4
帝竜戦役㉓~帝竜オロチ

#アックス&ウィザーズ #戦争 #帝竜戦役 #帝竜 #オロチ #群竜大陸

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アックス&ウィザーズ
🔒
#戦争
🔒
#帝竜戦役
🔒
#帝竜
🔒
#オロチ
🔒
#群竜大陸


0




●脳髄牧場
「ムシュ~。どうやら、この場所にも猟兵達が来るようだね。せっかく、記憶のバックアップを作っとけば『再孵化』でも記憶ソウシツにならずに済むってわかったところなのに……。まあ、細かい事を気にしていたら駄目だよね。邪魔なモノは排除する。実にシンプルな答えが出ているんだから……。それに、再孵化だけは万全な状態で『持ち帰り』たいからね。前回のように、やられ過ぎる事がないようにしなきゃ! ムシュシュシュシュ……」
 脳髄牧場にいたのは、帝竜『ドクター・オロチ』であった。
 帝竜ドクター・オロチには、持ち帰らなければならないモノがあった。
 故に、『前回』のようにやられ過ぎたのでは意味がない。
 万が一、やられるような事があったとしても、可能な限り持ち帰れるモノは持ち帰る。
 そんな思いを胸に秘め、帝竜ドクター・オロチが猟兵達を待つのであった。

●ガジルからの依頼
「みんなに頼みたい事があるんだよ!」
 ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が真剣な表情を浮かべ、今回の依頼を説明し始めた。
 今回の目的は、帝竜ドクターオロチの撃破。
 ガジルが知る限り、ドクター・オロチがいたのは、スペースシップワールド。
 ドクターオロチは、研究施設がある実験戦艦ガルベリオンに乗船し、猟兵達と戦った相手である。
 それと酷似した存在を生やした帝竜が、今回撃破すべき相手であった。
 いまのところ、スペースシップワールドで確認されたドクター・オロチと、帝竜ドクターオロチの関連性は分かっていないものの、撃破すべき存在である事に変わりがないため、気合を入れて勝負に挑んで欲しいという事だった。


ゆうきつかさ
 この依頼は戦争依頼です。
 基本的には、キャラクターらしさを重視しますので、世界観や設定に問題が無ければ採用していこうと思います。
 また敵は必ず先制攻撃してくるので、いかに防御して反撃するかの作戦が重要になります。
194




第1章 ボス戦 『帝竜ドクター・オロチ』

POW   :    グリーン・ディザスター
【口から放射される緑の粘液】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    オロチ分体
【水火闇光樹雷土のうち1つの属性を持つ竜】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    オロチミサイル
レベル×5本の【水火闇光樹雷土の7つの】属性の【エネルギー塊】を放つ。

イラスト:V-7

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アトシュ・スカーレット
げぇ!?
あの時のマッドサイエンティストに似てる奴なのかよ!?
なーんで似た奴がいるんだよぉ〜…

【転移術・剣撃式】の転移先を戦場中に広げて行動したいな…
Fragarachを構えていざ突撃!

粘液がかけられそうになったら転移して回避したいなー…
姿勢が崩れても【空中戦】と【空中浮遊】で培ったバランス感覚で強引に正せるはず!

転移して背後に回れたら、Fragarachを大剣に変形させて鱗ごと(【鎧砕き】、【鎧無視攻撃】)肉を腐らせて(【呪詛】)【怪力】にものを言わせて攻撃かな!!


尾崎・ナオ
「はぁい、ドクター・オロチ、久しぶり! クソみたいにズタボロにやられてたけど、生きてたんだぁ。可愛いナオちゃんと再会できてよかったですね☆」
「あれぇ、超絶可愛いナオちゃんの事覚えてないの? 脳味噌入ってますぅ? 脳髄牧場に居たんでしょ~、間違えて金平糖でも入れてきたんですかぁ?」

向こうから会話を促す。気になる単語があれば煽り混ぜて聞き返す。

「説明できないとかww 知らないだけでしょ? 知らないから『お前たちに話す必要はない』とか言うんでしょ? クッソダサいwww」

煽りつつ、思考は冷静。
UC+早業。視力で敵動きを見て第六感で回避。

最後にUC速度のまま、クイックドロウ192で一撃打ち込みますか。


亞東・霧亥
戦争を楽しもう。

【POW】

・先制対策
【空中浮遊、オーラ防御、武器改造、サーフィン】
クリエイトフォースでサーフボードを作る。
メタルウィンドに掴まり、敵の顔より少し高い位置に滞空。
滞空中のバランスはあまり良いとは言えないので、攻撃は致命的な場所に飛んでくるはず。
飛んでくる所がわかっていれば、その上に乗れる!
そのまま、口元までサーフィンだ!

【UC】
粘液の河の先は口元。
頭に同化したオロチを分離するつもりで、上顎から後頭部までを切断する。


大神・零児
なるほど
今度は『龍脈』の力か

対策
基本的
リミッター解除したC-BAに騎乗し地形耐性を発揮
戦闘知識と第六感、野生の勘、鮮血の氣のオーラ防御を用いて挙動や攻撃を見切り残像を使いながら逃げ回り距離をつめる
武器改造したマルチグレネードとマルチギアも使用

火:火炎耐性
水:氷結耐性
樹:環境耐性とナパームグレネードで焼却
土:地形耐性と地形の利用
闇:フラッシュバンと闇に紛れる
光:光を分散させるスモークグレネード
雷:電撃耐性と武器をアースがわりに

距離をある程度つめたら
妖刀『魂喰』の封印を解くことでUC発動

咄嗟の一撃による早業のだまし討ち範囲攻撃でオロチと竜の体内へと入り込み
内部のいたるところから攻撃

アドリブ共闘可


霧島・絶奈
◆心情
持ち帰らせ等させませんよ…

◆行動
敵先制攻撃対策として各種耐性を籠めた【オーラ防御】を展開
加えて【罠使い】として持ち込んだ大量の「白燐焼夷弾」を【衝撃波】に乗せて周囲一帯に投射
煙に紛れ、防御を固めると見せ掛けつつ【空中浮遊】も活用し縦横無尽に回避行動

防御を貫く為に密度を高めれば回避が容易に、拡散させれば防御を貫く事が困難になります

先制攻撃対処後は『DIABOLOS LANCER=Replica』で【二回攻撃】
一撃目は自分の足元に打ち込んで自己強化
続く二撃目で攻撃します

加えて【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】で追撃

負傷は各種耐性と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復


ルード・シリウス
他世界で起こった先の戦いで出てきた奴が、帝竜として再び出てきたという訳か
同一存在か、酷似してるだけなのかなんてのはこの際どうでもいい。重要なのはただ一つ…コイツも喰らうべき獲物だという事だ

外套と靴の能力で気配と音を殺し、同時に残像を囮にしてばら撒き注意を可能な限り惹かせつつ、粘液が吐き出される瞬間と範囲を見切りながら懐へ飛び込む様に接近し回避試みる。武器で受け止める等は無理だし、直撃を受けるのは以ての外だからな
上手く凌ぎ切れたら、【魂装】発動。武装の真名及び自身の真の姿を開放、これまで喰らってきた敵を憑依して強化、頭部目掛け二刀による連撃で喰らいつく様に斬りつけ、同時に捕食能力で血肉を喰らう


黒髪・名捨
スペースシップワールドねぇ。
オレはそのころの戦争は知らねーんだよな。
どんな奴だったのやら。まーあんま興味ねーが。

●先制攻撃
はあ、あんま触れたくないタイプの攻撃だなこりゃ。
『オーラ防御』と『覇気』と『気合い』を籠めた覇気による『武器受け』の二重防御で受け止める。
最小限のダメージに抑えるか。

●戦闘
いててて、『激痛耐性』のおかげでまだ動けるな。
オロチの体を『グラップル』で握り掴むと、ブラック・ガイストで『封印を解く』
(魔殺の帯をといで口裂け人間の姿を見せつつ)本領発揮したスティンガーで『捕食』して『生命力吸収』して『恐怖を与える』
あー、まじいいいいいいいっと



●脳髄牧場
「……なるほど、今度は『龍脈』の力か」
 大神・零児(人狼の妖剣士・f01283)は仲間達と共に、巨大な脳髄が蠢く不気味な大地にやってきた。
 その場所は異様なニオイに包まれており、少し踏んだだけでも、脳漿が吹き出してしまう程、不安定な場所だった。
 そのため、あまり無駄な動きをすると、地面が崩れて脳漿の中に沈む可能性が高かった。
「ムシュシュシュシュ~。おやおや、何処かで見た事のある猟兵もいるようだねぇ。あの頃と比べて少しは成長していると良いけど~……。良かったらサンプルを取らせてもらおうかな。あ、別に返事はどっちでもいいよ。この時点で拒否権はないからさ~!」
 そんな中、帝竜ドクター・オロチが猟兵達の前に現れ、不気味な笑い声を響かせた。
 帝竜ドクター・オロチにとって、猟兵達は実験体。
 もしくは玩具程度にしか思っていないようである。
「……げぇ!? あの時のマッドサイエンティストに似てる奴なのかよ!? なーんで似た奴がいるんだよぉ~……」
 その途端、アトシュ・スカーレット(銀目の放浪者・f00811)が、腰を抜かすほどの勢いで驚いた。
「ムシュシュシュシュ~。そんなに喜んでもらえると、こっちも姿を現した甲斐があったというモノだよ~。スペースシップワールド以来だけど、みんな元気していたかい?」
 帝竜ドクター・オロチが猟兵達を見下ろし、楽しそうに語り掛けた。
「オレは、その頃の戦争を知らねーんだよ。だから、どんな奴だったのか知らねーんだが……。まー、あんま興味ねーが……」
 黒髪・名捨(記憶を探して三千里・f27254)が、ゲンナリした様子で答えを返した。
「つまり他世界で起こった先の戦いで出てきた奴が、帝竜として再び出てきたという訳か。同一存在か、酷似してるだけなのか、この際それはどうでもいい。重要なのはただ一つ……コイツも喰らうべき獲物だという事だ」
 ルード・シリウス(暴食せし黒の凶戦士・f12362)が、キリリとした表情を浮かべた。
「おやおや、それは悲しいな~。でも、こうやって会えたのも、何かの縁。せっかくだから、色々と楽しませてよ」
 帝竜ドクター・オロチが飄々とした態度で、猟兵達のまわりを飛び回った。
「はぁい、ドクター・オロチ、久しぶり! クソみたいにズタボロにやられてたけど、生きてたんだぁ。可愛いナオちゃんと再会できてよかったですね☆ まさか超絶可愛いナオちゃんの事、覚えてないなんて言わないよね~。それとも、その脳味噌は、お飾りぃ? せっかく脳髄牧場にいるんだから、頭の中で金平糖をコロコロさせている場合じゃないと思いますよぉ」
 そんな中、尾崎・ナオ(ウザイは褒め言葉・f14041)が帝竜ドクター・オロチを見上げ、わざと煽るような言葉を選んで語り掛けた。
「ムシュシュシュシュ~。これは手痛いね~。でも、きちんと覚えているよ。キミは確か……アレ? なんだっけ? まあ、いいや。みんなサンプルとして持ち帰るから、その時に相応しい名前をつけてあげるよ」
 帝竜ドクター・オロチを見下し、不気味な笑い声を響かせた。
「俺達に相応しい名前? 頭の悪い貴様でも、覚える事の出来る名前の間違いじゃないのか?」
 亞東・霧亥(峻刻・f05789)が帝竜ドクター・オロチに冷たい視線を送り、皮肉混じりに呟いた。
「これは余計に持ち帰りたくなったねぇ。だったら、なるべく、原型を留めるようにしておかないと……」
 帝竜ドクター・オロチが自分自身に言い聞かせながら、猟兵達を品定めし始めた。
 一体、何を考えているのか分からないが、猟兵達にとって不快な事である事は間違いない。
「何も持ち帰る事なんて出来ませんよ、私達がいる限り……!」
 その言葉を聞いた途端、霧島・絶奈(暗き獣・f20096)が警戒心をあらわにした。
 前回の戦いでドクター・オロチが何らかの方法を用いて持ち帰ったモノがあるため、何としても今回は阻止したいようである。

●帝竜ドクター・オロチ
「ムシュシュシュシュ~、面白い事を言うね~。だったら試してみようかな。いつまで持つか、見物だね~♪」
 帝竜ドクター・オロチが小馬鹿にした様子で、7(水・火・闇・光・樹・雷・土)属性のエネルギーを塊にして飛ばしてきた。
 それは虹のように鮮やかで、蠢く脳髄を削り、脳漿を撒き散らせながら、猟兵達に迫ってきた。
「この程度の攻撃で私達が動揺すると思ったら大間違いですよ……!」
 すぐさま、絶奈がオーラ防御を展開し、大量に持ち込んだ白燐焼夷弾を衝撃波に乗せ、周囲一帯に投射した。
 それと同時に爆風と共に舞い上がった煙に紛れ、身を守るフリをしつつ、空中浮遊を活用して縦横無尽に飛び回った。
「おやおや……。これは、また小賢しい真似を……。それじゃあ、もう一発……。さあて、いつまで避ける事が出来るか、見物だねぇ~。ムシュシュシュシュ~」
 帝竜ドクター・オロチが奇妙な笑い声を響かせ、再び7属性のエネルギーを塊にして飛ばしてきた。
「……残念ですが、そこに私はいません」
 その間に、絶奈が帝竜ドクター・オロチの死角に回り込み、DIABOLOS LANCER=Replica(ディアボロスランサーレプリカ)を発動させ、召喚した槍の様に見える巨大な輝ける物体を命中させた。
「グギ、ギギギ……。これは少し調子に乗り過ぎてしまったかも知れないねぇ。それじゃ、これはどうかな?」
 帝竜ドクター・オロチがイラついた様子で、雷属性の竜を呼び寄せた。
 それに応えるようにして、雷属性の竜が唸り声を響かせながら、猟兵達に襲い掛かってきた。
「アハハッ、調子に乗り過ぎたって、何っ! ただ単にクソ雑魚ってだけでしょ。復活しても再生怪人扱いだから、オリジナルより弱いみたいだし! それとも、竜を出したくらいで、ナオちゃん達に勝てると思っているの? だったらウケる!」
 ナオが帝竜ドクター・オロチを煽りながら、わざと目立つような行動を取って、雷属性の竜を引きつけた。
 帝竜ドクター・オロチを煽っている間も、頭の中は至って冷静。
 状況的には最悪の事態に陥っているが、すべて想定内であった。
「も、もちろん! 勝てる! 絶対に勝てる! だから、ほら……大人しく死んでくれないと」
 帝竜ドクター・オロチが苛立ちを隠せない様子で、雷属性の竜を嗾けた。
 その間も雷属性の竜はナオにむかって雷を落としているものの、ギリギリの所で当たらず、代わりに脳漿があちこちで吹き出した。
「……と言うか、これで本気を出しているのか? 俺達の死体を回収するため、気を使っているんだったら、それが命取りになるぞ?」
 零児が軽く皮肉を言いながら、リミッターを解除したC-BA Mk=5(バイクになる獣型機械獣)に騎乗し、オーラ防御を展開すると、戦闘知識と第六感、野生の勘などを駆使して、自らの武器をアース代わりにしながら、次々と落ちる雷を回避していった。
「いやー、うまく誤魔化したつもりだったんだけどねぇ。やっぱり、気づいちゃったかぁ~。これは失敗、大失敗っ!」
 帝竜ドクター・オロチが動揺した気持ちを誤魔化すようにして、自ら道化を演じ始めた。
 だが、声が上擦っているせいで、動揺しているのが、まわりにも分かってしまう程、不自然であった。
「ひょっとして、再孵化したせいで、ちょっとおかしくなってる? だって、そうでしょ? ドクター・オロチって、そんなキャラじゃなかったし、もう少しマトモだったと思うけど……。それとも、アレ? 自分の事をドクター・オロチだと思っているソックリさん? だったら、余計に残念……カッコ悪い~。それに比べて、ナオちゃん超カワイイー!」
 そんな空気を察したナオが【煽りは任せろ(イエーイ)】を発動させ、自画自賛をする事で、相手を全力で馬鹿にする軽口マシーンに変身すると、早業と第六感を駆使しつつ、帝竜ドクター・オロチにクイックドロウを撃ち込んだ。
「……!」
 その事に気づいた雷属性の竜が、帝竜ドクター・オロチを守りながら、怒り狂った様子で、手当たり次第に雷を落とした。
「……邪魔だ、退け!」
 次の瞬間、零児が改造したマルチグレネードとマルチギアで牽制しつつ、妖刀「魂喰」の封印を解くと、【霧血魂喰(ムケツタマグライ)】を発動させ、咄嗟の一撃による早業の騙し討ちで、雷属性の竜に斬り掛かり、その口から体内に入り込むと、内側から斬って、斬って、斬りまくった。
 その影響で雷属性の竜は肉体を維持する事が出来なくなり、断末魔を上げて弾け飛んだ。
「これは、これは……。こちらの予想を上回るほど成長したようだねぇ。でも、残念。お遊びは此処までだよ」
 帝竜ドクター・オロチが、あからさまに残念そうにしながら、緑の粘液を口から放射した。
「うわ……。あんま触れたくないタイプの攻撃だな、こりゃ」
 名捨がドン引きした様子で、その場から飛び退き、オーラ防御と、覇気と気合を籠め、武器受けでダメージを最小限に抑え込んだ。
 しかし、緑の粘液は予想以上にネバつき、納豆の如く糸を引くと、ブクブクと泡立ちながら、ドブのようなニオイを放っていた。
 それだけで背筋にゾッと寒気が走り、帝竜ドクター・オロチに対する怒りが増した。
「ムシュシュシュシュ~。喜んでもらえて、これ幸い。それじゃ、頑張って避けてもらおうかな~。ほらほらほらぁ!」
 帝竜ドクター・オロチが上機嫌な様子で、緑の粘液を口から何度も放射した。
「別に喜んでいないんだけど……」
 アトシュがゲンナリとした様子で、【転移術・剣撃式(テレポート・シュヴェーアト)】を発動させ、緑の粘液を転移で回避すると、Fragarach(二刀一対の双剣型偽神兵器)を構え、帝竜ドクター・オロチに斬り掛かった。
「そんな事をしても、無駄だよ、無駄。このボディは、とっても硬いからね。ハッキリ言って、蚊に刺された程度のレベルだよ。ムシュシュ、シュシュ~」
 帝竜ドクター・オロチがまったく効いていない様子で、不気味な笑い声を響かせた。
 それはまるで竜の部分が飾りであるかのように、余裕であった。
「だったら、本体の方はどうだ?」
 そんな空気を察した霧亥がクリエイトフォースでサーフボードを作り、オーラ防御をしながら、緑の粘液を駆け上るようにしながら、帝竜ドクター・オロチの口に迫っていった。
「こ、これは良くない。絶対に良くない」
 その事に危機感を覚えた帝竜ドクター・オロチが、自らの身を守ろうとした。
「……調子に乗り過ぎたな」
 その隙をつくようにして、ルードが幻影の外套と音無しの靴で気配と音を消し、残像を囮にしてバラ撒き、帝竜ドクター・オロチの本体に迫っていった。
「く、来るなっ!」
 帝竜ドクター・オロチが動揺した様子で悲鳴を上げたものの、この時点で身を守る術はない。
「そんな事をしたら、余計に狙われるだけだよ?」
 その間にアトシュが帝竜ドクター・オロチ本体の背後に転移すると、呪詛を纏ったFragarachを大剣に変形させ、力任せに振り下ろして、鱗ごと破壊した。
「それじゃ、さっきの御礼をしないとねぇ」
 それに合わせて、名捨が帝竜ドクター・オロチの本体をグラップルで握り掴むと、【ブラッド・ガイスト】で自らの血液を代償にして、魔殺の帯の封印を解き、口裂け人間の姿を見せつつ、本領発揮したスティンガーで捕食し、恐怖を与えながら、生命力を吸収した。
「こ、こんなはずでは……。よくも、よくも、よくも! このままでは済まないよ。絶対に後悔する事になるかだから……グギギギギィ!」
 帝竜ドクター・オロチが悔しそうに身体を震わせたものの、本体自体に反撃する術はない。
 文字通り、サンドバッグ状態になりながら、猟兵達に対して呪いの言葉を吐き捨てた。
「どうせ下半身は飾りみたいなモノだろ。だから……いらないよなぁ?」
 次の瞬間、霧亥が帝竜ドクター・オロチと同化した本体を分離するつもりで、【竜破斬(ドラグスレイブ)】を放ち、上顎から後頭部までを切断した。
「ちょっ、このままだと、あ、あ……」
 それと同時にオロチ(本体)が竜の身体から分離され、巨大な脳髄に落下していった。
「簡単に逝けると思ったら大間違いだ。さあ、俺の血肉となれ!」
 そこに追い打ちをかけるようにして、ルードが急降下していくと、【魂装・神魔喰ライシ暴食ノ暴君(リンケージ・タイラント)】で暴食剣「神喰」と呪詛剣「無愧」を真名開放形態に変形しつつ、真の姿を解放すると、これまで喰らってきた敵を憑依させ、オロチ(本体)に食らいついた。
「こ、こんな事をしても、無駄だよ……。もう手遅れ……。だから……次に会う……時は……グギギギ……キィ……」
 そのため、オロチ(本体)はルードに喰われ、激しい痛みに襲われながら、捨て台詞を吐きつつ、絶命するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月20日


挿絵イラスト