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帝竜戦役㉑〜燃え盛り獣を統べるモノ

#アックス&ウィザーズ #戦争 #帝竜戦役 #帝竜 #ガイオウガ #群竜大陸

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●グリモアベースにて
「皆様、また新たな帝竜が発見されました」

 グリモアベースで猟兵たちを出迎えたアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)の口から語られるのは新たな帝竜の発見だった。

「今回発見されたのは帝竜『ガイオウガ』。燃え盛る炎の如き巨怪を持ち、自らが生み出した炎の獣を統べる燃え盛る獣の帝竜です」

 龍脈火山帯、その燃え盛る死と炎の大地に存在するのはガイオウガと様々な形状を持つ炎獣たちのみ。全にして一であるガイオウガはまさしく王であった。あらゆる生命の存在を許さぬ炎を持ち、同時に獣を生む炎を纏いて生と死を操るモノ。

「火山と同等の巨体を誇り、煮えたぎる溶岩を纏うガイオウガを相手にするのはそう簡単なことではないでしょう。おそらく炎の獣たちも足を踏み入れた皆様に牙を剥くはずです。巨体と配下の軍勢。その両方を攻略しなければガイオウガを倒すことはできません」

 過酷な環境、圧倒的なサイズ、従う獣たち。その全てが猟兵に牙を剥く。
 しかしそれも猟兵たちがガイオウガと戦わない理由にはなり得ない。どんな障害が立ち塞がろうともそれを超え、猟兵たちは前へと進む。その牙は全てを破壊する。

「ですが当機はここまで戦い続けた皆様ならばきっとこの困難を超えることができると信じております。皆様の牙ならばきっとあの帝竜にも届くことでしょう。どうかご武運を」

 こうしてカーテシーと共に猟兵たちの転移が開始された。


灰色幽霊
 どうも、灰色幽霊です。
 七度の幹部戦となります。

 相手は帝竜『ガイオウガ』。
 また例の如く今回も『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』ことでプレイングボーナスが発生いたします。帝竜は確実に先制してきますのでどう防ぎ、どう反撃するかをお考え下さい。

 今回は幹部戦ですので基本的に『成功』か『大成功』のプレイングのみリプレイを執筆しますのでご了承ください。
 その他注意事項などはMSページもご覧ください。
 それでは皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『帝竜ガイオウガ』

POW   :    垓王牙炎弾
【全身の火口から吹き出す火山弾】が命中した対象を燃やす。放たれた【『炎の獣』に変身する】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    垓王牙溶岩流
自身の身体部位ひとつを【大地を消滅させる程の超高熱溶岩流】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ   :    垓王牙炎操
レベル×1個の【ガイオウガに似た竜の姿】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

黒髪・名捨
炎の竜ねぇ…。振れると火傷するぞ…っていいたのかねぇ。
火傷するのはどっちだか…。

●先制攻撃

炎に対する耐性が無いが…まーどーにかなんだろう。
『激痛耐性』で炎の痛みに耐えつつ、大ダメージは『見切り』回避。
正面から最小のダメージで突っ込むぞ。

●戦闘
『闇纏い』『迷彩』『目立たない』コンボでガイオウガの注意からそれて密かに『ジャンプ』して帝竜の体をよじ登る。
ときに飛び上がると同時に自分『吹き飛ばし』
ときにアーラーワルを『串刺し』して体を固定。すげぇデンジャラスな山登りだな。
さて、頭上を獲ったぞ。
やあ、ガイオウガ…。こんにちわっと。

じゃあ、さよなら。
陸断+『踏みつける』でガイオウガの頭部に強烈な踵落としだ


忠海・雷火
放物線の軌道こそ読み易いが、量が多い
火山の地形を利用、岩場に身を隠し弾の直撃を避ける。ほぼ真上からの軌道なら、洞穴状の地形が無ければ着弾予想箇所から急ぎ離れる
地形や獣同士を干渉させ、炎獣が四方から押し寄せぬように位置取りつつ
獣の体格にもよるが、下をくぐるように回避する事で敵を盾にする
任意消去可能との事で、互いに邪魔にならない程度の数に絞ってきた際は、対獣型への戦闘知識……炎だが獣でもある以上、動きや関節可動域等は獣に準ずるものと推定し見切や武器受けに徹する

隙を見てUC発動、煙となり狭い亀裂に逃げ込むと見せかけ
残る獣が押し寄せた所で敵本体、角や牙等の鋭角へ転移しだまし討ち。目か、口内を刺突しよう



●燃え盛る大地

 絶え間なく全身の火口から火山弾を放ち続けるガイオウガ。まずはあれを掻い潜らないことには近づくことすらできない。それに加え、周囲の至る所から溶岩も噴出し猟兵たちの体力を奪う。

「どーっすっかねー」
「どうもこうもアレを掻い潜るしかないわ」

 黒髪・名捨(記憶を探して三千里・f27254)と忠海・雷火(襲の氷炎・f03441)は火山弾の届かないギリギリの距離からガイオウガの姿を観察する。こちらの存在に気づいてはいないが関係なく火山弾は放たれ続けている。

「それもそうだな」

 名捨は影に隠れ、ガイオウガへと近づいていく。同じく雷火も岩陰から岩陰へ身体を隠し火山弾を防ぎながら少しずつ前へ。落下してくる火山弾の着弾地点から逃れ続け、前へ。


 巨大すぎる身体を持つガイオウガ。その大きさは一つの都市にも等しい。それほどまでに大きければそれだけで様々な利点が生じる。些細な攻撃に怯えることなく、その身を脅かす天敵も存在しない。だが、その巨大すぎるサイズは利点と同時に欠点も生み出していた。
 大きすぎるその身体、そこに誰かが組み付いたとしてもガイオウガが気づくことはない。周囲の炎獣たちなら気づくかもしれないが逆に言えば炎獣たちにさえ気づかれなければ誰にも気づかれることはない。

 とはいえその巨大すぎる身体をよじ登ろうとするものなどほぼいない。
 しかしここにその少数派が存在した。

 名捨はガイオウガの足からよじ登り、ガイオウガの身体を進む。目指すのはその頭頂部。隙だらけのそこにとっておきの一発をぶち込むつもりだった。

「うおぉい!」

 しかし火山弾を噴出し続けるガイオウガの火口はその近くにいるだけで問答無用に命の脅かす。火山弾自体に触れることはなくともその余波が肌を焼く。その痛みを無視して名捨は登り続ける。

 雷火も同じくガイオウガの足元まで接近していた。炎獣たちに見つからず、火山弾にも当たらぬよう細心の注意を払いここまでやって来た。しかし名捨とは違い雷火はその身体を登ろうとはしない。【発顕・餓犬之萌】を発動し、その身体を青黒い煙へと変異させ、噴煙に紛れガイオウガの身体を伝っていく。
 雷火であるその煙は鋭角への転移能力を有していた。ガイオウガの身体で鋭角の場所、火口へと転移しそれを一つずつ破壊していく。全てを潰すことはできないがそれでも火山弾の量は減り、危険度は格段に下がる。

「っし、やあ、ガイオウガ……こんにちわっと」

 その頃、名捨は遂にガイオウガの頭部へと辿り着いていた。これまでは上手く隠れていたがここまで来てしまうともはや隠れることもできない。だからこそ一撃で離脱を図る。

「じゃあ、さよなら」

 ガイオウガの頭部へ叩きつけられる名捨の踵。【陸断】によるその一撃がガイオウガの頭部を大きく揺らす。
 反撃に移ろうとしたガイオウガの口元へ迫る煙。雷火はガイオウガの口腔内を蹂躙し、名捨の逃げる隙を作り出す。


 口の中の痛みに気をとられ、気がつけば頭部を揺らしたナニカも口の中に入った煙も忽然とその姿を消していた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

フロッシュ・フェローチェス
デカい、そして、熱い……単純明快な強さをひしひし感じるね。――上等、その体に一つでもいい――渾身の足形刻んで見せる。

加速式励起、疾走開始。残像を複数作りながらバックダッシュで距離を取る。ここまで巨大だとさすがに先手撃っても意味が無いし埒あかない。
けど体の一部意を別の者に変異させたなら、自ずとそこに意識が行く……危険な賭けだけどやるしかない。
残像に気を取らせ攻撃させよう。タイミング計らってる暇はない、瞬間移動もかくやの早業で逆方向へ舵を切り――衝撃波とジャンプを合わせた強引な移動で、何がなんでも避けてみせる。

コッチ向く前にUC発動しその顔面に一発蹴り入れてやる!
そのスピードを活かして離脱しよう。


シズホ・トヒソズマ
飛行するデザイアキメラの背に乗り、燃える大地から距離を取りつつガイオウガに注意しながら炎獣達を迎撃
クロスリベルで強化した反射で◆早業の◆操縦
キメラの耐熱盾&水流放射による水◆オーラ防御、ガオの◆捕食により炎獣の光熱エネルギーを吸収し防御に徹します

溶岩流が此方に放射されたら
リベルの移動力強化とキメラの飛行、ガオの体内に溜めたエネルギーを放射してのジェット噴射で溶岩流を回避できる位置に超加速移動
◆誘き寄せた溶岩流を回避しUC発動

アシュラの力を使用
ジェット噴射と飛行で接近
迎撃や炎獣を速度と神気バリアで弾く&回避し
バスタードソードを『破壊神の刃』に変え敵の身体に突き刺す

貴方を破壊します、ガイオウガ!



●疾走するものたち

 猟兵たちの攻撃を受け、ガイオウガはふらつきながらも迎撃へと移る。その身体から流れ出る超高熱溶岩流が大地を飲み込み、そこに存在する全ての物を焼き尽くす。

「あれは流石にヤバいですね!」
「ああ、そうだね」

 シズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)とフロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)は空を翔けながら流れ出る溶岩流を回避する。しかしその熱で離れていても汗が吹き出し止まらない。人形たちを総動員して暑さを抑えているシズホの周囲でこれなのだからそこから離れればどうなるのか、それは想像に難しくない。

「―――だからこそ、行く」
「ええ、ご武運を!」

 シズホの操る人形にタンデムしていたフロッシュがその言葉と共に飛び降りる。翼を持たぬフロッシュは空を飛べない。それはわかり切ったこと。
 だが、飛べなくとも空中を移動する術はそれだけではない。

 フロッシュの身体に刻まれた『超速術理「加速式」』が発動する。加速する脚は空気すら足場にして音を置き去りにその身を跳ばす。急激な加速により空気の壁にぶつかろうともフロッシュは止まらない。加速を繰り返すたびにその場所へ自らの残像を残し、進み続ける。
 シズホもまた、人形たちの力を使い速度を上げる。捕食した熱エネルギーを放射させ推進力に、それに加え人形の力で増幅した移動速度が生み出す加速で溶岩流を振り切るとその舵はガイオウガへと向けられる。


「流石の私もここまで熱いのはごめんですよ!」

 迫りくる炎獣たちを人形に迎撃させながらシズホはガイオウガの元へと迫る。そして【幻影装身】を発動し、かつて倒した宿敵の幻影をその身に宿す。
 今回現れたのは以前討伐した武器を操る狂える女神。その力を身に影を身に纏い、シズホに力が宿る。同時に取り出していた『バスタードソード』がその姿を変え、かつて神が握った破壊神の刃を顕現させる。あらゆるものを両断するその刃。それを顕現させるだけの代償は軽くなく、シズホの口元から一筋の血が流れる。

 それを拭い、シズホ破壊神の刃をガイオウガへと突き立てる。

「貴方を破壊します、ガイオウガ!」

 深々とガイオウガの頭部へと突き立てられた刃。あらゆるものを両断する刃だがガイオウガの規格外の大きさではその力を十全に発揮することはできなかった。刺さり、その周囲に罅が入り続けるがもう一押しが足りない。シズホが刃を押し込もうと力を込めたその瞬間、ガイオウガの身体が大きく揺れる。

「これ以上は不味いですね……フロッシュさん!」
「―――ああ」

 ガイオウガが迎撃に移る前にシズホは離脱。迫る炎獣たちを振り払いながらこの空域から離脱する。
 入れ替わるように急襲をかけるフロッシュ。狙いはシズホの突き立てた刃。あれならば絶望的なまでのサイズの差を無視してガイオウガへダメージを叩き込める。

 【刹砲『トリニダード・スコーピオン』】による刹那の蹴撃。それは刃を弾丸へと変え、ガイオウガの頭部、その半分を抉り取る。
 その痛みに咆哮を上げるガイオウガ。しかしこれ以上の追撃は危険が伴う。この異常な暑さでの戦闘は2人の体力を奪い続け、戦闘続行は不可能に近かった。


 強襲した2人は役目を終え、そのまま戦線を離脱する。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミア・ミュラー
あつい……。こんなところに平気でいるなんて、やっぱりドラゴンはすごい、ね。けど、わたしも負けない、よ。

ガイオウガに似た竜なら、飛ぶのは得意じゃなさそう、かな。水を纏わせたプリンセスハートを飛び回らせて手下を牽制しながら、傘を使って「空中浮遊」して空に逃げる、ね。遠距離攻撃はコンパスで「盾受け」したり、「火炎耐性」のある手袋で防ぐ、よ。
チャンスができたら【風槍】で反撃する、よ。槍につかまって空をぐんぐん進んで、風の槍に水も纏わせた「属性攻撃」で邪魔な手下を消しながら、ガイオウガに向かう、ね。最後は残った槍を全部集めて、一点集中で、ぶつける。ん、ひとつひとつは弱いけど……束ねればきっと、貫ける。


水貝・雁之助
アレンジ連携歓迎

ガイオウガ、ガイオウガかあ・・・
少し引っ掛かる名前だけど倒さないといけない相手には変わらないね

火山帯という『地形を利用』
『トンネル掘り』と『拠点防御』の心得を活かし周辺に吹き出す炎等を利用して敵の目を誤魔化しながら簡易塹壕を作成しつつ移動
可能な限り気取られない様に敵の周辺迄近付く
熱は『地形耐性』で耐える

気付かれたら火山帯という『地形を利用』し火山等やガイオウガ自身の体『(敵)を盾にする』様に位置取りつつUC利用可能迄凌ぐ
炎は敵の意思で消せるので盾には出来ないだろうと判断し盾にしない

UC使用可能後は隠れて使用
自身はそのまま囮に
悉平太郎がその間に隙を『見切り』不意を打つ『騙し討ち』


ステラ・テルキーネス
【心境】
「熱い、暑すぎる。でも厚くはない…。」
こうマグマの体って本人は熱くないんでしょうかね?
こうメルトダウンで自身の熱で溶けるとか、大気に火がついて自爆とか…。
しませんよね、はい。

【行動】

うーん。
炎かぁ…火傷はいやです。
『武器改造』で自慢のステラ・テルキーネスの長い髪の毛を巨大な団扇×2の形に形状を変化させ炎の攻撃を受け止めます。髪には痛覚が無いです…ってあー、ぼ、ボクの髪焼き縮れてます…(涙)

うぅぅ…よ、よくもボクの髪をー(注:自業自得)
ほ、炎には氷です。冷凍凍結波で凍らせます。
熱いものに冷たく冷やせばもろくなります。
ボクは知ってるんですよ。

【その他】
アドリブ他猟兵との協力はOKです。


神宮寺・絵里香
●心情
・炎の帝竜か。まあオレは水使いだ。相性的には悪くはないだろう。尤も、過信はできんがな

●戦闘
・薙刀に破魔の力と水の力を宿す。
・敵UCで出てきた炎に対しては、攻撃を見切り水を纏った薙刀で薙ぎ払い対処する。ただし本体への注意も忘れない。炎に注意が行きすぎて本体、本体に注意が行きすぎて炎に焼かれないようにする。暑さ対策で水属性のオーラは纏っておく。
・先制攻撃に対処したら、高速詠唱からUC。範囲攻撃で当たり一面を沼に変換しつつ炎を薙ぎ払い。本体も殴っておく。重そうだから底なし沼はキツイだろう。炎も水の上を走れないだろうしな。後は水上歩行技能で水面を走って接近、水を纏った薙刀で相手の体を削る。


荒谷・ひかる
・対先制攻撃
炎の精霊さんと風の精霊さんにお願いし、周辺で燃えている炎をより強く燃え上がらせてもらう
目的は燃焼反応の加速による酸素の消費……空気中の相対的な酸素濃度の急激な低下
燃焼の三要素(熱・燃料・酸素)のうち一つでも欠ければ、炎はその存在を維持できなくなるはず
それによりわたし自身が窒息しないよう、酸素ボンベを携帯しておく

凌いだなら【本気の闇の精霊さん】発動
指定する対象はガイオウガの体内を流れているであろう「溶岩」
これにかかる重力を一万倍にすることで、動きを封じつつ流動経路への過負荷による破裂や破壊を狙う

その身が活火山だと言うのなら、溶岩全部流せば死火山になるでしょう!?


ベイメリア・ミハイロフ
これは…まるで、火山が動き出したかのよう
この先必ず脅威の一つとなりましょう
なんとしても、ここでお止めせねば…!

有効かどうかはわかりかねますが
念のため火炎耐性・激痛耐性を活用
防具改造にて熱さに耐えられるよう改造を

赤薔薇の花びら・オーラ防御を纏いつつ
初手を含み、お相手の行動は第六感にて見切り
ジャンプからの空中浮遊・空中戦にて
残像も用いつつ飛び回り、回避できるよう努めます
不可であれば武器受けにて捌き
カウンターを狙ってみます

こちらからの攻撃は、属性攻撃に氷を付与し
範囲攻撃にて、炎の獣や炎の竜を巻き込むようにしながら
早業・高速詠唱からの2回攻撃も狙いつつ
空から光を降り注ぎます
負傷時には医術にて応急処置を



●炎を鎮めるモノ

 顔面が半分抉れても、その身に存在する火口の半分が削られてもガイオウガは未だ健在であった。それどころか怒りに震えるガイオウガから産み出される炎による分身。ガイオウガと同等の大きさを誇る炎の竜がこの燃え盛る大地に顕現した。

「さて、どうしようか」
「熱い、暑すぎる……」
「そうだな……」
「私に考えがあります」

 水貝・雁之助(おにぎり大将放浪記・f06042)の掘った簡易塹壕に身を潜めながら猟兵たちは迫りくるガイオウガと炎の分身への対抗策を考える。ステラ・テルキーネス(バイオモンスターのミュータントヒーロー・f19520)は周囲の暑さで頭が回っていない様だったが。

「それで行くか。足止めは任せろ」
「はい」

 荒谷・ひかる(精霊寵姫・f07833)の提案した作戦。それを行うにはまずどうしてもガイオウガたちの動きを止める必要がある。その役目を買って出たのは神宮寺・絵里香(雨冠乃巫女・f03667)、水を操る巫女である絵里香ならば一時的に動きを止めることも容易だろう。

「じゃあ僕はこのまま塹壕を伸ばすよ」
「あ、ボクもやりま~す」

 足を止めるためにもまずはこの塹壕をもっと広げなければならない。移動をするため、というのもあるがそれ以上に大事な役目がもう一つ存在した。

 こうして地上にいる猟兵たちは動き出す。


 そして空にも2つの影が。ミア・ミュラー(アリスの恩返し・f20357)とベイメリア・ミハイロフ(紅い羊・f01781)は地上からの上昇気流に乗り、空へと浮かんでいた。眼下では動き出したガイオウガたちとそれに対抗する猟兵たちの姿が。
 この2人の役目は急襲からのフィニッシュ。そのためにもまだ動くことはできず、2人は空から見守ることしかできなかった。

「どうか神のご加護を……」
「きっと、大丈夫」

 空を飛び、暑さに耐えながら2人は地上にいる猟兵たちの成功を祈る。


「そろそろだな」

 ステラと雁之助が塹壕を掘り始めて数分。進行速度から考えるとそろそろちょうどいい時間のはず。絵里香は塹壕から飛び出し、ガイオウガと分身の前に身を乗り出す。
 敵が現れればガイオウガたちもそちらを狙う。絵里香の存在を知覚したガイオウガは分身と炎の獣たちを絵里香へ向けて放つ。絵里香は破魔と水の宿る薙刀を振るい、祝詞を口ずさみながら自らに迫る炎の獣たちを薙ぎ払っていく。

「いと深き深き湖沼の主、大いなる水を司りし白蛇の神よ! 汝が住処をここに顕現させよ!」

 【白蛇神域】を唱える絵里香の声に従いその背後に現れたのは白き大蛇。その口から放たれた水のブレスが炎の獣たちを薙ぎ払い、その炎を鎮める。しかし本体であるガイオウガとその分身に対しては威力が足りなかった。多少炎の勢いを鎮めることには成功したが消すまでには至らない。だが元よりそれも織り込み済み。真の目的は他にあった。
 ブレスは攻撃と同時にその周囲の大地を底なし沼に変えていた。その巨体に見合うだけの重量を持つガイオウガは沼へと沈んでいく。
 そして塹壕が掘られ続けた意味もここにあった。底なし沼は際限なく広がるのではなく、塹壕で止まる。塹壕が堀の役目をすることで無駄に広範囲へ広がることを恐れたのだ。

「ほ、炎には氷です!」

 分身たちの炎の勢いも弱まるがまだ消えはしない。そこへ追撃に飛び出したステラが放つのは【冷凍凍結波】。額の鱗から放たれる冷凍ビームがガイオウガたちの足をとる底なし沼を凍らせる。これで分身も含めガイオウガは動くことができず底なし沼の中央でもがくしかない。

「髪の毛の恨みです!」

 ステラご自慢の長い髪の毛はこの灼熱の大地により焼き縮れてしまっていた。この攻撃はその八つ当たりも含めていたのだろう。

 絵里香とステラの連撃で分身はその全てが動きを封じられる。だがその火の勢いは衰えたとはいえ未だ健在。それを封じる最後の一手が今放たれる。

「炎の精霊さん、風の精霊さん……お願いします!」

 ひかるの呼び声に応え風と火の精霊が動き出す。火を鎮めるのではなく、さらに燃え上がらせるために。
 その目的は周囲の酸素を使い尽くすことだった。何かが燃えるためには酸素の存在が必要不可欠。ただでさえ今は絵里香の放ったブレスが蒸発したことで周囲に水蒸気が満ち、燃焼を阻害している。その上で炎を勢い良く燃え上がらせるにはいつも以上の酸素が必要だった。

 激しく燃えあがる分身たち。それも長くは続かず徐々に消える個体も出て来るように。周囲の酸素が十分に減ったことを確認し、ひかるはさらに次の手を放つ。

「闇の精霊さん……お願い、あなたの本気を見せてあげてっ!」

 分身の次はガイオウガ本体。ひかるの使った【本気の闇の精霊さん】により指定した物体には通常の1万倍もの重力が掛かる。今回ひかるが指定したのはガイオウガの体内に流れる溶岩。そこに掛かる重力を増大させることで溶岩の動きを阻害する。これまでの戦いで刻まれた傷口から溶岩が凍った底なし沼へ流れ出す。

「悉平太郎!」

 溶岩が減り、燃えることもでき無くなればその身体の温度は低下する。そこへ雁之助が【降臨悉平太郎】により呼び出した悉平太郎が迫り、ガイオウガの身体へさらに多くの傷をつけていく。

「いこう」
「はい!」

 燃え盛る大地が鎮まったことで上昇気流も無くなり、ミアとベイメリアの身体は落下を始める。それは同時に攻撃の合図でもあった。
 ミアの【風槍】により召喚された魔法製の風の槍。それが生み出す風に乗って2人はガイオウガへと接近する。他の猟兵たちも攻撃をしてはいるがガイオウガの圧倒的な巨体の前に決定打が欠けていた。

「其は風……穿ち、吹き荒べ」

 周囲の水蒸気を取り込んだ風の槍が回転し雨の如くガイオウガへと降り注ぐ。

「―――光よ」

 ベイメリアもまた、その指先をガイオウガへと向け【ジャッジメント・クルセイド】により天から降り注ぐ光でガイオウガの身体を浄化していく。

 地上と空そのどちらからも攻撃され続け度重なる温度変化で脆くなっていたガイオウガの身体は徐々に崩壊を始める。
 既にもう配下である炎の獣たちは殲滅され、彼らを生み出す火口も破壊された。
 自身を模した炎を生み出そうにもそれだけの炎を生み出すだけの火力がない。
 体内の溶岩は高重力で押し固められ、身体を溶岩流に変異させることもできない。
 足場も固められガイオウガはもはやその身が崩壊するのを待つだけだった。

「最後」
「ええ、これで終わりにしましょう」

 これまでバラバラだった光と風の槍が収束され、一本の大きな槍となる。一つ一つではガイオウガの身体を削ることしかできなかったがこれならば貫ける。

「よし、オレたちもやるぞ」
「はい!」

 そしてその槍に合わせ、絵里香とステラも再びブレスとビームの再発動。槍は光だけでなく、水も纏い氷の鎧で強化される。

 様々な力が束ねられたその槍が放たれると螺旋状に回転し、ただ真っ直ぐ進んでいく。その先にいるガイオウガの身体を串刺し、抉り、大穴を穿ち貫き通す。
 限界を超えたダメージでガイオウガの身体は崩壊し、塵となり消えていく。


 燃え盛る大地での戦いは終結。
 この地を燃やすものはいなくなり、大地の火は鎮まった。

 過酷な戦いを制した猟兵たちは休むことなく新たな戦いへ身を投じていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月18日


挿絵イラスト