#UDCアース
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●業者、うしろうしろ!
「配達先は……間違いなくここ、だよな」
宅配業者の青年が何度も荷物の届け先を確認するが、指定された住所に間違いはない。
『Crazy Dissonance』。そうおどろおどろしい文字で書かれた看板がかけられているのは、今はもう閉鎖された美術館だ。こんなところに一体誰が、何を届けようというのか。
「やたら重かったしなアレ。ま、俺は届けるだけだし……受付ってどこだ? 中に事務所でもあんのか?」
とりあえず運転席から降りて入り口のガラス戸を押してみると、鍵は掛かっておらず簡単に開くことが出来た。中に入って見回してみるが人の気配らしきものは感じられない。
「電気もついてないし無人か。配達証明どうやってもらうんだよ……不在票置いてくか」
端末を操作してシールを作り、不在票に貼り付ける。名前や連絡先を記入しようといた時、視界の隅で何かが動いたのが目に入った。正面の開いた扉の先、おそらくは展示室であろう部屋の入ってすぐのところだ。近付いて目を凝らすと奇妙なオブジェが置いてある。
「……なんだ? これは、絵? いや彫刻、か……?」
それは床に置かれた四角い額縁からはみ出た手足だった。だが人の手というには長すぎて、おまけに指も十本以上ある。曲がりくねったそれには関節の存在も感じない。
「……気持ち、悪……く、ない、のか? あれ? これが動いて、いやそんなわけもなくぐんにょりと、んん、動いてる?」
彫刻が動くはずがないが、何故か段々と動いているように見えてくる。後ろで大きな音が鳴った気がするが、この動く手足からどうしても目が離せない。ああ、世界が歪んで回る。歪んで、回って、世界が一つに。何かが這いずる音も近づいて 歪んで ぐるぐるぐるぐる世界がぐるぐるぐるぐるぐるぐる自分がぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる――。
●いあ! いあ!
「皆は狂気って感じたことある?」
耳元にかかる髪をかき上げつつ一橋・さくらは集まった猟兵達に話し始めた。
「UDCアースに出てくるオブリビオンって正気を削ったりとか、邪悪な宗教で崇められてたりとかそういうのが多いんだけど、今回もそういう類の奴なの」
配達に向かったはずのドライバーがいつまで経っても戻ってこない。電話連絡にも反応せず、すわサボタージュや荷物の横領か、と端末の管理記録を見るとある荷物の不在データを送ったところまでは確認できた。
そこでその住所に人を送ったところ……営業不振で管理業者が撤退した廃美術館と、不在データを送ったはずの荷物が消えた無人の宅配トラックが見つかったというわけだ。
「ドライバーは自宅にも帰ってないしこれはただ事じゃない、ってすぐに警察が呼ばれてね。そこで見つかった手掛かりがこれ」
さくらが机の上に何かの紙の入った袋を置く。見るとそれはくしゃくしゃになった宅配の不在票の束で、一番上の票には震える文字で『せかいがま わる』『ぐるぐ るぐる ぐる』と書き殴られていた。
「やっばいよね、それ。捜索に行った警察の人も何人か倒れちゃったらしくてさ。なんでも美術館には正気を失わせる美術品がてんこもりだってさ」
当時の管理会社に問い合わせてみても撤退までにそんな美術品を扱った記録もない。管理放棄された後に誰かが持ち込んだと考えるのが妥当だ。一人でどうにかできる規模ではないからおそらくは集団による犯行。最近は周辺での行方不明者も増えていたことから、同一犯の可能性もある。
「狂気を扱う集団となると、普通の人間には戦い辛いからねぇ。UDC案件としてこっちに話が回ってきたの」
おぞましく並んだ美術品のその奥には、きっとそれらを持ち込んだ者達がいる。
「敵はきっと邪神かその眷属。美術品も色々アレらしいから、気を付けて捜索してね」
私の分までズバッと成敗してよ! そう言って、さくらは猟兵達を送り出した。
灰寺詠
ごきげんよう。灰寺 詠です。
三本目のシナリオは狂気にまみれた美術館の探索です。
展示品はグロテスクなものが多いのでそういうのが苦手な方にはお勧めしません。
展示スペースを切り抜けたら集団戦、そこからのボス戦闘となります。
狂気をどうするかが皆さんと私の共通課題でしょうか。
なお、荷物の中身はおそらく皆さんの予想通りでしょう。深い謎はありません。
それでは皆さんのプレイング、お待ちしております。
第1章 冒険
『狂気の廃美術館』
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POW : 気合で耐える/美術品を破壊する
SPD : 感覚を活かし、危険を避ける
WIZ : 対抗策や安全なルートがないか調べる
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●その不協和音は誰がために
じゃり、じゃり。歩く度に靴底が砂利を踏みしめる音が響く。長年掃除されていないであろう床は薄汚れ、擦れた様な傷があちこちについていた。
ガラス張りで明るいのは入り口に限った話で、展示品を飾る壁に囲まれた室内は陽光が遮断され、昼間だというのにひどく暗い。ここからうっすらと見える影が件のおぞましいオブジェのひとつなのであろう。耳を澄ませればどこからか微かな呻き声や悲鳴、何かが擦れるような音が聴こえてくる。そのくせ空気は冷えることなく、纏わりつくようなねっとりとした気持ち悪さを伝えてくる。耐性のない人間ならこのままここに居るだけで精神を汚されてしまうであろう。近付くだけでこれほどの狂気を漂わせる集団……間違いなく、邪神の眷属だ。
確定となった事実に改めて気を引き締め、猟兵達は探索を開始するのであった。
ロバート・ブレイズ
「博物館の恐怖。蝋人形か何かでも潜み、血肉に飢えて這い回るのか。ぐるぐると――さて。冒涜には冒涜が必要だが、先ずは調査だ」
【POW】または【SPD】MS様の判断に任せます
目当てのものを探しながら危険で不要な類を回避する
特別な技能は無いが長年の経験を活かして動く
持ち物『正気固定機』を起動し万が一に備えておこう
発見が無い場合は精神を捧げるように凝視してやろう
おそらくは持ち物で耐えられる筈だ
限界を迎えた際は破壊行為だ
巨大な鉄の塊を担いで殴り潰す
それでも気が狂いそうならば逃げる
まあ。最初から狂っているようなものだが
●
「博物館の恐怖。蝋人形か何かでも潜み、血肉に飢えて這い回るのか。ぐるぐると――さて。冒涜には冒涜が必要だが、先ずは調査だ」
シワひとつないスーツのポケットに入る『正気固定機』の電源を入れ、ロバート・ブレイズ(冒涜翁・f00135)は『展示室 A』と書かれた扉を潜った。
非常灯も消え、扉からの陽光のみが光源の展示室はかろうじて「何か物がある」と判別できる程度。灯りが必要か、そう思った瞬間に天井に設置された照明が点灯する。外を見ると受付フロアの電灯も復旧している為、どうやら他の猟兵が電気を供給したようだ。破損か寿命か、点灯したのは半数以下で薄暗さがなくなったとは言えないが、探索するには問題ない。
改めて室内を見渡すとこの部屋は壁に絵画が数点、部屋の中央付近にオブジェが一点。奥には次の展示場への扉がある。嫌な気配はオブジェから特に強く感じた。
一先ず奥に行って扉に手を掛けると、当然の様に施錠されている。次に絵画の方を調べていく。自らの腹部を貫く触手を食い千切る身体のねじくれた四ツ目の老婆、極彩色の眼球が埋め尽くす割れた人体。夕闇から額縁越しに見詰めてくる縦に裂けた眼窩の殺戮者。捕えた獲物からはみ出た魂を貪る首長の異形の獣。どれも苦痛と死に満ちていた。最後にオブジェの方に歩き出す。磔にされた天使。だがその頭蓋に顔は無く、パーツの位置は眼球で埋まり、その羽は無数の手足で出来ていた。胴体を貫く無数の槍は自らの羽の手足で支えられている。見るに堪えない狂気の造形だ。
露出した胸の奥、天使に心臓が有るかは定かでは無いが心臓の位置に何か光るものを見つけたのと、天使の眼球が全て此方を向くのは同時だった。正気固定機が唸りを上げ、黒の碑が反応する。咄嗟に身を引いて巨大な鉄の塊を担ぎ、蠢く眼球と触腕ごと天使を殴り潰した。後に残ったのは上半身が砕けたオブジェと足元に転がる小さな鍵。
ロバートは服に付いた粉塵を払い、施錠された扉へ鍵を差し込んだ。
成功
🔵🔵🔴
パラス・アテナ
……こういうのは、中に手榴弾の2,3個放り込んで撃ち抜きゃ一発なんだがね。
中にまだ配達員がいるかも知れないし、電気系統に引火でもしたら後味が悪い。
面倒だが、コツコツいくよ。
電気会社に連絡して、電気を入れさせたら照明を一気に全部灯すよ。
展示室で呆けてる連中がいたら、引きずってでも避難させとくよ。
終わったら、展示室中央に出て【弾幕】を張ろうじゃないか。
全弾撃ち尽くす構えで、エセ美術品を物理的に破壊しとけば後顧の憂いはない。
音に驚いて敵さんが出てくりゃしめたもの。
オブリビオン退治といこうじゃないか。
もし美術品が弾幕かいくぐって反撃してきたら、他の猟兵に退治してもらうさ
連携歓迎、ってやつだ。好きにおし
●
複数の展示エリアがある無駄に大きな美術館を見渡して、パラス・アテナ(サトラレ・f10709)は一番手っ取り早い方法を呟いた。
「……こういうのは、中に手榴弾の二、三個放り込んで撃ち抜きゃ一発なんだがね」
邪神連中を一掃するだけなら有効だが、中にまだ配達員がいるかも知れないし、電気系統に引火でもしたら後味が悪い。
「面倒だが、コツコツいくよ」
そう言うやパラスは美術館周辺を封鎖するUDC職員に命令し、この地域を担当する電気会社に連絡させた。しばらく後に美術館の電気が復旧するが、その光量は予想以上に少ない。放置期間が長かったせいで電灯の破損や寿命が多いようだ。
「しっかり全灯したんだろうね。日本の設備も結構脆いもんだ」
やれやれ、と少し呆れた口調のパラスがホルスターから銃を抜いて入り口を通り、手近な展示場へを足を踏み入れた。中に居た突然の照明点灯に驚く猟兵の襟元を引っ掴んで部屋の外へ放り出し、室内に入って来ないようにと伝える。
「さてと、部屋の中央はあそこだね」
空いていた片手にも銃を取り出し、部屋の中央にあったオブジェに目もくれず蹴り飛ばして部屋の隅に移動させる。空いたスペースに立ったパラスが周囲の美術品目掛けて銃を構え、引金を引いた。
「弾幕ってのは、こう張るのさ」
破裂音と共に両手に持った銃が火を噴いた。ユーベルコードによって強化された弾丸は驚異的な命中精度で美術品に命中し、砕き、破壊していく。
全弾撃ち尽くした頃には室内の美術品は全て残骸となっていた。
「狂気だろうがこうやって物理的に破壊しとけば後顧の憂いはないだろ」
銃の弾倉を交換しながら大きな音でも敵が出てこなかったことを不審に思いつつ、もういいよ、と部屋の外に呼び掛けたパラスは奥の扉の施錠をドアノブごと破壊して進んでいった。
成功
🔵🔵🔴
ナズヴィ・ピャー
ふむ、UDC案件ですか…
新しいパーツの素材として期待ができますね
●偉い人曰く、深淵を覗き込む時、深淵を覗き込んでいるのだ
自分が何をしているのか忘れないようにしろ…と言うことでしょうか
狂気を扱うお仕事に合致する格言なのかもしれません
●祓魔管(ライト
「博士」曰く祓魔管には破魔の力があるとか無いとか
良好な視界は良好な精神を保つでしょう(ぴかー
●狂気対策
精神に異常・動揺を感じたら…自分のつま先を見つめて深呼吸
「UDC由来素材」の取り扱いに準じた狂気対策の真似をしてみましょう
何より美術品鑑賞をしない
後は呪詛耐性が何とかしてくれるでしょう(乱暴
●大正義摩擦低減管
美術品を退かしたり緊急避難として蹴り倒したり
●
立ち並ぶ狂気のオブジェを前にナズヴィ・ピャー(不忠犬ナズ公・f03881)は考える。このUDC案件で新パーツの素材は手に入らないものかと。そう期待して目の前の像に手を伸べる。
偉い人曰く「深淵を覗き込む時、深淵を覗き込んでいるのだ」
自分が何をしているのか忘れないようにしろと言うことだろうか? 狂気を扱うお仕事に合致する格言なのかもしれない。ナズヴィはそう考えるが、それは違うのではないだろうか。指先が触れる。質感は本物。
血塗れの聖母。顔は牙と口と髪の生えた掌、腕は枝分かれして手先は七本指。眼が口、口が眼の赤子を裂けた腹から漏れ出す自らの臓物で包んで抱く。
本物だった。その材料は、本物の人体だ。邪神の眷属の『成り損ない』。
UDCに分類されるが、UDCそのものではない。興味深いが己の素材にはなり得ない。
「さすがに悪趣味ですね」
周囲のオブジェも素材は全て人体だった。絵画の塗料には血が混じっている。
動揺したのは求めた素材ではない落胆か、はたまた外道の極みたる故か。
自らの爪先を見詰め深呼吸を始めるナズヴィの手元で祓魔管が光り出す。薄暗い部屋を照らし出し、良好な視界で良好な精神を保たせたそれは『博士』曰く破魔の力があるとか無いとか。
「摩擦低減管を起動」
直視しなかった事、呪詛への耐性を持っていた事で精神汚染をレジストしたナズヴィが【摩擦低減管】によってオブジェを空気浮揚艇のように浮かせ、歯車様から飛び出す刃で弾き飛ばした。直撃寸前で摩擦低減を解除されて壁にめり込む血塗れの聖母。砕けた赤子の頭蓋から小さな鍵が露出した。
「これはおそらく奥の扉の鍵でしょう」
ナズヴィは鍵を回収しようとして、この像を素材として持ち帰るかどうかを考えた。悪趣味の極みだが珍しいことには変わりない。そのまましばらく考えて。
やがて扉を開いて奥へと進んだ。素材を回収したかどうかはナズヴィ本人しか知らない。
成功
🔵🔵🔴
アララギ・イチイ
素敵な展示物だわぁ
御土産に是非1個持って帰りたいけど、依頼的には駄目よねぇ
というわけで破壊決定、価値あるものをぶち壊す、実に背徳的な行為だわねぇ
展示室に入室したら、第三者が居ないか確認を行った後、カタナに手をかけてUCの斬撃・白驟雨を放つわぁ
展示物の完全破壊するのに1回で足りなかったら2~3回と連続で斬撃~してしまいましょうぉ
破壊行為は楽しいわねぇ
もし第三者居たら、展示物の無い安全そうな場所に放り込んでおきましょうかぁ
私はもともと愉快な(狂っている)性格だから多少は大丈夫かとは思うのだけど、駄目そうなら(毒使い)の効果で精神を安定させる毒(自分の精神に麻痺攻撃)を精製して、煙管で吸っておくわぁ
●
血肉を好むアララギ・イチイ(ドラゴニアンの少女・f05751)には断言できることがある。どのように処理されたのかはわからないが、微かに漂う芳香と質感。目の前に並ぶ美術品はヒトの血肉で出来ている。
「素敵な展示物だわぁ」
アレも血肉、コレも血肉。立ち並ぶ嗜好品群に高揚するが、なけなしの良識が持ち帰る事を否定する。手に入らないのならばならばどうするか。
「価値あるものをぶち壊す、実に背徳的な行為だわねぇ」
私のものは私のもの。邪神のものも私のもの。
周囲に第三者が居ないか確認を行ったアララギが粒子を纏うカタナに手をかけた。
「乱れ撃つ……この場合は乱れ斬る、かしらねぇ?」
【斬撃・白驟雨】
無数の剣閃が肉を断ち、骨を斬り、手足が跳んで首が舞う。
「あははははははっ」
部屋の端からでは距離が足りない、数が足りない、手応えが足りない。
移動しながらも剣閃を重ね、肉塊を重ね、残骸を積み重ね続けた。
「破壊行為は楽しいわねぇ」
数度目の白驟雨を終えて粒子を消したカタナを仕舞う。後には『成れの果て』の成れの果てが転がるのみだ。血肉と臓物に煌めく鈍色の光。奥へと向かう鍵を拾い、アララギは狂気を呑み込み血肉溢れる更なる狂気の中で煙管を噴かせた。精神安定の為の精神麻痺毒が、蝕む狂気と高揚を抑えていく。
「少しやりすぎたかしらぁ?」
衝動のまま暴れた結果、入る前よりもおぞましい状態になった展示室を見渡すアララギ。その目に比較的無事な姿のオブジェが映る。
鉄筆が突き立つ眼球を握り締めた爪の剥がれた三つ指。素体の眷属への適性が低かったのか悪しき気配もほとんど感じられない。故に剣閃が掠めるだけに留めたのだろう。他にも似たようなものが数点あった。
「記念品代わりなら良いかしらぁ」
アララギは他の猟兵が来る前にいくつか見繕ってそっと懐に入れ、奥の部屋へと進んでいった。
成功
🔵🔵🔴
ミアス・ティンダロス
UDCの力を悪用する事件、また起きましたか?
やはり、ほっとけるわけにはいきませんよね。このままではいつまでも本当の共存に至りません。
とても叶わないかもしれませんけれども、UDC達を傷つけるのが必要になる前に事件を解決できればいいよね……
っと、頼みますよ、吸血鬼さん。
召喚されたスターヴァンパイアを先に探索させ、安全そうな道を見つけ出したから進みます。移動する時は【忍び足】を使って余計な物音を減らそうとします。
狂気に抗わなく、それを自然体で浴びたまま前進します。
●
オブジェの破壊された展示室を抜け、開かれた扉の前に立つミアス・ティンダロス(夢を見る仔犬・f00675)は魔導書を胸に憂鬱の溜息を吐いた。UDCの力を悪用する事件がまた起きてしまったのかと。ミアスはUDCとの共存を望んではいるが、このままではいつまでも本当の共存に至ることが出来ない。放って置く事は出来なかった。
「とても叶わないかもしれませんけれども、UDC達を傷つけるのが必要になる前に事件を解決できればいいよね……っと、頼みますよ、吸血鬼さん」
ミアスが手を翳す。エルダーコアが反応し、発動した【鋭霊召喚・星から訪れたもの】(アドベント・スターヴァンパイア)が中空に術式の陣を描く。召喚陣の完成と共に床がぺちゃりと音が鳴らすが目に見えるものは何も無く、吸血鬼とやらの姿は何処にも無い。否。景色が僅かに揺らめいた。不可視の軟体生物であるようだ。
そして五感を繋いだスターヴァンパイアが床を這い、時に足音すら消し無へ至る。UDCの気配が薄い位置と位置を線で結び路と成す。これなら何とか狂気の影響無く奥の通路まで出られそうだと、そう気を許したところで一際強い気配に気付く。串刺し飛天女。あろう事か扉の前に浮いていた。何とか避ける方法は無いかと見回せば一体だけ穴が開き串刺しではないな飛天女と床に落ちた小さな手槍。予想はつく。予想はつくが、ミアスにその手を汚せというのか。何処までも狂気の沙汰だった。
ルートは決まり、ミアスはスターヴァンパイアとの同調を切って足跡を辿り移動する。狂気に抗わない。そう決めて自然体で手槍を拾おうと、したところで手槍が浮いた。そのまま穴の開いた飛天女に刺さる。送還されずに残っていたスターヴァンパイアの好意である。
飛天女達の歓喜の悲鳴が響き渡り、救済された飛天女達が散って行く。
「ありがとう、吸血鬼さん」
UDCとの絆を改めて感じたミアスは地階へ続く通路へ辿り着いたのだ。
成功
🔵🔵🔴
ナズヴィ・ピャー
ふむ…珍しくはありますが、有用ではないですね
この妙な技術はどこから入手したんでしょうね?
●祓魔管で照らしながら探索を継続
邪魔な物は探索済みの部屋に纏めて放り込んでおきましょう
絵等は念のため見えないように裏返す
これらの悪趣味なオブジェ、動き出したりしませんかね…
念のため汎用ワイヤーで縛り上げておきましょう
最後にドア施錠なり立ち入り禁止ポールを設置
「探索済 危険物を纏めてあります」
●潜むと思われる者達?
何処に隠れて居るのやら…
トイレに隠れて震えていたりしませんかね
●怪しい輩を発見時
摩擦低減管で床をツルツルにして逃亡阻止しつつ応援を呼びましょう
挑んでくる様であれば当機の格闘性能を遺憾なく発揮します
●
扉の前に鎮座していた『救済の編纂者』と銘打つ肉塊を汎用ワイヤーで縛りナズヴィは思考する。珍しいが有用ではないこの妙な技術はどこから入手したのかと。肉塊は全身から突出る骨で救済対象たる人体を引き裂き部位をその身に縫い付けていた。祓魔管で照らし見るも鍵は見当たらず、未だ最奥への経路は閉じられている。
鍵を探すナズヴィが念の為にと絵画を裏返し進めば途中の一枚で何かが落ちた。
心臓だ。如何なる技術か呪詛か脈動するそれは中央に小さな穴が開いている。
心臓の落ちた絵を見る。題は『救済』。幾つか在る立体的な造形で中央の皮膚の剥がれた手が巨大な針を握るが、違和感。奇妙だ。針があまりに綺麗に折れている。
「つまりこれは取り外し可能だと」
何のために、と思考し思い至る。先程の編纂者が纏う臓物には心臓が無かったのではないか。急ぎ戻り確認すると確かに心臓が無い。そして何も刺さらぬ突出た骨が一本。手に在る心臓の穴を見詰める。
鍵は無い。違和感あるオブジェと取り外しできる心臓。これはまさかアレなのか。そうでなければいい、そう思いながらナズヴィは突出た骨に心臓の穴を宛がい突き刺す。骨よりも狭い穴が広がり肉を抉る生々しい感触と共に心臓の鼓動が停止。扉からかちゃりと音がした。
「悪趣味にも限度があると思うのですが」
扉の解錠を確認したナズヴィが最早用済みと縛り上げ済の肉塊を【摩擦低減管】で浮遊させて探索済の部屋へとぶん投げ除外、最中に跳ね飛ばしたオブジェも纏めて一緒に蹴り入れる。ナズヴィの格闘性能が遺憾なく発揮された。部屋の入り口をポールとバリケードテープで簡易封鎖し『探索済 危険物を纏めてあります』の紙を貼りUDC機関に始末を投げた。
扉の先は通路だ。電灯はなく非常灯のみが点灯し空気の粘度がいや増す。片側はすぐに壁、片側はかなり奥の方に踊り場、おそらく階段。人影は無い。狂気の下手人は何処に隠れて居るのか。トイレに隠れて震えていたりしませんかね、と軽口を叩いて階段に向かうと歩く度に邪気や瘴気と言われるであろう気配が濃密になる。戦いの気配は近い。
ナズヴィは臨戦態勢を取りながら地階への階段をゆっくりと下りていった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『黄昏の信徒』
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POW : 堕ちる星の一撃
単純で重い【モーニングスター】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 神による救済の歌声
自身に【邪神の寵愛による耳障りな歌声】をまとい、高速移動と【聞いた者の精神を掻き毟る甲高い悲鳴】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : 黄昏への導き
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【自身と全く同じ『黄昏の信徒』】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●狂気の為に鐘は鳴る
猟兵達が長く続く階段を下りると、そこには大きな両開きの扉。
複数人で左右に押し開けば地下とは思えない巨大な広間が登場した。
相変わらず光源は少なく薄暗いが、見えない方が良いこともあるだろう。
狂気。床は肉と臓物で溢れ返り、壁には血塗れの刃物が並ぶ。悲鳴と呻きが絶えず流れた。
天井からは吊り下がり、全ての関節を潰され有り得べからざる姿勢となった人体が揺れる。
広間には布を被り手に鉄球を持つ異形が多数うろついていた。
中央にて彼らに囲まれ崇められ、狂気と悲鳴の直中で鎮座するのは禍々しい継ぎ接ぎの邪神であった。
視界の先で転がる遺体の一つに布が掛けられる。宅配業者の制服を着ていたように見えたそれは布の下でもぞもぞと蠢き、唸り、そして直立した。顔には仮面。手には鉄球。彼、いやそれは周囲と同様の異形へと変貌していた。
思わず確認しようと近付いた猟兵達に、異形達の視線が向けられる。強大な殺気。
「猟兵」「猟兵」「猟兵」「敵」「邪魔者」「滅する」「生贄」「敵」「眷属へ」
「邪魔者」「許さぬ」「許せぬ」「愚者に」「制裁を」「黄昏の」「救済を」
「来るぞ!」
猟兵の一人が叫び、邪神と邪神の眷属との戦いが始まった。
ロバート・ブレイズ
「随分と愉快な連中だ。おめでたい莫迦の群れだ。許さないだと。赦されないのは貴様等だ。黄昏の救済など。痛みが齎す愉悦など」
闇堕ち発動
殺気を放つ無差別攻撃で『鎧を砕き』違う『神』を想起させる事で『恐怖を与える』
旧き神の光輝について語りながら緩やかに近付こう。
その後、鉄塊剣でぶん殴り、一体一体確実に潰してやろう。
他の猟兵と連携が可能ならば道を拓いて士気を高める。
苦戦する場合は逃げの一手。可能ならば他の猟兵が攻撃しやすいよう、誘導を行う。
●
鉄球を避ける。躱す。受け流す。不協和音の歌と悲鳴。正気固定機が作動する。
「随分と愉快な連中だ。おめでたい莫迦の群れだ。許さないだと。赦されないのは貴様等だ。黄昏の救済など。痛みが齎す愉悦など」
苦痛こそ救済。常に狂気は理不尽だ。故に理不尽たる狂気をこそ正気と狂気で撃ち砕く。ロバートの黒の碑が地獄の炎を噴出し、黒の仮面が憤怒に染まる。
「鏖殺だ」
【闇堕ち】(ダークネス・ロクロクロク)が善なる殺気を顕在化した。
想起するのは光。旧き支配者達と対立する旧き神々、その輝きを以て恐怖を与えん。
ロバートは異形に近付き語り掛ける。旧き神々の戦いを、星の戦士の力強さを。
異形は自らの肉が崩れ骨が溶けるのを幻視した。魂の楔は肉体をも縛り、精神も身体も鈍らせる。ロバートが黒き鉄塊を振り上げた。
「貴様等の逝く先に救いは無く輪廻も無い。虚無へと還れ、過去の幻像」
黒き墓標が振り下ろされる。鉄塊が異形の肉体を潰し、獄炎が残骸を燃やし、全てを纏めて塵へと変えた。
黄昏の信徒にとって苦痛と精神の死は救済である。しかしこれは何なのか。苦痛を受ける間もなく塵と化し、救済されるべき魂も残らない。
狂気を超える理不尽に周囲の異形は悲鳴を上げる。籠められたのは果たして狂気か、それとも恐怖か。高速移動など跡形もない。
振られる鉄球は最早避けるまでもなく、近付き、振り上げ、滅却する。その繰り返し。動けぬ異形に鉄塊が振られる度、一体また一体が無へと還った。
己が周囲を一掃したロバートは他の猟兵の援護へ走る。狂気の果ては未だ見えない。
成功
🔵🔵🔴
アララギ・イチイ
あら、素敵な歌声ねぇ
でも、悲鳴が良くない、もっと絶望的な悲鳴じゃないと旨味の成分的な物が足りないわぁ(救済の歌声の感想
UCの召喚・自爆型~を使用よぉ
呼び出したドローンは自分の周囲に浮遊させて、近接して来る目標に光線砲で攻撃させるわぁ
私自身は速射砲×2を取り出して使用よぉ
爆風による(範囲攻撃・吹き飛ばし)効果のある榴弾を装填、左右の交互撃ち(2回攻撃)て敵に撃ち込むわぁ
近接距離に潜り込まれたら、改造ブーツのドリルキックで(踏みつけ・串刺し・傷口をえぐる)ってみようかしらぁ
一箇所に留まらずに(ダッシュ)で移動しつつ射撃攻撃ねぇ
上記の移動には(フェイント・残像)の技能を加えて相手の撹乱を狙うわぁ
●
「あら、素敵な歌声ねぇ」
邪神の寵愛を受けた声帯が震え、狂気へ誘う悲鳴が響く。だがまだ足りない。これではアララギは満たされない。
「でも、悲鳴が良くない、もっと絶望的な悲鳴じゃないと旨味の成分的な物が足りないわぁ」
だからもっと絶望なさぁい。アララギは手を組んで薄笑い、自爆型UASを召喚した。戦闘、自爆、動力の球体浮遊砲台がアララギの周囲に出現、近付く異形を照準する。大出力魔力炉が駆動し光線砲を撃ちだし命中。衝撃で異形の動きが一瞬停止する。
「隙だらけよぉ。速射砲、榴弾装填。今ぁ」
合図と共に異空間より二門の速射砲が現れ交互に火を吐き着弾、爆発。爆風で異形が方々に散る。それらを追って走り、跳躍。魔改造されたロングブーツが推進移動で補助をする。着地点たる異形に踵を向ければ靴底のドリルが駆動し伸びる。仮面を貫き、串刺し、眼窩を抉った。苦痛の悲鳴は異形への救済であり、アララギの愉悦である。ドリルを戻して着地し、再度疾走。的を定めず定まらせず、角度を変え、残像を残し、獲物を求めて駆け抜ける。悲鳴が狂気と絶望に染まる。それすら愉悦。
「さぁもっと、もっと私を満足させなさぁい!」
近接は光線で撃ち抜き、ドリルが抉り、遠隔は速射砲が爆破した。周囲の血肉に異形が混ざり、そこには地獄の舞台がある。楽曲は悲鳴、踊子はアララギ。宙に舞って地に踊る。息継ぎの幕間に一息ついても異形の姿は無くならない。
「ふぅ……まだまだ楽しめそうですわぁ」
心の底から笑みを浮かべ、アララギは駆ける。
成功
🔵🔵🔴
ミアス・ティンダロス
結局、間に合いませんでしたか……
心が痛みますが、彼ら、そしてその邪神をここで倒さなければなりません。
死者に安らぎを与えるために、 これ以上、犠牲者をい出せないために。
蝙蝠のような羽をもつ馬と昆虫の交雑体に見える【星間の駿馬】を召喚して戦います。
できれば僕自身も地形を利用しながら、衝撃波で敵の行動を邪魔してみます。
●
狂気渦巻く広間にて、ミアスの眼に異形へと化した犠牲者が映る。
結局、間に合うことは無かった。彼の者は狂気に惑い、狂気に倒れ、狂気に堕とされた。彼にも家族はいるのだろうが、その死が知らされる事は無い。その無念は如何程か。
針で刺す様に心が痛む。だが彼や同様に堕とされたであろう異形達、そして根源たる邪神を倒さねばならない。犠牲を無かった事には出来ないが、死者に安らぎを与える為に。そしてこれ以上犠牲を出さない為に。
覚悟は既に、師匠の、彼女の理想を継いだ時に決めている。ミアスはエルダーコアを取り出し唱えた。
「漆黒(くろ)く、素早く、力強く――舞い降りなさい、翼の貴婦人さん!」
展開した召喚陣が輝き『星間の駿馬』が姿を見せる。馬と昆虫の交雑体に蝙蝠の羽が生えた外見の其れは、羽ばたき漆黒の躰から気品を漂わせている。
「翼の貴婦人さん、あの人達に安息を」
ミアスの頼みに駿馬が嘶く。駆出し脚を振上げ一閃、鉤爪が異形を引裂き風の刃が切刻む。ミアスも衝撃波で敵の体勢を崩す補助をした。立ち回り、連携を繰返していると刻んだ筈の異形が立ち上がる。何時の間にか傷も消えていた。黄昏への導き。言わば遺骸の再利用。
「そんな、ここまで死者を冒涜するなんて……」
力は弱い、振り回す鉄球も先刻よりはかなり遅い。だがそんな事よりもその発想と力が悍ましい。
この邪神は必ず倒さねばならない。心の痛みと葛藤を覚悟で抑え、ミアスは駿馬と連携を続けた。
成功
🔵🔵🔴
ナズヴィ・ピャー
【アドリブ等特盛】
ふむ、次は怪人仮面布男ですね
トイレではありませんでしたが、地下室で震えていたようです
何やら重量感があってトゲトゲした危険物を持っているようですね
…当たらなければ大体OKと判断
●定番の摩擦低減管
接近してくるようならツルーのズコー
距離を取ろうとしてもツルーのズコー
自分もツルーで距離を取ったり、防御時に受け流しに流用したり
多対一にならないよう滑らせて距離を取らせる
●バラバラに分解するのが趣味
なかなか丈夫そうに見受けました
割と楽しめそうです
壊れるまでは当機の玩具にしましょう
殴殴殴打の蹴蹴蹴撃
殺意マシマシで頭から投げ落としからの踏み付け
壁際まで追い詰め→顔面鷲掴み→壁に叩叩叩叩き付け
●
自らを囲む異形の群れを見渡し、その共通点をナズヴィは呟く。
「ふむ、次は怪人仮面布男ですね。トイレではなく、地下室で震えていましたか」
異形が震え叫喚する。精神を蝕む歌が流れ、棘鉄球を引き摺る地面が抉れ、重低音が鳴り響く。
その音より棘鉄球の重量を見て取るナズヴィは危険度を計測し、分析し、判断した。
「ふむ……摩擦低減管、起動」
当たらなければ問題無い。猫足立ちで構えを取った。包囲を狭めて異形が迫る。
棘鉄球が飛んだ、足元の摩擦が低減した異形も飛んだ。四方からの飛行体に摩擦低減官が明滅し、地面を滑りナズヴィが動く。避け、受け流し、進路を変えて同士を中てた。敵は高速移動が仇となる。壁にぶつかり地面にめり込み、肉塊へと成り果てる。視界の隅で肉塊が蠢き再稼働するのが見えた。ナズヴィは嗤う。
「なかなか丈夫そうに見受けました」
体内の魔導蒸気の流量が増え、稼働音が増大する。追加装甲と副椀が展開された。
「どこまでバラバラにしても大丈夫か、耐久性実験です。せいぜい簡単に壊れないでくださいね」
今度はナズヴィが打って出る。包囲に踏み込み仮面を掴み、そのまま地面に叩きつける。回転、踏付け。再度掴んで引き戻し、何度も地面へ叩きつける。掴む異形を副椀で相対位置に固定。殴る殴る殴る。蹴る蹴る蹴る。動きを止めた異形を武器とし振り回す。盾とし棘鉄球を受け止める。手の遺骸が蠢けばワイヤーで縛り伸ばして数回転、振り上げ地面へ打ち下ろす。終る頃には手中は挽肉よりも酷い有様であった。
「壊れてしまいましたか。折角の当機の玩具でしたが、割と楽しめたので良しとしましょう」
ナズヴィは次の玩具を求め周囲の異形に目を遣った。
成功
🔵🔵🔴
パラス・アテナ
出遅れちまったかね。だが、仕事はさせてもらうよ。
ぞろぞろとやってくる連中には、【弾幕】で足止めさせてもらうよ。
敵が怯んだら、【クイックドロウ】【2回攻撃】で止めを刺そうか。
万が一接近を許したら【零距離射撃】で対応するね。
配達員だった信徒には、少しだけ同情の目を向けるさ。
仕事で配達しただけだってのに、アンタも不運だったね。
アンタの大事な連中をアンタが手に掛けなくてもいいように、ここで終わらせといてやるよ。
ま、それを言ったらここにいる信徒全員、同じ穴のムジナか。
元凶のオブリビオンをさっさと出しな。
アタシがその頭に鉛玉をぶち込んでやる。
●
UDC機関に美術品の後処理を命じていたパラスが地階に辿り着くと、目に入ったのは信徒へ変貌する犠牲者の姿。間も無く戦いは始まり、異形の群れが押し寄せる。
「ちょいと出遅れちまったかね。だが、仕事はさせてもらうよ」
迫る信徒の棘鉄球を避け、耳を塞ぎ、立ち回って距離を取る。パラスの間合いは遠距離だ。
「さっきからキーキーと喧しいね。これでも喰らって落ち着きな」
【弾幕】の一斉射撃が敵を穿つ。左の銃が実弾ばら撒き足を止め、右の銃が熱線で貫く。敵が怯めば熱線銃が瞬いた。一発一発が映画の一コマと同等の速度で放たれ、直撃。信徒は倒れ血肉に戻る。
着実に、そして確実に信徒を処理するパラスが気付く。たった今接近され攻撃を避け、銃口を額に押し当てたこの信徒は先程見た犠牲者の成れの果てだと。彼は仕事で配達していただけだ。それが狂気に翻弄され、自我すら失い狂気に堕ちた。哀れな道化を見る目に同情が入り。銃を持つ手に力が籠る。
「アンタも不運だったね。アンタの大事な連中をアンタが手に掛けなくてもいいように、ここで終わらせといてやるよ」
発砲、沈黙。崩れ落ちる。弾倉を交換し見渡せば、信徒の姿はまだまだ見える。彼等も元は人間だろう。此処でどれだけ死んだのか、全く、本当に性質が悪い。
「元凶のオブリビオンをさっさと出しな。アタシがその頭に鉛玉をぶち込んでやる」
信徒に弾丸と光線をお見舞いしながら、パラスは進む。
成功
🔵🔵🔴
アララギ・イチイ
……飽きた、最初は楽しかったけど、同じ様な連中の悲鳴で満足する前に飽きたぁー(我儘
というわけで殲滅決定ぇ
扉まで一気に後退して、破城・戦術魔力砲を使用するわぁ
本来は複数の協力者が必要なUCだけど、召喚した自爆型UASの魔力炉で代用よぉ
自衛用に3機くらいUASを残して、他のUASの魔力炉を(全力魔法)で限界駆動、(捨て身の一撃)で自壊寸前まで魔力を搾り取るわぁ
発射する為の砲門は(武器改造)で重魔力砲(砲身+砲機関部+魔力炉の合体品)を組み立てて使用ねぇ
準備が完了したら仲間に射線上から逃れる様に注意喚起して発射よぉ
照射中に砲門を横に動かして部屋中の物体を(なぎ払い)してしまいましょうぉ
ナズヴィ・ピャー
【アドリブもりもりおかわり】
ふむ、壊れてしまいましたか
…次の玩具はアレにしましょう
●機動補助管
「遊び方」を変えてみましょう
・ダッシュで接近からのドロップキックをお見舞い→空中を蹴って着地なしの連続ドロップキック
・鈍器を「借りる」
よくよく見ると良い品に見えますね…ちょっとお借りしますよ
…ふむ、なかなか貸してくれませんね
対価として拳を支払いましょうバキー
足りませんか…おまけも付けましょうバキドスボキー
面倒ですね…寄越しなさいグシャー
鈍器or仮面男を玩具を振り回す犬の如くぶん回し
からの唐突に飽きてポイー
…次、次
告:UDC由来素材に離反・暴走傾向…抑制開始…終了
…少々燥ぎ過ぎましたか(唐突に平常運転
●
幾つかの集団を掃討する内にアララギには段々飽きが来た。どの様な料理も同じ物が続けば食傷する。確かに最初は楽しかったが、悲鳴の美食家たる自分には最早同じ様な連中の悲鳴では満足出来ない。
「というわけで殲滅決定ぇ」
踵の螺旋を収納し肉塊を蹴り飛ばして後退、甚振りから鏖殺へと方針変更する。
アララギは扉まで一気に疾走、着地し振返ると同時に自爆型UASを召喚し命じた。
「戦闘用は待機、残りの全UASは魔力炉を限界駆動。魔力を絞り出しなさぁい」
自爆用、動力用のUASが異音を鳴らし発光を始めた。魔力圧が急激に高まる。アララギは待機させた戦闘用UASの一体を改造し、重魔力砲へと仕立て上げる。魔力異常を察して迫る異形は残る戦闘用に対処させた。
魔力充填60%。砲身完成、UAS魔力炉とのパスを繋いで連結完了。
魔力充填80%。砲身角度上方修正。照準設定、広間端の異形の群れ。
魔力充填100%。戦闘用UASを擦り抜け近寄る異形に速射砲を撃込み黙らせ、引金に指をかけた。
「戦闘中の猟兵総員、直ちに逃げるか伏せなさぁい! 【破城・戦術魔力砲】、発射ぁ!」
閃光、遅れて爆音。大口径の光線が重砲身から迸る。引絞り横にずらせば、広間を光が蹂躙した。
数秒の後に光が止み、砲身と魔力炉が自壊し溶け落ちる。肉の焦げた臭いが鼻を擽り熱気が周囲を取り巻いた。
残るは疎らに残った異形の姿と、崩れる眷属の骸の山から此方を見詰める邪神だった。
●
「今のは少々驚きましたね」
棘鉄球により陥没していた地面からナズヴィが頭を出す。
周りを見遣れば今の光撃で異形は大半が狩られていた。数は少ない。
「となると、残りは早い者勝ち……次の玩具(えもの)はアレにしましょう」
狙いを定め、ナズヴィが掛け出す。摩擦低減管を停止、機動補助管を起動。
異形目掛けて疾走の勢いを殺さず跳躍、蹴撃。空を蹴り、態勢を整え逆方向より跳躍、再度の蹴撃。そのまま直上に跳び上がり、一回転して踵落とし。元異形の肉塊が床に減り込む。ナズヴィが棘鉄球に手を伸ばす。
「それではなかなか良品そうな鈍器を拝借……あれ、玩具ごと減り込んで取れませんね」
踵落としの影響か、棘鉄球は半ば以上が埋もれている。押しても引いてもびくともしない。
拳で殴る。さらに減り込む。足で蹴る。さらに減り込む。鎖を引く。千切れて自分に当たりそうになる。もう面倒なので諦めて、鎖で異形を振回す。いまいちなのですぐ飽きた。
「さて、次、次……おおっと」
『告:UDC由来素材に離反・暴走傾向…抑制開始…終了』
次なる玩具を副椀で掴み固定した時、ナズヴィの瞳に警告が映る。増大していた魔導蒸気流量が減り、稼働音も沈静した。どうやら少々燥ぎ過ぎたようだ。強制的に興奮が冷めた。
「これは残念。ではこの一体を倒して区切りとしましょう」
平常状態に戻ったナズヴィが掴む異形を手刀で貫き、異形の群れは壊滅した。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『残響の女神』
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POW : 信者の供物
自身の装備武器に【生贄になった者の身体部位の一部 】を搭載し、破壊力を増加する。
SPD : 叫ぶ
【絶叫 】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
WIZ : 凝視
小さな【狂気 】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【トラウマに応じてダメージを与える空間】で、いつでも外に出られる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ナハト・ダァト」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●狂気の鐘は砕けない
それは置物の様に静かに佇みながら、それでいてどこまでも能動的であった。
腐臭と死臭を漂わせ、継ぎ接ぎだらけの皮膚が蠢き、粘液の滴る音が絶え間なく響く。
からころと鳴るのは骨の振動か、はたまた邪神の嗤い声か。
『残響の女神』は叫喚の途絶えた室内をその虚ろな眼窩でゆっくり見渡す。
やがて自らを囲む猟兵達に目を遣り、眼球の詰った口腔が大きく開かれた。
「――――――――――!!!」
絶叫。眷属の其れと比較にならぬ狂気と憤怒。
ここに復活した邪神との戦いが始まった。
ナズヴィ・ピャー
【アドリブ三次会行こうかウィー】
ふむ、主役…もといご本尊は遅れてやってくると言う奴ですね
実にキモいモデル歩きです
仮面男はあっさり壊れてしまったので、ご本尊に責任を取って玩具に…
むう、抑制剤が少々効き過ぎてますね
激しい運動は控えますか…
…ジャガーノートでお手軽に「遊び」ましょう
説明しよう!
ジャガー略とは略…つまり何やかんやで凄いスチームアーマーなのである!
しかもデカい!
3m位あるね!
博士、博士
ジャガーノートを現在地点に転送して下さい
忙しい?
頭部を着脱できるようにされたいですか?
可及的速やかにお願いします
そんな感じで
お待たせしましたキモ神さん
忘れ去られた信仰VS最先端技術のガチバトルを始めましょう
●
其の叫喚は幾重かの耐性を突抜け、ナズヴィに小さくない衝動を伝えた。
「ふむ、主役……もといご本尊は遅れてやってくると言う奴ですね」
実に奇妙な仕草だが存在感は本物だ。異形に刺した右腕を抜き残響の女神に放り投げる。
「仮面男はあっさり壊れてしまったので、ご本尊に責任を取って玩具に……玩具に……」
続く言葉が出ない。衝動が消える。抑制剤が仕事をしている。已む無しとプラン変更、運動量の少ない方法に切換える。
「魔導蒸気式ジャガーノートを起動」
ナズヴィが横に手を振ると背後に巨大な鎧が現れ身体を呑み込み、即座に内部に搭乗していた。
「説明しよう。ジャガー略とは略……つまり大きくて何やかんやで凄いスチームアーマーなのである。そしてとてもビッグです」
お約束とばかりに解説を口にしながら拳を握り、開く。しゃがむ、立つ。生身の感覚をフィードバックし強化されたボディとの誤差を修正、準備完了。残響の女神に向かい合う。
「お待たせしましたキモ神さん。忘れ去られた信仰VS最先端技術のガチバトルを始めましょう」
至近距離による近接格闘が始まる。鎧により増幅された拳を連打するも残響の女神は胸部の腕で防御し受け流す。胴体の守りは堅い。ならばと足を狙うも関節を感じさせぬ動きでひらりひらりと避けられる。
見える範囲からでの攻撃は効果が薄いと見たナズヴィが足を狙うと見せ掛け高速回転からの腕への胴回し蹴り。これに反応しきれなかった残響の女神の腕に見事に決まり肘から先が吹き飛んだ。叫喚。物理衝撃を伴う狂気の悲鳴に思わず下がって防御する。
「どうやら動きは然程速くないし脆いようですが……えええ」
ナズヴィの視線の先。千切れた腕の代わりに足元の人体を取り付ける残響の女神。
「再生といいますか移殖といいますか。本当にどこまでキモいんですかこの邪神」
まぁ長く遊べる分には楽しいかもしれませんが。
抑制剤の効果が収まっていくのを感じながらナズヴィは呟いた。
苦戦
🔵🔴🔴
アララギ・イチイ
新しい珍味ぽい奴を発見だわぁ
悲鳴の美食家なんですもの、是非その味を確認してみないと駄目よねぇ
重魔力砲を使用不能、重火器類の硝煙の香りも飽きたわねぇ
だから、UC【禁忌薬・人狼薬】を自分に投与よぉ
薬の効果で獣の動作を取り入れ、人間の歩行を捨てて、獣の様な四足歩行で移動するわぁ
霧を周囲に放出して、第三者の視覚を妨害しながら【ダッシュ】で加速、視認性を低下を狙い【迷彩】も同時使用、相手の視界の外から【暗殺】の技能を併用して迫り、自分の牙や爪で敵の肉を引き裂き、喰らうわぁ(装備は魔術刻印(肉体強化)
【見切り】で回避しつつ、基本的には一撃離脱の攻撃方法ねぇ
一応【呪詛耐性】で狂気とかを防御かしらぁ
●
耐性を突き抜けた狂気を味わいながらアララギは残響の女神へと目を向ける。
「新しい珍味ぽい奴を発見だわぁ」
癖が強く、後に残りやすいが奥深い。悲鳴の美食家としては是非その味を堪能しなければいけないだろう。だが重魔力砲は使用不能で硝煙の香りにもそろそろ飽きてきた。ならば残る手段は――。
「やっぱりこれねぇ」
アララギは和装の胸元から無針注射器を取出す。
「【禁忌薬・人狼薬】。人狼その他諸々の遺伝子を埋め込み、短時間だけど強制的に発症させる特殊な御薬だわぁ、副作用で後で凄く酷い目に合うけどぉ」
珍味の為ですわぁ、と微笑み腕に注入。即座に薬剤が効果を発揮する。
鼓動が早まり眼が血走る。牙が飛び出し足の筋肉が盛り上がった。赤髪の合間に獣の耳が伸びあがる。竜の尻尾が長毛に覆われ、獣の本能か自然と姿勢が前傾となり四つ足となる。身体からはフェロモンの様に視覚阻害効果を持つ霧が噴出し周囲を漂った。湧き上がる高揚感。月も無く凶暴性が発露するのは、薬の効果かアララギの本性か。
「うふふふふ、それじゃぁ……いただきまぁす!」
殺戮衝動に反しアララギの行動は至って冷静だ。身体を沈めて迷彩技能を使用、霧に潜り視認性を下げつつ邪神の死角へ移動。身体のバネを利用し飛出した。竜と狼の特性を持つ脚部による驚異的な加速は瞬く間に邪神との距離を詰め、魔術刻印によって強化された爪と牙が邪神の腕を斬り飛ばし、噛み砕いた。
瞬間、残響の女神の腰布より腕が突出てアララギを狙う。咄嗟に胴体を蹴り飛ばし反動で回避。距離を取り、此方を向いた残響の女神の死角へとまた移動した。一撃離脱。それがアララギの出した答えだ。
「心も躰も熱く、でも頭は冷静にぃ……回復しようと何度でも鳴かせてあげるわぁ」
舌舐めずりをしながら、アララギは回復の隙を与えないよう攻撃を続けていく。
成功
🔵🔵🔴
ミアス・ティンダロス
今回も、ダメですか。
分かっています……既に覚悟ができています。
相手が共存する気がないなら、僕も、倒すしかありません。
これも必要な犠牲……だと思いませんけど、僕がやらなければいけません。
真の姿になります。姿は特に変わりませんけど、胸元の黒曜石に白き炎が灯され、それを囲むように歪んだ五芒星が浮かび出します。
その後、ユーベルコードを【高速詠唱】し、吹雪を放て敵の行動を封じようとします。
●
その叫びでミアスは全てを理解した。してしまった。
残響の女神が持つ狂気とは全生命への憎悪である。狂おしい程までに壊し、滅ぼし、消し去る事しか考えていない。そこには別の感情が入り込む余地は無い。皆無だ。
「今回も、ダメですか」
共存とは其の通り『共に存える』事だ。残響の女神は全生命が『在る』事すらも否定する。放置すればいずれ全てを喰らい尽くす、あってはならない存在だ。
「分かっています……既に覚悟ができています」
決意は固い。相手に共存する気が無いのならば、もはや倒すしか方法は無い。必要な犠牲とは思わないが自分でやらなければならない。
ミアスは胸元の黒曜石を握り締め真の姿へと変貌する。手中の黒曜石に白き炎が宿り、歪んだ五芒星が周囲に浮かぶ。漲る魔力が溢れ出し纏う衣服をはためかせた。
「その小さな祈祷に耳を傾けてください、最も気高い翼をもつ者よ――今こそ、嵐が吹き荒れるのです!」
高速の詠唱により魔法陣が宙に描かれる。冷気が噴出し、今まさに残響の女神に吹雪かんとしたその時、再度の叫喚。鼓膜が身体が精神が、狂気の渦に揺らされる。同時に何処かへ引き摺られるような感覚、ミアスは即座に抵抗した。
「――っ、僕は、決めたんだ! だから……厭わない! 【激凍極嵐・風に乗りて歩むもの】(ブリザードベント・イタクァ)!」
暴発寸前の魔力を解放。陣が輝き極寒の雪嵐が吹き荒れた。地面は凍てつき氷華が乱舞し残響の女神は下半身が凍り付く。残る半身も徐々に動きを鈍くし氷像へとその姿を変えていった。
「今です! あまり長くはもちません、総攻撃を!」
成功
🔵🔵🔴
ロバート・ブレイズ
「蹂躙を始めよう。狂気など誰かの視点に過ぎぬ」
真の姿を解放。巨大な目玉は無限に分裂し、地獄の炎を放出する
闇堕ち発動。心臓模様に流動する七色、毒々しい泥を纏う
老体に鞭打って突撃するのだ
鎧を砕いて殺気を放ち、対象を冒涜して恐怖を与える
神など莫迦らしい。貴様等のような糞餓鬼は骸に還るのだ
『叫ばれる』前に鉄塊剣で声帯を思われる部位をぶっ壊す
「復活するのは簡単だが地獄へ落ちる痛みは永劫と知れ」
嘲笑いに哄笑を重ねて殴り殺すのだ
苦戦する場合は囮と成り次の猟兵に繋げよう
逃げ足だけは早いのだ
パラス・アテナ
ようやく出てきたかい、元凶のオブリビオン。
ヒステリックな女は嫌われるよ。
ま、もう遅いだろうけどね。
約束通りその頭に鉛玉をぶち込んでやるから覚悟おし。
命中重視の【一斉射撃】で、銃弾を叩き込むよ。
味方猟兵と連携して、相手に攻撃の隙きをなるべく与えないようにして波状に攻撃を叩き込むさ。
万が一凝視されちまった時には、変なトラウマを刺激されない内に即座に【2回攻撃】で内側から攻撃を仕掛けるよ。
受けたダメージは強引に無視。
過去の亡霊なんかに、今のアタシをやらせたりしないよ。
戦いが終わったら、弔鐘代わりに空に向けて銃を一発放つよ。
死んだらそれで終いさ。だからこそ、アタシは今と未来を諦めない。
これはその証さね
ナズヴィ・ピャー
【アドリブ他マシマシどーん】
むう…
部屋中に「素材」が落ちている以上、再生を止めるのは難しいですね…
これを当機だけで始末するのは不可能と結論
…ガッチリ掴んでやりますか
締め付け+他の猟兵からの攻撃に耐えて貰いましょう
まずは普通に殴りましょう
避けられる事を前提に鉄拳制裁
間合いと足運びを調整しつつ大きく振りかぶって…
からの地面を蹴って一気に接近 ガッチリホールドを試みましょう
貴方のハートをキャッチ(物理)☆ニョホホランド(略)社です
捕獲できそうになかったら…
他猟兵の方へ追い込む作戦に変更
回避される前提で殴る蹴る体当たり
金属と蒸気の嵐が迫る恐怖を堪能してもらいましょう
名付けて肉屋の地下で捕まえて作戦です
●
視界に在るのは凍てつき止まった残響の女神。
真の姿を解放しロバートは駆ける。巨大なる眼球は際限無く増殖し獄炎を纏い噴出す。続いて【闇堕ち】発動。臓腑の如く脈動し流動する七色の泥が身体を覆い禍禍しさと毒毒しさに包まれた。身体能力が跳ね上がり蝕む痛痒が全身を襲う。
「蹂躙を始めよう。狂気など誰かの視点に過ぎぬ」
老体に鞭打って突撃するのだ。遍く総てを冒涜し邪神さえも冒涜してみせよう。
目前の邪神目掛け右薙ぎ、左薙ぎ、喉への刺突の三連撃。鉄塊剣が肉を抉り腕を斬り飛ばしその声帯を破壊する。よろめく邪神に追撃を狙うも悪寒。即座に鉄塊剣を引抜き盾とする。衝撃。靴底が地面を削り強制的に後退させられた。剣を下げ邪神を見遣ると自らの千切れた腕を胸部の腕が掴み武器としていた。其のまま千切れた腕を振り被るが何かに弾かれ吹飛んだ。恐らく弾丸。射撃方向を見遣ればそこにはパラスが立っていた。
「ようやく元凶が出てきたと思ったらこの様かい。ヒステリックな女は嫌われるよ」
ま、もう遅いだろうがね。そう呟くパラスの両手が激しく動いた。実弾と熱線が息つく間も無く邪神を襲い、それら全てが邪神を貫く。僅かながらも肉を骨を削り邪神の身体を縮ませた。攻撃を阻害された邪神はしかし凍結が癒え、蠢く下半身が周囲の人体を拾い投擲。到達前に熱線銃で撃ち落とす。二度三度と投擲を防げば虚ろな眼窩がパラスを睨め付けた。口腔内の眼球が全瞳孔をこちらに向ける。強い視線。即座に突撃銃で額を撃ち抜き視線を逸らすと違和感は消え、異常を探るが何も無い。どうやら抵抗に成功したようだ。
「何をするつもりだったか知らないが、過去の亡霊なんかに今のアタシをやらせたりしないよ」
弾倉を交換したパラスが再び邪神に銃を構え、ロバートとナズヴィに声を掛ける。
「そこのアンタら! 援護するから攻撃しな!」
「承知した」
「りょーかいです。追撃するタイミングが掴めなかったので助かります」
ロバートが答え、ナズヴィがジャガーノートの防御姿勢を解除する。再生する邪神対策を思考する間に攻撃が始まったのだ。単独では討伐困難と判断したのは正解だったが抑制剤の効果も併せて手を出しあぐねていた。だが連携が取れるなら攻撃しても問題無い。
「データベースから連携攻撃を検索、該当項目を閲覧……ふむ。それではガッチリ掴んでやりますか。そこなギラギラの紳士さん、私がキモ神の動きを封じますのでドデカいのをお願いします」
「神など莫迦らしい、彼奴は骸に還さねばならぬ糞餓鬼だ」
「なかなか辛辣ですね。ではいきましょう」
再生を始めた邪神は近付くナズヴィを警戒する。拳を振るうが軽く躱された。反撃へ動く邪神の腕をパラスの銃が貫いた。間合いを調節したナズヴィが大きく振りかぶり、突如体勢を変え前方跳躍。邪神の身体に組み付いた。
「貴方のハートをキャッチ(物理)☆ニョホホランド(略)社です」
定型句を唱え頭と体を固定し、邪神ごと振り返る。
そこには鉄塊剣を仕舞い拳を構えたロバートと銃を構えたパラス。
「愉悦。恍惚。冒涜。至極――憶する事在らず、総てに大いなる否を宣告せよ」
「そこさね!」
爆裂。嘲笑、哄笑、着弾音。高揚したロバートの拳が邪神の肉を抉り飛ばし、パラスの銃弾と熱線が焦し塵と成す。ナズヴィが手を離せば、ジャガーノートで覆っていた頭部と胸部だけがぽとりと落ちた。
「上手く行き過ぎてちょっと驚いてます。悲鳴と動きを封じれば本当に脆いだけみたいですね……残りは総攻撃でいいです? 私もちょっと攻撃したいので」
了承の旨をナズヴィに伝え、三人が残る頭部と胸部に狙いを定める。
「此れで終いだ、復活するのは簡単だが地獄へ落ちる痛みは永劫と知れ」
「約束通りその頭に鉛玉をぶち込んでやるよ」
「さようなら、キモ神さん」
闇堕ちによる超強化の一撃。
突撃銃と熱線銃による掃射。
そして魔導蒸気鎧による拳。
全てが命中し、燃え尽き、肉片一つ残さず邪神『残響の女神』は消滅した。
●
空砲。
静寂の戻った広間に銃声が響く。パラスの鳴らす弔鐘だ。
邪神の狂気はあまりにも多くの命を未来を奪い、消えてゆく。
「死んだらそれで終いさ。だからこそ、アタシは今と未来を諦めない。これはその証さね」
狂気の鐘は過去と共に心に潜み、何時でも、何処でも、何度だって鳴り響く。
それを止めることが出るのは、きっと未来を見据える人間の意思だけなのだ。
大成功
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