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帝竜戦役㉑〜赤熱する火山に住まう竜

#アックス&ウィザーズ #戦争 #帝竜戦役 #帝竜 #ガイオウガ #群竜大陸

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 群竜大陸、龍脈火山帯。
 ここにもまた巨躯の帝竜が猟兵達を待ち受けていた。
 「燃え盛る獣の帝竜」ガイオウガ。
 それが従えるのは、燃え盛る炎の巨怪から生まれた竜、虎、狼といった姿を取る異形の炎獣達だ。

「垓王牙(ガイオウガ)ヨ、猟兵ガコノ地ニヤッテキマス!」
「奴ラハ未ダ群体! 全ニシテ壱デアル垓王牙ヨリ劣ル存在」

 猟兵を自分達が従う帝竜よりも弱い存在だと断言する炎獣達。
 それでも、彼らは鬼気迫る表情でガイオウガへと進言する。

「……シカシ、我等ハ知ッテイマス!」
「例エ『再孵化』ニヨリ記憶ガ失ワレヨウト、ソノ魂ガ覚エテイマス」
「間違イアリマセン。アノ者達ハ全テヲ破壊スル『牙』!」
「ヒトタビネジ伏セヨウトモ、何度デモ喰ライツク魂ノ持チ主!」

 ガイオウガは黙したまま語らない。
 全て、炎獣達が代弁しているからだろうか。

「我等ガ偉大ナル垓王牙ヨ! アナタ様ガ敗北スル可能性モ十二分ニアリマス!」
「備エメサレヨ、偉大ナル垓王牙!」

 帝竜ガイオウガは火山の力を操ることができる。
 全身の河口から噴き出す火山弾は炎獣へと変化させることも可能だし、自らの体の部位一つを大地すら消滅させるほどの力を持つ超高熱溶岩流へと変異させることもできる。
 また、別途放つ炎はガイオウガ自身を思わせ、それらを合体させて相手を襲わせることも可能だ。
 火山の力と炎を操る燃え滾る体を持った竜は爛々を瞳を輝かせ、自らを滅ぼさんとする猟兵達の来訪を待つ……。


なちゅい
 猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
 当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。

 アックス&ウィザーズ、戦争シナリオへの参加を願います。
 『帝竜戦役』、及びダンジョンマップについては以下のURLのページをご参照くださいませ。
(https://tw6.jp/custom_event/form/9?access_token=96bbdc8dfe6a2d72)

 こちらのシナリオは1章構成ボス戦シナリオ、帝竜ガイオウガの討伐を願います。
 帝竜ガイオウガは必ず先制攻撃してきますので、いかに防御して反撃するかといった『敵のユーベルコードへの対処法を編み出す』ことが重要です。
 敵のユーベルコードの対処法があれば、プレイングボーナスが付きますので、そちらを踏まえてプレイングを手掛けていただければと思います。

●執筆予定
 現状は17日夜以降の執筆を予定しています。17日朝8時半までにプレイングを頂けますと幸いです。その後はできる範囲で採用させていただきます。
 なお、断章執筆の予定はございません。

 シナリオの運営状況はマイページ、またはツイッターでお知らせいたします。
 それでは、行ってらっしゃいませ。
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第1章 ボス戦 『帝竜ガイオウガ』

POW   :    垓王牙炎弾
【全身の火口から吹き出す火山弾】が命中した対象を燃やす。放たれた【『炎の獣』に変身する】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    垓王牙溶岩流
自身の身体部位ひとつを【大地を消滅させる程の超高熱溶岩流】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ   :    垓王牙炎操
レベル×1個の【ガイオウガに似た竜の姿】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。

イラスト:阿賀之上

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ビスマス・テルマール
●POW
『激痛耐性』と『火炎耐性』で備え低空で『空中戦』『ダッシュ』で駆け

『第六感』で敵のUCや炎の獣の攻撃を『見切り』つつ『属性攻撃(火除け味噌)』と『オーラ防御』を込めた実体『残像』をばら蒔き

火の炎上の燃え広がりや攻撃を阻みつつ回避
※とあるお寺の火事を味噌で消し逸話もあり味噌も炎等に有効

隙見て『早業』でUCを攻撃力重視発動

【蒼鉛式火除け味噌ビーム砲】を『一斉発射』の『砲撃』と併用し

炎の獣ごと『範囲攻撃』で『制圧射撃』し

『残像』で撹乱しつつ『ダッシュ』し

『鎧無視攻撃』と『怪力』と『重量攻撃』込めた【ご当地キック用ビスマスブレード】で

火除け味噌キックを敵にお見舞いを

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎


尾守・夜野
炎に熱に足がすくむ
ちらつく過去が宿敵が
どうしても離れてくれない
だがこいつはあいつじゃない…!

恐怖を畏れを覚悟をもって押さえつけ
スレイにのり距離を取ろう
地面だと危なそうだから空中に飛び出しどこからきてもよけられるように注意

酸欠・毒ガスにも注意しようか
火山だと窪地とかでやばいらしいし、溶けたのでなる可能性は否定できねぇしな

避けた後は、■■■を呼び出そう
不遜なる竜を討つため
あぁ今俺がやってることは宿敵と変わらないのだろうが
それでも
止めるためには使うしかない
多分、熱耐性の高い奴とかサラマンダーっぽいのとか、火のなかで泳ぐ魚とかがミックスされたのが襲いにいく

あんたに恨みはないが…
止めさせてもらう!


白石・明日香
動く霊峰・・・・崩してやるよ!
予めスタングレネード、煙幕弾を大量に用意
残像で攪乱しながらダッシュで接近。落ちてくる火山弾は軌道を見切って回避、変身した獣たちには用意していたスタングレネード、煙幕弾をばらまき視界をくらます。少しでも攻撃を妨げれば上等。
変身した獣たちの攻撃はこれまでの集団戦の戦闘知識を総動員して挙動を見切って回避または武器受けでいなしオーラ防御、激痛耐性で耐え進む。
間合いに入ったら怪力、2回攻撃、属性攻撃(水)、鎧無視攻撃で叩き切る!
万物は全て平等に終わりを迎える。お前も例外じゃないという事だ!


龍ヶ崎・紅音
アドリブ・絡み歓迎

【POW】

「"炎の獣"を従える竜…強敵かもしれないけど、倒しておかなくっちゃね!!」

噴き出してくる"火山弾"を『煉獄猛焔波動』で勢いを抑えつつ、仲間が"炎の獣"に襲われているところを自身の【火炎耐性】を利用して【かばう】よ
その時に、すれ違いざまに「黒焔竜剣 肆式」による【カウンター】の居合切りを放つよ

あとは、攻撃が弱まってきたところに接近して、「壱式」に変化した「黒焔竜剣」で【鎧砕き】の一撃や【怪力】の【なぎ払い】で攻撃するよ


クレア・フォースフェンサー
再孵化により生み出され、すぐに戦いに駆り出される――
“帝竜”などと冠しておるが、むしろ使い捨ての駒に近いのやもしれぬな

適応機能により高熱に対応
光珠と見術で火山弾の軌道を見切り、炎の獣に変化する前に光弓で射落とす
落とせなかったものは光剣で斬り払いつつ、本体へと近付く

戦いの中で敵の力を見切ったならば、選択UCを使用し、光剣以外の装備を代償に対垓王牙用に全身の機能を再構築
最大長の光剣で敵のUCを破壊しつつ踏み込み、その魂を貫く

全にして一であるおぬしは、常に100の力を振るうことができるのかもしれぬ
じゃが、それが限界じゃ
わしらは不完全であるからこそ、100を、そしておぬしを超えることができる……!


ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
【WIZ】

火山なら岩や裂け目がありそうね。
岩や裂け目を利用して、多数の【ガイオウガに似た竜の姿】の炎に囲まれないように、逃げ足を駆使して走り回るわ。
攻撃をされてしまっても見切り、オーラ防御、火炎耐性で凌ぐ。
そうやって敵の炎とガイオウガが一方向に集まったら、チャンス到来よ。

「受けてみなさい」
ユーベルコード【マルチプルバレット】
68レベル×5=340本の【雷】属性の【銃弾】でまとめて薙ぎ払ってあげるわよ。


忠海・雷火
火山弾の軌道自体は落下放物線と推定、落下予測地点を避ける
落ちた弾が炎獣として向かって来る迄に可能な限り多数の死霊を召喚

獣の動きや関節可動域等は姿形に準ずると判断、対人外型の戦闘知識を使い見切や武器受け。防御が間に合わない時は死霊を盾にし凌ぐ
獣が犇めき空間に余裕が無くなってくれば、周囲の獣の脚を薙ぎ払い動きを鈍らせる事で、他の獣にとっても邪魔になるように位置を調整し立ち回り群れの中を突破する
受ける傷は火炎・激痛耐性で軽減

垓王牙の足元に来たら、足指に向けUCの血針投擲
指を内から破壊、駄目押しが必要なら同箇所を斬撃し体勢を崩させ、仲間にとっても有利な状況を作り
その隙に胸部へ再度UCを使用する二回攻撃


薙沢・歌織
帝竜ガイオウガの圧倒的な威圧感に、身を焦がすような火山の熱気…
過酷な状況ですが、私は諦めません。ヴァルギリオスまであと少しなのですから…!

エレメンタルオーブから氷を放ち、暑さを緩和。【地霊盾】の【火炎耐性・オーラ防御】により、全方位に耐熱バリアを張り垓王牙炎操を防ぎながら【ダッシュ・見切り】で前進。

防御中に【高速詠唱・重複詠唱】を仕込みUC【残滓の暴走】を発動、バリアを強化しながら時間内に全力ダッシュで精霊銃とエレメンタルオーブの射程距離まで突っ込み、敵の身体の火口を潰すように水【属性攻撃・乱れ撃ち・誘導弾】を連射します。

UC効果が切れる少し前に離脱。後は…頼みます…!


堕神・リカィ
「ガイオウガ…。アンタも世界を渡ってきてしまったようね。プラチナといいアンタといい、大人しく眠っときなさい!」

直接対面した事はないが、この炎の竜を知っている

人型機動兵器【D・EX・ギガント】に乗り込み、【オーラ防御】【火炎耐性】【地形耐性】で、炎に耐えつつ接近してUC発動

「さぁ、どちらの赤がより鮮烈か! その目に焼き付けなさい!!」

【D・EX・ギガント】もゲイムアーマーの武装の一部にして突撃。大量の火器を【一斉発射】

「これで終わりよ! クリムゾンストライク!!」

トドメは右腕のパイルバンカーによる渾身の一撃

※アドリブ連携歓迎です




 帝竜戦役も始まって半月が経つ。
 この戦いにおいて、ドラゴン……オブリビオンを率いる帝竜ヴァルギリオスの討伐を目指し、猟兵達は群竜大陸を進む。
 すでに、数体の帝竜を倒してなお進むメンバー達。
「再孵化により生み出され、すぐに戦いに駆り出される――」
 UDCアース製の人造人間の少女、クレア・フォースフェンサー(UDC執行者・f09175)は龍脈火山帯を歩きながら徐に口を開く。
「『帝竜』などと冠しておるが、むしろ使い捨ての駒に近いのやもしれぬな」
 これから戦うことになるのもまた帝竜だ。
 されど、その帝竜にデジャヴみたいな何かを覚えてしまう者もいて。
 ちりちりと空気を伝ってくる炎の熱気。
 記憶をなくした白い肌の少年、尾守・夜野(墓守・f05352)は思わず足を竦めてしまう。
 脳裏にちらつく過去に、倒したはずの宿敵の姿が。
「どうしても、離れてくれない。だがこいつはあいつじゃない……!」
 目の前にいるのは、全身を燃え上がらせた竜。
 火山と同等の巨体を誇る帝竜ガイオウガが猛り、吼える。
 その圧倒的なまでの存在感、威圧感。この場にいるだけで身を焦がしてしまうほどの火山の熱気……。
「……過酷な状況ですが、私は諦めません。ヴァルギリオスまであと少しなのですから……!」
 長い黒髪のアルダワの女学生、薙沢・歌織(聖痕宿す魔法学園生・f26562)はすぐさま、敵の先制攻撃に備える。
「動く霊峰……崩してやるよ!」
 対して、顔に傷持つ銀髪の剣士、白石・明日香(十字卿の末裔・f00254)は刀を構えて前方へと駆け出す。
「『炎の獣』を従える竜……強敵かもしれないけど、倒しておかなくっちゃね!!」
 焔の翼を生やす赤目のドラゴニアン少女、龍ヶ崎・紅音(天真爛漫竜娘・f08944)が気合を入れると、帝竜の体が脈動を始めて。
 次の瞬間、全身から無数の炎を放ってくるガイオウガ。
 それらの炎は小さなガイオウガを象り、猟兵達へと襲ってくるのだった。


 帝竜ガイオウガから発せられた多数の炎。
 その数は優に100を超え、やってきた猟兵達に食らいつかんと襲い掛かってくる。
 藍と紫のオッドアイの金髪ヤドリガミの少女、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)それらの接近を視認しながらも冷静に周囲を見回して。
「ここは火山だものね」
 隠れられそうな岩場や岩の裂け目を利用し、ヴィオレッタは多数の炎に囲まれぬよう【逃げ足】を駆使して走り回る。
 ガイオウガの姿を取る炎は突撃を仕掛け、猟兵達の体を燃やそうとしてくる。
 ヴィオレッタはそれを【見切って】回避に当たり、避けられないと判断すれば、【オーラ防御】で全身を覆い、持ち前の【火炎耐性】でしばし凌ぐ。
 近場では、歌織が『エレメンタルオーブ』から氷を放つ。
 ただでさえ暑い火山という場所に加え、奥に佇む帝竜ガイオウガの巨体、さらに飛んでくる竜の形の炎が否応なしに周囲の温度を上げてきており、歌織はその緩和に当たっていた。
 さらに、彼女は『地霊盾』を構え、【火炎耐性】、【オーラ防御】といった力を合わせて全方位に耐熱バリアを張り巡らす。
「これでしばらくは持つはず……」
 歌織は襲い来る炎を【見切って】防ぎながらも【ダッシュ】し、前進していく。

 別方向からは夜野が単身でガイオウガと対していた。
 今なお内から湧き出す恐怖、畏れを夜野は【覚悟】を持って押さえつけて。
「スレイ、任せた」
 駆けつけてきた愛馬スレイことスレイプニールに跨った夜野は、ガイオウガから距離を取っていく。
 というのは、帝竜の尾が超高熱溶岩流へと変化していき、地面を溶かしながら迫ってきていたからだ。
 程なく、自分の周囲は足の踏み場もなくなると察した夜野は、【空中】へと駆け出して身構えていた。
(「そういや、酸欠や毒ガスにも注意しないとな」)
 火山は地形として窪地となってガスが溜まりやすい場所もある。
 溶け出して発生したガスに囲まれれば、可能性は否定できないと、夜野は呼吸の心配も頭に入れながら、空中へと跳ね上がってくる溶岩流の回避に努めるのである。

 そして、他のメンバー達もまた厄介な相手と対する。
 ガイオウガは全身の火口から火山弾を発射してきており、それらの回避に猟兵達は動く。
 感情をあまり示さぬ紫黒の髪、深紅の目の少女、忠海・雷火(襲の氷炎・f03441)はその火山弾を注視する。
「軌道自体は想定通り、落下放物線。ならば……」
 雷火はその落下予測地点を避けるようにして移動を行う。
 グールドライバーである彼女は、可能な限り多数の死霊を呼び寄せようとしていた。
 一方で、『適応機能』クレアは『光弓』を構え、『光珠』と『見術』で火山弾の軌道を見切り、火山弾を射落としていく。
 破壊できればよし。だが、多数飛んでくる火山弾は地面に激突する前に炎の獣へと姿を変えて。
「垓王牙ヨ、奴ラノ排除ハ我ラニオ任セヲ!」
「必ズヤ、仕留メテゴ覧ニイレマショウ!」
 四つ足の猛獣の姿を取る炎獣達は身を躍らせ、猟兵達へと躍りかかってくる。
「みんなまとめて燃えちゃえ!!」
 なおも飛んでくる火山弾を、紅音が焔の翼から放つ地獄の炎で迎撃していく。
 明日香は飛び来るそれらを【残像】で見切って回避しながら、自分へと視線を向けた炎獣には用意した大量のスタングレネードや煙幕弾を炸裂させて、視界を眩ませる。
(「少しでも攻撃を妨げれば上等」)
 うまく躱しながら、接近を試みる明日香。
 地面を駆けて襲い来る炎獣達の動きを見ていた雷火は、関節駆動などの動き自体は普通の獣に準していると判断し、対人外型戦闘知識を使っての【見切り】、【『刀』での受け止め】によって、対処に当たる。
 また、雷火は先程呼び出した死霊も盾とし、ガイオウガの初撃の猛攻を食い止めていた。
 そこ少し頭上では、『全身鎧装』に身を包んで【低空飛行】していたビスマス結晶のクリスタリアン、ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)の姿があった。
 飛来する火山弾を【直感】で【見切り】、迎撃するビスマスが【火属性攻撃】として使っているのは、なんと『味噌』である。
 味噌は火事を消すことができたという逸話もあり、ビスマスは自らそれをこの場で実践する。
 だが、火山弾はさらに放出され、炎獣はどんどん増えていく。
 最初は脚を活かして攻めてきていた獣達だが、程なく数で攻めるスタイルへと切り替えてくる。
「コレ以上、垓王牙ニハ近ヅカセン!」
「無駄ナ抵抗ハヤメロ!」
 雷火はそれらの炎獣の脚を刀で【なぎ払って】動きを鈍らせ、他の獣にとっても邪魔となるように位置を調整する。
「この程度の傷なら、問題ないわ」
 気だるげに言う雷火は【火炎耐性】や【激痛耐性】で傷を軽減しながら、炎獣の群れを突破していく。
 明日香も集団戦の【戦闘知識】を総動員し、敵の挙動を見切って回避、武器受けと耐える状況が続いていた。
 【オーラ】で全身を覆い、炎を纏った爪牙に耐える明日香。
 数が増えれば厳しい状況となり、1人であれば背後を取られた可能性もあったろうが、この場には他にも猟兵達がいる。
 炎獣に囲まれた仲間を見れば、紅音が飛び込んで【火炎耐性】を活かして【かばい】に当たる。
 紅音はすれ違いざまに『黒焔竜剣 肆式』で【カウンター】で居合斬りを放ってその炎獣を切り裂いていく。
 紅音に守られる形となった明日香は痛みに耐え、先へと進む。
 近場ではビスマスが同様に、【激痛耐性】と【火炎耐性】で敵の攻撃を堪えながらも、実体【残像】をばら蒔きながら空中を【ダッシュ】していく。
 その少し後ろをクレアも『光剣』で切り払いながら、ガイオウガ本体へと近づこうとしていた。
 そして、もう1人。
「ガイオウガ……。アンタも世界を渡ってきてしまったようね」
 戦いの最中に飛び込んできたのは、日焼けした肌を持つゲームの神、堕神・リカィ(レベル0・f16444)だ。
 直接対面するのはこれが初めてだが、リカィはこの炎の竜のことを知っていたらしく。
「プラチナといいアンタといい、大人しく眠っときなさい!」
 人型機動兵器『D・EX・ギガント』へと乗り込んだリカィは機体に【オーラ防御】を纏わせる。
 火山で溶岩が流れる場もあって【火炎耐性】と【地形耐性】も働かせ、リカィもまたこの場の猟兵を追う形でガイオウガ本体へと接近していくのである。


 竜を象った炎、溶岩流、そして炎獣に変化する火山弾。
 ガイオウガは攻撃の手を止めず、猟兵達を攻め続けていたが、それらの攻撃を対処するメンバー達は徐々にガイオウガへと迫る。
 幾多の炎の竜に襲われる歌織は防御中に【高速詠唱】、【重複詠唱】を仕込んで。
「力を……この状況を打開できるだけの、力を……!」
 背中の聖痕に残された呪詛の残滓を暴走させた歌織。
 バリアを強化した彼女は70秒の制限時間内に【全力】【ダッシュ】し、『精霊銃』と『エレメンタルオーブ』の射程距離までガイオウガへと迫る。
 それらを一気に発動させた歌織は【水属性】の魔法弾と弾丸を【乱れ撃ち】する。
 【誘導弾】として多数放った弾丸を、歌織は相手の火口を潰す。
 崩れて火口が埋まれば、すぐにはガイオウガも次の火山弾を発射できない。
「後は……頼みます……!」
 制限時間が切れそうな歌織。
 その後は1分間の昏睡状態に陥ってしまうこともあり、彼女はこの場で離脱していく。
「垓王牙ヨ、イカガナサレタ!」
「我ラガオ守リ致ス!」
 一方で、ガイオウガの異変を察した炎獣や炎竜が集まり、護りへと当たっていく。
 ただ、敵が集まったのであれば、ヴィオレッタにとってはチャンス到来といったところ。
「受けてみなさい」
 ヴィオレッタは連続射出が可能なようにと、回転式拳銃『平和を作るモノ』から【バルチプルバレット】を発射していく。
 放つは、300余りの雷の銃弾。
 それらでヴィオレッタは纏めてガイオウガの生み出した炎獣達を纏めて【なぎ払い】、数を減らす。
 夜野も伸びてくる溶岩流を止める為、……不遜なる竜を討つ為に攻撃へと出るのだが。
 これから行うのは、宿敵と変わらぬ行為でしかない。
「それでも、止めるためには使うしかない」
 夜野が呼び寄せたのは、刻印で取り込んでいた物で混ぜたキメラ群。
 この火炎、火山という場に適性のある火トカゲや、溶岩流を泳ぐ魚といったものが入り混じったモノを襲わせる。
「あんたに恨みはないが……、止めさせてもらう!」
 多数のキメラをガイオウガの周りにいる炎獣、炎竜へとけしかけ、さらに奥のガイオウガにも一部に噛みつかせ、殴らせる。
 炎同士はほとんど効果がない為、基本的には物理的な手段で攻撃を加えていたようだ。
 さらに、ビスマスもこの場の炎獣達を纏めて蹴散らすべく、【早業】でユーベルコードを使う。
「Namerou Heart Omaguro!」
 この場は、蒼鉛式ご当地ビーム砲を攻撃力重視で発動させて。
「行きますよ、青海のマグロの味を思い知るのです!」
「「グワアアアアァァ……!!」」
 【広範囲】に発射されるビーム砲はこの場の炎獣達を【制圧】全て浴びせかけ、元の火山弾や炎へと戻し、消し去っていく。
 ビスマスは残る敵を【残像】でかく乱し、なおも【ダッシュ】でガイオウガへと攻め入る。
「ふむ、これなら……」
 そんな中、戦いの中で敵の力を【見切った】クレアは『光剣』以外の装備を代償として、対ガイオウガ用に全身の機能を再構築させていた。

 徐々に、猟兵達はガイオウガの足元へと近づいていく。
 巨体を持つガイオウガはなおも長い尾を溶岩として近づいてくる猟兵達へと移動させてくる。
 その前に、雷火が仕掛け、敵の足の指に向けて血針を投げつけた。
「我が身に宿る餓犬よ。血道を辿り、内より喰い散らせ」
 その針は、刻印から放つ術式誘導用のもの。
 刺さった指を内側から破壊していく。
 ダメ押しにと雷火がもう1本同じ指に血針を投げつけることで、ガイオウガの体勢を崩してみせた。
「…………!!」
 これだけの巨体だ。バランスを崩せば大きな隙ができる。
 多数の炎獣や炎竜が巻き込まれる中、猟兵達はうまく接近して。
「さぁ、どちらの赤がより鮮烈か! その目に焼き付けなさい!!」
 仲間達へと追いついたリカィが搭乗していた人型機動兵器も自身が纏うゲイムアーマーの武装の一部とし、突撃していく。
 彼女は大量の火器を展開し、【一斉発射】していく。
 紅音は『黒焔竜剣』を壱式へと変化させ、硬いガイオウガの【鱗を砕く】。
 続けざまに、紅音は【怪力】で【なぎ払い】を浴びせかけてその巨体に傷をさらに増やす。
「ガイオウガ、あなたにも味合わせてあげます!」
 態勢を整える前にと、ビスマスもまたユーベルコードで発現させたご当地キック用ビスマスブレードに【ありったけの力を籠め】、【重量攻撃】を込めてドロップキックを炸裂させた。
 【硬い鱗を貫通して】叩き込まれる一撃に苦しみ、ガイオウガは塞がれた火口から火山弾を強引に放つ。
 だが、猟兵達はそれらが炎獣となる前になおも攻撃を続け、雷火は敵の胸部目がけて血針を投げつける。
 ガイオウガの体内で巻き起こる破壊音。
 ただ、もはや炎獣達も己の主を気遣えるほどの余裕がなく、ことごとく猟兵達のユーベルコードの前に消えていく。
 おかげで、明日香もガイオウガの間合いに入ることができて。
「万物は全て平等に終わりを迎える。お前も例外じゃないという事だ!」
 妖刀『クルースニク』を【強く握りしめた】明日香は、刀身に【水属性】を付与して【連撃】を繰り出す。
 こちらも硬い鱗を切り裂き、マグマのように燃え滾るガイオウガの体内にまで深くダメージを与える。
 トドメにと、リカィとクレアが仕掛けて。
「これで終わりよ! クリムゾンストライク!!」
 リカィは右腕のパイルバンカーを相手の胸部目がけて渾身の一撃を撃ち込んでいく。
「全にして一であるおぬしは、常に100の力を振るうことができるのかもしれぬ」
 同時に、『光剣』を最大長にまで伸ばしたクレアがこの場に残る炎獣、炎竜を巻き込むようにして踏み込んでいく。
「じゃが、それが限界じゃ」
 クレアは光剣を構え直し、刀身を突き付けて。
「わしらは不完全であるからこそ、100を、そしておぬしを超えることができる……!」
 その巨体を巨大な刃で、クレアは貫いていった。
「………………!!」
 山の如き巨大が大きく揺れ動く。
 周囲の炎の魔物達が全て燃え尽きるようにして消え失せ、瓦解し始めたガイオウガの全身が崩れ落ちていく。
 巻き込まれぬようにと退避していく猟兵達。
 強大な力を持つ帝竜ではあったが、今の自分達はそれに勝る力と、連携を取ることのできる仲間達の存在を実感しながらも、この先にいるヴァルギリオスのいる世界樹を目指すのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月18日


挿絵イラスト