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帝竜戦役㉙~帝竜ヴァルギリオス

#アックス&ウィザーズ #戦争 #帝竜戦役 #帝竜 #ヴァルギリオス #群竜大陸 #オブリビオン・フォーミュラ

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●世界樹イルミンスール
「まさか、ここまでの力を秘めていたとは……」
 帝竜ヴァルギリオスが四方を呪力高山に囲まれた世界樹の中で、深い溜息を漏らした。
 帝竜達の魔力によって、この場所には完全不可侵の結界が張り巡らされているものの、それが徐々に弱まっているようだった。
 それは猟兵達によって、帝竜達が撃破され、結界の力が弱まっている事を意味していた。
 しかも、奥の手であった帝竜ワームの存在も知られ、『再孵化』出来る可能性が激減した以上、楽観視もしていられなかった。
 むしろ、ここでの敗北は自分の命を縮める事にも繋がるため、決して手を抜く事の出来ない状況であった。
 それ故に、帝竜ヴァルギリオスは思った。
 ここで猟兵達を根絶やしにしなければ、自分の身が危うい、と……。

●ガジルからの依頼
「みんなに頼みたい事があるんだよ!」
 ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が真剣な表情を浮かべ、今回の依頼を説明し始めた。
 今回の目的は、帝竜ヴァルギリオスの撃破。
 帝竜ヴァルギリオスは、オブリビオン・フォーミュラで、炎・水・土・氷・雷・光・闇・毒の八属性の首を持つ世界最強のドラゴン。
 かつて勇者達と相討ちの形で群竜大陸ごと封印されだが、今回復活を果たし、人類滅亡を狙っているようだ。
 そのため、最強の帝竜であるヴァルギリオスを倒さぬ限り、カタストロフは不可避。
 このまま放っておくと、アックス&ウィザーズの世界に危険が及ぶため、みんなで力を合わせて撃破して欲しいという事だった。


ゆうきつかさ
 この依頼は戦争依頼です。
 基本的には、キャラクターらしさを重視しますので、世界観や設定に問題が無ければ採用していこうと思います。
 また敵は必ず先制攻撃してくるので、いかに防御して反撃するかの作戦が重要になります。
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第1章 ボス戦 『帝竜ヴァルギリオス』

POW   :    スペクトラル・ウォール
【毒+水+闇の『触れた者を毒にするバリア』】【炎+雷+光の『攻撃を反射し燃やすバリア』】【氷+土の『触れた者を凍結するバリア』】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    完全帝竜体
【炎と水と雷の尾】【土と氷と毒の鱗】【光と闇の翼】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ   :    ヴァルギリオス・ブレス
【8本の首】を向けた対象に、【炎水土氷雷光闇毒の全属性ブレス】でダメージを与える。命中率が高い。

イラスト:hina

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ナハト・ダァト
先ずハ、特性ノ把握かラだネ

残像で分身を9体生成
へその緒を持たせ、遠隔操作を可能にした8体を散らし

残りの1体と共に迷彩で消える

残像にはかばう技能で
ブレスを分散させて受けさせる
オーラ防御後
倒れた残像から得た
首に対応した属性の情報をへその緒から把握

8体倒れた時点で9体目を出現
精神攻撃、催眠術、言いくるめで本人と錯覚させ

8本のブレスの防御を指示
最後の残像には
時間稼ぎ、限界突破、ドーピング、継戦能力技能で持ちこたえさせるように細工

本体は迷彩、闇に紛れる技能で
気配を消しながらダッシュで接近

最後の残像が
本体が倒れたように演出した瞬間

ユーベルコードの樹を把握した属性の弱点に武器改造しながら繰り出す

所詮、飾りカ


髪塚・鍬丸
こいつを倒せばいいんだな。任務了解、だ。

この戦争で、様々な帝竜と戦ってきた。命懸けの攻防が、俺を研ぎ澄ましている。
最強の竜……挑ませて貰うぜ。
機械眼「鬼眼」で強化した【視力】を活かして敵の攻撃を【見切る】。
……異なる属性を同時に使おうとすれば、お互いの力を打ち消し合う緩衝地帯が生まれる。そこに【早業】で移動し、科学忍者等「錣」の高周波で【武器受け】。攻撃を打ち消すぜ。

初撃を凌いだらUC【水鏡の術】。奴の完全帝竜体を模写。尾と鱗と翼を生やし、八属性の竜忍と化し突撃。全ての属性を一点集中させた忍者刀での斬撃を叩き込む。
反動の出血や毒に苛まれるが、是非も無し、だ。御下命如何にしても果たすべし。。


ラモート・レーパー
「竜でフォーミュラならお酒強いはずわよね?(偏見」
 お酒の飲み比べを挑むわ。負けた方が酒代を奢るということで。お姉さんはグリモアベースに経費として請求するけど。相手が渋るようならお姉さんを好きにする権利も賭けようかしら。勝ち負けの基準はどちらかが気を失うまでかしら。
 相手が断るようであるならば、殺気と恐怖を与えるで脅す。
 せっかくだしA&Wに問わず色んな世界の色んなお酒を飲んでみましょう。足りなくなったら誰かつまみと一緒に買って来て?
相手がどれだけ飲める気分からないけどお姉さんは食道から先の消化器官がないから酔うことがないのよね。
相手の酒の進みが悪かったらUCを使って煽るわ。弱音もダメ(鬼畜


プリンセラ・プリンセス
連携・アドリブ可

人格をクリスティーナに変更

・対策
初手の攻撃はウマ騎乗による速度アップと●空中浮遊、●地形の利用、●見切り、●第六感、●視力で回避専念
もし攻撃が命中しそうであれば●早業で収納魔法を使って自分自身を異次元に収納する。
10秒後異次元から自分を取り出すと同時にウィザード・バレット使用
「全ての属性? 世の中には無属性ってのもあるのよ!」
無属性の弾丸を●だまし討ち、●属性攻撃、●誘導弾、●全力魔法、●範囲攻撃を乗せて、解き放つ。
「物も魔法を使いようよ! 思いがけない方法なんて案外簡単に見つかるんだから!」


黒髪・名捨
属性もりもりだな。
眼鏡や幼馴染が無いな…いやそんな属性興味ねーが(注:属性の意味違う)

●先制攻撃

しゃーねぇ。
耐えるしかねーな。『火炎耐性』『氷結耐性』『毒耐性』『激痛耐性』で耐性マシマシ状態で『オーラ防御』+『覇気』『気合い』を込めた覇気による『武器受け』で受け流す。
どんな攻撃だって『勇気』を持って突き進む。

●戦闘
はぁ…さすがにトカゲどもの親玉?だ。すげぇ攻撃だった。
だが、『限界突破』オレは今生きている!!

『範囲攻撃』で首全てにスタングレネードを『投擲』。『目潰し』で『恐怖を与える』
怯んだすきに、『ジャンプ』して頭部に陸断で『踏みつける』と『吹き飛ばす』
あばよッ


弥久・銀花
アドリブ、他の人との絡み、ピンチシーン歓迎です




どれも違った味がしそうな首のドラゴンですね……、とりあえず倒してみましょうか!


初撃は死ぬ気で【ダッシュ】して近くの物陰に退避します
連携も取らずに、一刀で殺せなさそうな相手に死ぬ気で接近するのは下策ですからね

一旦、やり過ごしたら私のユーベルコードのオルタナティブ・エネミーが火だけではなく色々と吹きます!

こちらに協力的な帝竜ヴァルギリオスをもう一体この場に呼びます!
さあ、怪獣大決戦の時間ですよ!

遠距離ではブレスが入り乱れるので味方のヴァル君(帝竜の事です)の陰に隠れて、接近戦になったら私も参戦!
相手の首を愛刀で【鎧無視攻撃】します


霧島・絶奈
◆心情
この逢瀬を愉しみましょう

◆行動
敵先制攻撃対策として【各種耐性】を高めた【オーラ防御】を展開
加えて【罠使い】として持ち込んだ大量の「石灰粉」を【衝撃波】に乗せ投射
バリアに纏わりつかせ敵の視界を塞ぎます
これ自体は攻撃ではない為に反射出来ず、毒にもならず、凍結も目的の為にはプラスにしか働きません
貴方は自身の能力故に苦戦する…皮肉でしょう?

先制攻撃対処後、改めて【衝撃波】で「粘着液付きの自動回転するプロペラ」を複数投射
攻撃の的とします

以降は『反転』
各種耐性と【オーラ防御】で守りを固め【生命力吸収】で負傷を回復し戦闘

理性の喪失は【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】する事で補います


戦場外院・晶
根絶やし、いい言葉です、試してもらいましょうとも
「戦場外院・晶と申します……よしなに」
我が身を包む祈りは護りのオーラ……いざ挑むはヴァルギリオス・ブレス
「……ぐ」
歩む
焼かれ、耐え、回復してまた歩む
正しく苦行と言えましょう
「……ふふ」
超重力の回廊にて、慣れました
最強の攻撃も、無敵の防御も必ず隙は生じるもの
「……そこです」
縫って当てるは、骨の平原にて鍛えた私には容易い事です

【手をつなぐ】

相手が帝竜であれ、私に繋げぬ手など無い
「……せい!」
投げる
組み合った相手を崩す技巧、培った怪力をもって更なる隙を作り出し
「……破ぁ!」
全身全霊を連動させ、生涯最高の破魔を込めて――この右拳を叩き込む
「かくあれかし」


朝沼・狭霧
【風月華】
【心情】今は竜を倒す、他の細かいことは後で考えましょう

先制攻撃は仲間に任せ、自分はUC魂の先導に集中
ここで帝竜と戦かった勇者たちを呼び出し戦って貰います
「帝竜、忘れたのですか?貴方がなぜ、封印されたのか
忘れたなら、私が今思い出させてあげましょう
貴方は、一度負けたのです!」

春祭りの村から旅立った若者を
小さなフェアリーを肩に乗せた勇者を
もふもふの怪鳥と虹色に輝く鎧をまとった勇者を
遍く勇者達を次々と呼び出します

上空を仲間に任せ自分はできる限り勇者達を呼び出し
陸と空の挟み撃ちを仕掛ける

狙われたらベイメリアに助けて貰う
抱えてもらいながらも召喚は止めません

「勇者たちよ、今一度この世界を救う力を」


ミリア・プレスティール
【風月華】
ミリアは相棒の手袋型UDC『ミトン』に乗って、【空中浮遊・空中戦】を駆使して先制攻撃をかわす。その後、『ミトン』が相手を【挑発】しUCを発動してタンク役として攻撃を受け止める。
【ミリアの心情】
ミトン、私たちは囮役だよ。空を飛んで先制攻撃をかわしてね。うまく相手を引き付けて狭霧さんとベイメリアさんの攻撃の隙を作らないと!
【ミトンの心情】
囮なら任せろ。【挑発】してヘイトを取ってやる。相手の攻撃はUCと【オーラ防御】でしばらく耐える。【火炎耐性・氷結耐性】もあるし、厳しければ攻撃をいなすように立ち回れば問題ない。


ベイメリア・ミハイロフ
【風月華】

なんと禍々しい…
狭霧さま、ミリアさま
ご準備はよろしいでしょうか

属性攻撃に特化した防具で対抗
持ちうる属性耐性と激痛耐性をフル活用し
視力・第六感にて攻撃の向く先を見切り
赤薔薇の花びらを飛ばして狙いを攪乱しつつ
ダッシュ、ジャンプからの空中浮遊・空中戦にて回避を試みます

回避不可、又は回避した結果狭霧さまに被害が及ぶ場合は
耐え凌げるようオーラ防御を纏い受けて庇います
庇いきれないのであれば怪力にて狭霧さまを抱え飛び回ります
さあ、狭霧さま、参りますよ!

バリアに対しては、封印を解く・鎧無視攻撃、破魔を込め
機を逃さず素早く早業・高速詠唱にて
ミトンさまの陰から範囲攻撃を
2回攻撃も狙って全力魔法を放ちます


尾崎・ナオ
こーれさ、先制攻撃してくるのってWIZだけ?
でも超強化後に攻撃してくる可能性もあるし、いつもの手で行きますか!

「超絶可愛いナオちゃんの登場だよ! どの頭に向かって喋ればいいかにゃー? 脳味噌1/8ですよねぇ?」
「首8本とか、ヤマタノオロチリスペクトですかぁ? ダメダメ、もっと個性持たなきゃ! 人のアイデンティティーパクっちゃダメって、ママに教わらなかったんですかぁ?」
言いくるめと挑発も乗せとくぅ? ま!ナオちゃん煽り技能700ですけど☆

UC強化で回避。
第六感と早業で敵の次行動予測しよっか。
他猟兵の援護射撃もしたげよう☆

そいで最後はUC速度を乗せたクイックドロウ!
目ん玉、潰しにいこうかね!


ナイ・デス
帝竜ワームも、帝竜ダイウルゴスも、滅びていれば
あとは貴方を倒すだけ。倒せば、私達猟兵の、完全勝利、です!

けれど、それがとても難しいと思える、威圧感
それでも

どんな盤面からも、勝利の光明はみえる
カダスフィアさんの言葉、です

負けません!

【第六感】と、首の動き注視で【見切り】
【念動力】で自身【吹き飛ばし】急加速することで目測誤らせ
【怪力ダッシュ】
受けるとしても、まだ、全部だけは避けるように
そして
【オーラ防御、覚悟、激痛耐性、継戦能力】防ぎ

切れず、仮初の肉体が、消し飛んでも

私(光)は、消えない

再生する。何度撃たれても、再生
敵の強大さ、打ち破る為に、どこまでも輝きを増して

【生命力吸収】する光、解き放つ!


ルード・シリウス
外套と靴の能力で気配と音を殺しながら移動。攻撃の瞬間と範囲を見切り、それに合わせて残像を囮にする形で置きながら回避。死角となる位置取りを取る様に動いていく
攻撃を凌げた後は、一気に接近。バリアに向けて外套を叩きつける様に投げて、バリアに触れた瞬間に合わせて外套目掛け、飛び込む様に体当たりをしながら懐へ。そこから核となってるであろう頭に向けて駆け上がり、到達と同時に【絶刀】の一撃を喰い千切る様に叩き込む

お前で最後だヴァルギリオス
お前を喰らう為に、他の帝竜を喰らいながらここまで来たんだ。
世界を滅ぼす程の力を持つお前の血肉と魂、一つ余さず貰うぞ



●世界樹イルミンスール
「……これは属性もりもりだな。眼鏡や幼馴染が無いないのは残ね……いや、そんな属性、興味ねーが……」
 黒髪・名捨(記憶を探して三千里・f27254)は仲間達と共に世界樹イルミンスールに足を踏み入れ、帝竜ヴァルギリオスの所までやってきた。
 何となく八属性の首に裏属性(眼鏡、幼馴染、御嬢様、ナルシスト、カタブツ、マッチョ、攻、受等々)が存在しているような気がしたものの、違う意味で危険な存在になりそうなので、考える事を止めた。
「……とは言え、どれも違った味がしそうな首のドラゴンですね……」
 弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)が、ゴクンと唾を飲み込んだ。
 おそらく、あれがイチゴ味。
 メロンに、バナナ、カレー……等々。
 考えれば考えるほど妄想が膨らみ、腹の虫が抗議活動を始めていた。
「これから死ぬというのに、随分と余裕だな」
 そんな中、帝竜ヴァルギリオスが八属性(炎・水・土・氷・雷・光・闇・毒)の首を揺らしながら、猟兵達を見下ろした。
 この様子では、絶対に負けない自信があるのだろう。
 猟兵達にまわりを囲まれても、まったく動揺していなかった。
「帝竜ワームも、帝竜ダイウルゴスも、滅びるのは時間の問題。あとは貴方を倒すだけ。倒せば、私達猟兵の、完全勝利、です!」
 ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)が、帝竜ヴァルギリオスを見上げた。
 その途端、全身が押し潰される勢いで、帝竜ダイウルゴスから凄まじい殺気が放たれた。
「お前で最後だ、ヴァルギリオス。お前を喰らう為に、他の帝竜を喰らいながら、ここまで来たんだ。世界を滅ぼす程の力を持つ、お前の血肉と魂、一つ余さず貰うぞ」
 その殺気を払い除ける勢いで、ルード・シリウス(暴食せし黒の凶戦士・f12362)がキッパリと言い放った。
「……愚かな。ならば、二度と、そのような考えを浮かばぬよう、貴様ら猟兵達を根絶やしにやろう……!」
 次の瞬間、帝竜ヴァルギリオスが咆哮を響かせ、炎と水と雷の尾、土と氷と毒の鱗、光と闇の翼を宿して、自らを強化した。
「根絶やしですか。……いい言葉ですね。それならば、試してみますか? 本当に、その言葉が現実になるかどうか……」
 それでも怯む事なく、戦場外院・晶(強く握れば、彼女は笑う・f09489)が帝竜ヴァルギリオスを見上げた。
「その言葉……後悔するぞ!」
 帝竜ヴァルギリオスが険しい表情を浮かべ、猟兵達を威嚇するようにして咆哮を響かせた。
「なんと禍々しい……。狭霧さま、ミリアさま。ご準備はよろしいでしょうか?」
 その途端、ベイメリア・ミハイロフ(紅い羊・f01781)が威圧感に圧し潰されそうになりながら、【風月華】の仲間達に声を掛けた。
 だが、朝沼・狭霧(サギリ先生・f03862)と、ミリア・プレスティール(被虐少女と手袋守護霊・f16609)に迷いはない。
 帝竜ヴァルギリオスの全身から放たれた殺気に抗うようにして、まっすぐ前を見つめていた。
「余を見ても逃げ出さぬとは……。それだけは褒めてやろう」
 帝竜ヴァルギリオスが小馬鹿にした様子で、フンと鼻を鳴らした。
「まさか、この超絶強いナオちゃんに、勝てると思っているわけ? そんな風に強がって、返り討ちに遭った帝竜を何体も見ているんだけど? それとも、アレ……自分だけは違うって踏ん反り返る系? あー……、封印されている間に、そんな事も分からない程、お馬鹿になっちゃったんだ~……」
 尾崎・ナオ(ウザイは褒め言葉・f14041)が思いっきり残念そうにしながら、何やら察した様子で溜息を漏らした。
「……余を愚弄する気か」
 その事に腹を立てた帝竜ヴァルギリオスが、一斉にこめかみをピクつかせた。
「愚弄も何も、この戦争で、様々な帝竜と戦ってきたんだ。命懸けの攻防で、何度も危機を乗り越えてきたからな。どんなに強い奴でも、油断している奴に負けるほど、俺達は弱くねぇ!」
 髪塚・鍬丸(一介の猟兵・f10718)が真剣な表情を浮かべ、帝竜ヴァルギリオスに答えを返した。
「それでは、この逢瀬を愉しみましょうか」
 そう言って霧島・絶奈(暗き獣・f20096)が、帝竜ヴァルギリオスの前に陣取った。

●帝竜ヴァルギリオス
「ならば、余も全力で相手をしてやろう……!」
 帝竜ヴァルギリオスが自らを強化した代償として、全身から血を流しながら、猟兵達に対して雷や炎のブレスを吐きかけた。
「全力とか言いつつ、二首だけって……。随分と甘く見られたものだな」
 すぐさま、鍬丸が機械眼「鬼眼」で強化した視力を活かし、帝竜ヴァルギリオスの攻撃を見切ると、早業で一気に距離を縮めていった。
 それに合わせて、銀花が死ぬ気でダッシュをすると、近くの物陰に退避した。
「ところで、どの頭に向かって喋ればいいかにゃー? これって脳味噌も1/8ですよねぇ?」
 そんな中、ナオが帝竜ヴァルギリオスの顔色を窺いながら、煽って、煽って、煽りまくった。
「どうやら、死にたいようだなァ!」
 帝竜ヴァルギリオスがイラついた様子で、光と闇の翼をバタつかせ、強烈な風を巻き起こした。
 その風は地形が変わるほどの破壊力を秘めており、何処かにしがみついていなければ、吹き飛ばされてしまう程だった。
「……よし、覚えた」
 それに合わせて、鍬丸が【水鏡の術(ミカガミノジュツ)】を発動させ、帝竜ヴァルギリオスのユーベルコードをコピーした。
 その影響で炎と水と雷の尾、土と氷と毒の鱗、光と闇の翼が生え、八属性の竜忍と化し、毒によって身体が蝕まれながら、帝竜ヴァルギリオスに体当たりを食らわせた。
「こ、こんなものは単なる模倣だ」
 その一撃を喰らった帝竜ヴァルギリオスが、自らの動揺を隠すようにして、必要以上に強がった。
 だが、その言葉に反して傷は深く、大量の血がドクドクと溢れて、地面を真っ赤に染めていた。
「調子に乗っているのも、いまのうちですよ」
 続いて、銀花がオルタナティブ・エネミーを発動させ、帝竜ヴァルギリオス(善)を召喚した。
「これは……どういう事だ!?」
 それを目の当たりにした帝竜ヴァルギリオスが、動揺した様子で牙を剥いた。
 しかも、目の前にいる帝竜ヴァルギリオス(善)の方が、明らかに……強い。
 その事を本能的に理解してしまう程、力の差を感じてしまったため、帝竜ヴァルギリオスが警戒心をあらわにした。
「これで戦力的には、こちらの方が確実に優勢です。奇跡でも起こさない限り、勝つ事なんて出来ませんよ! さあ、怪獣大決戦の時間ですよ!」
 その勢いに乗って銀花が帝竜ヴァルギリオス(善)に指示を出し、帝竜ヴァルギリオスに攻撃を仕掛けていった。
 その指示に従って帝竜ヴァルギリオス(善)が咆哮を響かせ、帝竜ヴァルギリオスに次々とブレスを吐いた。
「ふざけた真似を! 所詮は紛い物だあああああああああ!」
 その事に苛立ちを覚えた帝竜ヴァルギリオスが、同じように次々とブレスを吐いた。
「なんか、そっちで妙に盛り上がっているけど、首8本とか、ヤマタノオロチリスペクトですかぁ? ダメダメ、もっと個性持たなきゃ! 人のアイデンティティーをパクっちゃダメって、ママに教わらなかったんですかぁ? 他の人は騙せても、超絶可愛いナオちゃんを騙す事は出来ませんよっ!」
 そんな中、ナオが【煽りは任せろ(イエーイ)】を発動させ、自画自賛をする事によって、全力で相手を馬鹿にする軽口マシーンに変身した。
「……!」
 その途端、帝竜ヴァルギリオス(善)の方がショックを受け、どんよりとした空気を漂わせた。
 それはピュア故の悲劇。
 純粋な心を持った帝竜ヴァルギリオス(善)であるため、心がガラスのハートであった。
「クククククッ! 優しさを捨てなかったのが、貴様の敗因だ! そこでポツンとイジけていろ!」
 帝竜ヴァルギリオスが帝竜ヴァルギリオス(善)を見下し、勝ち誇った様子で高笑いを響かせた。
 その間も帝竜ヴァルギリオス(善)は、ションボリ。
 どんよりとした空気が、お友達になっていた。
「……と言うか、竜でフォーミュラなら、お酒に強いはずよね? 勝ち負けの基準はどちらかが気を失うまで……」
 ラモート・レーパー(生きた概念・f03606)が、帝竜ヴァルギリオスの前に酒をドンと置いた。
「フン……、いいだろう」
 帝竜ヴァルギリオスが、躊躇う事なく酒をガブガブ。
 帝竜ヴァルギリオス(善)も、半ばヤケになりながら、酒をガブガブと飲み始めた。
 それが原因で帝竜ヴァルギリオス(善)が、帝竜ヴァルギリオスに絡み始め、何やら愚痴をこぼしていた。
 それはドラゴンと言うよりも、会社勤めのサラリーマン。
 そのためか、帝竜ヴァルギリオスも、心の底から困り顔。
「せっかくだしA&Wに問わず色んな世界の色んなお酒を飲んでみましょう」
 そんな事になっているとは夢にも思わず、ラモートもゴクゴクと酒を飲みながら、美味しそうにツマミをパクついた。
 元々、ラモートは食道から先の消化器官がないため、酔う事が無い。
「ぐう……」
 一方、帝竜ヴァルギリオス(善)は完全に酔っぱらった様子で、ストンと崩れ落ちるようにして深い眠りについた。
「……終わった」
 帝竜ヴァルギリオスが、ホッとした様子で溜息を漏らした。
 ある意味、強敵。
 このまま寝落ちしなければ、泣きながら『早く寝るか、帰ってくれ!』と頼み込んでいたところである。
「……というか、もう終わりなの? どうせなら、もっと飲みなさいよ。それとも、逃げる気? 自分の弟を身代わりにして」
 ラモートが帝竜ヴァルギリオスをジロリと睨みつけ、【胸に刺さる言葉(ムネニササルコトバ)】で何気ない一言を変え、急所を突く言葉にした後、グサリと胸に突き刺した。
「コイツが弟だと!? ま、まあ、よく似ているが、余に弟はいない……はずだ……」
 その途端、帝竜ヴァルギリオスの脳裏に浮かんだのは、権力争いに負けて、故郷を追放された帝竜ヴァルギリオス(弟)の姿であった。
「いやいや、ないない」
 そう言いつつも、急所に刺さった言葉の影響で、帝竜ヴァルギリオスの不安が膨らみ、偽りの過去を作り出していた。
「戦う気が無いのなら、こちらから行くぞ!」
 その間にルードが幻影の外套と音無しの靴で気配と音を消し、残像を囮にしながら死角に回り込み、帝竜ヴァルギリオスに斬り掛かった。
「ぐぬっ! しまった!」
 すぐさま帝竜ヴァルギリオスが、触れた者を毒にする毒・水・闇のバリアと、攻撃を反射し燃やす炎・雷・光のバリア、触れた者を凍結する氷・土のバリアを張って、自らの身を守った。
 その事に気づいたルードが、幻影の外套を叩きつけ、自らの身代わりにした。
 それと同時に何重にもバリアが張られ、炎が荒れ狂い、辺りのモノが凍り付き、毒の雨が降り注いだ。
「しゃーねぇ、耐えるしかねー」
 その巻き添えを食らった名捨が、深い溜息を漏らした。
 だが、火炎・氷結・毒・激痛の耐性マシマシ状態の上で、覇気とオーラ防御を展開し、気合と勇気で耐えた事で、ほぼノーダメージ。
 むしろ『……あれ? この程度だったのか』と思ってしまう程のレベルであった。
「……と言うか、拍子抜けですね」
 絶奈も各種耐性で高めたオーラ防御を展開すると、罠使いで持ち込んだ大量の石灰粉を衝撃波に乗せて投射し、バリアに纏わりつかせて視界を塞いだ。
「ぐぬ、前が……」
 帝竜ヴァルギリオスが困った様子で、ギチギチと歯を鳴らした。
「これではバリアも役に立ちませんね」
 その間に、絶奈が軽く皮肉を言いながら、粘着液付きの自動回転するプロペラを衝撃波で複数投射し、帝竜ヴァルギリオスの注意を引いた。
「ええい、邪魔だ!」
 次の瞬間、帝竜ヴァルギリオスがイラついた様子で、自らの意志でバリアを破壊した。
「……!」
 その途端、帝竜ヴァルギリオス(善)がビクッと震わせ、飛び起きたものの、帝竜ヴァルギリオスが癇癪を起しただけだと察すると、『僕は残業続きで疲れているんだ。だから少し静かにしていてくれないかい、兄さん』と言いたげな様子で視線を送った後、再び深い眠りについた。
「いや、余は兄ではない。兄ではない……よなぁ……」
 そんな空気を察した帝竜ヴァルギリオスが、何となく否定をしたものの、急所に刺さった言葉のせいで、何やら不安げな様子であった。
「そろそろ……、覚悟は良いか?」
 その隙をつくようにして、ルードが【絶刀・咬喰斬獲(ゼットウ・コウショクザンカク)】を発動させ、呪刀「闇斬」の連続斬撃を繰り出し、超高速かつ大威力の一撃で、八首を次々と食い千切るようにして叩き込んだ。
 それに合わせて、【反転(ゼノ)】を発動させ、周囲を腐敗させる濃霧を纏う人型の異形に変化すると、オーラ防御で守りを固め、帝竜ヴァルギリオスの生命力を吸収した。
「ぐぬ……、貴様らァ!」
 帝竜ヴァルギリオスが恨めしそうにしながら、猟兵達をジロリと睨みつけたものの、既にバリアを張るだけの余裕は残っていない。
「トカゲどもの親玉だけあって、見た目は派手だが、思ったよりもアレだな。やっぱ、自分の力を過信して、本気を出していなかっただろ? それとも、マジで……弱いのか?」
 その間に、名捨が軽く皮肉を言いながら、範囲攻撃で八首全てにスタングレネードを投擲すると、目潰しで恐怖を与えた。
「め、目が……」
 その拍子に帝竜ヴァルギリオスが目を閉じ、恐怖で体を仰け反らせた。
 それと同時に、名捨が勢いよく飛び上がり、帝竜ヴァルギリオスの頭部めがけて、【陸断(リクダチ)】で踏みつけるようにして蹴りを放ち、超高速かつ大威力の一撃で鋭く伸びた角を吹き飛ばした。
「余、余の大事な角がァ! 許さん、許さんぞおおおおおおおおおおおお!」
 これには帝竜ヴァルギリオスも腹を立て、八本の首を猟兵達に向け、炎・水・土・氷・雷・光・闇・毒のブレスを一斉に吐いた。
「……先ずハ、特性ノ把握かラだネ」
 すぐさま、ナハト・ダァト(聖泥・f01760)が残像で、分身を9体生成すると、8体の分身に「へその緒」を持たせ、遠隔操作を可能にした。
 それに合わせて、ナハトが残りの1体と迷彩で消え、8体の分身にブレスを身代わりさせる事で、ダメージを分散させた。
「本来なら強力なブレスだったようだけど、首が傷ついているせいで、台無しのようね」
 その事実に気づいたプリンセラ・プリンセス(Fly Baby Fly・f01272)がクリスティーナの人格でウマに騎乗し、地形を利用しつつ、空を飛ぶようにして移動しながら、第六感で次々とブレスを見切っていった。
「それでは……いきますよ」
 続いて、ナイが第六感で次々とブレスを見切ると、念動力で自分を飛ばし、吹き飛ばされた勢いで加速し、帝竜ヴァルギリオスに迫っていった。
「……愚かな! 単なる自殺行為だ。このまま喰らってやる!」
 それに気づいた帝竜ヴァルギリオスの首(水)が、ナイにガブッと喰らいついた。
「そんな事で、私は屈しない。例え、仮初の肉体が消し飛んでも、私は消えない。例え、どんな盤面であっても、勝利の光明はみえる。それが……カダスフィアさんの言葉、です」
 それでもナイは臆する事なく、【いつか壊れるその日まで(リジェネレイター)】を発動させ、全身を瞬時に再生させる聖者の聖なる光で覆うと、眩い光を放って帝竜ヴァルギリオスの首(水)ら生命力を吸収した。
 その影響で帝竜ヴァルギリオスの首(水)が萎れ、だらんと力なく垂れ下がった。
「ふ、ふざけた真似を!」
 帝竜ヴァルギリオスが苛立ちを隠せない様子で、再びブレスを一斉に吐き出した。
「先程よりも随分と威力が弱まっているようですね。……でしたら、やるべき事は、ひとつです」
 晶が超重力の回廊と、骨の平原での経験を活かし、ブレスの合間を縫うようにして距離を縮め、帝竜ヴァルギリオスの首(土)を放り投げるようにして、へし折った。
「……無駄よ。同じ手が通じるほど、甘くはないわ」
 すぐさま、プリンセラ(クリスティーナ)が早業で『収納』魔法を使い、自分自身を異次元に収納した。
(……ナるホど。仕組みガ分かっテしマえバ、単純デすネ)
 その間に、ナハトがオーラ防御を展開しつつ、倒れた分身から「へその緒」を通じて、首に対応した属性の情報を把握すると、自分と一緒にいた分身に精神攻撃、催眠術、言いくるめで、本人と錯覚させ、時間稼ぎ、限界突破、ドーピング、継戦能力技能で細工を施した。
「……そこか!」
 帝竜ヴァルギリオスが、ナハトの分身に気づき、八つ当たり気味にブレスを吐き捨てた。
 それと同時にナハトの分身がブレスを喰らい、その場にヨロヨロと崩れ落ちた。
「ハハハハッ! 見たか。次は貴様らだ!」
 帝竜ヴァルギリオスが勝ち誇った様子で、再びブレスを吐こうとした。
「……私ハ、こチらデすヨ?」
 その隙をつくようにして、ナハトが死角に回り込み、【神の真意(セフィロト・ダアト)】で生命力を吸収し、味方に分け与える生命の樹を召喚すると、把握した属性の弱点に武器改造をしながら繰り出した。
「オブリビオン・フォーミュラだからって、調子に乗り過ぎたんじゃないの?」
 それに合わせて、プリンセラ(クリスティーナ)が異次元から自分を取り出すのと同時に、ウィザード・バレットを発動させ、無属性の誘導魔弾を騙し討ちすると、全力魔法の範囲攻撃を付与して、帝竜ヴァルギリオスに攻撃を仕掛けた。
 続いて、銀花が帝竜ヴァルギリオス(善)の陰に隠れ、白嵐玉椿(刀)で帝竜ヴァルギリオス(毒)の首を斬り落とした。
「……破ぁ!」
 それと同時に晶が全身全霊を連動させ、生涯最高の破魔を込め、帝竜ヴァルギリオス(光)の頭を叩き割った。
「ぐぬ、ぐぬぬぬぬ、まだだっ!」
 帝竜ヴァルギリオスが炎・氷・雷・闇の首を揺らし、ギチギチギリリッと歯を鳴らした。
「帝竜、忘れたのですか? 貴方がなぜ、封印されたのか。忘れたなら、私が今思い出させてあげましょう。貴方は、一度負けたのです!」
 狭霧が【魂の先導(ソウルナビゲート)】を発動させ、帝竜ヴァルギリオスと戦った勇者達の霊を呼び出した。
 呼び出された勇者達の霊は帝竜ヴァルギリオスを見上げ、次々と斬り掛かっていった。
「ええい、ふざけた真似を! 過去の亡霊など滅びてしまえ!」
 帝竜ヴァルギリオスがイラついた様子で、炎・氷・雷・闇のブレスを吐き出した。
 だが、勇者達の霊は、怯まない。
 吐き出されたブレスをギリギリの所で避けながら、帝竜ヴァルギリオスに斬り掛かり、反撃される前に、その場から飛び退いた。
「ミトン、行くよ」
 それに合わせて、ミリアが【守護霊の抱擁(シュゴレイノホウヨウ)】を発動させ、全身を『ミトン』に包むと、勢いよく空に飛び上がって、帝竜ヴァルギリオスが吐き出したブレスを次々と避けた。
「ええい、鬱陶しい!」
 帝竜ヴァルギリオスが苛立ちを隠せない様子で、ミリア達を狙って炎と氷のブレスを吐いた。
「さあ、狭霧さま、参りますよ!」
 その隙をつくようにして、ベイメリアが帝竜ヴァルギリオスの死角に回り込み、持ちうる属性耐性と激痛耐性をフル活用すると、ダッシュとジャンプで空を舞うようにしながら、【Red typhoon(レッドタイフーン)】を発動させ、自らの武器を深紅の薔薇の花びらに変え、帝竜ヴァルギリオスの首(氷)を破壊した。
「ええ、ここで終わらせましょう!」
 続いて狭霧が、春祭りの村から旅立った勇者、小さなフェアリーを肩に乗せた勇者、もふもふの怪鳥と虹色に輝く鎧を纏った勇者達と連携を取りつつ、帝竜ヴァルギリオスの首(炎)を斬り落とした。
「ほらほら、どうしたの? 早くしないと、どの首も使い物にならなくなっちゃうよ」
 一方、ミリアはオーラ防御を展開しながら、ミトンに包まれたまま、帝竜ヴァルギリオスのまわりを飛び回り、わざと挑発的な言葉を吐いた。
「まずは貴様からだ!」
 帝竜ヴァルギリオスがミリア達を追い詰めるようにして、雷と闇のブレスを吐き捨てた。
 それと同時に、雷と闇のブレスがミトンに落ち、その反動でバランスを崩してグラついた。
「……!」
 その途端、帝竜ヴァルギリオス(善)がビクッと飛び起き、寝ぼけ眼で帝竜ヴァルギリオスに、モーニングブレスを吐きかけた。
「ぐわあああああああ!」
 そのブレスを喰らって、帝竜ヴァルギリオスの首(雷)が悲鳴を上げ、肉の塊と化して崩れ落ちた。
「ヴァルギリオスさん、ありがとうー♪ ……って、あれ?」
 ミリアが帝竜ヴァルギリオス(善)に御礼を言った後、帝竜ヴァルギリオスを見て、不思議そうに首を傾げた。
 首の数が違うため、何となく見分けがつくのだが、まるで兄弟の如く瓜二つ。
 ウッカリしていると、見間違えそうな勢いで、ソックリだった。
「勇者たちよ、今一度この世界を救う力を」
 その間に、狭霧が勇者達を引き連れ、再び帝竜ヴァルギリオスに斬り掛かった。
 帝竜ヴァルギリオス(善)も、帝竜ヴァルギリオスに噛みつき、その肉を食い千切った。
「これで終わりにしましょう。もう二度と目覚め無いように……全力で倒します!」
 次の瞬間、ベイメリアが【Judgment arrow(ジャッジメントアロー)】を発動させ、炎・水・土・氷・雷・光・闇・毒属性で、ありとあらゆるモノを貫く光の矢を雨の如く降らせていった。
 それでも、帝竜ヴァルギリオスが抵抗しようとしたものの、帝竜ヴァルギリオス(善)に近距離からブレスを吐かれ、勇者達に斬りつけられたせいで、全く反撃する事が出来ず、光の矢を次々と喰らって、大量の血があちこちから噴き出した。
「調子に乗るな、猟兵共よ! 貴様らが勝つ事が出来たのは、沢山の者達から力を借る事が出来たからだ! 故に、貴様ら自身の勝利でない事を胸に刻んでおくんだな!」
 そして、帝竜ヴァルギリオスは猟兵達に恨み言を吐きながら、恨めしそうな表情を浮かべ、血溜まりの中に沈んで息絶えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月24日


挿絵イラスト