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帝竜戦役㉗〜総てと同化し群れるモノ

#アックス&ウィザーズ #戦争 #帝竜戦役 #帝竜 #ダイウルゴス #群竜大陸

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●グリモアベースにて
「皆様、また新たな帝竜が発見されました」

 グリモアベースで猟兵たちを出迎えたのはアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)だった。アマータの口から語られるのは新たに発見された帝竜の存在。

「文明侵略領域と呼ばれる戦場にいるのは帝竜『ダイウルゴス』。自らをダイウルゴス文明と呼称し、『ドラゴンテイマー』と呼ばれる存在を議長とする99体の竜の融合体の様です。ですがドラゴンテイマーは今は不在の様子。それでも脅威には変わりありません。そしてこの帝竜は周囲のあらゆる存在を同化し『ダイウルゴス文明』の一部に加えていきます」

 あらゆる物質と融合合体する帝竜ダイウルゴス。その存在は謎が多い。

「どうやら彼の帝竜はヴァルギリオスよりも長く生きることが目的の様です。その後に何が起こるかはまだわかりません。ですがその目論見を放置してしまえば猟兵にとって不利な状況になるというのは想像に難しくありません。つまり、あの帝竜はこの場で倒す必要があると当機は考えます」

 何が起こるかはわからないが、今回も放置できる敵ではない。謎の目的も脅威ではあるが、自らを一つの文明と称し周囲のあらゆるものを同化するこの竜を放置すればたちまちヒトの文明は同化されてしまうだろう。それだけは絶対に避けなければならない。

「群体の竜……おそらくはこれまでと違う戦いになるでしょう。ですが、当機は皆様ならば必ず打ち倒せると信じております。どうかご武運を」

 こうしてカーテシーと共に猟兵たちの転移が開始された。


灰色幽霊
 どうも、灰色幽霊です。
 九度の幹部戦となります。

 相手は帝竜『ダイウルゴス』。
 また例の如く今回も『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』ことでプレイングボーナスが発生いたします。帝竜は確実に先制してきますのでどう防ぎ、どう反撃するかをお考え下さい。

 今回は幹部戦ですので基本的に『成功』か『大成功』のプレイングのみリプレイを執筆しますのでご了承ください。
 その他注意事項などはMSページもご覧ください。
 それでは皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『帝竜ダイウルゴス』

POW   :    ダイウルゴス会議
自身の【体内の無数のダイウルゴスによる合議制】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    ダイウルゴス文明軍
レベル×1体の、【眼球】に1と刻印された戦闘用【小型ダイウルゴス】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    文明侵略衝撃波『フロンティア・ライン』
【四肢のどれか】から【見えざる文明侵略衝撃波】を放ち、【ダイウルゴスの一部になりたいと望ませる事】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

山梨・玄信
ヴァルギリオスより長く生きるのが目的?
此奴の能力からして、ヴァルギリオスの同化でも狙っておるのかのう。

【SPDを使用】
このUCは早めの対処が一番の対策なんじゃが、先制攻撃か…厄介じゃのう。
膨大な数の小型ダイウルゴスの攻撃を全て躱すのは無理じゃろうから、オーラ防御を全身に展開し、見切りで致命的な部分に攻撃を受けないように身を守るぞい。
先制に耐えたら、合体される前に気の放出(範囲攻撃)を連発して倒すのじゃ。

ダッシュで敵に接近し、再び配下を呼ばれたら気の放出で対応。
飛空術(空中戦)で飛んで背後に回り褌一丁になると、浸透拳(鎧無視攻撃)で翼の付け根を殴りUC発動。気を読んだら本命の攻撃を入れるぞい。


シズホ・トヒソズマ
文明侵略の恐ろしさはよく知ってますからね、物質攻撃は極力避けましょう
ならこの『誰かさんが派手に蹴り飛ばしたのを涙目で探しに行ったら錬鉄したようになってた剣』の出番ですね

王劾を掲げ156体の炎獣を召喚
マジェスで風と熱を周囲に放射
熱波で敵を怯ませると同時に炎獣を強化し小型竜らに◆範囲攻撃として向かわせ◆焼却、◆火傷継続ダメージを与えます
合体したら大帝巫の認識改変◆催眠術をミコの催眠歌唱で補正し使用
『他の竜を離反した反対派と誤認』させ争ってる隙にUC発動

ガイオウガの力使用
幻影から高熱火山弾を範囲発射&炎獣を追加し残り小型竜と本体を攻撃
マジェスの風で共に飛び本体に接近
マジェスの喰剣と私の王劾で同時攻撃



●先制のダイウルゴス

 文明侵略領域へ転移を終えた猟兵たちを出迎えたのは小型ダイウルゴスの群れ。本体を覆い隠す小さな竜たちはここに足を踏み入れた猟兵たちを見逃さず、行動を開始する。

「直接触れると何があるかわかりません。気をつけましょう」
「……厄介じゃのう」

 シズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)と山梨・玄信(3-Eの迷宮主・f06912)は迫りくる小型ダイウルゴスたちを見据え、こちらも動き出す。
 シズホが取り出したのは禍々しい剣。燃え盛るマグマの如き刀身は先の帝竜を思い起こさせる一振りだった。

「さぁ、起きなさい王劾。あなたの力を見せてください」

 その剣の銘は『炎獣牙剣『王劾』』。マグマをその身に宿す帝竜との交戦で変質し、その竜の力をその身に宿した剣。その刀身からは様々な形をした炎の獣たちが生まれ、シズホに従う。同時に『五英雄再現戦闘人形『マジェス』』が操る風で炎は勢いを増し、炎獣たちと共に小型ダイウルゴスを迎え撃つ。

「わしも負けておれんのう」

 玄信もシズホに負けじとその身体を気の防御で固める。迎撃を選択したシズホとは違い玄信は小型ダイウルゴスの攻撃を受け止めることを選んだ。

 マジェスの巻き起こす熱波が小型ダイウルゴスを呑み込みその動きを制限する。
そこへシズホの操る炎獣たちが小型ダイウルゴスたちへと喰らいつく。その燃え盛る身体で小型ダイウルゴスを焼却し、その数を減らしていく。
 その攻撃をすり抜けた小型ダイウルゴスが狙うのは動きを止めている玄信。その身体へ突進し、噛みつき、引き裂こうと爪を振るうが玄信の身体を纏う気に阻まれ掠り傷しかつけることはできない。

「吻ッ!!!」

 そして玄信は群れる小型ダイウルゴスたちへ気を放出し、その身体を内部から破壊する。

 前面に展開する小型ダイウルゴスたちはシズホの手で焼き祓われ、その猛攻を潜り抜けたモノは玄信に足止めされ気で撃ち落とされる。

 空を埋め尽くすほど存在した小型ダイウルゴスたちによるダイウルゴス文明軍はその大半が失われていた。

「そろそろですね」
「そうじゃな」

 覆い隠していた小型ダイウルゴスたちの数が減り、本体への道が見える。
 ここをチャンスと読んだシズホは【幻影装身】を発動し、その身に燃え盛る炎の如き力を纏わせる。身体を焼くような呪縛も今は無視。この力を使い、見えた道を斬り拓く。

「かましますよ!」

 幻影から追加される炎の獣たちと放たれる高熱火山弾。それは生き残っていた小型ダイウルゴスたちを蹂躙し、焼き尽くす。

 そして拓けた道を玄信とシズホは疾走する。


「我等にたどり着くか」

 尖兵を越え、たどり着いた2人の前に立ちはだかる帝竜ダイウルゴス。
シズホの振るう王劾とマジェスの喰剣をその腕で受けとめ、反撃の一撃を見舞おうとするがその瞬間に背後で炸裂する衝撃。

「お主の動き、見切ったぞ!」

 そこにいたのは【読気法】を発動し、褌一丁の玄信。シズホを囮に背後へと回り、浸透拳の一撃を翼の付け根に叩き込んでいた。


 その衝撃で体勢を崩したダイウルゴスを二振りの剣が斬り裂いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ケルスティン・フレデリクション
こわい竜…でも、がんばらなきゃ…皆をまもるためだもん。

敵からの先制攻撃があれば【ひかりのまもり】を使うよ
味方が攻撃されそうになってるときも、同じ。皆をまもるからね!
できる事なら全てを防ぎ、攻撃に転じる隙を作り出すよ。

氷の精霊のルルにおてつだいしてもらうよ
氷の【属性攻撃】【全力魔法】で足元を攻撃して、動けないようにしてから大きな氷の槍を作り出して攻撃!

いっぱいがんばる!
【連携アドリブOK】


緋神・美麗
絡み・アドリブ歓迎

何でもかんでも同化とか今までで一番厄介な相手かも。これは気合いを入れないとね

相手の先制攻撃の不利な行動が何をしてくるか読めないのでとりあえず視力と戦闘知識、第六感・野生の勘を駆使して観察しながらダッシュして間合いを取り、強化後の攻撃をシールドビットとオーラ防御で凌ぐ
「読み切ったわよ」
反撃にカウンター・力溜め・気合い・限界突破・覇気・鎧無視攻撃・二回攻撃・衝撃波・誘導弾・属性攻撃を乗せた超巨大電磁砲をダイウルゴスの胴中央めがけて撃ち込む


黒髪・名捨
これはアレか、群にして個。個にして群。って奴か?
しかし、あらゆる物質と融合か…悪食な奴め。

●先制攻撃
会議か。会議で不利な出来事ってやっぱ横槍だろ。
なんで今回はアーラーワル投げない。槍なだけに…。槍なだけに…。
会議の邪魔をせず、見守ろう。距離を取りつつ合法阿片を吸って『ドーピング』して注意深く監視する。
ふーーーッ。

●戦闘
会議している隙に『闇に紛れる』と闇に『迷彩』して姿を隠し、死角から接近する。
スタングレネードを『投擲』。閃光で『目潰し』して『恐怖を与える』
恐怖は伝播する。群なら効くだろ?


悪いが、アンタの生に長々と付き合う気はない。
『覇気』を籠めた『グラップル』で一撃必殺!!
あばよッ。



●決定のダイウルゴス

「賛成72、反対27、棄権1……」

 猟兵たちの攻撃を受け、ダイウルゴスが新たに議決した議題。それは猟兵たちの殲滅。過半数の承認を得られたその議題に従いダイウルゴスは再び動き出す。尖兵たる小型ダイウルゴスが殲滅されようとも本体であるダイウルゴス未だ健在。

「我等ダイウルゴス文明は猟兵たちの殲滅を選択する」

 そもそもがヴァルギリオスより長く生きるためとはいえこの場に留まったこと自体がダイウルゴスにとっては不利な選択。それに加え猟兵たちの殲滅も本来であれば不必要である選択肢。自らの不利となる選択を選べばダイウルゴス会議によりその身体に宿る力は増大する。
 一つの文明を呼称する竜が再び決議に従い動き出す。

「何でもかんでも同化とか今までで一番厄介な相手かも」
「これはアレか、群にして個。個にして群。って奴か?」
「こわい竜…でも、がんばらなきゃ……皆をまもるためだもん」

 緋神・美麗(白翼極光砲・f01866)、黒髪・名捨(記憶を探して三千里・f27254)、ケルスティン・フレデリクション(始まりノオト・f23272)の3人は合議の最中であるダイウルゴスを観察していた。ダイウルゴスが合議により動くことは既に知っていたがその合議の中身も決定の後にどう動くかは未知数。その動きを見定めたうえでこちらも動かなければならなかった。

「ふーーーッ」
「……どうやら決議は出たようね」

 名捨が合法阿片を吸い切ると同時にダイウルゴスは再び動き出す。向かう先は猟兵たちの元。徐々にその力を増しながらダイウルゴスは猟兵たちの元へ近づいてくる。

「どうやらオレたちを迎え撃つらしいな」
「私が皆をまもるよ!」

 動き出したダイウルゴスに対応する様にこちらも動き出す猟兵たち。ケルスティンは2人の前に立ち、ダイウルゴスと対峙する。

「きらめき、まもって!」

 ケルスティンの声に応え現れる無数の盾。それは【ひかりのまもり】と名付けられたケルスティンのユーベルコ―ド。皆を護りたいという願いから想像し想像した無敵の盾。それがダイウルゴスの前に立ち塞がる。
 その爪を振るい、尾で薙ぎ払い、牙を立て、突進を繰り返すダイウルゴスだがケルスティンの盾を超えることはできずその攻撃は猟兵たちに届かない。ケルスティンがこの盾を無敵だと信じる間、この盾を超えられるモノはいない。

 ケルスティンがダイウルゴスを止めている間に美麗と名捨も動き出していた。
 美麗は戦場を駆け抜け自らの必殺の間合いを目指す。ダイウルゴスの動きを観察し、最大の一撃を叩き込めるチャンスを見計らいながら。
 名捨は闇に紛れ、その身を隠しながら死角からダイウルゴスへと接近していた。その手に握られているのはスタングレネード。名捨の狙いこそが最大の一撃を叩き込めるチャンスを生み出すことだった。

「これでも喰らいやがれッ!」

 投擲されたスタングレネードはダイウルゴスの眼前で炸裂する。周囲は音と閃光に包まれ、ダイウルゴスもその動きを止める。群体であるダイウルゴスは一瞬でも疑念や恐怖を感じるとそれが群れに伝播しそれぞれが自らの考えで動き出そうとする。その意見を一度まとめ、再び決議をとらなければならなくなるため動きが止まる。

「ルル!」

 その絶好の好機を見逃す猟兵ではない。ケルスティンは氷の精霊ルルにお願いをしてダイウルゴスの足元を凍結させる。身動きの取れなくなったダイウルゴスは絶好の的となり果てた。

「チャージ、セット」

 美麗も【超巨大電磁砲】を発動し、巨大な鉄塊に電気を流す。帯電し、磁性を帯びる鉄塊を押し留め威力を増していく。

「悪いが、アンタの生に長々と付き合う気はない」

 名捨は凍り付いた足からダイウルゴスの身体を駆け上がり、頭部へと辿り着く。そこで振るわれるのは覇気を込めた【一撃必殺】の拳。それがダイウルゴスの頭部を揺らし、その身体を大地へ叩きつける。

「あばよッ」

「せーのっ!」
「えいっ!」

 そして体勢を崩したダイウルゴスへ放たれる電磁加速した鉄塊と氷の槍。


 2つの弾丸が群れを貫き、その身体に風穴を穿つ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

メイスン・ドットハック
【WIZ】
強力な精神汚染とは厄介なものじゃのー
じゃけど、それに対する対策というのもあるけーのー

先制対策
二足歩行戦車KIYOMORIに搭乗して参戦
予めメイスンの精神状態に異常を感知したら、3基のAIが休眠から稼働して手動運転をシャットアウト、AIの自動制御に移行するようにしておく
AIは、未来予測・回避行動・攻撃分析を行い、メイスンの精神状態が回復するまで回避に努める

先制後はUC「フレミングの左手の法則」で文明化したフィールドの無機物をレールガンに変え、400に迫る超高速に加速した弾雨の集中砲火・一点集中で攻撃をする

よくもやってくれたのー。融合とか社畜になるみたいで嫌なんじゃよー!

アドリブ絡みOK


死之宮・謡
アドリブ歓迎

んー…如何も、帝竜には胡散臭い連中が多いな…
正直、私は貴様のことなど如何でも良いんだが…
私は、何か強い意志を持って事を為そうとしている輩を踏み躙ってやるのが大好きでな?
問答は無用だ。面白可笑しく死んでくれ

・WIZ
先ずは呪いの魔道砲台(呪詛・全力魔法・占星術)を生み出して浮かせて「砲撃」 (衝撃波)
UCに関しては…すまないが、私はあらゆる総てに、殺意を抱く質でね…
無論、この私自身に対しても例外は無いんだ…故に、無意味だと言っておこう
故に再度言おう…お別れだ、友よ…
【銀灰】を発動してストライフで一閃(呪詛・怪力・鎧砕き)



●洗脳のダイウルゴス

「厄介な相手じゃのー」
「胡散臭い奴らだ……」

 メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)と死之宮・謡(狂魔王・f13193)は胴体に大穴を穿たれたダイウルゴスへ追撃を仕掛けていた。謡は創り出した魔導砲台による砲撃を、メイスンは『O-Ⅶ型機動強襲用二足歩行戦車「KIYOMORI」』に乗り込みダイウルゴスへと肉薄する。
 しかし、2人の攻撃を受けて尚ダイウルゴスの傷は塞がっていく。そもそも群体である以上、胴体に穴が開いた程度では致命傷とはなり得なかった。

 そして身体の穴が塞がるとダイウルゴスは再び動き出す。

「―――ッ!」
「……」

 動き出したダイウルゴスと対照的にメイスンと謡の動きが止まる。いつの間にか放たれていた不可視の文明侵略衝撃波『フロンティア・ライン』が2人を呑み込み、ダイウルゴスの一部になりたいという思考を植え付ける。
 ダイウルゴスの一部になるということは実質的な死に等しい。だが思考を染められた2人は今、そこに何の疑念も抱けない。

「……」

 だがメイスンの歩行戦車が動きを止めたのは別の理由だった。あらかじめこうなることを予見していたメイスンはAIに精神異常を検知した瞬間に手動制御を停止し、AIによる自律制御へ移行するようプログラムを書き換えていた。
 制御権を獲得したAIはメイスンがダイウルゴスの一部にならぬよう回避に専念する。

「お前は私……」

 謡は自身の望むがままにダイウルゴスへと近づいていく。ダイウルゴスの一部になるということは謡がダイウルゴスに、ダイウルゴスが謡になるということ。

 ダイウルゴスへ手を差し伸べた謡は―――全力でその手に握る魔剣を振り下ろす。

 突然の出来事にダイウルゴスも回避が間に合わず、右腕が斬り落とされる。それにより放たれていた文明侵略衝撃波が途絶え2人の洗脳が解除される。

「ああ、すまない。私はあらゆる総てに殺意を抱く質でね。私自身であろうと例外ではないんだ」

 つまりダイウルゴスと同化しようとした謡はただいつもの様に自殺をしようとしたに過ぎない。謡はそれで命を落とすことはないがダイウルゴスはそうではなかった。

「よくもやってくれたのー。融合とか社畜になるみたいで嫌なんじゃよー!」

 洗脳が解除されれば出し惜しみをする必要もない。次の文明侵略衝撃波が放たれる前に勝負を決める必要がある。

メイスンは【フレミングの左手の法則】で周囲に転がる文明の残骸をレールガンの弾丸へと変え、その照準をダイウルゴスへと合わせる。
 謡も【押し寄せる銀灰の波濤】を発動し、灼熱の液化金属を召喚する。

「賛成99、反対0、棄権―――」

 自らの生に対する危機を感じ取り、これまでの決議を覆し撤退を図るダイウルゴス。だがその決定はあまりにも遅すぎた。
 メイスンの操る亜音速の弾雨がダイウルゴスの身体を貫き、大地へ縫い留める。そこへ押し寄せる赤熱化した液体金属の大津波。燃え盛る津波に飲み込まれたダイウルゴスはその身体を焼かれ、金属で固められる。

「…お別れだ、一時の友よ……」


 謡の振るう無慈悲な一閃が群れなす竜を両断し、群れる総てを鏖殺し塵へと変える。


 文明を侵す竜は消滅し、ここに戦いは幕を閉じる。
 もはやここに群れを為すモノは存在しない。

 猟兵たちはヒトの築き上げた文明を護るため、次なる戦いを止めに向かう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月21日


挿絵イラスト