帝竜戦役⑯〜再孵化したのでがんばる
●
「ふう、だいたいおわったかな!」
金属に覆われた大地の上で、巨大な竜がそれに似合わぬ軽い調子で声を上げる。
「もう私めちゃくちゃ頑張ったもん!ちょっとくらい休憩してもいいよね!」
カダスフィアさんが油断するなって言ってたけど他の帝竜のみんなも頑張ってくれてるし私が休憩したって全然大丈夫なはずだし!
「はー……、疲れたら自分の好きな時間におやすみ出来る。自由っていい……」
『再孵化』前のことはよく覚えてないけど、私今めっちゃ充実してます。ヴァルギリオス様ありがとう。お昼寝して起きたら私また頑張ります。今度は命令電波で悪魔兵の軍勢を創造して……。
最後の詰めの前に休憩に入る帝竜。
物言わぬ金属たちが、その様子を見守っていた――。
●
「群竜大陸アタックお疲れさん。次の戦場へのご案内だ」
グリモアベースに集まった猟兵を前にグリモア猟兵、ダスク・ドーン(f13904)は説明を始める。
アックス&ウィザーズで語られる伝説の存在、『帝竜ヴァルギリオス』がオブリビオン・フォーミュラとして復活。
『帝竜戦役』が始まった。
ヴァルギリオスは数々の眷属を『再孵化』し、『カタストロフ』を目論んでいる。
「今度の敵の名は『プラチナ』。6種の魔鉱物(レアメタル)を纏う帝竜だ」
場所はレアメタルバトルフィールド。既にプラチナの手により現地の生物は死滅し、金属ばかりの煌びやかな風景と化している。
相手は帝竜らしく強大な敵、一癖も二癖もある奴で――。
「一癖も二癖も……、まあ現地に行って話してみればわかるだろう」
予知で見えた帝竜の様子を思い出いながら、ダスクは何とも言えない表情を浮かべる。
「強敵の例に漏れず、こいつも『先制攻撃』を仕掛けてくる。対処法を忘れずにな」
『帝竜』の姿である魔鉱物部分は、本体である『少女』を守るためのものらしい。
正面から『帝竜』を相手にするか、隙をついて本体の『少女』を狙うか。あるいは、ユーベルコード次第ではもっと別の戦い方もあるだろう。
「戦い方は自由だ。ただ、無策で挑むようなことは避けてくれ」
敵の言動はともかく。再孵化に恩を感じて、ヴァルギリオスへの忠義に厚い。ここで確実に仕留めておく必要がある。
「それじゃ、いける奴からいくぞ」
ダスクは転送の準備を始めた。
背腹かえる
●特殊ルール:先制攻撃
プレイングボーナス……『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』。
(敵は必ず先制攻撃してくるので、いかに防御して反撃するかの作戦が重要になります)
●このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「帝竜戦役」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●ご挨拶
TW4のことはよく知らない背腹かえるです。よろしくお願いします。
戦争シナリオ、ボス戦フラグメント1つで完結。
相手は『帝竜プラチナ』となります。
強敵ですが、場合によっては緩い感じのリプレイになるかもしれません。
敵には先制攻撃があります。
猟兵の使用するユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)にて攻撃を行います。
プレイングに対策を盛り込んでください。
第1章 ボス戦
『帝竜プラチナ』
|
POW : ジルコニア、プラス、バナジウム『絶対超硬剣』
自身の【本体(少女)を守る超硬装甲】を代償に、【剥離した装甲を飛翔剣化し、膨大なエナジー】を籠めた一撃を放つ。自分にとって本体(少女)を守る超硬装甲を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD : テルル、プラス、ニオブ『悪臭毒ガス粘液塊』
自身に【本体(少女)を守る粘液状の毒煙】をまとい、高速移動と【悪臭の毒ガスを放つ粘液弾丸】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : プラチナ、プラス、バナジウム『命令電波プラチナ』
自身が装備する【本体(少女)】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
黒玻璃・ミコ
※スライム形態
◆行動
今までの帝竜さんに比べれば可愛らしいお姿ですね
自由を満喫されてる様で……だがしかし竜種滅ぶべし
不定形な特性を活かして鉱物結晶や影に擬態して潜み
そもそも攻撃の対象として存在を気取られないように
着実に距離を詰めて暗殺の機会を伺いましょう
見付かった時にも備えて重要な臓器は体内で位置をずらし
致命的な一撃は避けますよ
既に脳内麻薬を過剰分泌させ痛覚は麻痺させてますしね
最悪身体の半分でも残れば御の字です
我が【黄衣の都市】を顕現させましょう
正気を揺さぶる環境で複製体を思う様に操れますか?
最も混乱している本体を狙い
プラチナをも溶かす猛毒、王水を浴びせましょう
※他猟兵との連携、アドリブ歓迎
硬さと冷たさの中に独特の弾力を持つ金属の領域に、黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)のスライムボディが弾む。
「今までの帝竜さんに比べれば可愛らしいお姿ですね。自由を満喫されてる様で……」
直前に規格外の大きさの帝竜を見たこともあって。目の前で自由を満喫するその普通サイズの金属竜は愛らしくも思える。
「だがしかし竜種滅ぶべし」
可愛く見えようとも、猟兵はオブリビオンに容赦はしない。相手が何であれ、オブリビオンの存在は世界の敵なのだ。
視界の隅に黒い不定形の影を捉え、プラチナは己の複製体を呼び出す。
「この気配――!猟兵って奴ですね!私の自由を邪魔しにくるなんて許しません!ってどこいったんですか!?」
プラチナが呑気に台詞を言っている間に、さっきまでいたはずの猟兵の姿が消える。隠れたミコを見つけ出すため、複製体が四方に散る。
「かくれんぼですか!いいですよ!楽しくなってきました!」
金属の風景の合間で黒く光る敵影に、複製体の爪が伸びる。砕け散る地形の裏からミコが飛び出す。飛び出した敵影に金属の爪が伸びも、それが届く前に別の物陰へと滑り込む。
しばしの攻防。指揮が乱れ、複製体の陣形が崩れたところで、ミコは反撃に出る。
「隠れているだけでは解決しませんね。ここは少々強引に、いあいあはすたあ…………あいあいはすたあ!」
ミコは【黄衣の都市】の力を解放する。煌びやかながら歪で殺風景な金属のフィールドに、不可解な建造物が顕現する。突然現れた見知らぬ風景に、複製体たちは右往左往する。
「ああ!?私がめっちゃ頑張った領地がなんかかっこいい感じに!?」
プラチナは、動きの乱れた複製体をまとめようともしない。それどころか巨石建造物に登り、めっちゃドヤ顔をしていた。その顔は戦闘のことも自分の使命も忘れている顔。見慣れない街でかくれんぼを楽しんでる子供の顔だ!
「楽しんで頂けたようで何よりです。では遠慮なく――」
ミコは油断しきったプラチナ本体へ、王水を浴びせかける。プラチナをも溶かす猛毒の液体をモロに浴び、非ユークリッド幾何学的街並みが危険な薬品で溶けてゆく。
「わー!?何々!?なんでかくれんぼの鬼が攻撃されるの!?」
やたらと騒がしい帝竜に、更なる追撃が迫る。
大成功
🔵🔵🔵
国栖ヶ谷・鈴鹿
【SPD】
希少金属!技術者として気になる!
【先制対策】
耐毒決戦仕様[メカニック]改造!
悪臭や毒に対応できるように紅路夢や銃に、[属性攻撃][衝撃波]迎撃用で粘液や煙を吹き飛ばし、装備品に[毒耐性][オーラ防御]加工でぼく自身の防御も高めておこう。
【戦闘】
本体の位置を確認したら、フロヲトバイ紅路夢の[操縦&運転]で、ぼくのUCの範囲まで接近していくよ。
UCの理想世界再構築で、疲れ切った人によく効く甘いものに改変!粘液は美味しいプリンに、毒や悪臭は分解して、相手の注意をひきつけるバニラの香りに変えちゃおうか!
本体は……まぁ、色々思うところはあるけど、甘くて良い匂いを満喫させてるうちに改変で倒すね。
「希少金属!技術者として気になる!」
愛用のフロヲトバイ『百弐拾伍式・紅路夢』に跨り、国栖ヶ谷・鈴鹿(未来派芸術家&天才パテシエイル・f23254)が戦場に乱入する。
もちろん目的は帝竜の操る希少金属。希少金属自体は辺りに大量にある。が、半端に拾い集めたとしても、帝竜の消滅と共に消えてしまうことが予想される。収集するなら、帝竜から直接、生きた金属を!
「ふふふ……。気になりますか?私の操る金属の秘密を」
鈴鹿の只ならぬ気配に、プラチナが不敵な笑みを浮かべる。優位な位置から、目の前の猟兵を見下ろし。金属の翼をわざとらしく広げる。
「教えてあげても構わないんですけどねぇ」
何やら勿体ぶるプラチナ。
「お……、教える代わりに取引……ですか?」
悪しきドラゴンとの取引。そういう話はあるとは聞いている。鈴鹿の心は、技術者としての好奇心と、猟兵の使命との間で揺れる。どのような提案をされても引き受けるべきではないし、例え相手の提案を受け入れても、約束が守られることはないだろう。それでも――。
「いや、細かい技術とかのお話は『再孵化』前のことなので……。話せるほどよく覚えてないんですよ」
「そんだけ勿体ぶって何にもないの!?」
話した時間は無意味だった!予定通り力尽くで持って帰ろう!
プラチナは毒煙を纏い、飛翔する。その速度には鈴鹿の紅路夢では追いつけない。だが、反動のある力を使いながらの長期戦をプラチナは望んでいない。一度高度を上げたところで、毒の弾丸を伴いながら急降下してくる。勝負は一瞬。一度の接触で全てが決まる。鈴鹿もプラチナへ向け、アクセルを踏み込む。毒の弾丸をいくつか受けながら、構わず一直線に突き進む。
プラチナの懐に潜り込んだ鈴鹿は【新世界ユウトピア】の力を解放する。鈴鹿の背負う後光領域が、帝竜の纏う毒の気配を飲み込んでいく。すぐさま、辺りをバニラの甘い香りが包む。
「ようこそ!これがぼくの理想郷、夢見た世界さ!」
「これは……ッ!すっごくおいしそう!」
自らの毒が甘いプリンに『改変』されたことに、喜びの声をあげるプラチナの本体。帝竜の動きが止まる。外からでは確認できないが、あの身体の中では1人の少女がスイーツタイムを堪能していることだろう。
鈴鹿は隙だらけとなった帝竜の尾を削り取る。手に乗せると、不思議な力を感じる。
目的のものは手に入れた。が、これの正体を探る前に。
まずはこの戦いに終止符を打たねばならないだろう――。
成功
🔵🔵🔴
白石・明日香
中身を拝ませてもらいとしようか・・・・・
奴の技の威力が装甲を代償にするものならその威力を際限なく高めさせてやるとしよう。その分やりやすくなるからな!
手っ取り早く爆弾を投げながら接近するとしよう。
無論爆弾なんぞ爆発しても痛くも痒くもないだろうが、さっさと始末すしようと全力攻撃してくれるのなら占めたもの。
残像で攪乱しながらダッシュで接近、敵の剣の軌道を戦闘知識を総動員して見切って躱し当りそうなのは武器受けで流しオーラ防御で耐える。
間合いに入ったら怪力、2回攻撃、属性攻撃(炎)、鎧無視攻撃で叩き切る!
当たらなければどうということないんだよ!
「中身を拝ませてもらいとしようか……」
白石・明日香(十字卿の末裔・f00254)が、妖刀を構えて帝竜を睨む。
「またですか!何で敵ばっかりなんですか!こういう時って頑張った私にご褒美じゃないんですか!」
オブリビオンの活動は世界にとって害悪でしかない。その努力は、ここで確実に潰さなければならない。
空回りする義憤に駆られたプラチナは、自らを覆う装甲を攻撃のために変形させる。
「攻撃するなら真面目に頑張れよ。半端な威力じゃやりにくいからな」
明日香はプラチナを挑発する。敵の攻撃が守りを犠牲にする物ならば、誘った方が御しやすい。
「言ってくれますね!なら見せてあげましょう!私の頑張りを!」
プラチナは守りのために残した装甲まで、攻撃のために展開する。円を描いて舞う飛翔剣が更に数を増す。それらの剣が膨大なエネルギーを宿し、明日香へと射出される。
明日香は手にした爆弾でその軌道をずらそうとする。が、爆風程度で怯むほど帝竜の攻撃は甘くはない。変わらぬ速度で迫る剣を躱し、妖刀で弾き。無傷でやり過ごせるかと思ったその時、最後の飛翔剣が明日香の肩に突き刺さる。
「やりました!私だって頑張れば猟兵の1人や2人!」
攻撃が当たったところで賑やかになるプラチナ。
「おい!何舐めたこと言ってんだ!」
明日香の肩に血が滲む。が、それだけだ。この程度で熟練の剣豪が止まることはない。
明日香は自らに突き刺さった飛翔剣をそのままに、プラチナへと迫る。攻撃に使った分、敵の装甲が減っている。それに加え、剣を1本確実に抑えている。この剣を回収されなければ、ちょうど斬りやすい形に開いた隙間を覆う手段はない!
「え?ちょっと待ってください!」
「遅い!」
【剣刃一閃】。事態に気付いたプラチナの本体に、妖刀の一撃が入る。少女の姿をした何かが、縦に斬り裂かれる。
「きゃー!痛い痛い!ストップ!?」
装甲が閉まる前にもう一撃。返す刀に炎を宿し、焼く。
「やー!?蒸し焼き!?換気換気ー!?」
並の敵であれば滅するダメージを受けながら、プラチナは燃え盛る炎を消そうと騒ぎ続ける。
帝竜の一角とは思えない賑やかさで、プラチナは転がっていった。
成功
🔵🔵🔴
エルザ・メレディウス
ア〇絡〇
...敵の本体を見つけることが出来れば...勝ちの目は十分にあるはずです。。
★他猟兵様との連携時は【集団戦術】や【鼓舞】を行いながら、連携の質や、士気を高められるように心がけます
■WIZ
数には数と質で対抗いたします
【集団戦術】【地形の活用】を活かしたローマンレギオンを戦いの要と致します
【地形の活用】を活かしながら戦います。レアメタルの山影から山影へ、【集団戦術】を活かしながら、迅速に移動を。
召喚した兵士たちは、自分や仲間の猟兵様の盾、敵への攻撃を担当します。
手数の多さを活かした攻撃を続けながら、敵の本体を探し、見つけられたらそちらへ【捨て身の一撃】を仕掛けます
戦いの熱にぎらつく金属のフィールドに、エルザ・メレディウス(復讐者・f19492)が降り立つ。
「……敵の本体を見つけることが出来れば……、勝ちの目は十分にあるはずです」
「見つけるですって!かくれんぼはもうやめました!これからは正々堂々戦うのです!」
かくれんぼの苦い思い出を吹き飛ばしながら、プラチナは吠える。金属の丘の上でどっしり構える姿だけ見れば立派な物だが、その実態は――。
【ローマンレギオン】と【プラチナ、プラス、バナジウム】。
戦場ではプラチナの複製体とエルザの軍勢が睨み合っていた。エルザは最前線で軍団旗を掲げ、兵を鼓舞する。一方、敵の指揮官であるプラチナは後方で賑やかに構えている。
「ケントゥリオのもとに……ここに!」
「私たちの方が絶対強いはずですからね!こういう時は一気にどかーんです!」
謎の自信に満たされ、複製体が攻撃を開始する。100人隊長の鼓舞も虚しく、屈強な古代の戦士たちが、かよわい少女が放つ無骨な爪の攻撃によって消えてゆく。数の上では有利なエルザ軍であったが、個の戦力の違いと敵の勢いに、すぐに押し込まれてゆく。戦力差のある現実に、エルザは戦線を下げる指示を出す。
「わりと簡単に勝てそうです!そのまま叩き潰せー!」
プラチナは、楽しそうに檄を飛ばす。一方エルザは、冷静に戦況を見つめ、流れが変わるのを待つ。
「ここ……。全軍!攻めよ!」
後退していた軍勢が、攻めに転じる。無闇に進んでいた複製体は、気付けばエルザの軍勢に包囲される形となっていた。地の利と天の時を得た軍勢が鬨の声を上げる。多方面からの反撃に、複製体の群れが一気に崩れ始める。
「何で!?私めっちゃ頑張って攻めてたのに!?」
「無闇に攻めればいいものでは、ない!」
群を率いる以上、過去を忘れてはしゃぐ者には負けられない。エルザは軍団旗から槍へと獲物を換える。
陣が崩れて剥き出しとなった無能な指揮官に、エルザが肉薄する。慌てて防御を固めようとするプラチナの『本体』に、エルザの覚悟を乗せた巨大な槍が突き刺さる。
「この槍何!?めっちゃ刺さる!?」
指揮官を失ったことで、複製体の群れは一気に駆逐されてゆく。
突き刺さった槍を抱えたまま、プラチナは1人賑やかに喚いていた。
大成功
🔵🔵🔵
ナハト・ダァト
随分ト眩しいネ
目敏いかラ、倒しテしまおウ
対処法
無限光の強烈な発光
帝竜の金属を利用する形で乱反射させ
目眩まし
動きの止まった分身体に
トラップツールⅡを付けて武器改造
早業で行い、迷彩も掛けた残像として活用
撹乱を行う間に
「瞳」を使って情報収集
医術の知識と合わせ
本体がいる部位を把握
改造した分身を
「へその緒」によるテレパシーで操作しつつ
めぼしい場所に手当り次第攻撃する様見せかける
帝竜には催眠と精神攻撃で
本体が見つからず焦っている様に見せ
分身体の数が減り
演出した危機で油断した瞬間の
カウンターで反撃
本体周囲の無機物を
あらゆる金属を融解するナメクジに変化させて攻撃を指示
どうかネ?
隠れテいなけれバ、避けれたろうニ
「随分ト眩しいネ。目敏いかラ、倒しテしまおウ」
ナハト・ダァト(聖泥・f01760)は、ぽつりと漏らす。
歪な金属の原野では、魔力の光と太陽の光が混ざり合い、複雑に乱反射している。その光景からは、知性の片鱗を感じない。ただ、無作為に変質させられただけの地形。ナハトの心には何の感動も齎さなかった様だ。
「いきなり出てきて何なんですか!私すごく頑張ったのに!そういう言い方よくないと思います!めっちゃ凹む!」
帝竜の威厳を感じさせない抗議がきゃんきゃん響く。
「こういう時どうすればいいんだっけ?そうだ!多数決!私が頑張ったと思う人!手を挙げて!」
呼び出した複製体に間の抜けた指示を出すプラチナ。無駄に統率された無意味な挙手が、ビシッと決まる。
「頑張ってハ、いるンじゃないかネ」
複製体の中に紛れ、律儀に手を挙げるナハト。その手から強烈な光が放たれる。周囲のプラチナたちが目を覆う中、光を置き去りにして、ナハトは動く。
「満場一致で私頑張った!ってナニコレめっちゃ眩しい!?敵どこ!?かくれんぼやめたって私言ったよね!?」
光は複雑な地形に乱反射し、ナハトの姿を隠す。獲物を見失って彷徨う複製体に、いつの間にか仕掛けられていた罠が喰らいつく。攻撃の合間に見えた影に複製体を差し向けるも、帝竜の制御下にない金属の牙に飲み込まれる。
「私の頑張った票が物理的に減らされてる!審議拒否!審議拒否!」
光に阻まれ、敵の位置は見えない。が、命令電波を通じて味方がやられたことはわかる。複製体からの反応が途絶えた位置へ、プラチナの『本体』が飛び込んでくる。
光と地形の狭間を彷徨うナハトの前に。金属の身体を纏う巨大なプラチナの『本体』が着地する。
「自ラ飛び込んデ来るなんテ、探ス手間ガ省けテ助かるヨ」
プラチナの着地した地面が、沈む。ナハトの【十ノ悪徳・物質主義】の力で、周囲の金属から無数のナメクジが染み出してくる。帝竜の装甲の隙間に、ナメクジが侵入し。溶けだした金属の中で、プラチナは叫ぶ。
「ちょっとストップストップー!?ぬるぬるがいっぱい!?こういうのゼッタイよくないと思います!」
帝竜の装甲の中で『本体』がどうなっているのか。それは誰にもわからない。
金属の溶けだした煙に包まれながらも。プラチナのテンションはまだ下がらず――。
成功
🔵🔵🔴
アリス・セカンドカラー
膨大なエナジーと聞いたらエナジードレイン(大食い/捕食/盗み攻撃/略奪/魔力溜め)するが我が流儀! 過剰摂取分は早業の先制攻撃でオーラ防御に回して各種耐性を高めて更なる威力の軽減を試みるわ。
それでも防ぎ切れないダメージは限界突破した継戦能力での耐久力と回復力で耐えるわ、耐久持久戦は得意なの。
さて、肉体が両断されたあたりで『真なる夜』としての本性の封印を解く。肉体は仮初、魂のリミッターを解除する。
それを代償にして本当に良かったのかしら?ほらほら大事な所(少女)が丸見えよ☆
自分から弱点(本体)を晒してくれたのですもの、狙わない手はないわ♪
さぁ、『夜』に覆い『夜』に蕩かし『夜』に堕としてあげる♡
「膨大なエナジーと聞いたらエナジードレインするが我が流儀!」
アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)が、希少金属で覆われた帝竜に狙いを定める。
あの帝竜の中身がかよわい『少女』の姿であることは『わかって』いる。つまり、そういうことだ。そういうことなのだ。
「何かやな予感がします!あれは絶対に悪い猟兵です!こういう時は慎重になるべきです!」
アリスの狙いを知ってか知らずか、プラチナは距離を取って慎重に攻撃を仕掛ける。飛翔剣を2手に分け、攻撃と防御に割り振る。攻撃に使う飛翔剣のうち、まずは2本だけで相手の様子を伺って、残りで一気に決める。そういうプランでいこう。
「私めっちゃ計算してる!すごく頑張ってる!」
「頑張ってるプラチナちゃんはかわいいわね。ささ、早く来て♪」
「絶対怪しいのです!その手には乗らないのです!」
目に見えて妖しいアリスから更に距離を取り、飛翔剣だけを差し向けるプラチナ。牽制で飛んできた剣を受け止め、アリスはそのエネルギーを奪い取る。
「って全然効いてないし!やっぱ中途半端よくない!全力!」
頑張って計算したことを速攻で放棄して、全てを攻撃に割り振る。力の奔流を乗せた飛翔剣が速度を増し、アリスの身に迫る。
「必死なプラチナちゃんもいいわね。もっと近くで見たいわ♪」
「近づくのだけは絶対にノーです!」
距離だけは保ちつつ。熾烈な攻撃がアリスの身体を2つに引き裂く。
「やりました!帝竜プラチナちゃんの勝利です!」
無残に転がった猟兵を見下ろし、勝利宣言するプラチナ。
そんなプラチナを、不思議なユーベルコードの気配が包み込む。
「本当に良かったのかしら?ここからが本番よ?」
「え?何ですかこのパターン。頑張って猟兵を倒した私にご褒美の流れじゃないんですか!?」
「ご褒美よ。 ご ほ う び ♡」
仮初の肉体を捨て、【真なる夜】となったアリスの気配がプラチナを襲う。
「とんでもないことになってしまったのです!以前の記憶はないですけど私これ知ってます!ピンチって奴です!」
妖艶な『夜』の前に晒された『少女』に、もう逃げ場はない。
「ほらほら大事な所が丸見えよ☆」
装甲の内側、プラチナの少女の部分に触手が這い回る。
「ナメクジのあとはこれですか!ダメです!絶対ダメですー!」
大変な事態に陥っていますので、装甲の中の映像はお見せ出来ません。ご了承ください。
「さぁ、『夜』に覆い『夜』に蕩かし『夜』に堕としてあげる♡」
行き場を失った飛翔剣が、僅かに震えて、墜ちた。
成功
🔵🔵🔴
セシル・バーナード
うーん、プラチナ口説きたい。コピー体、一人くらいお持ち帰り出来ないかな?
「誘惑」「催眠術」で本体の少女を口説いてみよう。うん、オブリビオンでも愛してあげるよ?
ま、注意を惹ければ充分。
上手くいけば、「全力魔法」の黄金魔眼で動きを止めてみよう。
ごめんね。やっぱり共存は無理みたいだ。
防御力無視の空間断裂を竜体に放ち、動きが鈍っているうちに最大ダメージを叩き込む。
コピーの少女たちは無視して、懐に飛び込み、「範囲攻撃」の空間裁断で全身を切り刻もう。
反撃で負傷した時は「激痛耐性」で痛みを抑え込み、活動限界まで竜体の動きを封じる。これで仲間の役に立てれば充分。
そろそろ潮時だね。さよなら、可愛い女の子。
うーん、プラチナ口説きたい。コピー体、一人くらいお持ち帰り出来ないかな?
愛に溢れた野心を胸に、セシル・バーナード(セイレーン・f01207)はプラチナへ優しく語り掛ける。
「ちょっといいかな。お嬢さん?」
「何ですか!私は忙しいんです!早く猟兵を片付けて自由を満喫するんです!」
「それならちょうどいいね。2人で一緒に自由を満喫してみない?」
「へ?」
戦う気満々だったプラチナは、セシルの返事に首をかしげる。
「以前の記憶がないといろいろ苦労するんじゃない?ぼくが案内しようか。うん、オブリビオンでも愛してあげるよ?」
セシルの甘い囁きに。先ほどまでずっと賑やかだったプラチナが、静まる。
あれ?これってもしかして……?
今私口説かれてる?人生再出発でついにモテ期到来?
再孵化のおかげで大切な人が出来ました!ありがとうヴァルギリオス様!
「ああああれですか!?結婚を前提にしたお付き合いって奴ですか!?」
セシルの言葉から遅れて、プラチナが賑やかな返事をする。
「結婚?そうだね、君がよければ、だけど」
「ででででもそういうことは私1人では!?ヴァルギリオス様にご挨拶してからでないと!?」
ひたすら動揺するプラチナ。帝竜の装甲を纏ったままでも、中の『本体』が慌てているのが分かるほどだ。
セシルはプラチナの懐まで歩み寄る。甘いマスクのまま、竜の姿を纏う少女に腕を伸ばす。そんなセシルに対し、プラチナも装甲を開き、手を伸ばす。
歪な金属の上を跳ねる光が、2人を照らす。その光景は、非常に幻想的。
そんな幸せな光景は、2人の手を触れあった瞬間に終わりを告げる。
猟兵とオブリビオン。相容れぬ世界の法則が2人の間で交差する。セシルは悲し気な表情で言葉を紡ぐ。
「ごめんね。やっぱり共存は無理みたいだ」
「そうそう無理ですよ!なし!今の無し!私再孵化しました!過去のことは忘れましたし!」
照れ隠しなのか、妙なことを口走るプラチナ。
「そういうわけで覚悟です猟兵!」
セシルを取り巻く帝竜と複製体が、一斉に動き出す。
「仕方ないね。また今度遊ぼうか」
一瞬の邂逅を名残惜しみながら、セシルは退く。セシルの瞳が金色に輝き、空間を支配する。セシルの目にはプラチナの『本体』と複製体とを結ぶ繋がりが見える。ここで斬るべきは、あの『命令電波プラチナ』。
「さよなら、可愛い女の子」
セシルの別れの挨拶が、2人の空間を終わらせる。
命令電波から解放された複製体が、その場に倒れる。
このまま連れ帰ることは出来るが、『本体』が失われたあとにこのまま形が残るかどうか――。
大成功
🔵🔵🔵
ティエル・ティエリエル
WIZで判定
わわっ、帝竜を倒しにきたら女の子がいっぱい襲い掛かってくるよ!これが本体の女の子の複製なんだね!
背中の翅を羽ばたいて「空中浮遊」で飛び回って避けまくるぞー☆
それに、こんないっぱいいるなら複製の群れの中を飛び回って「敵を盾にする」ね♪
群れの中を飛び回って徐々に本体に近づいていくよ!
ふむふむ、この中に本体がいるならこのドラゴンみたいな装甲は大きな服ってことだな!
それならこのユーベルコードの出番だ!
【妖精姫のいたずら】を発動して装甲の隙間から飛び込んじゃうぞ!
そのままプラチナの本体に取り付いたらこちょこちょ擽っちゃうぞ♪
※アドリブや他の方との連携も大歓迎です
「あれが帝竜なんだね!でも何だろ?あんまり迫力のある感じじゃないんだよ?」
ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)は、帝竜の姿を見て疑問符を浮かべる。
鈍く煌めく金属の姿は帝竜には違いない。だが雰囲気的には、ティエルのお友達になれそうな感じだ。
「また来た!いろいろ失敗したけど今度こそビシッと決めてみせますからね!ヴァルギリオス様!」
相手が小さくとも油断はしない。今度こそ絶対に油断なんてしない。プラチナは複製体の群れを並べる。
「わわっ、帝竜を倒しにきたら女の子がいっぱい襲い掛かってくるよ!」
周囲を取り囲む複製体の中を、ティエルは器用に飛び回る。複製体のすぐ近くを飛ぶティエルを狙った爪が、別の複製体を引き裂く。
「何するんですか!?」
「何ってあんたが敵の前に立つから!」
「ちょっとプラチナ―。命令電波乱れてんよー」
ティエルによる攪乱で、複製体同士で喧嘩を始める始末。
そんな喧騒の中をやり過ごし。ティエルは巨大な帝竜の前まで辿りつく。
「ふむふむ、この中に本体がいるならこのドラゴンみたいな装甲は大きな服ってことだな!」
間近で見る帝竜の姿。希少金属の結晶が複雑に絡み合って出来ている。これだけの金属の塊。隙間が無ければ器用に動くことは出来ないはず。っていうことはつまり――。
ティエルはいい笑顔でプラチナの分析をする。その笑顔はそう、最高に楽しいいらずらを思いついたときの顔だ!
「なんか止まってます!きっと複製体をすり抜けて油断してるんです!今こそ!プラチナちゃんファーング!!」
目の前まで来ていたティエルに、帝竜本体の巨大な牙の一撃。ティエルはあっさりとその口の中に姿を消してしまう――。
「やりました!今度こそやりましたよヴァルギリオス様!」
帝竜の体内で勝利を確信したプラチナ『本体』の目の前に、1匹の妖精が顔を出す。
ティエルとプラチナはしばらく無言で見つめ合い――、同時に叫んだ。
「「わーーッッ!?」」
「口から入ってきたら敵の目の前だ!?」「なんでこんなとこに猟兵が!?」
敵の『本体』まで潜り込んだところで。【妖精姫のいたずら】タイムが始まる!
装甲の中で思うように動けないプラチナ。ティエルがあちこち潜り込んで擽り攻撃を仕掛ける。
「わき腹が一番かな?でもこっちの方がリアクションが大きい!」
「ちょっとどこ触ってるんですか!?私はかよわいんですから!?」
この日何度目かわからない乙女のピンチ。
プラチナの黄色い悲鳴が平和に響いた。
成功
🔵🔵🔴
コルチェ・ウーパニャン
コルチェ、マネキンだから息を止めるのは得意……だけど、
粘液状の毒煙!?やばそう! お肌が荒れちゃう!
長居はできなそうにないね!
えっとね、いつもはシールをぺたぺた射出してるピカブラを、
熱戦モードに切り替えるよ!
ピカリブラスターのピカリはフェルマーのフフフーンがフンフフーンだから、狙ったところへ最短距離でギュイーン!
高速移動されたって狙いの場所へ追尾してドカーン!
魔鉱物は熱線でジュワーッ!!鋳溶かして本体をガオーーン!!
カンペキな作戦だ……
プラチナちゃんもきっとびっくりするぞ…えへへ
お肌が荒れてもうムリーってなるまではこれで頑張る!
そのあとはシールトリックのばんそうこうを貼ってみんなにお任せだあ…
「コルチェ、マネキンだから息を止めるのは得意……だけど、粘液状の毒煙!?やばそう! お肌が荒れちゃう!」
帝竜との決戦を前に、お肌の心配をするのはコルチェ・ウーパニャン(マネキンドールのピカリガンナー・f00698)。
お肌は心配だけど、コルチェには秘策がある。
「ピカリブラスターのピカリはフェルマーのフフフーンがフンフフーンだから、狙ったところへ最短距離でギュイーン!高速移動されたって狙いの場所へ追尾してドカーン!魔鉱物は熱線でジュワーッ!!鋳溶かして本体をガオーーン!!」
……、……。
「カンペキな作戦だ……」
コルチェは自分の完璧な作戦に酔いしれる。作戦が完璧なのはいいが、思考が口から出てしまっている。
「なっ、なんて恐ろしい作戦なんでしょう!帝竜プラチナちゃんの最大のピンチです!?」
擬音ばかりでよくわからないコルチェの作戦だが、プラチナには伝わったらしい。
「だけど敵の作戦が事前にわかったのは不幸中の幸いです。フンフフーンの前にてるるーんしてきゅいんきゅいんすればニオブがいい感じにギュイーンをかきーんして全部がめっちゃ上手くいくのです!気分はまさにプラスコネクト!」
完璧な作戦に、完璧な対策が施される。
「あれ?コルチェの作戦がプラチナちゃんに筒抜けだよ?さてはエスパー!?そんなの聞いてない!コルチェピンチ!」
「ふふふ……、泣いて謝るなら今のうちですよ?」
「大変!?こういうときは作戦変更!マネキンの振りして誤魔化しちゃう!」
バレてしまった作戦を捨て、起死回生の一手に出るコルチェ。
「マネキン!?マネキンに効く毒って何!?知らないです!」
折角立てた対策が無駄になって慌てるプラチナ。
「こんな時……。そうだ!困ったら殴って壊す!」
紆余曲折の末、結局正面から殴り合うことになった2人。
高速で飛翔する帝竜が、世界の因果をも蝕む毒を撒き散らす。息を止めても、長い時間は耐えられるわけではない。だが、先の戦いで消耗したプラチナに残された時間も少ない。コルチェは小さなばんそうこうを頼りに、その時を待つ。
敵が攻撃のため、毒を1つに集めたその瞬間――。
「ここだー!ピカブラ熱線モード!!」
『ピカリブラスター』が眩い輝きを放つ。コルチェとプラチナを結ぶ最短ルートが、圧縮された熱線で結ばれ。巨大な帝竜の姿が、光の中へ飲み込まれてゆく。
「何で!私すごく頑張ったのに!」
「確かにプラチナちゃんは頑張ってたよ。でもコルチェはそれ以上に――」
「それ以上に……?」
「ほどほどに頑張ってたよ」
ほどほど……。
せっかく自由になったからって張り切ってたけど、ほどほどでよかったのかな……?
最後の最後まで不器用に頑張っていた帝竜。
その勢いのままに楽しい時間を駆け抜けて、消滅した。
大成功
🔵🔵🔵