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帝竜戦役㉑〜全てを灼き尽くす炎牙・帝竜ガイオウガ〜

#アックス&ウィザーズ #戦争 #帝竜戦役 #帝竜 #ガイオウガ #群竜大陸

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●アックス&ウィザーズ・群竜大陸「龍脈火山帯」
 群竜大陸にて、最も暑い場所を挙げろと言われれば、この領域の名前が出てくるだろう。赤熱する火山が立ち並び、燃え滾るマグマが、生命の存在を拒絶する。そんな「龍脈火山帯」にて適応し、支配する帝竜こそ、燃え盛る炎の如き巨怪にして、全てを灼き尽くし、あらゆる生命の存在を許さぬ、圧倒的な炎。
 その名は、帝竜ガイオウガ。

「垓王牙(ガイオウガ)ヨ、猟兵ガコノ地ニヤッテキマス!」
「奴ラハ未ダ群体! 全ニシテ壱デアル、我等ニ勝テル道理ナドアリマセン」
 物言わぬ炎の帝王の言葉を代弁するように、ガイオウガより生まれた『炎の獣』の群れは語る。燃え盛る死と炎の大地を闊歩する彼らは、竜、虎、狼といった様々な形状を持つ異形の炎獣達である。
「……シカシ、我等ハ知ッテイマス!」
「例エ『再孵化』ニヨリ記憶ガ失ワレヨウト、ソノ魂ガ覚エテイマス」
 炎獣達はガイオウガに言上する。これからこの灼熱の大地に足を踏み入れる者達のことを。決して侮れない相手であることを。
「間違イアリマセン。アノ者達ハ全テヲ破壊スル『牙』!」
「ヒトタビネジ伏セヨウトモ、何度デモ喰ライツク魂ノ持チ主!」
「我等ガ偉大ナルガイオウガヨ! アナタ様ガ敗北スル可能性モ十二分ニアリマス!」
 その上で炎獣達はガイオウガの敗北を疑わない。可能性を踏まえ、侮ることなく全能を振るえば、この絶対の炎は消えることなどないのだから。

「備エメサレヨ、偉大ナル垓王牙(ガイオウガ)!」

●グリモアベース・ブリーフィングルーム
「火山とか暑いから絶対に厚着は厳禁だよ! 熱中症とか怖いからねー」
 まだまだ慣れない義姉の電脳ウィンドウの操作に苦戦しながら、グリモア猟兵見習いのエィミー・ロストリンク(再臨せし絆の乙女・f26184)は説明を始める。映し出さる画面は、如何にも灼熱を感じさせる赤熱する火山と、そこに君臨する帝竜ガイオウガと配下の炎獣達だ。
「すごい巨体な上に、生命を拒絶する圧倒的な炎……。うん、強敵だね」
 火山と同等の巨体を誇る、煮えたぎる溶岩の如き帝竜ガイオウガ。さらに配下の炎獣達も竜、虎、狼といった様々な形状を持っており、全身から溶岩も放ち、踏めば大地を活性化させる。
 また強大な威圧感を誇り、すべての攻撃行動を潰すように仕掛けてくるガイオウガの先制攻撃は、先に凌がなければこちらの攻撃を繰り出すの不可能なほど強烈だ。無策で突っ込むのは無謀なので注意する必要がある。
「でも巨大なガイオウガの攻撃を凌げば、絶対にチャンスは巡ってくるから! 諦めずに攻め続けようね!」
 猟兵達を必死に応援するようにエールを送りながら、エィミーは転移術式を発動する。圧倒的な炎をもって踏み入れる生命を灼き尽さんとする帝竜ガイオウガ。破滅の炎を鎮めるべく、猟兵達は灼熱の大地へ足を踏み入れる。


ライラ.hack
 灼熱の大地、聞いただけでも喉が乾きますね。寒い方がマシです。
 どうも皆様こんにちわ。ライラ.hackです。

 このたびは群竜大陸を支配する帝竜が一体、灼熱の炎と獣達の王ガイオウガとの一戦となります。
 難易度は普通より高めなのでご注意ください。

 そしてこのシナリオでは以下の特殊ルールがあります。
 プレイングボーナス……『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』
(敵は必ず先制攻撃してくるので、いかに防御して反撃するかの作戦が重要になります)

 火山は猟兵にとってはそこまで苦にはならないですが、ガイオウガにとっては適切以上の環境ですので注意して戦闘をお願いします。
 それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『帝竜ガイオウガ』

POW   :    垓王牙炎弾
【全身の火口から吹き出す火山弾】が命中した対象を燃やす。放たれた【『炎の獣』に変身する】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    垓王牙溶岩流
自身の身体部位ひとつを【大地を消滅させる程の超高熱溶岩流】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ   :    垓王牙炎操
レベル×1個の【ガイオウガに似た竜の姿】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。

イラスト:阿賀之上

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

白石・明日香
予めスタングレネード、煙幕弾を大量に用意。
さあ、始めようか!
バイクで全速力で突進。落ちてくる火山弾は軌道を見切って回避、変身した獣たちには用意していたスタングレネード、煙幕弾をばらまき視界をくらます。
変身した獣たちの攻撃はその挙動を見切って回避または武器受けでいなしオーラ防御、激痛耐性で耐え進む。
バイクが無理そうになったら手近な獣に向けて突っ込ませて飛び降り
残像で攪乱しながらダッシュで接近、間合いに入ったら怪力、2回攻撃、属性攻撃(水)、鎧無視攻撃で叩き切る!
その牙へし折ってやる!


水貝・雁之助
アレンジ連携歓迎

此れがガイオウガかあ
何故かは判らないけど倒さないといけないって感じるね
炎の獣は何か親しみみたいなのも感じるけど敵である以上は仕方ない、かな

『拠点防御』の心得と『トンネル堀り』の技術を活かし『地形を利用』した『火炎耐性』も備えた敵の目を誤魔化す為の塹壕を掘りながら移動
その際には地面から噴き出す炎等も敵の目を誤魔化す為に利用する

ガイオウガに気付かれた場合はガイオウガ自身の体を炎の獣に対する『(敵を)盾にする』
『集団戦術』の心得を活かし敵の動きを『見切り』つつ尻尾に向かいつつ凌ぐ
UC発動は可能ならガイオウガの体の上で
敵の体を地形に見立て其の体をソリで尻尾から顔まで駆け上がり目まで突進


シーザー・ゴールドマン
帝竜ガイオウガか。帝竜の名に相応しい威容だね。
オド(オーラ防御×火炎耐性)を活性化して涼やかな様子で空を飛び参戦。
(空中浮遊×念動力×空中戦)
先制対策
火炎弾発射のタイミングを直感(第六感×見切り)で見切り、オーラセイバーを振るって巨大な凍てつく衝撃波(属性攻撃:氷結×衝撃波×範囲攻撃)を放って火炎弾を消滅、また消滅できなくても最低限軌道を逸らす。
初撃を凌いだら『ウルクの黎明』を発動。超音速の高速機動戦闘を。
大技は増大した戦闘力から放つ絶対零度の衝撃波。
(属性攻撃:氷結×衝撃波×鎧無視攻撃×範囲攻撃×全力魔法)
さあ、君の炎と私の氷、勝負といこう。


忠海・雷火
弾は放物線の軌道を取ると予想し、着弾地点を避けて移動
炎獣が此方に来る迄の間に可能な限り多く死霊を召喚

攻撃動作や関節可動域は概ね姿形の通りとみて対獣・竜型の戦闘知識を活用、見切や武器受けを
間に合わなければ死霊を盾に凌ぐか、多少の傷は覚悟の上で獣の下をくぐる様に回避する事で、他の獣の追撃に対する盾とし連続被弾を避ける
囲まれれば周囲の獣を脚を薙ぎ払い、動きを鈍らせ切り抜ける
ダメージは各種耐性で軽減

UC発動、煙化で狭所に逃げ込むと見せかけ誘き寄せ
残る獣を亀裂周辺に集めた後、垓王牙の角や牙等の鋭角へ転移し騙し討ち
獣も暫く追い縋れまい。その間に目を突き視界を制限、吼えて開く口内へ武器を投擲する二回攻撃



 その炎獣たちはガイオウガから生まれ出たものである。それは火口から発射される火山弾から変化したものでもあるのだ。そしてガイオウガの大火山が噴火を迎え、シーザーや雁之助を飲み込まんとする。
「炎の獣は何か親しみみたいなのも感じるけど敵である以上は仕方ない、かな」
 そう言うと雁之助は自身のトンネル掘りの技術を生かし、赤熱の大地を掘り上げる。急速に落ちてくる火山弾を防御する為に構築されたのは、火炎耐性が強い土で構成された塹壕であった。頭上からの火炎弾にも対応できるように地下に掘り進める徹底ぶりである。
 そしてモグラのように塹壕を掘り進めながら、炎獣達をなるべく避けてガイオウガへと接近する雁之助。一方のシーザーは逆に空高く舞い上がり、火山弾へと立ち向かう。
「ふむ、強力な火炎だね。食らえば、だが」
 すでに魔力の根源たるオドを活性化させて、涼やかな様子で空を飛ぶシーザー。巨大な火山弾に対してもギリギリのタイミングで見切って空中で躱す。それでも連発して飛来する火山弾に手に握ったオーラセイバーが輝く。
 今回発現したのは火を鎮める氷の魔力。それを振るうことで、吹雪にも似た凍てつく衝撃波を放つことができた。そうすることで炎の勢いを弱め、軌道を逸らすことで空中を駆けながらガイオウガへと近づいていく。
「では、楽しませて貰おうか」
 飛び交う火山弾の雨の中で、空中にてシーザーは「ウルクの黎明(デウス・ポテスタース)」を発動する。輝く真紅のオーラが身体を覆い、強大な魔力がシーザーに力を注ぎ込む。さらに加速した速度は一気に火山弾を潜り抜け、ガイオウガの玉体へと到達する
 音速でガイオウガの火山の一角へと迫り、強化されたオーラセイバーが振るわれる。そこから放たれるは、絶対零度にまで達した衝撃波。
「さあ、君の炎と私の氷、勝負といこう」
 シーザーの魔力を込めた剣撃という名のブリザードが吹き荒れる。体表は火山と同等の高熱を誇るガイオウガの外殻ではあるが、シーザーの氷は火山へと浸食していく。根本から凍り付いていき、徐々に火口へと迫っていく。
「不敬ナ! 垓王牙ノ火山ガ!」
「殺セ! 殺セ……ガアアア!?」
 地上にて降り立った炎獣達がシーザーが凍らせていくのを見て激高して、炎を放ってシーザーを落とそうとする。だがそうなる前に足元が崩壊し、地盤沈下のように自重で沈んでいく。
 塹壕を掘り進める過程で、地下にまでトンネルを掘り進めるに至った雁之助の仕業である。増えた炎獣達の体重により、地面が絶えられず崩落してしまったようだ。
「よーし、うまくいったんだなー!」
 炎獣の特性を読み切り、集団で動く箇所をうまくトンネルを掘り進め崩壊を狙った雁之助の策は的中。そして自身はガイオウガの尻尾付近まで到達していた。
 そしてそこからガイオウガの身体へ飛び乗り、能力「犬達による犬ぞり突進オカピやゴリラもいるよ(イヌタチニヨルイヌゾリトッシンオカピヤゴリラモ)」を発動し、犬達の引く犬ぞりに乗り、一気に駆け抜けていく雁之助。
「それじゃあ皆、いっけー!」
 犬ぞりはまさしく地形を破壊するかの如く、外殻に損害を与えながら進む。そしてシーザーが凍結させた火山へとたどり着き、そのまま突撃する。勢いよく凍り付いた外殻を粉砕し、膨大なエネルギーが封じられた火山は凍結されたまま、雁之助は一気に破壊する。
 火山の一角を破壊されたことで、山彦のように咆哮を上げるガイオウガ。それこそ、まさに痛みを感じたのかもしれない。

「さあ、始めようか!」
 そしてシーザーと雁之助を追従すると共に白石・明日香(十字卿の末裔・f00254)が動き出す。宇宙バイク「ヘドゥラー」に搭乗し、空を疾駆する明日香。
 今だ落ちてくる火山弾に対しては、ドライビングテクニックを駆使してギリギリで避け、決してアクセルを緩めることなく進む。そして地上から炎を放射してくるだろう炎獣達に対しては、予め用意しておいたスタングレネードと煙幕弾を放り投げる。
「オレからのプレゼントだ、受け取りな!」
 そして炸裂すると共に光と煙が炎獣達の周囲に充満する。大量に用意した甲斐があってこれだけ視界が悪ければ、高速で移動する明日香を狙うことは不可能。そしてこの視界の中で、忠海・雷火(襲の氷炎・f03441)は静かに笑いながら大地を進む。
「いい援護だ。こちらは任せろ」
 その口調は別人格「カイラ」のものになっており、すでに戦闘態勢になっていることが伺える。この地にはガイオウガの出現により死滅させられた生命体が多くいる。つまりは死霊術で呼び出せるということに他ならない。
 そんな死霊を呼び出し、雷火は炎獣達の前に出る。もちろん炎獣は接近する雷火を攻撃しようとするが、攻撃動作や関節可動域は概ね姿形の通りとみて、経験からくる回避で躱し続ける。
「小癪ナ! 邪魔ナ死霊共メ!」
 そしてそんな彼女を守ろうと死霊達が立ちはだかる。獣や竜といったおそらく群竜大陸に生息する古来種であろうが、それが雷火を守ろうとして炎獣の攻撃を阻害してくれるのだ。
 炎獣の攻撃した瞬間、足払いをしてバランスを崩した炎獣を盾にするようにして、雷火は「発顕・餓犬之萌(ハツゲン・ガケンノキザシ)」を発動する。
「我が身に融けし餓犬よ。我が意の下に此の身を食みて、其の躰、其の力の一端を顕せ」
 次の瞬間、雷火の身体が青黒い煙へと変化する。その煙は崩落した地面の隙間へと逃げようと試みる。だがその行動はやけに遅い。逃がすものかと炎獣達が殺到する。
 それこそ雷火の策略の一つであった。あくまで緩慢な動きは炎獣達をおびき寄せるため。明日香の煙の中でも派手な青黒い煙は逆に目を引く結果になっただろう。そして炎獣達が一か所に殺到した瞬間、雷火のもう一つの能力が発動する。
「ナ、何ィ!」
 それは鋭角へと転移することができる能力。自身の身体の煙をできるだけ炎獣達を包み込み、ガイオウガの角へと強制転移させたのだ。咄嗟の転移に、炎獣達はその角に突き刺さるか、地面へと落下していくかの他ない。
「これで、暫く追い縋れまい」
 そして青黒い煙のまま雷華はガイオウガの片目を切り裂き、視界を一時的に奪う。あれだけの巨体で痛みを感じたかわからないが、それでも十分だ。そして召喚によって呼び出した呪詛を込めた死霊爆弾を口へと放り込み、爆発させる。
 ガイオウガの口が大きくのけぞるように空き、牙が見える。そしてそれを高速で火山弾を突破した明日香が狙う。
「その牙へし折ってやる!」
 バイクのフルスロットルからの「剣刃一閃」。クルースニクの紅刃が、ガイオウガの巨大な牙を両断し、その一本が地面へと落ちる。そして明日香が最終的に狙うのは、シーザーと雁之助が破壊した火山外殻だ。今ならばガイオウガの肉体が露出した状態になっている。
「こいつも叩きこんでやるぜ!」
 そしてガイオウガの身体を斬り刻むように鮮やかな連撃を繰り出し、傷が刻まれる。そこからはガイオウガに流れる溶岩が噴き出し、放出させる。するとようやくダメージを知覚したのか、ガイオウガが地面へと倒れ込む。さすがの猟兵達の猛攻に痛みを感じざるを得ない状態になっていた。

 あの大火山が生物化したガイオウガに痛みを与えるだけでも尋常ではないことである。だがそれを知覚させることでその莫大なエネルギーは自壊へと導くことができる。
 そのことをしっかりと確認した猟兵達は、帝竜ガイオウガ打倒への道筋を示した。ついに始まった火炎の化身とも呼べる巨竜との戦い。まずは先手は猟兵側に軍配が上がったのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ラモート・レーパー
「なーる」
 UC対策。
 敵に臆せず突っ込む。そもそも死ぬことはないけど、???で気休め程度の耐熱マントを生成して羽織り、地中と上からの超高熱溶岩流に注意しつつ敵の足元を動き回る。足場が無くなる気がしたら黒剣をクロスボウに変え、???で生成したワイヤー付きの矢を射出しそれに捕まって緊急回避。
 目的は相手を自分の溶岩によってできた穴に落とすこと。目的が悟られぬよう武器や悪口で挑発したりするよ。
 自分のUCは……穴に落ちてもらうのもそうだけど、運悪く地下水や雨で敵が弱体化するのを願おう。


ロバート・ブレイズ
「成程。随分と厄介な『大地』の顕現だ。王に相応しい輪郭だが、俺の『冒涜』から外れる事は在り得ず。早々に還るが好い」
銀糸の栞で『世界』を縛するように、対象の外殻を盾にする
大地を消滅させる『溶岩』でも自分自身は殺さないだろう
それで凌げない場合は糸を『宙』に巡らせて足場と成す
それも不可能ならば鉄塊剣(想像で創られた地獄の炎)で退ける
「貴様は否定されるのが似合いだ。貴様は決死に果てるべきだ」
普遍的無意識領域と同化し、対象の『魂』まで伸ばしていく
『過去』は砕けるべきと恐怖を与え、その根源を掻っ攫う
「核を俺に寄越せ。貴様の存在は絶える運命よ」
最後に『界』を断って魅せる


リフィクル・ナータス
ああ、噎せ返る死の熱気。誰かの魂が、この炎を知っていると囁くよ……俺は直接的には知らないがね。
世を灰燼にせんと顕現した存在……なぁ、『お前』は生まれ変われないのかい?

※SPD対策
狙いを定められやすいリスクもあるが【空中浮遊】をしておき、地面には降りない
襲い来る攻撃には【残像】を用いての回避を主軸とするのを心掛け【見切り】も添えて【カウンター】を意識
被弾時は【激痛耐性】を駆使

UCにて真の姿である悪魔の姿を思い描き、自己強化して攻撃開始
【二回攻撃】と【生命力吸収】を合わせた【呪殺弾】にて【空中戦】を展開
攻撃のミスを誘発するために【挑発】も時折行なう

UCの都合、圧倒的不利を感じたら躊躇いなく撤退する



 帝竜ガイオウガは猟兵の猛攻によって、この地に降り立って初めて進撃を止められた。あの大火山の化身たる膨大なエネルギーを持った存在が膝をついているのだ。
 やはり猟兵は侮るべき存在ではないと、配下の炎獣達も察する。そして火山弾が降り注ぐ中で炎獣達は大地へと降り立ち、猟兵達を食い止めようとする。
「垓王牙ヘ猟兵ヲ近ヅケサセルナ!」
「我等ガ王ヲ守ルノダ!」
 ドラゴン、タイガー、ウルフといった多種多様であるが炎を纏った獣達がガイオウガが再び立ち上がる時間を稼ごうとしている。それをリフィクル・ナータス(昏き異界より出でしモノ・f22103)は薄暗い笑みで見ている。
「ああ、噎せ返る死の熱気。誰かの魂が、この炎を知っていると囁くよ……俺は直接的には知らないがね」
 かつての滅びの記憶が、そのリフィクルの中の魂がどこかその溶岩の如き炎を知っていると感じ取っている。だが郷愁など一瞬のこと、溶岩をまき散らし、生命を滅ぼす火を広げようとするガイオウガに楽しみというものは感じ取れない。
「世を灰燼にせんと顕現した存在……なぁ、『お前』は生まれ変われないのかい?」
 そのリフィクルの問いにガイオウガは答えることはない。その存在こそ破壊がこの世に顕現した形である。もはや意志など存在せず、世を滅ぼす火そのもの。だが配下の炎獣達が応えるように、リフィクルに牙と爪で襲い掛かってくる。
 そのことに呆れ気味にため息をつきながらも、リフィクルは空へと飛び上がり、空中に逃れることで炎獣達の攻撃から逃れる。だがさきほど空からガイオウガに近づく猟兵を見た炎獣達は即座に炎弾やブレスによる攻撃に切り替えてリフィクルを落とそうとする。
「やれやれ、大歓迎だね」
 そう息をつきながら、空中で回避を試みるリフィクル。炎弾は多種多様で、大小構わず飛来してくる。そして上からは火山弾も落ちてくる。それらを対処するには何かを捨てなければならない。
 リフィクルはその中で、火山弾の直撃や大きな炎弾を被弾しないように効率よく避けていく。そして避けられない小さな炎弾は火傷も覚悟で受けきる覚悟だ。炎が身体を焼くたびに、リフィクルは自分の皮膚が焦げ付く臭いが鼻を突く。
「あーあ、色男が台無しじゃないか……これじゃ、悪魔になるしかないよな?」
 その痛みと自身の危機が、リフィクルの覚醒を呼び込み、紫の瞳と黒い髪に変化する。能力「裏切りの終焉者(ウラギリノシュウエンシャ)」の発動により、真の姿であり、『かつての自分』である悪魔の姿を思い描き、その姿へと変身する。
 悪魔となったリフィクルの動きは段違いによくなり、小さな炎弾もまるで未来を予知したような動きで回避することができた。そして地上の炎獣に対して、生命を吸う呪いを孕んだ弾丸を撃ち込み、内側から炎の生命力を吸いつくしていく。
「なぁ、お前には俺が何に見える?」
「オノレ! 撃チ落トセ!」
 悪魔らしくいやらしい笑みで挑発をしながらリフィクルは炎獣軍団を相手に翻弄する。そしてその注意を引くことこそ、リフィクルの目的であった。

「なーる」
 炎獣達がリフィクルに集中している間にラモート・レーパー(生きた概念・f03606)は嫌らしい笑みを浮かべながら突っ込む。まるで凶事を届けんと言わんばかりに表情。それこそ彼女の本質であり、本懐でもある。
 全くガイオウガに臆せずに突っ込むラモート。死ぬことないと思いながらも、念の為に形を変える持ち物「???」を耐熱マントに生成して羽織る。そして足元に来た瞬間、ガイオウガはラモートを感知する。
 そしてガイオウガの足が大地を消滅させる程の超高熱溶岩流に変化する。足元をうろちょろ動き回るラモートを消し飛ばす、そんな攻撃本能の具現化であった。
「わーお、怖いねぇー」
 だがラモートも想定通りと言わんばかりに、溶岩流が侵されていない地面へ跳躍しながら巻き込まれないように動き続ける。逃げ場がなくなっても黒剣をクロスボウに変え、矢にワイヤーを付けて射出してガイオウガの身体に飛び移ることで、再び地面へと降り立って動き続ける。
 しかし危険を冒してまでラモートが溶岩が溢れる地面を動き回るのか、意志なきガイオウガには理解することはなかった。そしてそれは突然訪れる。ついに溶岩流に地面が耐えられなくなり、崩壊を起こしたのだ。
 ガイオウガの巨体は重量も凄まじい。故にその巨体が逃れられる術はない。崩落に巻き込まれて沈むガイオウガ。そんな帝竜を見下ろしながら、ラモートは嗤う。
「調子のいい時こそ、不調の前兆だよ」
 ラモートが発動していたのは「厄日(アンハッピーデイ)」と呼ばれる能力だ。敵にとっては不幸な出来事が起こる事象干渉の類のものだ。発動が弱いこともあるのだが、今回はガイオウガにとって不運であった。
 まさか崩落した箇所が群竜大陸で隣接する領土「リリパットカルデラ」から流れ出る水脈に繋がっていたとは。そこから溢れ出す水流によって溶岩が急速に冷やされ、ガイオウガの力の源である火が弱まっていくのを感じる。
「成程。随分と厄介な『大地』の顕現だ」
 そして水流に捕らわれて身動きが取れなくなっているガイオウガの外殻に飛び乗るように現れたもう一つの災厄、ロバート・ブレイズ(冒涜翁・f00135)。黒き仮面に覆われた貌は窺い知ることはできないが、冒涜の本能がその瞳からにじみ出ている。
 水流を超高熱溶岩流で蒸発させ、その溶岩が固まることで水を止めようとするガイオウガ。その溶岩流は自身の身体に乗るロバートにも襲い掛かってくる。
「王に相応しい輪郭だが、俺の『冒涜』から外れる事は在り得ず。早々に還るが好い」
 そのロバートの指から放たれるは「銀糸の栞」。紡げば深淵の懸け橋となりうる、その魂の残滓と呼べる光沢を放つ糸は、ガイオウガの外殻を斬り取り、盾とする。
 まさしくガイオウガの『世界』を構築するように防御陣を銀の糸で編みこんでいくいくロバート。いかに超高熱溶岩流といえども、己を滅ぼすことはできない。それこそ、自己の否定になりかねない。
「まさに恐るべき『大地』の怒りだ。だが全くもって愚かしい」
 すべてを破壊するのであれば、ガイオウガすらも破壊するのが道理。それすらできぬとは、と嘲笑しロバートは銀糸を虹のように駆けて宙へと足をかける。
「貴様は否定されるのが似合いだ。貴様は決死に果てるべきだ」
 そして虹がかけられた宙にて発動するは「冒涜王(ニアラ・ラヴクラフト)」。ロバートの身体は普遍的無意識領域と同化し、魂を取り込む領域と化す。そしてその触手はガイオウガの肉体をすり抜け、膨大なエネルギーを透過し、その奥底の魂に手をかける。
 その魂が握られる感覚をもってガイオウガは知覚する。己が滅び去った『過去』であることを。己に宿りし破壊は、拒絶の顕現。そしてロバートはその魂に砕けるべきと恐怖を与え、その根源を掻っ攫う。
「核を俺に寄越せ。貴様の存在は絶える運命よ」
 掌握した魂の味を噛み締め、銀糸を束ねてガイオウガの肉体を穿ち、断つロバート。それはまるで魂が削り取られた咆哮であるのか、少しの亀裂からガイオウガのマグマが爆発的に溢れ出し、大噴火を起こす。
 その烈火の如きマグマと火炎は自らの身体をも焼き尽くし、地面にいた炎獣達を飲み込み、大地を焦土と化していく。

 ラモートとロバートがその破壊をやってのけたことを遠く空の上で見つめていたリフィクル。ガイオウガ自身の崩壊を見届けた時、彼は呟く。
「さて、滅びるのは猟兵か、獣か、悪魔か。どれだろうな、ガイオウガよ」
 その視線は焼き尽くす己の血であり、エネルギーであるガイオウガの溶岩。だが溢れ出すマグマはガイオウガの力が失われている証拠である。それこそガイオウガの滅びの始まりであったのを、リフィクルは感じていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ウィリアム・バークリー
ガルシェンや女禍も巨大でしたけど、これは言わば大地そのものですね。難敵です。
それにしても暑い。サバイバルマントの下で、弱めの冷却魔法を使います。

先制攻撃は「高速詠唱」による「全力魔法」の氷の「属性攻撃」「衝撃波」で対処。接近される前に相殺していきます。

この大地そのものが相手の力の源。それを断ちます。
トリニティ・エンハンス発動、Spell Boost起動、スチームエンジンと影朧エンジンをフル稼働。
地面に展開した魔法陣の中心に『スプラッシュ』を突き刺して――Permafrost!
これで一帯を凍結環境に塗り替えます。垓王牙自体も、永久凍土に浸食させることが出来れば。
凍土から氷の槍を生み「串刺し」に。


播州・クロリア
まるで地獄のような光景です
火と岩は惑星の始まりと
何処かの本で読んだことがありますが
この炎は終焉しかもたらしませんね

●防御
『火炎耐性』を付与した『オーラ防御』壁で身を護りながら
両足を前後に広げ、腕を横に広げながら天を仰いだ後{銀河の旋律}で『ダンス』を始める
『第六感』で炎の龍の攻撃を予知し『衝撃波』で炎を吹き飛ばしながら
『怪力』で砕いた地面を『念動力』で操作し盾にしたり
翅を使った『空中浮遊』で炎から逃れる

●反撃
敵の攻勢が一旦止んだらUC【蠱の人】で星空を人型に切り取ったような存在を複数召喚し
星空の人達が体の中の宇宙へガイオウガの炎を吸い込みそのままガイオウガをぶん殴る


天道・あや
よし!今回初めての幹部、いや、帝竜との戦い!これは気合い入れて、……勝って見せる!

敵の放つ炎を【見切り、ダッシュ】で避けて、そして【挑発】して、炎が合体させる!

へい!そんな小さい炎じゃ、ダンスで鍛えたあたしを捕らえることはナッシング!

合体したら、攻撃をさっき同様、避けたり、そして防ぎながら少しでも帝竜の方へと移動する!【誘き寄せる、激痛耐性、火炎耐性、足場習熟】

距離が、あたしがダッシュで帝竜へと触れられる距離まで来れたら、今だ!UC発動!あたしの歌は炎だって魅力する!いや、してみせる!【歌唱、楽器演奏、限界突破】


そして、炎を止めたら、帝竜でガントレット装着して!パンチ!【鎧砕き、属性攻撃雷】


黒城・魅夜
ふふ、牙の王と驕りますか
ダンピールである私の前で
では私もこの牙にかけてあなたを葬りましょう

無数の炎の龍は確かに恐るべき相手
けれど結局それを操作しているのは垓王牙、あなた一人
ならばあなたの目をくらませればいいだけです

見切りと第六感・オーラ防御を使って致命打だけは避けますが
もちろん龍たちの攻撃の前に私は傷だらけになるでしょう
ふふ、ですが、それこそ策
この傷から噴き出た血は無数の胡蝶に変じて戦場を埋め尽くします
いかなる火炎地獄にも適応する胡蝶へとね

おや、どうしました?
悪夢でも見ているようなお顔ですよ
部下たちの言っていたような敗北の幻でも見ましたか?
ええ、その悪夢は現実
あなたの肉体は今崩壊するのですから



 帝竜ガイオウガの圧倒的硬度を誇る外殻が破壊され、そこから溶岩が溢れ出している。血すらも破壊をまき散らすそのエネルギーこそ、破壊の化身たる証左でもある。
 それこそが破壊を司る帝竜ガイオウガの破滅に繋がることは明白であった。だがそれを否定するようにガイオウガの纏う炎はうねりを上げる。例え配下の炎獣達が滅び去ろうとも自身の獄炎は滅ぶことのないモノ。
 絶対の自信の炎が、ガイオウガを形どった竜の炎へと変化していく。ゴゥッという音を出しながら、猟兵を灼きつくさんとガイオウガの竜炎は迫り来る。
「よし!今回初めての幹部、いや、帝竜との戦い! これは気合い入れて……勝って見せる!」
 そう言って帝竜ガイオウガと生み出した竜炎を前にして、天道・あや(未来照らす一番星!・f12190)。緊張はするが、アイドルオーディションの頃のほどではない。だからこそ自分自身を鼓舞し、ガイオウガの炎を前にしても彼女は怯まない。
 そんなマイクを持って強い光を瞳に宿すあやを、播州・クロリア(リアを充足せし者・f23522)は微笑ましく思って口が緩む。彼女もまた圧倒的な帝竜ガイオウガを前にしても恐怖はない。怯むということは強者を認めるということだ。
「……まるで地獄のような光景です」
 地獄を顕現する者は何も生み出さない。ならば帝竜ガイオウガはクロリアにとって倒すべき敵である。打倒する者が前にいて、その身体は自然と動く。火の耐性を持つオーラを身に纏いながら、両足を前後に広げ、腕を横に広げながら天を仰ぐクロリア。
 だがそのクロリアの前にあやが猛ダッシュで竜炎に迫る。動き回るあやに業火を放つが、それを軽々とした身のこなしに避けながら、ウィンクして挑発する。
「へい! そんな小さい炎じゃ、ダンスで鍛えたあたしを捕らえることはナッシング!」
 そのあやの挑発が聞こえたのかわからないが、ガイオウガは竜炎を一つに纏めて、自分と劣らないくらい巨大な竜炎を作り出す。そしてあやを踏みつぶさんと攻撃を仕掛けてくる。
「うひゃーーー! でも負けないよ!」
「……火と岩は惑星の始まりと、何処かの本で読んだことがありますが、この炎は終焉しかもたらしませんね」
 あやが踊るように竜炎の打ち下ろしや放射する炎を避けているのに、クロリアもまた踊り出す。「銀河の旋律」、全てを生み出し、全てを飲み込む、生と死のリズム。その生死を司る邪神の如き、激しい表現は衝撃波を生み出し、あやに迫る獄炎を吹き飛ばし、アシストする。
 地面を砕き、足場にしながら炎の中を踊り舞うクロリア。念動力で岩を盾にしながらも、時には自身の翅を使い、炎から逃れる。まさしくそれは炎の上で舞う美しき蝶のようだった。
「ダンスだったらわたしも負けていられないね!」
 そしてあやもまたダンスと遜色のない動きで、炎を避けてガイオウガへと近づく。そしてついにガイオウガへと触れられる距離まで来た時、あやは楽器を握りしめて声を紡ぐ。
「今だ! あたしの歌は炎だって魅力する! いや、してみせる!」
 「サンダー!ミュージック!(ビリビリノバリバリノドッカーン)」の演奏が開始される。あやの熱演は心まで響く演奏となって、対象を痺れさせる。意志なきガイオウガを痺れさせることができるだろうか。
 いや、ガイオウガもまた魂を持つ過去の生命体。心という魂に電撃を穿つあやの演奏は、ガイオウガの魂を震わせ、竜炎の操作に支障をきたすレベルまで浸食される。そして巨大な竜炎が止まった時、あやは楽器の演奏と反対側の手にガントレットを装着する。
「隙ありパンチ!」
 ガイオウガの動きが止まったところでの、岩石すら砕くあやの強拳が足へと突き刺さる。外殻が砕けて亀裂が入り、体内を流動していた溶岩が溢れ出す。
 そしてガイオウガのバランスが崩れそうになったところを、宙を飛ぶクロリアも見逃さない。銀河の旋律から能力「蠱の人(コノヒト)」を発動させ、星空を人型に切り取ったような存在が複数出現する。
「知ってる? 星空は炎をも飲み込むんだ」
 ガイオウガの巨大な竜炎の身体を飲み込みながら星空の人達は進み、食い破った先に向かったのは、あやが砕いた足の損傷箇所だ。まるで溶岩も気にしないと言わんばかりに拳を突き立て破壊を助長させていく。
 体の中の宇宙へ飲みながら星空の人は拳を振るい続ける。そしてついにガイオウガの片足は完全に折れ、溶岩と共に完全に切断される。そして巨体たる帝竜ガイオウガ地面へと倒れ込む。

「ガルシェンや女禍も巨大でしたけど、これは言わば大地そのものですね。難敵です」
 倒れ込む衝撃を受けてウィリアム・バークリー(“聖願(ホーリーウィッシュ)”/氷の魔法騎士・f01788)は霹靂としていた。まさしく大地の如き帝竜。そして火山の如き熱量。厄介極まる相手であることは明白だった。
「ふふ、牙の王と驕りますか。ダンピールである私の前で。では私もこの牙にかけてあなたを葬りましょう」
 そして倒れ込む帝竜ガイオウガに対して黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)も猛っていた。牙とは吸血鬼とダンピールの誇りであり、象徴でもある。何よりも希望を蹂躙し、破壊のみをまき散らすこのガイオウガを魅夜は許しはしない。
「それにしても暑い……!」
「あら、便利ですね」
 あまりの溶岩と炎の熱気にウィリアムはサバイバルマントの下で弱めの冷却魔法をかけて思考能力を保つ。そしてそれを羨ましそうにみている魅夜。
 だがガイオウガは倒れながらも攻撃と破壊を緩めない。喰われた竜炎をさらに纏めつつ、ウィリアムと魅夜を叩き潰さんと動かす。だがウィリアムは氷魔法の名手である。高速詠唱で氷魔法を構築し、吹雪のように冷気を拡散させて竜炎を押し戻す。
「いい塩梅です。そして炎の龍は確かに恐るべき相手。けれど結局それを操作しているのは垓王牙、あなた一人です」
 ならば本体を叩けば問題ないと言わんばかりに、魅夜は吹雪と炎の中を突き進む。ウィリアムは無茶だと止めようとするが、炎を押し戻すだけで手いっぱいなので止められない。
 そして案の定、氷によって身体は避け、竜炎によって身体が焼けるように燃え、皮膚から血は飛び出る。ガイオウガもまた猛然とこちらに来る魅夜を撃墜せんと、尻尾で大地を抉り、岩石を飛ばしてくる。
 だがぼろ雑巾となって、血まみれになりながらも、魅夜は微笑む。それこそが、魅夜の狙い。
「……ふふ、ですが、それこそ策」
 傷から噴き出た血は無数の胡蝶に変じて戦場を埋め尽くす。この真紅の胡蝶こそ、魅夜の能力「滅びの日、最期に舞うもの、紅き翅(ドゥームズデイ・オブ・エターナルレッド)」が生み出した、悪夢を見せて精神を破壊する蝶。
 この灼熱の大地から生まれ出た悪夢の胡蝶は、火炎地獄にも耐えうる。そしてまき散らす鱗粉は身体を侵食し粉々に崩壊させる。
「おや、どうしました? 悪夢でも見ているようなお顔ですよ 部下たちの言っていたような敗北の幻でも見ましたか?」
 精神という魂が浸食され、幻影がガイオウガの精神を蝕む。そして身体もまた外殻から破壊され、溶岩が溢れ出し、無限に思われたエネルギーが失われていく。魅夜は滅びを見ながら、ウィリアムを横目で見て確信する。
「ええ、その悪夢は現実。あなたの肉体は今崩壊するのですから」
「ガイオウガ、この大地そのものが力の源。それを断ちます!」
 そしてガイオウガを鎮める最後の一手は大魔法「Permafrost(パーマフロスト)」を詠唱していたウィリアムによって放たれる。崩壊浸食を止められないほど、ガイオウガの熱量を抑え込むことができればもはやあの巨体は維持できない。
 スチームエンジンと影朧エンジンをフル稼働させ、体内の魔力を練り上げて魔法陣を展開させる。そして起動条件となる愛剣「スプラッシュ」を差し、発動する。
「――Permafrost!」
 次の瞬間、灼熱と溶岩で包まれた大地は、永久凍土へと浸食されていく。熱は奪われ辺り一帯は凍結が支配する環境へと激変する。そして片足がもがれ、精神と身体の崩壊に苦しむガイオウガに逃げる術はない。接触部分から凍り付き、捉われる。
「これで、終わりだ!」
 そしてウィリアムが永久凍土から一本の巨大な氷の槍を出現させて、ガイオウガの腹部にある溶岩庫へと突き刺す。溶岩でも溶けることのない魔力の氷、それが中心部からガイオウガの身体を冷やし、熱を奪っていく。
 熱によるエネルギーを失ったガイオウガは、魅夜の破壊の鱗粉の崩壊への抵抗力を一気に失い、身体が崩れ落ちていく。何をも溶かす溶岩は土へと変わり、炎は弱まっていく。
「馬鹿ナ……偉大ナル垓王牙……」
「マタ、滅ビ去ッテシマウ、ノカ……」
 配下たる炎の獣達も次々と消滅していく。そしてついにガイオウガの目から光が失われ、その炎がついに終わる。巨大な岩の塊となったガイオウガの遺体は大地へと降り注ぎ、やがて大地へと還っていく。
「……あなたの為に、歌うよ」
 そんなガイオウガを見てあやは鎮魂歌を歌う。ただの破壊の獣であったものへの葬送の唄を。クロリアもまたその歌を聞き、ただガイオウガを見送っていた。


 帝竜ガイオウガは破壊をまき散らしながら、生物を滅ぼし、炎を拡散させ、そして最後はその魂をも燃やし尽くしたかのように消えていった。もはや権勢を誇るものは何も残ってはいない。
 灼熱の炎は何物よりも強かった。だが猟兵はそれに勇敢に立ち向かい、見事に鎮火してみせた。火を征服するのは人の技と示してみせたのだ。
 そして残る帝竜も半分を切った。帝竜戦役は終盤戦へと向かおうとしている。群竜大陸の支配者・ヴァルギリオスにその牙が突き刺さる日も近いのかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月18日


挿絵イラスト