帝竜戦役⑱〜体は熱いが心は痛い~恥ずか死の湯~
●きゃーはずかしー
ほかほか、ぽかぽか。
丁度良い温かさを保つ温泉地帯があった。そこに入浴しているのは猫耳を生やした少女達。
彼女達は東方の武技に魅せられ、ありとあらゆる武術や忍術を窮める為、日々修行に励んでいる者達だ。
遥か東方にあると言われている『日ノ本』に憧れを抱く少女達。故に温泉を発見したならば選択肢は一つ。体を休める為に入るのみ!
かくして彼女達はわくわくしながら着物を脱ぎ丁寧に畳むと、水着に着替えてじゃぼーんと温泉に入った。
何度も読んだ書物の内容を思い出しながら、頭に畳んだタオルをちょこんと乗せてみる。東方っぽい雰囲気にまた一歩近づけたと満足していた――その時だった。
「はうぅぅぅ……」
「ひゃあぁぁっ!!?」
突然顔を両手で覆い隠し、少女達は悲鳴を上げ始めた。何やら顔を真っ赤にし、恥ずかしそうにもじもじもだもだしている。
だが勘違いをしてはいけない。何故ならえっちなハプニングなど全く起こっていないのだから! 残念! でも悲鳴はちょっとえっちい気がする!
と、それはさておき、入浴していた少女達は一体何に悶え始めたのだろうか。
「あぁ、あの時大勢の前で派手な転び方しちゃって……恥ずかしいよう……!」
「私だけ変装のセンスがおかしかった頃思い出しちゃった……うぁー……」
「♰煉獄の禁断魔法♰の暴走を抑え込む為に包帯巻いてたけど……何であんな嘘を堂々と……死にたい……」
少女達が自ら温泉に沈みながら口々に呟くのは、どうやら過去に犯した出来事のようだ。
「う、うわあぁぁぁん!! 見ないでくださいー!! ごめんなさいー!!」
(誰も気にしていないのに)己の過去の恥ずかしさに耐えられず、一人の少女が突然暴れ出した。真っ赤になりながらばしゃばしゃとお湯を飛ばし散らす。
その混乱は次々と他の少女達にも伝染していき、温泉はドタバタ大戦場と化すのだった。
●冷静と情熱の珊瑚礁
「何処の世界の生き物も、一度や二度くらい失敗は経験するものっすよね」
集まった猟兵達に向け、知念・ダニエル(壊れた流浪者・f00007)は話し掛ける。やはり視線は何処か遠い場所を向いていた。
「んで、失敗って案外恥ずかしい記憶として残る時もあるっすよね。皆さんはそういうのがない事を祈りますけど……」
と、言うのも。
「今回、皆さんに向かって貰う場所がちと厄介な戦場なんすよね」
ダニエルが言うに、高熱を放つ『サウナ珊瑚』というものが生えている温泉地帯が今回の戦場のようだ。
温泉に浸かっていなくても湯気だけで汗が滲む、まさにサウナのような場所だ。
「入浴すれば凄く気持ちいい極楽温泉らしいっすが、その湯の効能はというと……」
一息置いてから、続きの言葉を告げる。
「……『恥ずかしい記憶が突然蘇って、何故か死ぬほど恥ずかしくなる』って効果っす」
はぁ、と呆気にとられる猟兵達。
「俺の予知した温泉地帯は不思議な効力があるみたいっす。入浴した者に突然爆発的な感情を与えるっすが、それを抑え込んでひたすら耐え続ると……戦闘力を一時的にパワーアップしてくれるらしいっすよ」
つまり、そんな効力を知らず入浴したオブリビオンが恥ずかしさに耐えられず暴走している為、それを止め、撃退する。それが今回の目標だという。
「って事で、皆さんも強制的に温泉に入る必要がある訳で。自分の恥ずかしい記憶に頑張って耐え続けて下さいっす。我慢すればするほどこちらが有利になるんでね」
気合いで何とかなるものではない事を知り、なかなか厳しい戦いになりそうである事を感じる猟兵達。
「さて、俺からの説明は以上っすかね。じゃ、温泉用の水着か軽装でも用意してから声掛けて下さいっす。宜しくっすよ」
ダニエルは猟兵達にそう伝え、ひらひらと手を振るのだった。
ののん
お世話になります、ののんです。
●状況
アックス&ウィザーズ『帝竜戦役』の戦争シナリオとなります。
1章で完結します。
●戦場ルールについて
『己の恥ずかしい記憶が突然蘇り、めちゃくちゃ恥ずかしくなる』という感情を我慢しつつ温泉地帯で戦います。
些細な事、若さゆえの過ち、中二的なアレなど、恥ずかしくなってもだもだしてしまうような過去が突如襲い掛かって頭から離れなくなります。
恥ずかしすぎて死にたくなったり動けなくなったりする……なんて事にならないよう、なんとか我慢する行動を考えてみて下さい。
特にないな……という方は勝手にしょーもない思い出を作っちゃいます。
全体的にユルい雰囲気となってますが、戦争ですので目的はお忘れなく。
プレイングボーナスは以下の通りです。
====================
プレイングボーナス……「爆発的な感情(恥ずかしい)」を発露させた上で、抑え込む。
====================
●プレイングについて
受付期間は特に設けておりません。
キャラ口調ですとリプレイに反映しやすいです。
お友達とご一緒する方はIDを含めた名前の記載、または【(グループ名)】をお願い致します。
同時に投稿して頂けると大変助かります。
申し訳ありませんがユーベルコードは基本的に【選択したもののみ】描写致します。
以上、皆様のご参加お待ちしております。
第1章 集団戦
『東方の武技に魅せられた者』
|
POW : 主の為ならばこの身どうなろうとも……
自身の【忠義に生きることへの憧れ】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD : この身がどれだけ汚されようと必ず達成します
あらゆる行動に成功する。ただし、自身の【忠義に捧げた身体】を困難さに応じた量だけ代償にできなければ失敗する。
WIZ : 我が忠義は屈せぬ。心までは奪えぬと知れ
【忠義を貫きたい】という願いを【自身の敵対者】に呼びかけ、「賛同人数÷願いの荒唐無稽さ」の度合いに応じた範囲で実現する。
イラスト:黒江モノ
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
クトゥルティア・ドラグノフ
※アドリブ共闘大歓迎
恥ずかしい思い出?
特にないと思うけど…浸かったら忘れていたのも思い出すのかな?
あぁぁ!!
思い出したぁ!
死霊術学ぶついでにドップリ中二にハマってたことぉ!!
やめて、煉獄ノ業火ニ咲ク螺旋薔薇とか思い出させないで!!
ベルト巻きまくっていたのもだめぇ!!
うわぁぁぁ!!
はっ、そうだいっそのこと恥ずかしいことをやってみよう。
恥ずかしいことを恥ずかしくないと実践すれば…いや恥ずかしいよ!
でも、なにもしないよりましだ!
我がデモンロードの元に沈むがいい!
【戦闘知識】で攻撃を【見切り】、あえて【オーラー防御】で受ける
そのままがっちり武器を掴んで逃げれないようにしたあと、UC使ってパワーボムだ!
過去の出来事とはいえ、一つ一つ全てを覚えている訳ではない。本当に忘れてしまった事もあれば、忘れてしまったと錯覚している事もある。
「特にないと思うんだけどな……?」
クトゥルティア・ドラグノフ(無垢なる月光・f14438)も、今は恥ずかしい思い出など思い付かない。この温泉地帯のお湯に浸かれば何か思い出すのだろうか? 半信半疑になりながらも足からゆっくり入ってみる。
「うーん、特に何も起きない?」
遠くで顔を真っ赤にしながら大暴れしている少女達を眺めつつ、とりあえず向かおうとじゃばじゃば歩き始めた……その時だった。
「……うん? 何か思い出しそう?」
クトゥルティアに異変が起きた。突然頭の中で何かが引っ掛かり始めたのだ。ぴたりと足を止め、それが何なのかを考え込む。
「…………あぁぁ!!」
彼女は思い出してしまった。そしてそれを酷く後悔した。大声で叫びながら膝をつき頭を抱える。
「思い出したぁ! 死霊術学ぶついでにドップリ中二にハマってたことぉ!!」
彼女が抱える恥ずかしい思い出、それは俗に言う黒歴史である。記憶の奥底に封印していたものが解放され、クトゥルティアの心にじわじわとダメージを与える。
「わあぁぁやめて!! 煉獄ノ業火ニ咲ク螺旋薔薇とか思い出させないで!! ベルト巻きまくっていたのもだめぇ!!」
あぁ痛い、自分の心が痛い。心がくすぐったくて自分が嫌になってくる。何よりも温泉の効力とはいえ、この記憶が『事実』である事が嫌だ。捏造だったらきっとここまで顔が熱くなるなんて事はないだろう。
困った、このままでは黒歴史が気になり過ぎて戦闘に集中する事ができない。どうしたものかと脳内をフル回転させていると。
「……はっ、そうだ。いっそのこと恥ずかしいことをやってみよう」
敢えて発散する事で恥ずかしさを減少させる事ができるはずだ! いや、できるの? 本当にできるの? とにかく何もしないよりはましだ!
そうと決心すれば、その心が揺れないうちにとクトゥルティアは走り出す。
「わぁぁぁ! 私の事見ないでー!! 何でもしますからー!!」
猫耳の生えた少女が目をぐるぐるさせながら敵味方問わず刀を振り回していた。そこへ恥ずかしさを燃料に爆走してくる人影が一つ。
「闇夜に咲く♰月華乙女♰が命ずる……封印されし煉獄魔獣の爪よ、我が身に宿れ!」
「ひゃあぁー!?」
何あの人怖い! ♰月華乙女♰に対して少女は慌てて刀を構えた。混乱しているとはいえその腕は確かな太刀筋であった。相手の首元を確実に狙って刀が斜めに振り下ろされたのだが。
「ふんっ!」
♰月華乙女♰は腕に纏ったオーラで刀をがっちりと掴み受け止めた。武器が動かせなくなり少女が慌てたその一瞬の隙を逃さず、♰月華乙女♰はそのまま攻撃に転じる。
「煉獄ノ業火ニ咲ク螺旋薔薇……我がデモンロードの元に沈むがいい!」
腕のオーラが形を変えてゆく。自身の腕よりも巨大な腕が少女を鷲掴むと、その小さな体を軽々と持ち上げ強烈なパワーボムを喰らわせてやった。
大きな音と共に吹き上がる温泉の水飛沫。その光景はまるで薔薇のようにも見えた……かもしれない。
成功
🔵🔵🔴
レフティ・リトルキャット
※詠唱省略やアドリブOK
※UC裏条件:黒炎猫竜は中二病ロールしないと協力してくれません。
ごふっ…ころせにゃ。度々思うけど、にゃんでこんな裏条件が……!猫竜さんも笑ってないで…!。くっ忠義がなんにゃ、こうなったら君(敵)も道連れにゃ。
ミュージックエナジーでそれっぽい雰囲気を出し、中二病ロールを交えつつ左手に宿る呪いの根源にして【黒炎猫竜】を解放、敵の中二病をくすぐり、こちら側におびき寄せるにゃん。
記憶を辿る様に中二病ハイテンション(やけくそ)で己を鼓舞し、我が肉体は武器にして盾なり。呪いのオーラ防御を纏った身体で敵の攻撃を正面から受け止め、黒炎で反撃するにゃ。
……勿論、戦闘終了or帰還後に死す。
「にゃあぁ……」
温泉の中に浮かんでいるのは小さな白い猫。勿論の事死んでいる訳ではない。
猫の正体はレフティ・リトルキャット(フェアリーのリトルキャット・f15935)。更に言えば彼は猫ではなくフェアリーである。
ぷかぷか浮かぶレフティの体は猫耳少女の元へとゆっくり流れていく。己の恥ずかしさに暴れていた少女だったが、やはり死んでいる様にも見える猫の姿に気付くと、思わずビクッと驚いて動きを止めた。
「ごふっ……ころせにゃ……」
体をぴくぴくさせる猫。なんだか心が死にかけているように見えるが一応生きてはいるようだ。少女はほっとした。
「にゃんで毎回中二病にならないと攻撃できないのにゃ……改めて思い返すとイヤにゃ……」
彼が温泉の効果によって思い出したものは、自分のユーベルコードの事。猫竜なる呪いのせいで中二病をやらざるを得ない運命にあるらしい。分かってる、分かってるからこそ恥ずかしさを心の奥底にしまっていたのに。
「この温泉は……猛毒にゃ……」
「ね、猫さん大丈夫?」
猟兵だと気付かずか、ちょっと冷静になった少女(しかし顔は未だ真っ赤である)が恐る恐る顔を覗かせる。するとレフティは突然ガバッと起き上がり、少女に向かってくわっと険しい表情を見せ付けた。
「み、見たにゃん? 笑ったにゃん……!? ふしゃーっ! こうなったら君も道連れにゃ!」
「はわわーっ!?」
笑ってないしそもそも何が起こったのかも分からないのに! 善意で動いているはずなのに少女は再び驚く事となってしまった。
「くっくっく……君にもあるにゃろう……(心が)痛かったあの頃が!」
不敵に微笑むレフティの体に異変が起こる。温泉の湯からゆっくりと浮かび上がったかと思えば、その全身は真っ黒に染まってゆく。黒炎に包まれたその姿に少女も慌てて刀を構える。
「我、嗤ウ……我ガ身ノ儚サヲ……炎、笑ウ……妖精ノ愚カサヲ……」
漆黒の炎を纏いし呪われた妖精は眼光鋭く少女を睨む。そんな豹変した相手に少女は震えた。
それは恐怖故か。否……心が痛くて震えているのだ!
「秘密ノ寝床ニテ、変ワリユク呪イヲ猫竜ガ笑ウ……全テハ己ノ愚カサ故ニ……」
もはや良い慣れた詠唱ではあるが、今まで以上に気合いの入った低い声でゆっくりと言葉を並べていく。半場ヤケクソになっているとも言えるが、自分にも相手にも既に大きなダメージが入っている事はとてもよく分かる。
巨大化していく黒炎。気付けば自身よりも大きくなっているレフティの暗黒のオーラに、流石の少女も身の危険を感じ、力任せに刀を振り上げた。
「……我ガ身ニ宿リシ邪竜ヨ、我ハ呪イノ系譜ヲ受継ギシ者。我ガ肉体ハ武器ニシテ盾ナリ」
しかしその一振りも虚しく、暗黒のオーラがあっさりと刀を受け止めた。ぴたりとレフティの目と鼻の先から動かなくなる刃。レフティは左腕をそっと動かすと、黒炎の巨大な腕が少女を掴み、その拳の中で少女を火刑に処す。
「――煉獄の業火に抱かれて眠れ。但し黄泉の門は閉じたままだろう。……って、猫竜さんいい加減もう笑わないで欲しいにゃ……」
次回、レフティ・リトルキャット、帰路にて死す!
成功
🔵🔵🔴
ベール・ヌイ
恥ずかしい…恥ずかしい…
好きな子に…お礼と称して…ほっぺにちゅーして…恥ずかしい…
でも後悔はない…だから…この恥ずかしさは…我慢できる…
そんな気持ちで感情を耐えます
服を溶かされた経験?あれにたしては恥ずかしいという感情が育ってないから
戦闘に関しては【ベルフェゴールの矢】をさして動きが止まったところを【火鳥乱舞】で『焼却』します
相手の攻撃は『激痛耐性』で耐えます
アドリブ協力等歓迎です
ベール・ヌイ(桃から産まれぬ狐姫・f07989)は肩までお湯に浸かりながらうとうとしていた。眠気も含まれているのだが、それとは別に違うものも彼女に襲い掛かっていた。
「恥ずかしい……恥ずかしい……」
ぼそぼそと呟きながら頬を赤らめてはぺちぺちと頬を叩く。
「好きな子に……お礼と称して……ほっぺにちゅーして……恥ずかしい……」
温泉の効果のせいか、そんなシーンが頭の中で無限にループ再生される。思い返せば思い返すほど恥ずかしさは増していく。
あぁ熱い。恥ずかしさとお湯の温度でどんどんと顔も体も熱くなっていく。このままだと恥ずかしさで動けなくなるどころか、熱さでのぼせて倒れてしまいそうだ。
「…………でも」
恥ずかしさは倍増する一方だが、その記憶を取り消したいとは思った事はない。例え嫌だと思ってしまっても、不思議と後悔の二文字は浮かび上がらないのだ。
この記憶は恥ずかしいながらも、何かが一歩進んだ大事な記録でもある。だから残しておきたい。
「……ちょっと我慢できる……かな」
そう思ったら少しだけ気持ちが軽くなった気がした。今なら動ける、とベールは温泉の中でざぶざぶと移動を始めた。向かう先は恥ずかしさで暴れるオブリビオン、猫耳少女だ。
「うわぁぁん!!」
猫耳少女は乱暴に刀を振り回していた。その動きには敵味方の区別などついていない。そこまで彼女を混乱させる恥ずかしい記憶とは一体。
「す、スライムがっ、私の服を、溶かしてっ、ひゃあああやめてぇ!!」
どうやらトラウマものの恥ずかしい記憶が彼女に襲い掛かっているようだ。そんな彼女の叫びを耳にしたベールは、
「…………?」
首を傾げた。そう、彼女は『服を溶かされる』というものに対して恥ずかしさを感じない。故に混乱している少女の気持ちを理解する事ができなかった。
「……うーん、そっか……」
そんなのと比べたら自分の恥ずかしさの方が上だな。そう思うと恥ずかしい気持ちは更に少し薄れた。
ベールはぴたりと足を止めると、自身の背後に弓矢の群れを召喚し、少女に向けて狙いを定める。
「……勇気も怒気も復讐心も全てを亡くす。これはベルフェゴールより承りし怠惰に至りる矢」
弓矢の群れは雨の如く少女に降り注いだ。先まで暴れていた少女は弓矢に貫かれた瞬間、電池が切れたかのようにがっくりとその場で膝をつく。
怠惰に飲まれた少女へベールは銃を向けると、火の弾丸を放つのだった。
大成功
🔵🔵🔵
吉備・狐珀
あの方達の猫耳としっぽ…。
アルダワの依頼でオブビリオンに猫化され猫耳としっぽを付けられたことを思い出されますね。しかも語尾に「にゃ」…。
それだけでも恥ずかしかったのに、マタタビの匂いに誘われ依頼の最中に居眠り…。他の猟兵も沢山いる中で…。
あれは、魔法のせいで!せいなんですけどもっ!
温泉にいつまでも浸かっているから思い出してしまうんです!目の前に猫耳があるから!しっぽが!可愛いですけども!今は!
私の前から消えて下さいーっ!
UC【青蓮蛍雪】使用
温泉の熱があろうと関係ありません。氷(属性攻撃)の狐火を(一斉発射)。凍結したら、月代、ウカ、(衝撃波)で(吹き飛ばし)お願いしますね。
「はぁ……」
吉備・狐珀(狐像のヤドリガミ・f17210)は大きな溜め息を吐いた。ざばざばと温泉のお湯を蹴って歩くその足取りはとても重い。
「あの猫耳としっぽ、見るだけで恥ずかしくなりますね……」
温泉で暴れる少女達の姿を見てから、とある映像が頭の中でループ再生し続けている。それはアルダワでの過去の出来事。
地下迷宮に挑んだある時、狐珀はオブリビオンによって猫化してしまった。そう、丁度あの少女のような猫耳と尻尾が自分にも生えて……。
「しかも語尾に『にゃ』が付いてしまって……それだけでも恥ずかしかったのに、マタタビの匂いに誘われて……依頼の最中に居眠り……」
外見だけでなく、仲間が大勢いる中での失態も重なり、彼女の恥ずかしさはピークに達する。
「い、いやいやっ! あれは魔法のせいで! せいなんですけどもっ!」
自ら頬を叩いて落ち着かせようとするが、いざ正面を向くと猫耳の少女が視界に入ってしまうので恥ずかしさから逃れる事ができない。困った、八方塞がりだ。
「わあぁーもうっ! 早くこの温泉から出させて下さい!」
思わず叫んだ狐珀は自身の背中に青い狐火を呼び出す。ひんやりした冷気を放つ火の粉の群れは敵である少女達に向かって一斉に飛び立ち、容赦なく降り注ぐ。
「ひゃああ何です!? 寒いです!?」
「凍るー!! 凍傷しちゃうー!!」
突然の攻撃に慌てる少女達。熱いお湯の中に潜り寒さを防ごうとする者もいたが、青い狐火はそのお湯すらも凍らせてみせた。水着姿の少女達は震える事すらできないまま凍り付いていく。
「そんな猫耳があるから! しっぽがあるから! 悪いんです!」
「ななな何の事ですー!?」
「他人が可愛くても自分が付いてるとなると、それはまた違うのです!」
そう、この消えないむず痒さの原因はあの少女達にある。猫耳と尻尾があるのが悪いのだ。許すまじ。狐珀はそう強く思った。
「可愛いですけれども! 今は! 私の前から消えて下さいーっ!」
狐珀の肩からぴょんと仔竜と黒狐が飛び出す。二匹はそれぞれ風を操ると、凍る少女達に向けて衝撃波を撃ち放った。普段よりも強大なそれに少女達は防ぐ事もままならず、狐珀の見えない場所まで大きく吹き飛ばされていったという。
大成功
🔵🔵🔵
彩波・いちご
セナさんと
2人で一緒に温泉に入ります
入ったら…2人の間で起きたとらぶるが急に思い出されてきて…顔真っ赤に
事故や偶然でセナさんの身体に触ったり、裸を見たりのラッキースケベの記憶が…
セナさんも同じこと思い出してるのでは…?
目線があって気まずくて真っ赤に
で、でもこれを抑えなければ、なので
「セナさんっ、恥ずかしい記憶、上書きしましょう!」
と、今回は事故ではなく意図的に抱きしめて…「嫌ですか?」
嫌でないなら、そのままキスを交わして、恥ずかしさを愛しさで上書きして抑えますっ
抑えたらあとは【異界の邪剣】を召喚し、セナさんの槍とのコンビネーションで攻撃していきましょう
今ならいつも以上にコンビ決まるはずですっ!
セナ・レッドスピア
いちごさん(f00301)と
2人で一緒に温泉へ入ったら
いちごさんと一緒にいるせいか
いちごさんのあれこれに巻き込まれて
あぶないとらぶる起きちゃった記憶が!
その中でも、初めていちごさんと会った時の記憶は特に強烈で
思わずその時のあれこれの詳細を口走ってしまいそうに!?
その瞬間、いちごさんがぎゅっと抱きしめてきて…!?
それにとってもドキッとしてしまい、言葉が出なくなっちゃった所に
いちごさんの囁きが…
それに顔を真っ赤にしながらうなずいて
お互いの唇を…
恥ずかしさをそのドキドキで上書きして戦闘へ!
錬血解放「融血浸獣形態」を発動させながら
ドキドキハートを重ね合わせた
いちごさんといつも以上に息ぴったりな連携を!
彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)とセナ・レッドスピア(blood to blood・f03195)は温泉に入るなり黙りこくってしまった。温泉の効果で恥ずかしい記憶が蘇った結果ではあるのだが……。
「はぁ……」
いちごは溜め息を吐く。恥ずかしい思い出が一つであればまだ良かったのに。そう強く彼は思った。
あくまであれは不慮の事故だった。セナの身体に触れてしまったり、裸体をうっかり見てしまったり。……一つだけでは済まない多くの記憶がいちごの脳内に降り注ぐ。
恥ずかしい以上に恥ずかしい、顔が燃えそうになる。そんな気分がいちごに襲い掛かり体を縛り付ける。
わざと遠くに視線を向け誤魔化すいちごの隣で、セナはどんな様子かというと。
「…………」
下を向いて頬を赤らめていた。少しだけいちごに向けて背を向けているようにも見える。
「(……もしかしてセナさん、同じことを思い出している……?)」
相手の考えている事が手に取るように分かる訳ではない。だけど、なんとなくそんな気がした。ちらりと視線をセナの方へ向けると、彼女もまた同じくちらりと見てはすぐに顔を背けるのだ。
このまま気まずい空気が流れ続けるのは辛い。そしてこの状態が続いて戦いもままならないのも困る。
「(こうなったら……)」
いちごは意を決すると、誤魔化す事なくセナの方を真っ直ぐと見つめた。
「はっ! あっ、あの……っ!?」
勿論の事セナは慌てた。顔がどんどんと赤くなっていく。
「ええっと、違うんです! 決してそんな……っ!!」
早口に何か弁解をしようとしていたセナに、いちごは赤面しつつも黙って見つめ続ける。
次にセナが口を開こうとした時、彼女の体はいちごの腕に包まれていた。
「っ……!?」
「セナさんっ、恥ずかしい記憶、上書きしましょう!」
突然の事に言葉を失うセナ。今自分の身に起こっている事、そしていちごが発した言葉の意味。全てをすぐに処理できず硬直してしまった。
ただ、これだけは理解できる。強く抱き締めてきた彼の行動は……いつものような事故ではない。
「……嫌ですか?」
そっと耳元で囁かれたその言葉。それで全てを理解する。
「…………」
セナは静かに小さく頷く。
――嫌な訳がないじゃないですか。
いちごは抱き締めた腕を少しだけ緩めると、セナの赤く染まった顔を覗き、そっと唇を重ねた。
そんな二人の姿に、猫耳の少女達が遠くで悶えていた。
他人のラブシーンをリアルで見てしまうという恥ずかしさに襲われ、少女達は顔を真っ赤にしながらぶくぶくと温泉へ沈んでゆく。
そんな事も露知らずか、いちごとセナは(まだ恥ずかしさは残っていながらも)先程よりも軽くなったような気がする体を動かし、少女達の元へと向かっていた。
「行きましょう、セナさん!」
「は、はい!」
ドキドキを残しながらも、その恥ずかしさを吹き飛ばすように大声を出す二人。召喚された禍々しい剣を構えたいちごと、融血浸獣形態に変化した狩罰の血槍を握り締めるセナが少女達へと刃を向ける。
「これで……終わらせます!!」
二人が一斉に武器を振るうと、禍々しい黒色に鮮やかな桃色の混ざった巨大な十字の衝撃波が少女達に向かって襲い掛かった。少女達は両手で顔を覆ったまま何もできず、ただただ黙って衝撃波を受ける事しかできなかった。
大きな音と共に吹き上がる温泉の湯。そしてうっすらピンク色に染まったハート型の煙。二人で生んだドキドキが過去の恥ずかしさを凌駕した結果、温泉は計り知れないパワーを彼らに与えたようだ。
オブリビオンである猫耳の少女達はもはや一人も残っていない。皆恥ずかしさを抱いたまま何処かへと消えてしまった。
何とか目標を達成する事ができた猟兵達はそのまま温泉にゆっくり浸かり疲れを癒す……なんて事などせず、一目散に逃げるように帰還するのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴