帝竜戦役㉓〜復活のオロチ
●異形の大地に立つもの
群竜大陸の一角に、異形の大地があった。
うごめく巨大な脳髄で構成されたこの土地で、帝竜の1体がうごめいている。
緑色の粘液でできた巨大な竜だ。
「ムシュシュシュ……猟兵たち、再生怪人は弱いと思って油断してるかもしれないけど、そんなこと全然ないからねぇ~」
その頭部から生えた人型の突起が、気味の悪い声を出していた。
もしも初期の頃から戦いに参加し続けている猟兵ならば、あるいはその人型に見覚えあったかもしれない。
脳髄そのものが顔になったような形の異形の人物は、一度見たならば忘れられまい。
「今のボクは帝竜オロチだ。前のボクとは違うってこと、たーっぷりと教えてあげるからねぇ~。ムシュシュシュシュ……」
猟兵を待ち構えて不気味に笑うオロチが、その実なにを考えているか、表情のない顔からは誰もわからなかった。
●帝竜オロチを討て!
群竜大陸を舞台とした戦いは、すでに後半へと突入していた。
だが、強大な敵はまだ残っている。
「次なる帝竜が存在するエリアへの道が開けました。討伐にご協力ください」
集まった猟兵たちに、白金・伶奈(プラチナの先導者・f05249)は言った。
「発見された第8の帝竜はオロチと言います。……銀河帝国攻略戦のことを覚えてらっしゃる方がいれば、この名前にも覚えがあるかもしれませんね」
記録にある最初のオブリビオン・フォーミュラとの戦い。スペースシップワールドの戦いにおいて、幹部として姿を見せたオブリビオンがドクター・オロチだ。
「どうやら帝竜オロチの頭部には、そのドクター・オロチに酷似したなにかが生えているようなのです」
もはや蘇ることができないほど繰り返し倒され、滅びたはずのドクター・オロチがなんらかの手段で復活したのか。
偶然の一致ということはさすがにありえないだろう。
「なんにせよオロチがヴァルギリオス配下の強大な帝竜である以上、倒す以外の選択肢はありません」
そう言って、伶奈は敵の能力を説明し始めた。
「オロチは緑色の粘液を吐いてきます。このブレスを浴びると溶けて破壊されます」
どうやらオロチは生物を溶解して取り込む粘液でできているようだが、それを攻撃にも使用してくるのだ。
「また、なんらかの属性を持つ、分体やエネルギー弾を作り出すこともできます」
属性は水火闇光樹雷土の7種類から相手に合わせて使いわけてくる。
自分がどんな属性で攻撃されるか予想しておくと対処しやすいかもしれない。
幹部級の敵の常として、オロチもまた先制攻撃をしてくる。
「どの攻撃をしかけてくるかは皆さんの動きに合わせて決定してくるようですが、なにを使うにしてもオロチは必ず皆さんの先手を取ってユーベルコードを使用します」
まず先制の攻撃をしのいでから反撃するよりない。ユーベルコードなしでいかにしのぐかを考えておけば有効は反撃を行える可能性が高くなる。
なお、防御的な効果を発揮するユーベルコードについても、敵より早く発動することはできないという点は注意する必要があるだろう。
「正体がなんであれ、帝竜オロチが帝竜ヴァルギリオスを倒すための障害で、アックス&ウィザーズの世界をおびやかす強力なオブリビオンであることは確実です」
それに、オロチに隠れたなにかあるならばなおさら、ここで排除しておくべきだ。
力を貸して欲しいと、伶奈は猟兵たちに告げて頭を下げた。
青葉桂都
おはようございます、青葉桂都(あおば・けいと)です。
今回はアックス&ウィザーズの戦争で、帝竜の1体と戦っていただきます。
●シナリオについて
当シナリオはフラグメント1つだけで完結する戦争シナリオです。
戦場は『㉓帝竜オロチ』になります。
11体存在する帝竜を一定回数倒さなければ、オブリビオン・フォーミュラである帝竜ヴァルギリオスと戦うことはできません。
詳細は戦争の解説ページをご参照ください。
●帝竜ドクター・オロチ
ボス戦で戦う敵で、ヴァルギリオス配下の帝竜の1体です。
あらゆる生命を溶解して取り込む緑色の粘液で構成された竜です。
頭部にスペースシップワールドの戦争で交戦したドクター・オロチに酷似したなにかを生やしています。
戦闘能力についてはOP本文およびフラグメントをご参照ください。
オロチは必ず先制攻撃を行ってきます。敵より早くユーベルコードを使用することはできません。
この戦場では『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』ことでプレイングボーナスを得ることができます。
逆に対処法がなにもない場合、不採用とさせていただく場合がありますのでご承知の上でご参加ください。
それでは、ご参加いただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
第1章 ボス戦
『帝竜ドクター・オロチ』
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POW : グリーン・ディザスター
【口から放射される緑の粘液】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD : オロチ分体
【水火闇光樹雷土のうち1つの属性を持つ竜】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ : オロチミサイル
レベル×5本の【水火闇光樹雷土の7つの】属性の【エネルギー塊】を放つ。
イラスト:V-7
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
緋月・透乃
私は銀河帝国攻略戦には参加していたけれどオロチとは戦う機会がなくて、いつか戦いたいと思っていたんだよね。
こんなところでそれがかなうとは!どれ程の強さなのか楽しみだね!
当たるとやばい攻撃は回避に全力を出す、というのは敵もわかっていそうだね。それならぎりぎりまで回避を悟らせないようにするよ。
まずはあえて敵が狙いやすいようにその場から動かずに、もぐもぐ欲張りスプーンを身を守るように構えて待つよ。
そして粘液を防ぐ!と言いたいけれど多分一瞬とめるくらいで溶かされると思うから、その一瞬でスプーンを手放しつつジャンプ等で攻撃を避けるよ。
やり過ごした後は重戦斧【緋月】に持ち変えて菲刃滅墜衝で叩き斬りにいくよ!
堕神・リカィ
「オロチ…!? 以前倒したはずじゃ…。まぁ、いいわ。ゲームのボスが何度も登場なんて当たり前だものね!」
そもそも、オロチという名前から8つの頭を持つ竜が思い浮かぶ。となると、コイツは元よりヒュドラのように倒しきる事が難しい敵なのだろうか
いや、今はいい。今はただ
「振り切るわよ…!」
分身の攻撃は【オーラ防御】【カウンター】【念動力】で防ぎ、かわし、いなす
隙を見てUC発動。圧倒的スピードでオロチの知覚を超える。他の猟兵とも連携して、翻弄し攻撃
トドメは、体を溶かされる前に高速でオロチの上を駆け上がって、ドクター・オロチらしき影を蹴り砕きにいく
「必殺のぉ! アクセルストライクッ!」
※アドリブ歓迎です
●オロチとの戦い
グリモア猟兵によって戦場に転移してきた者たちのうち幾人かは、ドラゴンの鼻先から生えた人影を見て驚愕を覚えただろう。
「オロチ……!? 以前倒したはずじゃ……。まぁ、いいわ。ゲームのボスが何度も登場なんて当たり前だものね!」
堕神・リカィ(レベル0・f16444)はそのうちの1人だった。
記録に残っている最初のオブリビオン・フォーミュラとの戦い。銀河帝国攻略戦において倒した幹部の1体であったからだ。
だが、オブリビオンが不可思議な復活を果たしたからと言ってひるむ猟兵はいない。
「私は銀河帝国攻略戦には参加していたけれどオロチとは戦う機会がなくて、いつか戦いたいと思っていたんだよね」
巨大スプーンを振り上げて、緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)が言う。
「こんなところでそれがかなうとは! どれ程の強さなのか楽しみだね!」
転移してきたのは交戦するにはまだ遠い距離。身の丈よりも大きなスプーンを手にして、透乃は弾むような足取りで進む。
巨大な帝竜へと接近しながら、リカィは考えていた。
(「そもそも、オロチという名前から8つの頭を持つ竜が思い浮かぶ。となると、コイツは元よりヒュドラのように倒しきる事が難しい敵なのだろうか」)
今は竜の一部である、脳髄が顔になったような奇妙な人物のことを考える。一筋縄では行かなそうな敵。
だが、巨大な脳髄の上を突き進みながら、リカィは首を横に振って思考を追い出した。
(「いや、今はいい。今はただ」)
ユーベルコードの間合いに入り、オロチが動き出した。
「振り切るわよ……!」
電撃をまとった分身がリカィへと襲いかかる。
オーラを高めて分身の突撃を念動力でいなそうとする……が、それは簡単なことではない。
守りを貫いて雷がリカィに浴びせられた。
リカィが分身に追われている間に透乃はオロチと対峙していた。
巨大な口を開いて、オロチが粘液を吐き出す態勢に入る。
(「当たるとやばい攻撃は回避に全力を出す、というのは敵もわかっていそうだね」)
だから、透乃はあえてスプーンを構えて立ち止まった。
むしろ狙いやすくするためだ。スプーンを盾にして防ごうとしているように見えるはずだ。
「ムシュシュ、そんなでっかいスプーンでボクのブレスを防げるとでも思っているのかな?」
嘲る言葉を透乃は聞いた。
粘液がスプーンに浴びせられ、一瞬のうちに容赦なく溶かしていく。
だが、溶かされるその一瞬、透乃はスプーンを素早く手放した。
体にもわずかに粘液がはねて煙が肉体から上がったが、問題ない。
代わりに愛用の斧を構えながら、改めて透乃は走る。
「アクセルを解き放て。ブレーキを踏み潰せ。黄色の旗目指す疾きゲイム、スタート!」
リカィの声が響いたのはその時だ。
レーシングゲームのカセットを手にしたリカィが、黄色いゲイムアーマー姿へと変化する。
そして、彼女は加速した。
雷鳴まとう分身を引き離し、雷光を置き去りにしてリカィは走る。
「そこの人、協力しよう!」
圧倒的な速度で走りつつ、リカィは透乃へと声をかけた。
「わかった!」
緋で飾られた重戦斧【緋月】を手にした透乃の動きに合わせて、リカィは加速して敵を翻弄する。
そうしながら、リカィは敵の体をかけ上がっていた。
目指すは頭部から生えたドクター・オロチだ。
「必殺のぉ! アクセルストライクッ!」
痛烈な蹴りを受けたオロチがのけぞった。
「ムシュ。まだまだ……」
蹴り砕く攻撃で痛打を受けつつもオロチは笑おうとしたようだった。
「ズバッと一発真っ二つ! 菲刃滅墜衝!!」
だが、次の瞬間、透乃の斧が粘液でできた竜の肉体を大きく切り裂く。
まだまだオロチは倒れなかったが、少なくとも2人の攻撃は浅からぬダメージをオロチへと与えていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
大神・零児
なるほど
今度は『龍脈』の力か
対策
鮮血の氣のオーラ防御を纏わせリミッター解除したC-BAに騎乗し各種センサー、戦闘知識、第六感、野性の勘でわずかな事前動作等も情報収集
運転と操縦技術も駆使し残像を使い挙動や攻撃を見切り回避
武器改造済のマルチグレネード使用
火:火炎耐性
水:氷結耐性
樹:環境耐性とナパームグレネードで焼却
土:地形の利用と環境耐性
闇:フラッシュバンと闇に紛れる
光:光を分散させるスモークグレネード
雷:電撃耐性と武器をアースに
距離をある程度つめたら
妖刀『魂喰』の封印を解くことでUC発動
咄嗟の一撃による早業のだまし討ち範囲攻撃でオロチと竜の体内へと入り込み
内部のいたるところから攻撃
アドリブ共闘可
●敵を体内から喰らえ
「なるほど。今度は『龍脈』の力か」
大神・零児(人狼の妖剣士・f01283)は冷静に敵を観察すると、鮮血の氣をまとう。
オーラで守りを固めて接近してくる狼を見下ろして、ドクター・オロチは笑った。
「ボクのことを理解したつもりかな? ムシュシュ、当たってるといいねえ」
あざけるオブリビオンの言葉に零児は応じなかった。
応じずに、ただ愛機にまたがり前進する。
獣型機械獣C-BAはすでにバイクの姿へと変化している。
リミッターを解除して突き進むバイクへと、オロチは分身をさし向けてくる。
「ムシュシュ、それ以上近づかれたらまずいからね。オロチの力を見せてやるよ。ねえ、そのバイク、オフロードにも対応してるのかな?」
緑色をした竜の分身。
その体から伸びた根が、脳髄の上を高速で這う。
(「――樹か」)
バイクに乗ったまま、零児は素早くマルチグレネードユニットをかまえた。
グレネードが高速で飛び、爆発する。
ナパームグレネードの炎が分身の伸ばす樹を焼き払っていく。
同時に流れるように零児を狙ってきていた鋭い葉が鮮血のオーラの中へと入りこんできて彼の体を切り裂いた。
だが、切られたところで支障はない。
鮮血のオーラに本物の血を混じらせながら、零児はオロチへと突き進んでいく。
「『魂喰』、体は預けたぞ」
そして、彼は妖刀『魂喰』の封印を解く。
オロチの分身はなおも零児を攻撃しようとしていたが、もはや彼の姿は戦場に存在していなかった。
すべてを血の霧に変えた彼は、そのままオロチの口から飛び込んでいく。
「さあ、中から存分に破壊してやるぞ、オロチよ」
一部が入り込めば、そこから一気に高速で竜の内部まで入り込むことができる。
血煙へと姿を変えた零児は、体内から帝竜へと攻撃を加えていく。
次の瞬間、オロチの口から洩れたのは、粘液ではなく血の塊だった。
成功
🔵🔵🔴
灘杜・ころな
あのエネルギー塊……相性悪い属性が混在しとるよな?
闇と光は相殺し合うやろうし、火は水で消えるやろ?
それ気にして、変に軌道が偏ったりしとらんかな?
そこを見切れば、潜り抜けられん?
上手く先制攻撃を凌げたら――(《降神・天照》発動、人格も変化)
……妾の出番じゃ!
今回の帝竜には、実に解り易い急所があるのう……ドクター・オロチ、お主じゃ!
巨竜の身体の頭の天辺に居れば、こちらの攻撃は届かぬと思うたかえ?
大間違いじゃ。天より降臨する灼熱の巨大光球なら、とても焼き殺し易い位置じゃのう。
八岐大蛇如きが、太陽の女神たる天照に勝てると思うでないわ!
冬虫夏草のような笑える姿で――灼け死ね、異形のものよ!!
●光をかいくぐれ!
猟兵たちの攻撃によってオロチは傷ついていた。
けれど、また倒れてはいない。
迎撃のために敵は、無数のエネルギー弾を周囲に出現させる。数えきれないほど大量に出現した弾に、猟兵たちは距離を取ることを余儀なくされていた。
「あのエネルギー塊……相性悪い属性が混在しとるよな? 闇と光は相殺し合うやろうし、火は水で消えるやろ?」
だが、弾丸を避けつつもしっかりとその動きを見切ろうとしている者がいた。
灘杜・ころな(鉄壁スカートのひもろぎJK・f04167)はリズミカルな動きで再びオロチへと接近を試みる。
「それ気にして、変に軌道が偏ったりしとらんかな? そこを見切れば、潜り抜けられん?」
考えながら見てみれば、確かにエネルギー弾の軌道は不自然だ。
ころなは突破を試みる。
紙一重でかエネルギー弾をいくぐり、すり抜けて敵へと踏み込んでいく。大きな胸は揺れ動いたが、鉄壁のスカートは決してまくれることはない。
「上手く先制攻撃を凌げたら――」
脳髄の上を走るころなの動きは、神楽のステップを踏んでいた。
「……妾の出番じゃ!」
女神『天照』をその身に降ろしたころなは、ひもろぎの波動にて敵を威圧する。
「帝竜を相手にして、ずいぶんと傲慢な態度を見せてくれるねえ」
オロチの言葉をころな、いや天照は無視した。
「今回の帝竜には、実に解り易い急所があるのう……ドクター・オロチ、お主じゃ!」
「ムシュ?」
疑問の声をあげたオロチへ狙いを定めて、天照は指先を天へ向けた。
「巨竜の身体の頭の天辺に居れば、こちらの攻撃は届かぬと思うたかえ? 大間違いじゃ。天より降臨する灼熱の巨大光球なら、とても焼き殺し易い位置じゃのう」
太陽の如き灼熱の光球がドクター・オロチへと落ちていく。
「八岐大蛇如きが、太陽の女神たる天照に勝てると思うでないわ! 冬虫夏草のような笑える姿で――灼け死ね、異形のものよ!!」
「……ムシュ!?」
光の弾に、ドラゴンの鼻先に生えたドクター・オロチが巻き込まれる。
粘液が焦げて、嫌な臭いが広がっていく。
「やるねぇ猟兵さんたち。相も変わらず動きが速いうえに、やることが派手で乱暴だ」
強大なる帝竜オロチの体は、今やもうボロボロになっている。
それでも、敵は戦意を失っていないようだった。
大成功
🔵🔵🔵
エル・クーゴー
●POW
これより、敵性の完全沈黙まで――ワイルドハントを開始します
●対先制
飛行用バーニア、展開
躯体番号L-95
当機は【空中戦】に高い適性を発揮します
この適性は、有重力下に於ける三次元機動時の姿勢制御・平衡感覚も含まれます
当該スペックを以って、回避時、態勢を崩さぬよう特に留意します
また、回避困難な弾道に際しては『L95ブラスター』より熱線を照射し迎撃・相殺を実施します(クイックドロウ+焼却)
●反撃
・敵口腔付近へ飛翔ざま【攻城級マネギ】発動
・巨大招き猫を放り込んで口を塞いでやると共、トレースさせた『L95式アームドフォート』を【零距離射撃】で【一斉発射】、【砲撃】と【爆撃】で敵体内を【蹂躙】する
トリテレイア・ゼロナイン
仮に同一個体だとしても、貴方の跳梁を許しはしません
幾度蘇ろうとその度に阻んで見せましょう
多くの猟兵に救われた星海の世界の騎士の一人として!
機械飛竜に●騎乗し●空中戦
格納銃器や竜の単装砲による●スナイパー●目潰し攻撃で分身と竜の目(?)を攻撃し粘液の狙いを絞らせません
攻撃を躱しながら飛竜を●ハッキングし●限界突破
体躯に急速接近しUCを至近距離で発射し離脱
遠隔●操縦で体躯の奥深くにまで潜り込ませ、爆発半径を調整し(●破壊工作)起爆
完全消滅には至らないでしょうが痛打は与えられるでしょう
貴方から護られた世界の技術が、貴方を打ち倒す力となる
この繰り返しが為される限り、復活は無いと思い知って頂きます
●オロチを空より撃て
巨大な脳髄の大地とオロチを見下ろして、飛翔する者たちがいた。
2つの機影が、粘液でできた竜へと接近していく。
「仮に同一個体だとしても、貴方の跳梁を許しはしません。幾度蘇ろうとその度に阻んで見せましょう」
1人は機械飛竜に騎乗する機械の騎士。
巨大な体を軽やかに空を行く、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)。
「多くの猟兵に救われた星海の世界の騎士の一人として!」
己を紛い物と呼ぶ騎士は、まっすぐにオロチへと飛んでいく。
「これより、敵性の完全沈黙まで――ワイルドハントを開始します」
もう1人は空飛ぶ人形。
電脳のデバイスに囲まれて、専用のバトルスーツで飛翔するエル・クーゴー(躯体番号L-95・f04770)。
オロチは大きく口を開けて2人を撃ち落とそうとするが、空中戦の技術をいかして2人はその攻撃をかわそうとする。
「狙いは絞らせませんよ!」
飛行しながら、トリテレイアは肩や腕から飛び出した単装銃でオロチの目らしきものを狙う。
彼が乗る機械飛竜の口からも、同じく単装銃が飛び出して射撃を行っている。
それでも、激しい勢いで放たれる粘液のブレスは2人を的確に狙ってきた。
トリテレイアの装甲を、エルのスーツを緑色のブレスが溶かしていく。
「当機は空中戦に高い適性を発揮します。この適性は、有重力下に於ける三次元機動時の姿勢制御・平衡感覚も含まれます」
エルが冷静な声を発した。
体勢を崩していない……むしろオロチ側がトリテレイアの射撃で体勢を崩した状態で受けたブレスは、2人に致命的な打撃を与えはしなかった。
「今のうちです。反撃に移りましょう」
「同意します。ご武運を」
デバイスに視線を送りながら呟いたエルに、トリテレイアは静かに同意の言葉を送った。
脳髄の大地を見下ろしながら、飛行する2人の猟兵はそれぞれが狙うポイントへと加速する。
近距離制圧用のL95ブラスターを撃ってできる限り相殺しながら、エルは頭部へと向かう。
トリテレイアは自ら乗る機竜をハッキングして限界を越える加速を行い、エルを追い抜いて胴体へ急速接近した。
「……騎士の武器どころか兵器ですらないのですが……」
間近に壁のような粘液の体をながめながら、いくらか沈んだ声でトリテレイアは呟く。
対クエイサービースト用の装備だが、オロチにも十分な効果はあるはずだ。
射出した杭が食い込んでいくのを確認する間もなく、トリテレイアはオロチから離脱する。
「砲撃陣地を敷設します」
口腔付近へと飛んだエルは、自身の2倍のサイズを持つ機械兵器『マネギ』を口へと放り込んだ。
機械の巨大招き猫の背後で彼女は自分専用の固定砲台とその追随武装を構える。
マネギもエルと同じ装備で、同じ動きをした。
「タスク『オブリビオンをブチ殺せ』を実行します」
オロチの口の中をめがけて、マネギの一斉発射が敵を蹂躙する。
その直後、オロチの体内で爆発が起こった。トリテレイアの打ち込んだ杭が起こしたものだ。
「ムシュ……ちょっと、いやかなり、マズイことになってきたかも」
帝竜の頭部に生えたドクター・オロチが慌てた声を出す。
「貴方から護られた世界の技術が、貴方を打ち倒す力となる。この繰り返しが為される限り、復活は無いと思い知って頂きます」
オロチへと声を投げかけながら、トリテレイアは次なる攻撃を行う態勢に入った。
エルの制圧射撃はなおも続いている。
もはや、帝竜は致命的なほどの傷を負っていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ペネトレータ・ピアース
ご機嫌好う、死に損ないさん?
・対策
粘液は「左手」から傘「アウラスター」を召喚
【怪力】で構えて【武器受け】いたします
この間に「右手」から砲弾「トライデント」を召喚
傘の裏に忍ばせます
傘が壊れる寸前に【ダッシュ】で離脱
砲弾が敵UCで起爆するはず
お気に入りの傘でしたのに…これも猟兵の務めのため
それにまたお父様に頼めばいいですわ
・攻撃
さて爆煙を目隠しにUCトマホークブーメランを遠回りな軌道で放つわ
直後に「右手」から槍「ジャベリン」召喚し敵の顔面へ【投擲】
槍はフェイント、本命は遠回りさせたUC
手元に戻った斧で脳天かち割って差し上げますわ
あなたはここでも死ぬの
3度目はなくってよ
共闘、掛け合い等アドリブ大歓迎
ルード・シリウス
過去に戦争で戦った敵が、今度は帝竜として復活か…
が、喰らう敵には変わりはねぇ
アルダワの魔王も似たような形で復活してたしな
外套と靴の能力で気配と音を殺し、同時に残像を囮にしてばら撒き注意を可能な限り惹かせつつ、粘液が吐き出される瞬間と範囲を見切りながら懐へ飛び込む様に接近し緩急つけた動きで回避試みる。いくらコイツ等でもあの粘液を受け止める等は無理だし、直撃を受けるのは以ての外だからな
上手く凌ぎ切れたら、【魂装】発動。武装の真名及び自身の真の姿を開放、これまで喰らってきた敵を憑依して強化、頭部に居るであろう存在目掛け駆け上がり、二刀による連撃で喰らいつく様に斬りつけ、同時に捕食能力で血肉を喰らう
●オロチは再び海へと
今やオロチはほぼ死に体だった。
分身やエネルギー弾を乱用し、どうにかトドメを刺されるのを防いでいるだけだ。
「過去に戦争で戦った敵が、今度は帝竜として復活……」
姿を隠して移動しながらルード・シリウス(暴食せし黒の凶戦士・f12362)は呟いた。
「が、喰らう敵には変わりはねぇ。アルダワの魔王も似たような形で復活してたしな」
身にまとうのは幻影の外套と音無しの靴。
音もなく、気配もなく、ルードはオロチとの戦いに加わっていた。
(「とはいえあの粘液は厄介だな。いくらコイツ等でも受け止めるのは無理だろうし」)
2振りの愛剣『神喰』と『無愧』……呪いを秘めたこれらがオロチの粘液に耐えうるかはルードにもわからない。そして、試してみたいとも思わなかった。
時おり残像も使いつつ接近する隙をうかがう青年の視線の先、1人の女性がオロチの前に降り立つのが見えた。
「ご機嫌好う、死に損ないさん?」
色黒の肌を持つ令嬢は、優美に、しかし慇懃無礼にも感じさせる態度で、ドクター・オロチに一礼する。
ペネトレータ・ピアース(ノーブルホーン・f14233)が左手を虚空に伸ばすと、その手の中に淑女のたしなみである傘が現れた。
もっとも、見た目に反してそれは盾にも剣にもなる重戦闘傘だったが。
「ムシュシュ、優雅だね。でも、その傘を破るくらいの力はまだオロチには残ってるんだよ!」
粘液のブレスがペネトレータへと吐きかけられる。
傘を構えて、彼女はそれを受け止める。
と、同時に裏側で右手の召喚手袋を起動していた。
粘液が傘を破壊する寸前、ペネトレータは傘を残してその場から素早く飛び退いた。
裏側で召喚しておいた砲弾が爆発を起こす。
「お気に入りの傘でしたのに……これも猟兵の務めのため。それにまたお父様に頼めばいいですわ」
飛び散った粘液がペネトレータに飛んできて肌を焼くが、大きなダメージではなかった。
攻撃後の隙をついて、ルードがしかける。
オロチはまだブレスを吐き出したままの頭部をルードへ向けて迎撃する。
身を隠すための緩い動きから、とっさに急加速してルードは攻撃をかわそうとした。粘液が背中にまとわりついて痛みが走る……が、それだけだ。
『これが俺達の渇望』
『ソシテ、我等ガ憎悪ト狂気』
『捕食者の如く尽くを暴食し、暴君ノ如ク尽クヲ鏖殺シ、一つ余さず蹂躙シ尽クソウ……ッ』
加速するルードが手にした剣が、真名解放形態へと変化する。
そしてルード自身の姿が変わっていく。
青年の背に、彼がこれまで喰らってきたオブリビオンたちが憑依する。
竜の頭部に生えた異形の人型へと肉薄した彼は、そのまま喰らいつくようにドクター・オロチを二刀を食い込ませた。
「ム……シュ……。まだ……ボクは……」
「いいえ。ここで終わりよ」
ペネトレータの言葉と共に、ジャベリンによる追撃も飛んできた。
オロチは最後の力を振り絞り、竜の頭部を振り回してそれをかわし、ルードを振り落とそうとする。
だが、振り回されても真の姿を解放したルードは振りほどかれない。刃はオロチの胴体に食い込んでいく。
他の猟兵たちも好機と見て射撃をそれぞれにオロチの巨体へ叩き込んでいる。
「あなたはここでも死ぬの。3度目はなくってよ」
ペネトレータが竜の眼前へと跳んできた。
手袋をはめた手をオロチへと突き出す。
その手へと、巨大戦斧が竜の頭部を切り裂きながら戻ってきた。
爆発の影に隠れて投げた斧が戻ってきたのだ。
ルードの『神喰』と『無愧』が、人型の部分を断ち切り、切り落とす。
同時に改めてペネトレータが振り下ろした巨大斧が、直前まで異形を生やしていた頭部を両断した。
粘液でできた竜の体がばらばらに砕け散って、脳髄の大地へと降り注ぐ。
そして、帝竜ドクター・オロチはまた一度、骸の海へと還っていった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴