帝竜戦役⑭〜竜骨纏いし小鬼
「皆の活躍により、順調に群竜大陸は攻略されている。さすがだな」
グリモア猟兵のプレケス・ファートゥムが、どこかほっとした声で猟兵たちを称える。
「とはいえ、まだまだ戦いは終わらない。君たちにも次の場所へ行ってもらうことになる。次に向かってもらいたいのは、古竜平原と呼ばれている場所だ。そこに巣くうゴブリンたちを討伐してもらいたいのだが……少し面倒なことになっていてな」
ゴブリン――それは、緑色の肌の亜人型モンスターであり、高い繁殖力を持つ。それ故に見かけることも多く、ある意味なじみの存在ともいえる。
群れになれば脅威とは言え、個体そのものはそれほどの強さをもたない。だが、ここのゴブリンたちは、少し違った。
古竜平原は、『帝竜ベルセルクドラゴン』によって滅ぼされた『古竜』の巨大な骨が随所に残る、死に包まれた場所だ。残された骨は、触れたユーベルコードの威力を激減させる力を持つ。
ゴブリンたちは、古竜の骨を鎧に加工し身に纏っているのだ。
「幸運なことに、ゴブリンの群れに高い知能を持つ個体は認められない。そのためか、鎧は骨を単純につなぎ合わせただけであり、隙間だらけだ」
その隙間を突くように攻撃を当てられれば、一撃で仕留めることが可能だろう。
ただし、範囲攻撃などでまとめて倒そうとしても、骨の効果が発動してしまい、ほとんどダメージが通らないので、注意が必要だ。
「ああ、それと、古竜の骨についてだが、小さな骨片で金貨84枚の価値がある。必要だと思う者がいれば、回収するといいだろう」
以上だとプレケスが締めくくると、プレケスの肩に留まっていたグリモアがふわりと飛び上がった。
「君たちの無事の帰還を待っている」
その言葉を合図に、プレケスのグリモアがきらきらと光を放ち、猟兵たちを戦場へと送り出した。
白月 昴
白月・昴です。目を通していただきありがとうございます。
この依頼は『帝竜戦役』のシナリオで、一章のみとなっております。
●プレイングボーナス
『敵がまとっている「古竜の骨」に触れないよう、隙間を縫う攻撃などの対策を行う』と、プレイングボーナスが付きます。積極的に狙っていってください。
●プレイングについて
戦争シナリオであるため、シナリオの完成を優先させます。そのため、やむをえずプレイングを返却する可能性があります。申し訳ありません。時間が許す限り採用いたしますが、大成功、成功を優先させていただきます。
●技能について
技能は、技能名だけを並べるのではなく、その技能で何をするかを書いていただけると、より参加者様の思ったものに近い描写ができると思いますので、よろしくお願いします。
●宝物「古竜の骨」
かつて一体の帝竜によって絶滅させられた、叡智ある種族「古竜」の骨です。ユーベルコードを弱める効果を持ち、小さな骨片で金貨84枚(84万円)の価値があります。
第1章 集団戦
『ゴブリン』
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POW : ゴブリンアタック
【粗雑な武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 粗雑な武器
【ダッシュ】による素早い一撃を放つ。また、【盾を捨てる】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : 足払い
【低い位置】から【不意打ちの蹴り】を放ち、【体勢を崩すこと】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:あなQ
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
檀・三喜エ門
負傷、アドリブお任せ
範囲攻撃は得意とする所だけど、今回の場合は不利になってしまうか…
一体一体を確実に仕留めていこう
しかし、此方の威力を減らすとは、厄介な代物もあったものだねぇ
お守りには最適ではあるけど
他猟兵が居る場合、サポート出来る立ち回りに努める
先制攻撃出来れば、敵の混乱を誘えるだろうか
数で囲まれてしまわぬ様に一ヵ所に留まらず、いくつか攻撃後には移動
目立たない箇所から武器落とし、目潰しで他を足留め出来れば上々
兜をしていたとしても、目までは隠せまい
部位破壊で鎧の隙間を狙い、千里眼射ち
その身体、貫かせて貰おう。慈悲は無い
古竜の骨…身に付ける側に御利益が凄いから、小振りなものがあれば回収しようかな
一郷・亞衿
雑に広範囲攻撃すると諸共威力減らされる感じかー。
接近戦で鎧の隙間狙えば話が早そうだけど……さて。
『都市伝説:口裂け女』で行こう。
敵影を発見し次第、構える隙を与えず<ダッシュ>で接近。そのまま超高速で動き回って敵の動きを<見切り>、<呪詛>を纏わせたカッターで鎧の隙間を突き刺す。カッター刃程度の大きさなら多分刺し込めるでしょ。
ところで、敵は“盾を捨てる等”で身軽になるって話だけど……やけっぱちになって鎧脱いでくれたりしないかな?
いくら知能が高くないと言ったって流石にそこまで馬鹿じゃ無いかもだけど、もしそうしてくれるならすごくありがたいよね。周りに他の人がいれば範囲攻撃とかもやって貰い易くなるし。
鳶沢・成美
なるほど、まあ関節部なんて余程気をつけないと隙間が空きますからね
雑なつくりではそれも大きくなりますか
”戦闘知識”と”第六感”で効果的な射点を探って
”全力魔法”の【火雷神道真】で遠距離から”誘導弾”の様に
敵の骨鎧の隙間を”追跡”させればいいわけです
後は敵に補足されない様に”逃げ足”を発揮しながら
細かく射点を変えて攻撃を加えていきましょう
アドリブ・絡み・可 ””内技能
「範囲攻撃は得意とする所だけど、今回の場合は不利になってしまうか……」
ヤドリガミの陰陽師、檀・三喜エ門が苦笑する。群れで来る相手に有効な範囲攻撃ができないのは、なかなか面倒なものだ。
「雑に広範囲攻撃すると諸共威力減らされる感じかー」
人間の探索者、一郷・亞衿もまた、めんどくさそうにつぶやいてみる。なお、マスク女子なので、顔にはしっかりマスクを着けている。
「接近戦で鎧の隙間狙えば話が早そうだけど……」
「鎧は隙間だらけというしねぇ。まあ、俺はアーチャーなので撃ち抜かせてもらうけれどねぇ」
三喜エ門の言葉に、亞衿と同じ人間の探索者、鳶沢・成美が頷いた。
「まあ関節部なんて余程気をつけないと隙間が空きますからね。雑なつくりではそれも大きくなりますか」
「しかし、此方の威力を減らすとは、厄介な代物もあったものだねぇ。お守りには最適ではあるけど……」
「来た」
三喜エ門の言葉を遮り、短かく、亞衿が告げる。
全員が、敵の姿をその目にとらえる。まだ小さな影だ。三人のいる場所に到達するにはまだ時間がかかるだろう。
「では、先制攻撃と行こうか」
三喜エ門が矢を番える。
「その身体、貫かせて貰おう。慈悲は無い」
10秒の集中のあと、【千里眼射ち】により放たれた矢は鎧の隙をぬけ、深々と右目に突き立った。
『ゴブブブブッブ!!』
貫かれたゴブリンが悲鳴を上げる。その悲鳴は、群れに動揺を広げていく。
鎧を纏っている自分たちは無敵だと、そう思っていたのだろう。それが今、たった一本の矢によって打ち砕かれたのだ。
「兜をしていたとしても、目までは隠せまい」
三喜エ門の声は、離れたゴブリンたちにはまだ聞こえていない。だが、目が狙われたことを脅威と感じたのか、多くのゴブリンが盾を上げ目の部分をカバーする。
『ゴッ!』
だが一匹のゴブリンが、がら空きとなった左の横腹から血を吹き出し倒れこむ。
『ゴブ?』
『ゴブブ!?』
何が起こったか、ゴブリンたちにはわからなかった。
「……あたし、きれい?」
場違いな声に、一瞬ゴブリンたちが沈黙する。
そして、また一匹、今度は首を切り裂かれる。
先ほどの声の主は亞衿。
つけていたマスクは今はなく、そのためはっきりとゴブリンには見えた。大きく裂けた口で、にやりと笑う亞衿の顔が。
亞衿は【都市伝説:口裂け女(オカルト・クチサケオンナ)】により、身体能力を爆発的に増大させていた。そして三喜エ門の矢にゴブリンたちが気を取られているうちに、ダッシュで一気に距離を詰めていたのだ。
『ゴブッ!』
ゴブリンたちが慌てて、亞衿へと剣をふるう。だが、圧倒的なスピードと軽やかな身のこなしに、ゴブリンたちは対応できず、翻弄される。
さらに、亞衿へ振り上げたゴブリンの剣が、三喜エ門の矢によって弾き飛ばされる。
とらえられない亞衿と、ほとんど動いていない三喜エ門。
三喜エ門を先に排除すべきと判断したゴブリンたちは、盾を捨て身軽になると、半数が三喜エ門へと一気に距離を詰め、残り半数が亞衿を抑えに回る。
「おおっと、これはまずいかな」
数の暴力に、三喜エ門が押されたかのように、矢を放ちながら移動を始める。
『ゴブゴブ!』
三喜エ門のカバーに行かせまいと、ゴブリンたちが亞衿に切りかかる。盾を捨てたことにより、その攻撃速度はかなりのものとなっていた。
「やけっぱちになって鎧脱いでくれたらいいのに……」
振り降ろされる剣を見切り、軽々と回避しながら、亞衿はそんなことを呟いてみる。
確かにそうなれば、範囲攻撃により一斉に倒すことができるだろう。だが、さすがのゴブリンも、そこまで馬鹿ではなかったようだ。もっとも、のんびり脱いでいる余裕がないだけかもしれないが。
「ま、いいけどね」
そういって、三喜エ門へと向かおうとしたゴブリンの鎧の隙間に、亞衿は呪詛まみれのカッターナイフを走らせる。
『ゴブゴブゴブ!!』
被害を出しながらも、三喜エ門と亞衿をうまく分断できたと、ゴブリンたちは自らを鼓舞する。弓使いなど距離を詰めれば屠れる。そうすれば残りをゆっくり片付ければいいだけだと、信じた。
二人の存在にばかり意識を割いていたゴブリンたちは、移動していた成美の存在を失念していた。
「道真さんよろしくー」
蓄えた戦闘知識と第六感で、三喜エ門と亞衿のフォローをしつつ、かつ最も効果的な射点を割り出し、成美は【火雷神道真(ライジーン)】を発動させた。
ぱちりぱちりと成美の周囲に雷気が舞う。それは集まり、無数の雷を纏った礫を生み出した。
ゴブリンたちに向け、成美は雷の礫を放つ。礫は軌道を変え、誘導弾のようにゴブリンの骨鎧の隙間を貫いていく。
『ゴブウウ!』
『ゴボッ!』
当たったダメージも大きいが、纏う雷に感電し、動きが止まる。その間に三喜エ門は距離を開け、亞衿は動きの止まったゴブリンたちを切り裂いていく。
放った成美はといえば、素晴らしい逃げ足でさっさと移動し、再び雷の礫による攻撃を仕掛けた。
なんとか成美の足を止めようとゴブリンたちが追うが、近寄ることもできず、しびれさせられ、打ち倒されていく。
お互いがお互いの死角をフォローし、三人は瞬く間にゴブリンの群れを片づけた。
「とりあえず、こちらに来たものはこれで終わりかな」
ふうと三喜エ門が息を吐く。もちろんゴブリンはまだまだいるが、とりあえず一息つけた。ふと足元を見れば、ほどほどに小さな骨のかけらが転がっていた。
「ふむ、御利益が凄いから、回収しようかねぇ」
三喜エ門はひょいと骨のかけらを拾うと懐にしまい込む。
「おーい、次きましたよー」
「うわー、まだまだ来るわね」
二人の呼びかけに、三喜エ門はわかったよと返事を返し、矢を番える。
「さあ、あとひと踏ん張りしようかねぇ」
そのまなざしは、正確にゴブリンを捉えていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アーデルハイト・バウムガルト
絶対的な防御力というのは絶対的な驕りが生まれやすいものですね!ボクですか?こ、これは天才的な強者の余裕なだけです!
一撃必殺で攻撃をする振りをしてわざと外して相手の足下の地面を攻撃します。
一撃必殺がボクの怪力と合わせれば文字通り一撃必殺!
周囲の地形を揺らして相手の体勢を崩すのが真の目的です。
後は一撃必殺のもう一つの効果。
体勢を崩した敵にゴッドハンドの超人的な技術で確実に急所を射抜きます。
即ち相手の鎧の隙間を狙って一撃必殺を叩き込みます!
「絶対的な防御力というのは絶対的な驕りが生まれやすいものですね!ボクですか?こ、これは天才的な強者の余裕なだけです!」
ドラゴニアンのゴッドハンド、アーデルハイト・バウムガルトはゴブリンを前に声を上げた。
突然こちらをけなした挙句、なにやら言い訳じみたことを言い出した相手に、ゴブリンがぽかんとした顔を浮かべた。
「食らうのです!」
ぎゅっと拳を握ると、アーデルハイトの一番近くにいたゴブリンへと駆け寄る。そのまま拳をゴブリンに振りかぶる。
「とりゃあああ!!」
『ゴブゴブ……ゴブ!』
大ぶりな拳を軽く避けたゴブリンが、へたくそめといわんばかりに笑おうとした。だが、体を襲う揺れにそれどころではなくなった。
アーデルハイトの類稀なる怪力による【一撃必殺】が、ゴブリンの足元の地面を陥没させ、周囲の大地を揺らしたのだ。それこそが、アーデルハイトの狙いである。
たまらず体勢を崩すゴブリンにむけ、放たれたのは鋭い拳。
「えええい!」
ゴッドハンドの超人的な技術により生み出された拳は、雑に作られた鎧の、ちょうどこぶし大に開いた隙間に、吸い込まれるように打ち込まれた。
『ゴブゥ!』
拳を食らったゴブリンは、そのまま吹き飛ばされ、数匹のゴブリンを巻き込みながら地面に転がり動かなくなった。
その有様に周囲が静まりかえるなか、アーデルハイトが胸を張る。
「一撃必殺がボクの怪力と合わせれば文字通り一撃必殺です!」
さらに、拳をふるおうとしたアーデルハイトの姿に、慌ててゴブリンたちが武器を構える。
「甘いのです!」
だがそれも、足元に打ち込まれる一撃必殺により妨害される。揺れにたまらず足を止めれば、アーデルハイトの拳が的確に鎧の隙間を貫いていく。
それを幾度か繰り返した後、そこに立っていたのはアーデルハイトただ一人。
「この辺りはもういないですね!」
アーデルハイトはふうと満足げに息を吐く。
だが、目をやれば、まだゴブリンが押し寄せてくるのが見えた。
「次に行くです!」
気合を入れなおし、アーデルハイトはいまだ残るゴブリンたちに向かって、駆け出して行った。
大成功
🔵🔵🔵
フェリーネ・フォルス
骨を利用してるのにゃねー
強かったり何か特別な力が宿ってるならわからなくもないにゃ
ウチもまぁ、似たような物だし
UCの威力が減っちゃうから、そのままって訳にも行かないにゃ
う~ん、剥がせたりできないかにゃあ?
釣り竿で糸を【投擲】して
身に付けてる古竜の骨に引っ掛けて【捕縛】するにゃ!
【怪力】で【釣り】上げちゃうですにゃ~
骨を剥がせればよし! 駄目でも体勢くらいは崩せるだろうにゃ
千里眼射ちの超集中して、古竜の骨以外の所を【見切り】して
海神殺しで銛を突き刺してやるですにゃよ
刺した後で返しで【継続ダメージ】を与えつつ【力溜め】て
横に引いて斬り裂いてやるですにゃ
古竜の骨は強化に使えそうだしお持ち帰りするにゃ~
「骨を利用してるのにゃねー」
妖狐のオーシャンハンターのフェリーネ・フォルスはゴブリンをみて、ふむふむと頷いた。
「強かったり何か特別な力が宿ってるならわからなくもないにゃ。ウチもまぁ、似たような物だし」
使えるものを使うのは当然だ。
だが面倒ではある。
「UCの威力が減っちゃうから、そのままって訳にも行かないにゃ。う~ん、剥がせたりできないかにゃあ?」
頭を捻り、考えるフェリーネの顔がぱっと輝く。
「そうだにゃ!」
フェリーネは釣り竿を取りだした。一見何の変哲もない、普通の釣り竿に見える。だが、大物相手にも壊れない、かなりの強度を誇っているのである。
「ええいにゃ!」
フェリーネが釣り竿を振れば、釣り針はひゅんと綺麗な弧を描き飛んでいく。針が鎧の隙間に引っかかったとみるや、フェリーネはその怪力をふるい一気に竿を引く。
「一本釣りにゃー!」
『ゴブ!?ゴブブ―!?』
突然釣り上げられたゴブリンが驚き暴れだす。その間にも、フェリーネは竿を高く上げ、ゴブリンを自分のもとへと引き寄せていく。
『ゴブ!!!』
フェリーネの存在に気づいたゴブリンが、怒りのままに武器を振るう。だが、釣り上げられた状態で武器が届くはずもない。
そのことにさらに怒りを募らせたゴブリンがじたばたと暴れ、ついにはボキンと鈍い音をたて、釣り針の引っかかった鎧の骨が折れた。
「あ、外れちゃったにゃ」
地面に落ちたゴブリンが体制を立て直すより早く、フェリーネは釣り竿を放し、代わりに巨大な骨でできた銛――万漆骨を握る。その先端は【海神殺し】により無数の針へと変形していた。
「とりゃ!」
鎧の隙間を、アーチャーの目をもって見抜き、正確に貫いた。
『ゴブ!』
ゴブリンは痛みに暴れ、銛を抜こうとするが、返しのついた針はそうやすやすと抜けることはない。それは、更なるダメージをゴブリンに与えていく。
「えええいにゃ!」
さらに力をため、銛を横にひけば、ついにゴブリンは動きを止めた。
「やったにゃ!どんどんいくにゃよ!」
その言葉どおり、フェリーネはゴブリンの一本釣りを続け、そして気づいた時には、ゴブリンの姿はなくなっていた。
「古竜の骨は強化に使えそうだしお持ち帰りするにゃ~」
フェリーネは竿を片づけるとしゃがみ込み、満面の笑みで骨を拾うのだった。
大成功
🔵🔵🔵