんですねえ?」
 ちょっと揶揄う様に笑う終。
 それに眉ひそめ失礼ねとよつろは言う。
「ご飯ぐらい食べるわ」
 そう、口を尖らせて返す様に終は小さく笑い自分もまた一口。
「はあ、お腹にしみる……」
「――仕事終わりの一杯にしては優しい味ね」
 それから、特に何かしら賑やかに話すことも無く。
 互いの皿が空になったのは同じタイミングだ。
「私、食べたらお腹いっぱいで寝てしまいそうです……」
 そのままぺたんと突っ伏してしまいそうな終。よつろはそんな姿に視線向けて。
「寝てもいいけど、置いて帰るから」
「えぇー、薄情でございますー」
 薄情と言うけれど、決してそう思っていない声で返して。
 二人は店を出て、つい先ほどより高く昇っている朝日に眩しいと瞳眇めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

境・花世
◇f01786・綾

見慣れた筈の世界で笑う
綾の姿がなんだか不思議で、
朝陽に光る頬をじぃっと見ている

幾度か仕事ですれ違ったきみ
どんな味が好きなのかも、
全然、なんにも、知らないけど

食べたいなら全部どうぞって
差し出したい気持ちになる
その綺麗な唇がもっと綻ぶのを、見てみたい

家族? いたことないなあ
欲しいと思ったこともないけど、
あんな風に賑やかなのは
確かにちょっぴり眩しい気がする

――でも、今、きみといるのが楽しいよ
ほら、わたしと綾とでひとつの輪

きらりと笑って勧める粥は
翡翠色の美しい一品
海老をトッピングしたらおいしいかなあ

(聞こえた言葉にぱちくりと首を傾げて、)

きみのほうがよっぽど、
きれいだと、思うんだけど


都槻・綾
【f11024/かよさん】

貴女の勤務地なのですね

朝陽射す窓際席
暖かな賑わいを漣の如く聞き乍ら
品書きを手に取る

種類の多さへ瞳を瞬き

…どれも美味しそう、

皆は何を、と店を見渡せば
猟兵達に引く手数多なのであろう嵐吾さんの姿

大家族の長兄のようですね
ご兄弟がいらっしゃるのでしょうか
かよさんのご家族は?
…そう、

私も独りです
人の集う温もりには眩さを感じますね

輪に加わるには気後れしてしまうけれど
皆が幸せな姿を
遠くで眺めているのが落ち着くのだと笑って

…小さな輪
えぇ、誠に

お勧めを教えて頂けませんか
実は選び切れなくて
…貴女の美貌のお力で
付け合わせ(トッピング)増加、されませんかね?


優雅な物腰だが健啖家
たくさんたべる



●瞬いて、瞬き返して
 ここは境・花世(*葬・f11024)にとっては見慣れた筈の世界。
 その世界で笑う――都槻・綾(夜宵の森・f01786)の姿がなんだか不思議。
 朝陽射す窓際席で、他の猟兵達の賑わいを聞き乍ら綾は品書きを手に。
 花世はじぃっと朝陽に光る頬を見ていた。
 幾度か仕事ですれ違ったきみは、どんな味が好きなのかも。
 全然、なんにも、知らないけど、今共にいるのはきっと何かの縁があったから。
 そして綾は、種類の多さに青磁色の双眸が瞬く。
「……どれも美味しそう」
「食べたいなら全部どうぞ」
 零した声に花世は紡ぐ。
 それは今選んでいる粥だけでなく、他にも、差し出したい気持ち。
 その綺麗な唇がもっと綻ぶのを、見てみたいと花世は思う。
 そして綾は、皆は何を、と見渡す。
 すると目に入るのは賑やかな他の者達で、家族のように仲睦まじく見える者達もいる。
 そんな、楽し気に過ごす姿に綾は瞳細め。
「かよさんのご家族は?」
 そう、問えば。花世は家族? と首傾げる。
「いたことないなあ」
 欲しいと思ったこともないけど、あんな風に賑やかなのは確かにちょっぴり眩しい気がすると、花世は瞳を細める。
「…そう、私も独りです」
 人の集う温もりには眩さを感じますねと綾は紡ぐ。
「輪に加わるには気後れしてしまうけれど」
 皆が幸せな姿を遠くで眺めているのが落ち着く――そう、薄く笑み浮かべると花世は。
「――でも、今、きみといるのが楽しいよ」
 ほら、わたしと綾とでひとつの輪と笑って見せた。
「……小さな輪。えぇ、誠に」
 その言葉に少し面食らった顔をして、綾はお勧めを教えて頂けませんかと紡ぐ。
「実は選び切れなくて」
 それならと花世が勧めた粥は翡翠色の美しい一品。
「海老をトッピングしたらおいしいかなあ」
 と、悩むところ。
「……貴女の美貌のお力で付け合わせ増加、されませんかね?」
 その声にぱちくりと瞬き、花世は首をかしげて。
「きみのほうがよっぽど、きれいだと、思うんだけど」
 その言葉に、今度は綾が瞬く番。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

篝・倫太郎
カウンター席でどんぶりサイズをがっつり喰うぜ
トッピング、どうすっかなァ……
鶏肉にネギと生姜、後は梅干しか半熟卵辺りもいいよな
しかし、貝柱と海老も捨てがたい……
ぐぁ、悩ましい!

は!お代わりすればよくね?よくね?
俺天才かよー
まずは、鶏肉とネギに生姜、梅干しチョイスで一杯!

前半は調味料使わずに!
いっただきまーす(両手を合わせてなむなむ)

はふ……んめぇ
寒い時期のコレは癖になんなぁ……
(はふはふうまうま)
後半は鶏肉にちょーっとだけラー油垂らしてアクセント!
ん~んっまい!

おっと、席空けなきゃか……
貝柱と海老、半熟卵のトッピングはお持ち帰りでお願いシマース!

補足
お行儀良く美味しく戴きます
※絡み、アドリブ歓迎



●悩ましく
 カウンター席にどかっと座って。どんぶりサイズをがっつりと決めた倫太郎は迷っていた。
「トッピング、どうすっかなァ……」
 鶏肉にネギと生姜、後は梅干しか半熟卵辺りもいいよなあとメニューをみる。
 しかし、貝柱と海老も捨てがたい……と倫太郎は悩んで思わず、その気持ちが。
「ぐぁ、悩ましい!」
 言葉になる。そして言葉にした後、閃いたのだ。
「は! お代わりすればよくね? よくね?」
 俺天才かよーと笑いながら、倫太郎は店員を呼ぶ。
「まずは、鶏肉とネギに生姜、梅干しチョイスで一杯!」
 そして、目の前にどんぶり一杯の粥。その上には注文した通りのものがあり、薬味も傍に。
「いっただきまーす」
 行儀よく手を合わせ、まず一口。
「はふ……んめぇ。寒い時期のコレは癖になんなぁ……」
 そしてちょっと味にアクセントが欲しくなる後半で、鶏肉にちょっとだけラー油を垂らす。
 そこを掬い上げて口にすれば。
「ん~んっまい!」
 舌上で変わる味。喉を通って腹の中へと暖かさが落ちていく。
 その一杯を食べきって、人が増えてきたのに気付く倫太郎。
「おっと、席空けなきゃか……」
 そう言って立ち上がる前にもうひとつ。
「貝柱と海老、半熟卵のトッピングはお持ち帰りでお願いシマース!」
 持ち帰りはすぐ出来て、後で食べるのもまた楽しみ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

白雪・大琥
「腹減ったぁ。…あ、お邪魔します」
店主と合った目を逸らすも会釈し端の席へ
メニュー覗けば口許がにやけるが注文時は緊張でキリっとして
「じゃあ、鶏肉とほうれん草と半熟卵…あと海老も!」

どんぶりからレンゲで掬えば更に湯気立ち、待ち切れんばかりに一口…
「あっっっつ…!」
こういう声は無駄にでかい
僅かに顔を赤くしながら、今度はフーと冷まして慎重に
頬張って声にはならずとも表情はパアァと効果音が聞こえるよう
熱さに慣れればハフハフしながら一気に食べていく

途中思い立ったように同じ粥の持ち帰りを頼む
「美味かったんで、世話になってる人にも食べてもらいたくて…」
口端にご飯粒つけたまま、逸らした顔は照れたように口を尖らせて



●伝えたい美味しさを
「腹減ったぁ。……あ、お邪魔します」
 店の扉を開けて、ぱっと店主と目が合う。それを大琥は逸らしつつも会釈一つ。
 そっと端の席を選んで腰を下ろす。
 テーブル上のメニュー覗けば、口許はにやける。
 けれど、注文するときは緊張して、きりっと口端は引き締まっていた。
「じゃあ、鶏肉とほうれん草と半熟卵……あと海老も!」
 しばらくして、注文通りのものが大琥の前に。
 どんぶりからレンゲで掬えば、湯気が一層立ち、待ち切れんばかりに大琥は口へ。
「あっっっつ……!」
 思いの外熱い。その声は響いて、僅かに顔を赤くしつつフーと大琥は冷まして。
 今度は慎重に口へ。頬張って、声にはならずとも表情は一変。
 美味しい、と思っているのはその表情ですぐにわかるほど。
 熱さに慣れればハフハフしながら大琥が食べる速度は速くなる。
 と、食べ終わる少し前に大琥はぱっと顔を上げ、店員を呼ぶ。
 同じ粥の持ち帰りを頼めば、同じで良いのかと一応の確認。
 大琥は大丈夫だと頷く。
「美味かったんで、世話になってる人にも食べてもらいたくて……」
 ちょっときまり悪そうに、口端にご飯粒つけたまま、その顔逸らす。大琥は照れたようにその口尖らせて紡いだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

須辿・臨
こんなに種類があると悩むっすねー。
シンプルなのもいいし、五目とか、翡翠粥とか……ってことは、三種セットがいいっすかね。
あっさりと、こってりと、変わり種ひとつずつ。
勿論残したら持ち帰るっす。間違いなくぺろりと食べられそうな腹具合っすけど……。

あー沁みるっす。
生きてるって実感するのは、結局こういう時っすね。
戦って、生き延びて、その後のご馳走。
世界は何処であれ、どんな戦いであれ、忘れがたい思い出と経験として、オレの血肉になる。
日々是修行也、って一族の教え、こういうことっすよね! たぶん!



●美味しい日々是修行也
 席に座って、メニューを開く。
 臨はその羅列に目をすべらせ迷う、とただただ思うのだ。
「シンプルなのもいいし、五目とか、翡翠粥とか……」
 と、その目が見つけたのは三種セット。
 うん、これだと臨は思う。三つ選べる、とても良い。
 あっさりと、こってりと、変わり種ひとつずつ。
 残したら持ち帰るつもり――だが。
「間違いなくぺろりと食べられそうな腹具合っすけど……」
 と、ぐぅとなりそうな腹に心配は無用かと思う。
 しばらくしてほかほかと暖かい湯気とともに粥が来る。
 塩気のある鶏肉の粥はシンプルなものだが、好みでと薬味がいろいろついている。
 こってり系はしっかり味のついたとろとろの角煮と半熟卵と、食感のアクセントに揚げレンコンが添えられている。
 それから変わり種にはトマトとバジルの粥。バジルのさっぱりさにトマトの酸味。そこにはチーズも。
 どれからいこうと臨は迷いつつ、まず鶏肉の粥から。
「あー沁みるっす」
 喉を通り体の内にあたたかな一口が広がる。
「生きてるって実感するのは、結局こういう時っすね」
 目の前の粥を前に臨はぽつりと零す。
 戦って、生き延びて、その後のご馳走――それはやはり特別。
 世界は何処であれ、どんな戦いであれ、忘れがたい思い出と経験として、臨自身のの血肉になる。
「日々是修行也、って一族の教え、こういうことっすよね! たぶん!」
 からりと笑って、臨は残りも熱いうちにと口にする。
 一仕事の後のこの時間は楽しい修行だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クロト・ラトキエ
何も無くとも腹は減る。
何か有ったなら尚更のこと。
ならば、食べられる時に食べましょう。
それもまた――生きるということです。

…なぁんて小難しい話はさて置きまして。

ここは、是非ぜひ店主オススメの一杯を!
自分ではなかなか…白粥に梅や漬物ですとか、簡単なお出汁と野菜の中華粥ですとか、
シンプル傾向から抜け出せないものでして。
いや、好きなんですけどね?
好き嫌いも特に無いんですけどね?

(屠ったものを忘れるでもなく、
自分の行いを正しいとするでもなく、
在る様にただ生きている。
何をしたって、腹は減るのだ。
故に食べる。存分に、楽しんで)

食に感謝を、自分と皆にお疲れ様を。
それでは、
いただきます♪



●いつもの幸せと、変わり種の幸せ
 何も無くとも腹は減る。
 何か有ったなら尚更のこと。
 ならば、食べられる時に食べるというのはクロトにとって必然。
 それもまた――生きるということなのだから。
 という、小難しい話は置いといて。
 純粋にこの時間は楽しみでもあった。クロトはカウンター越しに店主に笑い掛け。
「是非ぜひ店主オススメの一杯を!」
 それはお任せ、ということ。すると店主はいつもどんなものを好むのかと尋ねてくる。
「自分ではなかなか……白粥に梅や漬物ですとか、簡単なお出汁と野菜の中華粥ですとか、シンプル傾向から抜け出せないものでして」
 それを聞いて店主は続けて笑って、シンプルなのが好きなのかと。
「いや、好きなんですけどね? 好き嫌いも特に無いんですけどね?」
 話しながらも店主は準備を進めていく。
 そして、クロトの前に出てきたのは二つの椀だ。
 一つは、クロトがいつも選ぶようなシンプルな粥。しかし梅やネギ、じゃこなど色々なトッピングつき。
 粥は基本の白粥だ。
 そしてもう一方は翡翠粥。その半分にはとろりとしたあんかけの野菜と海鮮、そして半熟卵。確かに自分では頼まない、味は濃い目と見てわかるものだ。
 これは嬉しいとクロトは柔らかに笑み浮かべ――先程の戦いを思い返す。
 屠ったものを忘れるでもなく、自分の行いを正しいとするでもなく。
 そして、在る様にただ生きている。
 その事実を感じて――きゅうと小さく鳴った腹の音に実感する。
「何をしたって、腹は減るのだ」
 故に食べる。存分に、楽しんでと一匙目。
 この一食に、一匙に感謝して。
 自分と、共に戦った皆にお疲れ様の気持ちをもってそれでは。
「いただきます♪」
 僅かに踊る声と共に、クロトはこの幸せを享受した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

匕匸・々
さて、待ちに待った朝粥をいただこう。

【POW】
ほう、色々なトッピングがあるのだな。
ならば白粥を
ご飯茶碗より少し大きめのどんぶりに、
トッピングを楽しむことにしよう。

最初はネギ。
一口食べれば、その温かさに
思わずほっと一息。
半熟卵に海老、
少し物足りなく感じれば鶏肉を。
油条の食感を楽しみつつ、
締めには梅干しで。
全て平らげた頃には体はすっかり温まり…
少し瞼が重くなってきた。
ふふ、こう言う褒美もなかなか良いものだな。

さあ、帰って休もう。
今ならきっと良い夢が見られそうだ。



●様々な楽しみを
 待ちに待った、朝粥の時間。
「ほう、色々なトッピングがあるのだな」
 ならば、と々は白粥を、ご飯茶碗より少し大きめのどんぶりサイズで。
 それから、トッピングを色々と注文を。
 ほかほかと湯気のたつ白粥に最初はぱらりとネギを。
 一口。その温かさに々はほっと一息。それは思わず零れたものだった。
 そしてネギの次は少し濃い目。
 半熟卵を崩して、一匙掬う。口の中でとろりとまろやかだ。
 海老はぷりっとした食感で塩気が良い。もう一つくらいいけそうだと思えるほど。
「次は……」
 鶏肉にしようと掬う。それはしっかり味が付いておりほろりと、口の中で崩れた。
 良い味だと笑み零し、次は食感をと油条を。
 そうして少しずつ食べていくと、あっという間にどんぶりの中は減っていき、最後に残ったのは梅干し。
「締めだな」
 梅干しのすっぱさを感じつつ、最後の一口を喉の奥に落とせば、すっかり体は温まっている。
 その心地に、少し瞼が重くなってきたなと々は瞬きを。
「ふふ、こう言う褒美もなかなか良いものだな」
 さあ、帰って休もうと々は金の瞳を細める。
 この心地ならば、今ならきっと――良い夢が見られそうだ、と柔らかに微笑んで。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メノン・メルヴォルド
…おはようございます
一人で入るごはん屋さんに、ちょっと緊張して小声

いい匂い…
朝ごはんの香り
ほっと温まるような

SPD
空いてる席に座るね
えーと、せっかくだから色々食べたいな
三種セットお願いします

鶏肉とショウガのお粥と…
色々あって迷っちゃうの

お野菜系とお魚系で
何かおすすめ、ありますか?
あ、苦手なものはない、です

楽しみ
嬉しそうに笑って

待っている間
店内をきょろきょろ
古そうだけど、綺麗で落ち着いたお店だな、と思う
皆それぞれ朝ごはんを食べていて

出されたお粥セットに
わあ…と小さく感嘆

いただきます
ほふほふ、美味しい
こっちのお味はどんなかな?
いくらでも食べられちゃうね
トッピングを変えて楽しんだり

ごちそうさまでした



●ほんわりあったか心地
「……おはようございます」
 一人ではいるごはん屋さん。
 それはメノンにとってはちょっと緊張する場所――だったが。
「いい匂い……朝ごはんの香り」
 ほっと温まるようなその香りに、心は柔らかにほぐれている。
 見回して、空いている席にメノンはちょこんと座る。
 開いたメニューにはいろいろな種類。
「えーと、せっかくだから色々食べたいな」
 三種セット、と見つけてそれを。
 その三種を選ぶのも、また大変。
「鶏肉とショウガのお粥と……」
 色々あって迷ってしまうのは、それはそれでちょっと幸せ。
 迷っていると、店員がどうしますかとメノンに声を。
「お野菜系とお魚系で何かおすすめ、ありますか? あ、苦手なものはない、です」
 と、おすすめを聞いてみる。
 すると店員は、野菜ならやっぱり翡翠粥。それに半熟卵のトッピング。魚は鯛のさっぱりとした粥をという。そのさっぱりさはレモンだと言う。
「レモン。楽しみ」
 じゃあそれを、と自分が選んだ粥と一緒に注文してメノンは嬉しそうに笑む。
 待っている間は店内をきょろきょろと。
 古そうだけど、綺麗で落ち着いたお店。そして皆それぞれ朝食を。
 と、メノンの前にもセットがやってくる。
「わぁ……」
 白粥の上に鶏肉とショウガ。緑色の翡翠粥の上に半熟卵がふるりと乗っている。そしてその隣には好き通るようなだし汁の粥。その上に白身の魚と輪切りのレモンが添えられていた。
「いただきます」
 行儀よく手を合わせメノンは一口。
 ほふほふと、美味しいとその頬は赤らんで。
「こっちのお味はどんなかな?」
 そう言って掬う魚の粥はさっぱりと。レモンの酸味がするが逆に良い。
 いくらでも食べられちゃうねと瞬いて、他にもトッピングを変えながら楽しんで。
 気付けば三種とも器が空っぽ。
 ごちそうさまでした、とメノンは笑み零した。ほんわり、あったかな気持ちで。

大成功 🔵​🔵​🔵​

勾月・ククリ
【土蜘蛛】
耀子ちゃんおつかれさま~!
さむくない?はいこれカイロ!
おかゆが食べれるって聞いて遊びに来たんだよ

あれ、べりるちゃんもおつかれさまなんだね
えへへ今日わたしは非番だったんだ~
なんとおかゆを食べるのに100%の体力を使えるの!

何か変わったやつが食べたいな
トマト!モッツァレラ!すごーい!イタリアン!
あれ?これもしかしておかゆじゃなくてリゾッ…

そんな違いがあったなんて!
さすが耀子ちゃん、一つ賢くなってしまった…
交換するする!はい、あーん!

おいしーい!温まるねぇ
ファティちゃん、ほらほらあーん!
(スプーンに盛り盛り持って近づけ)

わぁべりるちゃんのも美味しそう!
ひっとくち!ひっとくち!(見つめる)


花剣・耀子
【土蜘蛛】
UDCがどうのより眠くて寒いのがつらいわ。
ねぎらいどうもね。べりるちゃんもお疲れ様。
カイロで手を温めながらおかゆに挑みましょう。

胃袋がタンパク質を採れと囁いているので鶏粥にするわね。
生姜が利いているのが好きよ。
あっ、油条もお願いします。

今日は鳥と、後はお片付けね。
とり……(おかゆを見る)(目を逸らす)
まあ、ごはんが美味しくなくなる話は止めておきましょう。

洋風のおかゆも美味しそう。
リゾットは横文字でおかゆはひらがなよ。
違いを確認するためにも一口交換して頂戴。

……家庭内暴力の現場を目撃してしまったわ。
ファティちゃん、食べきれる分だけにしておきなさいね。
油条をちょっと千切ってあげましょう。


雪珠・ファティ
【土蜘蛛】
耀子、任務おつさまー
周りをひゅんひゅん飛んで、ククリの肩へとおちつく
ボクは夜型だから寝起き…うわべりるなにすんの
ククリ!反撃しろ揺れる揺れるってば

べりるおっさんじゃん
もっとかわいい掛け声しないとモテないよ
お粥かぁ。寝起きに丁度いいね
結構味にはうるさいほうなんだけど
……うん、ボクもトマトとモッツァレラ粥~
変わり種はちゃんと食べとかないとね
ボクサイズの食器とかあるかな
なかったらあーんしてね

二人共ちゃんと仕事してんだなーえらい
焼き鳥なんて美味しそう……あ、ごめんごめん

うわ人間みたいな量を食べれるわけないだろ
ふざけんなふーふーしろ!あっ、あっち、美味し!
くそ、熱いだろうが!!ふえーん耀子~!


星鏡・べりる
【土蜘蛛】
朝ご飯のお誘いあんがと~
こっちも仕事上がりでお腹ペコペコだよ
ククリとファティはご飯だけなの?
二人ももっと働けよ~(弱キックを入れる)

よっこらせっと!
あっ、私は三種セットでオススメトッピングしてください!

よーこ、お疲れ様。今回は何が相手だったの?
あ~あのうるさい鳥と黒くて燃えてる奴かぁ
私も最近戦ったなあ、燃えてる方が強かったよね~

おっ、おかゆきたきた、美味しそう~
はい、ファティ~口を全力で開けてね~(スプーン一杯のあっつあつのおかゆを近づける)

んん、そんなに見なくてもひとくちぐらいならいいよ
どれにするの、ククリ?



●土蜘蛛の朝粥たいむ
「耀子ちゃんおつかれさま~!」
 若葉色の髪と目を持つ少女、勾月・ククリ(Eclipse・f12821)が耀子へと手を振る。
 そして雪珠・ファティ(Garbage・f13393)も耀子の周囲をひゅんふん飛び。
「耀子、任務おつさまー」
 ファティはククリの肩へ。
 耀子は小さく手をあげて、ねぎらいどうもと一言。
「UDCがどうのより眠くて寒いのがつらいわ」
「さむくない? はいこれカイロ!」
 おかゆが食べれるって聞いて遊びに来たんだよと笑顔を向けるククリ。
 そこへ合流したのは星鏡・べりる(Astrograph・f12817)だ。
 カイロを受け取りながら、べりるちゃんもお疲れ様と耀子は紡ぐ。
「朝ご飯のお誘いあんがと~。こっちも仕事上がりでお腹ペコペコだよ」
「あれ、べりるちゃんもおつかれさまなんだね。えへへ今日わたしは非番だったんだ~」
 そう言ってククリはえへんと胸を張り。
「なんとおかゆを食べるのに100%の体力を使えるの!」
「ボクは夜型だから寝起き……うわべりるなにすんの」
「ククリとファティはご飯だけなの?」
 二人ももっと働けよ~とかるーくキックをいれるべりる。
 それは親しいからこそのじゃれ合いのようなものだ。
「ククリ! 反撃しろ揺れる揺れるってば」
 そのやりとりみつつ、小さく笑って。耀子はカイロで手を温めながらおかゆに挑みましょうと店へ足向ける。
 お店に入ると心地よい温かさ。
「よっこらせっと!」
「べりるおっさんじゃん。もっとかわいい掛け声しないとモテないよ」
 ファティの言葉にえーとべりるは零し、そして注文を決めるのも早い。
「あっ、私は三種セットでオススメトッピングしてください!」
 早いと思いつつメニューを広げて、耀子は自身が一番求めている物を見つけた。
「胃袋がタンパク質を採れと囁いているので鶏粥にするわね」
 生姜が利いているのが好き、と店員に告げればしっかり利いているという。
 そう、と頷いてもう一つ。
「あっ、油条もお願いします」
 何かかわったやつが食べたいな、とククリの目に留まったのは。
「トマト! モッツァレラ! すごーい! イタリアン!」
 これにする、とククリは即決。
 寝起きには丁度いいねとファティも注文決める。
「結構味にはうるさいほうなんだけど……うん、ボクもトマトとモッツァレラ粥~」
 変わり種はちゃんと食べとかないとねとファティはご機嫌で。そこではっとする。
「ボクサイズの食器とかあるかな……なかったらあーんしてね」
 そう言うと、いいよとククリは答える。
 と、話しているとお目当てのものが次々と。
 その間に今日の事を話す。
「よーこ、お疲れ様。今回は何が相手だったの?」
「今日は鳥と、後はお片付けね」
「あ~あのうるさい鳥と黒くて燃えてる奴かぁ」
 私も最近たたかったなあとべりるは思い出しでもという。
「燃えてる方が強かったよね~」
 そう言っていると、耀子の目の前にお粥。
 とり……と、耀子はそれを見て、そしてそっと目を逸らす。
 今この話は駄目と耀子は思うのだ。
「二人共ちゃんと仕事してんだなーえらい」
「まあ、ごはんが美味しくなくなる話は止めておきましょう」
「焼き鳥なんて美味しそう……あ、ごめんごめん」
「おっ、おかゆきたきた、美味しそう~」
 と、最後にべりるの前に三種セット。
 シンプルな粥は鶏ササミとごま油はお好みで。と翡翠粥に半熟温泉卵。そして最後に五目粥。五目粥はとろりとあんかけで海鮮もたっぷり。
 それから、ねぎ、高菜や油条などお好みでとおかわり自由で添えられている。
「あれ? これもしかしておかゆじゃなくてリゾッ……」
「洋風のおかゆも美味しそう。リゾットは横文字でおかゆはひらがなよ」
 と耀子は一言。するとククリは瞬いて。
「そんな違いがあったなんて! さすが耀子ちゃん、一つ賢くなってしまった……」
 なるほど、と納得するククリ。耀子はそこで自分のを器をちょっと寄せ。
「違いを確認するためにも一口交換して頂戴」
「交換するする! はい、あーん!」
 お互いに交換すれば、味は全然違うもの。どちらも美味しくて幸せだ。
「おいしーい! 温まるねぇ。ファティちゃん、ほらほらあーん!」
 そう言ってククリは一匙、口元へ。
「うわ人間みたいな量を食べれるわけないだろ」
 ええーといいながらずずいと迫る匙。ファティは慌てて逃げる。
 すると、今度はべりるも。
「はい、ファティ~口を全力で開けてね~」
「ふざけんなふーふーしろ! あっ、あっち、美味し!」
 けれど笑ってククリはファティのいう事を聞いていないのか、聞こえていないのか。堪らなくなったファティはその匙から逃れて。
「くそ、熱いだろうが!! ふえーん耀子~!」
「……家庭内暴力の現場を目撃してしまったわ」
 その様子に耀子はぽつりと零しファティの避難を受け入れる。
 そんなことしてないよというククリの瞳はべりるの粥を見定めていた。
「わぁべりるちゃんのも美味しそう!」
 そう言って、じいっと見つめたククリはにこっと笑顔を向け。
「ひっとくち! ひっとくち!」
 そのおねだりにべりるは。
「んん、そんなに見なくてもひとくちぐらいならいいよ」
 本当に!? とククリは喜ぶ。でも三種類あるのは、迷う。
「どれにするの、ククリ?」
 うぅんと唸っている間に、耀子はファティに少し粥をあげて。
「ファティちゃん、食べきれる分だけにしておきなさいね」
 油条をちょっと千切ってあげましょうとお裾分け。
 四人の賑やかな朝ごはんはまだしばらく続く。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フィオリーナ・フォルトナータ
すっかりお腹が空いてしまいましたね
戦いの後はやはり美味しいご飯でお腹を満たしたいものです

…というわけで、嵐吾様、おすすめのトッピングはありますか?
好き嫌いはありません
せっかくですので、トマトとモッツァレラ…これとあと二種
三種セットで、色々と味わってみたいのです
ご一緒の皆様がおられるようでしたら、叶うならば共に楽しみたく

運ばれてきたお粥に興味津々
いいにおいにお腹もきゅーっと鳴ってしまい、少々赤面
あつあつならふーふーしてから、そっと一口
美味しいですと頬緩め、ゆっくりもぐもぐ味わってから、ごちそうさまでした

…とても美味しかったです
賑やかな空気と共にご飯を食べる、この時間は、やはり良いものですね


斎部・花虎
【SPD】

ちょっとずついろんな種類を、食べたい。
メニューを見て、ちょっぴりそんな、奮起を
……我慢できずに食べるだけお邪魔しに来てしまったんだ、うん

嵐吾、おまえも一緒にどうだ
梅と卵は外せないところだと思うんだが
おまえのお勧めも教えてくれ

白く湯気立てる粥を匙で掬って、ふうと息吹き冷ましつつ
はふりと口に含んであちあち
けれど喉を、胃を柔く温めてゆく美味に
この時ばかりは両の眸を輝かせ
――なあ、旨いな
綻ぶ顔で嵐吾にも同意を求めたりもして

おれは美味しいものを食べたら、
誰かと美味しいと笑い合えるのがいっとう好きだ
案内お疲れ様


ジナ・ラクスパー
お疲れも見えますけれど
それ以上の安堵と期待と空腹のお顔
皆様ご無事でよかった
きっと心もお腹も温まる、優しいごはんになるのです

澄んだ朝も早起きも好きなのですが
さすがにこの季節は冷えますね…
でもお店へ入った途端、ふんわり温かな湯気と良い匂い
また楽園を見つけてしまいました…!いえ、教えていただいたのですが!

海老と貝柱と生姜の中華粥
冷たい手で包む器から、舌にのせた熱々のお粥から
体の芯までゆっくり温まって
美味しさに緩んだ頬までぽかぽか

嵐吾さん、嵐吾さん
どのお味がお好みでした?
ああっそれも素敵なのです、なんて隣の芝生は青くて
また美味しいものを教えてくださいませね
お仕事もしっかりお手伝いいたしますから!


ラティファ・サイード
世界や地域が違えば食文化も異なりましょう
わたくし、新しい発見は好ましく思いますのよ
嵐吾様に相席をお願いしてよろしいかしら

ついつい未知の戯れに触れたように目が輝きます
基本は翡翠粥を頂こうと思っております
トッピングは迷いますわね
卵は勿論鶉や桜海老が気になりますわ
あるいは…お店の方にご相談致しましょう
少し味に変化を付けたく思いますの
歯ごたえや舌触りが楽しいものがいいですわ
お勧めはございまして?

匙を進めて舌鼓
滋味深い味わいで臓腑が歓ぶよう
嵐吾様のそちらは如何?
ふふ、あなたの好きを分けて頂ければ
嬉しゅうございますわ
教えてくださる?

よろしければわたくしのもひと匙どうぞ
うふふ、素直な殿方、わたくしは好きよ?


フィン・クランケット
朝!がゆ!!
待ぁってましたぁ〜、いや本当にっとか、ほのほのしつつ
えとえと、何味にしましょうっ
翡翠粥も珍しくて惹かれちゃう…はっ、皮蛋!皮蛋のトッピングにしましょう、ええっ
白粥なら他のトッピングも追加すれば色々楽しめちゃいますし!

というわけで、あれこれ悩んだ末にいただきまーす♪
はふはふ、おいしい
ふへぇ…ほっとするぅ…

嵐吾さんを見つけたら、お疲れ様ですと、何でもっと依頼の内容(えぐいって)教えてくれなかったんですかぁとぶーぶー
豚さんしてても、お粥でお腹と心が満たされれば気持ちはなごなご
ん〜、おいしかったぁ


あ、折角ですし、翡翠粥もやっぱりいただきたいです〜…(てへ)
(その後もめっちゃ食べた)



●賑やかな、朝食を
 朝! がゆ!!
 と、お待ちかねの時間。
 フィンは待ぁってましたぁ~とメニューを開く。
「いや本当にっ。えとえと、何味にしましょうっ」
 翡翠粥も珍しくて惹かれる――そして目にしたトッピング。
「はっ、皮蛋! 皮蛋のトッピングにしましょう、ええっ」
 そしてフィンの目は白粥に止まる。
 これならトッピングを他にも追加すれば色々楽しめるというところ。
 あれこれ悩んだ末に注文して、できたてをほくほく。
「いただきまーす♪」
 はふはふ、おいしいとフィンは表情をふにゃんと緩める。
「ふへぇ……ほっとするぅ……」
 そう言ってお腹いっぱいになる――ちょっと前。
 店の外では数人がタイミングよく、出会っていた。
 メニューと見て、ちょっとずつ色んな種類を、食べたいと。
 ちょっぴりそんな、奮起を斎部・花虎(ヤーアブルニー・f01877)はして。
「……我慢できずに食べるだけお邪魔しに来てしまったんだ、うん」
 そんな花虎に嵐吾は笑って、わしも食うだけと言う。
 その声にジナ・ラクスパー(空色・f13458)もお疲れの方も見えますけれど、とくるりと視線流す。
 するとフィオリーナと目があって、こくりと頷き一つ。
 すっかりお腹が空いてしまいました、とフィオリーナは自身のお腹にそっとふれ。
 戦いの後はやはり美味しいご飯でお腹を満たしたいもの。
 その表情にジナは笑疲れ以上に安堵と期待と、空腹のお顔と小さく笑む。
 そしてほっと、皆様ご無事でよかったと思うのだ。
「心もお腹も温まる、優しいごはんですね」
 ジナは、はぁと指先に息を。
 澄んだ朝も早起きも好きだが、さすがにこの季節は冷える。
 ジナの赤らんだ指先に、嵐吾は気付き。
「そうじゃ! ほら、早ぅ店に入ると良い」
 冷える冷えると皆の背中を押し店に入れば温かく、良い匂い。
 その温かな湯気と良い匂いにジナは金の瞳を瞬かせ。
「また楽園を見つけてしまいました……! いえ、教えていただいたのですが!」
 思わず、といったように小さな声がジナの口から零れる。
 と、その様子に丁度食べ終わったフィンは気付いて。
「あっ、嵐吾さん。お疲れ様です……と。何でもっと依頼の内容えてくれなかったんですかぁ」
 えぐいって、とぶーぶーとフィンは文句を。
「えー? わしちゃんと言うたよ?」
「言ってませんー!」
 けれど、文句を言っても、お腹いっぱいの今、気持ちはなごんでいてじゃれ合いのようなもの。それをお互いにわかっている。
「嬢ちゃんはもう食べたんか?」
「ん~、おいしかったですよ。でも……」
 翡翠粥……と小さく零す。それを嵐吾の耳はひくりと動いて捉えていて。
「翡翠粥は食わんかったんか?」
「……翡翠粥もやっぱりいただきたいです~……」
 なら、座れと嵐吾は笑ってフィンも招く。
 そこへふっと嫋やかな女の声が。
「相席をお願いしてよろしいかしら」
 金の瞳に柔らかさを含め、ラティファ・サイード(まほろば・f12037)は笑む。
 その笑みに嵐吾はああ、喜んでと席を引きそこへラティファも招かれる。
 ありがとうと笑み、世界や地域が違えば食文化も異なりましょうとラティファは紡ぐ。
「わたくし、新しい発見は好ましく思いますのよ」
 未知の戯れに触れたように――粥、というものにラティファの金の瞳は輝いていた。
 翡翠粥、とその特別な色の粥を選びあとはトッピングを。
「迷いますわね」
 卵は勿論鶉や桜海老。気になる。
 しかしこういう時……とラティファはちらりと店員に視線向け妖艶なる笑みを。
 するとすぐさま、店員はやってくる。
「少し味に変化を付けたく思いますの。歯ごたえや舌触りが楽しいものがいいですわ」
 お勧めはございまして? とラティファが問えば、次から次へとお勧めが告げられる。
 そのお隣で、メニューから顔をあげたフィオリーナは。
「……というわけで、嵐吾様」
「なれはわしを頼れば美味しい物がでてくると思うとるじゃろ」
「そうでは、ないのですか?」
 その言葉にフィオリーナは、えっという顔を。嵐吾は小さく笑っていや、あっとるよと返す。
 途端にその表情はではと輝いた。
「おすすめのトッピングはありますか?」
 好き嫌いは無いと言う。そうじゃなあと嵐吾はむーんと唸る。
 その間にフィオリーナは三種セットの、他のものを選ぶ。
 せっかくなのでトマトとモッツァレラは選んで。あとは、と皆と違うものを。
「フィオリーナの嬢ちゃんや。やはり半熟卵……しかしこの辛子高菜も捨てがたい」
「それは……両方行きましょう」
 こくり、と頷くフィオリーナに嵐吾もうむ、と頷き返す。
「おれは……梅と卵は外せないところだと思うんだが。嵐吾、おまえのお勧めも教えてくれ」
「梅と卵な。それも良き……わしは、そうじゃなー。五目、いや海鮮……それとも……迷うのー。嬢ちゃんらと同じのは外していかんと……」
 わしはそれ以外を選ぶ、と言い切って最終的にじゃこと山椒の粥を。
 そして、注文し暫く。
 みんな揃って、頼んだ粥が運ばれてくる。
「いいにおい……」
 だしの匂いが鼻をくすぐる。フィオリーナのお腹は正直者で、その匂いにつられてきゅーっと一声。
 あ、と少しだけ赤面するのだが、気持ちは皆同じ。
 あつあつの粥を掬ってふーふーとさましそっと、一口。
 ゆっくりと食べるその一口にフィオリーナの頬も自然と緩んでいく。
 そしてその前で花虎も。白く湯気立てる粥。ふうと息吹きかけて、少しさましたつもりでも熱く。あちあちと口中で驚くが喉を、そしてその先に落ちていく。
 胃を柔く温めてゆく美味に、碧翠の両の眼は輝く。
「――なあ、旨いな」
 ほわりと綻んだ顔で花虎は嵐吾に告げる。嵐吾はおうと笑って、わしのもあげよとじゃこと山椒の粥をお裾分け。
 ちょっとうれしい、と笑み零せばふと、フィオリーナと目があって。
 フィオリーナが美味しいですね、と微笑めば花虎もそうだなと、小さな笑みを返す。
 誰かと美味しいと、笑い合う――それは花虎にとっていっとう好きな事。
 フィンの前には、お待ちかねの翡翠粥。
 さっきも食べたからここの粥が美味しいのは知っていて、再確認だ。
 フィンはにこにこ笑顔で、その匙は止まらない。ふへへと幸せの笑みが零れっぱなしだ。
 同じく、ラティファの前にもそれがある。
 滋味深い味わいで臓腑が歓ぶよう、とラティファの匙はゆっくりと進んでいた。
 店員お薦めのトッピング。自分が選んだものも美味しいのだが、粥を良く知っている店員の選んだものもとても良い。
 レンコン、それからしゃっきりとした水菜はどちらも触感が違い楽しめる。それはどうやら、ラティファは気に入ったと、勧めてくれた店員へと笑みを向けた。
 ジナの前には海老と貝柱と生姜の中華粥。生姜の香りが際立って、すでに美味しそう。
 まだ冷たい手で器を包む。その温かさにほっとしたら蓮華で一掬い。
 そうっと、舌の上に運べば熱々で、生姜の風味が広がって。
 喉を過ぎて体の内に落とせばぽかぽかと、身体の芯から温まっていく。
 そしてその美味しさに緩んだ頬もぽかぽかと。
「嵐吾さん、嵐吾さん。どのお味がお好みでした?」
 と、隣の芝生は青い。ジナは嵐吾の物を見る。じゃこと山椒の粥は、大きな器に入っていて。気づけばちょっとずつ、皆にもとお裾分けされている。
「じゃこと山椒のはピリッとしてて良いぞ」
「ああっそれも素敵なのです」
 そうじゃろ、と言って嵐吾はジナにもと、取り分け用の器に。
 受け取ったジナはわぁと早速。
「美味しい!」
 あっさりさっぱり。山椒のぴりっとしたのにじゃこの塩気も良し。
「また美味しいものを教えてくださいませね」
 お仕事もしっかりお手伝いいたしますから! とジナの言葉にああ、よろしくと嵐吾は紡いで、わかっとるよとラティファにも同じように。そちらは如何? と視線が問いかけていたからだ。
「ふふ、あなたの好きを分けて頂ければ嬉しゅうございますわ」
 そのお味を教えてくださる? と伸ばされた手に取り分けた粥を。礼を言うと同時にラティファは悪戯するように笑って見せた。
「よろしければわたくしのもひと匙どうぞ」
「良いのか? でな遠慮なく」
 ラティファの翡翠粥を、一口。
 一口運んで食べる様を見てから、ラティファは楽し気に笑うのだ。
「うふふ、素直な殿方、わたくしは好きよ?」
「むぅ、そのような事言われると……素直にもう一口欲しいと冀わねばならなくなるんじゃが」
 その言葉にまぁ、とラティファは軽やかに笑って、一口と言わず二口と勧める。
 そして賑やかに和やかに。
 それぞれ、ちょっとずつ分け合ったりもして食べきって。
「……とても美味しかったです」
 と、フィオリーナの声がしみじみと響いた。
 それはもちろん、粥もなのだけれど。皆と、賑やかな空気と共に食べる。
 それはまた美味しさの一因。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月30日


挿絵イラスト