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花の嵐を突破せよ!

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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 武器と魔法と竜の世界、猟兵達から『アックス&ウィザーズ』と呼ばれる世界。 その世界のとある辺境に、とある集落があった。
 変わらぬ平穏な日常を過ごすその集落。 どこにでもあるようなその集落だが、年に一度、村全体がざわつき浮かれる時期がある。
 年が明けて、おおよそ一ヶ月が過ぎようとしている今の時期が、まさにその時期であった。

「やれやれ、毎年のことながら良くやるのぅ……」
 その日、村のとある老猟師が森の奥深くへ足を踏み入れた。 村の若者達が求める物の生育状況や、危険が無いか、事前の調査に訪れたのだ。
 背の高い木に宿る何かの実を確認し、小さく頷く老猟師。 量も多く、質も良し。 これなら村の若い衆が望む量を獲るのも簡単だろう。
 ……まぁ、この地に来るのは若干骨が折れるが。 それはまぁ、試練であると思って諦めてもらおう。
 ……それにしても。

「今年は、妙に木々が茂っておるのぅ」
 繁茂した下生え、芽吹く花々。 この時期にしては、妙に生育が早く、多い。 多少であれば誤差とも思えるが、これほどの生育は、ハッキリ言って異常である。
 ……猟師の勘が、警鐘を鳴らす。 その勘に従い、彼は即座に帰路に着く。 その判断は、正しかった。

 ──ふぅぅぉぉおおぉぉぉん!

 ……猟師がその場を後にした、ほんの数分後。 森の奥地から響いたのは何か巨大な生き物の呻き声。
 直後、強い風が森を駆け抜け……猟師のいた場所を、無数の花びらが舞うのだった。


「お集まりいただいて、ありがとうございます」
 集まった猟兵達を前に、銀髪のグリモア猟兵、ヴィクトリア・アイニッヒ(陽光の信徒・f00408)がふわりと微笑む。

「今回、皆様に向かって頂く事になるのは、『アックス&ウィザーズ』世界、その辺境となります」
 猟兵達が向かう土地には、この時期に行われる奇妙な風習があるのだという。
 曰く、近くの森の奥地にのみ生育する木の実を収穫し、気になる異性に贈るというイベントなのだとか。
 険しい森を抜けるため、普通の人には中々の苦行。 だがその苦行を乗り越えるからこそ、好意の本気具合を相手に知らせる事が出来るのだとか何とか。
 無論、このイベントを介さずとも結ばれる者達もいるにはいるが……多くの若者達が、このイベントを切欠に伴侶を得る。 娯楽の少ない村にとって、大事なイベントなのだそうだ。
 だが今年になって、そんなイベントに問題が発生してしまったそうで。 その問題とは。

「森の奥地に、強力なモンスター……オブリビオンが、住み着いてしまったようなのです」
 オブリビオンの正体は、良く分かっていない。 だが下手に刺激をしなければ、問題にはならない相手であると、視えた予知でヴィクトリアはそう判断した。
 だが、今の時期が時期だ。 村の若者達が森に踏み入れば、必要以上に頑張ってしまうかも知れない。 そうして相手を刺激してしまえば……大惨事に発展する恐れは、十分ある。
 そうなる前に、猟兵達に退治して欲しいと、ヴィクトリアは語る。

「オブリビオンは、森の奥地に縄張りを作り、出てこようとしません。 こちらから踏み込む必要があります」
 森は木々が深く、慣れぬ者が踏み入れば遭難は必至だと言う。 更に奥に潜むオブリビオンの影響か、常以上に草木が成長している為に慣れた者では苦労するかもしれない程だとか。
 幸い危険な野生動物はオブリビオン以外にはいないそうなので、その辺りは安心出来そうであるが。 森の突破に関しては、何かしらの対策が必要かもしれない。

「森の奥地へ近づくと、そこそこに流れの早い川があるそうです」
 だがその川も、単純に水量が増えていたり、流れが読めない激流となっていたり……森の変化を受けて、こちらも変化している可能性がある。
 そこに対する対策も、考えておく必要はあるだろう。

「森を抜け、川を越えれば目的の場所はすぐそこです」
 相手が引き篭もり傾向が強いせいか、明確な姿や情報は予知からは得られなかったという。 だが、そこまで到達出来る猟兵ならば、そんな難敵も退ける事が出来るはずだ。

「時間を掛ければ、気が逸った若者が森に踏み込みかねません。 村人に不要な被害を出さない為にも、早めの対処したい案件です」
 ですので、皆の協力をお願いします、と。 ヴィクトリアは頭を下げて、皆を見送るのだった。


月城祐一
 一番最近山歩きをしたのは、確か学生の頃……あれ? もう15年近く前……?
 どうも、月城祐一です。 今回は皆様に森歩きを楽しんで頂きます。

 第1章は木々の生い茂る森を、第2章は激流と化した小川を乗り越えて頂きます。
 各自、やれそうだなと思った事にチャレンジしてみてください。

 第3章はボス戦です。
 一体何者が潜んでいるのか。 皆様の目で、確かめてみてください。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしております!
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第1章 冒険 『ジャングルの迷宮』

POW   :    己の力を信じて前へと突き進む。地道な一歩が確実な成功へと繋がる。

SPD   :    木を倒して橋を作ったり、ツルからツルへと移動したり。周囲のものを利用する。

WIZ   :    鳥の声や獣の足跡、草木に小川、周囲の情報を集めて効率の良い道を探る。

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

祝聖嬢・ティファーナ
樹木や草木、精霊たちに「人と猟兵が通るけれども、ゴメンね☆」と伝えてから『花びらの嵐の正体』についても分かる範囲で聞いてみます♪ 
動物や鳥たちにも同時に聞いてみて、総合的な情報にして猟兵の皆様にお伝えします☆ 

もちろん、草木や樹木、動物や鳥たちからのお願いや注意点が言われてたら「必ず」伝えます♪ 
人の若者には話しながら動物や植物と上手に打ち解けれる方法と精霊や妖精との接し方と話し方を教えてあげます☆
人の若者たちからの希望や目的も聞いて、動植物たちにも伝えて誤解の無い様にしっかりと伝えます☆
ティファーナは皆様の健やかな笑顔と笑い声が大好きです☆

嵐の後には『シンフォニック・キュア』で癒してあげます


ティエル・ティエリエル
「ふふーん、森の中ならボクに任せておいてよ!」

自信満々に森の中に飛び込んでいくよ。
森の中で暮らすティエルたちの種族にとって森の中なんて庭みたいなもんだよ!たぶん!

うーん、なんだか草木が普通より育ってる気がするね♪
食虫植物も大きくなってたりして! うーん、一応気をつけておこうかな☆

森の中であった鳥さんや動物さんに出会ったら「動物と話す」技能を使って
森の奥地への近道とかあったら教えてもらうよ♪

【WIZ】で判定



●妖精達の聞き込み捜査網

 森へと踏み込んだ猟兵達の視界に広がる、鬱蒼と茂る木々。 下生えの草花も随分と背丈を伸ばし、歩みを進める者達の脚を阻害する。
 まさしく、密林。 そんな風景が広がっていた。

「ふふーん! 森の中なら、ボク達に任せておいてよ!」

 そんな森の中を、華麗に舞うように翔ぶ姿。 軽やかに舞う小さなその身体は、フェアリーという種族の特徴だ。
 ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)の表情は自信満々。 故郷の森とは違うが、森の中という環境には慣れがあるご様子だ。

「これからボク達、猟兵と……後から若い人達も通るけれども、ゴメンね☆」

 そびえ立つ樹木、伸びる草木、宿る精霊に声を掛けながら舞うのは、祝聖嬢・ティファーナ(フェアリーの聖者×精霊術士【聖霊術士】・f02580)。
 ティファーナの表情は、どこか不満げ。 道行く精霊達に『花びらの嵐』に関する情報を得ようと聞き込みを続けているが、どうやら芳しくは無いようだ。
 ……得られた情報の多くも、『気がついたらこんな風になっていた』、と言うものばかり。 この地に根を張る者達が相手では、少々厳しいだろうか。 もう少し奥地に根を張る者達なら、話は違うかも知れないが。

「それにしても……うーん、なんだか草木が普通より育ってる気がするね♪ 食虫植物も大きくなってたり……わぁーっ!?」
「てぃ、ティエルさぁーん!?」

 言ってる側から食虫植物に絡まれるティエルを慌てて助け出したりする場面も発生したりと。 ……この場での植物相手の調査は、分が悪い様に思える。
 ならば……

「……動物や、鳥たちにも色々聞いてみるべきだね☆」
「そうだね……あっ、ティファーナ! あっちに鳥さんがいるよ♪」

 目先を変えて、森の動物達に聞き込み調査である。
 木の枝で羽を休める鳥、怯えるように周囲を警戒する鹿、木の洞で眠る狼……森に暮らす様々な動物達にも、色々と訪ねてみる。 しかし、彼らの多くも森に生じた突然の変化に困惑を覚えている事が判ったくらい。

「奥にいるヤツを知ってる!?」
「蜂さん、それホント!?」

 ……そろそろ諦めて、奥に進もうか。 そう思っていた時に出会った、一匹の蜂の情報が大きな収穫となった。
 蜂が言うには、川を超えたその先に広がる花畑。 そこに、『翼と尻尾を持つ、大きなヤツ』がいるらしい。 そいつが息を吹き出すと、花びらが散って花畑が広がるのだとか。
 その場所まで案内して欲しい、という二人の声には、怯えた様子を見せる蜂であった。 これ以上を求めるのも、酷かもしれない。

「翼と尻尾を持つ、大きなヤツ、かぁ……」
「どんなのだろう、ワクワクするね☆」

 去っていく蜂に手を振って見送って。 二人も顔を見合わせニッコリ笑顔。
 奥に進む近道などの情報は得られなかったけれど、この事件を引き起こした相手の情報の一つを得ることが出来た。 立派な成果と言えるだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ソフィア・テレンティア
アックス&ウィザーズには、このような風習があるのですね……。常なら苦難を乗り越え異性へと思いを伝えるイベントなのでしょうが……。それにオブリビオンが関わっているとなれば、余計な被害の出る前に排除しなければなりませんね。
ソフィアの【音響増幅機構搭載型ヘッドドレス・猫耳型】で周辺の音を、そして空に【ガジェット】を飛行させ周辺の地理情報を収集して最適なルートを調査しましょう。
まずはこの森を抜けるのを優先。でございます。



●道を調べ、創る者

「……『アックス&ウィザーズ』には、この様な風習があるのですね……」

 密林をゆっくりと進みながら呟くのは、ソフィア・テレンティア(ミレナリィドールのシンフォニア・f02643)。
 常なら苦難を乗り越え異性をに思いを伝えるという、心ときめくような行事である、今回の案件。
 そんなイベントに、オブリビオンを関わらせる訳にはいかない。 被害の出る前に排除せねば、とその士気は高い。

 さて、そんなソフィアの探索は、情報を得る事を重視した物だった。
 猫耳型のヘッドドレスによる音響増幅機構を活かして周囲の音を確認しつつ、空からはガジェットによる眼を飛ばし、周囲の地理状況を確認していく。 実に堅実な進軍である。
 ……とは言え、音は樹々や草木に吸われ、空からの眼も遮られ気味。 この鬱蒼と茂る森が相手では、中々難しい戦いを強いられる事になる。
 しかしソフィアの苦労は決して無駄にはならない。 ソフィアの得た地理情報は、他の猟兵達と共有すれば大きな財産となる。 その情報を元にして、最適なルートを構築し、進軍出来るのだから。

「……まずはこの森を抜けるのを優先。 でございます」

 着実に、堅実に。 ソフィアは一歩一歩、奥地へと歩みを進めるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

緋桜・美影
「わお、アクティビティ~。俺ちゃんこういうの大得意ー」
【SPD】「ダッシュ」「ジャンプ」「視力」「暗視」「第六感」『ドッペルゲンガー』
持ち前の身軽さとフックシューターを使って、主に木の上を移動する。
・道を見失わないようにハートで矢印を付けつつ、太陽の向きを見ながら進路を確認する。
・一人で進むのが難しい場合『ドッペルゲンガー』を使用して協力させる。
・樹上から仲間のルートを確認できれば上からサポートを行う。
「ひとーりよーりふたりがいいのぉ、ふたーりよりもっともっとぉ♪いやん、俺ちゃん寂しがりの欲張りさん?(意味深♡)」
・仕事というよりアトラクションを楽しみに来た感じ。



●楽しんだ者こそが、勝者

「わおっ、アクティビティ~。 俺ちゃん、こういうの大得意ー」

 気の抜けそうな口調の声が森に響く。 しかし樹々を渡って飛び跳ねる影は、まさに風の如く。
 『大得意』、という言葉通りの身軽さを見せて森を行くのは、緋桜・美影(自称・ビルボードダンサー・f06880)。
 木を蹴り上がり、跳ねて樹上へ。 西の空へ傾き始めた太陽を眩しそうに眺めて、貰った地図にハートマークで現在地をチェック。
 仲間から得た地理情報は、美影の探索効率を大幅に引き上げていた。 迷いなく、半ばアトラクションを楽しむような感覚で挑めているのも、情報を得ている余裕からだろう。

 ……ここまでの姿だと、独り善がりでおちゃらけている様にしか見えない美影の態度。 だが彼女は、心根まで捻くれている訳では無い。
 ワイヤーを使い身体を宙吊りにすると、今度は木にもマークを刻んでおく。 地を歩く仲間の為、目印を残しているのだ。

「ま、俺ちゃんってばこういう細かい気配りも出来ちゃうオンナだし?」

 自画自賛しながらワイヤーを巻き上げ再び樹上へ。 さてさて、もうしばらく行けば話にあった小川があるのだろうが……
 川は、どんなモンになっているだろうか。 まぁ一人で超えられない様なら、ドッペルゲンガーに頼ればいいか。

「ひとーりよーりふたりがいいのぉ、ふたーりよりもっともっとぉ♪ いやん、俺ちゃん寂しがりの欲張りさん?」

 楽観的に考えながら、調子の外れた歌を口ずさむ。
 そんな変わり者な美影であったが、樹上を颯爽と跳ぶその姿は何故だか妙に様になっており、美しい姿だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リシェリア・エスフィリア
気になる異性、とかは。私には縁のないお話だけれど。それは関係がない。
誰かに何かが起こってからじゃ遅いもの、ね。

山道を歩くのには慣れているけれど、オブリビオンの影響があるなら話は別。
焦らず奥に進む。

追跡に長けた技、【盗剣士の記憶】で、野生動物の動きを探り安全なルートを割り出す
森のことは、住んでいる動物に聞くのが一番だろうから
(……ディザ、かつての使い手を記憶した戦技。手段を選ばない男だったけど、確かな信念もまた、持っていた。……もういない。)

動物は私が近づくと、あまりいい顔をしない
本能的に、私が呪いの魔剣だと理解するのだろう
だから、遠くから眺めるだけ。変化のある景色は、嫌いじゃない



●獣道を抜けた、その先に

 太陽が西の空に沈み始め、森に差し込む光にも夕暮れの色が混じり始める時間。
 もうしばらくすれば、夜の闇に包まれてしまうであろう森の中にあっても、少女……ヤドリガミの映し身であるリシェリア・エスフィリア(蒼水銀の魔剣・f01197)の歩みに、迷いは無い。

 ……森の中を歩むのには、慣れている。 もう少し歩みを早めても、問題はない。
 だが、この森は今、オブリビオンの影響を受けているのだ。 ほんの少しの油断も、危機に直結するかも知れない。
 堅実はその考えと行動も、探索における一つの正解であるはずだ。

(気になる異性、とかは。 私には縁のないお話だけれど)

 自らを導く青く小さな光……魔力塊の後を追いながら、リシェリアは思う。
 多くの使い手との出会いと別れを経て、ヤドリガミとしての身体を持ったリシェリア。 そういった話には、まだいまいちピンと来るところがない様子。
 だが、そんな事は置いておいて。 誰かに、何かが起こってからでは遅いから、と。 猟兵としての使命感が、リシェリアの身体をこの場に導いていた。

 魔力塊が導く道は、次第に獣道へと変わっていく。 森に棲む動物たちとて、水場が無ければ生きられない。 そうした水場……恐らく、事前の話にあった川へと通じる道が、この獣道なのだろう。
 森のことは、住んでいる者達に聞くのが一番だろうと。 追跡を得意とするこの技を選択したリシェリアの勘は、外れなかったようだ。
 リシェリアの前には、彼女を導いた魔力塊と同じ、青い魔力塊が浮いている。 その下には、一匹の野兎。 突然現れたリシェリアに驚いたのか、野兎はまさしく脱兎の言葉通り、森の奥へ逃げ去った。 彼女を導き、また野兎を追跡していた魔力塊も、役目を終えたと言わんばかりに虚空に消えて行く。

(ディザ、かつての使い手を記憶した戦技。 手段を選ばない男だったけど、確かな信念もまた、持っていた)

 消えていく魔力塊を横目に、かつての使い手の事をふと思い出す。 彼を滅びへ追いやったのは、呪われた魔剣である自分だ。
 ……きっと、動物達も。 本能的に、自分が呪われた存在なのだという事を、理解するのだろう。
 だから、動物に逃げられる事を残念だとは思わない。 それよりも……

「……変化のある景色は、嫌いじゃない」

 そう、リシェリアの見る景色が、大きく変わった。
 彼女は森を抜け、件の小川に辿り着いたのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『ここに激流があるじゃろ』

POW   :    関係ねぇよそんなもん!気合で渡る

SPD   :    要するに流されなければいい。岩や水面を跳び渡る

WIZ   :    大人しく迂回路を探すか作ってしまおう。橋を探すか作る

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●溢れ流れる激流を前に

 森を抜け、日が落ちて。 夜の森を行くのは危険であろうと、川の畔で休息を取って。
 翌朝猟兵達が眼にした川の流れは……激流へと、変化していた。
 ……おかしい。 昨晩は、確かにここまで激しい流れでは無かったはずだ。 現に、森に棲む動物達も突然の変化に困惑気味な様子を見せているのを、一部の猟兵は感じ取っていた。

 これも、この先にいるというオブリビオンの仕業なのだろうか?
 疑問は尽きないが、まずはこの激流を超えて対岸へ渡らねばならないのは確か。 猟兵達は、暴れ川を超える事が出来るだろうか……?
緋桜・美影
「わおわお、ほんとーに俺ちゃん好みのアクティビティが続くねぇ」
【SPD】ダッシュ・ジャンプ・視力。『スカイステッパー』
・まずは足場にできそうな岩場を確認。多少間が開いてもOK。
・ある程度目星がついたらダッシュで助走を付けて跳躍、足場を蹴りつつ前進する。距離が足りなかったり漂流物で計画が狂ったら『スカイステッパー』でフォローする。使えそうならフックシューターも使う。
・ぱぅわーで渡河や俺ちゃんみたいに跳ぶ人のために、休憩出来そうな足場で止まって手を振っておく。
「ここ休憩ポイントね~、お安くしておきますよん♪」(くねくね)
・渡河したら木の上に移動して後続に漂流物の注意とかアドバイスとか。


ティエル・ティエリエル
「うわー、大洪水だ!朝になったら川で水浴びしようと思ってたのに!!」
急に増えた水嵩にビックリ&プンスカする妖精姫。

「でもでもー、飛んでいけばラクショーだよ☆」と言いながらみんなが渡れるようにお手伝いだよ♪
「動物と話す」を使って近くにいる動物さんに丈夫な蔦がある場所を教えてもらうね。
それで、丈夫な蔦をぎゅぎゅって結んで向こう岸まで届くようなロープにしたら、あっちまで飛んで結んでくるよ。

よし、それじゃあ念のため身体にロープを結んで向こう岸まで行って来るね☆
川を渡ってる間に何かあれば【スカイステッパー】も使って緊急回避だよ!



●激流がある? なら飛べば(跳べば)いいじゃない!

「うわー! 大洪水だー!!」

 暴れ水の立てる音よりも響く、少女の高い声が川面を渡る。

「朝になったら川で水浴びしようと思ってたのに!!」

 川の変化に驚きと、それ以上に不満を露わにするのは、ティエルである。
 現在、猟兵達は森の中での行動中。 全身を清める機会など早々あるものではない。
 そんな機会を潰されたのだから……不満が漏れるのも、当然であろうか。

「……でもでも、こんなの飛んでいけばラクショーだよね☆」
「そーそー。 いやぁ、ほんとーに俺ちゃん好みのアクティビティが続くねぇ」

 ティエルの隣で余裕の笑みを浮かべるのは、美影。 彼女にとってはこの激流超えというシチュエーションも、エクササイズ程度の労力でしか無いということか。
 ……それだけの身体能力を備えているのは、森を軽々と抜けてきたその事実が証明していると言える。

 みんなが渡れるようにお手伝いだよ♪ と言いながら、様子を伺いに出てきた動物達の下へと飛んでいくティエルに軽く手を振り見送りつつ、美影の視線は川へと向かう。
 その視線は鋭く、獲物を狙う狩人のそれだ。 足場に出来そうな岩場、流れ着いた樹々や土砂が詰まる所、対岸の様子を見極めつつ、自身が川を渡りきる姿をイメージする。
 どんな事でも、自身が成功するイメージを描けなければ達成は危ういものだ。 幾度か脳裏でイメージを踊らせて……瞳を見開くと、美影の身体が宙を舞う。
 水飛沫で濡れる岩場を、積もる漂流物を。 中空を蹴る事で飛び越えて、軽やかに空を駆ける美影の身体。
 上流から流されてきた大木を蹴る事で後続の者達が渡りやすい様に道を作ると、その上に立ち一休みするように後続へ向けて手を振る。

「ここ、休憩ポイントね~、お安くしときますよん♪」

 更にはしなを作り、艶かしく身体を踊らせる程の余裕のアピールである。
 そんな小ネタも挟みつつ、再び空を蹴って激流を超える。 ここまで超えれば、もう何事も無く超えられたような物だ。
 ……保険で用意していたワイヤーを使うまでも無く。 美影は対岸の樹上にその身を踊らせて後続を待つのだった。

 一方、ティエル。 動物に聞き込み得たのは、近場にある丈夫な蔦の場所。 加工して、ロープ代わりにしようというのだ。
 動物達からの情報と、自身の勘。 果たして蔦は無事に確保に成功。 小さな体を精一杯に動かして、長く頑丈なロープに加工する事にも成功した。
 ……あとはこのロープを、対岸に渡すのみ!

「それじゃ、行ってくるね!」

 念の為にと自身の身体にロープを結び、ティエルが空を飛んでいく。
 流れる川が危ないのならば、飛べば良いじゃない、と。 種族の特性を活かしつつ、仲間達の行動の為の手助けも用意する。
 身体は小さく、未だ未成熟なティエルであるが……その精神は、確かに立派な猟兵であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

未不二・蛟羽
すっごい流れっすねぇ
大っきな森もだし、野生って感じで盛り上がるっす!

野生、はあんま慣れてないけど、身軽さならちょっと頑張れるっす!

【ダッシュ】からの【スカイステッパー】で川と飛び越えていくっすよ!
途中着地に使えそうな岩場、足場は【野生の勘】で判断っす、滑らない岩場とかを狙うっす!

それでも距離が足らなそうなら【水守】で特大の氷を川に撃つ、もしくは槍の形にして漂流物を縫いとめて、一時凌ぎの足場にするっす
足場になるといっても氷だから、滑らないよう要注意っすね
他にも足場に困っている人とかいたら、こっちもあるよーってアピールするっす。仲間は大事っす!



●足場が無い? だったら造ればいいっすよ!

「いやぁ、すっごい流れっすねぇ」

 未不二・蛟羽(絢爛徒花・f04322)が眼前の暴れ水を眺め、率直な感想を零す。
 鬱蒼と樹々の茂る森林、顔を出す動物達。 その全てが、まさに『野生』。 普段生活する場とは違う環境に、そのテンションも一層高い。

「まぁ、野生はあんまり慣れてないけど、身軽さならちょっと頑張れるっす!」

 言うやいなや、助走を付けて空中にその身を投げ出す蛟羽。 先に川を跳び渡った者の動きをトレースする様に、空中を蹴って川渡りに挑む。
 着地に使えそうな岩場を勘で見極め、先行者の作った足場に辿り着いた所までは順調だった。 だが、その先が……

「……あれ? もしかしてコレ、さっきより水量増えてるっすか?」

 蛟羽の見立ては正しい。 先程よりほんの少しだけだが、川の水量が増しているのだ。
 水量が増えるとどうなるか? 足場としていた岩場にも水が掛かり、滑りやすくなる。 もし滑って川に落ちたりすれば……猟兵と言えど、無事では済まないかも知れない。
 ……普通の人ならば、どうしたものかと考えるかもしれない。 一度戻って仕切り直しを考えるかもしれない。 だが、蛟羽は躊躇せず、再び空を駆ける!
 一歩、二歩と空中を蹴って、足元の濡れた足場の真上にその身を辿り着かせると……

「ミズチの怒り、思い知るっすー!」

 咆哮一声。 生み出した氷の礫を岩場と周囲の水面に叩き込む。 氷の礫は岩の温度を下げ、触れる水を凍らせ分厚い氷の足場を作る。
 足場が無いなら、作ればいい。 単純な発想ではあるが、それを出来る能力が有ったからこそ、実現出来た事である。 蛟羽の目論見は、上手く行ったのだ。
 ……ここで終われば、スマートだったかもしれないが。

「……っとぉ、おぉおおおおっすっ!?」

 氷の足場という事は、非常に滑りやすいという訳で。 いくら気をつけようとしていても、感覚が慣れないと中々難しい物である。
 空中を駆けた勢いのまま着地した蛟羽は、滑って転倒しそうになるのを堪らえようと、氷上でコミカルなダンスを披露する事になるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルーナ・リェナ
颯夏(f00027)と同行

うー……これ、この先には近寄ってほしくない誰かの仕業?
うん、そっか
進んでけば何かわかるかもしれないね

持っていければ長いロープと森の中で使えそうな蔦を採りながら
前の人がつけたらしいロープのところへ行く
後は持ってる材料を、ロープワークで補強しながら対岸へ
飛べない人って大変だなぁ


青葉・颯夏
ルーナ(f01357)と同行

急に増水した川……ね
考えるだけじゃ解決できないわ
とにかく先に進みましょう

ルーナ、あなたじゃそのロープは持てないでしょう?
重そうなものは代わりに持って移動
ルーナがロープを補強している間は周囲を警戒
川を渡るときは飛行

……飛べることも偶には悪くないって思うわ



●空を飛ぶから出来る事

 対岸へと繋がる蔦の縄。 その蔦を見て、手を加えようとする少女が二人。 ルーナ・リェナ(アルコイーリス・f01357)と青葉・颯夏(悪魔の申し子・f00027)だ。
 持ち込んできたロープ、森で得た蔦。 それらの素材を使って、先行した者が設置した縄を補強しようと言うのだ。

「飛べない人って大変だなぁ」

 颯夏から材料を受け取って、ルーナが補強するように縄を編み込んでいく。 蔦は頑丈だったが、より一層強靭に、簡単には切れない強度になっていく。
 このまま残しておけば、猟兵達のみならず、今後の村人達が奥地へ向かう時にも役立つ様になるかもしれなかった。
 そんな作業の様子を、颯夏は横目に見ながら周囲を警戒。 飛行する限りは川の影響は無いと思えるが、ここはオブリビオンの影響を強く受けた地だ。

(……急に増水した川、ね)

 現に、颯夏の眼下を流れる川は、一晩でここまでの暴れ水へと変貌を遂げている。 何が起きても、不思議ではない。
 そんな周囲を警戒する颯夏の様子を感じ取ったのか、ルーナも一端作業の手を止め、羽を休める様に縄に腰を下ろして一旦休憩。

「うー……これ、この先に近寄ってほしくない誰かの仕業?」

 眼下を見下ろしながら、ルーナはどこかウズウズとした様子。
 オブリビオンが何を企み、どの様にしてこんな現象を引き起こしたのか。 人一倍の知識欲と好奇心を持つ彼女に取って、この川の変化も、森の変化も、興味を誘う物なのだろう。
 そんなルーナの反応に、手慣れてしまっているのだろう。 颯夏はどこか、そっけなく。

「そうね。 でも、考えるだけじゃ解決できないわ」

 とにかく先へ進みましょう? と作業再開を促す颯夏に、進めば何かわかるかもしれないと、再びロープワークに取り掛かるルーナ。
 着実に進むその作業の補助をしつつ、颯夏はまた川へ視線を向ける。 暴れ川の水量はまた僅かに増したように思える。
 ……もし二人が空を飛べなかったら、渡河には相当な苦労を強いられた事になるはずだ。

(……飛べることも、偶には悪くないって思うわ)

 オラトリオである事を隠す彼女に取っては、その象徴である翼も好ましくない存在だ。
 そんな存在が、今彼女の身を助けている。 その事実に、彼女は小さく溜息を吐くのだった。

 ……こうして猟兵達は、それぞれの手段で暴れ川を超える事に成功したのだった。
 果たして、この森の異変を引き起こした者の正体とは、一体何物なのだろうか……?

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『息吹の竜『グラスアボラス』』

POW   :    フラワリングブレス
【吐き出された息吹 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【咲き乱れるフラワーカッター】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    ガーデン・オブ・ゲンティアナ
自身の装備武器を無数の【竜胆 】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    フラワーフィールド
【吐き出された息吹 】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を花畑で埋め】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ナイツ・ディンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●森の奥地に潜むもの

 暴れ川を超え、猟兵達は森の奥地へと辿り着いた。
 見慣れぬ果実が生る樹々は、村人達が本来欲する例の実なのだろう。 だが、それは今は猟兵達がどうこうする物ではない。
 猟兵達の今回の目的は、この森の奥地に出現したオブリビオンの討伐なのだから。

 ……鼻の効く猟兵ならば、気付くかもしれない。 森の更に奥の方から、鼻を擽る芳しい花の香りが漂ってくる事を。
 香りに誘われて脚を進めれば、開けた場所に出るだろう。 猟兵達の眼の前に広がる風景は、一面を様々な花が覆う花畑。 猟兵達が見慣れた物も、見慣れぬ物も、季節の合う物も、合わない物も、様々な花々が乱れ咲く、そんな花畑だ。
 そんな幻想的であり無秩序である花畑の中央に鎮座する、巨大な姿も視界に入るだろう。

 巨大な尻尾と翼を持ち、花畑に寝そべるその存在の頭部には、巨大な角。 吹き出す鼻息に花が揺れ……その先に、また新たな花が芽吹き、花開く。
 ……一見すれば、温厚そうな竜である。 だがその息吹には、花や植物を成長させ、侵食していく力があるのだ。
 そうして侵食、拡大を続けていけば。 やがて森は人里と、その地に住まう人々を飲み込んでしまう事に、なるかもしれない。

 ……村の人々の暮らしを護る為、この場で討たねばならない。
 猟兵達は武器を構え、花と息吹の竜へと立ち向かうのだった。
ティエル・ティエリエル
アクビをしているのんきなドラゴンを見て妖精姫の一言。
「なんだかちょっとどんくさそうなドラゴンだね?」

戦いが始まったら、【ライオンライド】で体長40cm程度の子供の黄金のライオンくんを呼び出して「騎乗」。
グラスアボラスの周りをぐるぐる回りながらレイピアで刺して回るよ!
普通に刺しても刺さらないだろうから装甲の薄そうな目や爪の間とかを狙った「鎧無視攻撃」を狙うね♪

【竜胆】の花びらで攻撃してきたら「見切り」を発揮して、巧みな「騎乗」技能も使って華麗に回避するね!
「ふふーん、そんな攻撃当たらないよ!悔しかったらもっと速く動いてみなよ☆」

無事戦いが終わったら例の果実も持って帰っていいのかな?かな?


桐・権左衛門
なーんか途中からの参加でえらい事になっとるな

温厚そうな竜やし、花と植物を成長させるなんて場所が場所なら崇め奉られるかもしれんのに残念やわ。
討伐せなあかんけど、化けて出てこんといてーな

狐火を最大数操作し急所を探索した後に【マヒ攻撃9】を試みる
まずはその巨体で効果的な弱点を探らせて貰うとしよか

なんなら【空中戦1】も使用して翼とかも探してみるで

弱点なり嫌がる箇所を発見したら狐火を重ねて集中攻撃するで

最低限周囲の花や植物に被害を出さない様に闘い討伐できれば
周囲の花を搔き集めて供養をしっかりするで

姿が隠れるまで、花嵐が発生するまでがせめてもの供養やね
あー…なーんか後味悪いなぁ と髪を靡かせながら呟き


ソフィア・テレンティア
一見温厚に見えても所詮はオブリビオンということですか。
これ以上この領域を広げさせるわけにはなりませんね。申し訳ありませんが、ここで果てて頂きましょう。
敵本体と●フラワーフィールドを纏めて【魔導式収束光発生装置・紫眼】の収束光線により一閃し薙ぎ払いましょう。
これだけで倒し切れるとは思いませんので、上記行動で強化領域を消した後はさらに【歌唱魔導蒸気機関】にて【歌唱】による詠唱を行い【全力魔法】で攻撃いたします。
竜種相手ですので、油断する訳にはまいりません。最初から全力全開でございます。





「なんだか、ちょっとどんくさそうなドラゴンだね?」

 花畑の中央に座す花と息吹の竜を見てのティエルの率直な感想である。
 確かに、竜と言えば獰猛かつ強靭で、『アックス&ウィザーズ』世界における圧倒的強者の一角に位する者達である。 しかし眼前の竜は、威容は備えているのだがどうにも覇気という物が無いような。

「こんなに温厚そうな竜やし、場所が場所なら崇め奉られるかもしれんのに、残念やわぁ」

 同じ様に、どこか気乗りしない様な様子を見せるのは桐・権左衛門(妖怪ケツバット・f04963)。
 花や植物を成長させる能力。 確かに、場所が場所ならば重宝される能力である。 農村などでなら、それこそ神として崇められるだろう。
 そんな存在を、これから討とうというのだ。 気が乗らないのも致し方ない。 ……決して、遅れて参加したから気後れしているのでは無いはずだ。
 ……しかし、そんな印象を抱かせても、竜は竜。 周囲の環境を塗り替えていく能力を持つ、ある意味では他の竜よりも厄介な能力を持つのが、目の前の竜なのだ。
 その能力を放っておいては、遠からず近隣の、村々の営みに脅威が迫るのは必定だ。

「……一見温厚に見えても、所詮はオブリビオンということですか」

 その能力の厄介さを正確に認識し、脅威であると認めるのはソフィアだ。
 これ以上、この花畑や森林が拡大していく事は、止めねばならない。 この竜に悪意は無いのだとしても、猟兵達はこの世界に生きる人々の営みを守らなければならないのだ。

「申し訳ありませんが、ここで果てて頂きましょう」

 ソフィアの決意表明を皮切りに、戦闘が始まった。



 三人の内、もっとも早く動いたのは小さな妖精姫、ティエルだった。
 お供の子ライオンを喚び出して、その背に跨ると人騎一体。 花と息吹の竜に果敢に挑みかかる……が、ティエルの表情は、何やら考え込んでいる様子。
 眼の前の竜は、花畑の伏して動こうとしない。 挑みかかる猟兵達の事もさして脅威と思っていないのか、悠然とした様子を守っている。
 ……隙だらけのその姿だが、逆を言えばそれだけの余裕を持つ自力というのがあるのだろう。 実際、ティエルは数度レイピアを突き刺し入れてみたが、硬い表皮はまるで鉄の塊の如くレイピアは弾かれていたのだ。
 普通に刺しても、ダメージを与えられない。 ならば、柔らかそうな所を探してみようと、竜の周囲をグルグル回って見ると……

「……あ、イイコト思いついちゃった☆」

 ニヤリ、とイタズラを思いついたと言わんばかりの表情を浮かべ、ライオンを走らせる。 グルっと回って辿り着いたのは、右の前足。 その指の一本、爪と肉の間を狙い澄まして……

「えいっ!」

 レイピアを、グサッと一刺し! これには竜も堪らず、これまでの悠然とした態度をかなぐり捨てて、痛みの声を上げながらの大暴れである。
 イタズラな妖精を押し潰さんと手足や尻尾を振り回し、無数の竜胆の花弁がティエルを押し潰さんと迫る。 逃げる隙間も無い程の圧倒的なその花弁の壁を……

「おっと、そうはいかんよっと……!」

 迎撃するのは、狐火の炎。 権左衛門の操るそれが、花弁を燃やしてティエルの逃げ道を生み出す。
 焼かれた花弁が変じていたのは、ティエルに刺された爪だったのか。 竜は更に悲痛な声を上げて、のたうち回る。
 温厚そうな竜だ、と感じた相手が見せるその仕草に、権左衛門の顔も若干曇りがち。 だがすぐに、気持ちを切り替える。
 追加で生み出した狐火を、合体させて強化。 狙うは竜の指先に生まれたその傷だ。

「後味悪くなりそうやけど、討伐せなあかん。 ……化けて出てこんといてーな!」

 弱い所を突くのは兵法の常。 離脱し、再びレイピアを突き入れるティエルと呼吸を合わせる様に、狐火を集中して叩き込む。
 ……その連続攻撃が、花と息吹の竜の怒りに遂に火をつける事になる。

 スゥゥゥゥゥッ、と。 竜の鼻腔が膨らんで、周囲の空気をその肺の内に取り込んでいく。 その勢いたるや、周囲に咲き乱れる花を根こそぎ吸い込みかねない勢いである。
 そんな竜の様子に、小さなティエルが吸い込まれそうになり慌てて離脱。 権左衛門がティエルを庇うように掻き抱き、何とかティエルが竜に吸い込まれるという悲劇を回避した、次の瞬間だった。

 ──ふぅぅぉぉおおぉぉぉん!!!!

 溜め込まれた空気。 その全てを吐き出すかのような勢いで、花と息吹の竜が息吹を……咆哮をあげる。
 張り出されたその咆哮は、無数の花弁を伴いながら全てを切り裂く様な突風と化し、ティエルと権左衛門を切り裂こうと……した所で、一条の光がその全てを焼き払う!

「最初から、全力全開でございます」

 ……咆哮を焼き払ったのは、ソフィアの一撃だ。
 彼女の同型機の残した力。 その力の一端……ソフィアの右目の紫の瞳。 そこから放たれた、極限まで収束された光線が、竜の息吹を薙ぎ払ったのだ。
 そんな光を放つソフィアは、まだまだこれからだと言わんばかり。 喉を震わせ、花畑に、森中に響くような澄んだ声で、謡う。
 彼女の持つ魔導蒸気機関が呼応し、魔力を高め……右眼に瞬く魔力光が、収束され、圧縮され、放たれる!
 眩い閃光が花畑を、森を切り裂き、竜のその身を貫いて……

 ──ぎゅぅぅぅぉぉおおおおおぉぉっ!!!!

 身を貫く激痛に、今までのどれよりも激しい叫びを上げる竜。
 ……並の相手なら、決まった一撃だった。 だが、相手はこの世界の圧倒的強者。 その生命力も、並ではないのだ。

「……流石は竜種。 油断する訳には、まいりません」

 花畑を舞台とした戦いは、一層激しさを増しそうであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

緋桜・美影
【SPD】で引っ掻き回して後々の仲間の布石にする。
『シーブス・ギャンビット』
「俺ちゃんこうゆーガチンコは苦手なんすけどねぇ」
・各種移動技能やフェイントを使って竜をかく乱、聞き耳や第六感、見切りを使って竜の攻撃を察知して回避を試みる。
・移動しながら視力でニードルダガーの通りそうな場所の目星をつけておく。
「怒ってばっかりいるとぉ…動きを読まれますよん!」
・攻撃の合間を縫ってダッシュとジャンプで接敵、早着替えでジャケットを脱ぎ捨て加速を増した「シーブス~」でダガーが通る場所(足や翼の付け根、口内、届くなら眼)を鎧無視攻撃で貫く。
「俺ちゃんのショータイム、イケてるっしょ?」





 与えられた痛みに叫ぶ竜を前に、余裕の表情を浮かべる猟兵が一人。

「俺ちゃん、こうゆーガチンコは苦手なんすけどねぇ」

 美影は飄々とした態度を崩さない。 それもその筈、ここまで彼女はそのスキルと身体能力を活かし、相当な余裕を残してここまで来たのだから。 そしてその余裕は目の前の花と息吹の竜を前にしても、崩れる事はない。
 暴れまわり、振り回される竜の爪や尾の一撃を巧みな立体機動とフェイントを駆使し、時に相手の呼吸や視線を読み切り、時には勘に従って。 五体五感に六感も加えた全てを活かし、美影は竜を翻弄する。
 翻弄される竜も振り回される状況に痺れを切らしたか。 面を以て押し潰さんと、爪と尾を再び無数の竜胆の花弁に変えて、攻勢を強める。
 自身を覆う、這い出る隙間も無い様な一面の花弁。 今まさにその中で押し潰されようとする美影だが、その中にあっても……

「……怒ってばっかりいるとぉ……動きを読まれます、よん!」

 彼女が浮かべるのは、崩れぬ不敵な笑み!
 花弁が迫り押し潰したのは、美影が纏っていたジャケットのみ。 美影自身の姿はと言うと……既に竜の眼前に、肉薄している!
 目にも留まらぬ早さでジャケットを脱ぎ捨て、身軽になった事で加速。 迫る花の渦を強引に突破し、その勢いのまま光線に灼かれた傷口にダガーを突き立てると、軽やかな身のこなしで竜を頭上を超えてその背に着地する。
 あまりの早業に、何が起きたか判らないという表情を浮かべる竜。 傷口に突き立てられたダガーを認識し、遅れてきた痛みを感じ……竜の叫びが、森に響いた。

「俺ちゃんのショータイム、イケてるっしょ?」

 そんな竜の姿を背景にしてもなお、美影の様子は飄々としたもの。 色気たっぷりのしなを作って、決めポーズを決めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

未不二・蛟羽
なんか…竜だけど可愛いっす?
あんまり敵意無さそうっすけど…うーん、皆の迷惑、になっちゃうなら、仕方ないっすよね
野生の掟、ってヤツっす!つまり、正々堂々戦って、勝ったら恨みっこ無しっす!

咆哮勝負なら、負けないっすよ!
飛んでくる花弁はこっちも負けずに吼えて、【水守】で撃ち落としつつ、【ダッシュ】、【スライディング】で距離を詰めるっす!

ギリギリまで接近できたら、【ガチキマイラ】で尻尾の蛇をライオンの頭に変えて、思いっきり噛み付くっす!
ついでに、口の大きさも勝負、するっす?

散った花を見て、ちょっと勿体無い、と思いながら
村の近くじゃなくても、オブリビオンだから、結局は皆困っちゃうっすよね…
難しいっす…





 戦闘が始まる前、蛟羽は花畑に臥す竜を見て何とも言えない気持ちになった。
 悪意も無く、敵意も薄く。 ただただのんびりとしていた花と息吹の竜に対して、『可愛い』という印象すら抱いていたのだ。
 だがそんな相手でも、その能力によって今を生きる人々の障害となってしまう可能性は高いのだ。 皆の迷惑になるのなら、仕方ないと気持ちを切り替える。

「正々堂々戦って、勝ったら恨みっこ無しっす!」

 戦い、生き残った方がこの先の時間を謳歌出来る。 自然界、野生の掟に、従う時は、まさに今。
 仲間達は奮戦している。 竜もその身に多くの傷を負っている。 特に光に灼かれ、刃を突き立てられた傷口は並の生命体であるならば致命傷となるはずだ。
 ……狙いは、その傷口だ。 戦場を乱れ舞う花弁を撃ち落とし、ダッシュとスライディングを活かした身のこなしで回避しながら、一気に距離を詰めていく。
 仲間達の陽動の動き、花弁を灼く炎や光など、皆が創り出した状況を活かす事で、蛟羽は竜の眼前まで辿り着く。 ニヤリと、口元を歪める蛟羽。

「ついでに、口の大きさも勝負、するっす?」

 言うやいなや、彼の尾に宿る蛇がその姿を変える。 巨大なライオンの頭部の姿と取ると、竜の傷口にその歯を突き立てる!
 その歯は硬い表皮を破り、肉を噛み潰し、骨を砕く。 地には竜の赤黒い血が流れ、花々を濡らし……花と息吹の竜の、断末魔の叫びが再び森に響いた。
 生命力を失い、消えゆく竜の身体。 本来この場には存在しない花々も、消えゆく竜と共にその姿を散らし、虚空へと消えていく。

「……村の近くじゃなかったら。 でも、オブリビオンだから結局は……難しいっすね」

 散って消えゆく花々を見つめて、勿体無いよな感覚に囚われながら蛟羽が呟く。
 先に思っていた者が居たように、場所が場所であるならば、この竜は崇め奉られただろう。 ……オブリビオンでさえ無ければ。
 オブリビオンは、やがて世界を滅亡させる。 その滅びから世界を救う存在が、猟兵だ。
 今を生きる人々の、未来を護る為に。 難しい事かもしれないが、これからも猟兵達は務めを果たし続けなければならないのだ。

 ともあれ、こうして猟兵達は確かに、この場での務めを果たす事に成功したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月01日


挿絵イラスト