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「 T R E E 」のおねがい

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●大樹の部屋
 そこは地下迷宮であるにも関わらず、瑞々しい緑の匂いが溢れる広々とした部屋だった。踏みしめる土は本物で、名も無き草花が地面を覆い、どこからか湧き出る透明な水が池となり留まっていた。水鏡の横ではパチパチ燃え続ける魔法のたき火が延々と揺らぐ。たき火が照らすのは大きな三日月の壁画、隣の壁には同じタッチで太陽が描かれている。昼か夜かも曖昧に、両の光源が優しい明かりで部屋全体を包み込んでいた。そして、天井を埋め尽くすように枝を張り巡らせて、根を地にうねらせる大樹が、部屋の中央で堂々と冒険者たちを待ち構えている。知恵の輪のように複雑に絡み合う枝は、入口とは別のもうひとつの扉へと続き、これでもかと雁字搦めに塞いでいた。

 なぜ大樹は扉を封じているのか。物言わぬ大樹の意思を、根本に設置されたひとつの看板が代弁していた。
 表には、『「 T R E E 」のおねがい』と。
 「T」「R」「E」「E」は全て金色の小枝が組み合わさって作られている。
 まばらに散らばる文字は少々読みづらいが、手作りの味があるというべきか。
 そして裏には、「ひとつめ。青と赤は隣同士。ボクと青の間を探して。」と。
 どうやらこのおねがいを叶えないと、扉の先へは進めないようだ。

 木も草花も水辺もあるというのに、この部屋には虫や魚など植物以外の生命は何ひとつ棲んでいない。時が動くのは、謎を解き明そうと冒険者が訪れた時だけだ。長らく唸りながら部屋を歩き回っていたアルダワ魔法学園の生徒たちは、頭から煙がでそうだと地面に倒れ込む。
「あー、わっかんねーっ!他にヒントはないのかよっ!」
「剣で切ろうとしても、魔法で壊そうとしても、あの枝ビクともしないし……。」
 謎を解く他に、実力行使も試した生徒たちのチャレンジは全て失敗に終わったようだ。今日はもう諦めて帰るぞとリーダーらしき少年が帰還を指示する中、自分のスケジュール手帳をメモ帳代わりに使っていた一人の少女が、何やらぶつぶつと呟いている。
「何だろう、……どこかで見た気がするんだけど……。」
 ほら、置いてくぞ! 待ってよ、もうすぐで解けそうなのに!
 結局謎を解き明かせなかった生徒たちは、渋々と元来た道を引き返していく。
 封じられた扉の奥では、悪しき童話たちが人知れず、ばさばさとページを羽ばたかせて暴れていた。

●謎解きと悪しき童話作家の討伐依頼
「頭のやわらかい人おいでませーっとね。」
 グリモア猟兵のメリー・アールイー(リメイクドール・f00481)はいつものように猟兵たちへ召集をかけた。
「今回の依頼では、アルダワ魔法学園のとある小迷宮に行ってもらいたいんだ。その迷宮の一部屋で生徒たちが行き詰まってるみたいでねぇ。」

 メリーは必要ならメモするようにと猟兵たちに告げて、予知した風景を事細かに説明した。
 今回はその大樹の部屋の謎が解けずに学園の生徒たちは引き返したようだが、万が一生徒たちが先に謎を解いて扉の先へ進んでしまえば、奥に潜む悪しき童話の魔物「書物の魔物」の群れに襲われてしまうという。また迷宮の最奥には、その童話を綴り続けている作家「スペシャル・ライター」が潜んでいるのだ。作家を止めない限り作品は生まれ続けて、いずれ地上へと溢れ返ってしまうだろう。

「なんにせよ、大樹の部屋の謎が解けんことには先に進めんのだけどね。ちなみに、枝や扉をぶっ壊す強硬手段も止めやしないが……魔改造がされとるみたいだからね。易々と壊せるもんでもないから、成果は期待せんように。」
 力尽くの作業を続けてみたら何かしらヒントが出る可能性も否定は出来ない。しかし、謎には必ず答えがあるもの。折角なら正攻法で挑もうじゃないか。優秀なあんたたちなら、おちゃのこさいさいだろ?とメリーはきししと笑った。

「生徒たちが危険な目に遭う前に、あんたたちが先に謎を解き明かして、作家を退治しとくれよ。それじゃ、よろしゅうにっ。」


葉桜
 どうも。実は謎解き大好き、新人MSの葉桜です。
 今回はお試しで、謎解きは第一章だけ。
 難易度「易」でお届けします。どうぞ宜しくお願いします。

●第一章、大樹の部屋の謎解き
 初めの謎はOPの予知の内容だけで解けます。
 ひとつめとあるのだから、ひとつじゃないんでしょうね。
 ひとつめを解いてから、次のおねがい(謎)が出てきます。
 一気にプレイングをいただくと、不採用が出る可能性があります。
 先客が多ければ一旦お待ちいただくのがよいかもしれません。
 勿論、全ての答えの道筋が見えたのでチャレンジしてみる、という方も歓迎です。
 当たれば、どこぞの名探偵の孫かよすげえってリプレイをお返し致します。
 今回は少し早目のリプレイ返却になると予想しております。

●第二章、悪しき童話たち
 「書物の魔物」と集団戦です。
 例えば、「三匹の子豚をフルコースで食べた狼」の本が、レンガでも太刀打ち出来ないほどの強烈な肺活量を持つ狼の吹き飛ばしを再現するようなページカッターが連射されるとか。「白雪姫と七人の小人を永遠に眠らせた世界で一番美しいお妃様」の本が、毒りんご型のインク魔法弾を放つとか。
 有名童話の悪役が勝利するよう改変した物語が襲ってきます。
 宜しければ自分好みの物語を考えて送ってみて下さい。
 お任せも歓迎ですし、何も無ければ自由に書きます。
 上記の例を使っても良いです。

●第三章、完璧主義者の作家
 「スペシャル・ライター」とボス戦、純戦闘です。
 作家は読者に何かを問います。答えるか否かはお任せ致します。

 アドリブ、共闘がNGなお方は「×」の記載をお願い致します。
 それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『通せんぼのお邪魔大樹』

POW   :    気合いで壊す!

SPD   :    周りの状態を調べる

WIZ   :    有効な手段を考える

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

セイス・チェイナー
謎解きは得意ではありませんが…頭を使うのは面白そうですね
赤と青…花の色も含めれば色々とありますが…目立っているこの美しい水鏡とたき火でしょうねぇ
「ボク」は誰か…あなた(木)ではないのですか?
では、青(水鏡)と木(ボク)の間を掘ってみましょうか…
………掘るのは誰かに任せられませんかね



「謎解きは得意ではありませんが…頭を使うのは面白そうですね。」
 セイス・チェイナー(バーチャルキャラクターのバトルゲーマー・f09751)はぐるりと大樹の部屋を見渡して、謎に挑んでみることにした。赤と青……部屋を歩きながら、足元の花々に視線を落とす。名も無き花にも色はある。しかし、それよりもこの部屋で存在感を放つのは、美しいたき火と水鏡だろう。
「赤がたき火、青が水鏡だとしたら、『ボク』は誰か……あなたではないのですか?」
 セイスは確かめるように大樹に語りかけるが、残念ながら返事はない。ものは試しだと、青とボクの間、つまり水鏡と木の間と掘ってみようかと思案するが……どうにも気分が乗らないようだ。
「………掘るのは誰かに任せられませんかね。」
 任せられるものは全て任せたいスタンスであるセイス。しかし、返って来る沈黙が、貴方が掘るしかないと暗に言っているようだった。深いため息を付いて、予想した場所をとりあえず掘っていく……。道具も何もないので、手で土を掘り返すしかない……。無理かな?と一瞬で諦めようとする彼の持久力よりも更に早く、少し地面に穴を開けた程度の所で、何やらメモのような紙が出てきた。
『残念ハズレ。ボクは木だけど、赤は火でないし、青は水でない。火も水も木も、黒だ。』

苦戦 🔵​🔴​🔴​

アイ・エイド
デッカい木だなァ…!!
武器ならともかく、魔改造されてるモンは弄りたくねぇわ、ウン。

お!なぞなぞか!計算式とか魔法式のごちゃごちゃしたモンは苦手だが、そういうのは得意だぜ!!…多分!!

???
青と赤が隣同士にいんなら、
アンタは赤の隣にいて
青とアンタの間は赤じゃねぇのか?

あー、もう!何か打開策はねェのかよ!?
召喚魔法!!オレは!この問題と!戦っている!!何かいいアイテム来いッ!

アドリブ絡み大歓迎!



「デッカい木だなァ…!!」
 やたらと大きな声を上げて、アイ・エイド(腐れ人狼時々2頭身ひよこ・f10621)は自分の身長の二、三倍はある大樹を見上げる。魔改造されていると聞いたので迂闊に手出しは出来ないが、観察は大切だ。天井を埋め尽くす大樹の緑、扉まで続く複雑に絡み合った枝に目を奪われたまま移動していると、大地を這う根に躓いてしまった。
「いってて、……やたらこの根っこ、デコボコうねうねしてんなぁ!」
 足元に気を付けねぇと、と。服に付いた土をパンパン払って、アイは看板の裏を見る。

「お!なぞなぞか!計算式とか魔法式のごちゃごちゃしたモンは苦手だが、そういうのは得意だぜ!!…多分!!」
 意気揚々と問題に挑むアイだったが、その頭上にはクエスチョンマークが行列を成している。
(青と赤が隣同士にいんなら、アンタは赤の隣にいて青とアンタの間は赤じゃねぇのか?)
 いや、青の隣が赤だけとは限らない。『ボク「何か」青赤』の可能性も忘れてはならないが、パニックになっている彼の頭はもうぐちゃぐちゃだ。
「あー、もう!何か打開策はねェのかよ!?召喚魔法!!オレは!この問題と!戦っている!!何かいいアイテム来いッ!」
 『召喚魔法』と書いて『サモン・エラー』と読むこの魔法。なんと「いま戦っている対象に有効な製作物(召喚事故により変形した状態)」が召喚されるらしい。
ヒュー……ポトン。彼の元に届けられた召喚物が頭に軽くぶつかって地面に落ちる。それは乱暴に丸められた一枚の紙きれだった。広げてみれば、「1」から「31」までの数字が「赤青黒」色で規則正しく並んでいる。これはどうみても……カレンダーだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

竜胆・エレナ
……へえ、リドル。
こんな洞窟も面白そうね。
良いわ、ここも私の根城候補にしちゃおうかしら。

さて、こんなお願いはちょちょいと解いていきましょうか。
金色の小枝を色々と調べて捜索するわ。
ひとつめ、なんだからふたつめがあるでしょう?
そのヒント……というよりはおそらく、ふたつめはここにあるはずなのよ。

え、ヒント?そうねぇ。
解けかけてた子、いたでしょう。あの子の持っていた本、なんだったかしら。
これ以上は答えになっちゃうわね?ふふっ。
さて。次のお願いは何かしらー、っと



「こんな洞窟も面白そうね。良いわ、ここも私の根城候補にしちゃおうかしら。」
 洞窟に住みついて、冒険者を待ち受ける仕事をしたいという将来の夢を持つ竜胆・エレナ(ドラゴンお姉さん・f08680)は、未来の根城を絶賛募集中である。今回狙いを定めたのはリドル……なぞなぞが仕掛けられている一風変わった地下迷宮だった。

「さて、こんなお願いはちょちょいと解いていきましょうか。」
 自信満々な口調で、エレナは迷うことなく看板の表に飾られた金色の小枝を調べ始める。
「ヒントは……そうねぇ。解けかけてた子、いたでしょう。あの子の持っていた本、なんだったかしら。これ以上は答えになっちゃうわね?ふふっ。」
 エレナは予知の説明の中で少女が手にしていた本……スケジュール手帳にいち早く注目したのだ。これは先程の召喚魔法で落ちてきたカレンダーと同じヒントを示しているのだろう。もったいぶるように答えは明言せず、彼女は看板を弄り続ける。
 看板の表側は沢山の溝により複雑な凹凸が形成されている。その溝に金色の小枝はぴったりと嵌っていて、「T」「R」「E」「E」の文字は移動出来ない仕組みらしい。
 どんなに看板とにらめっこを続けても、それ以上得るものはなかった。まだ先に探さなくてはならないものがあるのだ。彼女が次のおねがいを聞けるのはもう少し先になる。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

オルト・クロフォード
【WIZ】

ほウ、なぞなぞカ。
面白そうだと思ったが中々に手強そうだナ……

……ン? カレンダー……?
……ア、もしかしテ。

周囲にあるものを見回してみル……土、木、火、水、月の絵、太陽の絵……ここにあるものは「曜日」だナ?
カレンダーの青と赤は土と太陽(日)、そしてここで言う「ボク」は木……で、青との間にあるのは「金」曜日だナ?
金……金……もしかしテ、この看板のTREEの文字カ? これは金色の小枝で出来ているシ……
………デ、これをどうすればいいのだろウ?



「ほウ、なぞなぞカ。面白そうだと思ったが中々に手強そうだナ……。」
オルト・クロフォード(クロックワーク・オートマトン・f01477)もまた大樹の謎に頭を捻っていた。現在までに見つけられたヒントを合わせて、じっくりと考えを巡らせる。
「……ン? カレンダー……? ……ア、もしかしテ。」
 オルトはこの部屋の仕組みに勘付いて、周囲にあるものを改めて見回す。地面には一面の「土」、中央に居座る大樹は「木」で、消える事のないたき火の「火」、透明な池の「水」、そして、「月」の絵と、お「日」様の絵……。
「ここにあるものは『曜日』だナ?」
そう、カレンダーでは日曜日は赤色、土曜日は青色、その他は黒色で表されている。よく見てみれば、「日」の隣に「月」が描かれており、「月」を脇から照らす様に「火」が灯っているなど、部屋にある位置関係も曜日の順序と関連がありそうだ。

「ここで言う『ボク』は『木』……で、青である『土』との間にあるのは『金』曜日だナ?」
 「金」といえば、看板の金色の小枝を示しているのかと首を傾げる。しかし、そこは他の猟兵がすでに捜索済みだ。先程、部屋をよく見て気付いたことをもう一度思い出してみて欲しい。そして問題をもう一度確かめてみよう。

 ひとつめのおねがいは、『ボクと青の間を探して。』だ。
 つまり、『「木」と「土」の間を探して。』これが言葉のままの意味だとしたら……。
 誰かが何かに蹴躓いていたのを覚えているだろうか。木と土の間がそこにある。

成功 🔵​🔵​🔴​

セブンス・エデン
木は大好きにゃ。夏は木陰で涼めるし、今の時期はぽかぽか日向ぼっこができるにゃ。
まぁアタシはハードボイルド目指してるからそんなことはしにゃいけどにゃ。

水と金間に挟まれた木、木と土の間。
それってこのぼこぼこの根っこのことにゃ?
根っこをよーく調べてみたらなにかわかるかにゃあ?



 大樹の根元でちっちゃくて可愛い……失礼、ハードボイルドなケットシー、セブンス・エデン(タマちゃんって言わにゃいで・f11788)は緑の空気を吸い込んで、髭をぴくぴく揺らしていた。
「木は大好きにゃ。夏は木陰で涼めるし、今の時期はぽかぽか日向ぼっこができるにゃ。……まぁアタシはハードボイルド目指してるからそんなことはしにゃいけどにゃ。」
 地下迷宮では天然の陽の光は届かない代わりに、月と太陽の壁画の魔法光によって優しく照らされている。日向ぼっこはしにゃいしにゃいと自分に言い聞かせるように首を振り、セブンスは小柄な体躯を活かして木の根元を捜索していた。
「木と土の間……それってこのぼこぼこの根っこのことにゃ?」
 大樹のうねる根っこの隙間を覗いてみる……だが光加減によるのかよく見えない。でもよく調べてみたら何か分かるかもしれないと、諦めずに猫の手を隙間に突っ込んでごそごそ探ってみる。
「あった! 何かあったにゃ!」
 セブンスの肉球の上には、見覚えのある金色の小枝が一本乗せられていた。

 他にもうねりが大きい根っこはいくつかある。セブンスは他にも何かないかと、部屋中の土と根の隙間を隅から隅まで探した。
 結果、「真っ直ぐの金色の小枝が三本」とひとつのメモを見事発見したのだった。

 「ふたつめ。元の場所に戻して、『3』を見つけて。」

大成功 🔵​🔵​🔵​

竜胆・エレナ
なるほど、カレンダーにとらわれ過ぎていたわね。
「木」と「土」の間には「金」じゃなくて「根」があるものね。
それじゃあ答えはもうすぐ、ね。

今度は簡単。
元の場所に戻す、これは金の小枝の所。
『3』を見つける……つまり『THREE』よ。
「T」と「R」の間に3本の金の小枝を「H」の形で置いていくわ。

ね、ボクちゃん。
これでいいかしら?
出来たら、何で扉を閉じてるのかも教えてくれたら嬉しいわ。


セブンス・エデン
にゃにゃあ? 金の木の棒が、さんぼん?
ふむ、にゃるほど。これはあれだにゃ。TREEのTとRの間にこの三本を使ってHを入れれば3(THREE)になるのにゃ。
タマちゃん賢いのにゃ。えっへん。

……でも間違ってたら嫌だからおにーさん(おねーさん)がいたらその人にお願いするのにゃあ。
あとタマちゃんって言わにゃいでにゃ!

(他の参加者さんがいらっしゃることを想定したプレイングです。いらっしゃらなかったら適当にマスタリング御願いします)


セルマ・エンフィールド
クイズというものですね。やったことはあまりありませんが……善処しましょう。

見つけたのは金色の小枝、これは見覚えがありますね。
「T R E E」の文字が同じく金色の小枝でできています。
「もとに戻して」とはおそらくここにこの3本の小枝を加える、ということ。
そして「3」を作るということは…まぁ、こういうことでしょう。

3本の直線の小枝を使用し、「H」の文字を作り、「T」と「R」の間に。
「T H R E E」
を作ります。

さて、これで正解か、そうならばどうなるか……



「クイズというものですね。やったことはあまりありませんが……善処しましょう。」
 セルマ・エンフィールド(終わらぬ冬・f06556)もまた大樹の部屋の謎に挑みに訪れた猟兵のひとりだ。今一度、謎を見定めるように、部屋全体をその透き通るような青の瞳で射抜く。なぞなぞ、クイズ、リドル……様々な名前で呼ばれた大樹の「おねがい」。何故大樹はこのような謎を冒険者たちに投げかけて部屋を閉ざしているのか。その理由も間もなく猟兵たちの手によって明らかにされようとしている。

「にゃにゃあ? 金の木の棒が、さんぼん?」
 セブンス・エデン(タマちゃんって言わにゃいで・f11788)は金の小枝をふかふかの猫の手でツンツンつつく。先程の何かを発見したという知らせを耳にした竜胆・エレナ(ドラゴンお姉さん・f08680)はセブンスに近寄って、見つけたものとふたつめのおねがいの内容を教えてもらった。
「なるほど、カレンダーにとらわれ過ぎていたわね。……ねぇ、お手柄にゃんちゃんのお名前は?」
「にゃ、にゃ? アタシはタマコ……じゃにゃいにゃっ! アタシの名前はセブンス・エデンにゃ!」
 タマちゃんって言わにゃいでにゃ!……とハードボイルドを目指すセブンスは帽子を目深に被り直してきりりと告げる。その答えにエレナは微笑ましそうに眼を細めた。
「ふふ、私はドラゴンお姉さんのエレナよ。ヨロシクね、セブンスちゃん。」
「情報は出揃いましたか?……見つけたのは金色の小枝、でしたか。これは見覚えがありますね。」
 そこに合流したセルマも交えて、ふたつめの謎に挑む。既に部屋全体を調査し尽くしていた彼女たちには、もう解決への糸口がしっかりと見えているようだ。
「答えはもうすぐ、ね。」
 二人と一匹は頷き合い、三本の小枝を持って看板の前へと移動する。

 さあ、解答のお時間だ。
「御覧の通り、『TREE』の文字は、木と土の間にあったものと同じ、金色の小枝でできています。『元の場所に戻して』とは、おそらくここにこの三本の小枝を加える、ということ。」
「この看板は、私がよーく調べていたのよ。『TREE』を作る小枝はそれぞれ、沢山刻まれた溝に埋まっているわ。それなら、この三本の小枝を戻す場所にはぴったり嵌まる溝があるはず、ね。その場所は……。」
「『T』と『R』の間にゃーん! 三本の小枝で『H』を作って間に入れれば、『THREE』、つまり『3』になるのにゃ!!タマちゃん賢いのにゃ。」
 淡々と、堂々と、えっへんと。彼女たちは皆同じ解答に辿り着いていた。小枝を看板に戻すのは発見したセブンスだろうと他の二人から促されたが、でも間違ってたら嫌だからとおねーさんにお願いしたいにゃあと声が小さくなるタマちゃん。じゃなくて、セブンスの意見を尊重して、三つの小枝をそれぞれが持ってひとつずつ戻すことにした。
 パチン。パチン……パチン。全ての小枝が元の場所に戻されると、看板は光を放ち、裏の文言が変わっていく。
(さて、これで正解か、そうならばどうなるか……。)
「ね、ボクちゃん。これでいいかしら?出来たら、何で扉を閉じてるのかも教えてくれたら嬉しいわ。」
 セルマは静かに成り行きを見守り、エレナは大樹に問いかける。その質問には、大樹の代わりに再び看板が答えてくれるようだ。

「みっつめ。賢い冒険者たちよ。君たちになら任せられる。どうかこの先の災魔を倒しておくれ。
 今まで危険なモノが外に出ないようにボクが守っていたけれど、そろそろ限界だ。
 約束してくれるなら三回ボクをノックして。そうしたら扉を開くよ。
 『みっつのおねがい』はこれでおしまいだ。」

 大樹はこの先の災魔に立ち向かえる冒険者を選別していたのだ。
大樹の試練を乗り越えた猟兵たちは、必ず災魔を倒すと決意を込めて三回ノックをする。役目を終えた枝々は塞いでいた扉を解放して大樹の元へと還っていった。
 扉を開ければ、災魔の住処だ。重々注意を払って突入して欲しい。

 大樹はこの部屋で佇み続ける。
 今度は猟兵たちの無事を祈って、おかえりと迎えられるように。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『書物の魔物』

POW   :    魔書の記述
予め【状況に適したページを開き魔力を蓄える】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    ページカッター
レベル分の1秒で【刃に変えた自分のページ】を発射できる。
WIZ   :    ビブリオマジック
レベル×5本の【毒】属性の【インク魔法弾】を放つ。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 まず、扉を開けるとすぐさま飛び込んでくる書物の魔物に注意した方がよいだろう。
扉の先は円柱型の高さのある造りで、地下へ潜るように螺旋階段が続いている。壁は一面ぎっしりと本が詰まった本棚だ。その本棚の何処からか書物の魔物が襲いかかってくる。この書物は、階段を降りた先の最奥の部屋で執筆を続けるオブリビオンによって創作された特殊な童話だ。新しく魔物を生み出し続ける作家を止めることが最優先事項になるため、書物の魔物を全て倒しきる必要はない。
 猟兵たちはこの書物の魔物を薙ぎ払って、最奥の部屋を目指すのだ。
アイ・エイド
悪役が勝つ物語ねェ…?
ま、悪かねェと思うが
ハロウィンにゃ、まだまだ早ェよ!
…っと敵の攻撃を避けて一旦距離置いて召喚魔法!

…なんだァ?コレ??
多分、悪役の死因に関するもの
(または嫌いなものの着ぐるみ)を
装備した状態で召喚されたな!
オレはあんま童話とか知らねェから
とりあえず、召喚されたものを
武器のように使って
(着ぐるみの場合、
手持ちのダガー使うぜ)
悪役さながらの殺気を放ちつつ戦うぜ!!

因みに魔法関連の物が召喚されても
オレは召喚魔法以外の魔法を扱える自信がない!物理攻撃でいくぜ!

【物語お任せ・アドリブ・絡み大歓迎!】


竜胆・エレナ
ふふ……ボクちゃん、やっぱり優しい子だったのね。
お姉さん、ここ気に入っちゃった。
だから……ボクちゃんの願いは絶対叶えてあげるからね。

道を塞ぐ本の魔物は【ウィザード・ミサイル】で焼いていくわ。
本の魔物ならよく焼けそうよね。
龍炎を魔力で操る龍族の炎の矢、受けてみなさい!
「邪魔をしないでもらえるかしら。一匹残らず燃やすわよ?」

【ウィザード・ミサイル】を撃ちきってなお書物の魔物が残っているなら、槍を取り出して串刺しにしていくわ。
そのまま【ドラゴニック・エンド】で召喚ドラゴンのガーたんを呼び出して攻撃に参加してもらうわ。
「手伝って、ガーたん!一気にいくわよ!」
階段から落ちないようにも気をつけないとね。



「ふふ……ボクちゃん、やっぱり優しい子だったのね。ボクちゃんの願いは絶対叶えてあげるからね。」
 お姉さん、ここ気に入っちゃったからさ……と、竜胆・エレナ(ドラゴンお姉さん・f08680)は大樹の幹を優しく撫で、改めて誓いを口にする。
 さぁ先に進もうかとエレナが大樹の封印から解かれた扉に手を伸ばすと、後ろから静止を促す声が飛んできた。
「ちょっと待ったっ!何かやべェ気がすんぜ。……ほら、扉のすぐ近くでなんか音が聞こえねェか?」
 アイ・エイド(腐れ人狼時々2頭身ひよこ・f10621)の第六感が、このまま無闇に扉を開けるのはマズイと告げてくる。確かに耳を澄ますと、バサバサと鳴る羽音がとても近い。予知にもあった書物の魔物が、誰かが扉を開ける瞬間を狙って待ち構えているのだろう。それならばと、二人は顔を見合わせて頷いた。
 杖を前に構えてエレナは集中力を高めていた。周囲に集う魔力が彼女のマントをはためかせる。
「いいわよっ!……龍炎を魔力で操る龍族の炎の矢、受けてみなさい!」
 エレナの合図でアイは扉を勢いよく開いた。その瞬間、鳥のようにページを羽ばたかせる書物の魔物たちが大樹の部屋へと押し寄せてきたのだ。同時に、エレナは予め準備していた『ウィザード・ミサイル』を放つ。連射される炎の矢で飛び回る書物たち撃ち落とし続けて、第一陣を殲滅させた。この部屋で足を止められ続けたら埒が明かない。エレナとアイは扉を抜け、敵の住処へと足を踏み入れる。

 そこは巨大な書架だった。目の前には下りの螺旋階段、高さがある円柱の部屋の壁は全て本棚となる造り……つまり、階段下まで常に本に囲まれる構造となっている。そして、その本は――。
「あぶねェ!」
 エレナを狙って飛ばされた毒の魔法弾を、アイは腕部に装着したゼロシールドを展開して弾き飛ばした。周囲の本棚から飛び出した一際大きな書物の魔物から無数のページが湧いて何か生き物の姿を模っている。あれは人型か?海賊帽子にコートに鉤のような手?反対の手の銃から魔法弾を放ってきたようだ。
「なんだァ、アレ??オレはあんま童話とか知らねェから分かんねェけどよっ。何かイイ感じのモン……来い!!」
「邪魔をしないでもらえるかしら。一匹残らず燃やすわよ?」
 アイが『召喚魔法』を発動させる間、エレナが『ウィザード・ミサイル』を撃ち、他にも飛び回る書物の魔物諸共敵の注意を引き受ける。その召喚により今の敵に有用だと思われる品が得られるはずなのだが、何が出て来るかは召喚者本人にも分からない。出てきた召喚物はそのままアイを包み込む……それは、不思議な緑の着ぐるみだった。爬虫類っぽい緑の鱗の身体に、多数の牙が目立つでっかい口。あまりに大き過ぎるので二頭身のコミカルな出で立ちとなる。そして、でっぷりとした腹からは何故だかこんな音がする。チクタクチクタク――。
「あら、それ……ピーターパンのチクタクワニの着ぐるみじゃない?」
 ということはあの魔物はフック船長ね。エレナの呟きより先に、ワニから聞こえる時計の音で「フック船長」の物語はアイから一目散に逃げていく。
 ――ピーターパンからティンカーベルを奪ったフック船長は、空も海も支配してネバーランドの頂点に立ったとさ。――
「悪役が勝つ物語ねェ……?ま、悪かねェと思うが。」
 その二頭身着ぐるみで何故そんな俊敏に動けるのか。元アサシンである彼にとっては造作もないことなのだろう。瞬時に「フック船長」を追い背後を取ったアイは、その物語の背表紙にダガーを深々と突き立てた。天敵に討たれた物語はバラバラと只の紙へと還り地に落ちる。チクタクワニは、悪を喰らう悪として不敵に笑ったのだった。
 しかし、そんなキメ顔も長くは許さずに、また別の書物の魔物たちがページカッターの豪雨をアイに降らせようとする。
「油断しちゃ駄目よ、そこら中敵だらけなんだから。」
 すかさずエレナがフォローして、炎の矢でページカッターを焼き払い、書物の魔物を槍で串刺しにした。
「ありがてェ! それにしても敵が多すぎやしねェか?」
「そうねぇ。それじゃあ、仲間を増やしましょうか。」
 そう言うと、エレナは羽ばたいていた次なる書物の魔物に向かって槍を投擲した。見事に命中すると、『ドラゴニック・エンド』の発動条件を満たし、今度はドラゴンが召喚される。
「手伝って、ガーたん! 一気にいくわよ!」
 頼もしい仲間を得た二人は、戦闘を続けながら階段を駆け降りる。
 余談だが、もう脱いでもいいはずなのに気に入ったのか、ワニぐるみを装着したままのアイが足を滑らせて階段から落下するのを、ガーたんが救ってくれた……なんて話もあったそうな。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

テテルマイス・ミンスキパイア
ヒッヒッヒ、もう謎解きの時間は終わりかい?ゆっくりし過ぎたねぇ……まぁしょうがない。下まで駆け抜けるよ、【シャズ】!

アタシはシャズの背中に乗って、シャズに螺旋階段を駆けてもらうよ。向かってくる『書物の魔物』は、シャズに爪で切り裂いてもらうか、アタシが【ウィザード・ミサイル】で迎撃するさ。シャズは空を駆けることが出来るから、足場は気にせず、一番下までノンストップで行くよ!

しっかし、妙ちきりんな童話ばっかりだねぇ。悪役が活躍するのもたまにはいいけどね、そればっかりじゃ『童話』は成り立ちゃしないよ。ヒッヒッヒ!

〔容姿〕
黒三角帽に黒ローブ、童話的な老魔女

(敵の童話は魔女が出てくるものでお願いします)



 大樹の部屋にひとつの影が映される。黒い三角帽に黒いローブ、まるで童話の中から出てきたような老魔女だ。
「ヒッヒッヒ、もう謎解きの時間は終わりかい? ゆっくりし過ぎたねぇ。」
 その特徴的な声も笑い声も魔女そのものだったが、台詞から察するに彼女もまたこの小迷宮に挑みに来た猟兵のひとりらしい。ボスと見紛うような登場をしたテテルマイス・ミンスキパイア(御伽噺の魔女の如き・f13216)は、謎が解き明かされた大樹の部屋を少し残念そうに通り過ぎて、次なる書架の間へと歩みを進めるのだった。

「下まで駆け抜けるよ、シャズ!」
 テテルマイスは巨狼の霊を召喚して、その背に跨り一気に螺旋階段を下って行く。すると、すぐさまページで人型を模る書物の魔物が本棚から飛び出してきた。ローブを纏う魔女の姿はページの白一色だ。テテルマイスの黒魔女と相反するような白魔女は、林檎型に揺らめく毒の魔法弾をこちらに向かって撃ち放つ。
――白雪姫も七人の小人も、みんなみんな毒林檎の餌食に。貴女が一番美しい。鏡の答えにお妃様は今日も幸せそうです。――
「シャズ! そのまま突進! 喰らいついてやりな!」
 テテルマイスは炎の矢で毒林檎を全弾撃ち落とし、シャズはスピードを保ったまま「白雪姫のお妃様」の物語を崩すように噛みついて、姿を再形成する隙も与えずに本の表紙を鋭い爪でバラバラに引き裂いた。その足で、シャズは螺旋階段を蹴って主諸共身を宙に投げる。無謀にも見える行動だったが、心配には及ばない。シャズはもともと空を駆ける力のある狼なのだ。螺旋階段を降り続けるよりも、宙を駆けた方がずっと速い。そんな猛進を何とか止めようと、今度は白狼に扮した二体の魔物が彼女達に並走してくる。
――藁も木もレンガの家も、狼に全部壊された。狼は三匹の子ブタをフルコースで食べましたとさ。――
――七匹の子ヤギも母ヤギも、みんな腹に入れてしまえば石に代えられることもない。井戸で喉を潤して悠々森に帰って行きましたとさ。――
 どこからともなく朗読されているのか、猟兵の頭に直接響くのか。悪しき童話の物語がテテルマイスの脳内に流れてくる。
「しっかし、妙ちきりんな童話ばっかりだねぇ。悪役が活躍するのもたまにはいいけどね、そればっかりじゃ『童話』は成り立ちゃしないよ。」
 シャズが遠吠えを響かせると、どこからかともなく狼の群れが現れて「三匹の子ブタを喰らった狼」の物語を埋め尽くす様に飛びかかり、反対側の「七匹の子ヤギと母ヤギを喰らった狼」の物語も、テテルマイスのウィザード・ミサイルの連弾によって焼き払われた。
「ヒーッヒッヒッヒ!」
 老魔女の笑い声の残響を背に、巨狼は最下層を目指し独走していく。

成功 🔵​🔵​🔴​

オルト・クロフォード
【童話:おまかせ】

なぞなぞの次は童話カ……あまり詳しくはないのだけれド。
気にならない訳ではないガ、状況が状況だからナ……

全て倒しきる必要がないのなら手早く片付けて進むとしようカ。
本の魔物が魔力を蓄えようとしている所を【見切り】、攻撃を仕掛けていこうと思ウ。
書物の魔物だからナ。炎が有効だろウ。【トリニティ・エンハンス】で攻撃力重視の火の魔力によって自分を強化するゾ。ガジェットによる【属性攻撃】と【全力魔法】でページの欠片も残らないほど燃やしてしまおウ。1度残して痛い目を見た事があるからナ……

毒の魔法弾は【オーラ防御】で凌ぐぞ。凌ぎきれなくても私には【毒耐性】があるから大丈夫だとは思うのだガ。



「なぞなぞの次は童話カ……あまり詳しくはないのだけれド。」
 歯車の装飾が付けられたローブを翻して、オルト・クロフォード(クロックワーク・オートマトン・f01477)は螺旋階段を駆け降りていた。先行する幾人かの猟兵たちも魔物を退治しながら進んでいるはずだが、それでも部屋中を飛び回る書物の魔物は後を絶たない。いくつかの主張が激しい物語たちはオルトの脳内にストーリーを響かせて来る。
「気にならない訳ではないガ、状況が状況だからナ……。」
 物語に気を取られてばかりではいられない。そもそも全てを倒しきる必要はないのなら、無駄な戦闘はせずに先へ進むことを優先すべきだと足早に階段を下っていく。
しかし、私の物語を聞いて頂戴と言わんばかりに、彼の前に二つの人影のようなものが立ち塞がった。本から浮き上がるように人型を模るページの塊のうち、ひとつは随分と髪の長い女性で、その後ろに控えるものも女性の姿のように見えた。後ろの女性から声が響く。
――ラプンツェル。髪を下ろしてちょうだい。――
 その台詞を合図に髪の長い女性の髪へ更にページが集まり、長く絡まりながらうねる様はまるで触手のようだった。そうして書物の魔物が魔力を蓄える中、オルトもまた自身の強化を図っていた。手早く片付けて先を急ぎたいところだし、書物の魔物なら炎が有効だろう。
「炎ヨ、力を貸してくレ。」
 オルトが展開した『トリニティ・エンハンス』の炎の魔力は、彼が構えるクロックフェイス・ガジェットごと包み込んで火力を上昇させた。
――私だけの美しい髪、私だけの愛しい娘。塔の上だけが私達の楽園よ。――
 この書物の魔物は「ラプンツェルをひとりじめした魔女」の物語なのだろう。オルトの昔の記憶、「本に囲まれた出口のない部屋に閉じ込められていた青年」の物語が頭をよぎる。彼女の境遇と今いる部屋の状況に、一瞬自分を重ねてしまう。力を溜め終わったラプンツェルは操り人形のように命令されるがまま、長い髪で螺旋を描きながらオルトへと襲いかかった。しかし、その攻撃が届く前に、彼の翡翠色の瞳にも炎が灯る。
「悪しき童話からラプンツェルを解放しよウ。」
 大きな時計版に見える彼のガジェットに搭載されていた銃器から、強化された炎の銃弾が容赦なく全力で撃ち放たれる。彼女の髪、身体、後ろに控える魔女、そして書物の魔物の表紙も含めて丸ごと全てを焼き尽くしたのだった。
「……一度残して痛い目にあったからナ。ページの欠片も残さないゾ。」
 全て燃やし終えたことを確認すると、憐情も残さずにオルトはすぐさま階段を下っていく。ゴールは近い。

成功 🔵​🔵​🔴​

スフィーエ・シエルフィート
悪の活躍は面白いさ、それはそれでね
でも外伝に留めるべき、正史にしちゃいけないよ

折角だ、私からも一つ面白い話をしてあげよう
存在感をフルに使って話をしながら、炎の精霊銃でクイックドロウと早業で……書を燃やすのは心苦しいが焼却だ
何なら風のルーンサーベルで文字通りの追い風で薙ぎ払おう
インクの弾が来たら、その瞬間を見切り鈴蘭の嵐を使い一気に迎撃だ

あるところに、黒髪の美しいお姫様がいました
両親の愛を一身に受け、英雄の活躍する物語を読み無邪気に育っていきました
しかしある時、悪い吸血鬼に父母を殺され、町へ追いやられ
口づけも知らなかったお姫様は
……今や毒花を撒き散らす毒婦となりました


セイス・チェイナー
謎ときでは役立てなかったからね…動くのは嫌いだけど、うん、これくらいはしとかなきゃかな?

バトルキャラクターズを使って戦えそうなキャラを呼び出すよ
そしたら2体ずつ合体させる
やること?足止めだよ、書物の魔物のね。足ないけど
猟兵達に向かっていくのを阻止するよ、届かないならバトルキャラクターを投げつけてでも…疲れるからなるべくやりたくないけどさ
さっさと他の猟兵には奥に行ってもらって、創作者を止めてもらわなきゃ
あれだよ、ここは僕に任せてってやつかな?
…いや、別に戦うのが面倒なわけじゃないよ?うん、戦略的行動さ



 書架の壁と螺旋階段。同じ風景に囲われたまま延々と階段を下り続けているうちに、まるで終わりのない騙し絵の中に迷い込んだような錯覚が、猟兵たちの心を打ち砕こうとしてくる。ここにも階段でうずくまる男がひとり。
「ここまで長い階段だと知っていたら、引き返していたんだけどな……。」
 セイス・チェイナー(バーチャルキャラクターのバトルゲーマー・f09751)の場合は、単純に体力切れで休んでいたようだ。そこへ、カツカツとブーツのヒールの音を響かせてスフィーエ・シエルフィート(愛と混沌のストーリーテラー・f08782)が上から降りてきた。
「おや、こんなところで幕間かい?」
 敵の居城の中での休憩は危険だろうと、スフィーエはセイスに立ち上がれるか尋ねながら、王子のような所作で手を差し伸べた。
「謎ときでは役立てなかったからね。動くのは嫌いだけど、うん、これくらいはしとかなきゃかな?って思ったんだけど……ね。」
 思ったより長丁場でついね、とセイスは苦笑しながらありがたく手を借りて立ち上がった。
「私も謎が解かれてからの参戦だけどね。いつ登場しようとどんな活躍をしようと、私たちの自由さ。」
 ほら、早速出番が来たようだと。スフィーエは目の前に湧いた黒い影と向かい合い、“賑やかしの刃”ルーン・サーベルを構えて臨戦態勢を取った。

 その書物の魔物は今までの本と異なり、インクの染みで真っ黒に染められていた。黒いページで作られる影は人型だろうか。
――あなたばかり愛されて、ずるい、ずるい。100年なんて生ぬるい。茨の底で永遠に。――
 それは物語というよりもただの呪詛のようだった。呪いの茨がスフィーエたちを襲う。しかし、直ちに風属性を纏うルーンサーベルで薙ぎ払えば、文字通りの追い風が、茨を切り刻まれたページへと変えて吹き飛ばす。その間に、セイスはバーチャルキャラクターを召喚する。額に「1」と刻印されたカラフルな妖精たちが、剣や斧、杖や弓など、思い思いの武器を持って書物の魔物に挑みかかる。一度は言ってみたい台詞ってない?セイスは目を細めてスフィーエに微笑んだ。
「あれだよ、ここは僕に任せてってやつ。」
 書物の魔物の足止めは自分が行うから、先を急げと言うのだ。こいつら足ないけど、などと笑って余裕を見せながら。さっさと他の猟兵には奥に行ってもらって、創作者を止めてもらわなきゃ。だから後は自分に任せてくれと。
「クックッ……いいね。格好いい台詞じゃないか。『だけど、断ろう!』」
 キミだけ晴れ舞台を楽しむのはズルいだろう?それに……あれを見てもひとりでやると言えるのかい?そう言ってスフィーエが見つめる先で、黒い影が次々と空を舞う書物を巻き込みながら、漆黒の呪いを広めていく。――やがて、その多量の黒の書物たちは巨大なドラゴンの姿を成していた。
 ちょっと遠慮したい気分になったセイスだが、それでも自分が出来る限りことはしてみようと。バーチャルキャラクターを「2」の刻印まで合体させると、赤青緑の妖精たちをドラゴンの周りへ飛び立たせた。
「疲れることはなるべくやりたくないからさ……今回は自分で飛べる子たちで助かったよ。」
 バーチャルキャラクターを敵方向へブン投げるという力仕事はせずにすんだと安堵するセイスが見守る中、妖精達はドラゴンに光の粉を振りかけていく。赤と青と緑……それは光の三原色。それぞれの色の光の粉が合わさることで、漆黒のドラゴンの翼には徐々に白の斑模様が描かれていった。ドラゴンはもがき苦しみながらも、自分の身体から全方向に黒いページカッターを発射させる。ドラゴンの近くを飛ぶ妖精たちは次々と撃墜されていった。
「悪の活躍は面白いさ、それはそれでね。でも外伝に留めるべき、正史にしちゃいけないよ。」
 スフィーエは巨大な敵を前にしても一切態度を変えずに、またより一層声を張って存在感を示していた。更なる標的を見つけて飛んでくるページカッターに向けて、炎の精霊銃を連射して全て焼き落としていく。
「折角だ、私からも一つ面白い話をしてあげよう。」
 攻めの手を緩めずに彼女は語る。とある一つの物語を。
――あるところに、黒髪の美しいお姫様がいました。両親の愛を一身に受け、英雄の活躍する物語を読み無邪気に育っていきました。しかしある時、悪い吸血鬼に父母を殺され、町へ追いやられ。口づけも知らなかったお姫様は……今や毒花を撒き散らす毒婦となりましたとさ。――
 スフィーエが語る間、口内に毒のインク魔法を溜めこんでいたドラゴンは、物語が終わると同時に炎を吐くような猛烈な勢いで毒魔法を噴射した。しかし、それも予期していたかのように、攻撃に合わせて『鈴蘭の嵐』を舞い散らせる。
 この美しく愛らしい鈴蘭には毒があるのだ。無数の真っ白な鈴蘭の花弁は毒の魔法を包んで飲み込み、そのままドラゴンの口内、そして体内へまで侵入していく。体の内から白の毒に侵されていくドラゴンは、「100年の眠りを永遠の呪いにしたひとりぼっちの妖精」の物語は、はらりはらりとページが剥がれ崩れて。最後には何も残らなかった。

「さぁ、これで先に進めるね。」
「……ああ、うん。僕はもう少しここの魔物の数を減らしていてもいいかな。……いや、別に奥の敵と戦うのが面倒なわけじゃないよ?うん、戦略的行動さ……。」
 余程階段に疲れたのか、視線を泳がせて渋るセイスに、スフィーエは溜息を吐いて階段下を指さした。
「全く……ほら、よく見てごらん。物語には必ず終わりがあるものさ。」
 そこにはようやく現れた階段の終わりと、次の部屋に続くであろう豪奢な扉が待ち構えていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『スペシャル・ライター』

POW   :    修正箇所
【修正箇所を確認する目の青白い光】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    印字作業
【26個のキーから青白い光】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    より良い作品を
対象のユーベルコードに対し【正確に全く同じユーベルコード】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はライラック・エアルオウルズです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 豪奢な扉の奥は、閑寂とした広い部屋だった。中央に佇むひとつの機械が、カタカタと作業音を鳴らしている。その背後に吊るされたスクリーンに文字が浮かび上がる。機械が青白い光で紙上に記した言葉が、スクリーンに映し出されているようだ。
 彼は問う。『悪とはなにか』と。

『誰が悪の定義を決めるのか』
『悪いことをしたら悪なのか』
『悪として生まれたら悪なのか』
『過去に悪だったら、今も悪なのか』
『未来に悪となる可能性があれば、悪なのか』
 
 カタカタ、カタカタ――矢継ぎ早に質問が打たれていく。
『ワタシにとっては、表現の自由を奪うキミたちが悪だ』
 彼の物語は彼にとっては完璧なのだ。物語を修正するなどという非効率的な作業を必要としない。それを正しくないとする者がいるなら、間違っているのはその者だ。ゆえに――。

『キミたちを修正する』
 効率的な作家、『スペシャル・ライター』は猟兵たちに襲い掛かろうと、青白い光で目を光らせた。
テテルマイス・ミンスキパイア
ヒッヒッヒ!『悪』とはなにか、だって?……その質問にはわたくしとして答えさせていただきます(背筋を伸ばす)。まず、童話というものの多くは『伝えるもの』として生まれました。それは知恵であり、道徳であり、娯楽であり……親から子へと伝える為の物語です。その中で『悪』となるもの……それは、子の成長と安全の為に、『やってはいけない』と親が望み願ったものたち!……アタシが言っても説得力ないけどねぇ、ヒッヒッヒ!

アタシは【シャズ】の背中に乗り、空高く駆けてもらうよ。ある程度の高さまで来たら、【エレメンタル・ファンタジア】を『金属を腐食する酸』属性の『局地的豪雨』として発動。相殺出来るかい?ヒーヒッヒッヒ!



「ヒッヒッヒ!『悪』とはなにか、だって?」
 真っ先に扉を開けて放ち、魔女のような笑い声と共に登場したのはテテルマイス・ミンスキパイア(御伽噺の魔女の如き・f13216)だ。腰を折り曲げるその姿勢は悪役の魔女の雰囲気をより強めていたが、この小迷宮に入って初めて、彼女は腰をしゃんと伸ばした。
「その質問にはわたくしとして答えさせていただきます。」
 その姿は先ほど踏破した書架を統治する司書であると言ってもまかり通りそうなほど、理知的で厳格な雰囲気を醸し出していた。
「まず、童話というものの多くは『伝えるもの』として生まれました。それは知恵であり、道徳であり、娯楽であり……親から子へと伝える為の物語です。」
 テテルマイスが講義を行うように語る童話論を、スペシャル・ライターはカタカタと記録に残す。
『人間の老魔女、曰く……』
「その中で『悪』となるもの……それは、子の成長と安全の為に、『やってはいけない』と親が望み願ったものたち!」
 それがわたくしの考える悪ですと言葉を結べば、彼女は再び童話の魔女へと戻っていく。
「アタシが言っても説得力ないけどねぇ、ヒッヒッヒ!」
 おしゃべりはおしまいにしようかと巨狼の霊を再び召喚する光景を、作家は青白く光る眼にしっかりと焼き付けていた。

「シャズ!」
 旧知の仲の彼女たちに余計な言葉などいらない。テテルマイスが巨狼の背に乗り呼びかけるだけで、狼は空中を駆けて彼女を望む位置へと運んでいく。
「さあて……相殺出来るかい? ヒーヒッヒッヒ!」
 部屋の天井付近でテテルマイスが『エレメンタル・ファンタジア』を発動させると、局地的に滝のような豪雨が作家を頭上から襲う。しかも、これはただの雨ではない。金属を腐食する酸の雨だ!
『より良い作品を。』
 その直前、作家はテテルマイスと同じ巨狼を召喚していた。しかし、彼女と旧友の狼を繋ぐ絆まではコピー出来なかったようだ。地上の狼はただ無心にその場に立つだけで召喚者の指示を受け入れることはない。迫りくる酸の豪雨。作家はその両足から車輪を出して重い腰を持ち上げ背後に移動する。そして、召喚した置物のような狼を酸の豪雨めがけて投げつけた。
 盾となったコピーの狼は一瞬で溶かされたが、おかげで豪雨の直撃は免れた。しかし、床に叩きつけられて広がる酸の海は、作家の機械の脚をジュージューと溶かして行く。
『作家の部屋に異常事態発生。デリートを開始致します。』
 スクリーンに緊急事態を知らせる文言が浮かぶと、部屋の床が青白く光り、照らされた酸の海が忽然と消える。それは床上の正しき主以外のもの、修正箇所をまとめてデリート出来る消去の光だった。テテルマイスたちはまだ宙を駆けていた為、消去の対象には選ばれなかったようだ。
 まっさらに戻された部屋。しかし作家の脚は溶かされ使い物にならなくされたままだ。戦闘結果まで修正されることはないらしい。
 扉を開ける次なる挑戦者を見定めるように作家の眼が光った。

成功 🔵​🔵​🔴​

竜胆・エレナ
はぁ……善悪論とか正義論とか、つまらないからやめてもらえる?
誰かにとっての悪ってのは、相対する者にとっての正義なのよ。
つまり、私たちを悪とみなしたアンタは、私たちの正義にとっての悪なワケ。おわかり?
そんな下らない論争は戦場で見飽きたのよ。
てな訳で……アンタは私の正義のもとにブッ飛ばすわ。

最初から全力全開よ。
全魔力を込めて【ウィザード・ミサイル】を放つわ。
「我が始祖なる火竜の龍炎よ、集いて我が敵を焼き尽くさん!」
我が龍の炎の矢、打ち消せるものならやって見なさいよ!

述べ100発の炎の矢を全て放ち切ったら、槍での近接戦闘に移るわね。
得意ではないけど、苦手でもないもの。
「これで終わりじゃないわよ!」



「はぁ……善悪論とか正義論とか、つまらないからやめてもらえる?」
 スペシャル・ライターの問いを一蹴したのは、竜胆・エレナ(ドラゴンお姉さん・f08680)だ。作家の質問の一覧には、オブリビオンという存在について考えるように投げかける問いも含まれていた。猟兵であるエレナは解答する。そしてオブリビオンでもある作家は全ての者の答えを記録する。
『竜騎士の女、曰く……』
「誰かにとっての悪ってのは、相対する者にとっての正義なのよ。つまり、私たちを悪とみなしたアンタは、私たちの正義にとっての悪なワケ。おわかり? そんな下らない論争は戦場で見飽きたのよ。」
 呆れた口調で言い捨てながら、エレナは内なる魔力を静かに高める。そして、威圧感のある瞳で倒すべき敵を睨みつけた。
「てな訳で……アンタは私の正義のもとにブッ飛ばすわ。」

 彼女の結いあげられた赤髪よりも更に赤く。燃え上がる炎の塊が、彼女の背後に次々と生成されていく。出し惜しみをする理由などない。初めから全力全開だ。
 しかし、『ウィザード・ミサイル』を放とうとする彼女の視界が捉えたのは、スクリーンに映された自分の姿だった。先刻、書架の螺旋階段でウィザード・ミサイルを放つエレナの映像……そして目の前に展開される同じ魔法を模写するように、作家の背後にもまた炎の塊が同様に創られていく。
「……っ!……いいじゃない。我が龍の炎の矢、打ち消せるものならやって見なさいよ!」
 エレナはコピーされていると知っても魔法を中断することなく、更に魔力と竜の力を練り続けた。
「我が始祖なる火竜の龍炎よ、集いて我が敵を焼き尽くさん!」
 述べ百発の炎の矢を全て放ち切る。対して作家も全く同じ魔法、百の同等の力を持つ炎の矢を撃ち返す。
 ダダダダダダダダダ……ッ。炎の矢同士がぶつかり合い、激しい熱をまき散らしながら全てを打ち消し合う。
 それをただ見ているだけのエレナではなかった。誇り高き竜騎士は多少の困難では歩みを止めない。魔法を放った直後にはもうドラゴンランスを手に作家のもとへと駆けだしていたのだ。足を溶かされ動けない作家に振り下ろされる重い槍撃……ガギンッと鈍い金属音と共に作家の手元を照らすライトが折られると同時に、素早く立ち回るエレナを逃がすまいと作家は二十六のキーによる青白い光を至近距離から放射する。辛うじてドラゴンランスで身を守りながら飛びのいたエレナは息を飲む。彼女が纏うマントの裾には光線による風穴が開けられていた。
「……くっ。これで終わりじゃないわよ!」
 炎の矢を相殺されても、近接戦闘の続行を許されなくても、彼女の力強い瞳から炎が消えることはなかった。まだやれる。自分は、猟兵は、ひとりではないのだから。

成功 🔵​🔵​🔴​

スフィーエ・シエルフィート
悪は相対的なものだよ
何を悪と思おうがそんなのは勝手さ。受け入れられるかは別だけど
そして私は受け入れられない
だからお決まりの文句だが、敢て言おう
「勝者が正義、敗者が悪、と!そして私達が勝つ」

英雄譚に憧れた少女『殺陣』で一気に攻めてあげよう
最高潮を彩るならば、26字を華麗に避けて捨て身の一撃を早業で切り込もうか、炎の精霊銃と風のサーベルで同じように焚書の刑だ
修正箇所? ルールは敢て破ろう
敢て追い詰められて……英雄譚に憧れた少女『逆転』で文字通りさ
より良い作品を?
「悪の私と同じ姿、同じ手段を取るのだよ? キミが悪になってどうするんだい?」
…こいつは言い包めのブラフで中断させられれば良いけどねぇ



 部屋の中心から放射状に青白い光が放たれる中、華麗な身のこなしでその光線を避けるひとつの影が、遊ぶようにステップを刻む。
「さぁお楽しみの時間だよ諸君!! スタイリッシュ・アクションをこなすイイ女の活躍シーンだ!!」
 スフィーエ・シエルフィート(愛と混沌のストーリーテラー・f08782)はそのモデルのような長い手足を魅せつける様に、ターンを交えた回避行動と共に交差させた腕に握られた炎の精霊銃と風のサーベルで早業を繰り出し、作家へ肉薄していく。この武器は書物の魔物たちとの戦闘でも披露されていたが、攻撃の速度も威力も段違いだ……光線を放射しながら、彼女の猛攻を何とか凌いでいる作家の焦りも無理はない。これは彼女の必殺技である英雄譚に憧れた少女『殺陣』の成せる技だ。足を失った機械仕掛けの作家では真似のしようがない代物だ。
「ほらほら、このまま焚書の刑を喰らっていいのかい? 私に修正箇所があるというなら、見せてごらんよ!」
 スフィーエの挑発に乗るように、作家の両の瞳が青白く光る。お望みの通り修正してやろうではないか。
『悪役のような笑い方をするな。』
 鏡を見せるように、スクリーンにスフィーエの挑発顔がでかでかとアップで映し出される。作家の攻撃手段であるルールの宣告を受けてもなお、あえてルールを破るように。彼女は更に表情を歪ませて、悪役さながらの嘲笑を続けるのだ。
「クックック、ハハハッ。……そう言えば、まだ問いに答えていなかったね。悪は相対的なものだよ。何を悪と思おうがそんなのは勝手さ。あんたが私たちを悪と思うのも勝手。私が悪役を演じてみせたって勝手勝手! こんな表情ひとつじゃ、私の役割は変わらないんだよ!」
『修正箇所、確認。』
 スクリーンの彼女の姿を打ち消すように、修正宣告の文字が浮かぶ。床一面が青白い光に染められ、主以外の全ての修正箇所を消去する部屋のデリートが行われる刹那――彼女は宙を跳び、オラトリオの翼を広げていた。その瞬間の回避により、彼女は『逆転』劇を描ける。宙に舞ったまま精霊銃を構えると、そのまま作家の右目を炎の弾丸が貫いた。
 お決まりの台詞を言わせてもらおうか。スフィーエの笑みに、スペシャル・ライターは反撃ではなく記録を選ぶ。それは作家の性なのか。カタ、カタ、と文字が打たれる。
『山百合のオラトリオ、曰く……』
「勝者が正義、敗者が悪、と! そして私たちが勝つ!」

 作家と猟兵たちの戦いは後半戦へ移ろうとしていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

メルフローレ・カノン
謎解きは苦手ですので、
皆さんの後から推参しました。
あとは、目前の機械の謎かけですね……

悪とは、ですか。
各人が、その時々で、悪いことだと思うことが「悪」なのかなと。
それ自体は決まったものではないし
変わることもあるでしょうけど、
一般的に皆が共通に「悪」と思うものもあるのかもしれません。

ともあれ、オブリビオンは撃破です。
メイスと剣を使って、[力溜め]の上で
[2回攻撃][鎧砕き][傷口をえぐる]などで攻撃します。

敵の攻撃は、[見切り]でかわしたり
26字の光は[武器受け][なぎ払い]で払いのけたりします。
防御の際は[オーラ防御]【無敵城塞】を使用します。
ユーベルコード相殺の技もこれなら無意味でしょう。



「あとは、目前の機械の謎かけですね……。」
 謎解きが苦手な自覚があったメルフローレ・カノン(世界とみんなを守る……かもしれないお助けシスター・f03056)は、大樹の謎は他の猟兵たちに任せて、後ろから見守っていた。そして、歩みを進めた小迷宮の最奥の部屋。問いを投げかけてくる機械仕掛けの作家と、今度は正面から向かい合っている。安心するといい、作家の問いに正解はないのだ。ただ、様々な者にこの問いを投げかけ、それぞれの答えを知ること。そのものに意味があるのだと言わんばかりに、スペシャル・ライターはこの問答を大切にする。
『人間の修道女、曰く……』
「悪とは、ですか。……各人が、その時々で、悪いことだと思うことが『悪』なのかなと。それ自体は決まったものではないし、変わることもあるでしょうけど。一般的に皆が共通に『悪』と思うものもあるのかもしれません。」
 メルフローレは真剣に自分が答えだと思う言葉を紡いでいく。それは漠然としているけれど、そのように曖昧なものかもしれないという、彼女の答えだ。

カタカタと作家が記録を終えるのを、メルフローレは礼を尽くすように暫し待ち、十字架型のメイスに聖なる力の祈りを込める。
「行きます!」
 彼女が作家へ向かって駆けると、簡単には近寄らせまいと26個のキーから青白い光が一斉に放射された。聖職者のような身なりをしているが、彼女の身のこなしは歴戦の戦士のように軽やかだ。避けられる光なら見切って躱し、身を貫きそうな光なら聖なるオーラを纏ったメイスで薙ぎ払う。数多の光線をかいくぐって作家の目の前へと躍り出れば、腰の鞘からグラディウスを抜いて、弱っている足を狙ってまず一撃。両の刃を持つ剣撃はまだ止まらない、そのまま切り上げるように――。
『動くな。』
 その流れを遮るべく、作家の残された左目から青白い光とルールが放たれた。作家のルールを破ったものは例外なく、先行した猟兵に向けられたように修正の光によるデリートが行われてしまう……それにも関わらず。
 ――バギン。メルフローレは止まることなく剣を振り切った。光を放つためのキーのいくつかは破壊され、胴体の固い装甲も貫き、内部の歯車の動きまでは止めずとも深々と重い傷痕が残された。
『修s□□k□所、k□ku認。』
床一面から青白い光が放たれる。

「私は修正されません。間違ったことなんてしていませんから。」
 デリートの光を受けても、『無敵城塞』に身を包んでいたメルフローレは、傷ひとつ負わずに微笑んでいた。私たち猟兵は、どんなオブリビオンとも戦い倒すために、世界から選ばれた存在なのだ。世界を正しいカタチに修正するのは、むしろ私たちの役目だろう。
 機械仕掛けのオブリビオンは、足をもがれようと、ライトやキーを破壊されようと、片目の光を頼りに猟兵たちの観察を続ける。その歯車が完全に止まるまで。

成功 🔵​🔵​🔴​

セイス・チェイナー
…君は不思議な事を言うんだね、だって全部もう自分で答えを出してるじゃないか
誰がも何をしたらかも、もう自分で決めて自分で僕たちを断定しているのに
君にとっても僕にとっても誰にとってもそうなのに
これ以上何を求めるんだい?強欲だなぁ

バトルキャラクターズをまた召喚するよ
修正、デリート…僕をバグ扱いかい?まぁ間違ってないけどさ
本体へと駆けるよ、途中の妨害はバトルキャラクターズに任せようかな
君も機械だろ?
だったら、僕の出番だ
ハッキングツールで機械に侵入、早業と情報収集で機械を解析して言語知識を意味のない言葉になるように書き換えよう
君の言葉、奪ってあげるよ
言葉を奪われた君は作家と呼べるのかな?



「……君は不思議な事を言うんだね。」
 だって全部もう自分で答えを出してるじゃないか、と。セイス・チェイナー(バーチャルキャラクターのバトルゲーマー・f09751)はスペシャル・ライターに語りかける。既にいくつかの文字を打つキーを破壊された作家は、それでも記録を試みる。
『□□ー□h□ルky□r□クt□ーの男、いw□く……』
「誰が、も。何をしたらか、も。もう自分で決めて自分で僕たちを断定しているのに。君にとっても僕にとっても、誰にとってもそうなのに。これ以上何を求めるんだい? 強欲だなぁ。」
 セイスは呆れる様な笑みを零した。相対するものを悪と定めて、修正して消そうとする作家の思い通りにするわけにはいかない。とてもめんどうだけれど、さあ、お仕事だ。

 セイスがゲームデバイスを操作すれば、バトルキャラクターズが召喚された。今回呼び出されたのは、迷彩服に銃と盾を構えたサバイバルゲームに出てくるキャラクターたちだった。本体に駆け寄ろうとするセイスに、キーからの青白い光線が放たれる。何体かのキャラクターは盾をかざしてセイスを庇い、何体かは自分たちが作家の注意を引けるように、位置を調整しながら銃での反撃を行っている。バトルキャラクターたちの援護を受けて作家に近づいたセイスは、ハッキングツールを取り出した。
「君も機械だろ? だったら、僕の出番だ。」
 ハッキングツールを展開させて、コードをいじくれば情報の書き換えも可能だ。素早く機械に侵入して、情報収集をしながら機械の解析を行う。そして、言語知識を意味のない言葉になるように書き換えていくのだ。
「君の言葉、奪ってあげるよ。言葉を奪われた君は作家と呼べるのかな?」
『霑斐○縲∝・ェ縺�↑菫ョ豁」邂�園縲∫「コ隱�』
「修正、デリート……僕をバグ扱いかい? まぁ間違ってないけどさ。」
 でもこれで修正箇所によるデリートも封じた。言葉を奪われた作家は、まだ作家と呼べるのだろうか。目の前にいる敵はもう、意味の通じない言葉を吐くだけの、ただの機械だ。セイスもまたそれ以上の言葉を重ねることなく、暫しの間機械を静かに見つめていた。

『シッテクレ。ワタシタチノコトヲ。タダタオサレルダケハ、イヤダ――』
 機械の情報の渦に飛び込んだセイスだけは聞いていた。コードの奥の奥に秘められた、骸の海から蘇ったひとりのオブリビオンの心の叫びを。「悪とはなにか」問いた作家のその意図を。

成功 🔵​🔵​🔴​

アレクシア・アークライト
 えっと、“表現の自由”を奪った記憶はないんだけど。
 批評はしても、発表を妨害したりしていないわよね?
 悪がどうとか言ってるけど、私は私が生きられる世界を守りたいだけ。
 そのために貴方達を排除するわ。

 ……あ、なるほど。
 確かに私は今、私の都合で貴方から一方的に“表現の自由”を奪おうとしているわね。
 悪と呼んでくれて結構よ。

・念動力でキーを1つ1つ打ち抜いていく。

 一つ訊きたいんだけど、さっきの物語は貴方のオリジナル?
 私の世界に昔からある童話の改悪品にしか見えなかったんだけど。

・【幻覚】でUDCアースの童話を周囲に展開

 記録したものを少し弄って出す、それを貴方は物語と呼んでいるのかしら?



 オブリビオンの始末を専門とする職業を担うアレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)も、この戦場の終末を見届けに来ていた。
『繧オ繧、繝懊�繧ー縺ョ繧ィ繝シ繧ク繧ァ繝ウ繝医€∵峅縺�……』
「何を言ってるの? とりあえず答えておくわね……えっと、“表現の自由”を奪った記憶はないんだけど。批評はしても、発表を妨害したりしていないわよね? 悪がどうとか言ってるけど、私は私が生きられる世界を守りたいだけ。」
 そのために貴方達を排除するわ、と。アレクシアはいくつもの念動力を自分の周囲を取り巻くように展開させた。

 今や言葉を奪われた作家は猟兵たちに対して、残されたキーから青白い光を放つという僅かな抵抗しか許されない。アレクシアは念動力でその光線の狙いを阻害しながら、作家へも攻撃の手を緩めなかった。
「……あ、なるほど。確かに私は今、私の都合で貴方から一方的に『表現の自由』を奪おうとしているわね。悪と呼んでくれて結構よ。」
 悪と呼ぶには魅力的過ぎる笑顔で、アレクシアはひとつひとつ、作家のキーを撃ち抜いていく。壊される度に攻撃の手段も奪われて、防御もままならない作家は、そのまま全てのキーを潰されたのだった。

 そういえば、とアレクシアはユーベルコードで作家を幻覚の世界へと誘う。そこにはこの部屋へ辿り着くまでの書架で繰り広げられていた物語にとてもよく似た、UDCアースで有名な童話の世界が広がっていた。その世界では、悪が蔓延ることはない。
「一つ訊きたいんだけど、さっきの物語は貴方のオリジナル? 私の世界に昔からある童話の改悪品にしか見えなかったんだけど。」
 作家は何も答えない。
「記録したものを少し弄って出す、それを貴方は物語と呼んでいるのかしら?」
 作家は何も答えられない。

成功 🔵​🔵​🔴​

竜胆・エレナ
……もう怒った!
アンタは絶対に消し炭にしてあげる!
アタシを怒らせた事、後悔しても遅いんだからね!

……真の姿を解放ッ!
マントを突き破り、龍翼を生やすわ。
お気に入りのマントだったんだけど、買い換えないといけないわね。

真の姿で充填した魔力を使ってまずは牽制のウィザード・ミサイル。相殺される前提よ。
その魔法の矢を放ちながら、真なる魔法を放つために詠唱を始めるわ。
『我は呼ぶ、真祖なる火龍よ。我は求める、汝の強き絶対なる火炎を。我が呼び声に答え、顕現せよ!真なる龍炎!!』
それまでの炎の矢とは比較にならない大きさの炎の波をスペシャル・ライターに放つわ!
「これも消せるなら消してみなさい!ドラグ・フレイムッ!」



 スペシャル・ライターと熱戦を繰り広げていた竜胆・エレナ(ドラゴンお姉さん・f08680)は燃え盛る怒りの中にいた。
「……もう怒った! アンタは絶対に消し炭にしてあげる! アタシを怒らせた事、後悔しても遅いんだからね!」
 作家の光線で穴を開けられたマントを、更に自分が解放した竜翼で突き破る。猛々しい竜翼の如き戦士としての誇りを背負う、逞しくも美しいエレナの真の姿だった。お気に入りのマントだったんだけど、買い換えないといけないわねと、マントの残骸を床に払ったエレナの前には、他の猟兵たちの手によって言葉も文字も奪われた、ただの金属の塊が転がっていた。それでも、それの片目には青白い光が灯っている。まだ、猟兵たちを、エレナを観察し続けている。これはまだオブリビオンだ。それならば、例え瀕死の敵だとしても、最後まで油断をせずに完膚なきまでに焼き払おう。

 真の姿で充填した魔力を使用して、『ウィザード・ミサイル』を連射する。数多の炎の矢がスペシャル・ライターの身体を焼き、またスクリーンも燃やして灰と成す。それでもまだ彼女の攻撃の手は止まない。魔法の矢を放ちながら、真なる魔法を放つために呪文を唱えるのだ。
「我は呼ぶ、真祖なる火龍よ。我は求める、汝の強き絶対なる火炎を。我が呼び声に答え、顕現せよ!真なる龍炎!!」
 詠唱と共に竜の翼を羽ばたかせて、天からの使いのように炎を撒き続ける。彼女の全力魔法に巻き込まれないように、他の猟兵たちは既に全員避難済みだ。
「ドラグ・フレイムッ!」
 それまでの炎の矢とは比較にならない大きさの炎の波、龍の炎の息吹がスペシャル・ライターを床ごと飲み込んでいく。部屋全体が真っ赤に染まり高熱が包み込む――。やがて、炎が静まる頃には、この部屋にエレナ以外、何も残っていなかった。

 こうしてスペシャル・ライターは骸の海へと還された。残された書物の魔物を動かす魔力の元も無くなり、螺旋階段を昇り地上へ帰る猟兵たちの周りには、もう飛べない本の山が積み上がるだけだ。
 おかえり。はじめの部屋に戻れば、大樹が待っていてくれた。
 ただいま。おねがい、叶えたわよ。エレナは部屋を出た時と同じように、大樹を優しく撫でる。
 エレナはこの大樹の部屋を根城候補に出来たのだろうか。それは彼女と大樹だけの、また別の物語だ。

【「 T R E E 」のおねがい~END~】

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月11日


挿絵イラスト