帝竜戦役㉕〜雷雲の中に潜むモノ
●グリモアベースにて
「皆様、また新たな帝竜が発見されました」
グリモアベースで猟兵たちを出迎えたアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)の口から語られるのは新たな帝竜の出現。
「今回発見されたのは帝竜『ワーム』。長大な体を持つ帝竜で、『無限竜』の異名を持ち、周囲に生命体の生まれ得ぬ雷雲の海を広げる他、高度な呪いや魔術を操る能力をも持ち合わせています」
創世雷雲領域の中心で猟兵たちを待ち構える帝竜ワーム。あらゆる生命の存在を拒むその雷雲の中でワームが何をしているのかはわからない。その発言も謎が多く、目的は不明。だが一つ確実なのはこの帝竜もまた、放置すれば何が起こるかわからないということだ。例えこの戦争に勝利をしてもこの帝竜が生き残ればこの世界に何かが起こる。
「おそらくこの帝竜を放置すれば生命体の住めぬ雷雲が広がり、生き物は生きていけなくなってしまうでしょう。ヴァルギリオスの元へたどり着くために、この世界を救うためにこの帝竜は必ず倒さなければなりません」
しかし今回の戦場はワームの生み出した雷雲の中、敵の懐で戦わなければならない。生命体の存在を拒む雷雲の中で戦うということはこれまで以上の危険が潜んでいる。
「ですが皆様ならばこの強大な敵を倒し、次なる戦いへの道を作ることができると当機は信じております。厳しい戦いになるでしょう。どうかご武運を」
こうしてカーテシーと共に猟兵たちの転移が開始された。
灰色幽霊
どうも、灰色幽霊です。
十度の幹部戦となります。
相手は帝竜『ワーム』。
また例の如く今回も『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』ことでプレイングボーナスが発生いたします。帝竜は確実に先制してきますのでどう防ぎ、どう反撃するかをお考え下さい。
今回は幹部戦ですので基本的に『成功』か『大成功』のプレイングのみリプレイを執筆しますのでご了承ください。
その他注意事項などはMSページもご覧ください。
それでは皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『帝竜ワーム』
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POW : ローズ・ブレス
命中した【薔薇の香気を帯びたブレス】の【中に含まれる、邪なる心を増幅させる呪い】が【対象を操る白い仮面】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
SPD : 遺失魔術『ギガンティア』
【自分の分身体】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ : ワーム・サンダー・ブレス
【無数の雷】を降らせる事で、戦場全体が【生命体の存在を拒む雷雲の海】と同じ環境に変化する。[生命体の存在を拒む雷雲の海]に適応した者の行動成功率が上昇する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
リミティア・スカイクラッド
魔女の刻印の「封印を解く」と「オーラ防御」を展開
雷雲から身を守り風神の靴で「空中戦」を挑みます
全速力で空を翔け、魔力をオーラに注いでも
おそらくブレスを完全に防ぐことはできないでしょう
致命傷は免れようとしますが、意識が――
(白い仮面がリムの顔を覆う)
――いいえ、いいえ、わたしは諦めない
穢れた薔薇にも、白の仮面にも、自らの邪心にも
魔女の誇りと共に受け継いだ、この誓いだけは涜せない
エリクシルの輝きに誓って、全ての過去に終焉を
UCを発動、宝石剣の「封印を解く」
胸の誓いを支えに呪いに抗い、全力で吶喊
長くは凌げなくていい、いいえ相打ち上等です
ただ一撃に全てを込めた「全力魔法」の誓剣
ここが、あなたの終焉です
リステル・クローズエデン
生半可な手段では、潰されかねない相手ですか。
ブレスを放つのが先であっても、
命中さえしなければ良い。
ならば、視力+偵察+第六勘で
攻撃の予兆を見切り。
引き付けてからの
足場習熟+環境耐性+電撃耐性で足場確保。
早業+ダッシュ+ジャンプ+空中浮遊。
残像+迷彩+闇に紛れる+目立たないで
一気に加速し攻撃をかわし。
魔装の腕輪による
乱れ撃ち+目潰し+部位破壊の範囲攻撃を行います。
相手の攻撃が当たった場合、
オーラ防御+電撃耐性+激痛耐性で耐え。
呪いは呪詛耐性と破魔で抗い。
限界突破。ユーベルコード発動。
悪影響を放出し、
魔装の腕輪に紫傷石をセットし、
リミッター解除+鎧無視攻撃+全力魔法で砲撃を行う。
あとは、任せます。
ブレイブ・ブレイド
※アドリブ歓迎
POW判定
・敵UC対策
「人びとの祈りから生まれたこの身に
たとえ邪な想いがあるとしても決してお前に屈したりはしないぞ!
おおぉーっ!ブレイブハート限界出力、マックスドラーイブッ!」
(アイテム『ブレイブストーン、ブレイブハート』の力で呪いに対抗する、
使用スキル「限界突破、勇気、優しさ」)
・行動
この鋼の『超重装甲』と
宇宙空間でも活動を可能とする「環境耐性」で周りの雷雲空間を潜り抜ける
雷雲内を通ることで接近をごまかしながら肉薄し
一気に敵の分身体を振り切って
本体へ『ブレイブソード』によるファイナルスラッシュを叩き込む
(地形の利用、空中戦、切り込み、勇気)
この世界を貴様らの好きにはさせないぞ!
クーナ・セラフィン
再孵化能力持ちの帝竜…一体再孵化前にどんな存在だったのかねえ。
攻撃方法的にろくでもないっぽい事は分かるけども。
悪しき心増幅させたり生命拒絶したり。自分の分身召喚してる辺り誰も信じてない…?
まあ考察はさておき、絶対ここで倒さないとね。
ブレスに対しては呪いに抵抗するため破魔の力をオーラに纏わせつつ全力で的を絞らせぬよう走り飛び回って只管回避試みる。
風の符で魔法の準備もしておき直撃受けそうになったら自分を風で吹き飛ばし効果範囲から逃れる。
小柄で助かったにゃーとか冗談めかしつつ油断なく動きを見切り。
ブレスの隙間見切りカウンターで飛び込んでUCの一撃を首とか弱点っぽい所に叩きこむ。
※アドリブ絡み等お任せ
フランチェスカ・ヴァレンタイン
ブレスは視覚と嗅覚、第六感や勘をフル動員して影響範囲を見切っての空中戦機動で回避を
避け切れない場合は命中寸前に爆風を最大に強化したミサイルを一斉発射して至近距離で起爆、ブレス自体を爆風で押し退けると共に吹き飛ばされるに任せて距離を取りましょう
切り抜けましたら最大戦速で仕掛けます
フルバーニアの高速空中戦機動で攪乱しつつ、ワームの長い胴体を旋回するように上昇して砲撃を乱れ撃ち
リミッター解除で諸々の性能が過剰に強化されたUCの不可視の爆導索を光跡に複数本紛れ込ませて
急速離脱で二重螺旋に絞め上げての一斉起爆と参りましょう…!
「そのお姿はお嫌いのようですので、ええ。解放して差し上げます…!」
●誓いを胸に、邪心を越えて
雷鳴轟く雲の中、猟兵たちは帝竜ワームと対峙していた。気を抜けば周囲の雷に撃ち抜かれこの雲の中から排除されるだろう。
「忌々しい……遂にここまで来たか」
雲と雷を統べる竜はその苛立ちを猟兵たちへと向けた。自らの姿にすら湧くその苛立ちは明確な殺意となって現れる。
「この雷は厄介ですね」
「ですがあの竜はここで討たねばならぬでしょう」
リミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)とフランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)は空を翔け、雷を避けながらワームへ近づく隙を伺う。
「あいつらの好きにはさせない!」
「問題はどうやって近づくか、ですか」
「大変だけどやるしかないね」
ブレイブ・ブレイド(異世界勇者ブレイバー・f26959)、リステル・クローズエデン(なんか青いの・f06520)、クーナ・セラフィン(雪華の騎士猫・f10280)もまた質量を得た雲を足場に雷雲を駆け抜ける。
だがそんな猟兵たちを嘲笑うかのようにワームは動き出す。
「ここにも、この世界にも貴様らはいるべきではない。余計なものは不要なのだ」
「―――ッ! まずい!」
クーナの鼻が薔薇の香気を嗅ぎ取った。この雷雲の中に生命体は存在しないはず。それは薔薇とて例外ではない。つまりこれは何かの予兆。
周囲の猟兵たちへ向け、声を発した瞬間にソレは放たれた。
雷雲を掻き分け広がるワームの口から放たれたブレス。それは雲の中を際限なく広がり創世雷雲領域に存在する総ての生き物へ牙を剥く。
「っ!」
リミティアも全速力で空を翔け、身体に魔力を張り巡らせ防御を試みるがこの雷雲の中では自由に空を翔けることもできず徐々に追い込まれていく。気がつけばその周囲はブレスに囲まれ、既に逃げ場は存在しなかった。
魔力を固め、なんとか致命傷を避けようとするリミティア。かろうじてダメージを抑え込むことはできたが呪いにより意識は消えていき、その顔は白い仮面で覆われていた。
「チィッ!」
リステルも背後に迫るブレスへ『魔装の腕輪』で創り上げた砲弾を乱れ撃つことで時間を稼ぐ。質量を伴う雷雲を足場に戦場を駆け抜け回避を続けるが圧倒的に分が悪かった。どれだけ攻撃を放とうとブレスは消滅することなく拡散を続ける。
如何に逃げ続けようとリステルの逃げ場がなくなるのは時間の問題だった。
「私は諦めない―――」
目の前にブレスが迫り、逃げ道がなくなろうとブレイブは一歩も動かない。それは例えブレスの直撃を受けようと耐え切り、再び動くことができるという自信の表れでもあった。人々の祈りから生まれた自分を信じ、ブレイブはブレスと真っ向から相対する。
「さて」
「これはマズいですわ、ね!」
空を舞い続けるフランチェスカとクーナも徐々に追い込まれていく。既に他の3人がブレスに呑まれたことは確認済み。このままでは全員戦闘不能となってしまう。それだけは何としてでも避けなければならない事態。
「……多少の痛みは我慢できますでしょうか?」
「この状況だ、仕方ないね」
意を決した表情のフランチェスカと何かを察したクーナ。問いかけの直後にフランチェスカの腰にマウントされた重雷装ユニットから放たれる数多のミサイル。直接攻撃がこのブレスに無意味なことは既にわかっているにもかかわらずミサイルを放ったのは何故か。
ミサイルはブレスへ向かうのではなく、そのまますぐそばでミサイル同士が衝突し、2人の目の前で爆発する。ありったけの火薬が込められたミサイルの爆発は盛大な爆炎と爆風を生み出し2人の身体と迫るブレスを吹き飛ばす。
「小柄で助かったにゃー」
頭の帽子が飛ばぬように抑えながらクーナは風の魔術符で爆風の進む道を作り2人の身体を爆風から引き離す。
衝撃で身体の節々は痛むがこれで2人はブレスの範囲から何とか逃れることに成功した。
とはいえワームがブレスを止めなければいつかは逃げた先も追いつかれる。
「逃げたところで無駄なこと。その身に潜む邪な心を曝け出すがいい」
ブレスの中に隠された邪な心を増幅させる呪いは白い仮面というカタチを得ることでその対象を意のままに操る。それはブレスを受けた3人の猟兵たちも例外ではなく彼らの動きはブレスを受けたその瞬間から止まっていた。
このまま3人は自らの邪な心に飲み込まれてしまうのか。
―――否、3人は誰一人としてまだ諦めてはいなかった。
「―――わたしは諦めない」
「この身は刃……」
「おおぉーっ!」
3人の顔を覆っていた白い仮面が砕け散る。
穢れた薔薇にも、白い仮面にも、自らの邪心にも負けぬ心が呪いに打ち克った。
そしてリミティアが握る『宝石剣エリクシル』が七色に輝きを放ちワームの放ったブレスの中に一筋の道を創り出す。
「エリクシルの輝きに誓って、全ての過去に終焉を」
先祖代々引き継がれてきた魔女の血筋。誇りと共に受け継いだ誓いがある限りリミティアの心は揺るがず、涜せない。
「壊す……」
そしてその道を駆け抜ける漆黒の影。それは【凶雷放撃・狂装纏醒形態】となったリステルだった。その身を侵す呪いを雷と化し放出。周囲の雷と相殺することで雷雲の中を駆け抜ける。走りながら腕輪に装填された『紫傷石』はリステルに残る全ての魔力を吸い尽くし一発の弾丸となる。
「……あとは、任せます」
ワームへ限界まで肉薄し、放たれたその弾丸は喉元へと突き刺さりワームの動きを一瞬だけ止める。
ブレスのなくなったこの瞬間が最初にして最大の好機。猟兵たちは即座に動き出す。
「ブレイブハート限界出力、マックスドラーイブッ!」
邪心を越え、仮面を捨てたブレイブは虚空より現れたサポートメカたちと合体し【勇者巨神キングブレイバー】へと変身する。そのままブレイブはその身に纏う『超重装甲』の防御力を信じ、自ら雷雲の中を突き進む。
「この世界を貴様らの好きにはさせないぞ!」
「では、わたしは皆様の援護と参りましょう」
フランチェスカはワームへと接近する仲間たちを見下ろしながらワームの胴体を旋回するように飛びながら砲撃を乱れ撃つ。
「忌々しい猟兵どもめ! 私の身体を傷つけるか!」
砲撃の合間に紛れ込ませるように撃ち込まれる不可視のアンカービットと風に乗りワームへと近づいていくクーナの姿。
「悪しき心を増幅させたり生命拒絶したり……キミは誰も信じてない?」
風に乗りながらその手に握る銀槍『ヴァン・フルール』が【騎士猫の介錯】による白百合のオーラを纏う。
「まあ考察はさておき、絶対ここで倒さないとね」
風に乗る騎士猫は雷を操る竜の懐へ。
「うおぉぉぉおおお!!!」
空で華麗な攻防が繰り広げられる中、ブレイブはただ愚直に雷雲の中を進んでいた。思った通りその身体の装甲は雷を通さずダメージは無視できる。人々の祈りから生まれたブレイブはその出自故にワームの考えを真っ向から否定していた。
「例え貴様がどれだけ凄かろうと生き物の存在を認めない貴様を私は認めない!」
祈る誰かがいなければブレイブはここにはいなかった。だからブレイブはその存在を認めぬワームを認めない。
雷雲を抜け、勇者巨神は天地開闢の竜に迫る。
「―――行きます」
世界を守るという誓い。それを七色の輝きに込めリミティアは空を翔ける。呪縛から逃れることはできたがブレスと呪いはリミティアの身体に無視できないほどのダメージを与えていた。剣を振うことができるのは一度。それはリミティア自身もわかっていた。
だからこそ胸の近いを支えにリミティアは全力でワームへと吶喊する。七色の光は収束し、姿を現すのは【魔女の誓剣】。この刃を届けるために。
魔女は誓いを胸に無限竜に剣を振るう。
「貴様らなど私のローズ・ブレスで―――」
猟兵たちの接近に合わせ再びブレスを放とうと大きく広げられたワームの顎が突如として塞がれる。
「そのうるさい口は塞いでしまいましょう」
それはフランチェスカの手で打ち込まれたアンカービットに繋げられた爆導索によるもの。【虚空に踊り 繰り爆ぜるもの】で創り上げられた不可視の爆導索がワームの身体を絞り上げ、その身体の自由を奪う。
暴れまわるワームの身体をいつまでも拘束することはできない。
だが竜を討つ刃は既に喉元に突きつけられていた。
「―――動かないでね?」
「ファイナルスラァァァァッシュゥゥゥ!!!」
「ここが、あなたの終焉です」
騎士の銀槍が、勇者の剣が、魔女の誓剣が帝竜へと叩き込まれその身体を斬り裂き穿つ。
「そのお姿はお嫌いのようですので、ええ。解放して差し上げます……!」
そして3人の離脱に合わせ起爆される爆導索。
雷雲の中、雲を吹き飛ばしかねないほどの爆発が主たる竜を呑み込んだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
パル・オールドシェル
ワームを名乗るからには僕の担当です。
もしかすると貴方は宇宙モンゴリアンデスワームの血統ではないのかもしれない。でも、遍くワームを管理するのが戦争を終えた僕の新しい使命ですから!
貴方にもここでおとなしくしてもらいましょう!
さて、そちらが分身体を呼び出すのならば此方も同じ様に対抗するまで。
盾受けでいなし、攻撃パターンを情報収集。
僕がどれだけ傷ついても問題ありません。
本命はこの子。行きなさい宇宙モンゴリアンデスワーム(幼体)、ご飯の時間です!
S.M.D.W! 海洋モンゴリアンデスワームに進化してあの大蛇を丸呑みに!
無理でも食らいついて仲間が攻撃する隙を作るんです! キミはできる子、頑張って!!
グロリア・グルッグ
生命を拒む雷の海…雷使いの私としては妙に惹かれるものがあります。
そういうリスキーな戦場は得意中の得意ですよ、ええ。
装備中アイテムの制電回路を命綱とし、致命傷の恐れがある箇所に落雷を受けた場合は体外へと雷を逃がせるようにしておきます。
落雷そのものは受けると覚悟を決め、出力全開にしたオーラ防御と持ち前の電撃耐性で凌ぎます。
反撃には重装甲レギオンを展開させ、人海戦術で攻め立てます。
同時に戦車に搭載したミサイルを一斉発射することで空からも爆撃し、レギオンの攻撃をサポートしましょう。
運良く喰らい付いたレギオンには敵のデータを解析させ、全機に共有させながらより効果的に攻撃させます。
●その名を超えて
全身を焼かれ、ワームは雷雲の中に沈んでいく。
「許さん……」
しかしワームはただ堕ちるだけではなく自らの分身を生み出し、猟兵たちに差し向ける。それは既にこの失われた魔術、その名も遺失魔術ギガンティア。
「貴方の相手は僕たちです!」
「私たちがお相手しましょう」
パル・オールドシェル(惑星の守り人・f10995)とグロリア・グルッグ(電脳ハッカー・f00603)が分身体と対峙する。
周囲の落雷を避けながら分身体へと迫る2人。姿形はそっくりだが本体の性能を総て引き継いだわけではない分身体はその身体一つで2人を迎え撃つ。とはいえこの戦場には常に雷に満ちている。その雷にも注意しなければならない以上、普段とは勝手が違う。パルとグロリアはそれぞれ自らの纏う装備に処理を施し、雷から逃げることで何とか戦闘を続けていた。
「―――戦争を始めましょう」
雷雲の中召喚されるグロリアの【電脳禁術・機甲師団】による重装甲人型機械歩兵たち。質量を持った雲の上を進軍し、狙うのは頭上で暴れまわる分身体。パルも『アイギスMk-Ⅸ』を構え、分身体と攻防を繰り広げる。
ワームのユーベルコ―ドを使用しないとはいえその大きな身体はそれだけで脅威だった。それに加え、本体ではなく分身体である以上ダメージを気にする必要もなくただ暴力の塊となることができる。機械歩兵たちも攻撃を続けるが未だ決定打は生み出せずにいた。グロリアもミサイルランチャーからミサイルを雨の様に撃ち続けるが分身体の動きは止まらない。
「くっ!」
盾を構えたパルが分身体の体当たりで大きく弾き飛ばされる。これで何度目かはわからないがパルの身体には少なくない傷が刻まれている。だが、ここまでのパル自身の戦闘と機械歩兵たちの収集した情報でワームの攻撃パターンの把握はほぼ完了していた。
「行きなさい宇宙モンゴリアンデスワーム、ご飯の時間です!」
そしてパルの手から放たれる『宇宙モンゴリアンデスワーム(幼体)』、小さいながらも帝竜と同じ名前を冠すそれは雷雲の中を進んでいく。これまでの戦闘から分身体は自ら進んで雷雲の中を攻撃しないということはわかっている。だからこそモンゴリアンデスワームはその中を進む。
雲の海の中を進むモンゴリアンデスワームはパルの【S.M.D.W.】によりこの場に適した進化を遂げる。宇宙ではなく海洋に適応する様に。
「キミはできる子、頑張って!!」
雷雲の中より突如として現れた分身体と同サイズのモンゴリアンデスワーム。それはそのまま分身体へと喰らいつくと、お互いの身体を絡ませるように締め上げる。
「今よ! 全弾発射!!!」
そしてそこへ放たれる機械歩兵の一斉射撃とグロリアのミサイル。
ミサイルと銃弾の雨に呑まれ、分身体は絡みつくモノと共に雲の中に消えていく。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
メイスン・ドットハック
【WIZ】
雷じゃろーと、僕等を止めることはできんけーのー
人ってのは苦難ほど挑みたくなるけーのー
先制対策
揚陸艦ロストリンクに搭乗して参戦
電脳魔術で電を特大避雷針に誘導する電磁フィールドを展開し、なるべく直撃を避ける
また電脳AI3基による、未来予測・回避制御・行動予測を担当させて強烈な雷や雷雲をできるだけ回避
撃墜も覚悟で突き進む
先制後はUC「倫敦は霧に包まれて」の紫霧型AIを呼び出し、強烈な電撃を霧散させる拡散電波兵器を作って防御
さらに体内の電流を誘導させて大爆発を起こす寄生型避雷針を生み出し、艦内のレールガンと共に射出して、帝竜ワームにダメージを与えていく
アドリブ絡みOK
ガルディエ・ワールレイド
頻繁に雷撃を使う身だが……少しだけ今まで倒したオブリビオンの気持ちがわかるな。
それでもオブリビオンは討つのみだが……無論、今この場でも。
◆行動
武装は《怪力/2回攻撃》を活かす魔槍斧ジレイザと魔剣レギアの二刀流
鎧無し
絶縁体のボディスーツ着用
《電撃耐性/オーラ防御》で雷への耐性を高め、更に《念動力》で武器を浮かべて避雷針として使用する事で、敵の先制攻撃に耐える
反撃には【雷霆の竜騎士団】使用
雷を操りあらゆる環境で飛翔する彼らなら、この環境に完全に適応出来る筈
召喚した竜騎士の一体に同乗して敵へ接近
周辺の雷をコントロールさせながら、集団で飛翔突撃をかけさせるぜ
俺自身も勝負どころで飛び降りて近接攻撃
ノイジー・ハムズ
倒さねば世界が滅びるのなら…
今日の戦いは遊びではありません☆
無数の雷を降らせるならば、狙いを定めている訳ではない筈。少しの猶予はあるかもしれません!
そして、コントロールしていないなら…自然界の雷と似た動きをする筈!
【属性攻撃】【全力魔法】で、一瞬でいいので高い水柱を起こします!
その隙に…雷鳥樹を多重召喚。それぞれ、高く聳えて避雷針となれ!
元々帯電していますので電気も流れやすく、耐性もあります!
環境が生命を否定するなら…生物は進化していくだけ。それが自然の摂理!
雷鳥樹!
蔓を伸ばして、帝竜を絡めとれ!
【限界突破】…大魔剣『ホープ・テンペスト』に全力の魔力を注ぎ込み、巨大な魔法の刃で叩き切ります!
メンカル・プルモーサ
…ふむ、雷雲の海に潜む巨大な竜、とね…
しからば改造装甲車【エンバール】を絶縁処理して対抗するとしようか…
マインドミナBVAの装甲を用いて術式で特性を変えることが出来るからね…
…これで雷雲対策をしていざ勝負…
…まあ対策したからって当たる必要もないよね…運転によってワームからの攻撃やら雷を避けつつ時間稼ぎ…
…【竜屠る英雄の詩】を発動して装備武器と車に竜殺しの概念を付与するよ…
…地形を利用してワームの背中にジャンプ…そのままタイヤで背中を抉りつつ頭へと向かうよ…
…頭に着いたら保護術式を纏ってドアを開けて頭に黎明剣【アウローラ】を射出術式でぶっ刺してドア閉めて脱出…アウローラは転送術式で回収しよう…
神宮寺・絵里香
●心情
・雷の竜か。久々にアレ使うか。バカ娘の技だがこういう時には便利だ。ま、折角だ。ゴッドハンドらしい戦い方でもするか。
・ではやるか。
●先制攻撃
・降って来る雷については、雷槍を投げて避雷針にしたり、雷属性のオーラや電撃耐性でダメージを軽減して耐える。
・雷が収まり地形が変化してから、こちらも高速詠唱からUCを発動し、雷神化。雷を吸収して能力を上昇させ、呪詛の技能で生命を拒む呪いを解析し適応、雷雲の海という地形を利用して強化を図る。これでこっちも環境に適応したって言えるだろ。
・後はフェイントを交えつつ、攻撃を見切り高速で接近。飛び蹴りを顎に叩きこんだ後、破魔の力を込めた連続格闘攻撃を叩きこむ。
●雲の海を進むモノ
分身体を倒した猟兵たちだったがその間にワーム本体は再び戦闘が可能になるレベルまで回復していた。ローズ・ブレスこそ放つことはできないが身体に付けられた傷のほとんどが塞がっている。
「やはり貴様らは不要……ここから消えるがいい」
雷雲の中で降り続ける雷の数が増える。これまでも生命体にとって過酷な環境ではあったがもはや今ここに生命体は新たに生まれることはないだろう。外から迷い込んだ生命体も雷に焼かれ、朽ち果てる。生命体の存在を拒む雷雲の海が今ここには広がっていた。
「海を進むには船じゃろー」
メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は他の猟兵たちも載せ、『ロストリンク【ワダツミ級強襲揚陸艦・帝竜ワーム竜鱗装甲型】』へと乗り込んでいた。生命体の存在を許さぬ海だが科学の粋を集めて作られたこの船ならば猟兵を運び進んでいける。周囲で轟く雷は電脳魔術により展開された電磁フィールドを沿うように船から反れ、併設された避雷針へ吸い込まれていく。進行のルートも電脳AIが未来を演算し指し示す。
しかしそこまでしても無傷とはいかず雷が掠めるごと船にダメージは蓄積されていく。
「パープルミスト散布じゃー」
メイスンも【倫敦は霧に包まれて】を発動し、船の周囲に紫霧型電脳AIを召喚。電撃を霧散させる拡散電波兵器で少しでも雷を散らすがそれも時間稼ぎにしかならない。
「あとは頼むけーのー」
「応よ!」
艦載レールガンでメイスンがワームの注意を引き付ける間に他の猟兵たちも自らの準備を整える。ガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)も艦の中で【雷霆の竜騎士団】を発動し、艦の周囲にリザードマンと飛竜による竜騎士団を召喚する。本来であれば生命体は存在すらできぬこの雷雲の海。だがユーベルコ―ドはその理すらも捻じ曲げここに騎士たちを呼び寄せた。
雷を操る権能を持つ騎士たちはその身に迫る雷撃を捻じ曲げ、ワームを取り囲むように陣を敷く。
「……準備は?」
「おっけーです☆」
「いつでもいい」
ロストリンクの格納庫に停まる一台の装甲車。それはメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)が準備していた『改造装甲車【エンバール】』。この戦場を駆け抜けるため装甲に絶縁処理の施されたそれに乗り込んでいたのはメンカルを含め3人の猟兵。ノイジー・ハムズ(夢幻の英雄の導き手・f14307)と神宮寺・絵里香(雨冠乃巫女・f03667)を乗せたエンバールは格納庫のハッチが開くのを待っていた。
『いけるとこまでは行くがあとは頼むけーのー』
「……了解」
開いたハッチから見えるのはワームの体表のどこか。そこがどこかはわからないがワームの身体は一本道。進み続ければいつか頭部に辿り着く。
メンカルはアクセルを踏み込み格納庫から飛び立った。
雷雲対策は施されているが雷の直撃を受ければエンバールと言えども無傷では済まない。故にエンバールが走り続ける間、雷を防がなければならない。
「来てください! 雷鳥樹!」
ノイジーの呼び声に応え雷雲の中から生える【雷鳥樹】。高く聳え立つその魔法植物は避雷針となり、雷を呼び込む。自らも帯電するその樹は降り注ぐ雷を受け流し雷雲の中へと溶け込ませていく。
雷の脅威が取り除かれればあとはただひたすらに走り抜けるのみ。ワームの背中へと降り立ったエンバールは【竜屠る英雄の詩】により竜殺しの概念を付与され、ワームの背中に轍を刻みながら頭部へ向けて駆け上がる。
「忌々しい……いくら存在を否定しても現れる虫けら共め!」
周囲に聳え立つ樹、自らを囲む竜騎士、雷雲の中を進む船。そのどれもかもがワームにとっては許しがたいモノたち。
「私に勝てるものなど、この世にありはしないのだ……!」
「そいつはどうかな!」
いつの間にか飛竜に跨り、ワームの眼前まで迫っていたガルディエ。周囲の樹に雷が反れてくれたことでここまで近づくことができた。
そしてそこへもう一つ光が現れる。
「―――さ、やるか」
それは【雷装天女・白百合】により羽衣纏う雷神となった絵里香。エンバールから降り、雷となってここまで駆け抜けてきた。絵里香の纏う羽衣は周囲に満ちる雷を吸収し、それを新たな力とする。
「きさ―――」
2人の接敵に気づき動き出そうとするワームの顎へ叩き込まれる絵里香の飛び蹴り。本来であれば蚊に刺されて程度にしか感じぬはずのサイズ差。だが今の絵里香にはそんなサイズ差を物ともしない力がある。顎を蹴り砕かれ動きの止まるワームへガルディエと絵里香の連続攻撃が振るわれる。
「うぉぉぉぉおおお!!!」
魔剣と魔槍斧の連撃。ワームの鱗は硬く、刃を通さないがそれでもガルディエは一点に集中し武器を振るい続ける。周囲の竜騎士たちも得物を次々にワームの身体に突き立て小さな傷を刻んでいく。
絵里香とワームの相性は最悪だった。絵里香にとっては最高の、ワームにとっては最悪の関係。
どうしてもサイズの関係上初速は絵里香が勝る。だが圧倒的なサイズ差で攻撃を受け止めてしまえば初速の差など関係なかった。しかし雷神と化した絵里香の一撃は簡単にワームの全身を揺らす。雷雲の満ちる雷を吸収することで絵里香の力は限界を超えていた。もちろんそこまでの力の行使に代償がないはずがない。その身体は徐々に雷に蝕まれていく。長期戦となればワームに軍配が上がるだろう。故に今この瞬間に絵里香は全てを賭ける。
右の拳が牙をへし折り、回し蹴りが骨を砕く。
「邪魔だ」
無慈悲に振り下ろされた手刀がワームの角をへし折った。
「……よし」
「いよいよですね☆」
メンカルとノイジーも遂にワームの頭部へと到達。これで準備は整った。
「雷鳥樹! 蔓を伸ばして、帝竜を絡めとれ!」
ノイジーに従いワームを取り囲む樹から伸びる蔦。それはワームの身体を絡めとり、その動きを封じる。長くは続かぬ拘束ではあるがこれでワームの動きは止まった。
「…いくよ……」
そしてエンバールのドアが開け放たれ、そこから飛び出す妖精と一本の剣。ノイジーは『大魔剣『ホープ・テンペスト』』を構え、メンカルが射出した『黎明剣【アウローラ】』と共に空を翔ける。1人と1本が目指す先はガルディエが斬り続けたその一点。度重なる攻撃で罅が入り、剥がれ落ちた喉元こそがワームにとっての逆鱗となっていた。
そこへ振るわれる3本の剣。妖精の魔剣、騎士の魔剣、魔女の銀剣が逆鱗を切り裂きワームの喉に穴を穿つ。
エンバールはそのままワームの頭部を駆け抜け、ノイジーとガルディエを回収しワームの身体から飛び立つとそのまま予め合流ポイントで待機していたロストリンクの甲板へ着艦する。
『時間ぴったしじゃのー』
「……あとはよろしく」
これまでの戦況を分析し、パープルミスとは一つの兵器を作りだしていた。ワームの表面を覆う鱗による防御は堅牢。それを貫きダメージを与えるのはそう簡単なことではない。竜騎士の武器も艦載のレールガンでもワームにダメージは与えることができなかった。故にAIが導き出した答えは内部からの破壊。ワームの体内を駆け抜ける電流を誘導し、体内で炸裂する寄生型避雷針をパープルミスとは創造していた。しかしそれを体内に打ち込むためには突破口が必要。その突破口を作るためにメンカルたちは全力を賭けていた。
「お前が世界だろうとお前以外が存在しないならお前に価値はない」
絵里香の蹴りがワームの顎を跳ね上げ、喉元の傷が露わになる。
ロストリンクから放たれた弾頭は傷口からワームの体内へと侵入し、仕込まれた寄生型避雷針がその根を伸ばす。
体内に満ちる電流を限界まで蓄積し、避雷針は成長を続ける。
―――そして限界を超えた瞬間に体内で爆発し宿主の身体を木端微塵に吹き飛ばす。
爆発により生命を拒む雷雲は消滅し、周囲に蒼穹が広がる。
世界を自称した竜は消え、戦いは終わった。
猟兵たちはこの世界に生きる総ての命を救うため、この戦場を後にする。
大成功
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