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鋼鉄の黄昏

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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 GggGgGGggGgrrRrRrrRrRrwWwWwW!!!

 咆哮。
 屑鉄の山から、がらごろと硬質な音を響かせて鉄塊が転げ落ちてゆく。
 そして、崩壊するジャンクの中から立ち上がったのは……鋼の、獣だ。
 身の丈は10メートルを超えるであろう。ひしゃげた装甲をまとい、錆びついた歯車をがりがりと鳴らし、咆哮するエンジンが大気を穢す有害な黒煙を吐き散らす。それはかつて滅びた旧世代の廃棄物の塊だ。とうの昔に捨てられ、黄昏を迎えたものだ。
 彼は、街を壊し、人を殺し、恐怖を撒き散らすものの姿をしていた。
 それでいて、そうであると同時に、彼はかつての旧人類が畏れ、憧れ、愛した姿をしていた。
 どことなく“リキシ”を思わせる強靭な四肢。暴れ回る尻尾。恐ろしい牙がずらりと並び、火を吐き出す口。
「おお、おお、おお……」
「なんと雄々しく、美しい」
「これこそまさに我ら鋼鉄怪人軍団の理想」
 巨影を見上げ、キマイラフューチャーの世の混迷を企てるオブリビオンたちが陶酔する。
「さあ、今こそ愚かなるキマイラどもをその威容で支配するのだ。……お前は、お前の時代は、終わってなどいない!」
 GgGGgGgggGGwWwwWWwwWW!!
 がらくたの山を叩き崩し、彼は咆哮する。
 かつて、人々はそれを“怪獣”と呼んだ。

「……」
 グリモア猟兵、ロア・メギドレクスはソファに座ってディスプレイを眺めていた。画面の中では巨大な怪物が口から火を噴き、街を破壊する様子が映し出されている。かつて多くの人々に愛された、旧世代の怪獣映画だ。
「……ん。おお、汝らか!」
 ロアは猟兵たちの到着に気づくと慌ててヘッドホンを外し画面の電源を落とす。
「事件であるぞ。場所はキマイラフューチャーの市街地だ。出撃の準備をせよ」
 グリモア猟兵が事件のあらましを説明する。
 キマイラフューチャーの街中に、突如として巨大な怪獣が出現したのだという。
「うむ。怪獣だ。嘘ではない。しかもロボット怪獣だぞ。ロボット怪獣」
 やや興奮気味の早口。ロアは熱のこもった語り口で話を続けた。
 本来、怪獣などというものはもはや廃れた存在だ。毎日のように新たなムーヴメントが寄せては返す波のように移ろうキマイラフューチャーではなおさら。
 だがそこに“本物”が出てきたとなれば話は別だ。怪獣は街を闊歩し、建物を破壊しながら暴れまわっている。しかも厄介なことに、人質までとっているというのだ。
 ……否。人質というか、わざわざ自分から捕まりにいったキマイラの動画配信者だ。タチの悪いことに、『怪獣に捕まってみた』なる生放送がバズっている。
 街を破壊する怪獣も、キマイラフューチャーの住民にとってはエキサイティングな祭りの一つとして捉えられているのだ。
「今はこの生配信がかなり問題でな。はやく止めさせないと、この作戦を企てた連中の思惑通り怪獣ムーヴメントがキマイラフューチャーを席巻してしまう。そうなる前にどうにかしてほしい」
 そのためには、まず怪獣に捕まっている動画配信者を救出することが最優先事項となる。
 そして、ロアは作戦を提示する。

 ひとつは正攻法で怪獣を止めに行くこと。
 怪獣に攻撃を仕掛け、転倒させたり腕を破壊することで力づくで救出する作戦だ。
 または、怪獣を挑発することで注意を引き、隙を作らせたところで指を開かせ助け出す作戦。
 そして、最後に示されたのは怪獣を『説得』する作戦だ。
 なお、件の怪獣はスクラップが組み合わさって身体を構成しているが、身体の大部分は廃棄された戦車をベースにしている。下手を打てば口からの砲撃が文字通り火を噴くので、じゅうぶんに注意してほしい。グリモア猟兵はそう付け加えた。
 そして、いずれかの方法により怪獣を無力化することができれば、この事件を仕掛けた怪人どもが激怒しながらやってくることだろう。そいつをやっつければ、この案件は終了となる。
「怪獣の処遇についてはどうにでもなるゆえ、破壊してもしなくてもよい」
 最後にそう言い添えて、ロアは転送の準備を開始した。
 そして、グリモアが輝く。


無限宇宙人 カノー星人
 ようこそ、イェーガー。カノー星人です。
 新たな侵略活動を開始いたします。ご査収ください。
 この度はあなたがたと共に旅路をゆけることを幸福に思います。

 楽しんでいただければ幸いです。
 よろしくお願いいたします。
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第1章 冒険 『スクラップとプリンセス』

POW   :    怪獣の足を切断し、横転させ、腕を破壊して救出する

SPD   :    怪獣の足元で挑発を繰り返し注意を引き、ワイヤーで足を引っ掛けて転倒させて、指を分解し救出

WIZ   :    話し合いで取引を持ちかけたり、ハッキングして、怪獣に自ら返してもらう

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「きゃーっ!すごーい!」
 鋼鉄に包まれた怪獣の手の中できゃあきゃあとはしゃいでいるのは、キマイラフューチャー在住。若干8歳の動画配信者、キマイラのヒナちゃんである。おはなのドレスが似合う可憐なおんなのこだ。
 彼女は手にしたデバイスで上手に自分と怪獣の顔がバランスよく写るよう自撮り写真をパシャリ。SNSにアップすればあっというまにありえない速度で「いいね」がつく。
「ところで、あなたの名前はなんていうの?」
 ここでヒナちゃんははたと気づき、怪獣の顔を見上げながら可愛く小首を傾げた。

 GgRrr……

「『ぐるる』……?そっか!グルルだね!」
 こうして——少なくともヒナちゃんの視点では——2人はお友達になった。
 それはさておき。怪獣の進撃は続く。怪獣のパワーでまたひとつビルが崩れた!キマイラフューチャーの危機は進行している。急げ、猟兵たちよ!
草野・千秋
なんて危ないことになっているんだ!
断罪戦士、ダムナーティオーいざ参る!

ヒナちゃん、危ない!
「それ」は君とは友達になれない
怪獣と人は仲良くはなれない
だから、今は目を閉じて
【POW】
サイボーグの怪力で怪獣の足を切断し
腕を破壊して救出に向かう
僕だって本当はこの力好きじゃない
機械と人、それらが奇妙に合わさった僕だ
(素早く救出すると)
大丈夫だったかい
この街は危機を迎えようとしている
それを助けに来たんだ
今はまだ目を閉じてお父さんお母さんが来るのを待つといい


トリテレイア・ゼロナイン
街を破壊し人質をとるロボット怪獣…これ以上の狼藉は騎士として許すわけにはいきません

いまこそ(ゴブリン軍団とか人間サイズのボス相手だと絵面が酷い&MS様が描写に困るので使わなかった)合体ロボット「ブローディア」を使う時ですね
巨体には2.8M×2×3の巨体で対抗します

街や人質に気を付けつつ怪獣の攻撃を「武器受け」「盾受け」で防ぎ、剣で怪獣の手足を攻撃して破壊し人質を救出、もしくは「怪力」で「手をつなぐ」ことで怪獣の行動を制限します
街への被害を抑えるために口の砲門を大盾殴打の「鎧砕き」で使用できなくしたいですね

短い稼働時間、出来る限りのことをしましょう
(ガス欠のタイミングはMS様の裁量にお任せ)



 GggGgGGgGrRrRRRrrRrwwWwwWWWw!!!

「すごいすごーい!」
 ヒナちゃんはゴキゲンで『怪獣に捕まってみた』を配信しながらはしゃいでいた。怪獣も吼える。
「やっべえ!!超すげえ!」
「でっけえ!やべーぜあれ!」
 若いキマイラたちは怪獣の足元でぱらぱらと降り注ぐ瓦礫から逃れながら祭りを楽しむように大騒ぎ。そして、そこへついにこの危機を止めるため、立ち上がった猟兵たちが参戦する!
「街を破壊し人質をとるロボット怪獣……!これ以上の狼藉は騎士として許すわけにはいきません!」
「ああ!なんて危ないことになってるんだ。放っておくわけにはいかない!」
 ここに馳せ参じたのは、トリテレイア・ゼロナイン(f04141)と草野・千秋(f01504)だ。
「猟兵だ!」
「スッゲー!本物はじめてみた!」
「握手!握手!」
「申し訳ございません、今は非常事態ですから」
「うんうん、サインはしてあげるから、またあとでね!」
 怪獣が闊歩する非常時でも楽しみを忘れないキマイラフューチャーの人々に避難を促しながら、2人の猟兵は怪獣の眼前に飛び出した!
「わー!猟兵さんだ!かっこいーねぇ。グルルも猟兵さん見るのはじめて?」
 GgGGgrRrRrrr……
 ヒナちゃんは怪獣の手の中で大喜びである。配信動画のコメントも『猟兵だ!』『やべえ!』『バトルすんの?』と盛り上がっていた。
「あれが怪獣か!」
「こちらが先に仕掛けます。敵の注意を引くので、人質の救出をお願いします」
「わかった!僕に任せてくれ。断罪戦士、ダムナーティオー!いざ参る!」
「ではいきます。コール!ブローディアー!」
 トリテレイアは脚部格納型スラスターを起動し、アスファルトの地面を踏み切った。そして、飛び出したトリテレイアを光が包む。
「おおおおおおおおッ!!」
「おっきい!」
 GgGGg GgGGgRRrRrRWwwWwWWwwW!!
 光の中から生まれたのは巨大な腕だ。否。腕だけではない。そこから姿を表したのは巨大な怪獣を更に上回る巨躯である。トリテレイアのユーベルコードによって呼び出されたスーパーロボット、ブローディアである!鋼の拳が怪獣の顎門を打った!
 GgGGgrRrRrrrRR!!
 たたらを踏みながら衝撃に呻く怪獣!目を回すヒナちゃん!目の前で始まる怪獣と巨大ロボの常識を超えた戦いにヒナちゃんの配信番組は凄まじい勢いで視聴者を増やしていく!
「これ以上の悪事はお止しなさい!怪獣!」
「この子はグルルだよ!」
「ではお止しなさい!怪獣グルル!」
  GgGGgggGgGrRrRRrrrRRwWWwwWWWwW!!
 威嚇するように吼える怪獣がブローディアに突進!ショルダータックルで激突しにいく!
 ガオオォォン!!轟音が響き、ブローディアが揺らぐ!だが、ブローディアはすぐさま態勢を立て直しカウンター気味に拳を打ち上げる!再び怪獣の顎門を叩いた!衝撃で再び目を回すヒナちゃん!更にブローディアはその凄まじいパワーで怪獣を抑え込む!
「断罪の剣よ!僕に力を!」
 そして、その戦いの足元で千秋、もといダムナーティオーはユーベルコードを起動。拳に光を灯しながら、怪獣の脚に攻撃を仕掛けた。トリテレイアとの大決戦に意識を割かれていた怪獣は躱すすべもなく脚部を破損させられ、膝をつく!
 だが、千秋の胸中は複雑な想いもまた抱えていた。こんなにも巨大な怪物を叩くことができるこの力は、自分が人間ではなく、肉と鉄の混ぜ物であることを何よりも突き付けられる。だが、平和のためならこの力を使うことを躊躇はしない。
 怪獣が膝を屈したのを好機と見て、ダムナーティオーは怪獣の身体を駆け上がる。そして、ヒナちゃんを捕らえる怪獣の手をこじ開けた!
「猟兵さん!」
「大丈夫だったかい、ヒナちゃん。この街は危機を迎えようとしている……だから、君を助けに来たんだ」
 ヒナちゃんは怪物の魔の手から解放される。千秋は彼女へと手を差し伸べた。だが、ヒナちゃんはすこし目を伏せ、ちいさく呟く。
「グルルはどうなるの?」
「止めるよ。この怪獣は危険だ」
「でも、ちょっとかわいそう。……せっかくおともだちになったのに」
「ヒナちゃん。『それ』は君とは友達になれない」
「えっ」
 ヒナちゃんは、目を見開いて短く息を吐いた。
「怪獣と人は、仲良くはなれない」
「…………」
 僅かな沈黙を、置いて。
「なんで、そんなにひどいこと言うの」
 ぽつ、と。絞り出すような声が、漏れた。
「ヒナちゃん!」
「ヒナちゃんはグルルのおともだちだもん!!いっしょに配信したし、いっしょにいっぱい『いいね』もらったもん!!」
 救出されたはずのヒナちゃんは、両目にいっぱいの涙を溜めながら、彼女を助けに来た猟兵の手から自ら逃れ、怪獣の手の中へ戻っていく。
「ダムナーティオー!これ以上はブローディアのパワーがもちません!怪獣グルルが再起動します。離れてください!」
「くっ……!」
 一方、トリテレイアは警告を促す。GgGGgrRrRRRrrR!怪獣が咆哮し、ゆっくりと立ち上がろうとしていた。エネルギーの切れかけたブローディアを押し返し、怪獣は動き出す!
 確かにダメージは与えていたはずだが、脚部の完全停止は至らなかったか!千秋は一旦後退し、ブローディアはエネルギー切れにより戦場から離脱する。
「ヒナちゃん!そこにいては危ないんだ!」
 だが、怪獣は未だ止まらない。人質を抱えたまま。

 怪獣の完全無力化には至らなかったが、2人の猟兵は確実にダメージを与えていた。成果は出ている。怪獣は片足を引きずるようにしながら、ゆっくりと移動していく。
 猟兵たちは次の攻め手を検討し、次の作戦を立てていく。たしかに状況は動いた。しかし、この街を襲う危機が去るには、まだすこし時間がかかるようだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

エダ・サルファー
怪獣って、しかもロボ怪獣って……なんて趣味的な……
……でも正直に言って、割と好きだけどね、こういうの。
壊さなくて済むなら、できるだけ壊さないでおきたいなぁ。

とはいえ、怪獣に説得って通じるもんなのかね?
とりあえず近くのビルに登って、目線の高さで怪獣とヒナちゃんに呼びかけてみるか。
・そのままだとヒナちゃんが危険なので、開放してほしいこと
・私としては壊したいとはあまり思っておらず、そちらがこれ以上暴れないなら手を出す気は無いこと
・説得の通じる怪獣は子供人気が上がること
とかを伝えてみよう。
目を見て話せば誠意は伝わる……と信じたい。

駄目そうならしょうがない、聖拳突きで足の破壊を試みて、物理的に止めるよ。


リゥ・ズゥ
怪獣。大きく、強い。だが、リゥ・ズゥは、悪魔、だ。
行くぞ、怪獣。お前は、リゥ・ズゥより大きい、が、リゥ・ズゥより、強い、か?
(可能であれば、「衝撃波」で自身を吹き飛ばし怪獣の身体へ着弾、
身体をロープ状にし「ロープワーク」「ダッシュ」で凹凸を伝って腕まで到達
「グラウンドクラッシャー」で周辺地形、私の立つ怪獣の腕を破壊します。
無事破壊できたらヒナちゃんを包みこんで、落下のダメージから「かばう」ことで保護、説得を試みます)
怪獣と、仲良くしたい、か。
ならば、共に、止めにいくぞ。
怪獣は、街を壊した。それは、悪いこと、だ。
だから、「ごめんなさい」を、しなければ、いけない。
そうすれば、友にもなれる筈、だ。


メルクサダル・ガニメディ
「配信にはオチが必要」
捕まってみたなら、どうすれば終わるかな?
無抵抗で無防備で接近し捕まる
「私もお友達で」
お友達なら傷つかないだろう
傷付いたなら、ヒナも気づくかな
やらせで友が町破壊とか、ないわ~と

さて怪獣さん
「配信のオチの為にやられてみようか?」

「この物語にオチをつかるなら、貴方は誰かに操られていて
ヒナを傷つけまいとして、その支配に頑張って抗ってみる?」
「兵器は人を傷つける物だけど、その目的は、誰かを守る為でもあるんだよ?」
「貴方はだたの力でしかない、担い手によってどんなモノにもなれる」
「貴方は誰に使われたい?」

できれば
自分はいいので
一緒に捕まってヒナをかばってオーラ防御
説得で怪獣を悩ませる



「怪獣で、しかもロボ……。すっごいね。なんて趣味的な……」
 ビルの上から大通りを見下ろし、エダ・サルファー(f05398)は進撃する怪獣の姿を捉えた。
「……でも正直に言って。割と好きだけどね。こういうの」
 人質――と言うにはどうも能天気に見えるが、怪獣の手の中にいるヒナちゃんはだいぶ怪獣に懐いているようにも見える。壊さなくて済むなら、できるだけ壊さないでおきたい。
「たしかに、大きく、強い」
 それに並び、リゥ・ズゥ(f00303)は身体をほぐす。
「だが、リゥ・ズゥは悪魔、だ」
「へえ。悪魔と怪獣ね。配信も盛り上がりそう」
 メルクサダル・ガニメディ(f07143)は面白がるように微笑み、屋上からひょいと身を踊らせ通りへと降りる。
「行くぞ、怪獣。お前は、リゥ・ズゥより、大きい、が、リゥ・ズゥ、より、強い、か」
 それに続くように、リゥ・ズゥも跳ぶ。ばぁん、と爆ぜるような音がした。衝撃により生まれた風がエダの髪を揺らす。    
 リゥ・ズゥは爆発的な勢いで飛び出すと、砲撃のように怪獣へと向けて飛翔した。
「それじゃ、私も取り掛かるとしようか。……とはいえ、怪獣に説得って通じるもんなのかね?」
 エダもまた、行動を開始する。三者三様といったところで、作戦は開始された。

 彼はかつて、破壊と死をもたらすものだった。
 旧人類の時代、彼は命を奪うための道具だった。
 彼は今、不意に手に入れた新たな身体を、戸惑いながら確かめていた。
 彼を目覚めさせたものは、たくさん壊せと彼に教えた。彼はその通りにした。
 力を振るうのは、わるい気持ちではなかった。破壊のためにうまれたことを、彼は実感していた。
 だが、それ以上に彼が驚いたのは、彼が力を見せる度、喝采を送る人々がいる、ということだった。
 見たこともない人種の人々は、彼が見たこともない表情をしていた。
 それだけではなかった。ほんの気まぐれに、潰してやろうかと思って拾い上げたこの手の中のちいさないきものは、自分を「ともだち」だと言った。
 彼は獣であり兵器であったがゆえに、その言葉の意味を知らなかったが――そう悪い気はしなかった。ゆえに、潰せなかった。
 この手の中のちいさないきものと、逃げ惑いながら歓声をあげるへんな奴らに、もうすこし付き合ってやろう、と思っていた。

「あっ。また猟兵さんだ」
 GgRrr……
 ヒナちゃんと怪獣は、こちらへと近づいてくる3人の猟兵に気付く。
 メルクサダルは怪獣の目の前に立ち、敵意はないと示すように手を振ってみせた。
 怪獣は一旦立ち止まり、視線を下ろす。
「お。立ち止まってくれたね。案外話がわかるのかな?」
 そこでメルクサダルはたん、と地面を蹴り、宙に身を踊らせる。怪獣の装甲板の表面の凹凸を巧みに掴んで一気に駆け上り、ヒナちゃんが捕まる怪獣の手首までするりとのぼった。
 その直後である。どぉん!“着弾”の衝撃に怪獣がぐらりと揺らぐ。空中より飛来し怪獣の肩に突き刺さったのはリィ・ズゥだ。度重なる揺れにも慣れてヒナちゃんはきゃあきゃあとはしゃぐが、怪獣の動きが止まる。

「おーい!」
 そこを好機と、目線の合うようビルの屋上の位置から呼びかけたのはエダである。
 GGgGrRr……。怪獣はそこへ視線を向けた。
「ヒナちゃんを放してくれないかなー!その手の中じゃ、あなたの『おともだち』も危険だよー!」
 エダは大きく声をあげて、怪獣へと声を届ける。怪獣は唸りながらも、言葉を受け止めているように見えた。いけるか。エダは更に押す。
「私もあなたを壊したくないし、止まってくれるなら手を出す気はないからー!」
「ほんとにー?」
 ヒナちゃんが聞きかえす。ほんとだよー、とエダは手を振った。
「それに、話がわかる怪獣はこどもにも人気が出るんだよ!」
「だが、『ごめんなさい』は、しなくては、ならない」
「わぁ!?」
 エダが説得を行っている間に怪獣の腕までたどり着いていたリゥ・ズゥは、静かに語りかけた。ヒナちゃんが驚く。
「うんうん。配信には『オチ』が必要だからね」
 メルクサダルもまた声をかける。悪い状況ではない。エダは状況を俯瞰しながら見守った。万が一のときのために飛び出す構えもできている。彼女の鍛え抜かれた格闘術は鋼鉄でできた怪獣の外殻すらものともせずに撃ち抜けるだろう。そうはなってほしくない、と願っているが。
「オチ?」
 ヒナちゃんは首を傾ぎながら2人の猟兵へと視線を向ける。
「そうだ。この怪獣は、街を壊した」
「そう。悪いことをしたって思わない?」
「うーん……そう、かも」
 GgGrrR……?
 ヒナちゃんは、ここにきてあらためて周りの風景を見渡した。怪獣がここまで来た道のりを振り返ってみれば、破壊の爪痕が色濃く残されている。事態をただしく認識し始め、ヒナちゃんは静かに目を伏せた。怪獣は、静かに唸る。
「だから、『ごめんなさい』を、しなければ、ならない」
「お友達なら、ちゃんとしなくちゃね。それに、力があるならただしく使わなきゃ」
 力は壊すためだけでなく、守るためにだって使えるのよ。と、メルクサダルは語る。
 悪いことをやめた怪獣とちいさな子どもがお友達になり、めでたしめでたしで終わる。そんなお話でもいいのではないか。
「そうだね。……ね、グルル」
 GRrr……
 ヒナちゃんが、怪獣を見上げた。
 ――だが、そのときだ。
《そうはいくものか》
 何者かの声がする。ばち、と、何かの弾ける音が怪獣の頭から生じた。その脳天で火花が散る。
「グルル!」
 GgGGGgggGgGgGrRRRrRrrrrRRrrRwWWWwWWwWW!!

 咆哮。怪獣が苦悶に呻くように身を捩じらせる。見開かれた両眼が赤く発光し、オーバーフローした冷却水が溢れる。眼窩の隙間から赤錆びた水が流れた。
「やはり、黒幕がいたか」
 猟兵たちは周囲を警戒し、敵の気配を探る。だがその気配は薄い。
《子供にほだされ、改心して終わる……そんな怪獣映画、つまらないとは思わないかね?》
「ふざけるな!隠れてないで出てこい!」
《ハハハ。我々よりもその凶悪な怪獣を止める方が先ではないかな?》
「く……、っ!」
 ガオンッ!リゥ・ズゥは今まさに彼が立つ場所、すなわち怪獣の腕へと向けてグラウンドクラッシャーを叩きつける!
「きゃあ!」
 手首が砕け、保持する部位を失った指先からヒナちゃんが落下!
 リゥ・ズゥとメルクサダルがそれぞれヒナちゃんをかばう。落下の衝撃から、リゥ・ズゥがクッションとなりメルクサダルのオーラ防御の技術で彼女を守った。だが、直後怪獣の腕が迫る。リゥ・ズゥが破壊したのとは反対側の残存する片腕で、怪獣は再びヒナちゃんの身柄を奪い取った!
「せっかくいいところだったのに!」
 エダはビルの屋上から路上へと飛び降り、握った拳を撃ち放つ!ユーベルコード、聖拳突きだ!怪獣の脚部装甲を貫く!
 GGggGgRrRrrRRrWwwWW!!
 だが怪獣は止まらない!半ば砕けた躯体を引きずるようにしながら大通りを走ってゆく!ぐらりと揺らいだ身体がビルに激突!
 破壊した建物からガラス片と瓦礫を撒き散らし、それでも彼は赤錆びた冷却水を流しながら駆ける!
「あれは、止めなければ、ならない」
 降り注ぐ瓦礫片を躱しながら、リゥ・ズゥは怪獣を追った。
「力は、担い手によってどんなものにでもなれる……貴方は、どんな力になりたい?」
 メルクサダルは、遠ざかる怪獣の背を視線で追い、誰にともなく呟いていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

エコリアチ・ヤエ
ガキはこれだから……めんどくせぇことになってんじゃねぇか。
すでにダメージが蓄積されてる場所に死霊どもを向かわせて破壊工作に加担する。俺自身もファイブエレメンツソードを飛ばし、動くのに必要な関節や筋になってそうなチューブ、歯車などを破壊していく。
直接的な手が空いてるんで、念のためにガキが捕まってる手の付近までは行っておくか。
振り落とされる防止に飛ばしてないソードをピッケル代わりにでも使うか。
このスクラップ共は苦しいから暴れ回ってんだろ、楽にしてやるのが優しさってもんだ。

アドリブ、絡み、なんでもご自由に。


メルト・プティング
電子戦得意のボクは【ハッキングして怪獣に自ら返してもらう】作戦でいきましょう!
情報によるとヒナちゃんは怪獣グルルに懐いちゃってるみたいですし、力押しより好印象かなって思うのですよ
ボクだってJKの存在を全否定されたら激おこですし、たとえ仮初めでも夢は大事なのです

【バウンドボディ】で弾みをつけて、怪獣の頭に飛び乗って【ハッキング】できそうなポイントを探し、見つけたらコードをプラグイン!
システムを掌握したらヒナちゃんを手近な建物にそっと下ろしてあげるのです!

…ヒナちゃんは別れを惜しむでしょうから、怪獣を操作して手を振ってあげたりして別れの演出ができれば最善なのですが、そこまでうまくやれるでしょうか?


ブランシュ・シコ
【SPD】
怪獣ははじめてみるね。でもおそいんでしょ。

『ダッシュ』で怪獣のからだをかけのぼってグルルのあたまのうえにのぼるよ。
のぼったら、グルルにかけっこのレースしてよって言うよ。
レースしないの?まけるのがこわいの?走ろうよ。
ブランシュは『ランナー』つかうけど。

レースにグルルが集中したらヒナチャンたすけやすくなるし、
ヒナチャンがいやがってもブランシュが助けいくから。

グルルとレースしたブランシュはグルルと多分ともだちだけど、
どうする?
いっしょに(ついでに)配信したし、すっごいいいね溜まったとおもうよ。

グルル1回とまってもらわないといけないから、その後で配信しよ?
だめ?



 電脳を赤い色彩が支配する。
 壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ!
 お前は兵器だ。破壊の化身だ。あまねくものを破壊し殺す怪獣だ。お前のすべきことはひとつしかない。壊せ。壊せ。壊せ!!

 GggGGGGggGrRrRRRrRRrrRwWWWwwWW!!

 絶叫。轟音。地響き。
 隻腕となった怪獣が走る。ぶつかったビルを叩き壊し、街並みを砕き散らしながら。雷鳴にも似た咆哮を響かせ、狂ったように。
「やめて!グルル、もうやめて!」
 だが、ヒナちゃんの声は届いていない。手負いの獣のように。血に狂う魔人のように。怪獣は狂乱の中にあった。
「……めんどくせぇことになってんじゃねぇか」
 エコリアチ・ヤエ(f00287)はその光景に苦々しく吐き捨てる。ヤエは瓦礫を避けながら怪獣を追った。
「本当にとんでもないことになってますね!」
 メルト・プディング(f00394)がそれに併走して怪獣へと追いすがる。ぽよん。ブラックタールの特質であるバウンドボディを活かし、弾む身体で崩れ落ちるビルの破片を躱す。
「まずは追いついてからだが……」
「歩幅が違いますよ!エネルギー消耗での減速を待ちます?」
「ずいぶん気のながいはなしだね」
 ぱしゅ。
 メルトの横を突風が駆け抜けた。否、風ではない。猟兵だ。ブランシュ・シコ(f12074)は『速さ』に全てを捧げた少女である。速ければ勝つ。速ければ生きることを許される。そうした生命の先を走り続ける彼女にとって、歩幅の違いなどハンデキャップにすらならない。
「速いな、あのガキ」
「あの速さ、相変わらずすごいですね!」
 2人の猟兵が感嘆する間に、ブランシュは怪獣に追いつき跳躍。短いステップとジャンプを繰り返し、瞬く間に怪獣の頭部へと到達する。
「えい」
 ガァンッ!『ダッシュ』の勢い余ってブランシュは怪獣の頭部へと激突する。呼び鈴がわりの一発だ。強烈な衝撃に怪獣の身体は大きく揺れ、悲鳴じみた声を響かせる。
「グルル。ブランシュとかけっこしてよ」
「かけっこ……?」
 GgGGgGgrRRrRRrrr……!!
 そして、彼女は宣戦布告する。どうしたの?まけるのがこわいの?
 挑発的に声を投げかけ、そのまま彼女は転進。ひゅっ、と怪獣の身体から飛び降り、そのまま走り出す。つぎはぎだらけの裾をはためかせ、たなびくマフラーの残像を残しながらブランシュは走った。
 GgGGrRR……!
 怪獣は、それを追って振り返る——彼は、ブランシュを『敵』と認めた。ずし、と地響きの音をたて、これまでの戦いの中で破損した躯体をひきずるようにしながらも怪獣は走り出す。
 ブランシュは走る。怪獣が追う。口腔を開いた。そこに砲身が覗く。ガオンッ!!砲撃!戦車砲が——否。この場にいるのが怪獣であるがゆえ、描写をただしく直そう。“怪獣が、火を噴いた”!
「いいね」
 だが、ブランシュは捕捉されるようなスピードはしていない。た、と地面をつま先で叩けば飛んだ矮躯がビルの壁面を走る。1秒前までブランシュがいた地点が“怪獣の火炎”により爆裂する!『マジで火ィ吹いた!』『映画かよ』『この子すっげえ!』——ブランシュがいつの間にか始めていた生配信『怪獣とかけっこしてみた』は爆発的な再生数と『いいね』の数を叩き出していた。
「わっ!こっち来ましたよ!」
「好都合だ。それなら仕掛けるぞ!」
 その一方、怪獣を追っていたヤエとメルトは逆に怪獣に迫られる立場となる。その横をすり抜けるブランシュから「よろしくね」とすれ違いざまにメッセージ。ヤエは「ああ」と短く頷いて返し、メルトもまた「わかりました!」とやる気を見せる。
「いくぞ!」
 2人の猟兵は大通りの中でも戦いに適した広場で会敵。ヤエは腕に巻きつけたブレスレットに触れた。ネクロオーブ。彼が死霊術師としての力を発揮する際に媒介とする呪具だ。精神を集中し、“死”と繋がる。
 おおおおおお。おおおおおお!揺らめく黒い影が浮かび上がる。
 影は騎士と竜の2つの姿をとった。地の底から響くかの如き呪わしい咆哮をあげながら、ユーベルコード【リザレクト・オブリビオン】によって呼び出された2体は怪獣へと襲いかかる。
「奴は苦しんでやがる」
 続けてヤエは剣を抜き放つ。ルーンの刃、ファイブエレメンツソードだ。術式を制御し、ヤエはその剣を念力めいて自在に操る。2体の死霊が怪獣の脚の破損部分に激突し攻め立て、飛翔する刃は機体のチューブや歯車を砕く。怪獣は激しく抵抗!尻尾を振るい、死霊の騎士を弾き飛ばす!口腔を開き、そして再び火を吐いた!ヤエは影の竜を割り込ませ、それを盾がわりにして防ぐ!ねつをともなった爆風がヤエの肌を撫でた。その隙をついて、剣が怪獣の脚部の致命的な箇所を貫く!ぶしゅう、と蒸気を吹き出しながら怪獣は膝をついた!
「終わらせてやるのが優しさじゃねぇか」
「そうかもしれません。でも、そうじゃないかもしれません!」
 その横でデバイスを起動しながらバウンドボディの弾性で身体を弾ませ、メルトは一気に跳躍する。怪獣はメルトの姿を認めると、腕を掲げる。その鋼の爪でメルトを——
「ひ、っ」
 ——迎撃、しなかった。ヒナちゃんを捕らえたままのその腕をゆっくりと下ろす。メルトはその隙に怪獣の頭部へと飛び移り、コードをプラグイン。電脳へと侵入を開始!怪獣の動きが強制的に停止する!
「よし、そのまま続けろ!」
「おっけーですよ!」
 メルトはまず、別経路で外部から怪獣の電脳へ干渉している悪質なハッキングコードを確認するとその道を塞ぐ。そのまま防壁プログラムを構築し、怪獣を動かす電脳をクリアにした。内部のデータを確認する。するとメルトは気づいた。この怪獣は、明らかに戦闘用の兵器として作られている。だが、いまメルトが確認した内部データは、戦闘用のプログラムに割かれているデータ領域が明らかに少ないのだ。もっと言えば、別のデータに圧迫され、削られた形跡があった。
 そして、メルトは声をきく。
『ヒナちゃんは』『グルルの』『おともだち』
 怪獣の聴覚データに、それは強烈に刻み込まれていた。
 メルトは怪獣の電脳の内部で、戦闘用のプログラムデータ領域を圧迫してまで記録されたデータを閲覧する。それはヒナちゃんが楽しそうにはしゃぐ様子であったり、キマイラフューチャーの人々が彼に向けて『すげえ!』と叫ぶ様子だったり、ヒナちゃんの配信していた動画に投稿されていたコメントだったりした。
「……これは、わざわざ改竄するまでもありませんね」
 メルトはハッキングを中断する。そして、怪獣の電脳からログオフすると、彼に囁きかけた。
「ヒナちゃんを、下ろしてください」
 怪獣の瞳から、赤色は既に消え去っていた。
 GgGggrRrrR……。怪獣は、ゆっくりと身体を低くして、ヒナちゃんを地面の上に下ろす。
「なんだ、終わったのか」
 ヤエは怪獣の鎮まった様子を見遣り、すこし驚いた様子で解放されるヒナちゃんの姿を見る。
「はい、ボクは有能ですからね!」
「うん。あざやかなてぎわだ。ブランシュほどではないけど、はやかった」
 いつのまにか折り返して戻ってきていたブランシュが、ヒナちゃんの手を取って立たせる。ブランシュもグルルといっしょに配信してたくさん『いいね』をもらったので、ブランシュもまたグルルのおともだちだ。ブランシュはヒナちゃんにそう説明する。
「じゃあ、ブランシュちゃんもヒナちゃんのおともだちだね!」
 友達の友達は友達。少女たちは手を取り合い、そして怪獣——グルルを見上げた。
 彼はここまでの騒動で大きく傷ついていた。もはや1人では動くこともままならないだろう。
「グルル、いっぱいケガしちゃったね。なおるかなぁ……でも、さきにみんなに『ごめんなさい』しないとだね」
 GggrRR……。グルルは静かに唸る。
《いいや、いいや。その怪獣はここでおしまいだ。ここで死ぬのだよ》
「誰だ!」
 ヤエが振り向き、声の主を探す——否。探すまでもなかった。ここまでの動向をずっと見張っていたのだろうか。瓦礫の影から建物の中から。わらわらと現れたのは機械の身体をもつ無数のオブリビオン——怪人軍団だ!
 彼らはグルルを中心に猟兵たちを包囲するように軍団を展開する
 そして、その首魁と思しき怪人——機関車怪人が姿を見せた。
「面白みのない三文芝居、ご苦労だったな、猟兵諸君」
「だれ……?」
「言うなれば、そこの怪獣の『おとうさん』だ」
「じゃあ、くろまくだね。でてくるのがおそいよ」
「何しにきたんですか!?」
「処分だ。我々の実験は非常にうまくいった。……やはり怪獣の時代は終わってなどいなかったのだ。怪獣は十分にバズる。すなわち、我々が毎週怪獣を提供し続ければいずれこの世界は怪獣ムーヴメントで埋め尽くされ、我ら鋼鉄怪人軍団の理想郷、カイジュウフューチャーになるのだ!!」
「スロロロロ……!そのためにはまず、こどもにほだされるような失敗作の処分と、我々の邪魔になるお前たち猟兵どもの抹殺が必要なのだ!」
 そして、鋼鉄怪人軍団はユーベルコードを構える。
 戦いの時はきた。猟兵たちよ、得物を抜き、ユーベルコードを構えよ!怪人軍団を打ち果たし、彼らの邪悪な野望を止めるのだ!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『スロットマシン怪人』

POW   :    プレジャー・プリーズ
自身の【刹那的な楽しみ】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    スリーセブン・スラッシャー
【頭部のスロットをフル回転しての連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    ロスト・ロケット
自身の装備武器に【遺失技術製のロケットエンジン】を搭載し、破壊力を増加する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「スロロロロ……!お前たちはここで全員死ぬのだ!」
「ジャラジャラジャラ!!そこの失敗作もろとも、全員ここでスクラップになるがいい!」
 鋼鉄怪人軍団を構成するスロットマシン怪人の群れが、じりじりと包囲を狭める。その外側で、首魁たる機関車怪人は静かに佇んでいた。
「猟兵どもよ。手並みを拝見させてもらおう」
 静かな殺気が満ち、空間が熱気を帯びる……そして、戦いは始まった!
ブランシュ・シコ
【SPD】
グルルはグルルしてたからグルルだったのに
スロロはスロロなのにスロットマシン怪人なんだね。へんなの。

お手並み……手みせるだけでいいの?
いいよ。
スロットマシン怪人の方に走っていって、攻撃をよけながら掌を見せ続けるね。

かこまれてるけどだいじょうぶって?
だいじょうぶ。
『スリーセブン・スラッシャー』って名前の攻撃で
頭のスロットをまわして攻撃してくることは『フライング』して知ってるから。
ぜんぶよけてみるから最後まで攻撃していいよ。

でもブランシュが最後までよけたらブランシュのかちだよ。
コインもってないからコイン入れるとこにお煎餅いれとくからね。
スロロの後ろにいるもっと悪い怪人の手をはやくみせてね。


草野・千秋
自身の欲望のままに殺戮を行うなんて許せません!
断罪戦士、ダムナーティオーいざ参る!

【POW】
まずはユーベルコードで防御力を上げます
被ダメージを負っている仲間がいれば
盾受けと共に庇います
仲間を守るのがヒーローですから!

自分も攻撃に転じる場合
2回攻撃を駆使しつつ
着実に当てていく

真の姿は機械の翼が生え、肩から砲台が生えた姿
今こそ真の力見せてやる


アドリブ・絡み等歓迎


エコリアチ・ヤエ
スクラップになるのはてめぇらだ。てめぇらみたいなクズは大っ嫌いだ。本気でいくぞ(胸の飾りをひと撫でし、戦闘用の人格を入れ替える)

「さて、おぬしら。我がその体粉砕してくれよう」
リザレクトオブリビオンで威嚇しつつ、本命の攻撃は呪いの契約で強化した杖からの呪詛。足りなきゃソードも。使えるものは全て使っていく。
敵の血(オイル)で発動しなさそうならば自分の左掌を裂き、血をくれてやろう。多少威力は落ちるだろうが少しでもあげていく。
地に足をつけての行動が効率が悪そうならば死霊蛇竜に乗って戦場を駆けることも視野にいれよう。
怪人の動きも注意。待っていろ。すぐにおぬしも鉄くずにしてくれる。
[アドリブ絡み何でも○]



「スロロロロ!死ぬがいい!」
 スロットマシン怪人はがちがちと身体を鳴らしながら猟兵たちへと襲い掛かる!鋼鉄の身体は怪獣ほどではないにせよ、強力な質量だ。激突すれば大きな衝撃は免れないだろう。
「グルルは『グルル』してたからグルルだったのに、スロロは『スロロ』なのにスロロじゃなくてスロットマシン怪人なんだね」
 ブランシュ・シコ(f12074)はそれを軽くいなす。軽い体捌きでスロットマシン怪人を躱して横っ腹に蹴りを叩きこんだ。
「グアーッゴト行為!!」
 蹴り倒されたスロットマシン怪人が悲鳴をあげてコインを吐き出す!ごぼりと吐血するように最後のコインまで絞り出すと、そのまま爆発した。
「へんなの」
「ああ、へんな奴らだ。そのうえとっておきのクズだ」
 ブランシュとすれ違いながらエコリアチ・ヤエ(f00287)は掌を胸元にかざす。ドリームキャッチャー。多重人格者であるヤエは、別人格へと切り替える際の心理的なスイッチとしてこれを使っている。
「連中みたいなクズは大っ嫌いだ。俺も本気でいくぞ」
 ヤエの瞳の輝きが変わる。戦闘用の人格へ交代したのだ。彼は木製の杖を掲げ、精神を研ぎ澄ます。リザレクト・オブリビオン。ユーベルコードの発現だ。黒く染み出す影より、騎士と竜の姿がうごめきながら形をつくる。
「さて、おぬしら」
「影だと!?あれはなんだ!」
「ドラゴンだと!?」
 おののくスロットマシン怪人たちへ、ヤエは杖を向ける。
「我がその身体を微塵に粉砕してくれよう。誰一人逃れられると思うなよ」
「ひ、怯むな!かかれ!」
「ジャラジャラジャラ!!」
 轟、と風を切り影の騎士が駆ける。先頭のスロットマシン怪人と激突!闇の色をした黒剣が、怪人を貫いていた。
 死霊騎士はワラキアの領主のようにそのまま掲げ上げ、串刺しにされた怪人の姿を見せつける。
「お、おお……!」
「そしておぬしらの血を啜り、我の呪われし武具は真の力を発揮する」
 うめく怪人の躯体から血のように滴るオイル――すなわち、オブリビオンの血を媒介とし、ヤエは杖に闇を纏う。ユーベルコード【呪いの契約】の発現だ。これにより、ただの杖だったはずのその武具は強烈な呪詛の塊となる。杖を向けた先から、機械ですらも蝕む邪悪な呪いが濃霧のように流れ出し、怪人の群れを包み込む!
「おぬしらの道はとうに途絶えた。ゆえに、我が黄昏をもたらす」
「グアーッ調整不良!」
「グアーッコイン詰まり!」
 闇に呑まれた怪人たちは即座に身体に変調をきたしたちまち機能停止!呻きながら倒れ次々と爆散する!
「なるほどなかなかの手並み」
 倒れていく部下の姿を見ながらも、機関車怪人は不敵に笑う。
「お手なみ……?手、みせればいいの?」
 ブランシュはひゅ、と風切りの音を鳴らして凄まじい速度で戦場を走り、スロットマシン怪人の前にぱっと手を勢いよくかざす。しかしちいさな手は音速に到達するほどの速度で開かれることで空気の流れを生み出し、衝撃が発生する!
「グアーッ!」
 スロットマシン怪人は衝撃でバラバラに破砕され、無数の破片となって飛び散った。
「おのれ、このガキ!」
「おそいよ」
 迫りくる怪人軍団を躱し、ブランシュはそのままぱぱっと開いた手をかざす。見事な“お手並み”が次々に怪人を圧倒し、スクラップを量産した。彼女が敵に追いつかれることはない。ブランシュはユーベルコードを既に起動していたのだ。【フライング】――自身へと大きな負担をかけ、寿命を削り取ることを代償とし、未来を視る能力である。
「スリーセブン・スラッシャー!スロロロロロロローッ!!」
「しってる」
「なにィ!?」
「ぜんぶよけるから、最後までしていいよ」
 先読みの視野と彼女の神速であれば、いかなる攻撃も届きはしない。スロットマシン怪人とまるで遊ぶように、ブランシュは戦場を走り続けた。
「人と怪獣は友達にはなれない……」
 草野・千秋(f01504)は、そう思っていた。ヒナちゃんがグルルと呼んでいた怪獣は、危険な兵器だと。
「そうとも、人と怪獣はともだちになどなれない。そうだろう?ダムナーティオー?」
 嘲るように機関車怪人が千秋を嗤う。だが、千秋は毅然として立ち、視線を上げる。
「だけど、そうじゃないかもしれません。その可能性が、いま目の前にあるんです!」
 千秋――否。ダムナーティオーは剣を抜きながら叫ぶ。
「そして、自分の欲望のためにそれを否定し、命を奪おうとすることは許せません!」
「おやおや。正義の味方は勇ましいことだ。だがいいのかな?あんな危険な怪獣の肩を持つなんて」
「過ちは、ただせばいいんです!」
 ダムナーティオーは咆哮し、力を開放する。二枚の翼と鋼の砲身をもつ異形の鉄人。真の姿を晒しながら、彼は手にした剣を掲げ怪人軍団へと向かう!
「おおおおおッ!」
「スロロロロロ!?」
 ガァンッ!!加速したダムナーティオーが身体ごと怪人にぶつかる!激突された怪人はボウリングのピンのように別の怪人集団へと叩きつけられ、数体を巻き添えに爆発!
「こ、こうなれば!」
「あいつだ!猟兵など捨て置け!あの失敗作を殺せ!」
 猟兵たちとの戦いを不利と見た何体かのスロット怪人たちが声をあげながらグルルを殺害せしめんと向かってゆく!
「そうはさせません!」
「それは、ゆるさないよ」
 だが、それを見逃す猟兵ではない。最速のブランシュがまず回り込んで敵を牽制。怯んだ怪人軍団へと千秋がぶつかり押しとどめる。
「き、貴様ァ!」
「仲間を守るのが、ヒーローの務めですから!」
「いいぞ。そこで止めておけ!さぁ、怪人ども。おぬしらの相手はこっちだ!」
 ここでヤエが側面からリザレクト・オブリビオンを再び発現!闇の中より騎士と竜があらたに生まれ、形成した影でもって怪人の集団を蹴散らす!爆散する怪人!
「スロロロロロロ!?」
「グアーッ打ち止め!!」
「ほうほう。なるほど。これはこれは」
 その様子を眺めながら、機関車怪人は尚も笑う。
「ブランシュの手はちゃんとみせたよ。スロロの後ろの怪人のお手手もはやく見せてね」
「ああ。すぐにおぬしも鉄くずにしてやる」
「いいとも。我々鋼鉄怪人軍団の包囲を突破できたなら、直々に相手をしてやろう」
 ざ、っ!新手だ。スロット怪人軍団の追加が入り、更に包囲網を厚くする。――敵の数はまだまだ多い。猟兵たちの戦いは、続く!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

エダ・サルファー
私はな、安かろうがありきたりだろうが、ハッピーエンドが好きなんだよ。
少女と怪獣が友達になれた、そういうのにグッと来てるんだよ。
だからな、それを邪魔してるお前らは、割と本気で腹に据えかねてるんだよ。
……てめえら全員鉄屑にしてやるから覚悟しろ!

まずはスロットマシン怪人どもをぶっ壊す!
すばやく近接して、組み付き組み伏せ殴って蹴って聖職者式脳天逆落としの餌食にしてやる!
連中の反撃だ連携だは考えない!片っ端から潰す!
悪に操られた悲しき怪獣を超える破壊と暴力、その身でとくと味わうが良いわ!

あ、ヒナちゃんとグルルはハッピーエンドのため、そして奴らの野望を挫くために全力で守るよ。
必要なら身を挺して守るよ。


サーズデイ・ドラッケン
悪い怪獣が少女と心を通わす物語…
実に王道です。ともすれば手垢の付いた三文芝居とも言えるでしょう
ですが…生憎、私は一流の悲劇よりも三流のハッピーエンドを好みます
どうやら機関車の怪人とは趣味が合わないようで

【ウェイブストライカー】始動
速度を活かした遊撃で、怪獣を狙おうとするスロットマシン怪人を徹底的に狙います
ウッドペッカーとミサイルポッドで足止めをし、
爆風を隠れ蓑に高速で接近、スパロウによる白兵戦で一人ずつ確実に仕留めます
スロットを回しての攻撃には一旦距離を取り、レールガンの連射を叩き込みましょう
こう見えても目押しには自信があるもので
ジャックポットを狙わせて頂きます



「く、っはははは……実に愚かだな、猟兵ども。怪獣と、子供が、“お友達”になる?ははは。よくもまあ、そのような安っぽい芝居に命をかけられるものだ」
 機関車怪人は尚も嘲笑い、スロットマシン怪人たちへと指示を出す。潰せ。壊せ。殺せ。破壊者である本懐を忘れたあの愚かな失敗作をもとのスクラップに還せ。
「ジャラジャラジャラ!」
「スローットットット!」
 怪人の群れは更に勢いを増し、ヒナちゃんとグルルを襲うべく押し寄せる——だが、その時である!
「なるほど。悪い怪獣が少女と心を交わす物語……。実に王道です。手垢のついた三文芝居とも言えるでしょう」
 ガァンッ!!上空より巨大な鉄塊が戦場へと落下した。それは怪人軍団の道を塞ぐように位置取り、そしてジョリーロジャーの旗を宣戦布告めいて掲げながら瞳を赤く輝かせた。
「そうとも。三文芝居だ。そんなもののために身体を張るのかね?」
「はい。私は一流の悲劇よりも三流のハッピーエンドを好みますので」
 戦場に降り立ったサーズデイ・ドラッケン(f12249)は火器管制システムを起動。兵装と接続し、BAC-ウッドペッカーを構え荷電粒子弾頭を速射。スロットマシン怪人たちを牽制する。
「ああ、その通りだね!私もな、安かろうがありきたりだろうが、ハッピーエンドが好きなんだよ!」
 光弾の連射に紛れて敵中に飛びこんでいくのはエダ・サルファー(f05398)の姿だ。握り込んだ拳は怒りに熱く燃えている。先頭のスロットマシン怪人に素早く組み付くとそのまま脚を払い、柔術めいた動きで転かし地面に叩きつける!
「グアーッゴト行為!!」
「女の子と怪獣が友達になれた……そういうのにグッときてるんだよ」
「同感です」
 エダは地面に倒れこんだ怪人にとどめのエルボードロップを叩き込み沈黙させる。その後ろでサーズデイはハイマニューバ・モードを起動。ブースター内蔵の変形型機動防盾WMC-ハミングバードをボード状へ変形させ搭乗し高速機動を開始する。
「尊い友情の物語に対し、彼らの傍若無人は目に余ります。これを捨て置くことはできません」
「ああ!全員鉄屑にしてやるから、覚悟しろッ!」
 エダは再び飛び出し、手近な位置にいてしまった哀れなスロットマシン怪人を掴む。そのまま抱え上げ……踏み切り跳躍!勢いを乗せて怪人を脳天から地面へと叩きつけるように——
「掴んだ——!決め、る、ッッ!!」
「グアアーッ!!」
 ガァンッ!!落としたッ!!鉄のひしゃげる悲鳴が響くッ!見よ!これこそ正しき祈りの力とサルファーの家系に伝わる格闘技術の聖なるマリアージュが生み出した彼女のフィニッシュ・ホールド!【聖職者式脳天逆落とし《セイクリッド・フォール》】である!
「1!」
 ここでキマイラフューチャー人としてエンターテイメントを愛する血に溢れたヒナちゃんが熱く叫ぶ!もがくスロットマシン怪人!だが、奴は重篤なダメージにより立ち上がることができない!
「2!」
 サーズデイはここで空気を読み次のカウントを叫びながら光刃LS-スパロウを抜く。エダの背後を狙い接近を試みていた怪人の前に立ち塞がり切り捨てた!
「3!」
「グアーッギブアップ!!」
 エダが高らかに叫ぶ!3カウントだ!そして一拍の間を置いて敗者となった怪人が爆発する!エダはヒナちゃんとグルルの方を一瞬だけ見て、に、と笑ってサムズアップした。更にサーズデイはその爆風を目隠しの煙幕のようにして身を隠しながら次の怪人へ接敵!
「目押しには自信がありますので!」
「グアーッジャックポット!!」
 一閃!切り裂かれたスロットマシン怪人が返り血めいてごぼごぼと苦しみながらコインを吐き出し、もんどりうって倒れる。そして爆発!サーズデイの勢いは止まらない。ハミングバードの機動性で戦場を無尽に駆け巡り、次々とスロット怪人を斬り散らす。総計でドル箱1000箱分にも相当するコインが血溜まりめいて地面に撒き散らされていた。
「片っ端から潰す!」
「はい。確実に仕留めます」
 2人の猟兵は互いに意図していなかったが、結果的に巧みな連携をとっていた。エダが突出すればそちらに注目した怪人をサーズデイが叩き、逆にサーズデイに敵が集中しそうになればエダがまた敵の目をひき集中砲火を避ける。どちらも無意識だったが絶妙にコンビネーションがとれていた。怪人軍団は攻め手に転じられぬままじわじわと数を減らしていく!
「なるほど。楽しませてくれる」
 だが、機関車怪人は未だ余裕を見せていた。
「待ってな。お前も、すぐに叩き潰してやる!」
「はい。そう時間はかかりませんよ」
 そうして、猟兵たちと鋼鉄怪人軍団との戦いは佳境に入ってゆく……!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

メルクサダル・ガニメディ
コード【Aquarius(アクエリアス)】を使用して
回復の雨を降らして
傷を治す
主にグルルを、主にグルルを
後は目に入った人を順次範囲拡大していく
自分の身の負傷や疲労は2の次

ヒナちゃんにはオーラ防御を工夫して身を挺してかばう

グルル
「貴方の身にこれが効けば良いんだけど」
治るならよし、治らないなら
「ねえ、貴方はどうしたい?」
スクラップビルダーのコード「ビルドロボット」
貴方が望むなら共に戦う道もある
誰かを守る事も、誰かを傷つける事も
何もかも壊す事も

「王道なら会心しヒナちゃんと共に生きる道も」
「何もかもスクラップにしても良い」
「スクラップからまた立ち上がる事だってできる」

「貴方の可能性、内なる獣を教えて」


リゥ・ズゥ
リゥ・ズゥが、倒すのは、怪獣ではなく、お前達、か。
怪獣より、弱い。何匹いようと、全て、潰す。
リゥ・ズゥは、悪魔。リゥ・ズゥは、カイブツ。
怪獣より、怪人より、強い。
怪獣……否、「グルル」。お前は、その子を、守って、いろ。
(ヒナちゃんの身の安全はグルルに任せ、怪人撃破に向かいます。
「見えざるカイブツ」で不可視の触手を展開、
「衝撃波」を伴う広範囲を薙ぎ払い、躱されても「2回攻撃」で追撃します。
敵が超高速連続攻撃を仕掛けてきたら、攻撃を止められないのを利用し
他の敵を触手で捉えぶつけることで同士討ちを狙います。
他の攻撃も「見切り」「カウンター」で対応し確実に撃破します。)


メルト・プティング
おとうさんによる暴力…なるほど、ボク知ってますよ!これ児童虐待ってヤツですね!
親なら親らしくお子さんの成長をお祝いするべきだとボクは思いますよ!
まぁボク培養槽生まれなので親って感覚は実はよくわからないのですが、怪人さん達が間違っているっていうのはわかります!

ってなわけで怪人さんをけちょんけちょんにしてしまいたいのですが、まずは手下のスロット軍団をなんとかしないとですね
目には目を、歯には歯を、数には数を!【夢の国の行進曲】をちょっとアレンジしてwithグルルちゃんverで発動です!
グルルちゃんをモチーフにしたファンシー・カイジュウの群れを愉快な行進曲に乗せてスロット軍団にお見舞いしちゃいますよ!



「『おとうさん』の暴力……なるほど。ボク知ってますよ!虐待ってやつですね!」
「何を愚かな。我々が産み出したものをどう扱おうと、お前たちには関係あるまい」
「親なら親らしく、お子さんの成長を祝うべきだと思いますよ!」
 メルト・プディング(f00394)はユーベルコードの起動準備に入る。彼女は培養槽生まれの造られた生命であるために、親子の情愛という感覚は知らなかったが——それでも、怪人たちが間違っていることはわかる。
「生まれたからにはひとつの生命です!誰かが自由にしていいものではありません!」
「ハハハ。戯れ言を。いきものもどきの泥人形風情が」
「違う」
 嘲る機関車怪人の言葉を遮り、リゥ・ズゥ(f00303)はその身体の組成を変化させてゆく。
「リゥ・ズゥは、悪魔。リゥ・ズゥは、カイブツ」
「ハ、ハ!悪魔!怪物ときたか!」
「ボクも『泥人形』じゃありません!カワイイJKのメルトちゃんですよ!」
「スロロロロ……!笑わせてくれる!」
「ジャラジャラジャラ!それなら我々が怪物退治をしてやる!」
「黙れ。リゥ・ズゥは、お前達との対話を、求めない」
リゥ・ズゥは指先を槍めいて鋭く伸ばし、戦闘形態へと移行する。
「ジャラジャラジャラ!汚らしい泥人形どもめ!我々のパワーに圧倒されて死ぬが」
「遅い」
 ひゅ、っ。風切りの音。リゥ・ズゥの指先は僅かゼロコンマ1秒足らずでずるりと伸びる。先端部を視認できない程に鋭く尖らせた触腕は数メートルの間合いを物ともせず口上を並べ立てる怪人の身体を貫いた。
「ァ」
「お前達、は、怪獣より、弱い」
 リゥ・ズゥが腕を引き抜くと、一撃で中枢を破壊された怪人はたちまち爆発。爆炎に照らされながら、リゥ・ズゥは次の獲物を見定める。
「やりますね!ボクも負けてはいませんよ!」
 メルトは同族であるリゥ・ズゥの戦い振りに触発されるように奮起する。否、そうでなくとも、あの怪人達を許してはおけない。メルトはユーベルコードを起動し、電脳空間に格納したデータをロードする!
「夢の国の(エレクトリカル)——」
 漏れ出た光がカタチを為す。それはやがて二つの足と太い尾をもつキャラクターの姿を作り上げた。
「行進曲(パレード)ッ!」
『『『ぐるるるるるるぅぅ!!』』』
「なに……!」
「失敗作!?」
「失敗作じゃありません!グルルちゃんですよ!」
「ハハハ。なかなかよくできているではないか」
「でしょう!これからこの子たちがあなたがたをやっつけますよ!では、ミュージック・スタート!」
『『『ぐるるるるるおおおおおおお!!』』』
 電子音が軽快にポップでカワイイパレード・ソングを奏で出す。音楽に乗りながら、ちいさな怪獣軍団は行進開始!がおおん!可愛らしい咆哮とともに開いた口からちいさな戦車砲を一斉掃射——もとい、怪獣らしく火を噴いた!
「グアーッ!」
「砲撃だと!?」
 怪人軍団の装甲で次々に火の手があがる!だが敵もここで根性を見せる。怪獣パレードの放つ炎を突破し、怪人軍団がちいさなグルルたちと激突!数と数が殴り合う激戦が繰り広げられる!

「ねえ、貴方はどうしたい?」
 その一方で、メルクサダル・ガニメディ(f07143)はグルルに問いかけた。
 GgrRr……。
 傷ついた怪獣は、静かに唸る。錆びついた体内のギアを軋ませ、ひしゃげた指先で地面を掻きながら、彼は。
「グルル、だめだよ。動いちゃ……無理しないで」
 ヒナちゃんは心配そうにグルルを見上げる。
「大丈夫」
 しかし、メルクサダルはゆっくりとグルルに歩み寄り、癒しの力を宿した雨を降らす。
 G、Rr……。
 グルルの躯体が僅かに動いた。がち、がち、がち、がち。歯車の音がする。ぐおお、と音を鳴らして鉄の心臓が強く鼓動した。
「グルル!!」
「スクラップになったって、望むなら、何度だって立ち上がれる……グルル。あなたの可能性を教えて」
 Ggg、gGrrRRRrR……!
 鉄の獣が唸りをあげる。内燃機関を熱く燃やし、折れかけた片腕で、彼はその身体をゆっくりと起こした。
「なに……?」
「馬鹿な!?奴は死に体だったはずだぞ!?」
「グルルちゃん!?」
 鋼鉄怪人軍団が、猟兵たちが、ヒナちゃんがグルルを見た。両脚は砕けたままの姿だったが、その瞳には光を灯し、敵——即ち怪人たちの姿を見据えている。

 GggGgGggGGGrrRRrrRRRrRwWwWWwwWWWwW!!!

 そして彼は、吼えた。咆哮とともに開いた口腔が“火を噴く”!
「グアアアアアアーーーッ!!!」
 爆轟!凄まじい威力の砲撃が、スロットマシン怪人の群れを吹き飛ばしたッ!砲撃の反動でグルルの身体が軋む!そして、その威力を間近で目の当たりにしながら機関車怪人はグルルの姿を見上げた。
「惜しい。実に惜しい。それだけの力があったというのに、こんな子供にほだされて」
「スロロロロ……」
「そろそろ諦めて降参したらどうですか!」
「そ、そうはいくか!我々鋼鉄怪人軍団は、最後のコイン1枚までも諦めぬ!!」
「ならば、リゥ・ズゥは、お前たちを、喰らう」
 メルトとメルクサダルは怪人たちから庇うようにヒナちゃんとグルルの前に立ち、怪人達の道を遮る。リゥ・ズゥは身体を膨れ上がらせ、そして爆ぜるように開いた。そして開いた身体に無数に生じた太く鋭い乱杭めいた歯でスロットマシン怪人に喰らいつき、その勢いのままに強烈な力で放る!
「グアーッ打ち止め!!」
 猛烈な速度で投擲された怪人は僅かに残ったスロットマシン怪人に激突し爆散!更に追撃する槍の腕が最後の怪人を貫き、屠る!
「これで残るはあなた1人ですよ、『おとうさん』!」
 メルトが怪人の姿を指す。最後に残る鋼鉄怪人軍団首魁、機関車怪人はそれでもなお不敵に笑った。
「ハハハ。ハハハ!見事な手並みだ。流石は猟兵の諸君」
「もうおしまいよ。グルルは誰にも使われない。あなたの手をとっくに離れているわ」
「それでも、私は始末をつけなくてはならないのだよ。次の怪獣をつくるために、“ケジメ”をつけなければ」
「そうは、させない。リゥ・ズゥは、それを許さない」
「ハハハ!」
 機関車怪人は一歩踏み出し、体内の蒸気機関へと火を入れる。しゅう、と蒸気を吐き出す音が戦場に響く——戦闘態勢だ。
「皆さん、気をつけてください!来ます!」
「ゆくぞ、猟兵諸君。私はこれから君たちを皆殺しにし、その怪獣を殺す。次の怪獣を。そしてその次の怪獣を生み出すために!」
 傾きかけた陽を浴びながら、機関車怪人はその瞳に赤く火を灯した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『機関車怪人』

POW   :    トレイン・フリーク
【時刻表】【鉄道模型】【鉄道写真】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    出発進行!
自身の身長の2倍の【蒸気機関車】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    アクシデントクラッシュ
対象の攻撃を軽減する【高速走行モード】に変身しつつ、【煙を噴き上げながらの体当たり】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ブランシュ・シコ
【SPD】
「ケジメ」つけるんだよね、ブランシュもてつだうよ。
グルルはしんじゃダメだから怪人がしぬケジメだね。

機関車on機関車はおおきくてはやくてつよいかもしれない。
ぶつかったら今までのブランシュだと、轢かれてはじきとばされてたかもしれない。
今までのブランシュならね。

今からのブランシュは――本気だすよ。
『ダッシュ』で足りないなら、もっと、もっと『ダッシュ』すればいい。
時間を削って出す衝撃波を出せば出す程、ブランシュのスピードは上がる。
今まで削った時間でも足りてないなら、もっともっと衝撃波を出す。

パワー足りないなら、スピードを足せばいい。
それで、勝つ。
グルルは友達なったから、渡さないから。


草野・千秋
お兄さん
『ごめんなさい』って言うよヒナちゃんとグルルに
さっきはあんなこと言っちゃって

ありがとう
異種同士でも心を通わせる事が出来る事を教えてくれて

それにしても怪獣を作っては捨て作っては捨て
機関車怪人、許せない!
芽生えた友情、その可能性、潰させはしない
その希望を教えてくれたグルルやヒナちゃんの為にも

そして僕は心を持ったヒトだ
例え肉と鉄の混ぜ物であっても
ヒトの心を持つことをやめない!

怪人にはPOWで攻撃
ユーベルコードで一斉射撃
2回攻撃を駆使
トドメが刺せそうなら捨て身の一撃

アレンジ絡み等歓迎


エダ・サルファー
さあ来い機関車怪人!
ヒナちゃんとグルルを守って、お前の野望を完全に潰す!
猟兵はお前にやられるほどヤワじゃないってところを見せてやるぜ!

さて、戦い方はあんまり変わらず、距離を詰めて格闘戦を仕掛けるよ!
機関車怪人も素手での戦いが得意そうだけど、私も格闘には自負があるんでな!
相手の動きをよく見て、攻撃を避けたり受けたりしつつ攻めて行くよ!
決められそうならどんどん聖拳突きを打ち込んで、一気呵成に攻め立てる!
あ、相変わらずヒナちゃんたちを守るのは優先でやるよ。

……まあしかし、キマイラフューチャーで怪獣ブーム、多少は起きるんじゃないかなぁ。
優しい怪獣の話だから、機関車怪人の望みとはぜんぜん違うだろうけど。



 そこは日の当たる広場だった。普段であれば、ここでは様々なパフォーマーが集い何かしらのイベントで賑わっていたことだろう。だが今やここは瓦礫と鉄屑が散らばり、硝煙の匂い立ち込める戦場と化していた。
「では、始めるとしよう」
「うん。そうだね。『ケジメ』つけるんだよね」
「そうとも」
「ブランシュもてつだうよ。グルルはしんじゃだめだから怪人がしぬケジメだね」
「ハ、ハハ!面白い!」
 瓦礫を踏みしめて、ブランシュ・シコ(f12074)は怪人に対峙する。その横に並ぶのは草野・千秋(f01504)——断罪戦士ダムナーティオーだ。彼は一度、ヒナちゃんとグルルへと振り返り、「ごめんなさい」と呟いた。
「さっきは……友達になれないなんて、ヒナちゃんにひどいことを言った」
 GGgrR……。グルルが唸りながら首を傾ぐ。
 千秋はグルルの顔を見上げて静かに微笑んだ。
「ありがとう。見た目や言葉が違っても、心は通じ合える——ともだちになれるって、教えてくれて」
 そして、彼は怪人へと視線を戻す。
「機関車怪人……!僕は、お前を許せない」
「ハハハ!許さなければどうするのかね、正義の味方。憎い憎い邪悪な敵を殺すために力を振るうか?」
「違う!たしかに、命を弄ぶ者を、僕は許さない。だけど……僕は、怒りで戦うんじゃない!」
「ほう?」
「僕は、ヒナちゃんとグルルの間に芽生えた友情を護るために戦う!」
「ああ!私も同じ気持ちだ!」
 更に、エダ・サルファー(f05398)が拳を握る。彼女もまた、少女と怪獣の絆を守るために決意を固めていた。
「おお、恐ろしいことだ。クク、ハハ!面白い。ますますもって殺してやりたくなった。お前たちのその強い意志をへし折ればどれほど愉快だろうか!」
「させないよ。ブランシュはグルルのお友達になったから。わたさないから」
「では、諸君を徹底的に叩きのめし、その目前であの子供と怪獣を血祭りにあげてやるとしよう……進行!」
「くるぞ!」
「ああ!さあ来い、機関車怪人!ヒナちゃんとグルルは私たちが守る!」
「ハハハハハハハ……やってみるがいい!できるものなら!」
 ぼう——!!戦場に汽笛の音が鳴り響く。轟音!轟音!轟音!瓦礫を砕きながら戦場へと豪速で乱入したのは、巨大な機関車だ!ユーベルコード【出発進行!】である!機関車怪人は瓦礫の地面を蹴立て軽々と宙を舞い、機関車の上へと搭乗する!
「私を止めることができるかね?このパワー。この質量。そしてこの圧倒的な速度!!」
「たしかにあれは、おおきくて、はやくて、つよい」
「ああ、強そうだね……だけど、猟兵はあんなのにやられるほどヤワじゃないってところを見せてやるぜ!」
「行きましょう!迎え撃ちます!」
 ブランシュがまず飛び出した。彼女は誰よりも速く、スピードにかけては文字通り誰の追随も許さない。そして、彼女自身も日々前へと進んでいる。彼女は、今もなお加速し続けているのだ。
「今までのブランシュなら、あれと戦っても轢かれてはじきとばされてたかもしれない」
「では、そうしてあげようか!」
「そうはならないよ。今からのブランシュは——もっと、ほんきをだす」
 加速。加速。加速加速加速!!韋駄天!人類の動体視力の限界を超えるほどの速度だ。常人であればそれを視認することは不可能と言える。ブランシュは機関車の車体側面をまるで重力を無視したかのように走る!
「なに……?」
 ここではじめて機関車怪人は余裕を崩した。ブランシュはそのまま車体を駆け上がり上部の怪人へと接近!人智を超越した速度はそれに伴い空気を切り裂き衝撃波を生じる!暴圧!機関車怪人へと音速の刃が襲いかかった!
「むう!!」
「『ダッシュ』で足りないなら」
 ブランシュは血を吐き捨てながら機関車怪人とすれ違う。——血だ。彼女の矮躯には、この速度がかける負担はあまりにも重い。故に、彼女はその速度と引き換えに命を削っている。
 だが、ブランシュは恐れない。彼女は更に加速する!
「もっと、『ダッシュ』すればいい」
「なるほど、流石に猟兵といったところか!」
「猟兵は1人だけじゃない!」
 機関車怪人がブランシュへと意識を向けたその隙に、ダムナーティオーは力を解放する!
「畳み掛けます!」
 全ての武装を解放し、彼は真正面から迫り来る巨大な機関車へと攻撃を叩き込む!爆裂!轟音!車体が揺らぐ!
「ハ、ハハ!半端者の……“どっちつかず”の混ざりものが、よくも吠える!」
「僕は心を持ったヒトだ!たとえこの身体が肉と鉄の混ざりものだとしても、僕は、ヒトの心をもつことをやめない!」
「おおおおおおッ!」
 更にここでエダが飛び出した!揺らいだ機関車の眼前へと躍り出たエダは、その拳に力を込め、胸に灯った炎を宿す!
「突きぃ!」
 ガオォォンッ!!衝撃!轟音!巨大な質量が大きく震え、その勢いが殺される!怪人の機関車はエダの聖拳突きのあまりの威力に轟音とともに停車を強要された!
「グオ……!!」
 怪人はこの機関車と生命力を共有している。すなわち、車体に与えたダメージは本体へとフィードバックされているのだ。エダの拳が車体へと与えた打撃の威力が伝わり、怪人の身体からめきめきと金属のひしゃげる音が響く!身体から機械油が噴き出した!
「今だッ!」
「そうそううまくいくばかりと思うな!」
 停車した車体を一気に駆け上がり、エダは怪人本体へと接敵!機関車怪人は機械油を流しながらも格闘の構えを取り迎撃準備だ。
「む……!?」
 だが、その姿勢が崩れる。
「『ケジメ』しよう」
 ブランシュの襲撃である!死角より襲いかかったブランシュの蹴り足が怪人を叩き、その構えを崩したのである!
「いくぞ!くらえ、ッ!必殺——」
 エダの拳に再び光が灯る!聖職者の拳は、熱く決意に燃えていた。必殺の一撃が、無防備となった機関車怪人の横っ面を捉える!
「聖ッ、拳!突きぃ!!」
「ご、オッ!!」
 振り抜いた拳に確かな手応え!これ以上ないクリーンヒットだ!凄まじい威力の打撃が、機関車怪人を叩き伏せる!衝撃に吹き飛ばされた怪人の躯体が銃弾めいた速度で瓦礫の山へと吹き飛び激突した!
「お前の目論見とは違うだろうけど……たぶん、怪獣。流行るよ」
 車体から飛び降り、瓦礫に半ば埋もれた機関車怪人の眼前へと降り立つと、エダは静かに語りかける。
「街を壊す怪獣じゃなくて、みんなと友達になれる……そんな、やさしい怪獣がさ」
「ふ、っざ、け、るな……!!」
 軋む身体を動かし、瓦礫の下から機関車怪人は這い出る。未だ戦意を喪失しないその赤い瞳は、憎悪と敵意を激しく燃やしながらグルルとヒナちゃんを見据えた。
「私の理想に、そんななまぬるく愚鈍な“おともだち怪獣”など、必要ない……!」
 機関車怪人は、再びゆっくりと前に踏み出し、猟兵たちへと強烈な殺気を向ける。瓦礫だらけの広場に長く影を落としながら、怪人は戦いの構えを取り直した。
 戦いは、まだ終わらない!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

サーズデイ・ドラッケン
あの尊大な喋り方
かなりプライドが高い敵と見ました
ならば蒸気機関車へ騎乗している所を【ウェイブストライカー】で並走
そんな前時代的なヴィークルで粋がるとは片腹痛いと煽ったり、
追い越してからパッシングのようにブースターを吹かして挑発しましょう

誘いに乗ったら先ほどスロット怪人が大量に撒き散らしたコインの海へ誘導します
さて、ミスタ・トレイン。置き石対策は充分かな?

コインに乗り上げてバランスを崩した所をレールガンで吹き飛ばし、
【ストライクシールド】を【ロープワーク】で操って怪人を拘束
こういう三文芝居における黒幕の末路は分かりますね?
そう、改心した怪獣にやられるんですよ
やってしまって下さい、グルル殿


エコリアチ・ヤエ
戦闘人格はそのまま維持しつつ戦う。一瞬の油断も命取りだ。心して挑もうぞ。
しかしその機械獣、やる気満々のようだな。もし移動のための足が必要なら、即席だが用意してやらんでもない(ユーベルコード利用)。ここには破壊した敵や、もともと機械獣の一部だった使えそうなスクラップが山のように転がっている。
むろん、その代わりしっかり攻撃役として役にたってもらうぞ。大事なものは自分の手で守るものだ。
自分自身の攻撃方法は呪いの契約により強化した杖とファイブエレメンツソードだ。呪詛・属性攻撃など様々な手法を用い戦闘を行う。
こやつ自身をスクラップとも呼べぬほどの鉄くずにしてくれる。
[アドリブ・絡みなんでも◯]


リゥ・ズゥ
機関車。怪人。なるほど、お前は、強い、だろう。
堅く、大きく、速い、だろう。
だが、リゥ・ズゥは、その全てを超えて、お前を、叩き潰す。

(※赤いマフラーを巻いて少し人間よりになった黒い怪人ぽい形状、全身に赤い血が循環する姿。
真の姿とUCの二重強化で基礎能力と殺傷力を跳ね上げ、正面から敵を捻じ伏せます。
敵のどんな攻撃に対しても最適なタイミングを「見切り」「怪力」で受け止め、
身体の芯まで「衝撃波」を届かせる、「鎧無視攻撃」「捨て身の一撃」を伴った「カウンター」を叩き込みます。
ブラックタールの体は骨も筋肉もない流動体。
他の生物では不可能な無制限の肉体駆動による距離も角度も無視した格闘能力で挑みます。)


デブラ・ヘックシュバイン
ははあ、怪人のお兄さんはアレっすね?
「怪獣はあくまでも人類の脅威だよ」派っすね?
いやいや良いんすよ、自分もそーゆーの好きですし。
最近でも人気の作品ありますしねえ、ウン。

ただまー、今回のトコはねえ。
もう路線決まっちゃってるっしょー、お友達方面にさー。
そゆのはそゆのでまた好きなんすよ、自分。
童心に帰って素直な涙を流す、いーじゃねいですか。ねえ?

だから…捻くれバッドエンダーにゃあ、ご退場願おうかァ!?

敵の得手は突進力に依拠するものと見た!
ならばそれに立ち塞がるのではなく、いなせば良い!
足元に集中して射撃、敵の動きを邪魔する事に全力するぜ!

こっちはケツ据えて撃ちまくりだ、我慢比べと行こうか!!


メルト・プティング
ムッカー!なんなんですかあの怪人!人のこと泥人形とかもう完全にボクはムカ着火ファイヤーですよ!

この怒りをぶつけるボクの必殺技をお見舞いしましょう!
周囲を見渡して【念動力】で持ち上げられる限界の大きさの瓦礫を見繕って持ち上げて……全!力!で!叩きつけます!!名付けてメテオ☆ストライク!!
超重量の自由落下の威力とボクのカワイさを思い知ってください!

まだまだこれでは終わりませんよ!
メテオ☆ストライクが当たろうが外れようが、土煙で視界を封じれるはずです!その隙にボクは物陰に隠れ、土煙が晴れた頃合いを見計らって背中から最大チャージの【目が電撃銃】をお見舞いですよ!
え、卑怯?いいえ、これは戦術なのです!



「殺してやる……!殺してやるぞ、“できそこない”ッ!!」
 機関車怪人が咆哮し、ゆっくりと一歩を踏み出した。随分と傾いた陽を浴びて、その瞳は煌々と輝く。
「ははあ。怪人のお兄さんは“アレ”っすね?」
 からかうような調子で、デブラ・ヘックシュバイン(f03111)は怪人の進路へと立ちふさがる。
「『怪獣はあくまでも人類の脅威だよ』派っすね?いやいや良いんすよ、自分もそーゆーの好きですし。最近でも人気の作品ありますしねえ、ウン」
「そうだ。そうだ、それでいい。だからこそ、我々の怪獣は、暴圧によって、この世界を——」
「いやいやいやいや。もう路線決まっちゃってるっしょー、お友達方面にさー。そゆのはそゆのでまた好きなんすよ、自分」
 デブラは大型の拳銃を抜き、変わらぬ調子で怪人の姿を見据えた。
「童心に帰って素直な涙を流す、いーじゃねいですか。ねえ?」
「リゥ・ズゥは、よく、わからない」
 リゥ・ズゥ(f00303)は、首を横に振りながら一枚の布を首に巻きつける。薄汚れた赤い布だ。見ようによっては、みすぼらしいとしか言いようのないそれは、だが彼にとって大きな意味を持つ。
「だが、リゥ・ズゥは……あの怪獣を、知りたい。リゥ・ズゥは、対話を、望む」
「——愚かな。あんながらくたの三文芝居に」
 機関車怪人は構えを取る。彼の脳裏によぎるのは鋼鉄が支配する輝かしい未来だ。きっとそれは素晴らしい時刻表や支配者たる機関車怪人によって徹底的に管理されることだろう。その想いが怪人を奮い立たせる。ユーベルコード【トレイン・フリーク】の変則的な起動だ。ぼう、と汽笛の音を鳴らし、機関車怪人は猛々しく走り出す!
「我が理想の世界のために1人残らず死ねッ!!」
「リゥ・ズゥは、死なない。死ぬのは、お前1人だ」
「ハ!独りよがりのバッドエンダーにゃあ、ご退場願おうか!」
 先に反応したのはデブラだ。手にしたモ式拳銃が火を噴く。ガァンッ!機関車怪人の装甲表面で火花が爆ぜた。怪人がわずかによろめく。リゥ・ズゥはその隙を逃さない。彼の姿は今、それまでとは違うヒトに近しい四肢を持つ怪人めいた容貌となっていた。真の姿の発露である。
「がァッ!」
「おお、ッ!」
 機関車怪人はリゥ・ズゥに接敵し、固く握り込んだ右の拳を放つ。蒸気の噴き出す音を鳴らしながら強力な鋼の豪腕がリゥ・ズゥを襲った!だが、リゥ・ズゥは拳の軌道を見切り反撃!鋼鉄と漆黒の拳が正面から撃ち合う!
「く……!」
 凄まじい衝撃だ!リゥ・ズゥの身体はそのパワーを受けきれずよろめいてしまう。機関車怪人はそこへ更に追撃!左の拳が再び強力な一撃を——
「させるかよォ!」
 ガンガンガンガンガンッ!!デブラは抱えた08式速射砲で連続砲撃!咆哮する弾頭が怪人を叩き伏せながら炸裂する!
「おおおおッ!!」
 だが怪人は装甲表面を焦がしひび割れながらも咆哮!握り込んだ左の拳をリゥ・ズゥへと叩き込む!だが、リゥ・ズゥはその衝撃を受け、わざとゴム人形のように激しく仰け反る人間には不可能な肉体の駆動をすることでダメージを受け流す!骨も肉も持たぬブラックタールの身体だからこそできる特殊な闘法であった。
「はあッ!!」
 リゥ・ズゥは伸びきったゴムが戻るように強力な反動を乗せて機関車怪人へ逆襲する!鋭く重たい、凄まじい衝撃を伴ったカウンターの一撃だ!ガオンッ!!激突の音が高らかに響き渡り、怪人の身体が宙へと投げ出される!
「が、ァッ!!こ、の……汚らしい、泥人形が……よくも、ォッ!!」
「こいつも持ってきなァ!」
 宙に舞う怪人の躯体へとデブラが更に追撃!08式速射砲の砲弾を叩き込むッ!
「グオ、オオオオ、ッ!!」
 爆轟の中で怪人が呻き、そして瓦礫の地面へと落下する。だが、まだ致命傷には至らなかった。機関車怪人は尚も瞳を光らせながら立ち上がり、咆哮する!
「もう、一度……!もう一度だ!来い!」
 ぼう——!汽笛の音が鳴り響く!再び巨大な怪人機関車が瓦礫を打ち砕きながら戦場へと闖入した!
「我が、未来を!世界を、オオオッ!!」
 機関車怪人は再び咆哮する!
「片腹痛いですね」
「なに……!!」
「はい!片腹痛いです!!」
 しかし、それに併走する姿があった。サーズデイ・ドラッケン(f12249)である!彼は高速機動用の兵装であるWMC-ハミングバードによる高速戦闘術【ウェイブストライカー】によって怪人の駆る機関車へと追いすがっていたのである!更に、サーズデイにしがみつきながらハミングバードへ同乗しているのはメルト・プディング(f00394)だ!
「そのような前時代的なヴィークルで粋がるとは」
「なんだと……!貴様、この私を愚弄するつもりか!」
「わるぐち言われて怒ってるのはこっちですよ!!なんなんですか泥人形って!ブラックタールへの差別発言ですよ!ポリコレ的に最悪です!」
「黙れ泥人形ッ!」
「また言いましたね!!完全にボクはムカ着火ファイヤーですよ!?」
「メルト殿。落ち着いてください。平常心です。平常心」
「うっ。そ、そうですね。では、ここは落ち着いて……仕掛けますよ!」
 この怒りをぶつける、ボクの必殺技をお見舞いしましょう!
 メルトはサイキックを全開。念動力を最大に発揮し、周囲に散らばる瓦礫を空中へと持ち上げる!
「叩きつけますッ!!名付けて……メテオ☆ストライク!」
「ヌウウーッ!!」
 メルトは号令をかけるように腕を振り下ろす!それに応じた空中の瓦礫は、隕石のように高速かつ強力に怪人の機関車へと“着弾”する!装甲が凹み、窓のガラスが次々と粉砕されてゆく!
「グア……!おの、れッ!」
 だが、機関車怪人の闘志は尽きない。彼はサーズデイとメルトへ反撃すべく、機関車の進路を取る!
「死ぬがいいッ!!」
「いいえ。滅びるのはあなたです」
「む……ッ!?」
 だが、ここで猟兵たちへと追いすがる怪人の機関車の車体が揺らいだ!しかしサーズデイが何か仕掛けた様子はない。一体どうしたというのか!?
「さて、ミスタ・トレイン。置き石対策は充分かな?」
「これは……!スロットマシン怪人どもの、ッ!?」
「足元不注意ですよ!」
 その答えは地面にある。それは先の集団戦の折、多くのスロットマシン怪人が吐き出した無数のコインである!機関車怪人が呻く彼の機関車はいま、車輪の隙間に巻き込まれたコインによってその走行を大きく阻害されていたのだ。バランスを崩した車体が大きく揺らぐ!
「XAF-レイヴン、アクティヴ。ファイアコントロール・システム、オールグリーン……まもなく、黄昏です」
「よっしゃ、いいポジションだぜ!」
 サーズデイはよろめく機関車怪人へと向け、レールガンを照準。そして砲撃。そこへデブラの08式速射砲による砲撃も加わる!ガオオォォン!!爆轟!!怪人の機関車は凄まじい威力の弾頭を叩き込まれたちまち大破し炎上!怪人の身体は血の池めいたコインの海へと投げ出される!
「お、おの、れ……!おのれ、猟兵、ど、も……!!」
「もうおしまいです!悪い野望も、ここでおしまいですよ!」
「ミスタ・トレイン。……こういう三文芝居における黒幕の末路は、わかりますね?」
 GgGrRRr……!
 咆哮が響く。それは、怪獣の叫び声だ。街を壊し、人を殺し、恐怖を撒き散らすものの声だ。それでいて、そうであると同時に、彼はかつての旧人類が畏れ、憧れ、愛したものの声だ!
「失敗、作が……!!」
「グルルは『しっぱいさく』なんかじゃない!!」
 GgGGgrRRrRrrRWWwWwwwWw!!
「よし、いいぞ。調子は良いようだな?」
 咆哮を上げてグルルが迫る——破損した脚部の代わりを務めるのは、エコリアチ・ヤエ(f00287)のユーベルコード【即席移動車】だ。その材料になる鉄屑なら、この戦場にはそれこそ山のように積まれている。彼の技術があれば、それを仕上げることは難しくはなかった。
「フ。さすがに怪獣を載せることになるとは思っておらなんだがな」
 そして、その車はグルルの足として戦場を移動していた。当然のようにヒナちゃんも一緒だ。ヒナちゃんとグルルと連れて、ヤエは怪人のもとへと迫る。
「怪獣よ。我が手を貸したのだ。しっかり役に立ってもらうぞ」
「来ましたね、グルル殿」
「貴様……!できそこないが、この私に刃向かうつもりか!」
「此奴は、ただ願いを叶えたいだけだ。……大切なものは、自分の手で守りたい。そうだろう?」
 ヤエがグルルの顔を仰ぎ見る。グルルは静かに唸り。そして。
 GGGgGgGrRRrRRrRRwWWWwwWWWWW!!!!
 吼えた。
 開いた口が火を噴く。内蔵された戦車砲の砲撃だ。ガオンッ!!爆轟!!
「お前をつくったのは私だぞ……!」
 だが、機関車怪人はこの着弾を回避!爆風の中から身を踊らせ、殺気を込めてグルルへと襲いかかる!
「させぬ」
 ひゅ、ッ。風切りの音と共に剣が振り抜かれる。淡く燐光を伴いながらエレメントの力を込められたヤエの剣が怪人の道を阻んだ!
「おぬし自身を、スクラップとも呼べぬほどの鉄くずにしてくれる」
「ッづええい!!」
 ガァンッ!金属同士がぶつかり合う硬質な音!ヤエと怪人は反動により互いに後退!
「おぬしの道は既に絶たれた——黄昏の時だ、オブリビオン!」
 ヤエは手の中で柄の感触を確かめ一歩踏み込む。一閃!切っ先が怪人を襲う!怪人はこれを肩口で受けるが、踏みとどまり咆哮!
「黙れ、黙れ黙れ黙れ猟兵ども!!我々は、我々の時代は、まだ終わっていない!」
 ショルダータックルめいて怪人はヤエの身体を押し込みに行く!ヤエは勢いに押されたたらを踏むが、かろうじて態勢を立て直すことに成功する。間合いがすこし開いた!ならば、とヤエは呪詛を纏う杖を振りかざし、黒霧めいた闇を機関車怪人へと向けて放つ!
「この私が十把一絡げのスロットマシンどもと同じだと思うな!」
 しかし怪人は大きく横飛びに跳躍し、その漆黒より逃げ延びる!だが、そこに構えていたのは——リゥ・ズゥである!
「思ってなど、いない」
「なに……!?」
 ぎゅる、といびつな音。リゥ・ズゥはその拳をドリルめいて螺旋に回転させながら機関車怪人の身体へと突き入れる!ギャリギャリギャリギャリ!!激しく削れる音が響く!機関車怪人が痛みに呻いた!
「そうさァ!私たちに油断はねぇッ!!」
「グア……!」
 よろめく怪人へとデブラがモ式拳銃の弾丸を叩き込む!
「ご存知ないようですが……我々猟兵は、希望や友情を守るためなら、最大の力を発揮できるのですよ」
 サーズデイは抜き放ったLS-スパロウで斬りかかる。斬閃!光の刃が怪人の身体に大きな傷跡を刻み込んだ!
「そうです!ボクたちは……あなたみたいな悪い奴には、絶対に負けません!」
「お、のれ……!」
 そして、メルトは必殺ユーベルコードを起動!電脳ゴーグルにエネルギーを収束し、光を放つ!【目が電撃銃(メガテーザーカノン)】ッ!もう一度言う
誤字ではない!【目が電撃銃(メガテーザーカノン)】ッ!!膨れ上がる電光が怪人を飲み込んだ!そして!
「今です、グルル殿!」
「ああ、ゆけ!」
「グルル!」
 GggGggGrRRRRrrrRRR!!
「ク、ソ……私の、負け、か」
 機関車怪人が最後に見たのは、自らが生み出した愛しき怪獣の、その咆哮だった。

「せいぜい、生きるが、いい」

 爆轟。
 グルルの吐き出した炎に飲み込まれ、怪人は、骸の海へと還る。
 その炎が消える頃、戦いを終えた広場は、夕闇に包まれつつあった。
 猟兵たちは互いに健闘を称え合い、そしてヒナちゃんとグルルの無事を喜ぶ。
 だが、大変なのはここからだ。破壊した街や、迷惑をかけた人々に、グルルとヒナちゃんは「ごめんなさい」をしなくてはならないだろう。それはきっと、険しい道のりだ。街を壊した怪獣であるグルルがキマイラフューチャーの人々に受け入れられるには長い時間が——
「あー!いたいた!!あれでしょ、バズってた怪獣!」
「マジだ!オイオイ見ろよ、傷だらけじゃねーか!いやぁ、いいな!特にあの顔の傷が超かっこいい!」
「しかも猟兵もいるし!写真!写真撮らせてもらお!」
「でもボロボロじゃん!修理できる奴いるっしょ!呼べ呼べ!」
 ——否。そうでもなさそうだ。
 ヒナちゃんは、猟兵たちにぺこりと頭を下げる。
「猟兵さん、ありがとう!」
 顔を上げる彼女の表情は、とても明るかった。

 そして、手を繋ぎながら彼らは向かう。訪れるはずだった終焉のその先へ。
 黄昏を超えた先には、きっとまた、新しい朝が来る。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月30日


挿絵イラスト