帝竜戦役㉙〜竜の中の竜、潰えし刻来たれり
●最後の戦い
それは天まで届きし山よりも尚巨大であった。
それは此の世界のあらゆる生命の中で最も強大だった。
世界樹の中に座せし其れは竜の中の竜、群竜大陸の主、八つの首を持ち八つの属性を統べし者、帝竜ヴァルギリオス。
彼は猛っていた、己の不甲斐なさに怒りを覚えながら、彼は憤っていた、敵の強さを正しく把握せず徒に己が配下の者達を死なせた己に。
そして、待っていた。
己を倒しに来るであろう猟兵達を。
己が配下たちの為にも勝利を掴み取る為に―――。
●グリモアベース
「皆、集まってくれてありがとう。
……今回の戦場は帝竜ヴァルギリオス。今回の戦争の首魁、最強の竜の王だよ」
水貝・雁之助はそう言うと集まった猟兵達を見回す。
「多分、この戦争の中で一番辛い戦いになると思う。
敵は他の帝竜達と同じように此方がユーベルコードを使う前に攻撃を仕掛けてくる。
今までの帝竜とは比べ物にならない程の力で以ってね」
己が身を護る障壁、全力を以って敵を打ち砕く真の姿、そして8つの属性を有するブレス。
それら全てが配下の帝竜を凌ぐ強力さだという。
「この戦争を引き起こしたオブリビオンフォーミュラなだけあって、」
「とはいっても、今までの戦いを乗り越えた皆なら絶対に勝利を掴めると信じてるけどね。
うん、頑張って。僕等は応援するしか出来ないけど、信じてるから」
そう集まった猟兵達に伝え、雁之助は戦場へと猟兵達を送るのだった―――。
久渓洞
初めまして、或いはこんばんは久渓洞です。
今回の依頼は最終決戦、帝竜ヴァルギリオスとの闘いとなります。
プレイングボーナスは『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』で先制攻撃で放たれる其れにどう対応するかが肝心となります。
戦争の首魁、オブリビオンフォーミュラであるだけに、かなりの強敵となっておりますが皆様がどの様に乗り越えられるか楽しみにしております。
第1章 ボス戦
『帝竜ヴァルギリオス』
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POW : スペクトラル・ウォール
【毒+水+闇の『触れた者を毒にするバリア』】【炎+雷+光の『攻撃を反射し燃やすバリア』】【氷+土の『触れた者を凍結するバリア』】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD : 完全帝竜体
【炎と水と雷の尾】【土と氷と毒の鱗】【光と闇の翼】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ : ヴァルギリオス・ブレス
【8本の首】を向けた対象に、【炎水土氷雷光闇毒の全属性ブレス】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●王ではなく挑戦者として
『よくぞ此処まで来た、猟兵達よ。
我が精強なる帝竜達を倒し此れ程に早く余の元へ参った事、瞠目すべき強さであった。
余は其方たちの強さを正しく認識していたつもりであったが、未だ未だ認識が甘かった様だ』
そう告げてヴァルギリオスは八つの顔に戦意を漲らせ猟兵達を見据える。
『猟兵達よ。
この身の甘さ故に犠牲にせし我が配下の者達の為にも全身全霊を以ってお前達を屠ろう。
今だけは王としてではなく、お前たちという強者へ挑む挑戦者として、な』
ナハト・ダァト
多様サなラ叡智デ補うサ
残像を9体生成
へその緒を持たせ、遠隔操作を可能にした8体を散らしたら
残りの1体と共に迷彩で消える
残像はかばう技能で
ブレスを分散させて受けさせる
オーラ防御で耐え
倒れた残像から得た
首に対応した属性の情報をへその緒で把握
8体倒れたら9体目を出現
精神攻撃、催眠術、言いくるめで本人と錯覚させ
ブレスの防御を指示
最後の残像には
オーラ防御に残像から得た属性情報を反映させた武器改造と
時間稼ぎ、限界突破、ドーピング、継戦能力技能で持ち堪えるよう細工
本体は迷彩、闇に紛れる技能で接近
最後の残像が
本体が倒れたように演出した瞬間
ユーベルコードを騙し討ち、カウンターで繰り出す
首ノ数ハ、飾りだネ
●叡智の光
(ふむ、八本の首によル八属性のブレスカ。
まア、多様サなら叡智で補うサ)
そう眼前の敵の攻撃への対策に思いを巡らせながら最初にヴァルギリオスの前に立ったのはローブに身を包んだブラックタールの男性、ナハト・ダァト(聖泥・f01760)であった。
彼は戦場に転移して直ぐに9体の残像を生み出し、彼等に持たせる事で思念による会話を可能とする自身の『へその緒』を分割して渡すと其の内の八体を周囲に散会させる。
「さテ、後は獲物が餌に食いついテくれルのを待つだけサ」
そう嘯きながらナハトは自身の傍らに残した最後の一体と共に周囲の景色と同化する。
そして、彼の見守る中、ヴァルギリオスは周囲に散会した残像達を補足する。
『―――――――!』
咆哮と共にヴァルギリオスは八体の残像に対し煉獄の炎を、全てを押し流す水を、全てを押しつぶす山の如き岩塊を、其の鋭さにより紅蓮の華を咲かせる氷を、全てを消し飛ばす雷鳴を、すべてを白く染める光と全てを無に染める闇を、そして触れた者を溶かし浸食する毒を降り注がせた。
「成程、中々厄介だネ」
それに対しナハトが見守る中、残像達はヴァルギリオスの放つブレスに対し狙われた者を複数人で庇い、気の防壁を用いてブレスの威力を散らす事で対応。
傷だらけになりながらも情報を得る為に残像達は少しでも長く戦場に在ろうとヴァルギリオスから齎される八つの神罰に耐えていく。
しかし、竜の中の竜たるヴァルギリオスのブレスの威力は凄まじく、一体、又、一体と倒れ、最後の一体も氷の刃により血煙となって消えていく。
「だガ、その抗いハ決して無意味ではなイし無駄にすルつもりはないヨ」
そしてナハトは最後の仕上げと残しておいた最後の残像を差し向ける。
『ほう、やはりあれ等は傀儡か何かであったか。
今、こうして出てきたと言う事はどの様な計略を行うつもりだ?』
(まァ、警戒はするだろうネ。だから……)
だからこそ、知識と情報を見抜く其の瞳を介し精神に干渉。
更に言葉を以って何らかの策を行う為にヴァルギリオスの前に出てきたと錯覚させる。
其処からの戦いは熾烈であった。
『―――――――!!』
ヴァルギリオスは咆哮と共に八つの属性を有したブレスを最後の残像に向かい解き放つ。
それに対し残像は他の残像が戦いで得た情報を元に炎のブレスには水の障壁で勢いを殺し氷の障壁で留め、水のブレスにはは炎の障壁で蒸発させ氷の障壁によって相殺と属性ごとに対処していく。
『成程、よく我がブレスを見ているものだ!だが、完全に防ぎきれているまい!』
ヴァルギリオスの言葉通り、最後の残像には防ぎきれずに負った細かい傷が幾つも存在。
(時間を稼ぐ為に極限まデ能力を高メより長く戦えル様ドーピングも施しテイルのだけド、流石は戦争の首魁カ)
その戦闘を闇に紛れ気付かれるギリギリ迄近付いた状態で見据えながらナハトは機会を伺い続ける。
(チャンスは一度きりだからネ)
そして、残像がヴァルギリオスのブレスを同時に叩き込まれながら捨て身の一撃を炎の首に叩き込み消えていく。
「今だネ!『ALHIM TzBAVTh』――――!」
詠唱と共にナハトの足元に無数の触腕が顕現。
炎には其れを鎮める水、水には其れを吸い尽くす土、土には其の活力を奪う植物、氷には其れを溶かす炎―――。
其々の首に対応した弱点となりうる属性を秘めた触腕を束ねた物が八つの首其々に叩きつけられた。
『ぐ、こ、これは……!よもや、先程の者すらも囮であった、だと……!』
「ヤレヤレ、こうも見事に策に嵌るトワ、キミの首ノ数ハ、飾りだネ」
大成功
🔵🔵🔵
セレシェイラ・フロレセール
貴方を終焉へと導く物語を綴ろう
わたしの慰めの桜、今一度咲き誇って
魔力を込めた桜の硝子ペンで守りの魔法陣を描く
世界を、人々を慰めるための力を此処に結ぼう
帝竜『ヴァルギリオス』の終焉を以て世界と人々の慰めとすることを誓う
八重咲きの桜の如く、八重に重ねた魔力と慰めの力で災厄防ぐ術を綴る
胸に去来するのは出逢った人々のこと
あたたかな時間の優しい触れ合い
大好きな人達のことを思えば、力が無限に湧いてくるんだよ
反撃の時はブレスが途切れた瞬間
結んだ慰めの力を今解放しよう
これはわたしが授かった『守る』ための魔法
あたたかな世界と生きる人々を守りきれるよう、星に願いをかける
わたしは祈る
願いの成就を、帝竜の終焉を
●星の魔法を綴る桜華
(帝竜ヴァルギリオス、貴方を終焉に導く物語を綴ろう)
そう決意と共に戦場に立つのは桜色の少女、セレシェイラ・フロレセール(桜綴・f25838)。
『ぐぅ、貴様も我を討ち滅ぼさんとする猟兵か……!』
「うん、あなたの、帝竜『ヴァルギリオス』の終焉を以って世界と人々の慰めとさせて貰う為に貴方を倒すよ」
その宣言と共に彼女は魔力を込めた桜の硝子ペンで守りの魔方陣を描く。
(世界を、人々を慰める為の力を此処に結ぼう。
わたしの慰めの桜、今一度咲き誇って……!)
八重咲きの桜の如く、セレシェイラは魔力と己の有する慰めの力を八重に重ねて災厄を防ぐ術を綴っていく。
其れは本来ならばヴァルギリオスのブレスを防ぐこと等出来なかったかもしれない。
だが、彼女の人々を慰める力と紡いできた日々が、彼女の胸に去来する出会った人々との思い出、暖かな時間の優しい触れ合い、彼女の大好きな人達の記憶が彼女に無限に湧き出る力を与えていった。
『ぐっ、何だ其の力は……っ!魔力ともお前達猟兵達が用いる科学による物とも違う!
何故、そんなもので我が吐息が防げるっっ!』
「其れはね。私の中に大好きな人達との思い出が沢山詰まっているから」
ヴァルギリオスにそう返し、竜の吐息が途切れた瞬間、彼女は世界に結んだ慰めの力を開放する―――。
「これはわたしが授かった『護る』ための魔法―――」
あたたかな世界と生きる人々を守り切れるよう、星に願いをかけ、彼女は祈る。
願いの成就、あたたかな世界を壊す帝竜の終焉を。
そして、其れと同時に輝く星々と共に舞い散る桜の花々が世界を覆う。
此の世界に生きる人々を、此の世界を守る為に生き散っていった勇者達を、ヴァルギリオスによって己の意思に反し戦わさせられた帝竜達を慰める様に―――。
争いの元凶たるヴァルギリオスを覆い尽くす様に世界を星より放たれる希望の光で照らす様に―――。
『――――――っ!』
竜の中の竜の咆哮すら覆い尽くす星の魔法が其処に在った……。
大成功
🔵🔵🔵
戦場外院・晶
あれなるは正しく最強――感謝をもって挑みましょう
「戦場外院・晶と申します……よしなに」
拳をもって挑みたい……この祈りは目に見える程に高まり身を護る……歩む、ヴァルギリオス・ブレスの最中
「――っ」
それでも負傷と苦痛は深刻なもの……祈りを澄ませて
「……ここ、です」
超重力の回廊を抜けて培った根性と、骨の平原にて磨いた間隙を突く技術……この戦の経験で
「……禁」
封じる……一瞬でいい
【手をつなぐ】
には十分な時間だ
「帝竜であれ……私に繋げぬ、手など無い」
私のようなのは初めてでしょう……その動揺につけこむ
「……せい!」
この怪力を呼び水に、彼自身の力で崩すグラップル
「……破ぁ!」
破魔の拳、この一撃に全てを込めて
●最強に挑みし破魔の拳
(あれなるは正しく最強――感謝を以って挑みましょう)
そう決意と共に戦場に立つは尼僧姿の金髪の少女、戦場外院・晶(燃えよドラゴン……この手を掴め・f09489)。
『ぐぅ……今度は貴様が余の相手か猟兵よっ!』
「ええ、戦場外院・晶と申します……よしなに」
猛るヴァルギリオスに対し晶はそう告げ一礼。
最強の竜、其の痛みを得て尚、強壮たる其の姿に晶の胸は、拳を以って挑みたいという祈りは高まっていく。
そして、其の想い、祈りは眼前のヴァルギリオスにすら見抜かれる程に、強い。
『そうも戦いを望むか。
余の配下達にも斯様な者はいた故……全身全霊を以って打ち倒そう!』
「―――っ!」
その言葉と共に解き放たれたヴァルギリオスの息吹は晶を燃やし、凍らせ、潰し、闇に沈めていく。
だが、其れでも尚、晶は倒れない。
拳を以って挑みたいという祈りが、想いが破魔の力を有する盾となって彼女の身を守り、深く傷つき血を流しながらも最強へと歩む力を与える。
『ほう、此れでも倒れぬか……っ!』
其れを観止めたヴァルギリオスによって放たれる石が晶の肩を貫き、水の刃が彼女を斬り裂き、閃光が貫き、毒が彼女を侵食する。
其れでも尚、彼女は倒れず祈りの侭に、その祈りを澄ませて歩み続ける。
「……ここ、です……禁!」
『ぐ、此れは我が吐息を封じる、だと……っ!』
そして、己の意志を貫く気力そして間隙を突く技術を以って、彼女は一瞬の隙を見抜き、其の常軌を逸した闘争本能による法力を放ち……ヴァルギリオスの吐息を封じきる。
其れはヴァルギリオスにとっては皮肉な事に、超重力の回廊と骨の平原、今回の戦いの経験によって得た技術による物であった。
そして、一瞬であれ封じきれたのならば、彼女にとっては十分な時間である。
「帝竜であれ……私につなげぬ、手など無い」
『ぐ、此れは……何時の間に!』
己が吐息を封じられ動揺した隙をつき晶はヴァルギリオスの前足を掴み取る。
「……せい!」
そして、其の侭、ヴァルギリオスの手を振りほどこうとする力と己自身の怪力を利用し、体勢を崩させ……破魔の拳をヴァルギリオスに向かって放つ!
「……破ぁ!」
柔よく剛を制し、剛よく柔を断つという。
ならば柔と剛が合わさった晶の全てが込められた拳はどうなるか。
その拳はヴァルギリオスの体すら打ち砕く一撃と化す―――。
『ぐ、があああああああああ!!!』
大成功
🔵🔵🔵
大神・零児
8属性のブレス
これ毒以外は相殺か減衰だな
対策
マルチギアを防具改造して防毒能力追加し毒耐性会得
鮮血の氣をリミッター解除したC-BA共々纏いオーラ防御
グレネードでそれぞれの頭を挑発しできるだけブレスを誘導するように逃げ足で走り回る
氷と水は炎で蒸発
炎と雷は土で威力減衰
光と闇は相殺
残るは土と毒
土はオーラ防御と環境耐性で
C-BAに毒の成分や霊脈の情報収集をさせ、結果をもとに毒使いで相殺する毒をスモークグレネードで散布
無力化できた隙に早業で地形の利用をし霊脈や龍脈を使いUCで属性攻撃爆撃や範囲攻撃
オロチが消されても継戦能力と2回攻撃で次々に出現させ集団戦術も加え先と同様の攻撃の効率を高め攻撃
アドリブ共闘可
●大蛇の蹂躙
「8属性のブレスか。
此れ、毒以外は相殺か減衰で対処していくか」
そう呟いて新たにヴァルギリオスの前に現れたのは狼の顔を持つ人狼の剣士、大神・零児(人狼の妖剣士・f01283)。
彼は唯一其の場で対処が難しいと判断した己が纏うマルチギアに防毒能力を施して耐毒性を自身に付与。
妖刀『魂喰』を抜き放ち其処から生じた鮮血の如き氣が彼と彼を乗せる獣型機械獣、Cyborg beast arms、C-BAを包み込む。
【鮮血の氣】、彼の振るう妖刀『魂喰』に魂を食われつつある者たる彼が纏う気であり、其れは魂を喰らわれた代償なのか彼の体や彼の纏う武具の力を強化していく。
「其れじゃあ始めるか、ね!」
『むっ!今度は貴様が余と闘う者か……っ!!』
「ほらほら、俺はこっちだぜ。とっとと来やがれ、オニさん此方、ってな」
其の侭、C-BAを駆って戦場に躍り出た零児はグレネードを八つの首に向けて投擲。
ヴァルギリオスを挑発しながら戦場を駆けまわる。
『―――――!!』
「ほれ、こっちこっち、ってな」
彼の挑発と誘導は見事な物で水の刃と紅蓮の氷は煉獄の炎と、光は闇に闇は光に相殺され、煉獄の炎と雷鳴は大地の顎に当たって威力が減衰。
「んで、土は氣を盾にして威力を減じて後は耐える。
毒は……」
己の身を覆う鮮血の如き氣で大地の顎を防ぎながら毒の吐息がかかった地面を通りがかり、C-BAに銘じて手早くサンプル採取。
其の侭、周辺を駆け巡りながら周辺の霊脈の情報も集め、分析を開始する。
『他は相殺するならば此の毒を喰らうが良い――――!』
「おっと、流石に気付きやがったか。
だが、遅いぜ!C-BA!」
己に迫りくる毒の洪水に零児は慌てず、C-BAから取り出した弾薬をグレネードに装填。
其の侭弾丸を打ち出し、其の弾丸は周辺に禍々しい煙を散布する。
『何、此れは……っ!』
「お前さんの毒を分析して作った、毒を相殺する毒さ!
さあ、一気呵成に畳みかけるぜ!」
己が毒を無力化された事に戸惑うヴァルギリオスだが、其の隙を零児が見逃す筈もない。
「夢の記憶とあいつの真似だがな。【悪夢再現『大蛇大乱』】―――!」
彼は即座に周辺の霊脈や龍脈に干渉。
彼の詠唱に応え全てを洗い流す水、全てを焼き尽くす炎、全てを包み込む闇、全てを白く染める光、命を生み出す樹、轟音と共に破壊をもたらす雷鳴、全てを貫く大地の顎、七つの属性を秘めた数多の首持つ大蛇が顕現する。
『此れは……オロチめと同じ……!』
「そう、奴の力を参考に夢の中の竜を再現した代物さ。
安心しな。食べ終わって(たおせて)もお代わりは幾らでもあるから、よ!」
其の言葉が示す通り、零児は霊脈に干渉し次々と大蛇を顕現させていく。
力だけでなく数も備えた敵を相手にすれば例えヴァルギリオスと言えど一人である以上は此の大蛇の基となりし者達との闘いを勝ち抜いた者達の様に耐えきること等出来はしない。
『ぐ、あああああああああああああ!!
未だだ余は我が配下の為にも倒れる訳には……!!』
ヴァルギリオスは零児の気力が尽きるまで其の暴虐にさらされ続けるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
リューイン・ランサード
帰りたいなあ~って、ダメですよね<溜息>。
頑張ります…怖いけど。
『敵UC対策』
バリアに触れればダメージを受け、攻撃しても反射される。
最初は逃げるしか無いですね<汗>。
翼で空を飛び、【第六感】で攻撃を予測し、【空中戦と見切り】でバリア外に回避。
首に包囲されそうなら【残像】をばら撒いて幻惑し、最後は【ビームシールド盾受けとオーラ防御】で凌ぐ。
UC可能になれば、【多重詠唱】による【炎の属性攻撃と(ブラックホールを真似た)虚無の属性攻撃・全力魔法・高速詠唱】で、炎で毒バリアを焼き、虚無で反射バリアを吸い込み、【シールドバッシュ】のビームで凍結バリアを溶かし、【空中戦】で懐に飛び込み、UCを頭部に撃つ!
大宝寺・朱毘
先制でバリア張られると。
……バリア担いで殴りかかるまでが先制ってこたないよな?
バリアってそーいうンじゃない、よな?
性質の異なるバリアが三種……三種の効果がある一枚のバリアではなく、三種を上手い具合にツギハギした代物と推測。
ゆえに、バリアをよく見て「炎+雷+光」っぽくない部位を【見切り】、そこを狙って【全力魔法】の【衝撃波】を当てて破壊を試みる。
バリアを破り、ヴァルギリオスに衝撃波が届くまで撃ちまくるというのがプランA。
何らかの理由で攻撃の反射を防げなかったら【カウンター】技能を利して回避しざまにさらに衝撃波を撃ち返す。
使用BGMは、ラスボスに相応しく重厚感とテンポの良さを両立させたもの。
エミリロット・エカルネージュ
●POW:対策
3種のバリアかぁ
なら炎+雷+光のバリアを誘う為に
UCの『時間稼ぎ』も兼ねて『オーラ防御』と『属性攻撃(武装込みのデコイ)』を込めたダミーを『範囲攻撃』でばら蒔き
ダミー達を『念動力』で遠隔操作し
ボクも一緒に『空中戦』で駆け『第六感』で『見切り』回避しつつ手持ちの遠距離用武装を駆使して一斉に『乱れ撃ち』弾をバリアに当ない様に『フェイント』を
狙いのバリアを張ってきたら
UCを『早業』で『属性攻撃(真空)』と『鎧無視攻撃』を込め
バリア貫通も狙い撃つ
狙ったバリアの属性はドレも真空に弱い筈だし貫通出来る筈
下準備の段階で何故使わないかって?最初からなら怪しまれそうだし
※アドリブ絡み掛け合い大歓迎
プリンセラ・プリンセス
連携・アドリブ可
人格はクリスティーナに変更
・対策
初手の攻撃はウマ騎乗による速度アップと●空中浮遊、●地形の利用、●見切り、●第六感、●視力で回避専念
命中した場合には●激痛耐性、●毒耐性、●氷結耐性、●環境耐性、●オーラ防御、●火炎耐性、●限界突破で耐える
・攻撃
ウィザード・バレットを切断・斬撃・貫通属性にして放つ
狙うのは首元。胴体との接続部
●スナイパー、●誘導弾、●全力魔法、●一斉発射、●鎧無視攻撃、●部位破壊を乗せる
「ひとつひとつなんて狙ってらんないわ。まとめて根本から根こそぎしてやるわよ!」
「たかだか属性8つごときで随分と偉そうじゃない!」
●打ち砕かれる障壁
「帰りたいなあ~って、ダメですよね」
「そりゃあ流石にね」
「大丈夫、三人寄れば文殊の知恵って言うしボク達もついてるから!」
ヴァルギリオスの威容を見てため息をつき、そう思わずこぼすドラゴニアンの騎士の青年、リューイン・ランサード(竜の雛・f13950)にギターを持った眼鏡の女性、大宝寺・朱毘(スウィートロッカー・f02172)と紅い体毛のファードラゴンなドラゴニアンの少女、エミリロット・エカルネージュ(この竜派少女、餃心拳継承者にしてギョウザライダー・f21989)は宥める様に言葉を返す。
其れに一瞬、リューインは項垂れるが頭を振り勇気を振り絞って動き出す。
「頑張ります…怖いけど。
それじゃあ此処に来る前に話してた通りで」
「ボクとリューインさんが囮になって」
「あたしが其の間に炎と雷、光の三つのバリアの隙間を見切り、其処を狙って衝撃波を放ち破壊を試みる」
其の侭、バリアが敗れれば三人共に攻撃に転じ、そうでないならば朱毘は二人と同様にヴァルギリオスの眼前に出て攻撃を誘い、敵の攻撃に合わせ衝撃波を打ち返すカウンター戦法を取る。
「ま、本来なら一人でやるつもりだったからね。
そういう意味じゃ時間を稼いで貰える分、やりやすくなったよ」
ヴァルギリオスの眼前に赴く二人に頑張りなよ、と声をかけながら準備を始める朱毘。
そして、リューインとエミリ、二人のドラゴニアンは戦場へと躍り出る。
リューインは其の優れた直感で攻撃を予測し迫りくるバリアを空を駆け避けていく。
(……っ!危なかった、あと少しで氷の彫像に……!)
『ほう、空での戦いに慣れている様だな。
ならば、包囲し喰らうのみ!』
「やっぱり囲んできたか、なら……っ!」
『む、此れは幻覚か!面倒な事を……!』
己を包囲しようとする四つの首にリューインは印を切り、周辺に己の姿をした幻覚を顕現。
其の隙に光の盾で身を守りつつヴァルギリオスから距離を取っていく。
そうやってリューインが時間を稼いでいる様にエミリも又、己を追う四つの首と相対していた。
(3種のバリアかあ。
どちらかというと反射するバリアの方がやりやすいかな。
なら、其れを誘う為に……!)
追われながらもエミリはどう戦うかを敵の動きを分析しながら思索。
其の為の一手として武装迄含め己に似せ気の障壁で身を守らせたダミーを周辺にばら撒いていく。
『くっ、こっちでも数を増やすとは面倒な!』
「其れだけじゃあないよ!」
周辺にばら撒いたダミーをエミリは念動力で縦横無尽に遠隔操作。
自身もその中に紛れ空を駆け、ヴァルギリオスのバリアを纏った四本の首の突進を其の優れた直感で見切って避けると先ずは餃子を一口口に。
棒餃子に気を込め生成した攻筒からビーム餃子氣弾を己が手から桜色の餃子の姿の気弾を、蒸籠から常軌を圧縮した空気砲を同時に放つ乱れ撃ち。
『馬鹿め、余のバリアに触れれば反射して貴様に…!』
「残念!そっちには当てないよ!」
ヴァルギリオスはエミリの誘導に引っ掛かり彼女の狙いのバリアを繰り出していく。
「フィナーレの時間だぜ。聴かせてやるよ、あんたの最期を彩る魂の旋律を! チューン・フォー・パニッシュメント!」
その言葉と共に重厚感がありテンポのいい曲に乗せて強力な衝撃波がバリアに向かって放たれ、反射の障壁を三つのバリアへと変じさせていく!
『何だ!我が障壁が、剥がれて……!』
(やっぱり三種の効果がある一枚じゃなくて三種を上手い具合にツギハギした代物だったか)
「さあ、現役ロック系アイドルの演奏がBGMなんだ!
二人とも気張っていきなよ!」
「了解だよ!なら先ずは反射のバリアを完全に打ち壊す!」
「ええ、任せてください!」
朱毘の言葉に促され、エミリとリューインは力を集中。
「餃子の辛味の真髄、緋き雪の幻想の如く、壊れる程にその身を駆けよっ!
押し通せ……島唐、麻辣、緋餃雪っ!」
「世界に遍在するマナよ、全てを破砕する波と化し、我が躰に宿れ!」
二人の詠唱と共に先ず顕現した紅き竜が真空を身に纏い朱毘の放つ衝撃波と共に反射の障壁を打ち砕く。
そして、其れに合わせて動いたリューインの炎の宿った拳が毒の障壁を焼き尽くし、盾から放つ光の奔流が氷の障壁を溶かしていく。
『ぐっ、我が障壁が……!』
「「「これで終わりじゃないぜ(よ)!!」」」
朱毘の放つ衝撃波が障壁を失ったヴァルギリオスの体を縦横無尽に斬り裂き血の華を咲かせ、其れに合わせてリューインとエミリ、二人のドラゴニアンが己が拳をヴァルギリオスの喉元に突き立て貫く!
『ぐ、が…っ!馬鹿な、此の余が!帝竜の長、竜の中の竜たる余の首を……!』
●竜を断ち切る魔力の刃
『ぐっ、来たか猟兵よ……!』
「たかだか属性8つごときで随分と偉そうな事言ってた癖に随分とボロボロね。
まあ、あたしは遠慮せずに打ち砕いてあげるけど」
首を一つ失いながらも戦う意思を喪わないヴァルギリオスの前に新たに立つは馬にまたがり杖を持ち、黒を基調とした服と帽子に三つ編み姿の少女、プリンセラ・プリンセス(Fly Baby Fly・f01272)、の体に宿る16番目の姉のクリスティーナ。
そんな彼女にヴァルギリオスは残った七つの首から竜の吐息を解き放つが時に大地を駆けて炎を避け、時に空中浮遊の魔法で己に迫る岩塊を躱し、世界樹内部の壁を利用して雷鳴を防ぎと其の強化された視力で敵の放つ竜の吐息と放たれる向きを見切り、状況に合わせた対処方法で回避し続ける。
時には氷の刃や毒の奔流等が掠り傷程度であるが僅かに当たりもしたが、毒や氷結、火炎に対する耐性を持たせた気の障壁で防ぎきる。
元より魔道に長け高い能力を持っていたクリスティーナにとっては比較的与しやすい相手であるが、更にヴァルギリオスは今までの猟兵との闘いで傷つき首を一つ失った状態。
そんな状態で彼女に傷を与える様な事態になる筈もない。
「命中した場合の対処法を考えていたけれど、無駄になったわね」
そう嘯きながら、されど決して油断することなくクリスティーナは己に竜の吐息を降らせ続けるヴァルギリオスを見据えながら馬を駆り続ける。
『―――――――!!』
そして、今までに負った傷、そして、クリスティーナとの長期に渡る戦闘により一瞬ではあるがヴァルギリオスから放たれる竜の吐息が途切れる事となる。
其の隙をクリスティーナは見落とす事等あろう筈もない。
「ひとつひとつなんて狙ってらんないわ。
まとめて根本から根こそぎしてやるわよ!」
その言葉と共に彼女の持つ杖に魔力が集い……切断し斬り裂き貫く、魔力の刃の奔流がヴァルギリオスへと襲い掛かる!
そして、其れ等は全てヴァルギリオスの首元、胴体との接続部へと降り注ぎ、首の一つを完全に切断する。
『ぐ、ガアアアア!!余の、余の首が又断ち切られるだと?!!!』
「ま、あたしなら此れ位当然ってもんよ」
八つの首が六本となり悶え苦しむヴァルギリオスになお刃の奔流を叩きつけながらクリスティーナはそう余裕の笑みを浮かべるのであった。
大成功
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ナイ・デス
【覚悟】を決めて
【激痛耐性、継戦能力】私は、本体無事なら再生する
私は死なない。私は、死ねない
だから、臆さず。最短で、最強の、一撃を!
【怪力ダッシュ】駆ける
避けも、防ぎもしない
ただ【吹き飛ば】されないよう、確り大地【踏みつけ】
受けて、様々な属性の影響を受け、消し飛びながら
勇気で、攻め
気合で、守り
根性で、進む
それが、私の知る、勇者理論、です!
『いつか壊れるその日まで』
意志の力【念動力】で、状態異常でも体動かし最短を
破壊と再生を繰り返しながら、一歩、一歩と
負傷に比例した戦闘力増強で、輝き、強めながら
そして
これが私の、最強。世界守る為の、一撃です!
【鎧無視攻撃】【生命力吸収】する光を、解き放つ!
●ただ駆ける者
(私は、本体無事なら再生する。
なら……)
「私は死なない。私は、死ねない。
だから、臆さず。最短で、最強の、一撃を!」
そう覚悟を込めて戦場に現れたのは少女のような可憐な外見の少年、ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)。
彼はヴァルギリオスにより血の華を降らす氷や全てを洗い流す水、浸食する毒の奔流、6つの属性の竜の吐息を前に只、ヴァルギリオスに向かって駆けた。
避けも防ぎもせず、だが吹き飛ばされないように、しっかりと大地を踏みつけながら。
炎が彼の髪を焦がし肌を焼き爛らせ、氷が彼の肌に血の華を咲かせても。
大地の顎が彼の腕を潰し、水の刃が其の腕を切り飛ばしても。
闇が彼を押しつぶし毒の奔流が彼を侵食し溶かそうとしても。
決して吹き飛ばされる事無く、唯々、ヴァルギリオスに向かって駆け続けた。
『何故だ!何故そこまで傷付きながら進み続ける!
貴様はヤドリガミ故に復活は出来ようが、それでも痛みは確かに在る筈だろう!!』
其のヴァルギリオスの目から見ても異様な姿に思わずヴァルギリオスは叫び問う。
「勇気で、攻め、気合で、守り、今生で、進む!
それが、私の知る、勇者理論、ですから!」
そう宣言し、なお駆けるナイはヴァルギリオスの元へ、後少しという所までたどり着く。
「何故だ!何故、怯まない!何故止まらない!
其れだけ傷つきながら!其れだけ血を流しながら!」
「私は、死なない。私は、死ねない、【いつか壊れるその日まで】―――!」
その言葉と共にナイの全身を聖なる光が覆い尽くし、其の傷は完全に復元される。
そして、今まで深い傷を負っていたとは思えぬ膂力で最短ルートで駆け出していく。
右足が炎で焼き尽くされては再生し、わき腹が大地の顎に貫通されては再生し……傷付くごとに己を癒し、その負わされた痛みの代価として其の膂力を増し、輝き、強めながら一直線にヴァルギリオスに向かって駆けた。
そして……。
「くっ!来るな!来るなあああああ!!」
「これが私の、最強。世界を守る為の、一撃です!」
ヴァルギリオスに向かいナイの拳は叩きつけられ、ヴァルギリオスの体内に生命力を吸収する光は解き放たれ……周囲はまばゆい閃光に包まれる!
『があああああああああああああああああ!!!!!』
真っ白に染まった空間の中、ただヴァルギリオスの苦悶の咆哮が響き渡るのであった。
大成功
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ナハト・ダァト
叡智ノ本領ヲ見せよウ
対策
先手の毒、水、闇のバリアを庇う形で受け止め
直後、タールの液体純度を水に合わせてバリア内に溶け込み
闇属性は闇に紛れる技能で自身の力へ
毒に対しては、ドーピング、限界突破、継戦能力を使いながら
世界知識、情報収集、医術、早業で抗体を作って相殺
「トラップツールⅡ」、武器改造でバリアを体に馴染ませたら
敵を盾にする、シールドバッシュ技能でその他のバリアの相殺に掛かる
炎、雷、光のバリアへ2番目にぶつかり
尚燃える体を、氷と土のバリアへぶつける
相殺後、満身創痍にみえるが
事前に切り離しておいた触手の一部を集めて攻撃に用いる
借りハ、返したヨ
孤独なル帝竜ヨ
アノルルイ・ブラエニオン
竜退治は柄ではないのだけどね
帝竜戦役、最後まで仲間達と共に戦うぞ!
ブレスの範囲を【見切り】【ダッシュ】して届かない所へ
それでも少しは被るだろう
だが反撃一回でも出来ればよい
【歌唱】し、物語る
「ヴァルギリオス! 万物を統べし帝竜の中の帝竜! 八の首より放たれる吐息はあらゆるものを破壊する八種の力!」
UCを発動、そのブレスを言葉で再現し逆に食らわせてやる!
竜の恐ろしさを語るのは私の専売特許なのさ
なぜなら私は吟遊詩人だから!
尭海・有珠
配下を死なせ憤る心があるとは驚きだな
もっと暴君の類かと思っていたが
8本の首それぞれが、特定の属性のブレスを吐くのであれば
吐くブレスへ、それぞれ相殺か近い対処のしようのある属性を乗せた≪剥片の戯≫を放つ
完全相殺は期待していないが、距離を縮めれさえすれば良い
物陰もあれば利用しつつ
直撃で動けなくなることだけは避け、被弾は覚悟の上接近
お守りの耐性が多少は担ってくれよう
接近した方が狙いにくいだろうし、帝竜自身が射線的に障害物になるだろう
万一自身で傷つけてくれるなら儲けものだ
首は狙いのつけやすいものから一つずつ、≪剥片の戯≫で確実に落としていく
腕の一本、脚の一本でお前の首を
命をもぎ取れるのなら安いものさ
●竜命絶える時
『未だだ……余は此処で倒れ…には……!
それでは…配下の者達が報われぬ……!』
二本の首を失い、一本は半ばから断たれかけ、全身が傷だらけの血まみれで……其れでもヴァルギリオスは最後まで足掻こうと立ち上がる。
そして、そんなヴァルギリオスの前に最後に三人の猟兵達が立ちふさがった。
「配下を死なせ憤る心があるとは驚きだな。
もっと暴君の類いかと思っていたが」
「まァ、ただの暴君でハ部下もついて来なイという事だろうネ。
帝竜の何人かハ洗脳されテいたガ」
「何れにしても倒す事には変わりないがね」
意外そうな表情でヴァルキリオスを見る黒髪の少女、尭海・有珠(殲蒼・f06286)の言葉に再び戦場に立ったローブ姿のブックタール、ナハト・ダァト(聖泥・f01760)と黙っていれば美形な吟遊詩人、アノルルイ・ブラエニオン(変なエルフの吟遊詩人・f05107)は言葉を重ねる。
「喪われた首は光と雷、断ち切られかけてるのは闇の首か。
其れなら戦い方の修正は必要なさそうだ」
「此方も、やりやすくなるだケだから問題ないネ」
「敵が傷ついていて此方に問題はないのだしね。
しかし、本当に良かったのかい?私も行った方が…」
そう言葉をかけるアノルルイにナハトは首を振って其れを否定。
「こう言ウのは適材適所、サ。
アノルルイさんは切り離しておいた触手と待機していてくれルカイ?」
「判った。だが、厳しい様なら私も直ぐに行かせて貰うさ。
竜退治は柄ではないが、此の帝竜戦役、最後まで仲間達と共に戦うつもりなのだからね」
ウインクをしてそう言うアノルルイのその言葉にナハトと有珠は微笑んで返し、ヴァルギリオスの眼前に向かっていく。
『其処の女は兎も角、貴様は二度も余の前に立つとはな!
だが、余は未だ死なぬ!死ねぬのだ―――!』
「完全相殺は出来なくても良いし被弾は覚悟の上だったが……此れだけ動きが鈍っていれば……!」
二人を補足したヴァルギリオスは炎の吐息を二人に放つが、有珠は此れに水の魔力刃を放って威力と勢いを減じさせ、其の間に回避する。
そして、其れを見たヴァルギリオスが有珠を先に排除せんと毒と水の首と半ば断ち切られた闇の首でバリアを纏わせ襲い掛かるが……。
「叡智ノ本領ヲ見せよウ。
其れハ防がせて貰うヨ」
『な、此れは……?!』
ナハトが有珠を庇う様に首を受け止め、毒に侵食されようとした其の時、彼は其の体を水と化してバリアの中に溶け込んでいく。
(力へ変換しよウト思っていタし闇ガ弱まっテいるのハ少し困ルが全くなイ訳じゃあないネ)
ナハトは闇を己の中に取り込むと残る毒の障壁に対し己の力を高めて耐えつつ今までのヴァルギリオスとの闘いの経験、竜の有する毒の知識を元に手早く抗体を作成。
毒の障壁を相殺する。
そして、其の侭、ナハトは三つの障壁を取り込み己の力にしようとするが、その姿をみてヴァルギリオスは炎の吐息で其れを妨げようとする。
だが、当然有珠が其れを赦しはせず、無数の水の魔力刃を放って炎の吐息を完全に消し去り、更に炎を消し去って尚残った水の刃が炎の首を貫き傷つけていく。
『ぐ、があああああ!!』
(最初は結界か何かの所為で威力が弱まっていたが、今は問題なく全力を出せる、か)
「腕の一本、脚の一本、お前の首、命をもぎ取れるなら安い物だと覚悟していたんだが……此れならその必要もなさそうだ!」
其れでも油断は禁物と吐息への対策として射線を意識しヴァルギリオスの首が別の首の竜の吐息を遮る障害物になる様に意識して位置取りながら有珠は炎の刃の雨をヴァルギリオスの水の首に向かい降らしていく。
『ぐ、ああああああああ!!!』
「先ずは一本、と」
そんな有珠に対し、ならば攻撃は跳ね返した上で燃やし尽くさんと炎の首が、凍らせんと土と氷の首が突貫してきたが、其れには有珠がヴァルギリオスの相手をしている間に障壁を完全に己の物とし体になじませたナハトが冷静に対応。
先ずは炎の首に有珠を庇う様に突貫。
痛みは意思の力で抑えつつ炎を取り込み、燃える体で氷と土の障壁を相殺していく。
「流石。
なら、其れに続かせて貰う!」
『ぐ、がああああああ!!』
そして、其の隙を逃さず障壁がかき消された炎の首の付け根に有珠は氷の魔力刃の雨を降らせて刺し貫く。
ヴァルギリオスの首は残り4本、最後の足掻きとばかりに炎の吐息を放つが有珠に放つが……其処にアノルルイが躍り出る。
「ヴァルギリオス!万物を統べし帝竜の中の帝竜!
八の首より放たれる吐息はあらゆるものを破壊する八種の力!
我は語らん!汝、好敵手ゆえに―――!」
「ぬ、何だ此れは……余、自身、だと?!」
力は弱まっていたとはいえ己の吐息を受けながらも倒れぬアノルルイの言葉と共に現れた存在、偽りのヴァルギリオスにヴァルギリオスは戸惑うが、其の戸惑いを赦す程、猟兵達は甘くはない。
「それじゃあトドメ、と行こうカ。『ALHIM GBVR』―――」
事前に切り離しておいた触手を自身に統合。
癒される事を赦さぬ全てを粉砕する一撃を以って水と土の首は破壊され……。
「ヴァルギリオス、殉じるが良い、己の信念に。
来たれ、世界の滴。群れよ、奔れ――≪剥片の戯≫」
毒の首は全てを洗い流す水の奔流と化した無数の水の刃によって断ち切られ……。
「其の焔は煉獄の炎、あらゆる者を焼き尽くし、涙さえ残さず全てを炎で消し尽くす」
『ぐ、がっ!』
その言葉と共に炎の吐息がヴァルギリオスを燃やし―――。
「其の氷は嘆きの涙も凍らせ砕きし紅蓮の氷、血の華咲かせし嘆きの刃」
『ぎ……っ!』
焼き爛れた身に血の華を咲かせ―――。
「其の水は壮大なる瀑布。
嘗て世界を滅ぼした洪水の如く全ての命を押し流す」
『ぐぅ…っ!』
水の奔流が打ち据え―――。
「その土は全てを押しつぶす巨大な顎。
あらゆる者を其の顎の下に眠りにつかせる」
『……ぐ!』
雪崩れ落ちる巨大な岩塊の群れが抉りとり―――。
「其の雷鳴は天からの裁き、あらゆる者を打ち据えて、影すら残さず消し去っていく」
降り注ぐ雷鳴は其れを喰らった体を跡形残さず消し去り―――。
「其の毒は防ぐこと出来ぬ猛毒。喰らいし者を侵食し永劫の苦しみを其れに与えん」
毒の奔流は地獄の苦しみを与え―――。
「その光は全てを覆い尽くす白。
一瞬にして敵の命を奪っていく」
光が走ったと思った次の瞬間にヴァルギリオスの体は幾多の穴が開いていき―――。
「その闇は全てを覆い隠す闇。
その闇に囚われた者は言葉さえ残せず、最早、二度と光を見る事なく、消えていく」
『――――――――!』
其の体が闇に呑まれ……闇が晴れた時、既にヴァルギリオスの姿は完全に消え去っていた。
「此れは凄いね。よくも此処迄再現したものだ」
「いや、全くだネ。
最後の方はヴァルギリオス、声も出せなくなってたヨ?」
完全にヴァルギリオスの吐息を再現しきったアノルルイにナハトと有珠は驚愕を通り越して呆れたように言葉をかける。
それに対してアノルルイは楽しそうに笑ってリュートを一鳴らし。
「なに、此れも二人が時間を稼いでくれたお陰さ。
其れに竜の恐ろしさを語るのは私の専売特許なのさ。
なぜなら私は吟遊詩人だから!」
「成程、吟遊詩人というものを少し舐めていたかもしれないな。
これ程の事をやりきるとは」
そう言いながら、アノルルイとナハトは戦場を後にしようと歩き出す。
二人に続きナハトは戦場を去ろうとするが、最後にヴァルギリオスが居た場を一瞥。
「借りハ、返したヨ。
孤独なル帝竜ヨ」
そう最後に遺しナハトは戦場を後にしたのだった。
大成功
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