●竜の孵化場
「……もうすぐだ。もうすぐ、俺の中で帝竜が……!」
竜の孵化場では帝竜ガイオウガから得た力を使い、悪逆無道の君臨者を依代にして、帝竜再孵化儀式が行われていた。
儀式によって悪逆無道の君臨者は、半ば帝竜と化しており、大地が震えるほど凄まじい覇気に包まれていた。
だからと言って、帝竜化が完了した訳ではない。
器に注がれた力は、半分程度。
肉体の大半が帝竜と化していても、竜の弱点とされる『逆鱗』に防護が施されていないため、完全とは言えない状態であった。
●ガジルからの依頼
「みんなに頼みたい事があるんだよ!」
ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が真剣な表情を浮かべ、今回の依頼を説明し始めた。
今回の目的は、悪逆無道の君臨者を撃破する事。
悪逆無道の君臨者は、帝竜ガイオウガから得た力によって、竜の卵の中で帝竜になりつつあるようだ。
幸い、竜の弱点とされる逆鱗に防護が施されていないため、そこを攻撃する事さえ出来れば、半ば帝竜と化した悪逆無道の君臨者を倒す事も難しくないようである。
逆鱗の位置は、そのオブリビオンが一番大切だと思っている部位だが、ハッキリとした場所は分かっていない。
それでも、この場で倒さなければ新たな帝竜が目を覚ましてしまうため、何としても悪逆無道の君臨者を倒して欲しいという事だった。
ゆうきつかさ
この依頼は戦争依頼です。
基本的には、キャラクターらしさを重視しますので、世界観や設定に問題が無ければ採用していこうと思います。
第1章 ボス戦
『悪逆無道の君臨者』
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POW : モーレ・ド・エンヴィリオ
自身の【今まで喰らった魂】を代償に、【吐瀉した肉を依代とするフレッシュゴーレム】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【怨嗟で炎の如く盛る魂を纏った手足】で戦う。
SPD : ソンゾボルト・ユーゴッド
【意識】を向けた対象に、【召喚した亡者の軍団による包囲攻撃】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ : ソフランテ・ユーゴッド
戦闘用の、自身と同じ強さの【黒き甲冑騎士】と【不死の大魔導士】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
イラスト:FMI
👑8
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ハララァ・ヘッタベッサ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
フランチェスカ・ヴァレンタイン
はてさて、皆目見当も付きませんが… ええまあ、やりようはいくらでも?
先制攻撃で焼夷弾頭のミサイルを一斉発射で放ち、全身を爆炎で焙って差し上げましょう
爆撃の衝撃と熱から咄嗟に庇う素振りを見せた箇所が逆鱗の位置、でしょうか
逆鱗の位置を見切りましたらそこを狙って空中戦闘機動で仕掛けると致しましょう
フレッシュゴーレムを高速機動で躱して舞い、君臨者へすり抜けざまに斧槍を叩き込み
周囲を旋回しながら逆鱗へ狙いを付けての砲撃の乱れ撃ちなど
ヒット&アウェイに苛立った相手の隙を突いて、回し蹴りでUCを叩き込んで差し上げましょう…!
「それでは、こちらをどうぞ――召し、上が…れッ!!」
ロート・カニーンヒェン
「なんかこう、それっぽい気がするのでその首もらった~!!」(POW)
なんか顔な気がする(勘)ので、直接いってぶん殴る!当たったら当たったで儲けものだし、外れても相手の注意をそらして他の味方の攻撃に繋げられるようにヘイトを集められたらいいなぁ。ハザードイグニッションで暴走モードになって、顔ばかり殴り続ける・・・私が倒れるまで!!
(アドリブ歓迎です)
クシナ・イリオム
アドリブ自由
新たな帝竜…ねえ
あんな規格外のものが量産されても面倒だし、さっさと躯の海に還ってもらうよ
【魔法罠即席設計】で戦場に魔力地雷や魔法仕掛けの自律弓などのトラップを設置
包囲攻撃の進行速度を遅らせつつ亡者の軍団を混乱させ統率力を奪う
そして亡者の軍団を迎撃しながらも、トラップの対応に追われる亡者の軍団の中に紛れて悪逆無道の君臨者に肉薄
竜の牙による内部からの破壊効果が逆鱗に伝わるまで攻撃し続けるよ
…弱点が見つからないなら弱点を含んだすべてを攻撃すればいい
私のダガーは連鎖攻撃に特化している
わずかな傷が深く広がる斬撃の嵐の中であんたは弱点を隠すことはできるの?
ナイ・デス
逆鱗の位置は、わからない、ですが……
それなら逆鱗含めて、全て喰らうだけ、です
ゴーレムの攻撃は【第六感で見切り】避け
受けても【覚悟、激痛耐性、継戦能力】私は、ヤドリガミ
どれ程欠損しても、どれ程に痛みがあっても、死なない。再生する。平気
怯まず【念動力】で自身【吹き飛ばし】君臨者へと一気に近付いて
だいぶ加減してない【生命力吸収】する【範囲攻撃】な一撃を
どんな相手も癒す光のように、どんな相手からも奪う【鎧無視攻撃】な光
逆鱗もそうでないところも、全てを喰らい、消滅させる
そして
おやすみなさい
ゴーレムさんは、癒すように、眠るように、消滅させる
ヴィクトル・サリヴァン
んー、突き詰めたら面白そうな技術だけど邪悪過ぎるね、
完全に帝竜になられたら大変だ。育ち切る前に摘まないとね。
基本は支援重視で動く。
遠距離から高速詠唱からの水の魔法で放つ水弾で牽制したり水の鞭で足元を縛ったりして他の猟兵が動き易いよう支援。
甲冑騎士と魔導士が召喚されたら君臨者にむけ水の魔法で攻撃しつつUC起動。
津波と重力属性合成して強烈な水圧の津波叩きつけて面で制圧するように抑え込む。
流水を完全に防ぐのは不可能、だから君臨者にダメージが入る筈で、召喚も解除される。
後はできた隙で君臨者を津波の水圧で圧し潰す。
その過程で逆鱗っぽい場所が分かったらそこに銛をぶち込んでしまおうか。
※アドリブ絡み等お任せ
火土金水・明
「相手の逆鱗の場所を確かめるためにも、まずは先制攻撃を仕掛けてみましょうか。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃方法は、【先制攻撃】で【破魔】と【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【全力魔法】の【コキュートス・ブリザード】を【範囲攻撃】にして、『悪逆無道の君臨者』と召喚された者達を纏めて【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】【見切り】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも、ダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。
トリテレイア・ゼロナイン
新たな帝竜などこれ以上生み出させはしません
対処が可能な今の内に確実に撃破し、後顧の憂いを断ちましょう
逆鱗の位置は敵が一番大切だと思っている部位
この敵は己が支配階級、強者であることに誇りを持っている様子
ならば、権威の象徴である王冠、若しくはそれに隠された部位に逆鱗があると推論しましょう
●怪力での盾や剣の武器の●なぎ払いでゴーレムを排除しつつ接近
UCで●操縦する妖精ロボの●スナイパー射撃で王冠を攻撃し回避や防御行動などから逆鱗の位置を●見切りましょう
判明すればレーサーでの攻撃で逃げ場を封じつつ近寄って近接攻撃
外れれば他の箇所を攻撃して反応を見つつ他の部位を攻撃する味方をかばいます
ティエル・ティエリエル
SPDで判定
むむむ、悪い帝竜化なんてさせないよ!ボクがここでやっつけてやる!
背中の翅で羽ばたいて「空中浮遊」、空中からヒット&アウェイで攻撃するよ!
亡者の軍団による包囲攻撃は「敵を盾にする」ことでやりすごしていっちゃうぞ☆
ヒット&アウェイであっちこっちを攻撃しながら「情報収集」、逆鱗の位置を探っていくね!
逆鱗はオブリビオンが一番大切だと思っている部位だっていうけどどこだろう?
魂を喰らうとか言ってるし、ご飯食べる口が大切な場所なのかも?
よし、まずは一回お口を攻撃してみようっと!【妖精の一刺し】でお口に向かって突撃だ!
※アドリブや他の方との連携も大歓迎です
アテナ・パラステール
新たな帝竜の誕生とかシャレになりませんわね
聖騎士として、その前に必ず打倒してみせましょう
【姫騎士の誓い】にて戦乙女化し、戦いを挑みます
「我が王家に伝わる光の力、受けてみなさい!」
奴の召喚したフレッシュゴーレムを切り裂きながら、白き翼を広げて空中から、光の剣を目いっぱい伸ばして、全て纏めて薙ぎ払う勢いで奴に斬りかかります
そうして戦いながらも逆鱗の位置は推測し……
狙うはやはり人型の急所か……奴の動きを見逃さず、僅かでも庇おうとした動作を見かければ、そこに向かって光の剣を伸ばし、纏めて貫きましょう
「逃がしません!これが始祖の神より賜りし、私の力です!」
●竜の孵化場
「……誰かと思ったら、猟兵共か。ひょっとして、俺を倒しに来たのか? だったら、待ってろ。もう少しで、帝竜化が完了するからさ」
卵の中で眠っていた悪逆無道の君臨者が、猟兵達の気配に気づき、皮肉混じりに呟いた。
その間も、卵の中から禍々しい気配が漂っており、猟兵達を飲み込む勢いで広がっていた。
「残念ですが、そこまでです。これ以上、新たな帝竜など、生み出させる訳にもいきませんからね」
トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)が禍々しい気配を払い除ける勢いで、卵の前に陣取った。
「おいおい、何だよ、ツレねぇな。どうせだったら、フルパワーの方が燃えるだろ? だから、待てよ。もう少しだからさ」
それでも、悪逆無道の君臨者はまったく臆しておらず、卵の中から不気味な笑い声を響かせた。
こうしている間も、卵の中では変化が起こっており、グチョリグチョリと何かが蠢いている音が響いていた。
「んー、悪いけど、そんなに暇じゃないからさ。わざわざ面倒になる事が分かっていながら、待つ気もないし……」
ヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)が、悪逆無道の君臨者に対して答えを返した。
帝竜化の技術に関しては、少なからず興味を持っているものの、どう考えても負担にしかならないため、帝竜化が完了する前に撃破する事を決断したようである。
「だから待てって! そうしたら、超絶ヤバイくらいにパワーアップして、お前ら全員ぶっ倒してやるからさ!」
悪逆無道の君臨者が卵の中から、猟兵達に語り掛けた。
だが、先程よりもイライラしているせいか、帝竜化に精神を集中する事が出来なくなっているようだった。
それが原因で『し、しまった! ここじゃない!』、『マジか、オイ!』等の声が聞こえており、違う意味でピリピリとした雰囲気が漂ってきた。
「やっぱり待てませんわ。このまま新たな帝竜が誕生するまで待つほど、お人好しではありませんから……」
アテナ・パラステール(亡国の姫騎士・f24915)が【姫騎士の誓い(ヴァルキリー・プリンセス)】で愛剣に宿りし始祖の神の力を使用し、自在に空を飛ぶ力を持った白き清浄なる翼】を生やした戦乙女の姿になった。
「悪い帝竜化なんてさせないよ! ボクがここでやっつけてやる!」
それに合わせて、ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)が背中の翅を羽ばたかせ、一気に距離を縮めて卵に迫っていった。
「仕方ねぇな! まだ完璧じゃねえが、相手をしてやるよ!」
次の瞬間、悪逆無道の君臨者が卵をブチ割り、大量の破片を飛ばして、ティエル達を威嚇した。
悪逆無道の君臨者は身体の半分ほど帝竜化しており、背中からドラゴンの翼が生え、全身がヌラヌラネットリとしていた。
「だったら、こっちも話が早い。そんな規格外のものが量産されても面倒だから、さっさと躯の海に還ってもらうよ」
そう言ってクシナ・イリオム(元・イリオム教団9班第4暗殺妖精・f00920)が、悪逆無道の君臨者に攻撃を仕掛けていった。
●悪逆無道の君臨者
「ちょっ! 待て! まだ卵白的なモノがベットリついているから! せめて、取るまで待てよ!」
悪逆無道の君臨者が焦った様子で、卵白的なモノを落とし始めた。
それは悪逆無道の君臨者の身体を保護する膜のようであったが、納得の如くネバつき、絡みついていた。
「いえ、待てません。そんな事をしたら、間違いなく面倒な事になりますから……」
火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)が、悪逆無道の君臨者に破魔の力を宿した先制攻撃を仕掛けていった。
それに合わせて、ヴィクトルが高速詠唱で水弾を放ち、悪逆無道の君臨者を牽制した。
「まだ卵白的なモノを取り除いている途中だろうが!」
続け様に攻撃を喰らった悪逆無道の君臨者がイラ立ち、その勢いで黒き甲冑騎士と不死の大魔導士を召喚した。
召喚された黒き甲冑騎士と不死の大魔導士は、悪逆無道の君臨者を守るようにして猟兵達に攻撃を仕掛けてきた。
「一生懸命になって攻撃しているようですが、それはすべて残像です」
その間に明が残像を身代わりにして、次々と攻撃を見切ると、オーラ防御を展開しながら、悪逆無道の君臨者の背後に回り込もうとした。
その事に気づいた不死の大魔導士が、明めがけて雷を落としてきた。
だが、それは残像……。
黒き甲冑騎士も明に剣を振り下ろしたものの、同様に残像だった。
「本物の私は、こちらですよ?」
それと同時に、明が破魔の力を籠めた全力魔法の【コキュートス・ブリザード】で氷属性の魔法の矢を雨の如く降らせ、黒き甲冑騎士と不死の大魔導士を消滅させた。
「げええええ! マジか!? まだ卵白的なモノが……」
悪逆無道の君臨者が、焦った様子で悲鳴を上げた。
「だったら洗い流してあげるよ」
すぐさま、ヴィクトルが【エレメンタル・ファンタジア】を発動させ、津波と重力属性を合成して、強烈な水圧の津波を悪逆無道の君臨者に叩きつけた。
「……って、フザけんなよ、テメェ! まだ卵白的なモノが……落ちてる!」
悪逆無道の君臨者が、とりあえずキレた後、胡散臭いテレビショッピングのような驚き方をした。
まさに、驚きの白さ……という訳では無いのだが、先程までヌラヌラ、テラテラしていたモノが綺麗サッパリ落ちていた。
「まあ、喜ぶのは早いと思うけどね」
ヴィクトルが再び強烈な水圧の津波を放ち、悪逆無道の君臨者を圧し潰そうとした。
「ま、まだ死ぬわけには……」
悪逆無道の君臨者が両手を血につき、猟兵達に意識を向けた。
次の瞬間、猟兵達を囲むようにして、亡者の軍団が召喚され、逃げ道を塞ぐようにして、次々と攻撃を仕掛けてきた。
「まわりを囲んだだけで、ボク達を倒せると思ったら、大間違いだからねっ!」
ティエルが背中の翅で羽ばたき、亡者の軍団を盾代わりにしながら、ヒット&アウェイを繰り返した。
「まさか、これで勝ったつもりになっている訳じゃないよね?」
それに合わせて、クシナが【暗殺技能・魔法罠即席設計(マホウワナソクセキセッケイ)】を初慈雨させ、魔力地雷や魔法仕掛けの自律弓などのトラップを設置し、亡者の軍団を倒していった。
「おい、こら! 何をモタモタしていやがる! 早く倒せ! 捨て身の覚悟で突っ込んでいけ!」
その事に腹を立てた悪逆無道の君臨者が、亡者の軍団を叱りつけた。
しかし、亡者の軍団は流れ作業の如く倒され、確実に数を減らしているため、悪逆無道の君臨者に対して、一斉に避難の眼差しを向けていた。
「いや……、別に無理とは言わねぇが……ほら、アレだ。頑張ってくれ!」
その気迫に圧倒され、悪逆無道の君臨者が蛇に睨まれた蛙の如く勢いで、吐き出そうとしていた言葉を飲み込んだ。
「そう言えば、逆鱗って何処だろう? 確か、そのオブリビオンが一番大切にしている場所だよね? 魂を喰らうとか言ってるし、ご飯食べる口が大切な場所なのかも? ……よし、まずは一回お口を攻撃してみようっと!」
そんな中、ティエルが【妖精の一刺し(フェアリー・ストライク)】を仕掛け、レイピアを構えた全速力での体当たりによる素早い一撃で、悪逆無道の君臨者の口を攻撃した。
「ちょ! 待っ! おい、誰か! 俺を護れ! 護りやがれ。いや、護ってください、お願いします……って、無視かよ!」
その途端、悪逆無道の君臨者が涙目になって、亡者の軍団を叱りつけた。
だが、亡者の軍団は無言で抗議。
ただ恨めしそうな表情を浮かべ、悪逆無道の君臨者に対して、悪意に満ちた眼差しを向けていた。
「いや、おかしいって! なんだか立場が逆転しているし! ザマァみたいな顔をするんじゃねぇよ!」
それでも、悪逆無道の君臨者が逆ギレした様子で、亡者の軍団に悪態をついた。
「どうやら、亡者達にも見限られてしまったようだね。まあ、その方が私には都合がいいけど……」
その間に、クシナが愛用のダガーを構え、一気に距離を縮めていった。
それに合わせて、亡者の軍団が海割りの如く、悪逆無道の君臨者まで続く道を作り出した。
「いやいや、待て、待て、待て! どうして、避ける! 誰かひとりくらい猟兵に突っ込んでいけよ! みんな揃って、こちらにどうぞはねぇだろ! つーか、俺が何か悪い事をしたか? いや、睨むな、マジで怖いから!」
悪逆無道の君臨者が悲鳴を上げて、自らの運命を呪ったものの、時既に遅し。
クシナが愛用のダガーで続けざまに斬り掛かり、悪逆無道の君臨者をザクザクと斬り裂いた。
「ち、畜生! こうなりゃ、ヤケだ! もう、どうなっても知らねぇからな! 亡者の軍団もろともブッ倒す!」
次の瞬間、悪逆無道の君臨者が今まで喰らった魂を代償に、吐瀉した肉を依代とするフレッシュゴーレムを出現させた。
それは禍々しい程の殺気を放っており、怨嗟で炎の如く盛る魂を纏った手足で、猟兵達に襲い掛かってきた。
「はてさて、何やら面倒な事になっているようですが、未だに逆鱗の位置がわかりませんね。まあ、いくらでも、やりようはありますが……」
すぐさま、フランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)が先制攻撃を仕掛け、焼夷弾頭のミサイルを一斉発射で放ち、悪逆無道の君臨者を爆炎で包み込んだ。
「グギャアアアアアアアアアアアアア! 俺を護れ! フラッシュゴーレムゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」
その痛みに耐えきれず、悪逆無道の君臨者が悲鳴を上げた。
だが、フレッシュゴーレムは、亡者の軍団を叩き潰すのに夢中で、悪逆無道の君臨者の声が聞こえていない。
「あの苦しみ方からして、逆鱗にもダメージを受けているよう、ですが……。その場所が何処なのか、これではわかりませんね。まあ、それならば、逆鱗含めて、全て喰らうだけ、ですが……
ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)がフレッシュゴーレムの横を通り抜き、悪逆無道の君臨者に攻撃を仕掛けていった。
「畜生っ! 俺は帝竜だぞ! それなのに、なんでこんな目に!」
悪逆無道の君臨者がブツブツと愚痴をこぼし、その場から飛び退いた。
どうやら、帝竜化の途中で邪魔が入ってしまったせいで、力の制御が出来ず、肉体的にも精神的にも不安定な状態にあるようだ。
そのためか、思い通りの結果を出す事が出来ず、苛立っている様子であった。
(さて……、いまのうちに逆鱗の位置を特定した方が良さそうですね。そもそも、逆鱗の位置は敵が一番大切だと思っている部位のはず。この敵は己が支配階級、強者であることに対して、誇りを持っている事を考えると、権威の象徴である王冠、若しくはそれに隠された部位に逆鱗がある可能性が……)
そんな中、トリテレイアが悪逆無道の君臨者を観察する事で、逆鱗の場所を特定しようとした。
「なんかこう、それっぽい気がするのでその首もらった~!!」
一方、ロート・カニーンヒェン(グリーディー・ファントム・f00141)は脳味噌をマッスル化させ、殴ってから考えろの精神で、悪逆無道の君臨者をブン殴った。
「……って、やめ! 痛い、痛いっ! ちょっと待て! 顔は止めろ! やめろって! つーか、早く俺を助けろ! フレッシュゴーレムゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」
悪逆無道の君臨者が必死に顔を押さえながら、フレッシュゴーレムに助けを求めた。
その呼びかけに応えたフレッシュゴーレムが、亡者の軍団を蹴散らした後、悪逆無道の君臨者を護るため、猟兵達に襲い掛かった。
「……って、邪魔をしないでくれるかな?」
それに気づいたロートが、フレッシュゴーレムも、ボコボコにした。
その間に、悪逆無道の君臨者がフレッシュゴーレムの後ろに隠れたものの、パンチの衝撃が背中まで伝わってくるほど力強い一撃が次々と繰り出されているため、生きた心地がしていない様子であった。
「逆鱗の位置は分かりませんが、特に問題なさそうですね」
それと同時に、フランチェスカが高速移動で、舞うようにしてフレッシュゴーレムを擦り抜け、ヴァルフレイア・ハルバード(大型の機殻斧槍)で悪逆無道の君臨者を斬りつけると、追い打ちをかけるようにして、空中戦闘機動で攻撃を仕掛けた。
「うがぁ……、マ、マジか。死ぬぞ、これ!」
悪逆無道の君臨者が身の危険を感じ、フレッシュゴーレムのまわりを回りながら、王冠を隠すようにして走り出した。
それに合わせて、フレッシュゴーレムが傷つく事も恐れず、猟兵達をブン殴った。
「いくら殴っても、無駄です。例え、どれ程欠損しても、どれ程に痛みがあっても、死なない。再生する。だから……平気」
だが、ナイはまったく怯まず、第六感でフレッシュゴーレムの攻撃を見切り、表情ひとつ変えずに迫っていった。
「く、来るなっ!」
悪逆無道の君臨者が猟兵達に警告しながら、慌てた様子で王冠を後ろに隠した。
「そんな事をしたら、『王冠を狙ってください』と言っているようなモノですよ」
その事に気づいたトリテレイアが力任せに剣を振るい、行く手を阻むようにして陣取っていたフレッシュゴーレムの腕を斬り落とした。
「我が王家に伝わる光の力、受けてみなさい!」
続いて、アテナが白き翼を広げて空中から光の剣を最大まで伸ばし、全て纏めて薙ぎ払う勢いでフレッシュゴーレムを破壊した。
それに合わせて、【自律式妖精型ロボ 遠隔操作攻撃モード(スティールフェアリーズ・アタックモード)】を発動させ、自身が操縦する複数の偵察用妖精型ロボとの連携攻撃を強化し、頭部内蔵レーザーで悪逆無道の君臨者の身体を貫き、後ろに隠した王冠を狙い撃った。
「ぐがっ! は、腹が……。だ、だが、帝竜化した俺には……効かねぇ……。こんな攻撃……かすり傷だ」
その一撃を喰らった悪逆無道の君臨者が、腹部から大量の血を流し、恨めしそうに声を震わせた。
「ならば、こちらも容赦はしません。始祖の神より賜りし、私の力……その身で味わってもらいます!」
その隙をつくようにして、アテナが光の剣を握り締め、悪逆無道の君臨者に斬り掛かった。
「それでは、こちらをどうぞ――召し、上が……れッ!!」
その間に、フランチェスカが回し蹴りと共に、【天穹濤撃ち 蹴り砕くもの(レギンブロウ・ヴィブラカノーネ)】を仕掛け、超振動破砕による超高速かつ大威力の一撃で、悪逆無道の君臨者の頭蓋を砕いた。
「ぎゃあああああああああああああああああ!」
その拍子に王冠が音を立てて地面に落ち、悪逆無道の君臨者が今にも死にそうな勢いで、辺りに悲鳴を響かせた。
「さあ、殲滅タイムだ!!」
そこに追い打ちを掛けるようにして、ロートがハザードイグニッションで暴走モードになると、悪逆無道の君臨者の顔面をボコボコにした。
「ちょ、顔は……。普通、王冠を……ん? んん? がはっ!」
その途端、悪逆無道の君臨者が腑に落ちない様子で、足元に落ちて王冠をチラ見した。
しかし、ロートはまったく気にしておらず、まるで粘土をこねるようにして、悪逆無道の君臨者の顔面を殴って、殴って、殴りまくった。
そのため、悪逆無道の君臨者の顔が、原型を留めぬ程に変形した。
「これなら、いっそ逆鱗を攻撃してくれた方が……と思っているようですが、逆鱗も、そうでないところも、関係ありません。すべて……喰らい、消滅させます」
次の瞬間、ナイが念動力で自分自身を吹き飛ばし、悪逆無道の君臨者に迫ると、生命力を吸収すると、【だいぶ加減してナイくん(クラウモノ)】で、世界を骸の海に沈められる危険な力の片鱗を籠め、生命力を喰らい尽くす光を放った。
「ち、畜生! 帝竜の力さえ……ぐわああああああああ」
それと同時に、悪逆無道の君臨者の身体が光に包まれ、跡形も残す事なく消滅した。
その後には、悪逆無道の君臨者が先程まで入っていた卵の殻だけが残されていたが、それもまるで役目を終えたかのように崩れ落ちて塵になった。
大成功
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