●文明侵略領域
賛成89、反対10、棄権1……。
我等ダイウルゴス文明は、議長『ドラゴンテイマー』と99体の竜の融合体である。
ベルセルクドラゴン及びドクター・オロチを除く全ての帝竜は、ヴァルギリオスの死後ならば、我等が文明侵略衝撃波によって我等に融合する事が可能であると考えられる。
現在議長は不在だが、棄権票として処理し、決議に変化は無い。
我等はここに、撤退の中止及び猟兵との交戦を選択する。
帝竜『ダイウルゴス』は、己を一つの『ダイウルゴス文明』と称し、周囲のあらゆる存在と融合し、その文明に加えていく存在であった。
再孵化の影響で失われたモノも多いが、それでも本能的にやるべき事は分かっていた。
だが、その目的を果たすために、猟兵達の存在は邪魔だった。
●ガジルからの依頼
「みんなに頼みたい事があるんだよ!」
ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が真剣な表情を浮かべ、今回の依頼を説明し始めた。
今回の目的は、帝竜ダイウルゴスの撃破。
帝竜ダイウルゴスは、統一された知性と姿を持つ無数のドラゴンが合体した存在。
あらゆる物質と融合合体するため、放っておくと色々と面倒な事になるようである。
現在、議長『ドラゴンテイマー』が不在のため、99体の竜によって様々な選択の決定が行われているようだが、猟兵達を排除すべく動いている事は間違いないので注意して欲しいという事だった。
そう言った事も踏まえた上で、帝竜ダイウルゴスを撃破するのが、今回の目的である。
ゆうきつかさ
この依頼は戦争依頼です。
基本的には、キャラクターらしさを重視しますので、世界観や設定に問題が無ければ採用していこうと思います。
また敵は必ず先制攻撃してくるので、いかに防御して反撃するかの作戦が重要になります。
第1章 ボス戦
『帝竜ダイウルゴス』
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POW : ダイウルゴス会議
自身の【体内の無数のダイウルゴスによる合議制】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD : ダイウルゴス文明軍
レベル×1体の、【眼球】に1と刻印された戦闘用【小型ダイウルゴス】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : 文明侵略衝撃波『フロンティア・ライン』
【四肢のどれか】から【見えざる文明侵略衝撃波】を放ち、【ダイウルゴスの一部になりたいと望ませる事】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:棘ナツ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ケルスティン・フレデリクション
むー、おおきいドラゴンなの…
けつぎって、なぁに?お話し合い、してるの?
…ん、でもグリモアを狙われてるから…倒さなきゃ、あぶないことになるかもしれないものね。がんばる。
敵からの先制攻撃があれば【ひかりのまもり】を使うよ
味方が攻撃されそうになってるときも、同じ。皆をまもるからね!
できる事なら全てを防ぎ、攻撃に転じる隙を作り出すよ。
氷の精霊のルルにおてつだいしてもらうよ
氷の【属性攻撃】【全力魔法】で足元を攻撃して、動けないようにしてから大きな氷の槍を作り出して攻撃!
いっぱいがんばる!
中村・裕美
「……文明ね。……これはまた大層な名前がついているわね」
とりあえずは先制攻撃対策
「……精神領域ハッキング……条件付け……セット」
自身や仲間の精神に【ハッキング】を仕掛け、文明侵略衝撃波を受けて『ダイウルゴスの一部になりたい』と思った瞬間に【精神攻撃】を行って、そういった気持を吹き飛ばすプログラムをセットする
「……精神領域への侵食は……そちらだけの技じゃないのよ」
今度はこちらから【ミームインベイジョン】で第うるごすの精神をハッキング。『文明』を『ふみあきという人の名前』と認識させることで、「ふみあきって誰?」みたいな感じで混乱させる。それで隙を作ったりUCの使用を封じられれば、攻撃は味方に任せる
黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流
ここまでくると本当にドラゴンって何でもありなんだなって思う。
相手の先制は全力で回避。今回はどの足から来るかも規模もわからないから視力を上げ、注意深く観察した上で、第六感見切りの回避を。
回避しきったらそのまま存在感を消し目立たないように動きつつ接近、暗殺攻撃を仕掛ける。可能であれば傷口をえぐりダメージ増も狙う。
衝撃波の効果にはUC月華及び狂気・呪詛耐性で抗う。
相手の他の攻撃は第六感による見切りで回避、しきれないものは本体である黒鵺で武器受けで受け流し、カウンターを叩き込む。
それでも喰らってしまうものはオーラ防御で軽減、かつ激痛耐性で耐える。
ネミ・ミミーニーズ
●WIZ
ダイウルゴス文明だって!?
何あれめっちゃほしい!
ダイウルゴス文明になりたいかって!
勘違いするな! お前がネミさんのなるんだよーー!!
ツヨイ意志でフロンティア・ラインに立ち向かう。
取り込む系の技なら当たってから抵抗と同時にこっちの意志も送り込めるはず。
そう、逆にダイウルゴス文明を取り込むんだ!
ネミさんの清い1票で全ての決議を覆す!
そして輝け! 【全ては鹿】!!
相手が四肢のどれかからビームなら、こっちは全身がビームだぞ!
私が竜になるか、お前が鹿になるか!
2つに1つだ!
溢れ出る文明の終わりと始まりを噛み締めろー!
黒川・闇慈
「ドラゴンテイマーはいらっしゃらないのですか。あの方の服はいいセンスでしたから、再会が楽しみだったのですがねえ……クックック」
【行動】
wizで対抗です。
ダイウルゴスの先制攻撃は精神への干渉のようです。狂気耐性、覚悟の技能で精神の平静を保ち対抗しましょう。衝撃波が物理的な衝撃を伴う場合はホワイトカーテンとブラックシェードの防御魔術を起動し、激痛耐性の技能でしのぎます。
高速詠唱、属性攻撃、全力魔法の技能を用いてUCを使用します。槍は一斉発射の技能でまとめてダイウルゴスに叩きつけてやりましょうか。
「あなた達の一部になってしまうと好きに研究もできませんのでね……クックック」
【アドリブ歓迎】
祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定を
※アドリブ歓迎
『フェアリーランド』の壺の中から風の精霊・聖霊・月霊を呼び出して『クリスタライズ』で姿を隠しながら『月世界の英霊』で空間飛翔しながら攻撃を避けて『月霊覚醒』で敵のUCを封印/弱体化させます☆彡
『エレメンタル・ピクシィーズ』で属性攻撃を『神罰の聖矢』で聖攻撃を仕掛けます♪
機会を見ながら『叡智富める精霊』+『ヴァイストン・ヴァビロン』で強烈で苛烈な猛攻を仕掛けます!
猟兵の怪我人を『祝聖嬢なる光輝精』で治し『シンフォニック・メディカルヒール』で状態異常を癒やします♪
精霊・聖霊・月霊・猟兵に“七色金平糖”配りながら「頑張ろうね!ボクたちは敵よりも強いから勝てるよ、必ず!☆」
ベイメリア・ミハイロフ
あの大きな体の中で、複数の竜が会議を行っているとは
奇妙な心持ちではございますが、しかしながら
グリモアの存在を知られてしまっているようでしたら
放っておく訳には参りません
初撃対策は狂気耐性を活用しつつ
第六感・野生の勘、視力にてどの足から放たれるかを見切り
赤薔薇の花びらを纏いオーラ防御にて防御を
可能であれば回避を試みたく
あとは気持ちを強く持つ事で、対処を試みます
わたくしはわたくしでございます
大切な方々も大勢いらっしゃいます
貴方の一部となる訳には参りません…!
こちらからは、会議の結論が出る前に
早業・高速詠唱にて素早く攻撃を
攻撃にはマヒ攻撃も付与し
小型ダイウルゴスも巻き込むよう範囲攻撃にて本体を狙います
ナイ・デス
軍に対し、攻撃しない
【覚悟、激痛耐性、継戦能力】私は、本体無事なら再生する
痛みも欠損も、大したことのない。死には繋がらない
そう耐えて、怯まず
『光をここに』
【範囲攻撃鎧無視攻撃】どんな相手も癒す光のように、どんな相手にも、遮るものがあっても光は届き、奇跡を起こす
お願いします
生前から世界滅ぼす類には、効かないけれど
無理やり文明の一部とされた、軍の竜なら
フォーミュラが召喚した死霊(オブリビオン)の類だから
ダイウルゴスの一部となっている、竜にも、いれば
世界を、救いましょう
反乱を。抵抗を
会議を混乱させ、隙を晒させて
世界の敵も、光で包み続ける
【生命力吸収】消滅へと向かわせる
味方してくれて、ありがとう、です
ルード・シリウス
成る程、総ての行動を決定してから取るのは群体故の特性か…
武器を抜かず、特別何かをするでもなくゆっくりと接近する。言ってしまえば『無防備』という不利な状況を自ら作り、攻撃を仕掛けるか否かを『選択』させる。攻撃が来るなら、その瞬間を見切り、致命傷を避ける事を最優先に回避。それさえ満たせれば攻撃を受けても構わない。要は相手よりも『不利』な状況を意図的に作り出して初撃を凌ぐ
上手く凌げる事が出来たら、神喰と無愧の二刀を構えて一気に接近
【咆刃】の一撃を胸部に叩き込み、同時に喰らって傷を癒して糧にする
『不利』とは挑む側の『特権』だ
そして、自らの場に引き込んだお前等は『圧倒的優位』にある
…矛盾してるんだよ
黒髪・名捨
しかし、あらゆる物質と融合か…悪食な奴め。
●先制攻撃
会議か。会議で不利な出来事ってやっぱ横槍だろ。
なんで今回はアーラーワル投る。槍なだけに…。槍なだけに…。
会議の邪魔をせず、見守ろう。距離を取りつつ合法阿片を吸って『ドーピング』して注意深く監視する。
ふーーーッ。
●戦闘
会議している隙に『闇に紛れる』と闇に『迷彩』して姿を隠し、死角から接近する。
スタングレネードを『投擲』。閃光で『目潰し』して『恐怖を与える』
恐怖は伝播する。群なら効くだろ?
さて、本邦初公開。アーラーワルを頭部?目掛けて『槍投げ』『串刺し』でアーラーワルが『部位破壊』貫通を確認。
あばよ(指パッチン)幻爆を発動させ『焼却』させるな。
●文明侵略領域
「……ここまでくると本当にドラゴンって何でもありなんだな」
黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)は仲間達と共に、文明侵略領域に足を踏み入れ、帝竜ダイウルゴスを見上げた。
帝竜ダイウルゴスは猟兵達を見下ろしたまま、全く動かなかったものの、体内で何やら会議をしているようだった。
その内容までは分からなかったものの、猟兵達に関係している『何か』である可能性が高かった。
「むー、おおきいドラゴンなの……。ねえねえ、けつぎって、なぁに? お話し合い、してるの?」
そんな中、ケルスティン・フレデリクション(始まりノオト・f23272)が、大きなハテナマークを浮かべ、帝竜『ダイウルゴス』に問いかけた。
『我等ダイウルゴス文明は、99体の竜の融合体である。我らの行動は、すべて決議されたモノだ』
帝竜ダイウルゴスが猟兵達の様子を窺いながら、ゆっくりと答えを返した。
いまのところ、攻撃を仕掛けてくる素振りはないものの、辺りの空気がピリピリとしており、何やら近寄り難い雰囲気が漂っていた。
「……文明ね。……これはまた大層な名前がついているわね」
中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)が、皮肉混じりに呟いた。
『だが、そう呼ぶだけの価値が、我らにはある。そして、我らの目的は、ただひとつ。汝らが持つグリモアだ。それが我等の総意である』
帝竜ダイウルゴスが猟兵達を見下し、威圧的に言葉を吐き捨てた。
「あの大きな体の中で、複数の竜が会議を行っている事を考えると、何やら奇妙な心持ちではございますが……。グリモアの存在を知られてしまっている以上、放っておく訳には参りませんね」
ベイメリア・ミハイロフ(紅い羊・f01781)が、警戒心をあらわにした。
帝竜ダイウルゴスが、どこでグリモアの存在を知ったのか分からないが、このまま放っておく事は、自殺行為に等しい事だった。
「ところで、ドラゴンテイマーはいらっしゃらないのですか? あの方の服はいいセンスでしたから、再会が楽しみだったのですがねえ……クックック」
黒川・闇慈(魔術の探求者・f00672)が不気味な笑い声を響かせ、帝竜ダイウルゴスに問いかけた。
『現在、議長は不在だが、決議に変化は無い。そして、汝らを取り込む事に、変更もない』
帝竜ダイウルゴスが唸り声を響かせ、猟兵達をジロリと睨んだ。
「あらゆる物質と融合か。……悪食な奴め」
黒髪・名捨(記憶を探して三千里・f27254)が、嫌悪感をあらわにした。
『むしろ、光栄に思って欲しいところだが……。まあ、汝らには理解できぬ事か』
帝竜ダイウルゴスが完全に見下した様子で、フンと鼻を鳴らした。
「だったら、ネミさんのモノになればいい! ……と言うか、みんな纏めてもらってやる!」
ネミ・ミミーニーズ(蒸気打ちの妖精・f00595)が、躊躇う事なくキッパリと断言をした。
『賛成32、反対38、棄権30……。よって、却下!』
帝竜ダイウルゴスが、さっそく会議を始め、ネミに対して答えを返した。
「……成る程、総ての行動を決定してから取るのは群体故の特性か」
ルード・シリウス(暴食せし黒の凶戦士・f12362)が何やら察した様子で、武器を抜かずにゆっくりと近づいた。
その途端、帝竜ダイウルゴスの殺気が大きく膨らみ、猟兵達の心を貫く槍と化した。
●帝竜ダイウルゴス
「あれ? ひょっとして、さっきよりも強くなってる? だったら、危ないよね。このままだと……」
その事に気づいたケルスティンが【ひかりのまもり(ヒカリノマモリ)】を発動させ、無敵の盾を想像から創造し、帝竜ダイウルゴスの攻撃を防いだ。
『……愚かな。このまま死んでおけば、苦しまずに済んだものを……』
帝竜ダイウルゴスが、深い溜息を洩らした。
「でも、死んだら痛いよ? ルルも痛いのは嫌だって。だから戦うね。あんまり乱暴な事はしたくないけど……。なるべく痛くしないように頑張るから……」
ケルスティンがルル(鳥型の氷の精霊)と連携を取りつつ、全力魔法で氷の属性攻撃を足元に放ち、動きを封じ込めたところで、大きな氷の槍を作り出して、帝竜ダイウルゴスの身体を貫いた。
『……よくも、やったな』
帝竜ダイウルゴスがギチギチと歯を鳴らし、大量の血を噴水の如く撒き散らした。
その途端、体内のダイウルゴス達がザワつき、何やらモメ始めた。
おそらく、予想外の出来事に戸惑い、互いに問題点を指摘し、罵り合っているのだろう。
だが、誰も止めるモノはいない。
こんな時に議長ドラゴンテイマーがいれば、と考えたダイウルゴスもいたが、体外まで怒号が響く中では、すべてが無意味であった。
「なんだ、内輪揉めか? せっかく横槍を入れてやろうと思ったのに……」
名捨がアーラーワル(短槍)を構えた後、少し残念そうにしながら、法阿片を吸ってドーピングし始めた。
その間も帝竜ダイウルゴスを、注意深く監視した。
しかし、体内のダイウルゴス達は、揉めに揉めており、小競り合いを始めているようだった。
「どうした? 早く攻撃してみろ。無防備な状態でいる、俺を……。攻撃を仕掛けるか否か、会議とやらで選択すればいい」
ルードがあえて無防備のまま、帝竜ダイウルゴスに迫っていった。
『一体、何を考えている』
帝竜ダイウルゴスが動揺した様子で、攻撃するか否か会議をし始めた。
だが、答えは出ない。
この状況で攻撃を仕掛けてこないという事は、何か考えがある……はず。
ならば、この状況で不利な行動とは……。
自らを強化するため、必要な選択は……。
その答えを導き出す事が出来ぬまま、無駄に時間ばかりが過ぎていた。
「そんなの、最初から決まっている。お前等を喰らう事だけだ! そのためなら、何の躊躇うもない。お前らと違って、体内で会議をする必要もないしな。そもそも『不利』とは挑む側の『特権』だ。そして、自らの場に引き込んだお前等は『圧倒的優位』にある。そういった意味で……矛盾してるんだよ、お前らは!」
次の瞬間、ルードが【咆刃・竜咆震撃(ホウジン・ドラゴンハウリング)】を仕掛け、単純で重い怪力を伴う斬撃を帝竜ダイウルゴスの胸部に放ち、ケモノの如く勢いで喰らいついた。
それに合わせて、名捨が闇に紛れるように迷彩を施し、帝竜ダイウルゴスの死角から迫り、スタングレネードを投擲すると、その閃光で目潰しする事で恐怖を与えた。
『め、目が……』
帝竜ダイウルゴスがパニックに陥った様子で、何度も宙を掻いた。
「さて、本邦初公開。これはとっておきだ。とりあえず、喰らっていけ」
その隙をつくようにして、名捨がアーラーワルを頭部めがけて槍投げすると、串刺しにして【幻爆(ゲンヴァク)】を発動させた。
それと同時にアーラーワルの穂先が、環境に安全な小規模核融合爆発を起こした。
『うぐぐ……喰らうのは、我……。我等だああああああああああああ』
その一撃を喰らった帝竜ダイウルゴスが、潰れた頭から大量の血を垂れ流し、朦朧とする意識の中でケモノの如く咆哮を響かせ、空を埋め尽くすほどの勢いで、眼球に1と刻印された戦闘用小型ダイウルゴスを召喚した。
召喚された戦闘用小型ダイウルゴス達は血に飢えたケモノの如く、猟兵達に襲い掛かってきた。
「まさか、この程度の攻撃で、私達を取り込めると思っているのですか? いくら攻撃したところで、痛みも欠損も、大した事がありませんね。これでは、死に繋がらない」
そんな中、ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)が、冷たい視線を帝竜ダイウルゴスに視線を送った。
『こ、これは……一体……!?』
帝竜ダイウルゴスが激しく動揺した様子で、頭をフラつかせた。
その間も戦闘用小型ダイウルゴス達がナイに食らいついていったが、悲鳴を上げるどころか、表情ひとつ変えなかった。
「そもそも、あなた達の中には、世界を滅ぼす存在もいたはず。どうか、思い出してください。その頃のあなた達を……」
ナイが戦闘用小型ダイウルゴス達に語り掛けながら、【光をここに(リジェネレイト)】を発動させ、広範囲に聖なる光を放った。
その影響で戦闘用小型ダイウルゴス達が攻撃を止め、帝竜ダイウルゴスに反旗を翻した。
『……一体、何が起こった……!』
帝竜ダイウルゴスが壊れ気味の脳味噌をフル回転させ、何とか状況を把握しようとした。
「さあ、世界を、救いましょう。反乱を……抵抗を……! 会議を混乱させ、隙を晒させて!」
ナイが戦闘用小型ダイウルゴス達を引き連れ、帝竜ダイウルゴスに攻撃を仕掛けた。
『ならば今一度、我等の一部となれ!』
すぐさま、帝竜ダイウルゴスが両脚から見えざる文明侵略衝撃波を放ち、ダイウルゴスの一部になりたいと望ませる事で、猟兵達の動きを封じ込めようとした。
それと同時に、戦闘用小型ダイウルゴス達が文明侵略衝撃波を喰らい、帝竜ダイウルゴスの一部になった。
その影響で先程まで朦朧としていた意識がクリアになり、何とか冷静な判断力を取り戻した。
「クククッ……あなたの一部ですか。これは大きく出ましたね」
闇慈が狂気耐性で覚悟を決め、精神の平静を保つ事で、ダイウルゴスの一部になる事を拒絶した。
「わたくしは、わたくしでございます」
ベイメリアが津波の如く襲い掛かってきた衝撃波を、第六感と野生の勘と視力を駆使して見切り、赤薔薇の花びらを纏ってオーラ防御を展開し、狂気耐性で何とか耐えた。
「ひょっとして、これって当たったらマズイやつ?」
その事に危機感を覚えた祝聖嬢・ティファーナ(フェアリーの聖者×精霊術士【聖霊術士】・f02580)が【フェアリーランド】で、壺の中から風の精霊・聖霊・月霊を呼び出し、【クリスタライズ】で透明になって姿を隠し、【月世界の英霊(ラビュリストン・ルーラー)】で光り輝く英霊と共に、空間飛翔しながら衝撃波を避け、【月霊覚醒(ゲツレイカクセイ)】で満月、半月、三日月、新月を放って帝竜ダイウルゴスのユーベルコードを弱体化させた。
「でも、取り込む系の技なら当たってから抵抗と同時にこっちの意志も送り込めるはず。……そう、逆にダイウルゴス文明を取り込むんだ!」
ネミが覚悟を決めた様子で、文明侵略衝撃波を受け止めた。
その途端、自分の中にあったモノが、黒から白に、猟兵の心からドラゴン心に塗り替えられていくような錯覚を覚えた。
「……精神領域ハッキング……条件付け……セット」
すぐさま、裕美が自分と仲間達の精神にハッキングを仕掛け、精神攻撃で『ダイウルゴスの一部になりたい』と気持ちを吹き飛ばすプログラムをセットした。
そのおかげで誰も文明侵略衝撃波の影響を受けず、理性を保つ事が出来た。
『まさか……効かなかったと言うのか!?』
帝竜ダイウルゴスが信じられない様子で、猟兵達を見下ろした。
それは帝竜ダイウルゴスにとって、予想外の出来事。
体内のダイウルゴス達も、ザワついているのか、何やら落ち着きがない様子であった。
「例え、どんな事があろうとも、貴方の一部となる訳には参りません……!」
その隙をつくようにして、ベイメリアが高速詠唱と早業で【ジャッジメント・クルセイド】を発動させ、帝竜ダイウルゴスに指先を向けると、天からの光でダメージを与えた。
「それに、あなた達の一部になってしまうと、好きに研究もできませんのでね……クックック」
それに合わせて、闇慈が【氷獄槍軍(コキュートス・ファランクス)】を発動させ、氷属性の槍を一斉発射で帝竜ダイウルゴスを叩きつけた。
『それは残念だ。だが、決議は覆らない……』
帝竜ダイウルゴスが全身から血を流し、凍りついた身体を見下ろした。
身体から噴き出した血は、途中で凍りつき、真っ赤なツララとなって、地面に落ちた。
「こんな身体で、何が出来るんだか」
その間に、瑞樹が存在感を消して、目立たないように帝竜ダイウルゴスの背後に迫り、暗殺攻撃を仕掛けると、傷口を抉って大量の返り血を浴びた。
「それじゃ、行くよ♪」
続いてティファーナが【エレメンタル・ピクシィーズ】を発動させ、精霊・聖霊・月霊属性の力を宿した魔法の矢で、帝竜ダイウルゴスの身体を貫いた。
『ならば……もう一度……我等の一部になれ』
帝竜ダイウルゴスが全身から大量の血を垂れ流し、再び文明侵略衝撃波を放ってきた。
「あまり使いたくないんだがな」
瑞樹が深い溜息をもらして、【月華(ゲッカ)】を発動させ、月読尊の分霊を降ろし、真の姿に変身すると、胡(えびす)と刀に形を変えた黒鵺の二刀で、帝竜ダイウルゴスを斬りつけた。
「……精神領域への侵食は……そちらだけの技じゃないのよ」
それと同時に、裕美が【ミームインベイジョン】で帝竜ダイウルゴスの精神をハッキングすると、『文明』を『ふみあきという人の名前』と認識させた。
『……ん? ふみあき?』
その途端、帝竜ダイウルゴスがパニックに陥った様子で、沢山のハテナマークを浮かべた。
そもそも、ふみあきって……誰?
体内のダイウルゴス達がザワザワと会議を始め、ふみあきの謎を解明するため、全力を尽くした。
しかし、体内のダイウルゴス達が納得するだけの答えが出ない。
まるで、ふみあきの迷宮に迷い込んでしまったような錯覚を受けるほど、謎が謎を呼び、次回に続く感じであった。
「ネミさんの清い1票で全ての決議を覆す! そして輝け! 全ては鹿!! 私が竜になるか、お前が鹿になるか! 2つに1つだ! 溢れ出る文明の終わりと始まりを噛み締めろー!」
次の瞬間、ネミが【全ては鹿(オールイズナラ)】を発動させ、帝竜ダイウルゴスを巨大な鹿に変えた。
その影響は体内のダイウルゴス達にも影響を与え、満場一致で『鹿せんべいが食いたい』という結論が出た。
それは結論を出したダイウルゴス達でさえ、違和感を覚える答えであったが、頭の中は鹿せんべいでいっぱいになっていた。
そもそも、鹿せんべいは美味いのか。
いやいや、普通に美味いだろ。
ひょっとして、ふみあきって、鹿せんべいをくれる人じゃあ……。
鹿せんべい、マジ美味ぇ!
などの会話が続く中、ダイウルゴス達は思った。
やはり、鹿せんべいは美味しい、と……。
「これって倒しちゃっていいんだよね?」
そんな中、ティファーナが複雑な気持ちになりつつ、【叡智富める精霊(ハイ・エレメンタルズ)】を発動させ、光/火/風/水/土/闇/聖/月の霊で、帝竜ダイウルゴスを攻撃した。
『し、鹿せいべい……』
そして、帝竜ダイウルゴスは巨大な鹿せんべいを思い浮かべながら、地面に突っ伏して生命活動を停止させた。
それは帝竜ダイウルゴスにとって、望まぬ最後であったが、薄れゆく意識の中に浮かんだのは、鹿せんべいを頬張る自分達の姿であった。
大成功
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