帝竜戦役⑱〜珊瑚温泉と七色アンコウ
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「皆さん、郡竜大陸での戦いは順調ですね」
私からも予知をお知らせしますと皆さんの前に現れたのは羽柴・詩織(白鱗の學徒兵・f23413)だ。
詩織はグリモアの力を引き出し、予知した内容を投影しながら説明を開始した。
「私が予知したのはサウナ珊瑚が群生している温泉地帯での予知です」
既にこちらの戦場で戦闘した方もいるかもしれませんが、サウナ珊瑚の効能で特殊な温泉地帯になっていますと説明する。
なんでも、温泉によって何かしらの感情が爆発的に湧き上がってくる特殊な性質を持っている温泉のようだ。
「とてもやっかいな効能ではありますが、実はその感情を我慢すればするほど温泉に浸かっている人の戦闘力が増強されるようです」
なので、温泉に浸からない様に戦うこともできる方もおられるかもしれませんが、この特殊な効能を味方につけて湧き上がる感情を抑えて冷静に戦ってみては? と詩織は皆さんを見渡しながら提案した。
「あ、ちなみに予知の範囲の温泉の効能は、『泳ぎたくなる』です」
広い温泉なので少しばかり気持ちは解らないでもないですが、頑張って我慢してくださいねと伝えながらオブリビオンの説明に移る。
「予知で判明した敵ですが七色鈴蘭のふくれアンコくんと呼ばれているオブリビオンですね」
あらゆる地形に適応し擬態するアンコウ型のオブリビオンで食べたら美味しいらしいが、今回は温泉の効能に耐えながらの戦闘の為食べるのは少々難しいかもしれない。
「ちなみにアンコくん達は温泉の効能を我慢できなくて温泉内を泳ぎ回っています」
なので、敵側が温泉の効能で強化されることはないので安心してくださいと伝えつつ、敵の詳細説明に入る。
「アンコくんの主な攻撃方法は噛みつきなどですね」
自身から30cm範囲の対象に強力な噛みつき攻撃をする技、30cm以内の地形を砂泥状化に変えて潜る技、変わり種で鈴蘭灯と呼ばれる光源部分から催眠光を発して眠らせた相手を胃袋内に収納してしまう技などがある。
「最後のユーベルコードをくらった場合は暴れたら脱出できるので歯に気を付けながら脱出してくださいね」
起きたら胃袋の中って状況は吃驚するでしょうが落ち着いて対処してくださいと皆さんに説明した。
「それと群生しているサウナ珊瑚についての補足ですが、親指程度の大きさの欠片でも金貨100枚の価値があるそうです」
成分が摩耗することもなく水を温泉に変えれる代物だ。世界によってはクリーンな火力発電などにも使える可能性があると考えられる。
そう言った目的で回収してもいいし、単純に個人で温泉を楽しむ為に回収してもいいかもしれない。
全ての説明を終え、詩織は転送の準備に取り掛かり始める。
「気持ちのいい温泉での戦いは効能を抜きにしても大変かもしれませんが、皆さんの勝利の報告待っていますね」
戦場付近へと転移していく猟兵達を見送りながら彼女は微笑むのであった。
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湯気が立ち込めて程よい温度で疲れを癒してくれそうな温泉地帯、その温泉内をすいーと楽し気に泳ぐ影があった。
予知で説明を受けた七色鈴蘭のふくれアンコくんである、どのアンコくんも泳ぎながら温泉を楽しんでいた。
一見平和な光景であるが彼らはオブリビオン、猟兵と出会えばたちまちに戦闘モードとなるだろう。
それを証明するように転移した猟兵が戦場にやってくるとその目つきが替わり猟兵達を撃退して再び温泉で楽しく泳ぐべく戦闘態勢を取り始めた。
今、珊瑚に彩られた温泉にて猟兵達とオブリビオンの戦いが始まろうとしていた。
高月 渚
お世話になってます。高月 渚です。
この依頼は1章で完結する戦争シナリオとなっています。
OPにも記載しましたが以下の行動がプレイングボーナスとして付与されます。
『プレイングボーナス……「爆発的な感情」を発露させた上で、抑え込む。』
このシナリオでは泳ぎたくなる感情を抑え込んで戦っていただきます。
『プレイグと執筆について』
OP公開後、参加者様のタイミングで送信していただいて大丈夫です。誰かと一緒に参加する場合は文頭にグループ名や相手のお名前とIDなどを記入後、近いタイミングで送信をお願いします。
執筆にはお時間を頂くことになるかもしれませんのでお急ぎの方はご注意ください。
『財宝について』
財宝の設定は、
「サウナ珊瑚」……水を温泉化する、成分が摩耗することもない不思議な珊瑚です。おそらくクリーンな火力発電としても利用でき、親指大のひとかけらでも、金貨100枚(100万円)程度で取引されます。
となっています。実際にアイテムが発行されるわけではなくフレーバー程度のものですが欲しい方はプレイングに明記していただければ、戦闘終了後獲得とさせていただきます。
それでは皆様のご参加お待ちしてます。
第1章 集団戦
『七色鈴蘭のふくれアンコくん』
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POW : かみつきっ!
【潜行からの飛び出し噛みつき】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : もぐるっ!
【体から30cm以内の地形を対象に砂泥状化】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
WIZ : まるのみっ!
小さな【鈴蘭灯から催眠光を放つ。強烈な眠気と光】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【胃袋で出口に返しの歯が並ぶ。暴れること】で、いつでも外に出られる。
イラスト:Miyu
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
護堂・結城
泳ぎた…くはなるけど噛み付いてくるやつがいる中で泳げるかぁ!?
先に退治して安全確保しねぇと…!
【POW】
戦闘開始と同時に【水上歩行】
氷牙をグリーブに変化させ【怪力・踏みつけ・衝撃波】で温泉のお湯越しに攻撃
【歌唱・大声】に【生命力吸収】をのせて戦場に溢れた感情を喰らう【大食い・範囲攻撃】
自身の泳ぎたい衝動を念入りに喰らって抑え込み、敵からは冷静にならない程度に加減して吸収だ
「いや、泳ぎに来たんじゃないだろ俺、本題の戦争忘れちゃだめだろ」
指定UCを発動、【焼却・属性攻撃】をのせた白き劫火の剣群を召喚
剣群を温泉に突き立てては炸裂させて【爆撃・衝撃波】で攻撃だ
「泳いでるところ悪いが道開けてもらうぜ」
噛み付いてくるやつがいる中で泳げるかぁ!? と当然のツッコミを心の中で叫びながらやってきたのは護堂・結城(雪見九尾・f00944)だ。
広い温泉で泳ぎたくなる気持ちは彼にも理解はできるがツッコミの通り噛み付いてくる危険生物の居る中で泳ぐなんてもってのほかである。
泳ぐにしてもせめて退治してからだよね。
ドラゴンランスの氷牙に視線を送り合図すると、氷牙はその槍に留まらず変幻自在に変身できる特性を活かして結城の足を保護するグリーブへと変化した。
これで万が一噛まれても安心だと思いながら水上歩行の技能を発動させながら結城は温泉を滑る様に歩いてみせた。
静かに歩む彼にいち早く気がついたアンコくん達が僕達の泳ぎを邪魔するなーと口をガブガブさせながら接近してくる。
「そんな噛みつき攻撃効くかよ!」
バシャっと温泉から飛翔し結城に噛みつこうとしたアンコくんをとてつもない怪力から繰り出される蹴り技をお見舞いする。
なんとか、蹴られながらも噛みついたアンコくんであったが、そのキバはグリーブに変化した氷牙に阻まれて、そのまま衝撃波を発生させた蹴りにより明後日の方向にぶっ飛ばされながらその命を一撃の下に散らした。
そして結城は流れる動作で水中から気を伺っていた別のアンコくんも踏みつぶす。
踏みつける時に勢いよく足を沈めたため水柱をあげ、水面は激しく波打っていた。
「まだまだ、数が多いな……それなら」
歌唱技能の応用で大声を出すときと同じぐらいの肺活量により、空気と共に戦場一帯の昂った感情を生命力吸収技能にて吸収しだす。
敵や自身の湧き上がる泳ぎたい感情を吸収するうちに結城の脳裏には泳ぎたい気持ちでいっぱいになる。
こんな広い温泉なんだ泳いだら楽しいのかもしれない、敵であるアンコくん達だってあんなに楽しそうに泳いで……。
「いや、泳ぎに来たんじゃないだろ俺、本題の戦争忘れちゃだめだろ」
冷静さにより昂る感情に飲まれそうになっていたのを何とか抑えた結城、だがそんな彼へとアンコくんの群れが仲間がやられてビビっていたが意を決して噛みつくこうと迫っていた。
危機的状況に見えるが結城は吸収した大量の感情を力に変えるべく動いた。
「――頭を垂れよ、死はお前の名を呼んでいる」
詠唱と共に結城が敵や自身から吸収した昂る感情が白き劫火の剣群へと姿を変え召喚される。
「泳いでるところ悪いが道開けてもらうぜ」
迫りくるアンコくんの群れ目掛けて却火の剣群を一斉に突き立てて爆発させた。
「----!?」
口をガブガブと動かしながらその剣群に刺されたり、爆撃に巻き込まれたアンコくん達、ユーベルコードの強力な火力により温泉から吹き飛ばされた彼らは泳げなくなった事に対して悲しそうな表情を一瞬浮かべると却火の炎に焼かれて消滅していった。
「よし、これで討伐完了っと」
オブリビオンの殲滅により安全になった温泉を確認しふぅっと息を吐きながら結城は次の戦場に向けて一旦帰路へと着くことにした。
温泉の効能でまだ少し泳ぎたい気持ちがあるが、今は戦争の方が大事だ、温泉に浸かるなら戦争に勝利してからだ……と自分に言い聞かせ彼はこの地を後にした。
大成功
🔵🔵🔵
ベール・ヌイ
泳ぎたくなるなら、泳ぎなくなればいいんだ
「改造セーラー服」で水上を立つ…と温泉の効果が得られなくなるので足首が浸かる程度に調整して浮かびます
これで泳ぎたくても泳げない、我慢するしか無い
相手を視認できたら【Доверенный обстрел】を起動
普段は地中を泳ぐ魚雷ですが、今回は温泉を泳がせます。魚雷だからいけるいける
そのまま相手の真下から魚雷で攻撃を続けます
…全部が終わったあとは、水着で泳ぎましょうかね
アドリブ協力など歓迎です
緋神・美麗
絡み・アドリブ歓迎
今回は温泉に浸かってアンコウ鍋を楽しんでお宝ゲットまでできる超素敵依頼ね。帝竜戦が続いてて疲れも溜まってたしゆっくり疲れを癒させて貰おうかしら。
泳ぎたくなる…いや、いくら何でも小学生じゃないんだから…。いや、本当に我慢よ、我慢…。
我慢の限界を迎える前に型を付けるべく速攻の構え
アンコくんの動きを戦闘知識・学習力・野生の勘・第六感・見切りで予測し、先制攻撃・二回攻撃・鎧無視攻撃・衝撃波を付与した出力可変式極光砲を攻撃回数重視で使用、誘導弾も付与して命中補正を掛けアンコくんを殲滅する
戦闘終了後アンコくんを捌いて鍋に
「アンコウ鍋って美味しいのよねぇ♪」
サウナ珊瑚も回収しておく
泳ぎたくなるなら、泳ぎなくなればいいんだと改造セーラー服に身を包みほんの少しだけ足首を温泉に沈めるようにぷかぷかと水上歩行するのはベール・ヌイ(桃から産まれぬ狐姫・f07989)、これなら泳ぎたくても泳げないので我慢するしかないと眠そうな顔つきで昂りだした泳ぎたい感情を抑え込む……。
「ねむぃ……」
ぼそっと呟くベール、もしかして眠気で感情抑えてます?
「今回は温泉にアンコウ鍋、それからお宝もゲットできるなんて超素敵な依頼ね」
ふふふとベールの隣で笑うのは緋神・美麗(白翼極光砲・f01866)だ。
帝竜戦が続いており、少しばかり疲れが溜まっている美麗は依頼ついでに温泉と美味しいアンコウを楽しませてもらおうとやってきたようだ。
彼女は真っ向から温泉の効能に立ち向かう気で普通にフリルが可愛い水着を着て温泉に浸かっている。
泳ぎたくなってくるが、いくら何でも小学生じゃないんだから……でも、少しだけ……いや、本当に我慢よ、我慢……。
年下のベールだってちゃんと我慢できているのだからお姉さんである私が我慢しないと、っとしっかり昂る感情を抑えながら、眠気に負けて温泉に沈みかけたベールを支える美麗。
「ん……ありがとう」
「気を付けてね、一緒に戦いましょう」
美麗の誘いにうん、っと静かに返事をするベールなんだか二人の周りの空気が微笑ましい。
が、そんな空気をぶっ壊すように猟兵倒すべしとアンコくんの群れが二人の元にもやってきた。
「まずはヌイに任せて」
と迫りくるアンコくんの群れへとまず立ち向かったのはベールだった。
「海じゃないけど……雷撃戦するよ……Урааааа!」
温泉だから普通に潜伏すればいいのに温泉を砂泥化して潜伏しながら向かってくるアンコくん達に向かって魚雷を発射するベール。
普通だったら当てるのに苦労するが敵が場所を解りやすくしてくれているのだ(彼ら敵には真面目に戦っているつもりなのだが)、しっかりと狙ったその魚雷の一撃は温泉の中を進むとアンコくん達の真下から命中し、哀れアンコくんスイスイ泳いでいたが空中へと吹き飛ばされる。
「--!?」
「すごーい! じゃあ追撃は私に任せて!」
これが私の全力だーっ! と指輪型の超小型極光砲増幅器を構えると空中を舞うアンコくん目掛けて、サイキックエナジーによって出力調整された電球を攻撃回数重視で次々射出していく。
無数の電球がバチバチ音を立てながらアンコくんへと命中し墜落。
温泉にぷか~っと浮かぶ倒されたアンコくんだが、消滅したりする気配がない。
だって、この後鍋にして食べるのだからね。そこはちゃんと出力調整しています。
「シャー!!」
魚雷と電球を潜り抜けた一部のアンコくんが二人の死角から噛み付こうと襲い掛かる。
「うわっ!?」
眠そうにしていた表情を吃驚した顔に変化させたベール避けれないと思ったが、それをすかさず助けたのは美麗である。
「あなた達の動きはお見通しよ」
アンコくん達の泳ぎ方を戦闘知識と学習力で観察し、野生の勘などで補い行動を予測していた美麗によって危機を脱した。
「さぁ、二人で止めを刺しましょ!」
「うん」
体制を立て直した二人は再び迫りくるアンコくん達へと魚雷と電球によるコンビネーションを叩き込む。
「----!!!!」
二人の息の合った攻撃にアンコくんの群れは一掃されたのであった。
「んーアンコウ鍋おいしー♪」
サウナ珊瑚も回収した後、美麗は手際よくアンコくんを捌き、全環境対応型キャンプセットを広げてアンコウ鍋を楽しんでいた。
そしてベールの方はと言うと黒色の水着に着替え、スイースイーと広々とした温泉を泳いでいた。
「ずっと我慢していたから楽しいな……」
眠そうな表情に楽しさをにじませながら泳ぐベールは年相応の子供らしさがあった。
一緒に食べましょうよー、もう少し泳いだらーなどとやり取りしながら二人は戦闘の疲れを癒すのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】(連携・アドリブ可)
「それ戦闘に制約が出ないかしら?」
フォルセティと一緒に温泉地帯へ。弟の秘策?で戦うことに
■作戦
何故か鉄のおもりを足につけ、普段着で戦うことで泳ぎたい気持ちを抑える
■行動
服のまま温泉に入るのは嫌だけど…
「確かに泳ぎたくなるわね」
思わず平泳ぎの態勢をとるも、このまま泳いだら確実に溺れると躊躇
溺れる恐怖で思いっきり泳ぎたい欲求をなんとか抑える
「それで、この状態でどう戦うつもり?」
大技で攻撃すれば良いとの弟の答えに呆れつつも、
オートフォーカスでふくれアンコくんをロックオンしたら、[スナイパー]で狙いを定めて
【バベルの光】を撃ち落として撃退する
フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】 (連携・アドリブ可)
「今回はボクに秘策があるよ!」
えっへん! 泳いだら溺れる状態になればいいんだよ
【行動】
ボクは重りを腰に巻いてゆっくり進むよ。
「なんだかスポ根漫画みたいだね」
温泉を浴びると泳ぎたくなっちゃうのはどうしようもないよね
でも重りがあると溺れちゃうし。とは言っても泳ぎたい。溺れる、泳ぎたい…
すっごく葛藤して頭の中ぐるぐるだよ。
「え、戦い方。遠距離から魔法でドッカーンすればいいんだよ」
ということで実践開始。泳ぎたいのを我慢しながら、ふくれアンコくんの一群に狙いを定め
(全力魔法)でカラミダド・メテオーロだよ
隕石ドッカーンと落として撃退するよ
「今回はボクに秘策があるよ!」
えっへん! 泳いだら溺れる状態になればいいんだよと完璧な秘策だよね! と胸を張って腰に重りを巻き始めたのはフォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)。
「それ戦闘に制約が出ないかしら?」
本当に大丈夫と弟の秘策に不安を覚えているのは姉であるフィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)だ。
ダイジョーブ! ボクの秘策は完璧だからと言い張るフォルセティの笑顔に不安しかないわと返しつつ、心の中ではこんな所も可愛いわねと少しだけ思いながら、フィオリナも足に重りを付け始める。
「なんだかスポ根漫画みたいだね」
と呟きながらも笑顔で温泉に浸かりだすフォルセティ、泳ぎたくなるのは仕方ないよねと思いながらもコケたりしないようにゆっくりとした動きで進む。
フィオリナの方はと言うと重しの準備はできたのだが、服のまま温泉に入るのは嫌らしい……。
でも、水着とかで入ったらうっかり泳いでしまうかもしれないこれは感情を制御する為に仕方ないこと……と自分に言い聞かせながらも彼女も温泉に。
しばらく進む二人であったがそれぞれに変化が起こる。
「確かに泳ぎたくなるわね」
温泉の効能によりどんどん泳ぎたい感情を増幅させられたフィオリナが思わず平泳ぎの態勢を取ってしまい、はっと我に返る。
駄目よ私、このまま泳いでしまったら服が十分に温水を吸って重たくなっているし、何より足に重しを付けているのだから溺れてしまう。
そう、溺れることを考えると温泉に浸かっているのに妙な寒気が背筋を走る。
絶対に泳いだら駄目と溺れる恐怖も味方につけて感情を抑え込んでみせた。
そして、ふと気がついたのだが隣にいる弟がやけに静かだまさか溺れてしまったと慌てて隣を見たのだが……。
「泳ぎたい、でも溺れる、でも泳ぎたい……」
ぐ~るぐ~ると頭を揺らしている弟が。
「ちょっと、のぼせたりしてないでしょうね!?」
普段は弟に対してツンっとしてしまうフィオリナもこれは慌てて弟であるフォルセティのおでこを触り体調を確認する。
「ふぃ~重しがっても泳ぐにはどうしたら~あ、でも泳ぐの我慢しないとなんだった~。」
ふにゃ~と頭をぐるぐるさせているフォルセティ、どうやら昂る感情と葛藤しすぎて目を回しているだけのようだ。
このまま放置してたら宇宙の真理にでも到達してしまいそうなぐらい思考が迷走している弟の状態にどうしたら……と考えていたらパシャパシャと温泉をかき分ける音が。
「……それで、この状態でどう戦うつもり?」
「ふぇ~?」
いつの間にかアンコくんの群れに囲まれていた二人。アンコくんは先端の鈴蘭灯を光らせて二人を胃袋の中に収めるべく眠らせようとしてくる。
襲い掛かる眠気にも耐えるフィオリナにん~……とまだ思考が定まらないフォルセティが出した結論は。
「遠距離から魔法でドッカーンすればいいんだよ」
幸い囲まれてても噛みつくつもりじゃないみたいだからある程度距離感あるしねと笑顔で武器である聖箒ソル・アトゥースを構えるフォルセティ。
そんな返答と態度に少しばかり呆れながらもフィオリナもVF-1オートフォーカスを装着し、狙いを定め始める。
「悠久に揺蕩う無限の星屑よ。星柩満ちて此へ集うは漆黒の紅炎」
ドカーンといっちゃえー! と詠唱に合わせてソル・アトゥースを振りかぶるとアンコくん目掛けて上空から隕石が降り注ぐ。
「--!!」
狙いすましたその一撃はアンコくんが回避する間もなく命中し、灼熱の巨大隕石が落ちたことで揺れる水面と温度が上昇する。
水面が揺れて他のアンコくんがその勢いにゆらゆらと流されているその動きをオートフォーカスで検出し、高速演算を行うフィオリナ。
「ただの魔法使いだと思った? 貫け、バベルの光よ!」
その詠唱と共に魔法の力によって世界間を超えた人工衛星からの高出力レーザーがこの世界に届き降り注ぐ。
「------」
驚異の演算能力によって繰り出されたそのレーザーはアンコくんの逃走経路も予想したうえで射出されており、次々と殲滅していった。
こうして、自分達に襲い掛かってきたアンコくんを討伐した二人であったが、
「ふぃ~大成功だね! さっすがボクの秘策!」
「それ本気で言っているの?」
さぁ、我慢しないで泳ぐぞーと重しを外して水着にも着替えたフォルセティに頭を抱えながら、フィオリナは私も水着に着替えて温泉だけでも楽しもうかしら……と重しを外しながら考えるのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流
普段からこういうの見ると泳ぎたくなる方だから、これはきつい。
ある意味狂気だから狂気耐性で耐え、伽羅と陸奥に噛みついて貰ったりひっかいて貰って正気に戻ろう。伽羅は飛べるから湯につからないし、陸奥も伽羅に乗ってて貰えば問題ない。
UC月華で真の姿になり催眠光に対抗。存在感を消し目立たないように立ちまわり、水上機動、水中戦で動きを地上と遜色なくし、アンコくんが近づいてきたら切り伏せる。
相手の攻撃は第六感による見切りで回避、しきれないものは黒鵺で武器受けで受け流し、カウンターを叩き込む。
それでも喰らってしまうものはオーラ防御で軽減、かつ激痛耐性で耐え戦闘継続。
ライドサーペントの伽羅とバディペットの陸奥を引き連れてやってきたのは黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)だ。
温泉に浸かり始めながら何とも言えない困った顔をしている。
「普段からこういうの見ると泳ぎたくなる方だからなー」
正直この効能はきついぞと思い悩んでいる瑞樹である。
ある意味、感情が湧き上がってくるこの効能の性質って狂気たいなものだからと、己の狂気耐性で耐えきろうと試みていたが……。
「にぁー!」
「イテっ!?」
無意識に泳ぎそうになった瑞樹を伽羅に乗った陸奥がペシペシと手加減しながらのツッコミ引っ掻きをお見舞いしている。
「陸奥ありがとなーもう大丈夫だ」
しっかりと耐えてみせると宣言しながら進み始める瑞樹だが再び泳ぎそうになって今度は伽羅に頭をガブガブと甘噛みされてしまう。
そんな風に相棒達とふれあいを楽しみながら進んでいた瑞樹の前方にもアンコくんの群れが見え始める。
瑞樹もやっと温泉の効能に耐えられるようになってきたので、右手に胡を左手には自信の本体でもある黒鵺を握り戦闘を開始する構えをとる。
「あまり使いたくないんだがな」
より円滑に戦う為だと月読尊の分霊をその身に降ろし、真の姿を解放し始める。
瞳の色の変化に呼応するように、本体の黒鵺も両刃作りの刀へと変化を遂げ真の姿を現した。
「よし、素早く殲滅しよう」
自身の存在感を月が静かに輝くかの様に目立たなくしながら戦場を駆ける瑞樹。
アンコくんの群れはというとそんな瑞樹を捉えるべく鈴蘭灯を輝かせるが、今の瑞樹には効く気配がない。
技能により地上と遜色を無くした足運びにより近づいた瑞樹の胡の一閃で一体のアンコくんが斬り伏せられる。
仲間を斬られたアンコくんが強引に胃袋に収めようと口を開けて接近をするが、それを第六感により見切ってみせる瑞樹。
そんな瑞樹をサポートすべく、相棒の伽羅と陸奥がそれぞれ雷撃と纏う風を使ってアンコくんの群れを牽制する。
「助かる!」
相棒のサポートにお礼を言いながら瑞樹は次々と敵を斬り伏せる。
「----!!!!」
もう自分一人になってしまったアンコくんが鈴蘭灯を強烈な光で点滅させながら涙目で決死の攻撃に打って出た。
その捨て身の突進ともいうべく攻撃を瑞樹は黒鵺で受け止めるとその勢いを利用しながらアンコくんを空中へと受け流す。
「これで終わりだ」
地を蹴り飛翔した瑞樹の手に握られた胡によるカウンターとも言うべき一閃をくらったアンコくんはその身を真っ二つにされ声もあげられないまま消滅していった。
全ての敵を倒し着地した瑞樹は真の姿を解きながら武器を鞘にしまう。
「ふぅ……それじゃあ帰る前にちょっとだけ泳いでいくか!」
少しばかり目を輝かせて伽羅と陸奥に投げかける。
やっぱし普段からこういうの見ると泳ぎたい性分だから我慢できなかった。
相棒の伽羅と陸奥も仕事は片付けた後だしと納得したのかその誘いに乗って温泉に入り始める。
アンコくんが居なくなって静かになるかもと思った温泉だったが一人と2匹の楽しそうなやりとりが当たりに響く……静かな温泉地帯に戻るのはもう少し先のようだ。
大成功
🔵🔵🔵
クシナ・イリオム
アドリブ歓迎
温泉でプカプカ浮いているのは別にサボってるわけじゃなくてね?
温泉の効能で泳ぎたくなるんだったら何も考えなければいいってことで漂ってるだけだから
フードを深く被り、催眠光で眠らないようにしながら、わざと丸呑みにされる
まあ、目元が見えなければ向こうも寝てるかどうかわかんないでしょ
…うん、多分傍から見たら小動物がぼさっとしてて、呑まれたようにしか見えないんだろうな…
そして敵の中で【弘遠なる捕食者】を発動し、生えてくる木で無理やり口を開かせて脱出
そのまま相手を木の苗床にさせる
想定の範囲内ではあったけど、蠕動に揉まれたせいで身体がすごいことになってるな…
…せっかくだし泳いでから帰るか…
「……。」
プカプカとフードを目深に被って仰向けに浮かんでいるのはクシナ・イリオム(元・イリオム教団9班第4暗殺妖精・f00920)だ。
温泉の効能で泳ぎたくなるなら何も考えずにこんな感じで浮かんでいたらいいと考えた彼女は全身の力を抜いてプカプカと浮かんでいる。
何も考えないつもりではあったがこうしてゆったりとした時間が流れてくると温泉が心地いいな……とかフードの隙間から見える青空が今日も綺麗だなとか少しばかり考えてしまう。
まぁ、ゆったり過ごすことで目的の泳ぎたくなる感情は抑えられているから良しとしよう。
そんな風に過ごしていたクシナの元にもアンコくんの群れがやってくる。
鈴蘭灯から催眠光を照らしながら警戒するアンコくん達だったがクシナに反応はない。
目深に被ったフードによって催眠光を防いでいるからだ、だがまったく動く気配の無いクシナの様子にこいつ最初から眠っているぞと勘違いしてこれなら簡単に食べれるーとパシャパシャさせながら喜ぶアンコくん、さっそくとクシナをその胃袋の中に収めてしまう。
全てクシナの計算通りとも知らずに……。
「うん…うまくいったね」
胃袋の中に到達し、んーっと体を伸ばしてから起き上がったクシナの目には出口となる部分の返しの歯だ。
するどい歯並びではあり、普通に出るなら怪我をしてしまいそうではあるが、自ら進んで食べられたクシナである、もちろん脱出方法もしっかりと考えてある。
「反するもの呑め死の呪い。森は生命の基盤にして生命の頂点なり」
彼女が過去に所属していた教団で使われていた、イリオム教団秘術・弘遠なる捕食者を発動させるための詠唱を静かに唱える。
詠唱と共に胃袋内部に鉛色の雲が立ち込め始める。
そして、ポツ……ポツポツと雨が降り始めた。
その雨に濡れないようにフードを深くかぶり始めるクシナは装備している武器の調子を確かめユーベルコードの次の変化を待つ。
雨が降り注ぐ胃袋内に変化が起こる、何もなかったそこににょきと木々の新芽が生えたかと思うとそれは急成長を始め出口にある鋭い返しの歯をへし折りながら急成長を遂げた。
始まったとクシナが思う頃には木の成長に合わせて気配を消したまま外に脱出しており、外の様子を羽で飛びながら確認する。
「!?」
「!!」
何が起こっているのか解らなくてパシャパシャうろたえているアンコくん達、なぜなら仲間の口から突如として木が生えてきたかと思うと鉛色の雲が空に広がり、そして雨が降り出す、後はクシナが胃袋内で経験したように辺りの温泉地帯を塗り替えるようにどんどんと木々が生えてきて辺りは霧がかった死の森と化した。
木の苗床となってしまっている仲間を助けようとしている数匹目掛けてクシナは木に隠れながら、装備していたスリングショットを構え投げナイフを投擲。
狙いは必中で妖精サイズの投げナイフではあったがその込められた呪詛の威力によりアンコくん達の命を奪っていく。
クシナは霧にまぎれながら逃げ惑うアンコくんを次々に仕留めていき、やがて死の森と化した戦場にオブリビオンの姿は一体残らず居なくなったのであった。
「ふぅ……」
ユーベルコードを解き、再び綺麗な温泉地帯に戻ったのを確認したクシナ。
帰ろうかと考えたのだが、自分の体の状況を見て固まる。
なんというか……作戦とはいえ食べられたのだからすごいことになってしまっている。
「……せっかくだし泳いでから帰るか……」
そう小さな声で呟くと汚れを落とすべく温泉に浸かりながらゆったりとした動きで自由気ままに泳ぐ。
サウナ珊瑚で彩られた温泉をクシナは汚れが落ちた後も静かに泳ぎながら気が済むまで楽しんだのであった。
大成功
🔵🔵🔵