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パンテスキ盗賊団登場

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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 ……はーよっこいしょー、せーいっ。
 ……どっこらしょーの、ほーいっ。
 アックス&ウィザーズ世界の人里離れた岩山、急勾配の坂の上で樽やら木箱やら、転がしてのけている山賊風味の男たち。
 どうやらねぐらへ溜め込んだ戦利品が不要になったようで、雑に斜面の上から放って処分しているようだ。
 ……よっこらしょーの、せーっ。
 ……ほいのほいの、ほーいっ。
 なんとも危機感のうすい山賊達のかけ声が、響き渡る。

●パンテスキ盗賊団登場
 音もなく、水衛・巽(鬼祓・f01428)の背後へ峻厳な稜線がつらなる岩山が現れた。宙に浮く巨大な山々といった情報から、アックス&ウィザーズ世界とわかる。
「『パンテスキ盗賊団』なる名前を自称する犯罪集団が現れたわ。とは言っても今回は何か事件を起こすわけじゃないんだけど……見逃す理由もないから、今のうちに釘を刺すってあたりかしらね」
 岩山のひとつへカメラが寄っていくように、巽の背後にひろがる風景が拡大した。岩山の斜面、そこに洞窟のような横穴があいている。
「どうも物の処分に困ったようで、横穴の行き止まりにあるアジトから、ぽいぽい外に放って処分しているのよ」
 ……それっておっけーなんですか、と猟兵の面々が半目になる。まあ世界が世界なのでプラスチックだの化学繊維だの、土に還らないようなものは入っていない。誰も困らないし咎めもしないが、倫理的によろしい事ではない、というあたりだろう。
 不要品は樽に入っていたり木箱に入っていたり、あるいは麻袋に詰められていたりで色々だ。うまくすればキャッチした上で中身を改めることも可能だろう。
「ただ問題がね……盗賊団が身を隠している横穴に入るためには、この斜面を登るしかないのよ。出入り口が一カ所だけってわけね」
 しかも頭上から色々どんどこ降ってくる中を登るので、なかなかにバイオレンスな状況でもある。
 ただ、うまいこと中身の入った物を引き当てれば、最終的に闘うことになる首領パンテスキの能力の手掛かりが得られるはずだ。やはりなかなかの難易度なので、もし捕まえられたら、というあたりでとらえておくほうがよいだろう。


佐伯都
 こんにちは、佐伯都です。上野にチューリップ咲いていて愕然としました……。
 それではさくっとおさらいと補足にまいります。

●第1章について
 岩山の斜面を登り、横穴に到達するまでを扱います。盗賊団からはいっさい発見されずに登ることができるものとしてください。
 頭上からどんどこ樽や木箱や麻袋が降ってきますので体力と力技で強引に突破(POW)、クライミングスキルで回避(SPD)、落下パターンを見極めクレバーにルート選択(WIZ)などして横穴を目指して下さい。
 落下物キャッチはかなり難易度が高いうえ、手掛かりになるような品物が入っているかどうかは運次第ですので、ご留意下さい。

●戦闘および章移行に関して
 戦闘が発生する章では、敵オブリビオンのユーベルコード一覧や外見が参照できます。
 章移行時は一度状況説明をはさみますので、そちらをご確認のうえプレイングをかけていただくのがおすすめです(移行後、状況説明が出るまでタイムラグがある場合があります)。

 成功条件は『パンテスキ』の撃破。

 それでは皆様の熱いプレイング、お待ちしております。
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第1章 冒険 『急勾配の坂の上から』

POW   :    力技・肉体で解決を図る

SPD   :    速さ・技量で解決を図る

WIZ   :    魔法・賢さで解決を図る

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

銅・加々美
これって、不法投棄ってやつだよね?
まぁソレ関係の法律があるかわからないし、
マナーが悪い事には変わりない。
でも、盗賊にマナーもないか。
何にせよ、迷惑な悪党だし、
手早く退治しないとだね。

錬成カミヤドリで、本体の銅鏡(直径30cm)を最大数で複製。
念動で浮かせ、その上に乗るよ。
両足裏に各1つ、
バランスを保つ為に、両手に各1つ。
念の為に体を支えるのに1つつ。
計5枚で空中移動をして、
障害物を避けながら登るよ。

フリーの5枚は、落下してくる物を受け止める事に使おうか。
落下物を囲む様に展開し、
衝撃を和らげる様にタイミングを合わせて、
確保を試みよう。

上手く確保できたら、中身を確認。
さてと、何が入っているのかな?



 それはどこからどう見ても、誰に見せても恥ずかしくないお手本のようなレベルの不法投棄、という光景だった。
「……まあこの世界にソレ関係の法律があるかどうかなんてわからないしね……」
 一瞬遠い目になりつつ、銅・加々美(典外魔鏡・f12883)は岩山の急峻な斜面を見上げてみる。斜度がなかなかである事以外は、それほど難易度の高いものではなさそうだ。空を行くなどする方法がないかぎりここから盗賊団も出入りしているという事なので、それも道理かもしれない。
 さっそく『錬成カミヤドリ』でいくつか本体の複製を生み出した加々美は、ぽーいと古ぼけた麻袋が見上げた青空に踊ったのを発見する。
「うわぁ……」
 自由落下でぐいぐい速度を増す麻袋。次いで、斜度のゆるい岩盤に激突し凄まじい音と共に中身をぶちまける。……あ、これまずい気配じゃない? と加々美の顔が徐々に青くなった。
 本体の複製に乗る・支えてもらう、を主軸にしさらに落下物も複製の鏡で受け止めるつもりでいたのだが、これはさすがに念のほうが負けそうな気がする。ものすごく。
「か、軽そうなものだけに絞るか……」
 ごっしゃあああ、と木箱が地面に激突し粉々になる光景を横目に、加々美は粛々と岩盤を登りはじめた。

成功 🔵​🔵​🔴​

キギ・レインメーカー
盗賊団の処分品か、何か掘り出し物でもないかな?
【行動方針】
登り始める前に落下した処分品を確認、残骸から【世界知識】をもとに推測を立てられないかな
近づいて見れるようなら近くで確認して、処分品が落下してきて危険なようなら【レプリカクラフト】で双眼鏡を作製して残骸を確認するよ
登攀については特別なことはせず落下パターンみつつ堅実に行こうか
念のため【フック付きワイヤー】を命綱にして登ってこうか、最悪オラトリオだし飛べばいいんだけどね。他の猟兵で危なそうな人がいたらできる限りカバーできるよう登ってこう。



 一方キギ・レインメーカー(オラトリオの探索者・f02371)はすでに投棄された処分品から推測できないものかと考えたが、そう簡単に首領の秘密がわかるものなら最初からそうしろと言われているか、と思い直した。
「何か掘り出し物でもないかな……?」
 まあそこはそれ、不要とされた品がどんなものかを検分してみるだけでも何か得られるものはあるかもしれない。がっしゃんがっしゃんと派手に木箱が叩きつけられている地面や岩盤を避け、やや離れた所に落ちてきた樽の残骸に目をつける。
 そこには薄いパンフレットのような、雑誌のようなものがみっちり詰められていた。何かと思い近寄ってみると、いわゆる女性下着カタログ。
 別にいかがわしい内容のそれではなく、ただ純粋に買い物や参照するためのものだという事が明白な編集なのでどうとも思わなかったのだが、ふとキギは首をかたむける。
 これはつまり、盗賊団に女性がいるという事だろうか。それとも、何か他の理由で必要になり、投棄されたのだろうか。
「……どのみちこれは首領に確認が必要な案件かもしれないね」
 フック付ワイヤーを取り出し、それを命綱にしキギは岩盤に挑む。
「まあ自分オラトリオだし飛べばいいんだけど」
 そこは触れないのがお約束、というものだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

結城・蓮
やれやれ、妙な一団が現れたものだね。
ま、悪さをしてないにしても、何かを企んでいるのだろう。
面倒な状況ではあるけど……ま。やるだけやってみようか。

【SPD】
基本的には【クライミング】で登っていこう。
急勾配ならフック付きワイヤーを使って登坂の補佐を入れるよ。

物が降ってくる状況になったら、《泡沫の鏡像》で鏡像を生み出し、鏡像に回収させるよ。
フック付きワイヤーや仕込みピアノ線、《無明の弦》も駆使して回収していこう。
その間にボクは、余裕があれば物を確認して分析、余裕がなければ登坂に専念する。
坂を転げるのは勘弁願いたいからね。
「さて、何が捨てられているやら……と」



 それにしても妙な一団が現れたものだ、と結城・蓮(チキチータ・マジシャン・REN・f10083)は肩をすくめた。何とも面倒な状況では在るが、やるだけやってみる事にする。
「今回は特に悪さは企んでいないって話だけど、一体何なんだろうね」 
 ほぼ垂直にも近い岩盤に手をつくと、クライミング技術を駆使し蓮は一気に己が体重を引きあげた。
 頃合いを見計らって『泡沫の鏡像』にて自身の鏡像を生み出しておく。さらにフック付ワイヤーに仕込みピアノ線、『無明の弦』まで使い、蓮は落下物の捕獲に挑んだ。
 しっかりとした岩肌の突起に手をかけ身体を固定させると、さらに身をぴたりと寄せておく。ガッ、ゴッ、となかなかの音をさせつつ樽が落ちてきた。すかさず蓮は自身の鏡像をその樽の下に潜り込むように移動させる。
 他に自身に接近している落下物がないか、一瞬視線を走らせ確認すると蓮は鏡像に樽の確保を命じた。すかさず鏡像はごくわずかな足場から身をのばすと、軽く回転しながら落ちてきた小型の樽のキャッチに成功する。
「よし。……さて、何が捨てられているやら、と」
 いくばくかの期待をこめて蓮は呟き、鏡像と共に安全に中身を検分できそうな岩場へ移動した。
 多少力技だったが樽をこじあけ中を覗くと、……思わず絶句した。
 そこにはいわゆる下着のたぐいが、ぎゅうぎゅうに詰まっていたのである。女性用から男性用に至るまで。しかもざっと眺めてみるだけでも、年齢層も妙に幅広い。なんだこれは。
「……。……変態……??」
 やや青くなりながらも、蓮はそんな結論に至らざるを得ない。首領のパンテスキとやらは一体どんな人物――いや、どんなユーベルコードを繰り出してくる相手なのだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アーデルハイド・ルナアーラ
上から物が降ってくるっていうのは厄介ね。ここはエンチャント魔法を自分にかけて、落ちてくる物を弾きながら最短コースを駆け上がるとしますか!

上に辿り着いてからの本番に備えて魔力は杖に貯めてあるストックで賄うわ。使うエンチャントは攻撃力重視で。バラバラにした方が他の人に当たる分も減ると思うし。

物の解析とか細かいことは他の人にお任せします!



 がっすんごっすん、岩肌を見上げている猟兵達の周囲へ、徐々に『さっきまで木箱であった木屑』やら『さっきまで樽であった瓦礫』やらが増えてきた。微妙に廃棄物処理場的な雰囲気がマシマシな件については、お互い触れないでおいたほうがよいのかもしれない。
「改めて見上げてみると、上から物が降ってくる状況はなかなか厄介ね……」
 ふむ、と顎に指先を当てて、アーデルハイド・ルナアーラ(獣の魔女・f12623)は考えを巡らせる。ならば自己強化のうえで最短距離を駆け上がるが自分にとっては得策か。
「落ちてくる物を弾きながら駆け上がる――うん、なかなか」
 その過程で、落下物を粉々にしてしまったほうが後続にもメリットがありそうだ。もともとパンテスキの能力のヒントになるであろう中身にはあまり興味もないし、そういう考察が得意なものがやればいいとアーデルハイドは思っている。
 そうと決まれば、やる事は一つ。
「それでは本気、出すとしますか」
 『身体強化・限界突破』の発動に伴い、杖へ貯蔵された魔力によってアーデルハイドの攻撃力がはねあがった。がつりと岩場を蹴り、そのまま無造作に岩肌を駆け上がる。
 邪魔立てするなとばかりに、次々と落ちてくる木箱や麻袋には目もくれず手にした得物で弾き、あるいは叩き落とし、ただひたすらに上を目指した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シャイア・アルカミレーウス
うーん、まだ何もしてないらしいけど、盗賊団って名乗ってるなら放っておけないよね。非行に走る前に芽を摘んでおこう!

(pow)
体力には自信があるから、強行突破で行こう!
お鍋の蓋で頭を守って突破するよ。トリニティ・エンハンスで防御力も上げておくね!

落下物キャッチだけど、「野生の勘」にビビッと来た物だけに絞って狙うよ。
これ!と決めたものの下に回り込んで「力を溜めて」、箱と中身を「かばう」ようにして「盾受け」をするよ!
重くて受け止められないと思ったら無理せずに受け流して横穴を目指すよ。



 盗賊団と名乗っているなら放っておくわけにはいかない。猟兵たるものオブリビオンを駆逐しなければならない、というのと、それは論法がよく似ている。
「非行に走る前に芽を摘んでおかなきゃね!」
 むん、と(なぜか希少鉱石が使われておりやたらと頑丈な)お鍋の蓋を構え、シャイア・アルカミレーウス(501番目の勇者?・f00501)はトリニティ・エンハンスで防御を固めたうえでの強行突破を試みた。
 こう見えて体力には自信がある。野生の勘が命じるまま、シャイアは良さそうな足場を選び、かなりの急斜面を怒濤の勢いで踏破にかかった。
 がろんがろんと大きな音がして見上げると、樽が二つ転がってくる所。一瞬だけ首領の情報を得られそうなものが入っていないかどうか注視してみるものの、あまりピンと来るものがなかったのでシャイアはそのまま姿勢を低くして見送った。
 何か心に響く気がするものがあれば確保するつもりだったのだが、仕方ない。

成功 🔵​🔵​🔴​

シャルロット・クリスティア
ユア(f00261)さんと挑みます。

これはまた…盛大に投げ捨ててますねぇ。ユアさん、何か面白いものありそうですか?
この手のものは彼女の方が目が利きそうですのでお任せです。
これ以上は情報収集できなさそうだな、って所で攻略と行きましょう。

睡眠ガス入りのガラス玉をスリングにセットして……。
【怪力】【投擲】【スナイパー】【毒使い】【罠使い】【地形の利用】を総動員して投げ込みます!
洞窟内の壁か天井にぶつけて割りましょう。
あとはアンカーショットを撃ち込んで、ユアさんに掴まってもらって【ロープワーク】で登攀です。
油断はできないので、手早く行きたいところですね。
ユアさん、念のための警戒、お願いしますね。


ユア・アラマート
シャル(f00330)と一緒に

【WIZ】
おおらかだな。世界が違えば今ごろ不法投棄だなんだで叩かれるだろうに
とりあえず、落ちてくる物の中身が見えそうなら【見切って】首領戦の役に立ちそうな情報を集めて
それが難しくなったら崖上りといこう
シャルの背中にしがみつく形で上げてもらい、彼女の仕事を間近から観察させてもらうよ
とはいえ、シャルの策が成功しても危ないかもしれない
【第六感】を働かせながら常に上を観察し、物なり人なりが落ちてこないか常に警戒しておこう
落ちてきたら彼女に避けるよう指示を出すか、それも難しそうな場合は刹無を発動
落ちてくるものを破壊して直撃を避けながら、安全に上へと昇っていく



 そろそろ岩盤下に積み上がる瓦礫が人の腰の高さ、位置によっては胸の高さに達しつつある現状に、シャルロット・クリスティア(マージガンナー・f00330)とユア・アラマート(セルフケージ・f00261)は微妙な顔にならざるを得ない。
「しかし、まあ、これは……ずいぶん盛大に投げ捨ててますねぇ……」
「まあ、大らか、と言えば聞こえは良いのだろうが。世界が違えば今ごろ不法投棄だの環境破壊だので叩かれている所だな」
「何か面白いものでも……と言うか、基準がよくわかりませんが」
 目利きはユアに任せるつもりでいたシャルロットでも、ぽいぽい投げ捨てられている箱や袋の中身がおかしな事には気付きはじめていた。
 例えばなかなか厳重に梱包されていた銀食器フルセットであるとか(当然落下の衝撃で見るに耐えない状態にされてしまっていた)……食器に興味がなくとも銀に興味のない盗賊団とかちょっと聞いたことがない。
 あるいは文化レベルを思えば相当な値打ちのはずの絹のシュルコーやら仕立ての良さそうな紳士物のチュニックやら。当然ながら袖を通した形跡はない。やはり盗賊団と名乗るからにはある程度値打ち物を見抜く目はあるはずだというのに、何故こんなものが捨てられてしまうのか皆目見当がつかなかった。
「……どうみても値打ちがありそうなんだが、どうみても捨てられているな、これは」
「基準が全然わかりませんね……」
 さっぱりわからない、と首を振って、シャルロットは登攀の準備にかかる。ライフルにアンカーをセットし、できる限りではあるが、岩盤はるか上方の横穴めがけて狙いを定めた。
 シャルロットのアンカーショットを間近で観察しながらも、ユアは周囲への警戒を怠らない。第六感の冴えに関してはそこそこ自信があるので、まあ大丈夫だろうとは思うが。
「こんな感じでしょうか――ユアさん、念のための警戒、お願いしますね」
「ああ、任された。それでは崖登りといこう」
 岩山のなかばに突き刺さったアンカーと、そこから伸びるロープ。何度か強く引いて抜け落ちてこないのを確かめ、シャルロットはユアを背負ったまま岩山を登りはじめた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ナミル・タグイール
盗賊団がプレゼントくれるにゃ?お宝にゃ!?
いっぱい集めるにゃー!
(勝手に思い込んで張り切る猫)
ねぐらのお宝ももらいに行くにゃ!略奪デスにゃー!
【POW】脳筋思考ゴリ押し
必要なら【怪力】で頑張って登るにゃ。爪でザクザク登りマスにゃ!
【野生の勘】で上からふってくるものに警戒

木箱や麻袋を見つけたら落下してきそうな場所に移動
UC【ミダスの手】を使って金ピカ無敵モードになってボデーキャッチ作戦にゃ!
お宝のためなら無理してでもキャッチしに行きますにゃ!【捨て身の一撃】にゃ!
樽は金ピカ入ってなさそうにゃー。回避デスにゃ。

金ピカが入ってると嬉しいにゃ!
でもなんだか嫌な予感もするにゃ…気のせいにゃ?



 わっしょいわっしょい、と遙か上方からやたら気前よく降ってくる木箱を、色違いの双眸できらきら見上げるナミル・タグイール(呪飾獣・f00003)。
「これは……これは盗賊団がプレゼントくれてるにゃ? 盗賊ということはお宝にゃ!? いっぱい集めるにゃー!」
 あくまで盗賊団は不要品を投棄しているのであって決してプレゼントではないのだが、ナミルの勘違いはとどまる所を知らない。
「こうなったらあの横穴のねぐらのお宝ももらいに行くにゃ! ぱーっとがーっと略奪デスにゃー!!」
 そう考えると居ても立ってもいられなくなったようで、ナミルはにゃにゃーっ、と勢いよく岩盤へ取りついた。一度そうと決めたからには脇目も振らず、まるで滝を登る鯉か鮭のごとく両手の爪を駆使して登っていく。
 ……と、ナミルの目元へ影がかかった。見上げた目には回転しながら落ちてくる大きな樽。
「……樽は金ピカ入ってなさそうにゃ。回避デスにゃ」
 なにそれ樽への偏見ヒドイ、と誰か言ったとか言わなかったとか。ぷいっと顔を背けたナミルの横でごっしゃあああ、と樽が砕け中身が宙空にぶちまけられる。
 とは言えお宝大好き猫なナミル、ただでは済まない。
 ふと目に入った麻袋。野生の勘が何かをその耳に囁いたのだろう、きらりと紫の目が光る。すかさず落下地点の下に『ミダスの手』を発動してもぐりこみ、なかば捨て身の覚悟でキャッチしに行った。
 懸命に伸ばした爪の先、なんとか麻袋の端が引っかかる。ボワッと尻尾を膨れさせながら岩棚へ移動し、ナミルは麻袋の口に手をかける。
「金ピカ、金ピカげっつにゃ! いっぱい入ってると嬉しいにゃ! ……でもなんだか金ピカにしては軽いのにゃ……嫌な予感もほんのちょっとするのにゃ……??」
 首を捻りつつも、そおっと開けた麻袋。そこには。
「……。……なんでお宝が下着福袋なのにゃー!!?!」
 やはり、男女問わずな下着が詰め込まれてあったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

彩波・いちご
この世界にも不法投棄問題とかあるんですねぇ…
まぁ、盗賊団にそのあたりのモラルを求めるだけ無駄でしょうか?

【WIZ】
とりあえず落下物の状況見極めて、当たらないように気を付けて登っていきます
正直クライミングとかそんな技能はないので…というか器用貧乏なうえに肉体的なスキルに乏しいので、登るだけで苦労しそうですが
せっかく落下のパターンとか見切っても、岩盤にしがみついているだけで精いっぱいかも
いざ落ちそうとなったら【異界の抱擁】の触手呼び出して身体支えさせますね

でも、ふわっと落ちてきた軽いものとかだと、よけきれずにパフっと顔面に当たっちゃったりするんじゃないですかね…
「ぷはぁ…なんでしょうかこれ…?」



 盗賊団に不法投棄とかそのあたりのモラルを求めたってそもそも無駄かもしれない、と彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)は遠い目でさらに積み上がる瓦礫を見ていた。
 落下物のパターンを見切ったうえで登ろうにも、肉体スキルに乏しい自覚はある。あまり苦になる事もなく登れました、とはいかないはずだ。
「せっかく色々速度とか見切っても、岩盤にしがみついているだけで精一杯かも……」
 やや落胆したように呟くも、嘆いていたところで始まらない。腹を決めて岩盤を見上げるいちごの目に、またひとつ木箱が落ちてくるのが見える。
 万一のことがあってはいけない、『異界の抱擁』の触手に命綱がてら縋ろうと考え前もって呼び出しておいてから、いちごは傾斜のきつい岩山を登りはじめた。
 ところが次々と落ちてきていた樽や麻袋が徐々に少なくなり、横穴まであと半分、というポイントに到達する頃にはすっかり落下物はなくなっていた。頭上の危険を考慮しなくともよくなったので自然、登攀の速度は上がる。
 そんな中、岩山のなかほど、小さな広場のようになっている横穴のすぐ手前まで登りきったいちごは、小さな達成感に満たされていた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『廃坑探索』

POW   :    痕跡を辿りながら進む

SPD   :    ガス対策や灯りなど必要なものを用意して挑む

WIZ   :    廃坑に詳しい村人を探す

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 最奥に盗賊団のアジトがあるという横穴が、くろぐろとした闇を伴って猟兵達の前に口をあけている。
 なるほどつい先程まで人が出入りしていた痕跡はあるが、何らかの古い鉱山跡といった風情で中がどうなっているかはまったくわからない。出入り口は一カ所だけという事なので進んでいってしまえば逃げられることはあまり考えられないが、さて、どう進むべきだろうか。

●第2章について
 鉱山跡と思しき横穴を奥に向かって探索しつつ進んでいくパートです。灯りやガス対策に必要なアイテムはすでに持ってきていたものとして考えて下さい。また、WIZのみ「廃坑に詳しい村人から話を聞いてきた」と読み替えて下さい。
銅・加々美
さてと、不法投棄の盗賊の顔を拝みに行こうか。

暗視もあるし、多少の暗さは問題ないだろうけど、
必要そうなら、レプリカクラフトで懐中電灯を作って使うよ。

第六感、野性の勘に従って進み、
声か物音が聞こえれば其方に向かおう。

さてさて、どんな奴等が居るのやら?



 さて、と暗い廃坑跡をながめて加々美は考えをめぐらせる。
 暗い所を見るのはそれほど苦にならないタチであるし、さっきまで人が行き交っていたはずなのだから何か危険な生き物が潜んでいる……という事もないはずだ。
 なにしろ相手は不法投棄の盗賊団。どんな顔なのか興味深い。
「さてさて、どんな奴らがいるのやら」
 『レプリカクラフト』で作成した懐中電灯を手に、加々美は己が勘を頼りに廃校跡を進む。耳を澄ませてみても誰かの声や物音らしい物音は聞こえず、時折どこかから水滴が落ちる音が聞こえるだけ。
 ふと坑道の傍らを見ると、打ち捨てられて久しいツルハシやシャベル、すっかり錆びついてもう使い物にならなさそうな工具類などが見えた。かつてここで働いていた者が置き去りにしたのだろう。
 しかしながら、盗賊団と名乗っておきながらどうにも金目のものに執着がうすい印象がぬぐえない。それとも純粋に金銭のみにしか興味がないのか。それとも――。
「……。……いや。まさかな」
 加々美は己が想像に首を振る。
 ……まさか下着を集めて悦に入るとかそんな変態ちっくな盗賊団とか絶対嫌だ。そんなばかな。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナミル・タグイール
キギ(f02371)と同行
な、なんで下着福袋にゃ…?金ピカはどこにゃ…?(理解が追いつかない猫)
きっと盗賊が間違えたんだにゃ?洞窟の奥まで貰いに行くマスにゃ!
にゃ、キギも来てたんだにゃ!これ(下着)あげるから金ピカ探すの手伝ってデスにゃー!
(キギの指示に従う)

さっきまでプレゼント係がいたんだし、足跡とかお宝の跡が残ってればそれをたどるにゃ
何もなくったら【野生の勘】にゃ!ナミルのお宝センサー(1敗)を信じるデスにゃ!
邪魔な岩やバリケードみたいなのがあったら斧で【グラウンドクラッシャー】でドッカンデスにゃ!


キギ・レインメーカー
下着のカタログ…?なんだか考えてたようなものはなさそうだけど来ちゃったからには盗賊に会いに行こうか
【行動方針】
「コミュ力」で予め廃校に詳しい村人さんに話を聞いてきたからそれを元に進んでいこうか
ナミルちゃんが勝手に先行するだろうから危険のない範囲で自由にさせとくよ
(下着はいらないけど金ピカ探しは手伝おうか)
ガスとかは「毒耐性」でなんとかなるだろうし「毒使い」である程度ならすぐ察知できそうだから
ガスに気がついたらナミルちゃん含め味方の猟兵に警告って感じで
【その他】
ナミルと同行 連携、アドリブ歓迎



「な……なんで下着福袋にゃ……? 金ピカはどこにゃ……??」
「うん、ナミルちゃんすっごくよくわかるよその気持ち。俺なんか下着カタログだからね」
「きっと盗賊が間違えてたんだにゃ……こうなったからには、洞窟の奥まで貰いに行くマスにゃ……」
 ふらふらよろよろ、当てが外れたうえどういうわけだか、これは福袋ですかという勢いで男女かわりなく下着がぎゅうぎゅうに詰め込まれたものを手にしてしまったナミルのショックは大きかったようだ。
 一方キギもまた、思っていたものからは斜め上なレベルだった下着カタログと、当てが外れるにもほどがあるというレベルだ。これはちょっと納得いかない。
 そこまでいってようやくキギの存在に気付いたようで、にゃにゃっ!?! とナミルが尻尾を太くする。
「にゃ、キギも来てたんだにゃ! コレあげるから金ピカ探すの手伝ってデスにゃー!」
「嫌だよそんな誰のものかもわからないような下着」
 さらっと何気に聞き捨てならぬ事を言いながら、キギはナミルに勝手にさせておきつつ周囲への警戒を緩めない。
「これはきっと落とすべき荷物を盗賊が間違えたんだにゃ。そうに違いないにゃ!!」
 違わなかったらどうするんだろうとキギは思ったとか思わなかったとか。
 ともあれ、二人は廃坑跡に残る痕跡を辿りながら奥を目指す。この岩山周辺の村々からの情報によれば、盗賊団がアジトに選ぶだけあり人が分け入ることができる範囲では特に危険なガスが噴出しているという事はないらしい。変に横道へ入ったりせず、素直に道なりに進めば奥へ奥へ行ける構造のようだった。
「さっきまでプレゼント係がいたんだし、必ず金ピカはあるはずだにゃ……絶対に探し出してやるにゃ……!!」 
「まあその気持ちは分からないでもないけど……ただ、考えてたようなものはないかもしれないって可能性は忘れずにおきたいよね。あと、来ちゃったからには盗賊に会っておいたほうがいいかもしれないねって」
 キギの遠回しな予防線は、ナミルに聞き入れられた気配はない。悲しい。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

彩波・いちご
【恋華荘】の蓮さんと合流できたので一緒に行きます
「何があるかわかりませんし、慎重に行きましょう?」
って言ってる傍からさっさと動いていっちゃいますしー
「蓮さーん、慎重にですってばー」
とりあえず明かり代わりに【フォックスファイア】の狐火を出して、一つは蓮さんの周りに飛ばしますね
「ほんと気を付けてくださいね…?」
罠とかあるかも知れませんし、警戒して進みましょう
警報とかは私が注意しないと…ですね
苦笑しつつフォローします

「ところで、夜逃げというのはわかりますけど、変態ってなんなんです?」
落下物の中身見てないので意味もわからず、蓮さんに訪ねますけど…
何で教えてくれないんですかー?


結城・蓮
【恋華荘】のいちごさんと
まさかここで会うなんてね
まあ、一人より二人の方がいいよね、一緒に行こうか

さて、時間をかけずにサクサク行こう
あんなにアジトから物を投げ捨てたりしてるんだ、夜逃げの準備か何かだろう
変態に時間を与えていいこと無いしね
「出たとこ勝負、いいじゃない。さ、行こうか」
パンテ、スキ……まさかね

明かりはありがたく
ライトとか持っちゃうと手が埋まっちゃうからね
「大丈夫、無策ではないから」
《バトルキャラクターズ》で黒猫を模したキャラクターを呼び出して、合体させて先行させるよ
ダメージ系の罠なら先に引っかかってくれるって寸法

ま、警報系の罠はどうしようもないけどね
そこまで高度な盗賊とは思いたくないな



「いちごさんと、まさかこんな所で会うなんてねえ……」
「先ほどは落下物を避ければよいだけでしたが、今度は何があるかわかりませんし。慎重に行きましょう」
 ね? と可愛らしく首をかたむけるいちごに、蓮は多少何か言いたげな視線を向けたものの結局何も言わなかった。
 さすがに元々は坑道だっただけあり、奥に進むにつれ気温と湿度が上がっている気がする。ぴたぴたと水の滴る音に加え、むわりとした空気が少し息苦しい。どうにかなりそうという息苦しさではないので、心理的なものもあるのかもしれない。
「あまり時間をかけずにさくさく行こう、あんなに物を投げ捨てていたんだから夜逃げの準備か何かの可能性もある」
 ……変態に時間を与えてもいいことないしね、という蓮の呟きを聞きつけたいちごが、狐火を飛ばしながら数歩ほど遅れて追いかけてくる。
「蓮さーん慎重にですってばー、置いていかないでください。……夜逃げというのはわかりますけど、変態ってなんなんです? 私落下物の中身見ていないので、首領の能力の手掛かりも何もないんですけど。蓮さん何かわかりました?」
「まあ首領についてはそこはそれ、出たとこ勝負、いいじゃない」
 微妙に蓮の視線が泳いだ事にいちごは気付いているのかいないのか。
 結局、さあ行こうか、と蓮に促されていちごはそのまま素直に従う。
「それはそうと、灯りはありがたいよ。ライトとか持っちゃうと手がふさがるからね」
 蓮の周囲をライト代わりにゆらゆら泳いでいる狐火はいちごによるものだ。ある程度合体させて明るさも調節できるので、ある意味ライトよりも便利だったかもしれない。
「このくらい、お安い御用です。……でも、ほんと気をつけてくださいね」
 さくさく先を急ぐ蓮を、いちごは本気で心配しているようだ。さすがにそれは伝わっていたのだろう、蓮がやや苦笑して振り返る。
「大丈夫、何も考えていないわけではないから。ほら」
 無策ではないことを示すため、蓮はユーベルコードで召喚した黒猫のようなキャラクターをいくつか合体させ、廃坑の奥へと先行させた。単純にひっかかってダメージを受けるような罠ならば、これで何の問題もなく取り除ける。
「警報系の罠はどうしようもないけど……ま、そこまで頭のいい盗賊じゃないと思うよ。そんな頭があればあんな風にぽいぽい不要品を投棄していれば、アジトがばれる可能性が高くなることに気付くだろうし」
「それもそうですね。特に、知性をあまり感じないのは全体的に同意です」 
 なかなかの言われようだが、全体的に稚拙な印象なのはどうみても事実なのでいちごも首肯するしかなかった。
 いちごからは死角になる位置で、蓮はふと眉を寄せる。
 『パンテスキ』――パンテ・スキ……。
「いや、うん……まさかね……」
 一抹の不安を、蓮はどうしても拭えなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『パンテスキ』

POW   :    パンテスキ盗賊団
【レベル×5人の配下の盗賊達 】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD   :    強奪の手
【素手による攻撃 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【防具を透過し下着を抜き取る一撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    包囲陣形
【配下の盗賊達に指示を出し、一斉攻撃 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はフィン・スターニスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 廃坑の最奥、そこに臙脂色の扉はあった。
 やや薄汚れてはいるがきちんと機能している扉だ、という印象がある。思いきって猟兵達がそのドアを引くと、……何やら高級クラブ、といった豪華な内装の部屋が現れた。
 なんだこれ。……なんだこれ。本当になんだこれは。
 なぜ廃坑の奥地に高級クラブ。カウンターとかあれ絶対マホガニーとかそういう超お高いやつ。なんでか壁の棚にはずらっとワインやらエールやらの瓶とボトルキープの名札が下がってるけどこんな所に誰が飲みにくるんですか、いやそもそもこの店どういうお客をメインターゲットにしているのか皆目わからない。まさか盗賊団員のフェイクの名札とかじゃないですよねなにそれ涙出る。
 なんて客層迷子な、と猟兵達が考えていると、奥から黒のシルクハットに燕尾服、というどこからどう見ても英国紳士風の男が現れた。
「いけませんね」
 片眼鏡(モノクル)の奥の目をきらめかせ老紳士は微笑む。
「ここを何だと思っておいでで?」
 まさか馬鹿正直にパンテスキ盗賊団のアジト、なんて言うわけにもいかず猟兵達は口ごもる。老紳士はうすく笑って、カウンターとは反対側の壁を示した。
「それとも我等がコレクションをご覧に?」
 コレクションって何だ、と死角になっていた側の壁を覗きこんだ猟兵が唖然とする。そこには壁面一面を使っての、……下着コレクションが並んでいたのだった。
 我等が、と表現したということはやはりこの老紳士が盗賊団の首領、パンテスキか。いやしかし。
「あるいは、それとも……我がコレクションを増やしに?」
 猟兵達の間になんとも言えない沈黙がおりる。
 ……あ、これ変態紳士ってやつ。
 遠い目で譫言のように呟いた猟兵の台詞が妙に的を射ていた。
銅・加々美
フフ・・・
フフフフフフ
お前か、もしかしたら名前が似ている別の盗賊かもと、
ちょっとだけ期待したけど、
やっぱり本人だったか

うん、ユルサナイ!
辱しめられた恨み!
ここで! 晴らす!
(注:つい最近別依頼で、ナニとは言わないが抜き取られている)

こいつには絶対に近付かないし、近付かせないよ。
錬成カミヤドリで、銅鏡を複製し
念動力による投擲で攻撃する。
配下が居ようが、気にせず巻き込み
パンテスキを集中して狙うよ。
コイツだけは、絶対にユ・ル・サ・ナ・イ!
もし、近づかれそうなら
近くにいる盗賊を盾にして間合いをあける

※それでも取られた場合
うぅ、またやられた
下だけでなく上まで
この、変態め!
八つ当り気味に銅鏡を投擲し続ける


アーデルハイド・ルナアーラ
「お前達に今日を生きる資格は無い 」(汚いものを見る目で)

うわあ、変態だあ.....
ひとまず、取り巻きの盗賊達をしばいて回るわ。洞窟だし、杖は邪魔になりそうだから今回は素手で戦います。雑魚があらかた片付いたら、距離を取って様子をうかがいます。そして、他の猟兵に注意が向いてるタイミングでユーベルコードを変態の頭に叩き込むわ!
撃つ時に下着見えちゃうかも知れないけど、冥土の土産よ!

連携、アドリブ歓迎



 嫌な予感はしていた。正直。
 もしかしたら名前が似ている別の盗賊かもと、そんな薄い願いをかけていたくらいには。
「ふ、ふふ、ふふふふふふ……」
 しかしその願いはたった今完全に打ち砕かれた。打ち砕かれてしまった。何やら黒いオーラを沸き立たせているように思える加々美を、アーデルハイド・ルナアーラ(獣の魔女・f12623)は見守るしかない。この状況で恨めしげな反応を返すと言う事はそれそのまま何をか況んや、だ。
「……我がコレクションって言ったね今」
「ええ言いました、珠玉のパンテスキ・コレクションと。それが何か?」
「あああああああ」
 うわあこれさらに傷抉られちゃったやつでは、とアーデルハイドがやや青くなったことにも気付かず、加々美は頭を抱える。
「よく似た名前の別人であってほしかったけど! やっぱり本人だったか!!」
「なんの事でしょうかねえ」
「うん絶対許さない!! お前に辱められた怨み、ここで晴らす!!!!」 
 ああやっぱりそういう事情かとアーデルハイドが目元を覆う。
「……深くは訊かないけど要するにそういう事、ってことで?」
「ありがとう要するにまさしくそういう事」
 やや目が据わった加々美に、アーデルハイドはご愁傷様と内心手を合わせるしかない。これはつらい。色々と。本当に色々と。
「うーん。話が見えませんが、率直に申し上げて抜き取りたてほやほやは最高でございまして」
「そういう事言うな変態!!」
 うわあほんとに変態だあ、となまぬるい視線でアーデルハイドがパンテスキを眺める傍ら、加々美は錬成カミヤドリを発動し己が周囲へ展開した。凄まじい勢いでぎゅんぎゅん回転する銅鏡を、激怒のままに投擲する。
 なんだなんだ何事だとおっとり刀で駆けつけてきた配下が、鬼の形相で放たれた銅鏡を避けようと大騒ぎになった。
「何ですかいお頭、さっきから――ってうわああああ!!?!!」
「お前たちに今日を生きる資格はない」
 ひんやり呟いたアーデルハイドに、片っ端から叩きのめされていく配下。さらに加々美の銅鏡を喰らい、場は早々に混沌としてきた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ナミル・タグイール
キギと一緒に

お宝貰いにきたデスにゃー!
なんだかキレイだし、お宝も期待できそうにゃー!
コレクションにゃ!どんなのにゃ?……なんで下着祭りにゃ!
パンツなんていらないにゃ!
キギに従う
・行動
突撃にゃー!パワーにゃ!
いいことが起きると信じてパンテスキに【呪詛】を込めて【幸運を呼ぶ黄金の爪】を狙いに行きマスにゃ。
いいこと起これデスにゃ。金ピカよこせにゃー!
配下の盗賊達なんて知らないにゃー!斧振り回して力任せに撃退
金の杖の強奪も狙いたいにゃ。金ピカにゃー
流石にこの杖まで変なものってことはないよにゃ…?

下着は取られても毛皮セーフにゃけもせえふにゃ。無敵にゃ!
こんな下着の何が好きなんだろにゃー?


キギ・レインメーカー
洞窟の中にこんな空間をよく作ったもんだね…
【行動方針】
ナミルちゃんは好きにやっちゃってーってことで俺は変態紳士じいさんに嫌がらせしようか
不本意ながらここまで散々下着を観察できる機会はあったからね「世界知識」をもとに成分を予測
「零れる雨」を「毒使い」で変態紳士じいさんのコレクションを分解できる成分に調整した雨にするよ
嫌がらせついでに「挑発」してナミルちゃんが殴れる隙を作ろう
ナミルちゃんの攻撃が入ったら持ってる武器を使って「2回攻撃」で追撃
【その他】
ナミルと行動
連携、アドリブ歓迎です


結城・蓮
【恋華荘】のいちごさんと

……予想通り、いや予想以上の変態じゃないか
こんなの相手したくないんだけど
いちごさんを放って逃げるわけにもいかないし……はぁ

《泡沫の鏡像》で鏡像を生み出して、仕込みトランプの投擲と仕込み杖のフェイントで波状攻撃を仕掛ける

背後から聞こえる不吉な呪文と迫る触手に気を取られて、強奪の手を受けてしまい
相手が手にしている物が自分の下着である事に気づいて
「きゃあああぁぁぁぁっ!?か、返して!?私のっ!?私の下着返してっ!?」
今まで出した事ないような大声で叫び、目にも留まらぬ早業で取り返し、ついでに全ユベコ使って全力攻撃&透明化
「いちごさん、見た!?見たでしょ!?忘れてええぇぇぇ!?」


彩波・いちご
【恋華荘】の蓮さんと

なるほど確かに変態でした…
蓮さん、お気を確かに…

ともあれ【異界の抱擁】で召喚する触手で、前線に出る蓮さんの援護を
…していたら突然あがる、今まで聞いたことのないような蓮さんの悲鳴
「蓮さん?!大丈夫です…か?」
と、ついでに見えたパンテスキの手にある布地
あ、あれもしかして蓮さんの

とにかく触手で敵を拘束して蓮さんの手助けを
なんとか取り返した蓮さんが私に詰め寄ってきますけども
「え、ええ、大丈夫です、忘れますから」
落ち着かせようと微笑みつつなだめますね
もう大丈夫ですよと頭を撫でつつ
蓮さんに恥をかかせたアレには怒りを向け
そのまま触手で縛り上げて【フォックスファイア】で燃やしてあげます



 ……予想通り、いや予想以上の変態だ。抜き取りたてがいいとか何だそれってつまり脱ぎたてって意味じゃないか、そんなんどこからどうみても変態以外の何ものでもありません本当にありがとうございました。
 しかも地味に、対象が女性に限らず全方位というあたりが実にふるっている。
「こんなの相手したくないんだけど」
「蓮さん、お気を確かに……」
 やや顔が青い蓮を励ますように背を擦ってくれる、いちごの手が優しい。
「しかし一度受けた依頼を途中で投げ出すわけにはいかない」
 実際いちごを放り出して逃げるわけにもいかないので、蓮は覚悟を決めたように顔を上げた。仕込みトランプと仕込み杖、さらに『泡沫の鏡像』で自身の鏡像を生み出しパンテスキへ波状攻撃を仕掛けるべく身構える。心得たようにいちごが首肯を返した。
「その通りです。援護しますね」
 そして、そんな果敢に立ち向かわんとする蓮を援護するいちごを目にして、茫然としていたナミルはようやく我に返る。
「おかしいにゃ……お宝貰いにきたハズにゃ……なんで下着祭りにゃ……」
「ナミルちゃんにとってはご愁傷様だよね……それにしても廃坑の奥によくもまあこんな空間を作ったもんだ」
 そう呟くキギもついつい半笑いになる顔をごまかせない。もう笑うしかないとはこの事か。
「なんだかキレイだしコレクションときたらお宝を期待するものにゃ……いたいけな乙女の期待を返すにゃ!! 誰かの使用済みパンツなんていらないにゃー!!!!」
 まったくもってナミルの主張はまるっと正しい。特に衛生面とか。衛生面とか。
「こうなったらあの杖くらいは強奪するしかないにゃー! パワーにゃ! 金ピカにゃ!!」
「いいねえ、ナミルちゃんは好きにやっちゃって」
 キギのお許しも出たところでナミルは俄然張り切りはじめる。
 その二つ名が示す通り、華麗なトランプ捌きでパンテスキを相手取る蓮と共にナミルが攻め手に加わった。折よく、いちごの召喚が完成しようという頃合いで。
「ふんぐるいふんぐるい…、星海の館にて微睡む我が眷属よ!」
 その詠唱に何かよくない思い出でもあったのだろうか、思わず振り向いてしまった蓮の視界へ、いちごの背後から現出した触手が爆発的な勢いで広がる。その隙を、パンテスキが突いた。
 ひらり、とその手に翻る何か。
「……き――」
 ぎしぎしとうまく動かない首をめぐらせた蓮の顔色がみるみる真っ青になり、次いで真っ赤になって、最後にけたたましい悲鳴をあげた。
「きゃあああぁぁっ!? か、返して、私のっ私の下着返してええぇっ!!」
「……あーこれは……ご愁傷様……?」
「……これはトラウマにゃ……」
 何が起こったかを悟ったナミルとキギが遠い目になる。目にも留まらぬ早業でパンテスキに抜き取られた下着を取り返し、蓮は涙目でいちごに詰め寄った。
「いちごさん、今の見た!? 見たでしょ!? むしろ見てないわけないでしょ!!?!」
「えと、ええっと、大丈夫です、大丈夫ですから」
 どうどうどう、といちごはなんとか蓮をなだめようとするものの、相当ショックだったのだろう、蓮は余計にヒートアップする。
「何が大丈夫なのおおぉぉお!?!! 忘れて! 今見たもの全部忘れてええ!!!!」
「わかりました忘れます、忘れますから! 忘れますから落ち着いて!」
 ……見た事は何気に否定しないんだなとキギは思ったものの、思うだけに留めておいた。いちごに頭を撫でられ、ようやく落ち着きを取り戻した蓮の地雷をもう一度踏みに行くなど意味がないので。
「蓮さんに恥をかかせておいて許すわけには行きませんね」
 いちごの触手が猛然とパンテスキに襲いかかり、拘束した。フォックスファイアでいい色に焼かれるパンテスキを眺めながら、キギは『零れる雨』を手に取る。自慢のコレクションとやらは結構なことだが、化学繊維ということはないはずだ。
「ふふ、いい気味だね。俺はこのコレクションを始末しようかな」
 コレクション、の単語にパンテスキが反応する。
「まて、何を企んでいる」
「言われて素直に答えると思う?」
 あざやかに笑い、キギは右手の器をかたむけた。中に満たされていた液体が糸の様に垂れていくが途中で跡形もなくなる。一瞬遅れて、壁に掛かっていた薄い保護ケースへばらばらと雨粒のようなものが落ちてきた。
 室内、いやむしろ廃坑の奥だというのに。
「な――何だ、雨!?」
「ナミルちゃん今だよ、やっちゃって」
「了解にゃ!」
 慄然とした表情のパンテスキに、呪詛をこめたナミルの金色の爪が迫る。ユーベルコード『幸運を呼ぶ黄金の爪』――名は『幸運』だが実際には対象へ不運が降りかかる呪い、を放った。
 ビロード貼りの壁までまとめて一緒に吹っ飛ぶパンテスキと配下達。その衝撃でパンテスキのコレクションを収めた壁面ケースまで割れ砕けた。
 くるくると宙を回転して、ナミルの手元に金色の杖が落ちてくる。
「……さすがにこの杖まで変なものって事はないよにゃ……??」
 多少訝しむ目でためつすがめつするものの、杖まであやしげな品物という事がなかったのは不幸中の幸いだろうか。キギが降らせる雨は今や、割れたケースと共に散らばったパンテスキ・コレクションを濡らしている。
 パンテスキとて倒されたオブリビオンの宿命から逃れられないのは、ある意味幸運だったのかもしれない。せっせと溜め込んだコレクションに待ち受ける命運を知らずに消滅を迎えたのだから。
 即ちキギが降らせていた雨が、人体にはまったく悪影響を与えず、なおかつ天然繊維にのみ反応し急速に劣化させ腐食する成分を含んでいることも知らずに。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月08日


挿絵イラスト