これは旅団シナリオです。旅団「ぷれこーらす」の団員だけが採用される、EXPとWPが貰えない超ショートシナリオです。
●
キマイラフューチャーの一角に、うず高いゴミの山がある。
がらくたの丘を登るのが一度目や二度目ではない『きみ』ならば、この場所で何を見つけたところで然程驚かないだろう。訪れる毎に顔ぶれの違う不要物。消費と承認でぐるぐる回るリゾート惑星の行き止まり。
今日、その頂上に転がっていたのは。
テレビウムの頭部を模した、いかにも怪しいゲーム筐体であった。
『あらあら丁度良いじゃない』
画面に大写しになった赤い否定《バッテン》のトレードマーク。不織布の破れたサウンドバーが再生するのは、戦犯・ぷれみ(バーチャルキャラクターの屑・f18654)の舌っ足らずな甘い声だ。
『故意に歩いてきた以上、偶然も必然も無いでしょう。人が山を登るのに理屈はいらないし、核戦争のスイッチを押すのにだって理由はいらない――ってか前置きはそこそこにするけど、ゲームから出らんなくなったわ』
いきなり電子の海出身者の名折れである。
『いやね……? 幻のゲーム手に入れちゃって、試しに動かしてみてたのよ。バーチャル・リアリティって言うのかしら、醜い現世のことを忘れて、架空の世界で学園生活を送るだけのヌルゲー、の筈だったんだけど』
技術さえ存在すれば誰でも考えつきそうなプログラムの、唯一にして最大の問題点。
『プレイヤー同士の会話でしかポイントが稼げないから、一人プレイだと永遠にクリアできないの』
……そんなゲームを購入する客、九割九分九厘が一人プレイだったのでは……?
『即回収されたから幻のゲームだったというオチよコレ。ちなみに、クリアしないと現世に戻ってこれないからね』
事故を通り越して大事件じゃねえか、という状況にツッコミを入れる暇もなく、複雑に明滅する光が『きみ』の瞳に飛び込んだ。拒否権なしで意識が遠のく。どうにもこの三頭身の生命体、しおらしく助けを求めてみせる気など微塵もないらしい。
『ま、CO-OPになれば青春なんてRTA余裕でしょ。何なら一緒に――どこまでも夢を見たっていいわ』
八月一日正午
ほずみしょーごです。
今回は旅団シナリオとなります。「ぷれこーらす」団員、もしくは友好旅団の団員さんのプレイングのみが採用されます。
旅団のほうに人数把握のための点呼スレがあります。プレイング受付開始の時期もそちらで告知します。今回は「冒頭投稿と同時ではない」ので注意してくださいね。
●概要
謎のゲームに取り込まれた皆さんには、学生風の姿になっていただきます。小中高一貫、制服はテキトー。あくまでアバターということで、外見年齢・精神年齢はご自由にどうぞ。
ゲームの中だという自覚はなくなる感じですが、学園っぽい行動を取れば勝手に学園ポイントが溜まり、なんやかんやでゲームクリアになるらしいです。
要は適当に学パロをやってればそれでよいやつです。フラグメントは気にしないでください。
●グリモア猟兵呼び出しについて
旅団「ぷれこーらす」所属の3名(戦犯、臥待、海藻場)は呼べば出てきます。
プレイング文字数は限られてると思うので、ご利用は計画的に。
第1章 冒険
『ライブ!ライブ!ライブ!』
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POW : 肉体美、パワフルさを駆使したパフォーマンス!
SPD : 器用さ、テクニカルさを駆使したパフォーマンス!
WIZ : 知的さ、インテリジェンスを駆使したパフォーマンス!
👑1
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
見上げた空は、天幕《スクリーン》みたいに真っ青だった。
遠景の果てから鐘の音がする。在りやしない時刻を告げている。がらがらがらと乏しい音階で、聖歌を模した三和音を並べ立てている。
けれどもここは教会ではなく学園で、それ以外の何処でもある訳がない。
「気が付いた? 目が醒めた?」
鳥籠みたいな屋上に、長い髪だけが揺れていた。
「あるいは、どちらでも無いのでしょうね」
はて、さっきまで何をしていたんだっけか――『きみ』が思い返すより先に、目の前の少女はくるりと回って踵を返す。屋上に出入りするための鉄扉は開け放たれていて、その向こうには、校舎という名の日常が待っているのだろう。
「現時点、自分が一体何者なのかを再定義していたんじゃない? 六階建ての七階で宇宙を眺めていたんでしょう。だったら考えることなんて大体似たり寄ったりよ」
まるで心の声でも聴いたかのように言葉が投げ返されてくるけれど、訊きたいことはそこじゃあなかった。そんな疑問すら先取りをして、見たこともない筈の少女は笑う。
「中等部、2年C組、高岡遊未子」
肩をすくめて。
「――ってことで今日はよろしくね。私立煉獄学園へようこそ」
鵜飼・章
僕は…誰だったかな
煉獄学園生徒会長の鵜飼章だ
屋上から見下ろす僕の『せかい』は
今日もひどく美しかった
眉目秀麗文武両道品行方正公明正大
僕を讃える四字熟語なんて幾らでもあって
誰もが誰とでも仲良く話せるこの世界
兎小屋が血まみれになんかならないし
給食費は盗まれない
いじめも残業も裏サイトだってなんにもない
だってそうでしょう
僕の世界だ
『不良』のひとたちはいるかもしれないけど
青春だね、きらめいてる
正しい
正しいな…
とても人間的だ
全校生徒の顔と名前も覚えてる
きみは高岡さんだよね
今の僕、ちゃんと人間でしょ
ね
鵜飼章って三文字なんだ
美しくないね
はあ…退屈だから書記くんに何か買ってこさせよう
ベストセラー作家の推理小説とか
柊・はとり
やべえまた寝てた…
サッカー部の朝練早すぎんだよな
四時間目は毎日眠気との戦い
スマホを見ると新着メッセージ一件
げ…生徒会長
『眠れる森の殺人』買ってこい?
うぜ…今時電子だろクソボンボン
既読スルーしとくか
無言でURL送りつけとくか
一瞬迷って俺は何かに話しかけた
おいコキュートス
眠れる森の殺人で検索
【検索結果が見つかりません】
…?
シャーペンを握る左腕がやけに軽い
傷跡なんてどこにもなくて(傷跡?)
事件なんか何も起きなくて(事件?)
緑色のブレザーには汚れ一つない(緑色だった?)
あー…いい日だな
そんで教室にあいつがいる
『夏□・□□』が
…『臥待・夏報』が(臥待夏報?)
何だよ
夏しか合ってねえよ
何故だか泣きたくなった
ヴァシリッサ・フロレスク
ネタ要員でもなんでも御自由に調理希望!
今よりぶっきらぼうで尖った感じ。スリットロンスカセーラーに鉄板入りチョンバッグ、鉄芯入編上長靴と尖端を槍の如く研磨した鉄パイプを得物に、齢十四にして近隣学区内を制圧した女番長。自他問わず理不尽な暴力へは即武力介入。敵対すれば容赦無しだが、無害な相手には手出しせず、仲間への情は篤い。親無しの根無し草。施設の幼い弟と保証の無い将来への貯蓄の為、年齢詐称し夜勤土方バイトとシマを周る日々。授業は寝てるようで意外と聴いてる。
この世のオワリに頼れンのは自分だけだろ?
と、ツッパっても多感な年頃。やっぱり恋がしたい!
夏報の境遇とスタンスに興味が有り、勝手に目を掛けている。
風見・ケイ
何かを追いかけるのが、何故か好きだった――好きなんだ
星に手を伸ばして掴んだ気になってみて、月を追って丘に登って、猫の後をつけて集会所を見つけて
今、わたしが追いかけているのは、この学園の七不思議。
ね。きみ。
わたしと一緒に、来てくれないかな。
と、ごめんごめん。初等部6年F組、風見慧。よろしくね。
各階にひとつずつ不思議がある。
一から六はなんやかんやで解決して、あとひとつ。
六階建ての七階、屋上で宇宙《そら》に流れ星を七個見つけると……どうなるか誰も知らない。
天国に行けるなんて噂はあるけど、どうだろうね。
……あ、5個目。ね、何か願い事してみた?
わたしは、もう少しこの時間が続けばいいなって、思っちゃった。
ミスティ・ミッドナイト
外見:高校生
精神:そのまま
風紀委員の仕事とは、学校の秩序を守り、生徒が清々しい学校生活を送れるようにすること
不埒な輩には目を光らせ、ときには粛正する
我、生徒の道徳的退廃を潔しとせず――
「もし。そこの方、スカートの丈が合っていませんが。
髪の毛も染めているでしょう?」
最近、服装の乱れが目につきますね。すなわち心の乱れ、非行の始まり。嘆かわしい
こうなったら抜き打ちの所持品検査も実施しなくては
漫画、ゲームは持ち込み禁止。派手なアクセサリーも禁止です
ぷれみさんに至っては存在がモラルハザード。むしろカタストロフ
なんかそんな気がします
処罰の対象者はトイレ掃除という奉仕活動にて罪を贖ってもらいますからね…!
●
バックグラウンドに描かれただけの街並みを通り抜け、正門を潜ればそこは聖域。
――私立煉獄学園は、小中高一貫制度の巨大な学園都市である。名だたる富岡財閥に連なる良家の子女から、様々な事情を抱えた施設育ちの子供まで。分け隔てなく共に青春を送る学び舎だ。
自由な校風。
教師たちは口を揃えて、それこそがこの学園の売り文句なのだと語る。しかして、異なる者同士がそれぞれの『自由』を謳歌するには、何よりもまず『規則』が重要。
「……最近、服装の乱れが目につきますね」
風紀委員長のミスティ・ミッドナイトは、今日も今日とて正門前で生徒たちの登校風景を睥睨していた。
私立煉獄学園の制服はあくまで学部ごとの推奨品であり、校則上は私服登校も許可されている。けれども、その一文を盾にして非常識な振る舞いをしてよい訳ではない。どんな服にも留めるべき箇所があり、結ぶべき箇所があり、閉めるべき箇所があるものだ。
ダメだと言われなければやってもよい、などという考えは、やがて人生の全てを蝕む。
「すなわち心の乱れ、非行の始まり。嘆かわしい」
風紀委員の仕事は単なる答え合わせの作業ではない。学校の秩序を守り、善良な生徒たちがが清々しい学校生活を送れるようにすることこそが最終目標。
不埒な輩には注意深く目を光らせる――までもなく。
非常識を絵に描いたような女生徒がひとり、堂々とミスティの眼前を横切った。
「もし、そこの方」
「あ?」
「スカートの丈が合っていませんが」
「なンだよ、短くないだろ?」
「長すぎるのも考えものですよ」
初夏にも差し掛かろうというのに、冬服ベースの改造セーラーは足首まで届かんばかりのロングスカート。
スリットからちらりと覗く編み上げ長靴(鉄芯入り)と鉄パイプ(仕込み武器)が涼しさを演出しているような気がしなくもないが、どう考えても体温調節以前の問題が多すぎる。
「長さがないと、武器が隠せないんでねェ」
「全く隠れてませんからね?」
隠れていればいいという話でもない。
「髪の毛も染めているでしょう?」
「こりゃ親譲りだッての、……多分?」
「多分とは何ですか多分とは」
眼鏡の下のそばかす顔、鋭い眼光がミスティをねめつける。――中等部二年C組、ヴァシリッサ・フロレスクは、齢十四にして近隣学区内を制圧した女番長であった。そんな彼女に四の五の文句をつけるだなんて、それこそ堅物で名の通った風紀委員くらいのものだろう。
「ああもう、……こうなったら抜き打ちの所持品検査も実施しなくては」
漫画、ゲームは無論持ち込み禁止、派手なアクセサリーも禁止だが、まさか白昼堂々武器を持ち込む生徒が居ようとは。校則はけして暴力に屈しない。私がやらねば誰がやる。粛正です粛正。我、生徒の道徳的退廃を潔しとせず――。
「なーにしてらっしゃるの?」
一触即発の二者の間に、少女の姿が割り込んだ。
「……あなたは」
青空を思わせる長い髪、どこも見ていないような丸い瞳。……中等部らしき生徒の発したその声に、ミスティは思い当たるところがあった。
「ぷれみさん……ですね?」
「あら、学校でハンドルネームを呼ぶのはマナー違反じゃない?」
ヴァシリッサと同じ中等部、こちらは対照的な夏服姿である。服装も髪型も一見整えられてはいるが、校則違反は目に見えるものばかりとは限らない。
「訳のわからないことを……。とにかく、こちらのサイトについて説明していただけますか?」
飾り気のないスマートフォンを起動する。ブックマークから呼び出した画面には、人間の少女をデフォルメしたような奇妙なキャラクターが、首のあたりで途切れて表示されていた。
「一体何ですかこの動画チャンネルは」
「歌ってみた動画中心だけど?」
「問題はこの配信アーカイブです。我が校に関する根も葉もない悪評を……! 全世界に向けて……!」
「……ああ、もしかして、『学校の七不思議』の話?」
視聴者だって本当にプールに死体が浮いているなんて思ってないわよ――と少女は笑う。全く表情を動かすことなく、寸分狂わぬ笑顔のままだ。
反抗的ではないが、従順でもない。その態度に軽いめまいを覚える。明確な違反とは言い難いのは確かだけれども、彼女に至っては存在自体がモラルハザード。むしろカタストロフ。オブリビオンフォーミュラ。……って何でしたっけ。
特に根拠はないけれども、なんというか、そんな気がしてならないので。
「という訳でお二人は処罰の対象者です。……奉仕活動にて罪を贖ってもらいますからね……!」
奉仕活動とは即ち、古式ゆかしいトイレ掃除の任である。……バケツとモップを押し付けられた少女は、ミスティの顔をじっと見つめて。
「『お二人』?」
小首を傾げて、疑問の感情を表した。
「え、……あっ」
ヴァシリッサが居たはずの空白に、ひゅるりと夏の風が吹いている。
●
「『ゲームは禁止』だなんて――」
掃除用具を一人で抱えて、朝の廊下を少女がゆく。
「今、この状況じゃ最高の笑い話よね」
始業のチャイムが鳴るのもさして気に留めず、風紀委員に言いつけられた通りの女子トイレの前で立ち止まる。毎日毎日同じループの授業より、この方がまだクソゲーじゃないわ、と、くすくす笑う。
それに、教室の中で大人が本を開いたら。
「貴女はそう思わない?」
子供同士でお喋りなんてできないものね。
「……見つかっちゃったかあ」
火災報知器の物陰から、初等部の制服姿が顔を出す。
――何かを追いかけてしまうのは、『わたし』のクセみたいなものだった。
目印を決めて冒険をするのが何故か好きだった。って言い方は、なんだか少しおかしいな。……何故か、好きなんだ。
星に手を伸ばして掴んだ気になってみて、翌朝がっかりしてみたり。月を追いかけて丘に登って、帰り道がわからなくなってみたり。猫の後をつけて、草やぶの奥に集会所を見つけて、虫刺されだらけになってみたり。
「わたしが追いかけているのは、この学園の七不思議」
六階建ての校舎の各階にひとつずつ、ちょっと不思議なウワサがある。
「あら奇遇。あたしも同じ話を思い出していたところ。……『花子さん』の正体見たりね」
授業中にトイレに行くと、見たことのない生徒が居る――そんな三階のウワサの真実は、熱心な風紀委員の決めたトイレ掃除の罰だったらしい。
「ね、きみ」
人を追いかけると大抵は叱られるのだけど、彼女は怒っている風じゃなかった。にこにこ笑っているけれど、楽しそうって程でもなかった。だから、手を差し出してみる。
「わたしと一緒に、来てくれないかな」
「残りの七不思議を追いかけに?」
バケツの取っ手を指にひっかけ、くるりと回して。
「今のあたしは『花子さん』、つまり七不思議そのものよ。付いて行ったらカンニングになっちゃうわ」
「そういうものかな?」
「そういうものよ。――まあ、今のあたしは遊未子さんでもあるんだけど」
「……と、」
名前を言われて思い出す。一番大事な、最初の挨拶を忘れてた。
「ごめんごめん。――初等部6年F組、風見慧。よろしくね」
●
さて。
僕は、……誰だったかな。ずいぶんと長く空を眺めていたような気がするけれど。
とりあえず視線を落としてみれば、屋上を囲う金網の向こうに『せかい』が広がっていた。僕が観測し、僕が解釈する世界だ。夏を目の前に控えたプールがきらきら輝いて、さっきまで見ていた青を長方形に切り抜いている。
鉄の扉が開く音がして、舌っ足らずな声が続いた。
「ごきげんよう、生徒会長さん」
「……そうだった」
私立煉獄学園三年B組、生徒会長の鵜飼章だ。
そんな『人間』が授業をサボって屋上で寝ている筈はないし、今はきっと休み時間か何かだろう。そう思ってみれば、ほら、校庭や連絡通路を行き交う生徒の笑い合う声も聴こえてくる。
今日も、世界はひどく美しかった。
生まれて初めて見たんじゃないかと思うくらいに。
「もう――あの子ったら、いくらなんでも風紀委員を張り切りすぎよ」
深刻さの感じられない溜息を吐いて、呼び声の主は僕の隣に並ぶ。少女の浮かべる笑みは静かで、風に煽られて揺れている髪のほうがずっと賑やかだ。
「貴方は生徒会長だから、後でなんとか言ってやってね」
「伝えておくよ。恐怖を与えるやり方じゃ本当の平和は守れない」
「さすが、模範解答」
眉目秀麗、文武両道、品行方正、公明正大――そうやって僕を称える四字熟語なんて幾らでもあって、誰もが誰とでも仲良く話せるこの世界。
「他愛のない非科学くらい、大目に見て頂きたいものよ。裏サイト作って陰口書いた訳でもあるまいし」
当然だ。
この学園にそんなものは存在しない。飼育小屋の兎はみんなの人気者で、血まみれの姿で発見されたりはしない。給食費はそもそも盗まれないから、誰かが犯人にされることも在り得ない。子供の間にいじめはないし、大人も残業で苦しんだりしない。なんにも、ない。
だってそうでしょう。
僕の世界だ。
「――プールに浮いてる死体の話はね。夕方ごろに二階から見るとよくわかる。ちょうど向こうの建物が映って、人影みたいに見えるんだ」
「全反射するのね」
「そう。科学だよ」
君も、僕も、上履きを揃えて飛び降りたりはしない。
……件の風紀委員が不良のひとを追いかけ回している様子が目に入ったけれど、彼女たちだって、取り返しのつかないようなことは絶対にしない。ちょっとぐらい間違えるのが青春というものだ。プールの水面に負けないぐらいにきらめいている。
ああ、今の言葉は我ながら正しい。
「正しいな……」
とても人間的だ。モノローグの中では少々失礼な呼び方をしてしまったけれど、全校生徒の顔と名前だって覚えている。風紀委員はミスティさんで、不良のひとはヴァシリッサさん。隣の君は、……君は。
「高岡さんだよね。――今の僕、ちゃんと人間でしょ」
「百点満点ばっかり取るのを、人間らしいって言うならね」
君は、そんな顔だったっけ。
「ね」
「なあに」
「鵜飼章って、三文字なんだ。――美しくないね」
どちらにしたって五文字の君に、何文字だったらよかったのかは言わないでおく。
●
「――やべえ」
また寝てた。
見れば授業の痕跡はもはや跡形もなく、クラスメイトたちは思い思いに席を立っている。弁当の唐揚げ特有の冷めた油のにおいがするから、これは昼休みのメシ時か。
すっかり板書の消された黒板の片隅に、小さく自分の名前がある。
何の前置きも有りやしない、ただの『柊はとり』の名前だ。
「ってか日直かよ……」
だるい。高等部に上がってからというものの、サッカー部の朝練が異様に早いのがそもそも悪い。初夏の今ならまだマシなほうで、季節によっては太陽と早起き勝負をする羽目になる。
そのうえ身体も動かすわけで、四時間目なんてものは毎日疲労と眠気との戦いだった。三時間目が現代文だったところまでは覚えている。完全敗北じゃねーか。
弁当はないから食堂か、残り時間によっては購買で何か調達するか。この学園はそのへんの選択肢が多くてありがたい。
いつも通りに、時計代わりのスマートフォンの画面に目を凝らす。
数字を確認するより先に、ポップアップの日本語が存在を主張した。
『眠れる森の殺人買ってきて』
「げ……」
新着メッセージは一件、たった一言。
申し訳とばかりに流行のスタンプが添えられているのも余計腹が立つ。こんなものを送り付けてくる奴は、あの生徒会長以外にありえない。どうせまた、退屈だから何か買ってこさせようとか、なんとか、下らない思い付きだろう。生徒会書記って肩書がなけりゃ即ブロックだぞこんなアカウント。
「うぜ……、今時電子だろクソボンボン」
ジャンクフードなんて食べたことありませんみたいな面しやがって。
さて、定番の既読スルーでさっさと忘れるか。それとも無言の嫌味として、電子書籍のアドレスだけ送り付けてやるべきか。そんなことを迷ったのはほんの一瞬で。
「おいコキュートス、『眠れる森の殺人』で検索」
薄暗い画面に、七色の波形が揺らいで消える。
【検索結果が見つかりません】
「…………?」
俺が何かに話しかけたはずの言葉は、『呼吸と』とかいうマヌケな文字列に変換されていた。何が呼吸だ。そんな当たり前のもの、わざわざ検索してどうする。
なんとなく喉に触れてみたって、傷跡なんてどこにもない。
それで、何を探していたんだったか。……『眠れる森』は、興味のない俺でも知ってるようなベストセラー作家の推理小説だ。あんな荒唐無稽な殺人事件なんか、ここでは起きる訳がない。
シャーペンを握りしめたままの左手がやけに軽い。試しにペン回しをしてみると、重さの加減が全く掴めず明後日のほうへ跳ね飛んでいった。それを拾おうと伸ばした腕の、ブレザーの袖になんとも言えない違和感があって、レンズの下の眼を擦る。
自分でも訳のわからない、半分寝たままの思考の中で。
これで良いんだという確信が、妙にはっきりと胸に灯った。
「あー……、いい日だな」
窓の向こうに嵐の気配のない晴天が広がっていて、ちょっとした不満や疑問はほどほどの投げやり加減で流れていって。そうして、そうだ、――教室にあいつが居るはずだ。
目を細めて、隣の席に焦点を合わせる。
「夏――」
「……夏しか合ってないじゃんか」
その声に、夢から醒める心地がした。
……そこに居たのは夏服セーラー姿のちびっこい女子で、黒板のほうを指差して何やら眉根を寄せていた。ぼんやりと視線を移してみれば、『柊はとり』の真横にもうひとつ――『伏街夏帆』という文字列が並んでいる。
確かに、こいつの名前はこんなじゃなかったような気はするが。
「昨日の日直が間違えたんだろ」
「夏報さんをなんだと思ってるの……」
友達でも、ましてや彼女でもなんでもない。同じ生徒会に所属している広報担当で、クラスではあいうえお順で隣になるというだけの――普通の女。名前以外に、変なところのひとつもない。
ぼやけそうな目を、何度も擦る。
「まあいいや……、柊くん、日直忘れないでね。ちゃんと部活に連絡した? きみ前回すっかり忘れて練習直行したでしょ……」
そうやって平凡な長話を聞き流していると、教室のドアが勢いつけて開く音。
「邪魔するよ!」
昼メシを終えた連中が帰ってきたのかと思えば、絵に描いたようなスケバン風の中等部が教室に乗り込んできた。今時マンガでもなかなか見ないぞ。いや確かにアレは変な女だが、多分そういうことじゃねえよ。
そいつはずんずんと歩み寄ってきて、臥待のセーラー服の襟を引く。
「悪いねェ、夏報チャン先輩ちょっと借りるよ」
「いや知らんし」
「えっ突然なに!?」
これは何かの事件なのかもしれないが、俺が巻き込まれないで済むならおおむね平和だ。ずるずると連行されていく臥待を尻目に、時刻表示を確認する。
……仕方が無いから、購買に行くか。
●
「ナメてんじゃねーぞ中坊がオラァ!!!」
「ッさいね雑魚が揃いも揃って。本物の煉獄《プルガトリオ》を見たいのかい?」
「あァ!?」
昼下がりの校舎裏は、エンジン音と怒号に満ちていた。
学園を縁取るフェンスの向こうには、コピー・アンド・ペーストで増やしたような特攻服の男子がずらりと並ぶ。魔改造した単車を携えている個体も確認できた。これが不良のすなるカチコミというものよ。
「ったく、うちの女子にコナ掛けたのはアンタらだろ? 病院送りで済んだコトにせいぜい感謝しな」
それに対するヴァシリッサは、身ひとつで外敵《モブ》を迎え討つ。鉄板入りの潰れたカバンが彼女の盾、尖端を鋭く研磨した鉄パイプが彼女の矛。古式ゆかしいファランクスの構えだ。
「なんで夏報さん連れて来られたの?」
身ひとつというか、正確に言えば舎弟付きである。
「舎弟じゃないよ先輩だよ。くそー、普通の平和な高校生活が送りたい……」
かといって、か弱い女子がこの状況で無防備でいる訳にもいくまい。その辺りに捨てられていた脚立を武器に見立てて、ヴァシリッサの影からそろりと顔を出す。
「うわっ臥待」
カチコミ集団敵の一部が、その姿に明らかな狼狽を示した。
「臥待って確か漁協の……」
「マジかよ……! アイツん家はガチでヤバいって」
「コンクリ詰めで水死体にされるぞ」
「Shit――コソコソ話してンじゃないよ!」
ヴァシリッサの一喝がトドメとなったのか、不良たちは一斉に動きを止めて。
「……きょ、今日のところはこの位で勘弁してやる!!」
ぎん、ごん、がん。
音程の歪んだチャイムの音が、ちょっとした茶番の終幕を告げた。
「……っていうか今ので昼休み終わりじゃんか。五時間目気まずいな……」
「フケちまえばいいだろ?」
「簡単に言う」
役に立ったんだかわからない脚立を投げ捨て、夏報は校舎裏の焼却炉にもたれて伸びをする。
口では文句を言いつつもサボるつもりは満々らしい。さっきだって、必要となれば躊躇いなく不良たちを殴り倒しただろう。……この、言動と行動が妙に一致しない先輩のことを、ヴァシリッサは密かに気に入っていた。勝手に目を掛けている、とも言う。
見たところ金のある家の娘のようにも思えるのだが、自分と同じ根無し草の気配もする。そんな彼女の境遇に興味を持って色々尋ねてはみたけれど、いつも『普通』という答えが返ってくるだけだった。謎だ。水死体って何? こわい。
「まあまあ。埋め合わせはするからさ?」
「えー……じゃあ、」
そんな気を知ってか知らずか、彼女は呑気に空を仰いで。
「このまま放課後付き合ってよ。日直と生徒会が重なっててさ……、帰り、暗くなっちゃいそうなんだよね」
女子の一人歩きは危ないでしょ、と、へらりと笑う。
「了解。バイトの夜勤にゃ間に合うハズだし」
「いやきみ中等部でしょ」
「労働基準法だっけ? 社会科でやったねェ。あンなのどうとでもなるって」
「意外と授業聴いてるんだな……」
「そりゃそうさ。弟はまだ施設だし――」
頼れる親も居やしない。保証のない将来に備えるためには、金だけじゃなくて力も必要だ。土方バイトの年齢詐称に使える知識も、力のひとつだ。
「この世のオワリに頼れンのは自分だけだろ?」
「そっか」
こちらが零した境遇について、夏報は何も尋ねようとはしない。
「てか、弟さんってどんな子? 写真ある?」
それが彼女のスタンスなら、合わせておくのがいいんだろう。
一応ポケットは探ってみたけれど、都合よく写真が入っていたりはしない。というか、今のはもしかしてケータイの写真って意味か。とりあえず、代わりに出てきた十円玉で焼却炉の鉄板に傷をつけていく。
「……何してるの?」
「えっ、そりゃあ……」
視線を落として、頬を赤らめて。
「オマジナイだよオマジナイ。……倒した男の数だけキルマークを刻めば、いつか理想の男に出逢えるッていう……」
「絶対デマだよそれ」
この奇行が一階の七不思議、『焼却炉の幽霊がもがいた跡』として恐れられていることを、当の本人は知る由もない。
●
下校時間。
「はあ……」
渡り廊下の賑わいに、本日何度目かの溜息が掻き消されていく。
「……なんで購買に本があんだよ」
はとりの手には、結局『眠れる森』のハードカバー版が一冊収まっていた。
……四階にある購買はパンなどの軽食が中心で、普段は本なんて売っちゃいないっていうのに。無視しておけば良いものを、結局確保してしまっている自分が悲しい。
「それも七不思議だね」
しかも初等部らしき変な女のオマケつきだった。だから多分そういうことじゃねえよ。
「どんな怪談だよそれは」
「いつもはパンだけの購買だけど、誰かが本を探していたら、必ず置いてあるんだって」
「あー」
多分、アレだ。時計を見たらゾロ目が揃っている、みたいな話と同じ原理だろう。
時々、担当の気まぐれか何かで本が置かれることがあって、それがたまたま探し物だった場合だけ印象に残るというやつだ。そもそも本があることを期待していないから、外れた時は気にならない。
罪もない子供相手に下らん真実をタネ明かしするつもりはないが、そんな簡単なことも分からないようじゃ――。
「あんた、探偵には向いてないぜ」
「ええー……」
不満げな声は放っておいて、新着メッセージを手繰る。
集合場所は、五階の放送室だ。
●
「下の施錠終わったぞ」
投げて渡した鍵束が、窓からの陽射しを受けてきらきら弧を描く。
「さんきゅー」
それを掴み取ったのは、放送室で待ち受けていたもう一人の日直だ。生徒の利用頻度がそれほど高くない放送室は、実質上、生徒会広報である彼女の居城となっている。
「生徒会長どこか分かるか?」
「自分で聞きなよ」
「絶賛既読無視中なんだよ」
「何それ、しょーがないなあ」
そう言ってスマートフォンを操作し始める夏報の傍らでは、ヴァシリッサが工具片手に備え付けの音響機器を弄っていた。開けて、閉めて、斜め四十五度から叩いて、両手を上げて。
「アー……、無理だね。アタシ単車の修理しか知らないし」
「きみ免許取れないはずじゃ?」
夜勤より遥かにまずい気がするので、深くは突っ込まないでおく。
「やっぱ業者に頼まなきゃ無理か……。あのチャイム、無性に気になるんだよね」
「――ときどき聴こえる、歪んだチャイムの音」
突然の知らない声に、夏報が画面から顔を上げる。
「五階の七不思議だね」
「七不思議……?」
「全部の階にひとつずつ怪談があって、それを追っかけてるんだとさ」
面倒くあっそうに解説を加えるはとりの後ろから、慧がひょいと放送室を覗き込む。その幼い面立ちも、考えてみれば声色も、知っているような知らないような――そんなかすかな違和感よりも、くっきりとした疑問があった。
「うちの校舎、六階建てじゃない」
「六階建てには七階があるでしょ?」
鍵束にひとつ、『屋上』の文字が揺れていた。
部屋に差し込む陽光は、気付けばすっかり橙色。
時計を見るより明らかに、子供は帰る時間である。放課後なんて気楽な言葉の出番はそろそろ終わり。ここからは誰そ彼時だとか、逢魔が時だとか、恐ろしげ。
「――行かせてやんなよ」
ヴァシリッサが、視線を動かさずにぽつりと言う。
「子供のオネガイだろ?」
「ま、そうだね。入れてあげるくらいなら」
「マジかよ」
俺はごめんだぞ、とばかりに視線を逸らすはとりに向けて、夏報は肩を竦めて笑う。
「勝手に忍び込まれたりしたら、その方がよっぽど危ないしさ。――事件になるよりいいじゃない?」
「……本当に、」
眼鏡のレンズが、目元を隠す。
「夏しか合ってねえよ」
「ええ……?」
その意味を問い返すより先に、夏報の手元のスマートフォンが無音で震えて通知を伝えた。新着メッセージが、一件。
「ちょうどいいな。会長、屋上にいるってよ」
「は? なんでこんな時に限って」
「じゃあ、みんなで屋上に行くので決まりだね」
上機嫌でくるりと方向転換する慧に、年少が先頭は危なっかしいと判断した夏報が駆け寄って手を繋ぐ。はとりは夕陽とハードカバーを難しい顔で見比べて、ヴァシリッサは工具の箱に蓋をする。
「他に行きたいとこはある? 今のうちにお姉さんに言っておくんだぞ」
「んーと、まだ見つけてない七不思議は……」
一、二、三、四、五、空いた手の全部の指を使って数えて。
「六階の、音楽室。『聴こえたら死ぬリコーダー』のウワサ」
「…………」
「…………」
生徒会二名は互いの表情を伺った。鏡映しのように等しい虚無がそこにあった。
「あれはやめとけ」
「知らない方がいいよ」
●
金網で囲われた屋上は、相変わらず鳥籠のようだった。
でも、もし此処が本当に鳥籠だったとしたら、肝心の蓋が閉まっていないことになる。空に向かってがら明きだ。こんなものに鳥を入れたって、すぐに何処かへ飛んで行ってしまうだろう。
それでいい。
翼なんてない僕たちは、屋上で星を見るだけだ。
「見て、一番星」
屋上の扉を抜けるなり、東の空を指差した誰かが声を弾ませる。
「六階建ての七階、屋上で宇宙《そら》に流れ星を七個見つけると――どうなるか、誰も知らない」
「知らないのかよ」
いかにも不機嫌そうな誰かも、視線は星を追っている。
「大体、そんな都合よく流星群なんて来る訳ないだろ」
「来るよ」
誰かが、妙にきっぱりと口にした。
「この時期は、牡羊座流星群」
「本当かい?」
雲一つない空を仰いだ誰かは、きっと、その向こうに誰かを見ている。
「だったら、アイツにも見えるかな」
「そういうものよ」
隣の誰かが変わらず笑う。
「ラストシーンは、ご都合主義が一番でしょう」
「――やっと見つけましたよ」
そして、……つかつかと階段を登ってきた誰かは。
「下校時刻はとっくに過ぎています。こんなところで皆さん何をしていらっしゃるので?」
「貴女ちょっと流れを読みなさいよ」
「もう逃がしません。こうなったら全員まとめてトイレ掃除に従事していただきますからね……!」
「その話題まだ続いてたの?」
「まあ、良いじゃない」
だから僕も、賑やかな誰かになってみることにする。
「……生徒会長」
「少しくらいルール違反してこそ青春ってものだろうし、――これで、ちょうど七人だ」
ひとりにひとつ。
まず一筋の流れ星が、藍色に染まった空に流れて消えた。
ふたつ、みっつ。
ほんの数分かもしれないし、もしかしたら何時間も経っているのかもしれない。
線形時間軸なんて意味を失くしたこの世界で、僕らはランダムな光を数える。
「本当に七つ、見つかっちゃいそう」
ずっと何かを探していた筈の彼女は、星を見つけるたびにさみしそうな顔をする。
「そうしたら。…… に行けるなんて噂はあるけど、どうだろうね」
その行先が何処なのか。
鳥籠の外に何があるのか。
僕らはもう、うっすらと気付き始めている。
「……あ、五個目。ね、何か願い事してみた?」
「僕は、最後でいいかな。皆に譲っておくよ」
この世界で、叶えるべき願いなんてもうないような気がする。呆けた顔で空を見ている皆も、素敵な恋だとか、平和な世界だとか、そうしたものを願ってみたかもしれないけれど――たぶん、『そうじゃない』。
「わたしは、もう少しこの時間が続けばいいなって、思っちゃった」
「素敵だね、――でも」
そろそろ思い出さなくちゃ。
この世界では叶ってしまった、あるいは絶対に叶わない、本当の願い事のことを。
●
――そうして。
目を醒ました『きみ』が見るのは、いつものゴミ溜め、がらくたの丘ですらない。……もっと見慣れた、普段の寝床だ。
さて、一体どの時点から幻だったのか。夢の中で夢を見ていたような。ゲームの中でゲームを遊んでいたような。キャラクターがキャラクターを演じていたような。そんな曖昧な感覚と、薄らいでいく記憶の中で、ひとつだけ確かだったのは。
『おめでとう、ゲームクリアよ? ――スタッフロールは自己申告ね』
そんな声につられて見上げた夜明けの空に、流れ星が消えていったことぐらいである。
大成功
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