帝竜戦役⑯〜その身に金属を纏うモノ
●グリモアベースにて
「皆様、また新たな帝竜が発見されました」
グリモアベースで猟兵たちを出迎えたアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)の口から語られるのは新たな帝竜の存在。
「今回レアメタルバトルフィールドで発見された帝竜の名前はプラチナ。その名の通り全身を金属で覆われた竜です」
希少金属に覆われた大地、レアメタルバトルフィールド。そこは生物が住まう場所としては異質過ぎた。おそらくはそれすらもプラチナの力によるものだろう。
そこで発見された帝竜はこれまでとはどこか違う帝竜だった。だがその戦闘能力は他の帝竜と遜色はなく、侮ることはできない相手であることに変わりはない。
「どうやらプラチナには『本体』と呼ばれる部位が存在するようで少女の姿をしたそれを金属で覆い隠し、今の姿になっている様です。この情報も何かの役に立つかもしれませんのでお伝えしておきます」
とはいえ戦闘中にその部位を見つけるのは難しいだろう。しかしその情報を知っているかどうかが戦況を分けることもあるかもしれない。頭の片隅に置いておくといいだろう。もし、戦闘中に少女が視界に入っても焦ることのないように。
「この帝竜戦役も中盤を越え、戦いは激しさを増していきます。ですが当機は皆様なら戦い抜けると信じております。今回の戦いも乗り越え先へと進みましょう。それではどうかご武運を」
こうしてカーテシーと共に猟兵たちの転移が開始された。
灰色幽霊
どうも、灰色幽霊です。
六度の幹部戦となります。
相手は帝竜『プラチナ』。
また例の如く今回も『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』ことでプレイングボーナスが発生いたします。帝竜は確実に先制してきますのでどう防ぎ、どう反撃するかをお考え下さい。
今回は幹部戦ですので基本的に『成功』か『大成功』のプレイングのみリプレイを執筆しますのでご了承ください。
その他注意事項などはMSページもご覧ください。
それでは皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『帝竜プラチナ』
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POW : ジルコニア、プラス、バナジウム『絶対超硬剣』
自身の【本体(少女)を守る超硬装甲】を代償に、【剥離した装甲を飛翔剣化し、膨大なエナジー】を籠めた一撃を放つ。自分にとって本体(少女)を守る超硬装甲を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD : テルル、プラス、ニオブ『悪臭毒ガス粘液塊』
自身に【本体(少女)を守る粘液状の毒煙】をまとい、高速移動と【悪臭の毒ガスを放つ粘液弾丸】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : プラチナ、プラス、バナジウム『命令電波プラチナ』
自身が装備する【本体(少女)】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
国栖ヶ谷・鈴鹿
【SPD】
希少金属!ぼくも技術者だから、とっても気になるね!
【先制対策】
耐毒決戦仕様[メカニック]改造!
悪臭や毒に対応できるように紅路夢や銃に、[属性攻撃][衝撃波]迎撃用で粘液や煙を吹き飛ばし、装備品に[毒耐性][オーラ防御]加工でぼく自身の防御も高めておこう。
【戦闘】
本体がどこにあるか、相手のUCが特に防御を厚くする場所、そこにいるはず!
フロヲトバイ紅路夢で、ぼくのUCが届く範囲まで接近していこう、そうしたらUCで改変して、装甲を板チョコに、粘液をプリンに、毒煙は美味しいバニラの匂いに改変して、疲れ切った本体に効く甘みに変えよう!
最後に本体も、改変してフィニッシュをかけよっか。
ナハト・ダァト
随分トまア、軽薄ナ物ダ
そノ重量ハ、見た目だケかナ
対処法
分身が形成された瞬間
無限光の大放出
金属の乱反射を応用した強烈な目潰しを実行
自身は「啓示」で分身の位置を捉え
トラップツールⅡ、「へその緒」
による武器改造を敢行
早業で行い、自らと同じ姿へ再形成させる
そうして撹乱を行う間に
情報収集と医術で本体の場所を把握
プラチナが「へその緒」で操る分身を相殺し、油断した所で迷彩から登場
鎧無視攻撃、傷口をえぐる、医術、不意討ちで本体箇所に傷をつけ目印に
そして即座に猟兵の感情を伝播
連携のサポートと能力の強化に従事する
舞台ハ整っタ
さア、行き給エ諸君
エルザ・メレディウス
アド◎連携◎
...金属で守られたあなたの城...
あなたの過去を思うと戦うのは辛いですが、あなたが帝の名前を持つ以上、私達がお相手仕ります
■WIZ使用
ローマンレギオン、あなたの城を攻略する兵士達です
【集団戦術】を活かしてローマのレギオンを参考にした陣形で前進
【地形の活用】を活かし、地形の起伏・物陰を活用しながら迅速に移動。
召喚兵は、盾→攻撃の優先順位で私や他の方を守りながら敵へ進み、攻撃を
【鼓舞】して、全員が敵のもとへ到着できるように
敵への攻撃時は残った召喚兵達による数を活かしての攻撃を
私は、指揮しながら敵の本体を探します
敵の本体を、見つけられたらそちらへ【捨て身の一撃】を
さようなら、プラチナ
メンカル・プルモーサ
ふむ……稀少金属で覆われてる……この稀少金属気になるなぁ…後で採取しよう…
…さて、本体を竜の姿の金属で覆っている…となれば…と、まずは少女の複製対の処理からか…
……うーん、複製体が飛んで来るのはシュール…ひとまず、地形を利用して囲まれないようにしながら…爆破術式で…複製体を破壊していこう…
…そして複製体の補充のタイミングに合わせて【竜屠る英雄の詩】を発動…攻勢に出るよ…
…竜殺しの概念を纏った術式銃【アヌエヌエ】による射撃で複製体を破壊しながら竜に乱れ撃ちで射撃…
…これに対するリアクション…防御や回避を見て情報を集めて本体の位置を推理…本体が居ると思しき場所を狙い撃って行くよ…
●自由を得た竜
「自由最高! ヴァルギリオス様ありがとう!」
レアメタルバトルフィールドの中心で帝竜プラチナは声高に叫ぶ。かつての記憶こそないがこれほどの解放感は今までに味わったことがない。
「さ、いきましょうか! 私」
周囲のレアメタルを操り生み出されるのは幼い少女の姿をしたナニカ。それはプラチナの本体の複製品。その全てがプラチナにより操られ進軍を開始する。本来であれば悪魔兵の軍勢を創造するつもりだったが想定よりも早く猟兵たちがここへたどり着いてしまった。
「私の自由を邪魔させませんよ!!!」
数多の金属にその身を包み、竜は来たる猟兵たちを迎え撃つ。
「ふむ……希少金属で覆われてる……この稀少金属気になるなぁ…後で採取しよう…」
「希少金属! ぼくも技術者だから、とっても気になるね!」
「どれくらい希少なのでしょう……?」
「随分トまア、軽薄ナ物ダ。そノ重量ハ、見た目だケかナ」
メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)、国栖ヶ谷・鈴鹿(未来派芸術家&天才パテシエイル・f23254)、エルザ・メレディウス(復讐者・f19492)、ナハト・ダァト(聖泥・f01760)の4人が増え続ける軍勢の前に立ちはだかる。
「なんなんですかあなた達!!! 早いですよ!!!」
来るとは聞いていたがこんなに早いとは聞いていなかった。想像以上の猟兵たちの進軍に怒りを感じながらもプラチナもまた迎え撃つ。
本体の複製体たちを猟兵へ。そして自分自身は粘液状の毒煙を纏い、後方からその毒で戦場を満たす。生き物ではない複製体に毒は効かない。つまりこの場で毒が効くのは足を踏み入れた猟兵たちのみ。
「私は後ろにいるのでやっちゃってください!!!」
今回の帝竜はどこまでも締まらない敵だった。
戦場に満ちる複製体たち。際限なく増え続ける金属の少女は厄介ではあるが明確な弱点が一つ存在した。
「でハ、頼むヨ」
ナハトは戦闘開始と同時にその身に宿す『無限光』で余すところなく戦場を照らす。それはこの戦場を包み込む金属たちに反射して強烈な閃光となりプラチナを襲う。
「目が! 目が!!!」
プラチナの視覚が閉じられたことで複製体の動きが止まる。複製体は自律稼働のオートではなくプラチナ自身が操るマニュアル操作。操るプラチナが動かさなければ複製体も動かない。それが弱点の一つだった。
ナハトが複製体の足を止め、そこを他の猟兵たちが攻める。
「これがあなたを攻略する戦士たちです」
エルザは【ローマンレギオン】を発動し、かつて戦った古代の戦士たちを召喚する。戦士たちは密集し、突撃陣形を取り複製体たちへ突撃。面での制圧で動かぬ複製体を蹂躙する。
「……うーん、複製体が飛んで落ちるのはシュール…」
メンカルも後方から爆破術式で複製体を爆破。金属片が周囲に転がる。数ばかりが多い動かぬ相手の処理などメンカルからしてみれば朝飯前だった。
「ぐぬぬぬ……だけどこの毒煙がある限り私は負けません!!!」
プラチナの目が見えぬとも毒は戦場に充満する。それどころか目が見えなくなったことで無差別に毒をまき散らし始めた。同時に複製体もバラバラと動き出す。猟兵たちを視認できずとも数の力で押し押し始めた。
「よーし!」
こうなってしまっては力づくでも突破するしかない。鈴鹿は『百弐拾伍式・紅路夢』に跨るとエンジンを掛け、アクセルを吹かす。目指すのはプラチナの本体。毒が満ち、複製体がその道を阻もうと鈴鹿には秘策がある。
「私モ行こウ」
ナハトも自らのへその緒を自身の姿かたちに改造し、本体と分身で鈴鹿のフロヲトバイクのシートを掴む。
「しっかり掴まっててね!」
エルザと戦士たちが拓いた道を鈴鹿はただまっすぐプラチナへ向け突き進む。飛び出してくる複製体を巧みなハンドル捌きで回避する。だが毒だけはどうしようもない。プラチナに近づけば近づくほど毒の濃度は上がっていく。苦しさを覚えた鈴鹿はすかさず自身のユーベルコードを発動した。
「いでよ! ぼくの理想郷!」
鈴鹿の【新世界ユウトピア】により放たれるハイカラさん後光領域。この光が当たったものは鈴鹿の理想を体現する。
身体を蝕む毒煙は甘く漂う美味しいバニラの匂いに変わる。これで毒は無効化され、鈴鹿の走りの障害は取り除かれた。
「…そろそろかな……」
プラチナへ突っ込んでいくバイクを眺め、メンカルも次なる行動へと移る。『術式銃【アヌエヌエ】』を取り出すと【竜屠る英雄の詩】を発動し、銃に竜殺しの概念を付与させる。
鈴鹿たちへ迫る粘液弾丸を撃ち抜く氷の魔弾。凍らせてしまえば毒も溢れ出ることはなく、悪臭も封じ込めることができる。
「むっきー! 見えないけどなんか駄目そうな感じがする!!!」
鈴鹿の理想世界構築型ハイカラさん後光領域も毒煙や周囲の金属を変えることはできてもプラチナ本体を変えることはできなかった。おそらくその身に纏う希少金属に何らかの効果が付与されているのだろう。
だが鈴鹿の真の役割は毒の無効化でもプラチナをプリンに変えることでもなくナハトをプラチナの元へ送り届けること。どこに隠れているかわからないプラチナの本体を探すには医術の心得があるナハトがあうってつけだった。
「あリガとウ」
ナハトは分身を伴い、プラチナの身体を駆けあがっていく。
「なんか来た!?!?!? 私たち!!!」
装甲を何かが伝う感触で咄嗟に複製体を呼び戻そうとするプラチナ。だが複製体はそのほとんどがエルザと戦士に抑えられ助けに来ることはできない。
「この!」
「……無駄」
ならば、と放つ粘液弾丸もメンカルに撃ち抜かれてしまう。それどころか竜殺しの弾丸でその身体を狙われる。
「痛い! 痛い痛い!!!」
「触診完了ダよ」
ナハトはプラチナの身体の隅々までを把握し、その本体の居場所を突き止める。如何に金属でその身を覆い隠したとしても隠しきれない痕跡というものは存在する。今回ナハトが突き止めたのは人の形をとる以上必要不可欠な呼吸の有無。息をしている箇所を探せば本体はそこに存在する。
「やめなさい!!!」
しかし不運にもこのタイミングでプラチナの視力が回復する。自らの身体に纏わりつくナハトを放置できるはずもなく、プラチナの爪がナハトへ。
「残念ダったネ」
だがプラチナが引き裂いたナハトは分身。本体は既に離脱していた。
そして入れ替わりに殺到するエルザの指揮する戦士たちがプラチナの動きを封殺する。
「さぁ、進みなさい」
戦士たちは一撃でも攻撃を受ければ消えてしまう程度の存在。だが今はそれでいい。戦士たしの役目は刹那の時間を稼ぐこと。そのために彼らは自らの身体を犠牲に活路を開く。
「…あそこか……」
ナハトは撤退する前に本体のいる位置にマーキングを施していた。プラチナの動きはエルザと戦士たちが止めている。だからメンカルは正確にそこだけを撃ち抜けばいい。
装填される竜殺しの弾丸。狙いは本体。
放たれた弾丸が装甲を貫き本体たる少女を撃ち抜いた。
大成功
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宮落・ライア
まさかのレアメタル。
こいつ帝竜とは言うけれどただの鎧なんだから竜の形してるだけなのでは?
まぁいいや。
いやその攻撃は良くない。
剥離って幾つ出るんだよ。
完全に本体を露出させるわけには行かないから逃げられない数じゃない?
それに剥離して飛ばすのなら飛んでくるのはプラチナの方向からだけ。
前後左右から飛んでくるわけじゃない。
なんだ銃撃と一緒じゃないか。
気合いと限界突破でダッシュで避けられる。
まぁそれに、零距離まで近づいてこられたらそれ使いづらく無いか?
近づいたら剥離させた場所に大剣をあてがい、
【無理でもって道理をぶち壊す】
骨肉の剣の質量増大とあわせて叩ききる。
黒髪・名捨
まー、とりあえずの体をぶちのめせば、その本体ってのも何らかのアクションがあるかな。
運が良ければ見極めれるか?
●先制攻撃
『闇に紛れる』と闇に『迷彩』して姿を見えにくいだろ。
その状態で何某プラチナとやらの攻撃を『見切り』紙一重で回避する。
カスった分は『激痛耐性』で無視するな。
●戦闘
ブラック・ガイストで『封印を解く』
(魔殺の帯をといで口裂け人間の姿を見せつつ)本領発揮したスティンガーで『捕食』して『生命力吸収』して『恐怖を与える』
うんまずい。
恐怖で本体とやらが反応したらいいんだがな、スタングレネードを『投擲』して『目潰し』『気絶攻撃』で動きを止めたらアーラーワルを『槍投げ』して『串刺し』エンドだ。
七那原・望
スケルツァンドに【騎乗】し【空中戦】、最高速を保ったまま戦場へ乗り込みます。
【第六感】と【野生の勘】で敵の動きを【見切り】、対処します。
まずは攻撃を考えずに回避に専念。最高速度で駆け抜けてなんとしてでも飛翔剣を躱します。
可能ならプレストで飛翔剣を白羽取りして僅かな時間でも動きを封じます。
おそらくチャンスはそう多くないはず。成功したらすぐに【全力魔法】【多重詠唱】で一撃の破壊力に全てを込めた【Lux desire】をセプテット、オラトリオと共に【一斉発射】。確実に仕留めるつもりで畳み掛けます。
あなたの自由を踏みにじるのは申し訳無いのですけど、こちらも退けないのです。もう一度骸の海に墜ちなさい。
ユウキ・ダイエイト
※アドリブ絡み歓迎
「れあめたる」ってお金になるんだよね?これはつまり稼ぎ時……!
船長、あたし頑張ってくる!うおーー!(「情熱」&「鼓舞」)
相手のUCによる装甲が飛んでくるタイミングを「戦闘知識」「第六感」で察知、「念動力」と「オーラ防御」で直撃しないよう逸らして躱しながら間合いを詰めていき、機を見てFortitudeで「属性攻撃」の「衝撃波」を飛ばして「カウンター」。
上手く相手の体勢を崩せたら懐に飛び込んで【一撃必殺】!
そして相手が怯んだ隙にさっき飛ばした装甲や戦闘で砕けたレアメタルを「怪力」で持てるだけ持ち帰ります。
お宝、ゲットだぜ!
フランチェスカ・ヴァレンタイン
ええまあ、わたしも似たようなことはやりますけれども…
初手に全てを賭けるのは、ええ。さすがにいかがなものかと?
その二の太刀要らずにも程がある博打精神に少々呆れなど見せつつ
初撃の軌道を見切ることに全神経・全センサーを集中
飛翔剣射出のタイミングでフェイントを掛け、残像を生む急加速の空中戦機動で射線上から身を躱し
膨大なエナジーの余波を背に受けての更なる加速でカウンターと参りましょう
ランスチャージをその身に掠め、宙返りで頭上を取り
体勢を崩す眼下の本体へ向けて、UCでの垂直降下蹴りをお見舞い致しましょう…!
「見た目か弱くとも帝竜は帝竜、手心なく参ります…! ハイペリオン――ディザスタァァァッッ!!」
●自由の終わり
「いったーい!!!!」
本体を護る装甲の一部が剥がれ落ち、中に隠されていた姿があらわになる。其処に居たのは複製体と全く同じ姿をした少女。帝竜プラチナの本体だった。
「許さないです!!!」
弱点である本体が露出してしまった以上小細工をしても仕方がない。プラチナに残された手段は最早一つ。己の持てる総てを使って猟兵たちを迎え撃つことだけだった。
少女を護っていた装甲が次々と剥離していき、姿を変えていく。鱗の様な形をしていた装甲は鋭く尖りあらゆるものを突き穿つ剣へと変貌を遂げる。少女を護り続けた無敵の盾は立ちはだかる者を打ち倒す矛となる。
「死になさい!!!!!」
視界を埋め尽くすほどの飛翔剣群が猟兵たちへと迫る。
「……多くない?」
「多いな」
「うおー! やばーい!」
地上にいる宮落・ライア(ノゾム者・f05053)、黒髪・名捨(記憶を探して三千里・f27254)、ユウキ・ダイエイト(力こそドカーン!!・f25719)の3人は迫りくる剣の群れを前に戸惑いを隠せずにいた。正直なところどうせこっちへ向かって飛んでくるのだし避ければいいと楽観していたがこれは想像以上の規模だった。絶え間なく放たれ続ける剣たちはまるで怒涛の津波の如く。
「でもまぁやるしかないね」
だがそれだからと言ってすることが変わるわけでもない。数が多いのならばその分避ける回数が増えるだけ。身体に当たる量が増えるのならより多く耐えるだけのこと。愚直に、ただ真っ直ぐ進む。それが3人の選んだ選択肢だった。
「……大丈夫でしょうか?」
「きっと大丈夫なのですー」
「ええ、任せましょう」
空にいるフランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)も地上の猟兵たちを心配そうに見つめるが七那原・望(封印されし果実・f04836)の言葉で地上と同じくこちらへと迫る剣群へと向き直す。地上の彼らとて猟兵、自分の身は自分で守れるだろう。フランチェスカは自らの翼で、望は『奏空・スケルツァンド』に騎乗して空を翔ける。
窮地に追い詰められたからと言っても本来自らを護る装甲を攻撃に転用するなど悪手でしかない。だがそんな常識を覆すほどの圧倒的物量がプラチナにはあった。この場所で戦っていたこともプラチナにとっては僥倖。周囲に存在するレアメタルを吸収し、欠けた装甲を復元することで尽きることなく剣を生み出し続けていた。
「この絶対超硬剣をどうにかしない限り私には届きませんよ! まぁ無茶で無謀なあなた方には無理でしょうけどね!!!」
圧倒的物量を手にし、勝ち誇るプラチナ。確かにそんな自信も抱けるほどこの剣の群れは途方もなく途轍もない。
「届かない? 無理? 無謀? 無茶? 知るか。それが止まる理由になるか」
―――相手が猟兵たちでなかったのなら。
「よ、っと」
「うおーー!!!」
迫る剣を避けて、弾いて、防いで猟兵たちは前へと進む。どれだけ絶望的な数であろうと前に進み続ければいつかは本体に辿り着く。多少の傷は必要経費。最後に一撃を放つだけの力が残っていればいい。これはもはや楽観ではなく覚悟。何があろうと金属を操る少女の元へ辿り着き一撃をかますという絶対なる意思の元地上の猟兵たちはただ真っ直ぐに進んでいく。
そんな地上とは対照的に空では優雅な舞が繰り広げられていた。最高速を維持し、飛び続けるフランチェスカと望。剣の速度ではそのスピードに追い付くことができずその後ろをただ追尾するのが精いっぱい。だがそれも2人が最高速で飛び続けているから。ほんの少しでも速度を緩めればあっという間にその身体は剣群に貫かれ地に堕ちるだろう。つまりこれはプラチナが隙を作るまで続けられる命がけの追いかけっこ。
その時はまだ来ない。
「想像以上にしぶといですね……でも! 私はまだ自由を諦めません!!!」
周囲の金属も吸い尽くし、残るのは今その身に纏う装甲のみ。だがそれすらも手放しプラチナは最後の攻勢に移る。
空の猟兵たちは未だ捕まらず、地上の猟兵たちも少しずつこちらへ近づいてきている。おそらくここがデッドライン。本体を護る全ての装甲が剣となり飛翔する。
本体の防御を代償に剣は仇為す者を狙う。
「よし、全部だな」
「これで本体はがら空き!」
プラチナが全力出した以上猟兵たちも出し惜しみをしてはいられない。名捨はその口を覆い隠す『魔殺の帯』に手をかけ引きちぎる。異形を隠し、魔を封じ込めていた帯が無くなり顕れるのは大きく裂けた名捨の口。同時に発動された【ブラッド・ガイスト】が名捨の血を代償にその身を殺戮捕食形態へと変化させる。
大きく開けられた名捨の口が飛翔する剣を捕食する。それはただの金属の集合体でしかないが、同時にオブリビオンであるプラチナの身体の一部だったモノ。名捨の口腔内に仕込まれた『スティンガー』はそれを喰らい、吸収し身体にフィードバックする。
「うん、まずい」
「剣を……食べてる!?」
名捨の存在により地上を進む猟兵たちの進行速度は格段に上昇する。しかしまだあと一歩。プラチナに近づくほど激しくなる攻撃を突破するにはあと一手が必要だった。
「止まらなきゃいつか辿り着く」
その一手を切り開くため、ライアは白く巨大な『骨肉の剣』を振りかぶる。その一刀で数多の剣群を相手取るのは無理かもしれない。だがそんなこと知ったことではない。【無理でもって道理をぶち壊す】ためにライアはここにいる。
力任せに振るわれる理不尽なほど強大な一撃。それが剣の群れを二つに割り、先へと進む活路を作り上げた。
「いっくぞー!!!」
その道をユウキは全力で駆け抜ける。剣が向かって来ようと篭手で弾き、衝撃波で吹き飛ばす。道を進み続ければ、その先にいるのは一人の少女。装甲を失い、無防備となった帝竜プラチナへユウキの拳が迫る。
「来ないでください!!!」
「嫌だ!!!」
剣を操り何とかユウキに対抗するプラチナ。ユウキもその拳で剣を弾くがすぐさま別の剣がやって来る。プラチナに手は届いたが決定打を未だに決めあぐねていた。
そこへ降り注ぐ一筋の流星。それは遥か頭上から垂直降下で加速したフランチェスカだった。
名捨が動き出したタイミングでフランチェスカもまた動いていた。迫り続ける剣を望と共に誘導し、剣と剣同士を衝突させる。そこから溢れ出る膨大なエナジーの余波を背に受けて、フランチェスカは更なる加速と共にもっと上へ。
遥かな空を登り切り、スラスターを停止させれば重力に引かれその身は地上へ落下する。そこに再点火したスラスターの推力も加わりその速さは音速を優に突破する。
「見た目か弱くとも帝竜は帝竜、手心なく参ります…! ハイペリオン――ディザスタァァァッッ!!」
音を置き去りにした流星が帝竜の頭上より降り注ぐ。
フランチェスカの【九天裂き往き 荒び散らすもの】による垂直降下蹴りを避けるだけの余裕がプラチナにはなかった。蹴りは少女を護る両腕を砕き、遅れてやって来たソニックブームがその身体を吹き飛ばす。
「一! 撃! 必! 殺!!!」
体勢を崩したプラチナへ放たれるユウキの【一撃必殺】。拳が腹部へとめり込み振り抜かれる。
「ガハッ―――」
「あなたの自由を踏みにじるのは申し訳無いのですけど、こちらも退けないのです。もう一度骸の海に墜ちなさい」
そして最後に放たれるのは望の【Lux desire】による膨大な光の奔流。フランチェスカが飛び去り、剣による脅威がなくなった望は『銃奏・セプテット』を自律稼働させ、自らの姿を模倣させた『影園・オラトリオ』を呼び出し魔力をその胸に抱く『真核・ユニゾン』という名の勝利の果実へ練り上げ注いでいた。
勝利を願う望の願望と共に魔力と光は収束し、凝縮され、プラチナを仕留められるその時を待っていた。
放たれた極光はプラチナだけでなく地上と空に残っていた飛翔剣を総て飲み込み、その悉くを滅却した。
光の痕に残ったのはわずかな希少金属だけだった。
金属の戦場での戦いは終了した。
自由に焦がれた竜は自由を得ることなく再び骸の海へ。
猟兵たちは真なる自由を護るため、次なる戦いへと赴いていく。
大成功
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