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帝竜戦役㉗〜ダイちゃん・マスト・ダイ

#アックス&ウィザーズ #戦争 #帝竜戦役 #帝竜 #ダイウルゴス #群竜大陸

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「方針は定まった。後は行動あるのみ。反対派の上げる猟兵の危険性という意見は確かに汲むべきところがあるが、それ以上に猟兵をダイウルゴス文明へ組み込める可能性を考えると、むしろ積極的に交戦すべしという意見が多数派となるのもむべなるかな」
 黒き竜は独り言……否、『99人言』を漏らしながら翼を広げる。
「全ては、グリモアを手にする時の為に……」
 99の総意を、たった一つの口が呟いた。


「皆々様方、日々の戦働き誠にお疲れ様にござる」
 グリモア猟兵シャイニー・デュール(シャイニングサムライ・f00386)は、並ぶ猟兵たちに深々と一礼した。
「此度、新たな帝竜との戦と相成り申した。その名はダイウルゴス。こやつは『ドラゴンテイマー』なる者と99体のドラゴンの融合体であり、己を『ダイウルゴス文明』などと称しております」
 その中に100の意思を宿しながらも厳然たる合議制を敷き、その足並みに乱れはない。
「この者は他の帝竜をその中に取り込もうとしている、帝竜側にとっても獅子身中の虫とも言える存在にござる。さらに最終目的としてはグリモアさえも……」
 以前の戦争からしばしば現れていた、グリモアを狙うオブリビオン。ダイウルゴスもまたその一体ということだ。グリモアは最早猟兵だけの秘事ではない……そういうことか。
「この者はヴァルギリオスの死と共に本格的に行動を起こすつもりでいる模様。何としてもここで討ちとらねばなりませぬ。では能力の説明をば。ダイウルゴス文明軍と称する小型の己の分身を多数召喚しけしかけてくる技。分身はまさに無数にいる上、合体することで強力になっていきますのでご注意を。己の中での合議のため、あえて不利な行動を取ることで己を強化しても来ます。例えば速攻派に猟兵の力を見せるためあえて攻撃を受けてダメージを見せ、堅守派に意見を纏める、といった感じでござろうかな。あくまで一例ではござるが。さらに恐るべき技として、見えざる文明侵略衝撃波なるものを放ち、なんと自らダイウルゴス文明の一部となろうとする意思を起こさせてしまう、というものもあるでござる」
 洗脳とはいえあくまで自分の意思での融合を望ませる、あるいはこれこそが合議を持って動くダイウルゴスの真骨頂と言える技なのかもしれない。
「帝竜、そして強豪オブリビオンの例に漏れず、ダイウルゴスはこれらの技を必ず先制で放ってきます。いかに防いで切り返すか、それが問われる戦いとなりましょう」
 やはり後手に回らざるを得ない戦いにはなるようだ。だが猟兵とてそのような相手を何度となく屠ってきたのだ、決して勝てない相手ではないはず。
「なに、ドラゴンが99匹いるのなら99の首級を取ればいいだけのこと。皆様になら能い申す。必ずやその首でダイちゃん塚を築きましょうぞ!」
 最後に何か気の抜ける呼び名を叫びつつ、シャイニーは猟兵を現地へと送り出した。


鳴声海矢
 こんにちは、鳴声海矢です。
 帝竜戦役10本目はダイちゃんことダイウルゴスとの戦いです。
 今回のプレイングボーナスはこちら。

『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』

 大ボスの例に漏れずダイウルゴスは猟兵の能力に対応するユーベルコードで『必ず』先制攻撃をしてきます。これにどうにかして対処することでプレイングボーナスが得られます。持てる能力を駆使しうまくしのぎ切ってください。
 また、このシナリオは『やや難』です。それ相応に判定を行いますので、ボーナスだけに頼らずそこからの戦闘もしっかり行ってください。
 なお帝竜戦なのでお宝はありません。ご了承ください。
 それでは、多数の文明をなぎ倒す無双のプレイング、お待ちしております。
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第1章 ボス戦 『帝竜ダイウルゴス』

POW   :    ダイウルゴス会議
自身の【体内の無数のダイウルゴスによる合議制】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    ダイウルゴス文明軍
レベル×1体の、【眼球】に1と刻印された戦闘用【小型ダイウルゴス】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    文明侵略衝撃波『フロンティア・ライン』
【四肢のどれか】から【見えざる文明侵略衝撃波】を放ち、【ダイウルゴスの一部になりたいと望ませる事】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:棘ナツ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ケルスティン・フレデリクション
…うーん、他の帝竜達とも融合するって、どういうことなんだろう…仲間割れ…?

先制攻撃には【ひかりのまもり】を使うね。
仲間達を守るときにもこれを使うよ。絶対に破られない無敵の光の壁だからね!

攻撃は氷の精霊のルルにお手伝いを頼んで、氷の【属性攻撃】を行うよ
【全力魔法】【範囲攻撃】で氷の雨を降らせるね。
 
私への攻撃は【激痛耐性】で我慢。痛いけど…

皆を守るため、この世界を守るために、頑張って戦うよ。


オーガスト・メルト
よお、久しぶりだな。いつぞやの戦争以来か。
という訳で、今回はお前を武器素材として狩らせてもらう。

【POW】連携・アドリブ歓迎
デイズは肩の上で待機、ナイツはバイク形態にして【騎乗】して会敵する。
初手で不利な行動を取るというならこちらの初撃は当たるのか?
すれ違いざまに炎の【属性攻撃】の【二回攻撃】をしよう。
それに対抗して身体能力を増大させたなら、こちらは暫く【見切り】、【逃げ足】と【残像】で回避に徹する。
デイズ、念の為に【竜鱗飛甲】召喚での緊急防御も準備しとけ。『うきゅ!』
隙を見てUC【赤光断雷】で敵の強化を解除。
そしてランス化したデイズでの【鎧無視攻撃】の【ランスチャージ】が本命だ!



「……うーん、他の帝竜達とも融合するって、どういうことなんだろう……仲間割れ……?」
 ケルスティン・フレデリクション(始まりノオト・f23272)はダイウルゴスの目的に対して首を傾げる。曲がりなりにもヴァルギリオスに協力する意思のあった他の帝竜たちと違い、ダイウルゴスは元からヴァルギリオスを利用するつもりのようにも見える。他の帝竜たちが彼の目的を知っていたかは定かではないが、どちらかと言えば裏切り、あるいはそもそも仲間のつもりがなかった、とも言えるのかもしれない。
「よお、久しぶりだな。いつぞやの戦争以来か。という訳で、今回はお前を武器素材として狩らせてもらう。」
 オーガスト・メルト(竜喰らいの末裔・f03147)はダイウルゴスに対し、バイクに変形させた『ナイツ』にまたがり、『デイズ』を肩に乗せてそう言った。倒した竜を武具に加工する技術を持つ彼には、ダイウルゴスも素材の一つに他ならない。その目に映るはかつて先祖が屠ったという竜か、あるいは。
 ともあれ、ダイウルゴスと猟兵との戦端は開かれた。
 普通ならここで帝竜からの強力な一撃が先んじて放たれるところであろう。しかし、ダイウルゴスは動かなかった。まるで猟兵の出方を窺っているかのように。
「初手で不利な行動を取るというならこちらの初撃は当たるのか? 舐めやがって」
 ならばお望み通り。そう言うが如く、オーガストはナイツを発進させ、『焔迅刀』を片手で構え猛然と突進した。そのままダイウルゴスの脇を抜け、すれ違いざまに二太刀。二重の炎の軌跡が交差し、ダイウルゴスの黒い鱗に紅蓮の×字を刻んだ。
「熱い、速い、深い……目立った欠点は見当たらず、さらに竜に的を絞った対応を心得ていると見える。実力のみならず知識も危険。この者は融合を諦め、この場で抹殺することを提案する!」
 そう言ってダイウルゴスは、巨大な前足を振り上げオーガストを踏み潰しにかかった。その足の横、オーガストが切りつけた場所は既に炎が消え、鱗の傷が塞がり始めている。提案と同時に意思がまとまったのだろう、ダイウルゴスの能力は明らかに強化されていた。
 オーガストは残像が残る程の速さでバイクを動かし、一先ず逃げに徹する。それと入れ違うように、ケルスティンが前に踏み出した。
「きらめき、まもって!」
 ケルスティンの前に輝く光の盾が姿を現す。それは大きく広がり、強化されていたはずのダイウルゴス一撃を受け止めた。
「この盾……ただ硬いというわけではないようだ。一定の条件下で無限の耐久を得る類のものと推察される。故に盾ではなく術者自身を狙うことを提案する!」
 ケルスティンの【ひかりのまもり】を追加議題とし、正面攻撃ではなく術者狙いでまとまるダイウルゴス文明。ダイウルゴスは光の盾を足場にし、もう片方の前足を上げることでそれを乗り越え、ケルスティンを踏み潰そうとした。
 それは縦の後ろ側に届き、ケルスティンに降り注ぐ。とっさに身をかわすが、僅かに掠めただけで激痛がケルスティンを襲い、その動きを鈍らせた。
「凄く、痛いけど……ひかりのまもりが、破られたわけじゃないもん……! ルル、お願い……!」
 敵は守りを破れないから自分を狙った、そう考えることで盾の無敵を維持し、氷の精霊ルルを攻撃に当たらせた。ルルは氷の雨を降らし、ダイウルゴスの体に広く氷を張り付けていく。
「皆を守るため、この世界を守るために、頑張って戦うよ」
 ケルスティンの凛とした決意の声が戦場に響いた。
「こんな小さい子に庇われてちゃ男の沽券に関わるな……デイズ、念の為に【竜鱗飛甲】召喚での緊急防御も準備しとけ」
 攻撃をケルスティンが受け止め、意識がそちらに行っている間にオーガストは転回、再度の攻勢のためナイツを走らせる。オーガストの指示にデイズも『うきゅ!』と答え準備万端だ。
「我が抜刀に……滅せぬものなし」
 ケルスティンの横を走り抜け、再度ダイウルゴスに走り寄るオーガスト。すれ違いざまに、【赤光断雷】を込めた一撃をダイウルゴスに叩き込んだ。
 その瞬間、大きくぐらつくダイウルゴス。
「ぐっ……矛を喰らえ、盾を砕けだと……一度まとめた意見がなぜ!?」
 どうやら中で再び意見が割れ始めたらしい。オーガストの一撃でユーベルコードによって統一されていた意思が揺らいだのだろう。
「ルル、もう一度……!」
 そこにルルがさらに氷の雨を降らせ、鱗を超低温で氷漬けにする。
「本命はこっちだ! 貫け!」
 その氷に、ランス化したデイズを構えたバイクによるランスチャージが叩き込まれた。速度と重量の乗ったその突撃は、氷とその奥で冷え切っていた竜の体を、深く穿って砕く。
「ぐおぉぉぉぉぉぉぉ!!」
 ダイウルゴスの絶叫は、意思統一で動く竜を矛と盾の異なる二つの力が上回った証であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

灘杜・ころな
今度の帝竜との戦場は、結構荒涼とした土地みたいやね。
なら、乾いた砂も多そうや。砂を【念動力】で前方に巻き上げて、それが向こうの先制攻撃の見えへん衝撃波で弾かれる様を観察して、回避に活かすで。

先制攻撃を凌いだら……(《降神・天照》発動、人格も変化)――妾の番じゃ。
ダイウルゴスは、数多の人格が協議して行動の方向性を決めておるそうじゃのう?
ならば、先制攻撃が凌がれた後に次の動きに移るのも、協議を経るせいで他の帝竜より遅そうじゃ。
その隙に、妾の灼熱の巨大光球を彼奴の頭上から叩き落としてくれよう。
空を飛ぶ者は、案外頭の上は見えておらぬものじゃ。

身の内の99の頭、揃えて妾に垂れよ。
頭が高い、愚物共が!!



「今度の帝竜との戦場は、結構荒涼とした土地みたいやね」
 灘杜・ころな(鉄壁スカートのひもろぎJK・f04167)はダイウルゴスの座す大地を見回してそう言う。黒く染まったその地は岩や土、砂などで構成されており、いかにも不毛の地、といった趣であった。
「単騎で挑んできたならば策ありと見るが妥当。されど個の力においてはこちらが上。文明侵略衝撃波にて早期に融合を図るが最善か」
 ダイウルゴスは相手の出方を見すぎて後れを取った先の一戦を反省したか、先制で文明侵略衝撃波(フロンティアライン)を放った。
 それに対しコロナは念動力を集中。狙いは文明侵略衝撃波……ではなく、眼前に広がる荒れた大地だ。
「よっしゃ! 巻き上がったで!」
 念動力により、乾いた大地が黒い土煙を舞い上がらせる。そしてその煙は、何かが突っ切って行くかのように高速で切り裂かれて行った。
 文明侵略衝撃波そのものは見えなくても、衝撃波であるからには触れたものを弾き飛ばして通っていくはず……そう考えたころなの策はぴたりとはまった。文明侵略衝撃波はころながあげた土煙を切り裂いて、見えないはずのその姿を露にさせられていた。
 ころなはその軌跡を見極め、その軌道上に立たないよう身をかわす。直後、後ろにあった大きな岩が、まるで巨大な鉄球でも叩きつけられたかのように粉々に砕け跳んだ。
「ひゃ~……避けといてよかったわ……」
 融合するに足らぬものを選別する用途でもあるのか、洗脳用とは思えないほどの破壊力にころなは肝を冷やす。しかしその表情は、すぐに別のものへと入れ替わった。
「うちを……妾を前にして……随分と頭が高いのう! ひれ伏さぬか、愚物!!」
 まるで別人になったように、高圧的に言うころな。いや、ようにではない。【降神・天照】の力により、太陽神天照をその身に宿したのだ。いまの彼女はころなでありころなではない。天照のひもろぎであり、天照そのものともなっていたのだ。
「合議ではなく全権委任、あるいは完全分業か。これにおいては両者融合という形を取るのに異論は出るまいが……」
 天照の権限を見て、その能力を分析するダイウルゴス。結果的に戦うことは変わらず、そこにおいて議論の余地はないはずなのだが、一々口にしてしまうのは癖のようなものなのだろう。
「敵前で会議とは悠長にも程があるわ、阿呆め!」
 だが、戦場ではその一瞬の隙が命取り。ダイウルゴスより高く跳びあがったころな―-天照は、太陽の如き灼熱の巨大光球をその頭上に構え、輝かせる。
「空を飛ぶ者は、案外頭の上は見えておらぬものじゃな。さあ、身の内の99の頭、揃えて妾に垂れよ。頭が高い、愚物共が!!」
 99の竜を纏めて誅するが如く、巨大光球がダイウルゴスの頭に叩きつけられた。それは漆黒の頭蓋を照らし、焼き、潰す。
 ダイウルゴスはその重みに耐えられず、首を下げて顎を黒き地表に叩きつけられた。奇しくもそれは天照が言った如く叩頭の姿勢であり、その周囲には初撃を躱されるきっかけとなった黒き土煙がもうもうと待っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナイ・デス
99の首……ですか
……オアニーヴさんや、ガルシェンさんも、取り込もうとしているよう、ですが
今はオブリビオン。滅ぼすものと、しても
元から全て、世界の敵、でしょうか?
違う、なら……

軍に攻撃しない
【覚悟、激痛耐性、継戦能力】耐えて、発動する

『光をここに』

一緒に、戦ってください

【範囲、鎧無視】どんな相手も癒す光のように。疲労を代償に、どこまでも癒す光のように
光は軍を、その先の文明、ダイウルゴスまで照らし……奇跡を
無理やり一部とされた軍の竜、ダイウルゴスの一部竜に、呼びかける

ヴィランも世界を救う為、戦ったヒーローズアースで学んだ
元は悪だとしても、世界の破滅は望まない
だから

世界を、救いましょう

彼らに、光を


中村・裕美
「……議長不在……そんな状態の会議……纏まるのかしら?」
などと思いつつも、周囲の空間に【ハッキング】をかけて電脳魔術で電磁バリアや空間機雷などのトラップを【罠使い】で生成し、攻撃を受けないよう立ち回る。その間に【早業】で相手の精神にハッキングする【精神攻撃】でダイウルゴス内の少数派っぽい意見やこちらの思い通りなりそうな意見が大きく、くり返し聞こえるように仕向け、会議を混乱させる
「……こういうのは合議制ではなく……衆愚政と言うのよ」

「……議会解散の時間よ」
隙を見せたら【魔竜転身】で巨大な竜となって相手に【グラップル】で掴みかかり、電子データへ分解するブレスを浴びせて徐々に相手をバラバラにする。



「……議長不在……そんな状態の会議……纏まるのかしら?」
 中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)はダイウルゴスが取る議会制について懐疑的だ。だが相手が敵である以上、それを付け目にさせてもらおう、そう考えてダイウルゴスに挑んでいた。
 一方ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)はダイウルゴスの来歴に対して思いを馳せる。
「99の首……ですか……オアニーヴさんや、ガルシェンさんも、取り込もうとしているよう、ですが。今はオブリビオン。滅ぼすものと、しても。元から全て、世界の敵、でしょうか? 違う、なら……」
 ダイウルゴス文明を構成する竜たちは、吸収される前は如何な存在だったのか。いまダイウルゴスの一部となっているのは果たして本意なのか。
 その二人を前に、ダイウルゴスは小型のダイウルゴスを大量に召喚。それを差し向けた。力量に応じた数を持つその軍隊の数はまさに無数で、ダイウルゴス本人の実力の高さを物語る。
 それを前にし、裕美は電磁式の罠や空間機雷などを設置し、とにかく攻撃を受けないよう立ち回った。
 一方でナイは一歩前に進み出ると、その攻撃に自らの身を曝け出した。
 噛みつき、殴り、踏みつけ、ダイウルゴス文明軍は躊躇なくそのナイを蹂躙した。いかに猟兵としてトップクラスの実力を持つナイであっても、帝竜の攻撃を無防備に受けると言うのは自殺行為に他ならない。いくらナイが事実上不死身だとしても、その苦痛、ダメージは到底耐えられるものではなかった。
 ただ、ナイは一撃、これだけを入れられれば、それでよかった。
「世界を滅ぼす存在では、なかった筈。どうか、思い出してください……世界を、救いましょう」
 【光をここに】、かつてヒーローズアースでヴィランすら世界のために戦ったように、悪でも世界の破滅は望まないはず。ダイウルゴス文明の中にも無理矢理従わされている者にとどけば……
 生きるものとしての心を取り戻させる光は文明軍を照らし、さらには後ろに控えたダイウルゴスにすら届いた。
「……意思確認を行う、全文明は一旦議席につけ」
 ダイウルゴスはそう言って文明軍を下がらせた。それはナイの光が僅かにでも通じたからなのか……だが、それを確認する前に、ナイは倒れ、その姿は掻き消えた。恐らく現身を維持できなくなったのだろう。
 これを味方が命がけで作ってくれた隙だと見て、裕美は文明軍の撤退に乗じ接近する。
 行うのは、近づいての精神へのハッキング。多数の意思が融合するダイウルゴスだからこそ、脆いもの、こちらの言いなりになるものがいるはず……そう思い、ダイウルゴスの議会へと割り込んだ。
『撤退すべきだ』
『猟兵を相手取るな』
『文明を解放しろ』
 現実味はなくてもいい、とにかく猟兵にとって都合のいい意見を大声で言わせる。全ての文明は議会の上で平等であるとするダイウルゴスだからこそ、そのような意見でも俎上に載せざるを得なかった。
「議会がまとまらぬ……一度決定した交戦方針の維持を大前提としたい、相違はないか!」
 それに対し四肢の四大文明をはじめ、強力な文明は即座に賛成するが、弱い文明は裕美のアジテーションに惑わされ、反対票を投じる。議会がまとまらない今がチャンス、裕美は敵の強化が成る前に、ダイウルゴス本体へ取り付いた。
「……議会解散の時間よ」
 魔竜に変身した裕美が、全てをデータにして分解するブレスを履く。それはダイウルゴスの体を穿ち、ダメージを与えた。裕美自身は知らぬことであったが、その部位は奇しくも先に裕美のハッキングに利用された文明が司る部位であった。
 硬軟二つの方法で議会を乱されたダイウルゴスは、結果その全体を損耗させるに至ったのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

へっ、集まるだけしか能のない奴らなんて
アタシらにかかったら軽いもんだねって
やべぇ!?あの衝撃波……は……うん?
痛くないしなんかいい感じじゃねぇかな……
もうガソリンも要らねぇや、ぶん撒いちまえ。

そうだ、こっそり裏垢で【ヌwitter】に投稿しとこ。
「ダイウルゴス文明も良くね?」っと。
うわ、すっげえ量のいいね!99個!?やった!
ん?なんかそれ以上のリプが……え?
ダイマ(ダイウルゴスマーケティング)やめろ?
通報しました?ってあー!裏垢凍結された!
連鎖でいいねしてくれた垢もどんどん凍結、
ってなんでダイウルゴスの動きが鈍ってるんだ?

その隙に電撃の『属性攻撃』ぶっ放しとくか。



「へっ、集まるだけしか能のない奴らなんて、アタシらにかかったら軽いもんだねって」
 数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)はそう言いながらダイウルゴスの前に進み出る。それに対しダイウルゴスは、油断なく文明侵略衝撃波を放った。
「やべぇ!? あの衝撃波……は……うん?」
 衝撃波は多喜に直撃し、その体を揺らがせる。そして一旦顔を伏せた多喜は、すぐにその顔を上げた。
「痛くないしなんかいい感じじゃねぇかな……もうガソリンも要らねぇや、ぶん撒いちまえ」
 晴れやかな顔で武器として持ってきたガソリンを辺りにぶち撒く多喜。それがダイウルゴスの足元を濡らすのも構わずに、アックス&ウィザーズで使えるのかも怪しいスマホを取り出した。
「そうだ、こっそり裏垢で【ヌwitter】に投稿しとこ。「ダイウルゴス文明も良くね?」っと」
 そうしてスマホに猟兵としてあるまじき投稿をする。すると周囲が突如熱気を帯びた空間へと変わり、スマホの画面に次々と様々な表示が現れた。
「うわ、すっげえ量のいいね! 99個!? やった!」
 アックス&ウィザーズでもなぜかくるいいね。だが、危険な発言は当然必要以上のしっぺ返しが伴うもので。
「ん? なんかそれ以上のリプが……え? ダイマ(ダイウルゴスマーケティング)やめろ? 通報しました? ってあー! 裏垢凍結された!」
 あっさりと凍結される多喜の裏垢。戦闘中何をやっているんだ……という感じにもなるが、油断なく静観していたダイウルゴスは異変に気づいていた。
「この不快な熱と冷気……遊んでいるわけではなさそうだ」
 炎上は熱を、凍結は冷気を……ユーベルコード【ヌwitter】によって作られた炎上空間は、物理的な効果を持って戦場を包んでいた。
「全会一致で結論が出た。この者はダイウルゴス文明に対し有害、融合せず排除とする!」
 顔を隠し無軌道に感情を剥き出しにする世界を模したその技は、議論により方向を定めるダイウルゴスとは決して相いれないもの。会議はあっという間にまとまり、ダイウルゴスはその存在を抹消すべく足を振り上げた。
 それは多喜を強かに蹴り飛ばし、その体を大きく吹き飛ばす。ただの一蹴りでも、それは巨大な鉄柱に殴りつけられたのと同等以上の衝撃であり、多喜は空中を舞いながら全身の骨が軋む音を聞いていた。
「うまくいくと思ったんだけどな……ま、置き土産さ」
 あえて洗脳され自分の世界に引き込もうとする手段は、敵の技の強さに未完に終わった。だが、敷いた布石はまだ一つ残っている。
 多喜はライダーブーツから電流を放つと、最初に捲いたガソリンに引火させた。炎はあっという間に巻きあがり、ダイウルゴスの足を包んで燃え上がった。
 最後まで『炎上』を武器にした多喜は、僅かにでも爪痕を残せたことを確認し、地面に叩きつけられながら意識を手放すのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

シャルロッテ・ヴェイロン
まぁよくぞ優れた意思統一ですね。
つかやっぱり考えてることはろくでもないことですし、今のうちに潰しちゃいましょう。

まずは敵の軍団の猛攻をしのぎつつ、【PROGRISE:INSTALL】で解析+強化(防御重点)していきましょう。【見切り・オーラ防御・野生の勘・情報収集・戦闘知識・世界知識・覚悟・激痛耐性】
で、ロボットもののキャラを召喚して、本体と分身をまとめて攻撃していきましょう。【誘導弾・2回攻撃・一斉発射・乱れ撃ち・制圧射撃・鎧無視攻撃】

※アドリブ・連携歓迎


ベール・ヌイ
会議よ眠れ、怠惰に堕ちろ

悪魔少女の姿になり炎の翼による『空中浮遊』で『空中戦』を行います
相手の攻撃は「激痛耐性」で耐えるか「野生の勘」で避け、ある程度近づけば味方の猟兵に合図をおくり、耳をふさぐように指示して
【絶対怠惰命令】を起動
すべての中にいる竜にベルフェゴールの名のもとに命ず
今すぐ『何もするな』
会議を行うな喋るな最低限の生命活動以外するな
今すぐ怠惰に堕ちろ
ルールに従えは隙となり、従わなければ大ダメージとなる
UC発動後、ヌイもルールに縛られるならば「激痛耐性」で大ダメージを耐えつつ不死鳥の炎でダイちゃんを「焼却」します
アドリブ協力など歓迎です



 猟兵と戦うたびに己の中で会議を行い、それによって戦ってきたダイウルゴス。その都度最善と思われる方法を採択してきたつもりだが、気が付けばダメージは積み重なり、融合した体を保つことすら難しくなっていた。
 そしてそれを一気に押しきるべく、二人の猟兵がダイウルゴスの前に立つ。
「まぁよくぞ優れた意思統一ですね。つかやっぱり考えてることはろくでもないことですし、今のうちに潰しちゃいましょう」
 そう言いながらシャルロッテ・ヴェイロン(お嬢様ゲーマーAliceCV・f22917)は、次元を超えるネットワークを展開しダイウルゴスについての情報を集める。
 だが、それを許さないかのように、ダイウルゴス文明軍が一気にシャルロッテを取り囲み襲い掛かった。
 無数のダイウルゴス文明軍が連続してシャルロッテに連続して攻撃を仕掛けていく。シャルロッテはそれを耐え、避け、防ぎ、そしてその中で情報を集めるというマルチタスクをこなし、反撃の気を窺った。
 だがやはりダイウルゴス文明軍の攻撃が激しく、ダメージの蓄積が侮れないものになっていく。そこにもう一人の猟兵、ベール・ヌイ(桃から産まれぬ狐姫・f07989)が割り込むように出た。
「会議よ眠れ、怠惰に堕ちろ」
 ヌイは蒼炎の翼を持つ姿に変わり、その翼を使った飛翔でダイウルゴスへと近づいていった。だが、文明軍は彼女を追うことはせず、シャルロッテに群がったままである。
「何をするか見定める。対猟兵案をまとめる会議の資料としよう」
 確実な対策を練るため、ダイウルゴスはあえてヌイの接近を許していた。それを利用しダイウルゴスまで接近したヌイは、その外見に合わぬ大きな声を張り上げる。
「シャルロッテさん……耳を塞いで……!」
 言われるがままシャルロッテがヘッドホンを耳に当て、大音量の音楽で耳をふさぐと、ヌイは今度はダイウルゴスに向けて声を上げた。
「ベルフェゴールの名の下に、汝らに命ず。戦うことなかれ、思考することなかれ、今すぐ怠惰に堕ちろ」
 ユーベルコード【絶対怠惰命令】、声を聞いたもの全てにルールを強いるユーベルコードだ。そして課すルールは。
「今すぐ『何もするな』、会議を行うな喋るな最低限の生命活動以外するな。今すぐ怠惰に堕ちろ」
 何もしない、この上なく簡単に従える命令であった。戦闘を続けていたダイウルゴス文明軍は、そのルールを破ったことで一気にダメージを受け倒れていく。無論戦場で何もしなければそれは死に直結する故、平時に使った時よりは大幅に与えるダメージは落ちていた。だが、分裂状態で戦っていた文明軍にはそれでも十分すぎる程のダメージであり、彼らは合体する間もなく次々と倒れていった。
「我がダイウルゴス文明に存在理由を放棄せよと命じるか。だが我々は全にして一。この負傷を甘受し戦闘続行することを提案しよう」
 ダイウルゴスは怯むことなく戦闘続行を提案し、そして即座にそれが可決される。少なくないダメージは入っているはずだが、地力の強さゆえにそれを踏み倒し戦っているのだろう。
「まあ、こっちの一存で否決するけどー」
 そうして己を強化したダイウルゴスに、この世界にはありえないミサイルの嵐が襲い掛かった。シャルロッテが【バトルキャラクターズ】で召喚したロボットの誘導ミサイルが炸裂したのだ。
 額に70と書かれたロボットは、続けてガトリングガンを撃ってダイウルゴスを抑え込んでいく。ヌイによって文明軍のほとんどが無力化されたため、戦力のほとんどをつぎ込んだ強力なロボットを作成できたのだ。
「数いても役立たずばっかじゃねぇ」
 合体の間もなく倒された文明軍と、ひいては会議によって後手に回るダイウルゴスを皮肉りながら、ロボットの猛攻は続く。
「我らダイウルゴス文明は等しく対等。そのような者は……!」
 押されながらダイウルゴスはなお前進しようとする。だが、その眼前でヌイが大きく翼を広げた。
「ダイちゃん、あなたを「焼却」します……!」
 翼から発せられる不死鳥の炎が、ダイウルゴスを包み込んだ。これまでの戦いと消耗で結合が緩んでいたのか、その体が炎の中でぼろぼろと崩れていく。
「その名の検討はあれど敗死は提案にすら上らぬ、グリモアを手にする時の為に……!」
 最後までグリモアの名を叫び、ダイウルゴスは焼け落ちた。

 こうしてまた一つ、帝竜に対し勝利を収めた猟兵たち。残る帝竜もあと僅か。帝竜戦役の決着は、近い。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年05月23日


挿絵イラスト