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不思議な不思議な夜の国

#アリスラビリンス

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#アリスラビリンス


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●ふわもこひつじはかく語りき
 ここはいつだって夜の不思議の国、夜の国。
 星はきらきら、2つの月は優しい光。
 すこぉし暗いけれど、平気。
 火を使わないぼんやりとした柔らかな明かりがこの国を照らしている。
 水晶達が柔らかな明かりで照らしてくれる。
 この国には素敵な現象がある。
 新月の晩に夢見の宝石箱を飾って眠ると、その夜見た夢が結晶になって箱の中に現れるんだ。
 羊の姿の職人さんの作るふかふかの雲みたいなお布団やクッションで眠れば、すぐにすやすや。夢だってしっかり見れちゃう。
 色も形も様々な夢見石を持っていけばゴツゴツ岩の夢見石職人さんが、器用に素敵な形に、あらゆる品に変えてくれる。
 そんな素敵な不思議の国。

●オウガ達は腹を減らし
 美味しいお肉が食べたいの。
 素敵なクローバーを咲かせたいの。
 ああ、素敵な国があるわ、美味しそう。
 壊しましょう、奪いましょう。
 糧にしてしまいましょう。

●猟兵は猟兵へと願う
「アリスラビリンスの、不思議の国にー……オウガが現れる、予知を見ましたので、お手伝い願いませんかー……」
 寧宮 澪が猟兵へと声をかける。
 その国はいつだって夜の国。2つの月が夜空を照らし、ふかもこの羊とゴツゴツの岩の愉快な仲間たちが 暮らしている。
 そこにオウガの軍勢がやってきてしまうのだ。
 ふわもこクッションハリケーンとか、ゴツゴツ岩の砲丸投げとかで愉快な仲間たちも戦うけれど、彼らだけではオウガの大群には到底叶わない。
 そこで猟兵達には、愉快な仲間と協力してオウガの軍勢の数を減らしてから、指揮官のボスオウガを倒してほしい。
 オウガの軍勢は猟兵だけではやっぱり殲滅は難しい。けれど数が減れば愉快な仲間たちだけでも戦える。そうしたら残りは仲間たちにまかせてボスへと向かってほしいのだ。
「無事、撃退できましたらー……少し、休憩しませんかー?」
 折しも夜の国は今日が新月。
 夢見の宝石箱を枕元に、ふわもこ羊のお布団で眠れば夢が結晶になるだろう。その結晶をゴツゴツ岩の職人にお守りに加工してもらうのもいい。
 澪はもちろん眠っていくという。
「どんな夢結晶が生まれるか……楽しみですが、まずは、オウガの撃退を。どうぞ、よろしくお願いしますー……」
 ぺこりと頭を下げて、夜の国への道を紡ぐのだった。


霧野
 すやすやふんわり。
 よろしくお願いします、霧野です。

●シナリオについて
 ほんのりメルヘン風です。

 一章:平和な夜の国に攻め込むオウガの軍勢を、愉快な仲間たちと協力して倒してください。
 愉快な仲間たちを励ますと、ちょっと彼らが元気になるかもしれません。
 ある程度軍勢を倒してしまえば愉快な仲間たちがここは任せて先にいけ、としてくれます。
 集団戦です。
 二章:オウガのボスを倒してください。
 ボス戦です。
 三章:ちょっと休憩して眠り、夢結晶を手に入れていきませんか。
 夜の国の素敵な風景や夜空を眺めたり、観光するというのもありでしょう。
 愉快な仲間たちの一部はお茶会もしています、参加してもいいでしょう。
 澪はお声がけいただければ登場します。
 日常です。

●複数人で参加される方へ
 どなたかとご一緒に参加される場合、プレイングに「お相手の呼び名(ID)」を。
 グループ参加を希望の場合は【グループ名】を最初に参加した章にご記入いただけると、助かります。

●アドリブ・絡みの有無について
 割とアドリブ入れることがあります。
 以下の記号を文頭に入れていただければ、絡まなかったり、アドリブ入れなかったりさせていただきます。
 ◎ アドリブ・絡み歓迎。
 △ アドリブ歓迎・絡みNG。
 × アドリブNG・絡みNG。
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第1章 集団戦 『四つ葉の使者』

POW   :    ぐちゃぐちゃにすれば食べやすいものね?
【クローバーの魔法陣から放つ魔力の矢】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    あなたも素敵な四つ葉になりたいでしょう?
対象への質問と共に、【クローバーの魔法陣】から【白詰草で出来た犬型の怪物】を召喚する。満足な答えを得るまで、白詰草で出来た犬型の怪物は対象を【牙による噛み付きや体当たり】で攻撃する。
WIZ   :    綺麗でしょ、あなたもこの一部になるのよ!
自身からレベルm半径内の無機物を【四つ葉のクローバーと白詰草の嵐】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。

イラスト:麻風

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●咲き誇るクローバー
 ここはいつだって夜だから、普通の植物は咲いてない。
 シルクのような滑らかなランプ花や、月光で育つ果物の木、星屑を集めて伸びるふわふわの綿。そういった植物を水晶がぼんやりと照らしてる。
 建物や道は星空を映す星空石で出来ていて、夜の国らしい佇まい。
 なのに、今ここには緑のクローバーが咲いている。
 素敵な四葉にしようと住人を狙っている。
「……引かない、大変」
「ふわもこクッションハリケーンも、限度があるめぇ」
 ゴツゴツしている心優しい岩の住民も、ふわもこで陽気な羊の住人も、頑張っているけれどオウガ達はいっぱいで攻めてくる。
「誰か、助けてほしいめぇ」
「求む、救助」
 住人達が星へと祈れば。

 助けが現れた。
御園・桜花


「無機物が操られるなら、有機物を使えば良いかと。ただ、燃焼や破魔という事象はどうなるのでしょう。微細すぎて通常の手段では見えない粒子はどう扱われるのか、とても興味がありますの」

「愉快な仲間のみなさんには、助っ人にやってくる猟兵のための休憩所を準備していただいても良いですか?貴方達の得意な手助けがあれば、助っ人に来た猟兵はすごく頑張れると思います」
引き裂くのも燃やすのも見せたくなくて提案

敵を発見したらUC「エントの召喚」使用
地下から一気に木の根で貫き枯葉吹雪で切り刻む
延焼しなさそうなら高速詠唱で炎の属性攻撃
全てを燃やし尽くす

「次は共生できる貴女に転生されますよう」
破魔乗せ鎮魂歌で送る



●パーラーメイドは巨木とともに
 狂った笑顔を浮かべる四つ葉の使者が、愉快な仲間たちを追い詰めている。
「綺麗でしょ、あなたもこの一部になるのよ!」
 風が吹きすさぶ。周囲の星空石が緑に、白に変わっていく。
 もこもことごつごつの団子になって身を寄せ合い、耐える羊と岩。
 そんな彼らに四つ葉のクローバーと白詰草の嵐が迫った瞬間、大きな影が割って入った。
 そびえ立つ木の牧人が嵐を散らしていく。大きな体で愉快な仲間たちを守っている。
「た、助かっためぇ……?」
 そこに現れたのは、桜の精とその同胞だった。
 御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)が呼び出したエントが愉快な仲間たちを守りきったのだ。
「ご無事でしたか?」
「ありがとめぇ!」
「救援、感謝」
 多少汚れていても怪我のない愉快な仲間たちに桜花は微笑み、手を取って立たせてやる。
 そうして、彼らを励ますように頼みごとをした。
「みなさんには、助っ人にやってくる猟兵のための休憩所を準備していただいても良いですか? 貴方達の得意な手助けがあれば、助っ人に来た猟兵はすごく頑張れると思います」
「わかっためぇ! 気持ち良いお布団や、クッション用意しておくめぇ」
「なら、椅子やベッド……用意する」
 桜花の周囲にいた愉快な仲間たちが、彼女の提案を受けて一度後退を始めた。
 無論、疲れている彼らを少し休ませてやりたい、という思いもあるが──もう一つ、思いやったことがあるのだ。
(これからここで行うことを、できたら見せたくないですし)
 新たな獲物の登場にくすくすと笑いを響かせる四葉の使者達へと桜花は向き直る。
「大きな大きな木、それにきれいな桜、きっと素敵なクローバーになってくれるわ」
 ふたたび沸き起こるのは緑と白の嵐。周囲の石や建物をクローバーや白詰草へと変えて巻きあがる。
 もちろんエントが嵐に変えられる様子は見えない。それは桜花の狙い通り。
「無機物が操られるなら、有機物を使えば良いかと」
 エントの根っこが地面からボコリとうねり持ち上がる。そのまま使者の一体を貫いた。
「ただ、燃焼や破魔という事象はどうなるのでしょう。微細すぎて通常の手段では見えない粒子はどう扱われるのか、とても興味がありますの」
 更に枯れ葉の吹雪が炎を乗せて使者達をぐるりと囲みこんでクローバーを、白詰草を燃やしていく。
 事象を操ることはなく、見えざる粒子を操ることもなく。使者達は貫かれ、燃やされて消えていく。
「次は共生できる貴女に転生されますよう」
 桜花の破魔の歌声が、優しく魂を慰撫するように流れていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

セレシェイラ・フロレセール

遠い遥か彼方の星に届いたあなたの祈り
願いを叶え、あなたの望む物語をわたしが綴ろう
わたしが、わたしたちがこの美しくも優しい夜の国を護ろう

一緒に戦ってくれるのはとても力強い
あなたたちは優しいね
でも無理したら駄目
すべて終わったその時には一緒に笑って過ごそう
互いに無事で、一緒に頑張ることを約束しよう

キミのクローバーはこの国には相応しくないよ
もっと似合う場所が世界の何処かにあるだろう
もっともそれは植物のことを言っているのであって、オウガのキミたちのことでは無いのだけれどね

さあ、夜の国に相応しい星を降らせよう
一際耀くこの星が優しき住民たちの願いを、今叶える



●文豪は桜と星を降らす
 四葉の使者達に追われ、建物の影に身を隠し。
 強大なオウガの群れに怯えながらも空を見上げて、希望を願い、どうか、と星に祈る愉快な仲間たちの元に、桜がやってきた。
「遠い遥か彼方の星に届いたあなたの祈り、願いを叶え、あなたの望む物語をわたしが綴ろう」
 彼らの元に降り立ったセレシェイラ・フロレセール(桜綴・f25838)が穏やかに告げる。
「わたしが、わたしたちがこの美しくも優しい夜の国を護ろう」
「めぇ、助けめぇ?」
「ああ、そうだとも。よく頑張ったね」
 優しく笑うセレシェイラに、安堵したように息をつく愉快な仲間たち。
「一緒に戦ってくれるのはとても力強い。あなたたちは優しいね」
「この国、守る。当然」
 セレシェイラは穏やかに、それでも、と言葉を紡ぐ。
「でも無理したら駄目。すべて終わったその時には一緒に笑って過ごそう」
 決して倒れることのないように。事件が解決したら一緒に是非過ごしたいから、とセレシェイラは笑う。
「互いに無事で、一緒に頑張ることを約束しよう」
「承知。頑張る」
「気をつけるめぇ!」
 少ししょんぼりしていた愉快な仲間たちも、元気づけられてほ毛並みがほわほわしたように見えるし、ごつごつさもよりごつっとしたように思える。
 そんな彼らに迫るのは四葉の使者。ただただ素敵な四葉を咲かせることを望むオウガ達。
 新たに訪れたセレシェイラも獲物として狙っている。
「うふふ、きれいな桜色。きっと素敵なクローバーが生まれるわ」
「キミのクローバーはこの国には相応しくないよ」
 嬉しげに笑う四葉の使者へとセレシェイラは桜色の硝子ペンを向ける。
「もっと似合う場所が世界の何処かにあるだろう」
 穏やかで明るい陽の光が指す国に似合うだろう。草原が広がる明るい国にも似合うだろう。
 けれどこの夜の国に、命を奪う残酷なクローバーは決して似合わない。
「もっともそれは植物のことを言っているのであって、オウガのキミたちのことでは無いのだけれどね」
 周囲の星空石をクローバーと白詰草の嵐に変える彼らへとセレシェイラは告げる。
「さあ、夜の国に相応しい星を降らせよう。一際耀くこの星が優しき住民たちの願いを、今叶える」
 桜のペンが星を綴る。
 きらりきらりと耀く星と桜の花びらが舞い散った。
 狂ったように咲きたがる四葉を飲み込んで、穏やかな夜を招いてくれた。
 この一帯のオウガ達がいなくなったとき、愉快な仲間たちがセレシェイラに声をかける。
「ここはもう大丈夫だめぇ」
「あとから来たもの、止める」
 彼らも励まされ、セレシェイラの美しい桜と星のおかげで少し元気になったようだ。無理はしないようだし、ここは任せても大丈夫だろう。
「では、行ってくるよ。また後で」
「めぇ! 頼むめぇ」
「また、後で」

成功 🔵​🔵​🔴​

メアリー・ベスレム

お月様が2つも、だなんて
メアリ、満月の夜は2倍おかしくなってしまうのかしら?
それとも、この国のお月様はそんな事しないのかしら?
今夜はわからないけれど

無力で哀れな羊に岩のあなた達
メアリが手を貸してあげる
オオカミの手で良ければね

ふぅん。変なオウガね、あなた達
お肉よりもそんな草が大事なの?
なるのも食べるのも、メアリはもちろんごめんだけれど!

あら、獣の形は素敵だけれど、毛皮持たないまがい物
草ならきっと、冬の寒さには弱いでしょう?
【凍てつく牙】で冷気をまとって
高速移動と【逃げ足】で、つかず離れず立ち回り
弱らせ、凍らせ、鈍ったところを【重量攻撃】で叩き割り
使者のオウガが逃げ出す前に【咄嗟の一撃】叩き込む



●オオカミは氷の爪を振るう
 この夜の国には月が2つあるらしい。新月の今日は見えないが、星空を見上げてメアリー・ベスレム(Rabid Rabbit・f24749)はふと思う。
(お月様が2つも、だなんて。メアリ、満月の夜は2倍おかしくなってしまうのかしら?)
 満月の晩には血が騒いで騒いで仕方がない。
(それとも、この国のお月様はそんな事しないのかしら? 今夜はわからないけれど)
 抵抗虚しく追い詰められた愉快な仲間たちを助けるように、メアリーは目の前のオウガを蹴り飛ばす。
 四葉の使者は軽々飛んでいった。体勢を立て直すまでの間に、メアリーは愉快な仲間たちへと呼びかける。
「無力で哀れな羊に岩のあなた達、メアリが手を貸してあげる。オオカミの手で良ければね」
「もちろんだめぇ! 素敵なオオカミさん、ありがとめぇ」
「助かる、感謝」
 ほっと安心したようにへたり込む愉快な仲間たち。
 そんな彼らから一度視線を外してメアリーは四葉の使者を見据える。
「あら、あらあら。ウサギさん? オオカミさん? まあいいわ、きっと素敵な四葉になるわね」
「ふぅん。変なオウガね、あなた達。お肉よりもそんな草が大事なの? なるのも食べるのも、メアリはもちろんごめんだけれど!」
 草なんて、青野菜なんて大嫌いなメアリーだ、ウサギではないのだから草なんて食べるものか。
 くすくすと狂った笑顔の四葉の使者達は、少しむくれたメアリーを見て更に笑う。
「そんなこと言わずに。ねえ、素敵な四葉になりたいでしょう?」
 そんな問いかけとともに現れたのは、クローバーの魔法陣。花冠を編むように、白詰草が犬の形を編んでいく。出来上がった獣達は、本物の牙と爪でメアリーへ飛びかかる。
「あら、獣の形は素敵だけれど、毛皮持たないまがい物。草ならきっと、冬の寒さには弱いでしょう?」
 メアリーの周囲に霜が降る。彼女の足元の草が凍って砕ける。
 そのまま彼女は駆け出した。
 星のような速度になったメアリーは白詰草の獣の周りを駆け回る。
 噛み付こうとする白詰草の獣をあしらい、適当に駆け回り、挑発し。
 グルル、と花でできた喉を苛立たしげに鳴らす獣の足が鈍る。そのうちに白詰草の表面にも霜が降りて、端からボロボロと崩れていく。
 メアリーは肉切り包丁を重さに任せて振り下ろす。凍りついた白詰草が砕けて散っていった。
「あらあら、白詰草が散ってしまったわ」
 砕けた花にも面白そうに笑うオウガへとメアリーは一足飛びに詰め寄って、包丁を叩き込む。オウガは避ける間もなく砕かれて、四葉に変わり散っていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

シビラ・レーヴェンス
●ロベルタ(f22361)と。
周囲の植物や鉱物に影響を与えないように注意する。
属性魔術は影響を与えるだろうから【紫黒】を行使。
(早業、高速詠唱、全力魔法、2回攻撃、鎧無視攻撃)

主に私はロベルタの攻撃をサポートするように動く。
一体に打ちこむ鉄杭の数は私の周囲状況で変える。
向ってきた相手の数によって打ち込む数を分散させよう。
基本はサポートに徹するつもりだが戦況や状況で変える。
二人で連携と協力し確実に一体を仕留める形で数を減らす。
この世界の住民達の負担をなるべく軽減しておきたい。


ロベルタ・ヴェルディアナ
シビラ(f14377)ねーと戦う。
相変わらず面白い国が多いね。この世界。
シビラねーが魔法なら僕は剣でいくよ。
【軍神の剣術】を使うじぇ。うぇーい♪

シビラねーが言うように敵だけ狙って斬りつける。
払うような感じじゃなくて突くよーに攻撃しようかな。
だから剣をフェンシングみたいにしてトストス突く。
草木もそうだけど結晶とか剣で傷つけたら職人さん困るじょ。
攻撃の回避とかは相手の動きを見切って避けるよ。

もし愉快な仲間達がピンチになったら助けに行く。
助けに行く前にシビラねーに一言声かけてからだねぃ。
じゃないとシビラねーちゃんがピンチになっちゃうかもだし。



●小さな少女達は奮戦する
 二人の少女が夜の国を喧騒の聞こえる方へと走る。
「相変わらず面白い国が多いね。この世界」
「そうだな」
 いつだって夜の国。そこに生える植物も、見つけられる鉱物も独特なもので。
 他の世界にはあまり見られない物が見られる面白い国が多い、それがアリスラビリンスだろう。
 その世界にアリス適合者として見出されたロベルタ・ヴェルディアナ(ちまっ娘アリス・f22361)は感心したように呟く。
 シビラ・レーヴェンス(ちんちくりんダンピール・f14377)も頷いて、独特の生態系を眺める。
 ランプのような灯りを宿す花、星屑を集めて伸びる綿、月光で育つ果物、辺りを照らす水晶に星空を宿す鉱石。
 ふわもこの羊にごつごつ岩達。
 そういった物達を全て四葉に変えようと言うなら、そこに暮らす愉快な仲間たちを食べてしまおうと言うなら──それは許せないことだ。
 進む先、悲鳴が聞こえる方ですぐにふわもこ羊とごつごつ岩が怯えたように小さくなっているのが見えた。
 星明かりや水晶の光が映す、緑色の人型がそんな彼らに白い獣をけしかける。
「シビラねー!」
「ああ、行ってこい!」
 ロベルタがプリンチペッサ・ロッソを握って襲いかかる白詰草の獣の前へ躍り出る。
「Hanno il potere di affrontare il futuro!」
 新たな獲物に獣が振るう爪を見切り、素早くロベルタが突きを放つ。その早業は獣の首を貫いて、その姿を散り散りに変えていく。
「へっへーん、どうだ!」
「あら、新しいお肉かしら?」
 獣を一撃で散らして得意げに胸を張るロベルタをくすくすと笑う四葉の使者。その肩にシビラの操る鉄の杭が突き刺さる。刺さった傷から炎が上がり、オウガ達の魂を燃やしていく。
 集まるオウガ達をシビラが抑えている間にロベルタは縮こまった仲間に声をかける。
「助けにきたじぇ!」
「ほ、ほんとかめぇ?」
「救援、感謝」
「もう安心だじょ! 僕らがいれば百人力だじぇ」
 どん、と胸を叩いて、愉快な仲間たちを安心させるかのように笑うロベルタ。
 そんな彼女にまた新たに現れた四葉の使者が笑う。
「そうね、そうね。新しいお肉ね。──ぐちゃぐちゃにすれば食べやすいものね?」
 ロベルタを狙って、別の四葉の使者がいくつも魔力の矢を生み出す。一つ一つの威力は小さくとも、数を多く呼び出して、ロベルタへと投げつけようとする。
「 O lovitură pentru a rupe sufletul ……」
 けれどそれはシエラが許さない。オウガが矢を放つ前にその腕に、肩に杭を突き立てる。魂を壊せ、と炎の魔力が火をあげる。
 広範囲を巻き込まぬよう、杭を穿ってシエラはロベルタのサポートをする。
「周囲の植物や鉱物に影響を与えないようにしなければ」
「うん! 傷つけないように頑張るじぇ!」
 ぶっきらぼうだけれど、世界を思いやるシエラの言葉にロベルタも元気に頷く。
 戦いが終わった後で、この世界の住人が困らないようにできるだけ被害を少なくしたい。
 そんな優しさを持って二人は戦うのだ。
「とりゃ!」
 ロベルタが魔法剣を刺突の形で振るう。大きく振るって植物や結晶、鉱石に傷をつけないように。
 シエラもそんなロベルタの動きをサポートするように、近づくオウガへ杭を撃つ。
 魂を壊す杭が、オウガたちの動きを止める。そこにロベルタの突きが急所を捉え、四葉の使者は四葉のクローバーに形を変えて崩れていく。
 向かってくるオウガの数に合わせ、少なければ多く、多ければ少なく杭の本数を調整し。
 動きが止まったオウガを確実に剣の素早い突きが穿つ。
 時折現れる白詰草の獣にはクッションや岩が投げられ、シエラとロベルタにその牙も爪も届かない。
 一緒に戦ってくれるこの世界の住民達の負担を軽減すべく、小さな少女達は一体一体、確実にオウガの数を減らしていく。
 ある程度オウガ達が四葉へと変わり、崩れて消えていく中で、羊が二人に声をかける。
「もうここは、僕らだけで大丈夫だめぇ。指揮官を任せてもいいめぇ?」
 自分達では到底叶わないから、と。心苦しそうに強いオウガを任せることにしょんぼりと話す羊や岩に快諾の返事が返る。
「もちろんだじぇ!」
「ああ」
 方や快活に、方やぶっきらぼうに、任せてくれと返事をし。
 ここは愉快な仲間に任せて、二人の少女は指揮官のいる方向へと駆け出すのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

オリオ・イェラキ
まぁ、ここが不思議な国の夜
素敵ですわ。…ごきげんよう、可愛らしい皆さま
是非交流したいのですけれども今は非常時
お手伝いに参りましたの
夜を共に護りましょう

ごきげんよう、四葉の方々
わたくしは星夜
貴方達が観る、最期の夜

住人の皆さま
この国の夜から、星をお借りしても良いかしら?
ありがとうございますわ…では
葉の嵐を撃ち落とすわたくしの流星をお見せ致しますの
四葉の攻撃ごと押し流し、撃ち漏らしはこの大剣にて刈り取って行きましょう
羊と、岩の可愛らしい方々
この星夜がついておりますわ、さぁ
地に咲いた夜薔薇を道導に、更なる攻勢と参りましょう

…そう、勝手に薔薇を咲かせてしまったのですけれども
可愛い方々、宜しかったかしら?




「まぁ、ここが不思議な国の夜」
 優しい灯りが眠りを照らし、夢見の石を産んでくれる素敵な夜の国。そこに真夜中の娘が降り立った。
 疲れてオウガから隠れる羊や岩を安心させるように、オリオ・イェラキ(緋鷹の星夜・f00428)は優美に微笑む。
「素敵な国ですわ。……ごきげんよう、可愛らしい皆さま」
「めぇ、助けが来た、めぇ?」
 ふわもこの羊が、ごつごつの岩が、上品な貴婦人に恐る恐る問いかける。
「ええ、お手伝いに参りましたの。夜を共に護りましょう」
 その言葉に愉快な仲間たちは目を輝かせる。この国を護れるのだ、そう信じてもう一度立ち上がる。

 狂った笑いをくすくすと溢しながら、迫る四葉の使者達を迎え撃つ。
「ごきげんよう、四葉の方々。わたくしは星夜。貴方達が観る、最期の夜」
 ドレスの裾を摘み、オリオは優雅に礼をする。
 そんな彼女を見てオウガ達は嬉しげに笑う。
「まあ、ご丁寧に。きれいな夜だもの、きっと綺麗な四葉になるわ!」
 オウガの言葉で周囲の星空の石が崩れていく。風がぐるりと巻き起こり、緑の四葉と白詰草の嵐へと変わっていく。
 その嵐にオリオが引くことはない。
 ただ上品に微笑み、白い指が星空を指す。
「住人の皆さま。この国の夜から、星をお借りしても良いかしら?」
「めぇ? 星めぇ? 大丈夫だめぇ」
「減った星、また巡って増える」
「ありがとうございますわ……では、葉の嵐を撃ち落とすわたくしの流星をお見せ致しますの」
 星空が煌めき、流れ出す。
「傘を差さずに、御覧になって」
 星星が流れて四葉の嵐に押し寄せ、流し、使者達すらも打ち据える。緑の四葉になって崩れた先には星屑煌く黒薔薇の幻影が咲き誇る。
 僅かに残ったオウガにはγ:Bellatrixを構えて高らかに宣言する。
「羊と、岩の可愛らしい方々。この星夜がついておりますわ、さぁ、地に咲いた夜薔薇を道導に、更なる攻勢と参りましょう」
「めぇ!」
「おう」
 投げられるクッションや岩石に援護されながら、オリオは残ったオウガを切り裂いて進んだのだった。
 この辺りのオウガが全て緑の葉に変わり、崩れて消える頃、愉快な仲間たちは指揮官の元へ行ってほしいと願う。
 自分jたちでは倒せないものを頼んでしまうのは心苦しいが、どうかと願う。
 オリオは快諾し、倒してくると約束した。
(この方達と是非、交流したいのですけれども──今は非常時)
 無事にこの戦いを乗り越えたら、ゆっくりお話しましょう、と先への約束もして。
 ふと、いい添えた。
「……そう、勝手に薔薇を咲かせてしまったのですけれども。可愛い方々、宜しかったかしら?」
「問題ないめぇ。きれいだめぇ」
「星空のバラ、美しい」

成功 🔵​🔵​🔴​

ニオ・リュードベリ


こんな素敵な優しい国をめちゃくちゃにはさせないよ!
全力で頑張ろう!

愉快な仲間達、助けに来たよ
あたし達がいればもう大丈夫!
一緒に戦おう!
【勇気】と【優しさ】をもって声をかけるよ
あたしも皆をオウガに食べさせたりしたくないもの
絶対に守らなきゃ……!

【勇気】は更に力に変えて
無敵の鎧を着込んで敵に立ち向かうよ
【ダッシュ】で敵に接近するけど、その時に愉快な仲間達に協力してほしいな
遠くからの攻撃で相手の気を引いてほしいの
でも危なくなったらすぐに逃げてね!

上手く接近できたら更に加速
アリスランスで【ランスチャージ】からの【串刺し】を狙っていくよ
四つ葉は確かに可愛いけどこの国にはいらないの
だから、さよなら!



●アリスの騎士は貫く
 星が降るような夜空の下、シルクの手触りの花びらを持つランプの花や、ほのかに光る水晶の穏やかな光が地を照らす。
 そこをニオ・リュードベリ(空明の嬉遊曲・f19590)は枷の鎖を鳴らしながら走る。
 この国は優しい夜の国。明るくも穏やかな愉快な仲間たちが平和に暮らす国。
 こんな素敵な優しい国をめちゃくちゃにはさせない、とニオは激しい気持ちを抱えて走る。
(全力で頑張ろう!)
 少し走れば、迫りくるオウガに怯える愉快な仲間たちが見えてきた。
 ニオは足を緩めて呼吸を整え、にぱっとした笑顔を浮かべて明るく言う。
「愉快な仲間達、助けに来たよ。あたし達がいればもう大丈夫! 一緒に戦おう!」
 その勇気と優しさにあふれた声は怯える羊や岩達を励ましてくれる。疲れてしょんぼりしていた彼らはその声に顔を上げて、立ち上がる。
「ありがとめぇ、頑張るめぇ!」
「救助、感謝」
 そんな仲間達にこちらにやってくるオウガを指差して、力を貸してほしいとニオは言う。
「あのね、遠くからでいいから、あいつらに攻撃して……気を引いてほしいの」
「任せるめぇ!」
「岩、投げる」
「でも危なくなったらすぐに逃げてね!」
「大丈夫だめぇ! 一緒に戦うめぇ!!」
「頑張る」
 一緒に頑張る、と張り切るその姿にニオは決意を強める。
(あたしも皆をオウガに食べさせたりしたくないもの。絶対に守らなきゃ……!)
 決意と勇気を無敵の鎧に変えて、ニオは愉快な仲間たちの前に立つ。
 そんな彼らを認めて、くすくすと笑う使者。
「うふふ、美味しそうなお肉達。ええそうね、ぐちゃぐちゃにすれば食べやすいものね?」
 そう言うオウガの足元に浮かぶのはクローバー。そこからふわりふわりと魔法の矢が浮き出て、ニオ達の方へと矢を飛ばす。
「行くよ!」
「めぇー!」
「おう!」
 けれどそれではニオの勇気はしぼまない。
 後ろから飛んでくるクッションや岩の援護を受けて、オウガへと駆け込んでいく。
 飛んでくる魔法の矢はクッションや岩が散らしてくれる。たとえ当たっても無敵の鎧が弾いてくれる。何も恐れることはない。
 手にした無敵のランスを構えて更に加速してオウガへと突き進む。
「四つ葉は確かに可愛いけどこの国にはいらないの」
 この優しい夜の国には、緑の四葉は似合わない。
「だから、さよなら!」
 体当たりをするような勢いで、オウガへと迫り。
 白銀の槍がオウガを貫いて、その体を四葉に変えていく。崩れた四葉の塊は、どこへともなく消えていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

黒鵺・瑞樹

右手に胡、左手に黒鵺の二刀流

夜の国、何となく落ち着くような…。あの二つの月は満ち欠けをするんだろうか?
こんな優しい国をオウガの餌にしてたまるか。

UC鳴神で状態異常力強化。
存在感を消し目立たないように立ち回り、隙を見てマヒ・暗殺を乗せた攻撃を仕掛ける。可能であれば傷口をえぐりダメージ増を狙う。一撃で切り伏せられずとも、マヒで動きを制限できれば上等だ。
相手の他の攻撃は第六感による見切りで回避、しきれないものは黒鵺で武器受けで受け流し、カウンターを叩き込む。
それでも喰らってしまうものはオーラ防御で軽減、かつ激痛耐性で耐える。

励ますって苦手なんだが…でも皆が頑張ってくれたから俺たちは間に合ったんだ。




(夜の国、何となく落ち着くような……。あの二つの月はどんな風に満ち欠けをするんだろうか?)
 今日は新月で姿が見えない月を思いながら、黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)は夜の国へと降り立つ。
 植物も鉱物も独特の様相を見せる優しい夜の国。
 常ならばそこに暮らすものの眠りを優しく包むような雰囲気の国は、今は荒々しい緑と白の襲撃に騒がしい。
(こんな優しい国をオウガの餌にしてたまるか)
 決意と共に、右手に胡、左手に黒鵺を握りしめ、瑞樹は駆け出した。
「境の先へ」
 駆ける最中でユーベルコードを用いて自身の武器に宿す、麻痺の力を強める。
 そのまま気配を消して、疲れて惑う愉快な仲間たちを襲うオウガの背後へと回り込んだ。
 くすくす笑うオウガの背を抉る。そのままオウガは四葉に姿を変え、散り散りに崩れて消えていった。
 瑞樹は再び気配を殺して忍ぼうとするが、そんな彼に迫る白い影がある。
「あなたも素敵な四つ葉になりたいでしょう?」
 四葉の使者が呼び出した白詰草の獣が瑞樹へと向かう。四葉の使者が好む返事をしない限り、この犬型の獣は瑞樹を追いかけ続けるのだ。
 迫る獣の動きを見切り、体当たりを躱す。幾度目かの体当たりにタイミングを合わせ、黒鵺で牙を受け止め右へと流す。そのまま首を胡でもって断ち切った。
 獣が解けて消えるのにあわせて瑞樹は再びオウガへと駆け出した。
 後は同じ要領でひたすらこの辺りのオウガを殲滅するのだった。

「助かった、めぇ?」
「救援?」
 気が抜けて戸惑う愉快な仲間たちの前へと姿を表し、瑞樹は少しだけ悩む。
(励ますって苦手なんだが……)
 けれど一言、伝えようと思い口を開く。
「ああ。がんばったな。……皆が頑張ってくれたから俺たちは間に合ったんだ」
「そうかめぇ、ありがとめぇ!」
「救援、感謝」
 ふわもこの羊も、ごつごつの岩も、そう言われればうれしかった。自分たちが頑張ったから、助けが間に合った。この国も、住民も、みんな大丈夫だと、信じて。
「親切な人、ここはもう大丈夫だめぇ。僕らが頑張るめぇ」
「オウガの指揮官、頼みたい」
 より強大な敵を頼むことは心苦しいけれど、強い人なら、と愉快な仲間たちは瑞樹に頭を下げる。
 瑞樹はその信頼を受けて、オウガの指揮官へと向かうのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『嗤い猫と飢婦人』

POW   :    テーブルマナー「肉を切る前に噛り付かない」
自身の【頭上にいる猫型オウガの瞳】が輝く間、【肉断ち包丁】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
SPD   :    代用品の効かない良い調味料
【宙に浮かぶ巨大ソルトミル&ペッパーミル】から【大量の塩胡椒の嵐】を放ち、【激しい視界不良と止まらないくしゃみ】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    不思議の国で一生を終えて自分の元に届けられた肉
戦闘中に食べた【スパイスたっぷりの肉の丸焼き】の量と質に応じて【多幸感と共に新鮮な肉の刺身が食べたくなり】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。

イラスト:すねいる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアリュース・アルディネです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●嗤い猫と飢婦人は腹を空かせている
 優しい優しい夜の国には、美味しそうな住民がいっぱいだ。
 目の前にだって美味しそうな羊やスパイスになりそうな岩が、たくさん待っている。
「さあ、どの子から食べましょう?」
 辺りの植物も添える野菜にはぴったりそう。美味しそうな料理になってくれるとオウガは舌なめずり。
 ぐったりと倒れる住民に手を伸ばしたそのときに、猟兵たちがたどり着く。
「まあ、新しいお肉かしら」
 飢婦人は嬉しげに笑う。
 お腹いっぱい食べられそう、とにこやかに嗤う。
オリオ・イェラキ

きれいと言って下さった方々の為にも、頑張りませんと

飢婦人が住人を手にかける前に、ルーンソードを投げ先制攻撃を
気を取られている隙に倒れてる方の救助を致しましょう
避難させた後改めてご挨拶を

ごきげんようオウガの貴女
おいしいものを食べるのはわたくしも好きですわ
肉も特に。夫が焼くステーキが一番ですの
でも…貴女と食事の趣味は合わないかしら
最期の晩餐はこの夜薔薇が捧げましょう

そう、剣を投げた時にわたくしの影も動かしましたの
夜の国には星夜の薔薇を
貴女には影咲く薔薇を飾りたくて
気付いた時には動けぬ程に

気に入って頂けたかしら?
でしたらそろそろ過去に還る時間ですわ
大剣にてオウガの花を刈り取りましょう
おやすみなさい


黒鵺・瑞樹

右手に胡、左手に黒鵺の二刀流

救助とか俺には向かない。
だから真の姿に変わりながら一気に距離を詰め猫型オウガ狙いでUC剣刃一閃を叩き込む。
うまくいけば以降の包丁の攻撃は潰せるだろうし、標的を変えてもらえれば。
何度か試して猫狙いだと勘づかれたら、逆に本体にも狙いをつけフェイント、緩急つけた攻撃に変える。
可能であれば傷口をえぐりダメージ増を狙う。一撃で切り伏せられずとも、マヒで動きを制限できれば御の字。
相手の他の攻撃は第六感による見切りで回避、しきれないものは黒鵺で武器受けで受け流し、カウンターを叩き込む。
それでも喰らってしまうものはオーラ防御で軽減、かつ激痛耐性で耐える。

早く終わらせて休みたいな。


セレシェイラ・フロレセール


魔力を込めた桜の硝子ペンで住民たちに『守る』為の魔法陣を描く
わたしの『慰め』の桜、優しく花開け
これは災厄防ぐ守りの桜
美しい桜の結界の中で少しでも彼等が癒されますよう
眼前の驚異を今片付けよう
だから、みんなでお家に帰ろうね

キミの御食事の時間は終わりだ
彼等はキミの食料ではないよ
ところでわたしは、悪辣なる飢婦人のキミに相応しい物語の結びは何かと考えている
キミはどんな結びを御望みかな?
キミが何を望んだところでわたしはわたしの望む物語を綴るのだけれどね

さあ終わりの物語を綴ろう
己の『慰め』の力を乗せた桜の嵐を御見舞いしよう
荒ぶる力を静め、驚異を飲み込め
これはキミを終わらせる為の桜
キミには少し美しすぎたかな


御園・桜花
「飢餓は死と同じくらい辛いこと。私達も生命を食べて生きています。貴女は何も悪くないけれど。貴女の有り様が、私達と相容れなかっただけ。そんな理由で貴女に骸の海へお還り願う…ごめんなさい」

見切りや第六感で最小限の被害になるよう調整して調味料攻撃を受けてUC「鏡心華盆」使用
同じく敵の行動阻害を行う
この間に他の猟兵が飢夫人を撃破出来なければ、制圧射撃で足止めして高速・多重詠唱で破魔と炎の属性攻撃に切り替え他の猟兵の攻撃を補助する

「お休みなさい。可能であれば…いつか共に食事を楽しめる存在としてお戻り下さい」
最後は破魔と慰め乗せた鎮魂歌で送る

「共に在れることを喜んで。お茶会を始めましょうか」
振り向いて笑う


メアリー・ベスレム
◎〆
まぁ、あなた
戦いながらお食事なんてはしたない
とってもオウガ「らしい」のね

そのお肉
なんのお肉かなんて考えたくもないけれど
考えなくても、わかってしまうものだから
人食いを楽しむオウガは
みんなメアリが殺すから

包丁に包丁で切り結び
【野生の勘】で致命傷を避けて
多少の傷は【激痛耐性】で耐えてみせ
【継戦能力】で上手に立ち回る
刺激的な味もいいけれど
そろそろ飽きが来るんじゃない?
お次はしなやかな脚が良いかしら?
それとも柔らかなお尻が良いかしら?
そう言いながら新鮮なアリスのお肉で【誘惑】し
【逃げ足】で引きずり回してあげるから

程よいところで逃げ切れないと
相手が喜ぶ【演技】をしてあげて
そこに【復讐の一撃】を叩き込む


ニオ・リュードベリ

またしても凶暴そうなオウガだね……
誰も食べさせたりなんてしないよ!

空明の鎧を纏い【勇気】を胸に敵へと挑む
オウガがお肉を食べようとするならそれを妨害するように戦おうかな
相手が肉を持った時点で翼を使って【ダッシュ】してタックルしたり
アリスランスで勢いをつけて【ランスチャージ】する事で相手の体勢を崩したり
そのお肉が何なのかは分からないけれど……
でも『誰か』だったならちゃんと弔ってあげたいの
オウガのご飯にはさせないよ

肉断ち包丁はランスで【武器受け】したり鎧で受け止めたり
多少のダメージは【激痛耐性】で誤魔化しつつ戦うよ

チャンスがあれば全力で【串刺し】も狙う
もうお腹いっぱい食べたでしょ
骸の海に還って!


シビラ・レーヴェンス
●ロベルタ(f22361)と共闘。
後方でロベルタの援護を行う。行使する魔術は【冷視】。
(早業、高速詠唱、範囲攻撃、全力魔法、2回攻撃、鎧無視攻撃)
まずは低温で身体の熱を奪い飢婦人の動きを鈍らせてみようか。
一度だけでは鈍らないと思うから何度か繰り返し放ってみる。
周囲の植物などに影響を及ぼさないように注意しつつ発動させる。
相手の攻撃範囲はわからないが不要に接近はしないでおこう。
包丁で切られるのは勘弁したい。
相手から接近してきた場合は見切りと野生の勘でなんとか回避。
もし住民が狙われるようならこちらに意識を向けさせよう。
石でも【冷視】でもなんでもいい。私が狙われるようにする。


ロベルタ・ヴェルディアナ
シビラ(f14377)ねーと。連携とか協力必須。
う!シビラねーは冷気属性の術で餓婦人ねーちゃんに挑むのか。
なら、僕も【雪の女王】でいってみるじょ!冷凍食品ッ!
(早業、破魔、視力、鎧砕き、属性攻撃、限界突破)
僕は相手の武器の軌道を確認しながらぐんぐん攻めていくよ。
斬られるのは覚悟の上。オーラ防御と激痛耐性を身体に纏う。
餓婦人の攻撃を崩せなかったらフェイント入れてみようかな。
押してもダメなら引いてみろ…ってどこかの国の言葉があったはず。
シビラねーの援護もあるだろーから気楽にいくじぇ~♪
今回も剣で周りの石とか草花とか斬らないように注意しないとね。
住民さんのことも意識しておくよ。巻き込んだら大変だし。




 にこにこと嗤う猫と飢婦人は新たに現れた猟兵達に舌なめずり。
 美味しいものを食べる前の楽しみだ、先にオードブルを味わおうと近くの羊へと手を伸ばす。
 その時、ルーンの描かれた剣が飛来する。
「あら?」
 夜薔薇が鍔に咲いたM42:Trapeziumが飢婦人のドレスの裾を刺し貫いた。くん、と引かれた裾に飢婦人が気を取られ、包丁を持った手が止まる。
 次いで月光色の影──瑞樹が飢婦人へと切りかかり、その伸びた右腕を剣刃一閃、刃が触れた途端に切り落とした。
「まあまあ! 腕が落ちてしまいましたわ」
 まあどうしましょう、と首を傾げる飢婦人に瑞樹はそのまま距離を詰めて胡と黒鵺で攻めていく。

 その間にオリオとセレシェイラは倒れた住民達の救助を進める。
 ぐったりした羊や、身動ぎしない岩を覆うよう、セレシェイラは桜の硝子ペンに魔力を込め魔法陣を描く。穏やかな桜色が曲線や直線を描いて灯る。
「わたしの慰めの桜、優しく花開け」
 それは災厄を防ぐための、住民を守るための魔法陣。線と線を繋げば美しい桜色の結界が花開く。
「めぇ……」
「……暖か」
 仄かな桜の光に照らされて、住民達の傷が少しずつ癒やされていく。
 オリオもその中へと住民達を運び込み、避難させた。
 セレシェイラも僅かに範囲からずれた住民を結界の中へと運び、優しく話しかける。
「眼前の驚異を今片付けよう」
 だからもう心配ない、というように。
「だから、みんなでお家に帰ろうね」
 ここからは自分達の出番だから、待っててほしいと。

 上品に笑う飢婦人へと瑞樹の二つの刃が迫る。上から下、左から右、斜め、その逆。
 狙うは飢婦人の頭の上で嗤う猫。瞬速の刃が触れるかと思われたとき、それは大きな包丁で防がれた。
 猫を狙われたと気づいた飢婦人が、新たに取り出した包丁で防いだのだ。
「いけませんわぁ、かわいい猫を狙うだなんて」
 ぶん、と風斬り音をさせながら包丁が振るわれる。
 瑞樹は目で追わず、第六感を活かして包丁の届く範囲を見切り、飢婦人の力が乗らないような位置を見極め、黒鵺で受け流す。そのまま空いた胴体へと胡の斬撃を繰り出した。
 飢婦人は人外の膂力でもって包丁を引き戻し、防がれるが──それも瑞樹の狙い通り。
 胡はフェイント。本命は左手の黒鵺の刺突だ。
 包丁を持つ左腕を容赦なく突き刺し、抉る。
 素早く引き抜いて距離を取り、また流れるように刀を滑らせる。
(うまくマヒしてくれるといいんだが)
 黒鵺にのせた麻痺の力が回るように願いながら、瑞樹は攻撃を重ねる。浅くともその剣刃が確実にオウガの体を切り裂いていった。
(早く終わらせて休みたいな)
 オウガを殲滅したあとの休息を願いながら。
「すばしっこい方々ですこと。でもお肉は新鮮で生きがいいものが美味しいといいますし」
 何度も繰り出される瑞樹の剣戟をときには体で受け、ときには包丁で受け流しながら、飢婦人は嗤う。
 生きのいいお肉は大好物だ、さあどんな味付けにしようかと。
「凝ったソースもいいものですが、ここはシンプルにしましょうね」
 そう言った飢婦人の背後には大きな大きなソルトミルとペッパーミルが浮かび上がる。盛大に回し、揺らされるそれらから、大量の胡椒と塩が飛び出した。
 細かく挽かれた粉末が戦場に降りしきり、猟兵達の視界を覆うかに思えた。
「後は焼いてもいいですし、切ってもよろしいですね」
 美味しく味付けしたお肉を思う飢婦人。さあ、どうしようか、と猫とともに嗤っていると。
「映して返せ、破魔の銀盆!」
 頭上から細かな胡椒と塩が降り注ぎ、飢婦人の視界も鼻もだめにしていく。
「くしゅん、はっくしょん!」
 頭の上の猫も顔中シワを寄せてくしゅんくしゅんしている。
「飢餓は死と同じくらい辛いこと。私達も生命を食べて生きています。貴女は何も悪くないけれど」
 同じようにクシュン、とくしゃみをし、涙を浮かべた桜花が静かに告げる。
「貴女の有り様が、私達と相容れなかっただけ。そんな理由で貴女に骸の海へお還り願う……ごめんなさい」
 彼女はあえて胡椒と塩を被ることで飢婦人のユーベルコードをコピーしたのだ。80秒近く頭から塩胡椒された飢婦人。頭の猫にもたっぷりと絡んで紫の毛並みが茶色くなっている。
 しばし身動きが取れず、ハンカチで鼻をかむ飢婦人。
 後方でそんな飢婦人を見つめるシビラ。
(まずは低温で身体の熱を奪い飢婦人の動きを鈍らせてみようか)
 彼女は決して飢婦人に不用意に近づかぬように距離を保ちながら、飢婦人から視線をそらさずに見つめている。
 するとくしゃみに悶える飢婦人が、その周りの空気が凍り、霜が降りだす。空中に舞う塩胡椒も凍ってきらきらとした雪になる。
 シビラが使用しているのは冷視。見つめたものを極低温の冷気で包み込み、凍らせる魔術。
 たった一度では強力なオウガには効果が薄い。けれど何度だって繰り返して凍らせてみせる。
 今のように身動きできないなら特に狙い目だ。できるだけ周囲の環境を凍らせぬように気をつけながら、シビラは飢婦人を見つめ続ける。
 住民へと意識を向けないように。ロベルタの剣の助けとなるように。
「冷凍食品ッ!」
 若干場にそぐわぬ掛け声をかけながら、ロベルタが走る。
 冷気の魔術を使うシビラに合わせ、絶対零度の温度をまとった剣を構えて駆けて、飢婦人へと切りかかる。
 やはり周囲の環境を破壊しないように、住民を守るように、意識しながら。
 声に反応して、麻痺と寒さで鈍った飢婦人がくしゃみしながら振るう肉切り包丁の不規則な機動を見切り、いなし、攻撃を受けることなく飢婦人へと飛び込んだ。
 互いに力を振るい、切り結び。ぎりぎりと刃を合わせたところで、ロベルタがすっと力を抜いて後ろに一歩下がる。
(押してもダメなら引いてみろ……ってどこかの国の言葉があったはず)
 急に抜かれた力に、寒さとくしゃみに、と条件が重なって飢婦人が体勢をくずしたところに、吸い込まれるようにロベルタのプリンチペッサ・ロッソが突き出され、肉切り包丁を破壊した。
「くしゅ……あらまあ」
 破壊された包丁の柄を持ったまま、飢婦人は嘆息する。せっかくのお肉だったのに、存外抵抗が激しいではないかと。
 それにもうお腹がぺこぺこだ。腕もないし、とても切ない。
「デザートにしようかと思っていたのですけれど」
 頭の上の猫がにしゃりと嗤う。途端に大きな皿が飢婦人の目の前に現れた。その上に乗っているのは、スパイスたっぷりの肉の丸焼き。
 飢婦人は壊れた肉切り包丁で苦労しながら肉をそいで、口に運ぼうとし──。
「誰も食べさせたりなんてしないよ!」
 突き出されたランスに弾き飛ばされる。影の鎧を纏い、光の翼で勢いよく駆け込んできたニオのランスだ。
「あら、食事を邪魔するなんて。お行儀のよろしくない方ですこと」
 にたりと嗤う飢婦人の食事を妨害したのはニオだ。
 更にメアリーの肉切り包丁も襲い掛かってくる。
「まぁ、あなた。戦いながらお食事なんてはしたない。とってもオウガ「らしい」のね」
 メアリーは壊れた包丁で彼女の包丁を受け止める飢婦人へと淡々と告げる。
「そのお肉。なんのお肉かなんて考えたくもないけれど」
 大きな丸焼きは、そうなる前の菅田を想像させてしまうから。
「考えなくても、わかってしまうものだから。人食いを楽しむオウガは──みんなメアリが殺すから」
 スパイシーな香りの漂う戦場で、メアリーは嘯く。
「刺激的な味もいいけれどそろそろ飽きが来るんじゃない?」
 自身の腕を、脚を、晒して誘う。
「お次はしなやかな脚が良いかしら? それとも柔らかなお尻が良いかしら?」
「いいえ、新鮮な心臓が一番に食べたいわ」
 上品な、けれど狂気に染まった笑みを浮かべ、壊れた包丁を振り回す飢婦人は何とも鬼気迫る勢いだ。新鮮な肉を見せつけるメアリーを追う姿はまさに悪鬼だろう。
(またしても凶暴そうなオウガだね……)
 けれど、それが理由でニオの勇気は鈍ったりしない。走る足が止まったりしない。
 一度ランスを引いて距離を取り、メアリーを追うのをやめ、また肉を食べようとするオウガへタックルし、ランスチャージし、とにかく食事を邪魔していく。
「何度も邪魔してくるだなんて……貴方もお食事なさりたいの?」
「いらない! でもオウガのご飯にはさせないよ!」
 たとえもうそのお肉が何だったかわからずとも。
(『誰か』だったならちゃんと弔ってあげたいの)
 丸焼きになってしまった誰かを守るように、ニオはランスを全力で突き出した。
「もうお腹いっぱい食べたでしょ、骸の海に還って!」
 右脚を突き刺されよろめく飢婦人。
 そこにメアリーが再び肢体を曝け出して誘って──少し走ったところで転んでみせる。
 飢婦人は嬉々として包丁を振り上げ、突き刺された脚がちぎれるのも構わず飛び出した。
 包丁がメアリーに触れそうなったところで、飢婦人は腹に衝撃を感じる。
 メアリーを食べたいと、もう食べられるという食欲を抱いたその分だけ、メアリーの肉切り包丁が飢婦人を切り裂いていった。
 腕を、脚を、武器を失いながら、深手を負いながら、飢婦人はまだ生きている。
 にたにたと気味の悪い、オウガらしい笑顔を浮かべてまだ生きている。
 もう動かない飢婦人の上で、猫型のオウガが嗤う。
 トン、と跳ねて丸焼きへと駆け出そうとしたとき──影の薔薇が絡みついた。
 そう、彼女の影は、すでに動いていた。剣を投げて
 すっと猫を阻むようにオリオはドレスの裾をつまみ、上品な礼をしてみせる。
「ごきげんようオウガの貴女」
 夜薔薇がにっこりと上品に微笑む。
(きれいと言って下さった方々の為にも、頑張りませんと)
 礼を尽くしながらもオリオは夜薔薇の戒めを緩めることはない。
「おいしいものを食べるのはわたくしも好きですわ。肉も特に。夫が焼くステーキが一番ですの」
 酒場付きの宿を営む彼女のオットの焼くステーキは、とても美味しいのだ。万人に勧めたい味である。
 けれど、とオリオは嘆息する。
「でも……貴女と食事の趣味は合わないかしら。最期の晩餐はこの夜薔薇が捧げましょう」
 ぐるりぐるり、猫を逃さぬように夜薔薇が蔦を伸ばす。ぶみゃあ、と鳴きわめく猫をぎゅうと握りしめ棘を埋めていく。
「夜の国には星夜の薔薇を、貴女には影咲く薔薇を飾りたくて」
 気づいたときには動けぬほどに縛るために。
「気に入って頂けたかしら? でしたらそろそろ過去に還る時間ですわ」
 ひらり、とこの国に咲かない花の花びらが舞う。
「キミの御食事の時間は終わりだ。彼等はキミの食料ではないよ」
 桜色のペンを弄びながらセレシェイラが告げる。
 そして悩む素振りを見せながら、戒められた猫へと語りかける。
「ところでわたしは、悪辣なる飢婦人のキミ、悪辣なる猫のキミに相応しい物語の結びは何かと考えている」
 文豪たる彼女は綴らずにはいられないから、と笑う。
「キミはどんな結びを御望みかな?……キミが何を望んだところでわたしはわたしの望む物語を綴るのだけれどね」
 弄んでいたペンが定まった結びを綴りだす。
 ひらひらと舞っていた慰めの桜の花びらが嵐となり、猫を、飢婦人の体を飲み込んで──最後には花ごと全て消し去った。
 「これはキミを終わらせる為の桜──キミには少し美しすぎたかな」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『夢結晶の煌き』

POW   :    見たい夢を思い描いて眠る

SPD   :    リラックスする香を焚いて眠る

WIZ   :    想い出の品を傍に置いて眠る

イラスト:由季

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●そしてふわもこひつじはかく語りき
 おっかないオウガを猟兵さん達と一緒に撃退して。
 夜の国はまた優しい静かな国に戻った。
 さあ、お茶会をしよう。
 夜空色のお茶、月光のケーキ、星屑のクッキー。
 ランプ花の仄かに光る蜜も添えて。
 おしゃべりはちょっと静かにひそひそ声で。
 静かにゆったり楽しもう。
 眠くなったら、僕らにおまかせ。
 つやつや、ふかふか、さらさら、自由に綿や糸を紡いで、ベッドやクッションを作ろう。
 夢見の宝石箱もあるから、枕元において眠れば、夢を見て──きっと素敵な夢の結晶が作られる。
 望むなら、ごつごつの岩さんが、素敵なお守りにしてくれるから。
 さあ、楽しもう。

===
・この章からの参加もぜひどうぞ。
 のんびり静かに楽しんでください。
・お茶会や観光、おやすみなさい、どれでも構いません。貴方らしく静かに夜の国を楽しんでください。。
シビラ・レーヴェンス
●ロベルタ(f22361)と別行動しようと考えている。
勿論彼女には告げて別行動するつもりだ。

私の夢が結晶化するのはとても興味深いがその前に。
お茶会が気になるので少し参加してみようと思う。
「なにも持参していないが…私も参加していいだろうか?」
迎えてくれたなら感謝の言葉を述べてから席に着こう。
そういえば茶会はこれで二度目だったな。
この世界は私の好む茶を出してくれるので楽しみだ。
ゆっくりと堪能しよう。滅多に味わえないからな。
「…よい茶だった。いい一時を感謝する」

身体も温まったしひと眠り。
寝る場所はどこでもいいが静かなところがいい。
適当に場所を選んで少し身体を休める。
…さて。どんな夢をみられるか…。


ロベルタ・ヴェルディアナ
「そうだねぃ。戦いもないし、別行動でいこーか♪」
シビラ(f14377)ねーの意見に賛成して自由行動。

僕は観光しよーかな。夜の国ってドキドキするじょ!
他とは一味違って道具とか住民さんとか変わってるし。
現実にはありえないことが実現するし…楽しい~♪
アリスラビリンスって面白いところが多いよね~v
とりあえず辺りを散歩してみるよ。ついでに寝床も探す。
「おー…。不思議不思議、植物や岩が話せそうだねぃ~」
月が二つ。この世界にいたけど初めて見るよ。…多分。
暫くただの散歩するけどね。段々飽きてきた。
身体を丸めてコロコロコロコロ転がったり。
大の字に寝転がって二つの月をしばらく眺めたり…。
さて。寝床をどこにしよう。




「ロベルタ。しばし別行動でもいいか?」
「そうだねぃ。戦いもないし、別行動でいこーか♪」
 そう話して、シビラとロベルタはしばしの間別れて夜の国を堪能することにした。

(私の夢が結晶化するのはとても興味深いがその前に。お茶会が気になるので少し参加してみようと思う)
 シビラは、そこかしこに用意されたお茶会のテーブルへと赴いた。
 柔らかなクッションに仄かに星屑の見える石で作られたテーブルやイス。サラリトしたテーブルクロスの上には、暖かなティーセットにお菓子たち。
 楽しげに用意する羊や岩達へとシビラは静かに声をかける。
「なにも持参していないが……私も参加していいだろうか?」
「もちろんめぇ、ようこそめぇ」
「歓迎」
 愉快な住民達はシビラを大歓迎。彼女のための椅子を即座に用意し、クッションをふかふかに積んで座りやすくする。
 綺麗な星空のお茶を注ぎ、月光を集めたソースのケーキに、丸い星屑を飾ったクッキー。お砂糖代わりの金平糖のような流れ星の欠片と、今もテーブルの上で明かりとなっているランプ花の蜜をシビラの前へと並べてくれた。
「ありがとう」
 心ながらのもてなしに感謝し、シビラは席に着く。
 さあ、夜のお茶会の始まりだ。
「助けてくれて、ありがとめぇ」
「国や資源、守ってくれた。有り難い」
 彼女の働きに対しての礼から始まり、この国特有の自然や、住民の役割、他愛もない小さな楽しみなど、囁くようにお茶会のおしゃべりは進んでいく。
(そういえば茶会はこれで二度目だったな)
 以前のお茶も美味しかったが、今のお茶も面白い。
 口に含むと味が変わるお茶だった。ふんわり果物の酸味と香りがしたと思ったら、次には花の甘い香り。喉を通るとそれがすっきりと余韻を残す。
 滅多に味わえない珍しい茶を堪能し、相槌に頷いたり、首を傾げたりしながら、シビラはゆっくりとお茶会を楽しむ。

 ロベルタは夜の国を散歩していた。
(夜の国ってドキドキするじょ!)
 他の世界とは一味違った、アリスラビリンスの国々。現実にありえないことが起こる面白い世界だ。
 草花や鉱物などの環境も違えば、そこに生きる住民や道具、暮らしだってもちろん違っている。
 ここならずっと夜の国だという以外にも、例えば、ほら。
 すぐそこで作業する羊に声をかけてみれば。
「う! 羊さん、何してるんだじぇ?」
「めぇ? お布団の綿作りだめぇ」
 ふかふかにふくらんだ、大きな大きな月色の綿に羊の蹄がふれれぽろりと綿の塊が落ちる。下に引いていた布の上でキャッチした。
「これを、こーやって」
「おお〜」
 羊が丸い綿の絡まりをほぐすように広げれば、どんどん大きく広がって、平べったくなっていく。大きく広がったあと、羊はくるくると巻いて布でくるんだ。
「あとでお布団の中に入れるめぇ」
「なるほど〜」
 その国を羊と別れて、ロベルタは寝床を探しながら散歩する。
 そこかしこに灯る水晶や、ランプの花の明かりがロベルタの道を照らしてくれた。
「おー……。不思議不思議、植物や岩が話せそうだねぃ~」
 気になるものには住民に聞いたり、実際に体験してみる。皆気持ちよく外からの客人を迎えてくれた。
 流れ星がお砂糖や塩、胡椒といった調味料だったり、星空石は割る場所や産地で映す星空が違っていたり。羊達の紡ぐ糸は、ちょっとした編み方の違いで全然別の手触りに変わったり、岩達は指先一つで様々な道具を作り出したり。不思議なことばかりだ。
 そんな風に散歩して、空を見上げれば、星が落ちてきそうな夜空が広がっている。
(月が二つある国。この世界にいたけど初めて見るよ。……多分)
 今日は新月で見えないが、2つの月が並んで上る夜空はどんなものだろうか。照らされた光景も変わるのだろうか。
 そう思ってしばし静かにしばらく歩いていく、が。
「飽きてきたじぇ」
 急に体を丸めて、ころんころん。フカフカの草の上は柔らかく回りやすかった。何度か回ったあと、ロベルタはごろんと土の上で寝転んで、夜空をしばらく眺める。
 しばし静かに星空を眺めたあと、ロベルタは立ち上がった。
「さて。寝床をどこにしよう」

 暖かなお茶を楽しんで、シビラはお茶会を辞す。
「……よい茶だった。いい一時を感謝する」
「どういたしましてめぇ」
「良い夜を」
 ほかほかと温まった体はすぐにでも眠気がやってくるだろう。
 静かに眠れそうな場所を探せば、少し離れたところに休憩所のような場所が用意されていた。
 屋根もついていて、中にはたっぷりといろいろな手触り、色、デザインの布団や枕、シーツや毛布が用意されている。
 一緒においてある小さな宝石箱が夢見の宝石箱なのだろう。
 適当に寝具を選んで、室内に入っていけば先客が。
 先にすやすやと寝息を立てて、ロベルタが眠っていた。
 シビラもその横に寝具を広げ、眠ることにする。
(……さて。どんな夢をみられるか……)
 そうして目を閉じれば、優しい眠りへとすぐに落ちていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

メアリー・ベスレム

あぁ、楽しかったと伸びをして
ふわもこ布団でおやすみなさい
こんなに柔らかな寝床は初めてで
すぐにすやすや寝息を立てる

ずうっと夜のこの国は
どうしてもあの世界(ダークセイヴァー)を思い出してしまうけれど
あれとは大違いの優しい夜だから
見る夢は穏やかなものになるかしら?

眠りに落ちる前、そんな似合わない事を考えた気もするけれど
いいえやっぱり、赤くて甘い血の夢ね
目に痛い程鮮やかな血の結晶の出来上がり

折角だからとお守りへの加工をお願いし
どんな夢を見たのかと問われれば
それは秘密、と笑ってはぐらかす
だって、あなた達に聞かせるにはちょっと過激だもの
だけれど、そうね
とても楽しい夢だったから
どうか素敵にしてくださいな?



●メアリー・ベスレム(Rabid Rabbit・f24749)  ※(過去採用=第1章・第2章)


「あぁ、楽しかった」
 楽しい楽しいオウガとの狩りを終えて、満足そうにぐっとメアリーは夜空に向かって伸びをする。
 満たされた気持ちのまま、愉快な仲間達が用意してくれた寝床へと足を進める。
 星空のような石の建物に、ふかふか柔らかな、とろけるような布団に枕。小さな宝石箱も準備されていて、もう後は眠るだけ。
 初めての感触に期待を抱きつつ、布団の中に潜り込んでいけば心地良さにメアリーは穏やかな眠りに落ちていく。
(ずうっと夜のこの国は、どうしてもあの世界を思い出してしまうけれど)
 日のささない世界、ダークセイヴァー。生きる者に等しく厳しい、暗い暗い残酷な世界。
 夜であるこの国は、どうしてもメアリーの閉じ込められていたそこを思い出すけれど。
(あれとは大違いの優しい夜だから、見る夢は穏やかなものになるかしら?)
 眠りへと落ちていく中で、そんな風にメアリーは思っていた。

 どちらを見ても赤。鮮やかな赤。
 メアリーを満たす、赤、赤、赤。
 甘い甘い、血の赤い夢。

 すぅっと意識が戻る。
 目覚めればそこは柔らかいお布団の中。楽しかった赤はどこにもない、全て夢だったと思えた。
 けれど宝石箱を開けてみれば、そこには──真っ赤な、鮮やかな血の結晶が収まっていた。
 折角だから、とメアリーは外に出て、ごつごつとした岩の住人へと声をかける。
「ねえ、あなた。これをお願いできるかしら?」
「承知。待たれよ」
 真っ赤な石は岩の職人の手の中で、繊細に、優美に形を変えていく。
「珍しい、真っ赤な石。どんな夢?」
「そうね……ふふ、それは秘密」
 うさぎの皮を被ったオオカミはくすりと笑ってはぐらかす。
(だって、あなた達に聞かせるにはちょっと過激だもの)
 この穏やかな夜の国には似合わない真っ赤な夢。
「だけれど、そうね。とても楽しい夢だったから、どうか素敵にしてくださいな?」
 そう笑うメアリーを見て、岩の職人は静かに頷いてお守りを作り上げた。
 その姿は鋭い牙を、爪を持った、真っ赤な狼をシンボル化したもの。丸みを帯びて優しげなラインを描いていながら、獰猛さすら見え隠れするお守りが出来上がったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アトラム・ヴァントルス
【水精】
ティティにひかれてたどり着いた場所に驚いてしまいます。
以前にもらったシロップといい、この子は私を心配しすぎる…
寝やすそうな場所を探す姿を見守りながら、そう思うんです。

アレは使っていないわけじゃないのですが、毎日使うには勿体ない。
(研究のしがいがあるという理由もあるけれど)
どう言い訳しようか考えていたら、膝を叩いて呼んでいる。
それは流石に遠慮をします。
なぜなら私の事で君の足をしびれさせるわけにはいかないからね。
ティティも共に寝るのなら、私も寝ることにしますから。

お休みティティ、どうかよい夢を。
願わくば、私の夢は過去の悪夢じゃないことを祈りましょう。
できたら、この子が喜びそうな優しい夢を。


テティス・カスタリア
【水精】
「アトラ、こっち」
ちょっとそわそわする気持ちでアトラの手を引いて寝易そうな所を探す

アトラ、いつも朝辛そう
お医者さんなのに、治せてない
それは、普段よく眠れてないってこと?
アルダワで快眠効果のある夜糖蜜のシロップも作って渡したりした
多分使ってはくれてる
けど…
「……」
これは、きっと疑心
「(膝ぽんぽん)」
だから、ちゃんと目の前で寝てもらう
「…む、枕要らない…?」
膝枕、だめだった
そういえば自分の事、考えてなかった、な
アトラがいいって言うなら、隣で寝るのも、いいかも
「おやすみ、アトラ」
アトラが気持ちよく寝てくれたら、それでいい
夢は、何でも
そういえば、夢の結晶がどうとか…起きた時の楽しみ、みたいな?




「アトラ、こっち」
 テティス・カスタリア(想いの受容体・f26417)はアトラム・ヴァントルス(セイレーンの闇医者・f26377)の手を引いて進む。
(アトラ、いつも朝辛そう)
 テティスが見るアトラムはいつだって朝が辛そうだ。何か苦しい夢を見て、良く眠れていないような、悲しそうなそんな様子で。
(お医者さんなのに、治せてない。それは、普段よく眠れてないってこと?)
 そんなアトラムがテティスは心配だ。ならばこういう場所で、ゆっくり眠れればいい。そう思って連れてきたのだ。
 テティスに言われるままに手を引かれて連れてこられた場所にアトラムは驚いていた。
 聞けばいつまでも夜の不思議な国、優しい眠りを、素敵な夢をもたらしてくれるという。
 今だって、すこしそわそわと、辺りを観察してテティスが探すのは愉快な住民達が用意してくれた、優しい寝床。アトラムが少しでも安らかに眠れるように、と願って探している。
(以前にもらったシロップといい、この子は私を心配しすぎる……)
 寝やすそうな場所を探すその様を見守りながら、そう思うのだった。

 少し探せばすぐに心地よさそうな建物が見つかった。
 優しい夜空のような石で作られた建物には、柔らかな布団。小さな宝石箱も置かれている。
 広げられた大きな布団は大人が5人や6人で寝転がったって平気そうなくらい。ふわふわなその布団は優しく体を、程よい固さで受け止めてくれる。
「……」
 テティスはすっと大きな布団の上に座り、無言でアトラムをじっと見上げる。
 アルダワで、安眠効果のある夜糖蜜を使った、望む夢を見られるシロップを作って贈ってみたり、少しでも心地良く眠れるよう、アイマスクを贈ってみたりもしたけれど。それでアトラムの眠りが良くなっているような様子もなく。
 多分使ってくれるはずだ。けれど、どうにもきちんとは使っていないんじゃないか、という疑いも頭をもたげてしまうのだ。
 疑いの眼差しを受けたアトラムは苦笑い。ああ、これは疑われているな、と。
 確かにシロップは使っているが──毎日使うには勿体なくて、大事に取っているのだ。
(研究のしがいがあるという理由もあるけれど)
 その贈り物が大切で勿体なくて、大事に大事に取っておきたいという理由だって大きいのだ。
 さてどう言い訳をしようかとアトラムは少し考え込む。
 そんな彼にテティスはぽんぽん、と座った自身の膝を叩いて示す。寝ていないという疑いを払拭するには、きちんと目の前で寝てもらえばいい、そんな気持ちを込めて。
 流石にその誘いにはアトラムは首を振った。
「いえ、遠慮します」
「……む、枕要らない……?」
「私の事で君の足をしびれさせるわけにはいかないからね」
「……ん」
 そんなふうに自分のことを考えていなかったテティスの横へと転がって、アトラムは布団に入る。そして自身の隣をぽんぽん、と叩いてみせる。
 こんなにも思いやってくれるその心に応えよう。
「ティティも共に寝るのなら、私も寝ることにしますから」
 テティスが提示した膝枕はだめだったけれど、新たに示されたその答えは心地良い。
(アトラがいいって言うなら、隣で寝るのも、いいかも)
 テティスもそっと彼の隣に潜り込む。
 ふかふかのお布団は二人を優しく包み込む。そのぬくもりは、優しく眠りへと二人を誘う。これならすぐに眠りへと落ちていけるだろう。
「お休みティティ、どうかよい夢を」
「おやすみ、アトラ」
 テティスはそっと願う。
(アトラが気持ちよく寝てくれたら、それでいい。夢は、何でも)
 目覚めたときにアトラムが穏やかに目覚められるような、そんな眠りを願う。
 アトラムは静かに祈る。
(願わくば、私の夢は過去の悪夢じゃないことを祈りましょう。できたら、この子が喜びそうな優しい夢を)
 苦しまずに、穏やかに眠り、テティスが喜んでくれるような夢が見れる眠りを祈る。
 お互いを思いやり、優しい優しい眠りへと落ちていく。
 二人で優しい、穏やかな夢へと、落ちていく。
 目覚めたときにはきっと──優しい夢の結晶が出来上がっているのだろうから。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

黒鵺・瑞樹


戦争も終わりでさすがに疲れたし、ちょっとひと眠りしたい。
夢結晶?夢見石?というものも気になる事だし。
初めて見るわけじゃないのに新月の夜というのもなんだか新鮮だ。
ふと見上げればだいたいは月がいて、見守ってくれてる事が多かったからか。

夢は大事な人の、大事な人たちのそばに居られる内容ならいいな。ただそばにいて、笑顔が見られればいい。それ以上は望まない。
ずっと一緒だなんてきっと無理な願いだろうから、今一時だけはと願ってしまう。

できた結晶はもちろんお守りにしてもらおう。
お守りの形はお任せの方がいいのだろうか?
根付タイプだと持ちやすいかなとは思うんだが…、まぁいいか。結晶の形によるだろうし任せよう。




(戦争も終わりでさすがに疲れたし、ちょっとひと眠りしたい)
 長い戦役も終わったのだ、少しくらい休んだって構わないだろう。
 夢を見たときにできる結晶というものも気になるし、と瑞樹は静かに眠れる場所を探す。
 夜空を見上げれば降り注ぎそうなほどの星々。新月の夜だから、そこに月はない。
(初めて見るわけじゃないのに新月の夜というのもなんだか新鮮だ)
 ふと見上げればいつだって月は夜空に輝いていて、見守ってくれることが多かったからか。常にあると思っていたものが見えないということは存外不思議なものだった。
 そんな心地を抱きながら、用意された建物を見つけて入ってみる。
 夜空を映した石の建物には、柔らかな布団や枕が用意されていた。好きなものを選んで使えるようで、好みの固さや手触りのものを用意して、早速布団の中に入る。
 心地良い重みや感触、温かさに誘われて、瑞樹はすぅっと穏やかな眠りへと落ちていった。

 夢を見た。
 大事な人、大切な人達のそばに居られる夢だ。
 ただそばに居られる。穏やかな笑顔を見られる。
 そんな優しい、穏やかな月の光のような優しい夢だった。
 夢の中で瑞樹は思う。
(ずっと一緒だなんてきっと無理な願いだろうから、今一時だけはと願ってしまう)
 これはいつか覚める夢だけど、それでも、と。
 覚めるまではどうか、どうか。

 目覚めれば、枕元の結晶箱の中には黄色い月光のような結晶ができていた。
 それを岩の職人へと渡して、お守りにしてもらう。
「こういう形がいいんだが」
「承知」
 ごつごつ岩の職人は細長い結晶を細かに形を整えて、片側は丸く、片側は細く、丸い方に穴を開けて、羊が編んだ紐を通して。
 勾玉の形の根付にして、瑞樹へと差し出すのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニオ・リュードベリ


この国の無事が守れて本当に良かった……
最後はゆっくり楽しんじゃおう

せっかくだからひつじさんと一緒に眠ってみよう
戦ってる最中はよく見れなかったけど……みんなふわもこで可愛い!
出来上がったお布団もすっごくふわふわ……
これならゆっくり眠れそう
枕元に宝石箱も置いておやすみなさい

暖かな空気に包まれつつ、今日は穏やかな夢が見られそう
そうして出来上がるのは薄紫色の夢見石
良い夢から覚めても、現実でも幸せな気分になれるのは嬉しいな

これを職人さんに渡せばいいんだよね
ゴツゴツ岩さんも格好いい……!こんな姿だったんだ
夢見石は……指輪に加工してもらおうかな
こうしておけばいつでも身に着けられるからね!
みんなありがとう!




 笑顔でお布団や寝床の建物を用意している愉快な仲間達を見て、ニオは改めて思う。
(この国の無事が守れて本当に良かった……)
 最後はゆっくり楽しもう、とニオは早速用意された寝床へと向かう。
 様々な感触のお布団や枕、シーツに肌がけ。好きなように選んで好きなように組み合わせて、心地よい眠りについてもらえるように、と住民達が心ばかり、と用意した品々だ。
 そんな彼らへと歩み寄り、ニオは声をかける。
「ねえ、ひつじさん。よければ一緒に眠ってくれるかな?」
「めぇ? 構わないめぇ」
 ほわほわふわふわの毛並みの羊達が、ニオの周りに集まってきてお布団を広げだす。
(戦ってる最中はよく見れなかったけど……みんなふわもこで可愛い!)
 傷なども治って元気に穏やかな彼らの気質を映したかのようにどの羊の毛並みも柔らかそうで。
 実際に撫でさせてもらえば、優しいふかふかほわほわの手触り。そんな彼らが用意してくれた布団も、どれのがふかふか、ほんわか暖かで。
(これならゆっくり眠れそう)
 ニオと羊達は枕元にそれぞれの宝石箱を置いて、寝転がる。
「おやすみなさい」
「おやすみめぇ」
 ひそひそ、囁き声でおやすみ、おやすみ、と言い合ううちに心地よい眠りへと落ちていった。

 穏やかで優しい夢から目覚めて宝石箱を開いてみれば、そこにあったのは薄紫色の夢見石。
(良い夢から覚めても、現実でも幸せな気分になれるのは嬉しいな)
 未だ眠る羊達を起こさぬように、静かに夢を映した優しい色の宝石を手に外に出て、ニオは岩の職人を探す。
(これを職人さんに渡せばいいんだよね)
 少し離れた場所で、ごつごつとしたフォルムの岩達が石を削ったり、整えているのが見つかる。
(ゴツゴツ岩さんも格好いい……!こんな姿だったんだ)
 水晶の灯りに照らされた彼らの姿は様々。大きいもの、細いもの、平べったいもの、小柄なもの。誰一人として同じ形はしていない。
 けれどその指先は器用に小さなかけらも大きな石も丸めたり切り出したり、磨いたりして様々なものを作っていた。
 そんな彼らの一人にニオは夢見石を渡して加工してもらう。
「指輪にしてくれるかな?」
「承知」
 岩の職人が取り出した指輪の型で大きさを計り、ニオの指にちょうど合う大きさヘと結晶を飴細工のように丸めてつなぎ。少し平べったくしたあとで表面にうさぎと薔薇、リボンのモチーフを彫り込んで、ニオへと返す。
「ありがとう。こうしておけばいつでも身に着けられるからね! みんなありがとう!」
 薄紫色の指輪はニオの指できらりと輝いたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

オリオ・イェラキ

優しい夜を護る事ができて、何より
では存分に夜を楽しみましょう

改めてごきげんよう、可愛らしい方々
羊も、岩の子も
宜しければわたくしとお茶会しましょう
その柔らかな身体をお膝に乗せて撫でたいの
固い方は、隣に。沢山頑張ったんですもの
貴方も撫でて労りたいわ
ケーキとクッキーは、何方がお勧め?
お茶と共に頂きましょう
ふふ。…そう
わたくしの薔薇を褒めて下さったのも嬉しかったですわ
良ければ片隅に、咲かせていて欲しいの
また来る時の道導に

クッションは2つ作っても?
夫のお土産にしたいの
夢の結晶はどんな輝きになるのかしら
今からとても楽しみ
ねぇ、可愛らしい方々
一緒に寝て下さる?
きっと好い夢が観られるから…さぁ
おやすみなさい




 オリオはせっせとお茶会の用意をする住民達を優しい心地で眺めていた。
(優しい夜を護る事ができて、何より)
 傷も治った彼らは穏やかに囁き、静かに笑いあって夜のお茶会を楽しもうとしている。ならばオリオも、存分に夜を楽しもうと思うのだ。
「改めてごきげんよう、可愛らしい方々」
 整ったテーブルの一つに歩み寄り、ドレスを摘んで礼をする。
「こんばんわ、めぇ」
「良い夜、お茶会にも良い」
「よろしければ、わたくしも一緒にお茶会をしても?」
「もちろん歓迎めぇ」
「席、用意する」
「よろしければ羊の方、お膝に乗せて撫でてもよろしくて?」
「めぇ? 構わないめぇ」
 近くで用意していた羊がオリオを席に誘い、座ったその膝へと岩が乗せてくれた。小さな羊はふわふわで柔らかく、ほのかに甘い香りがした。
「岩の方、ありがとう。どうぞ貴方も隣に」
 隣に座った岩にも許可をもらってそっと撫でてやる。
 みんな頑張ったのだ、労ってやりたい。
「ケーキとクッキーは、何方がお勧め?」
「めぇ、どっちもおいしいめぇ」
「好み如何」
 月光のケーキは甘酸っぱく爽やか、口に入れれば味や風味が変わりゆく。星屑のクッキーはほろりと崩れ、口の中で優しく溶けていく。
 香り高い星空のお茶と一緒に楽しめば、豊かで穏やかな、夜の心地を楽しめる。
 他愛もない、穏やかな夜のお茶会。静かにオリオの唇からも笑みが溢れる。
「ふふ。……そう、わたくしの薔薇を褒めて下さったのも嬉しかったですわ」
 今もまだ、薔薇はこの国に咲いている。陽の光がささないこの国だけれど、夜の薔薇であるならば枯れることはないだろう。
「良ければ片隅に、咲かせていて欲しいの。また来る時の道導に」
「構わないめぇ。お世話しておくめぇ」
 穏やかなお茶会ももう終わり。お茶のカップを置いて、オリオは誘う。
「ねぇ、可愛らしい方々、一緒に寝て下さる?」
 好い夢が観られるから、とオリオは皆を誘う。
 手を取り合い、用意された建物へと入って、用意された布団へと潜り込む。
「……さぁ、おやすみなさい」
 夢の結晶はどんな輝きになるのか楽しみにしながら、オリオと愉快な仲間達は眠りへと落ちていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

セレシェイラ・フロレセール
平穏を取り戻した優しい夜の国
『すべて終わったその時には一緒に笑って過ごそう』
優しい住民たちと交わした約束を今果たそう

今宵は新月
月が見えない夜のお茶会は何処か秘密めいた雰囲気で、ちょっとドキドキしてしまうね
ふふ、お邪魔します
いい香りのお茶をひと口、優しい味にほぅっとひと息
陽気な羊の住民も優しい岩の住民も元気そうなその姿に心から安堵して
あなたたちが無事で本当に良かった
みんな頑張ったね
今この時はみんなで勝ち取った平穏な時間
心からの笑みが自然と溢れる

甘いお菓子も美味しいね
羊の職人さんのお話も岩の職人さんのお話も聞かせて欲しいな
此処は本当に素敵な国だから
いつか、優しい夜の国の彼等の物語を綴れるといいな




 夜の国には優しい平穏が戻ってきた。
 セレシェイラが見守るその全てが穏やかに笑っている。
(『すべて終わったその時には一緒に笑って過ごそう』)
 そう彼女は告げて戦った。その結果が今広がる優しい光景だ。
(さあ、優しい住民たちと交わした約束を今果たそう)
 セレシェイラは外からの客人、猟兵のために用意されたお茶会の席へと歩を進めた。
 今宵は新月。月のない夜空には星が降りそうなくらいに輝いていて。テーブルの上や周りはランプの花や水晶の明かりがてらしてくれている。
(月が見えない夜のお茶会は何処か秘密めいた雰囲気で、ちょっとドキドキしてしまうね)
 陽の光や人工の灯りのもととは違う、どこか不思議な光景に思わず笑みが浮かぶ。
「ようこそ、めぇ」
「歓迎」
「ふふ、お邪魔します」
 早速セレシェイラのためにクッションを用意し、茶器を用意する。白い陶器の器に注がれたお茶は星空のような藍色で、不思議なお茶だった。
 心地よい香りを楽しみ、一口含むと甘く爽やかな優しい味が広がる。飲み込んで余韻にほぅっと一息つくと、穏やかな笑みが自然と浮かんでくるお茶だ。
 にこにこ陽気に、けれど静かに喋る羊の住民も、寡黙でも優しい岩の住民も。どちらも元気そうな様子に、セレシェイラは心から安堵する。
「あなたたちが無事で本当に良かった」
 皆が頑張ったこの結果に、皆で勝ち取った平穏な時間。その優しい事実に心からの笑みがこぼれてくる。
 穏やかな心地に用意された菓子にも手を伸ばす。優しくほろほろと柔らかな口溶けが何とも心地よい。
 笑顔を浮かべるセレシェイラに同席している住民達もほんわか笑顔で嬉しそう。
「美味しいめぇ? よかっためぇ」
「重畳」
「ああ、美味しいよ。そうだ、羊の職人さんのお話も岩の職人さんのお話ももっと聞かせて欲しいな」
 美味しいお茶とお菓子をしばし楽しんで、セレシェイラは穏やかな住民達の話に耳を傾ける。
 月の光を集めて育つ綿、ランプの花の花びらで作るツヤツヤのシーツ、羊達が紡ぐ毛糸の毛布。星空を映す石を切り出して作る、家具や建物の話。
 どちらの話も面白い。その話を聞きながら、セレシェイラの胸のうちに一つの思いが浮かんできた。
(此処は本当に素敵な国だから──いつか、優しい夜の国の彼等の物語を綴れるといいな)
 文豪たる彼女は、桜のペンできっとその物語を綴るのだろう。
 その日を願って、今はお茶を楽しむのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年06月03日


挿絵イラスト