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Let's game

#UDCアース #感染型UDC #プレイング受付中 #ほのぼの日常系

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 どこかで子供の声がする。
 ええん、ええん。
 お母さんは何をしているのだろうか。お父さんは?
 お家はどこも大変ね。
 散歩に発ってから随分経った。服で見えない箇所が痛む。
 夕陽はくれて随分過ぎた。このまま皆んな起きなければ良いのに。街灯だけが行く道を照らす。
 スマホにはあの人からの通知でいっぱいだ。
 ……もう嫌だ。
 もういやだ、堪えられない。
 ダメね、誰の顔も思い出せない。
 このまま、死んでしまおうかしら。
 「迷子かい、お嬢さん」
 涙で歪んだ視界を上げる。
 燈の下、少し離れた真正面。
 俳優かモデルみたいな金髪の外人の男の人が立っていた。
 え?
「私もでね。」
 声も顔もいい。持っている人、なのだろう。不安で押しつぶされそうな心に寄り添う、優しい笑みだと思った。
 詐欺師かしら。
 私は何も持っていないわ。
「詐欺師ではないんだが、まぁ、君がそう思うならそれでもいいさ」
 目を見開く。
 どうして?
「ご、ごめんなさい、ごめんなさい!」
 怖い恐いこわい!
 不愉快にさせたら殴られてしまう。
 ふ、と小さく笑って、彼は立てた人差し指、爪で自分の唇を軽く叩いた。「ゲームをしないかい?」
 小さな小さな囁きに、つられて私の声も止まる。
 彼に気を悪くした様子は欠片もない。
「ゲーム、やった事はあるかい」
「む、昔、少しだけ」
「それは良い事を聞いた」
 ーー…。
 いいな、と思った。少しだけ。
「で、でも、私」「こんなに怪しい男には、ついて行きたくないかね」「ち、ちがうわ!でも、」「でも?」「か、帰らない、と…」
 喋りながら思い出す。怒号、暴力、無関心。ひとりにするなと縋る声。明かりなんてどこにもない。
 それでも、あの人が。
「其処は本当に、帰りたい場所かな」
 ちか、と電球が瞬いた。
「…え」
 いやだ。
 街灯に虫がぶつかる音がする。「少なくとも私にはそう見えない程度に、君は疲労している様だ」光が彼の後光に見える。「い、いいえ、誤解なの…」誤解などではない癖に、口が勝手にそう紡ぐ。
「安心したまえ。ここに君を害する者はいない」
 涙が再び顔を焼く。助けて。声も出せないまま明かりへと一歩近付く。
「どうしたら、いいの…」
 疑問は手を伸ばす予備動作だと、誰かが言っていた。
 独り言以下の音に、けれど彼は目を細める。
 脚がぶるぶると震えてしまうのは、踏み出そうとする勇気よりも恐怖が勝っている証だった。見つかったらどうしよう。大人の男ひとりが怖いか、私はよく知っている。こわい。

 ポケットに入っていたケータイが鳴る。着信。鳴らすにんげんなんてひとりしかいない。あのひとだ。

「選択肢は幾らでもある」

 ああ、光が。

 いつの間にか街灯の下へと立っていった。

 喉がひきつる。そうだ、私は逃げてきた。明かりを求めて歩いたのは、紛れも無く自分自身だ。「お手を失礼」指先が私の空いている手をすくう。いやみも含みもない。ただ触れられるものがある事に、息を吸えた。
 これはわるいことだ。
 わかっているのに。

「選ぶのが君ならば」
 さえざえ青い瞳が、うつくしい。
 暗闇に浮かぶ青い空。

 ちかちかする。

「選ぶのも君だ」
 あんなにも怖かったコール音がただの雑音に成り果てる。

「家族も友人も、すべて君の行動次第だ」
 気付くとケータイの電源を落としていて。

「それを永遠にするのも」
 私は、随分久しぶりに、ぐしゃぐしゃの顔で笑っていた。

 手を差し出される。
 少し落ち着いてからその手を取る。
 さて行こうかと指された先は、大きな廃墟ビル。
 怖くはいない。
 騙されていたって構わない。
 このまま何もせずに死ぬぐらいなら、何かをしてからでも遅くはない筈だ。

●盛大な疑問符を頭に浮かべて
「行方不明者の捜索、と言うと不穏そうに聞こえるかもしれないが、危ない事無さそうなんだよな」
 グリモアベースで首を傾げているダンド・スフィダンテ(挑む七面鳥・f14230)はそう言ってうーんと唸った。
 まさか自分が悪夢ではない夢を見た事が不思議な様に。
「まぁなんにしろ原因はオブリビオン。過去の者だ。見つけたら送らなければ、何れ世界が軋む」
 でも厄介な相手では無さそうだから、人数も最低限で良いだろうし、遊びに行くつもりで構わないと付け加えて。
「貴殿らは、ゲームをした事はあるか?鬼ごっこ、ボードゲーム、携帯ゲーム、なんでも良いんだが」
 ふっと笑う。
「誰かと遊ぶ事は、楽しいよな。今回はきっと、そういう話だ。」
 赤いグリモアが静かに集まっていた猟兵の足元へ広がっていく。
「目指すは、夜毎子供の声が聞こえると噂の廃ビルだ。そこに行方不明者も、オブリビオンもいる筈だからな」
 行方不明者の中には子供も居る。
 そして廃ビルは、ジャガーノートと呼ばれる者たちで守られているそうだ。
 彼らと戦う事で、先へと進むことが出来るらしい。
「油断はせずに、どうか気をつけて」
 送り出される直前で、あ!と声がした。
「忘れてた!道中でお菓子を二袋用意して行ってくれ!コンビニでもスーパーでも、手持ちのモノでもいいから!廃ビルに入るのに必要なんだ!」
 どうして、という疑問を口にする前に、君たちは街へと到着する。

 大きな大きな廃ビルが、夕陽に照らされながら猟兵達を出迎えた。


KS
 みんなでスマブラやったりトランプしたりしてほしい。
 それだけの為に作られたシナリオです。
 攻撃系のユーベルコードはあまり輝かないかもしれません。

 こんにちは、KSです。
 このシナリオですが、一章では門番にお菓子を二袋渡して中へと潜入し、ジャガーノート達を倒し先へと進んでもらいます。
 二章では行方不明者を探しながら廃ビルを探索し、ボスの場所を探ります。
 そして三章ではボスと数字揃えたり色揃えたり英語が書いてあるカードを使って、手札を減らしたり増やしたりするゲームをします。
 最後の一枚になったら商標登録に引っかからないオリジナルの言い回しで、最後の一枚である宣言をしてください。

 このシナリオはほのぼのです。
 尚、ボスである欺き導く者の宿敵主様からはPL単位での好きにして良いとの許可を頂いており、オープニングをパク…オマージュさせて頂いたいのとMSにもその旨の許可は頂いています。怒られない様にKSも必死です。

 このシナリオはシリアスではありません。
 進行人数は最低限を想定しており、採用も関係者の方を優先させて頂きます。
 開始は断章をお待ちください。

 それでは皆様、良い遊戯を。
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第1章 集団戦 『ジャガーノーツ』

POW   :    I'm JUGGERNAUT.
いま戦っている対象に有効な【能力を持つネームド個体のジャガーノート】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
SPD   :    You are JUGGERNAUT.
自身が操縦する【子供に寄生する同族化装置(破壊で解除可)】の【寄生候補の探索力・捕獲力・洗脳力・操作力】と【ジャガーノート化完了迄のダウンロード速度】を増強する。
WIZ   :    We are JUGGERNAUTS.
【増援】を呼ぶ。【電子の亜空間】から【強力なネームド個体のジャガーノート】を放ち、【更に非ネームド個体の軍隊からの援護射撃】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


ビルへと辿り着いた君たちの前、大きな入口の両端に黒い兵士が銃を片手に待機している。
誰かが近付けば彼らは前へと歩み出て、その足を止めさせる事だろう。

黒い兵から電子音に似た声が鳴る。
「通行証を」
君たちは門番に菓子を見せビルの中へと入った。

古いビルは、しかし踏み入れば思ったよりもずっと綺麗だ。
数歩先へ進むと様々なゲームが出迎える。

「よ!あんたらも一緒に遊ぶのか!」

君たちを見つけた黒い兵が、コントローラーから手を離して出迎える。
その音声は子供の様に明るい。

「え!?なに新入り新入り!?」
「俺達と一緒に大乱闘どうだ!?」
「俺達とモンスターハントしようぜ!」
「一緒に剣の世界冒険してみる?キャラはサンプル使用か1時間作成ね」
「ボードゲームも色々あるぞ。カタンする?猫にチョコあげる?」

わいのわいのと囲う黒に、しかし君たちは紳士を知らないか?と尋ねる。

「え?先生探してんの?」
「いいよ~俺達と遊んでくれたら一緒に探すぜ!もとい俺達を満足させないと先には進ませないぜ!」

さて、君たちは遊ばなければならない。
全力で、だ。

どんなお菓子を持ってきて、どんなゲームで遊ぶのか。
そこだけは明記してもらえると地の文が助かります。
(ゲームは知らなければ調べるので、好きなものを教えて頂けると嬉しいです。)
(ゲームに勝つこと=戦闘に勝つこと、になりますので、肉体的な戦いはありません。よろしくお願いします。)
イージー・ブロークンハート
(数多の職質を通り抜け)
(運命的に間が悪い超人気少年漫画コラボで激混みだった幾多のコンビニを乗り越えて)

(お菓子ですか!スナックに大袋のチョコレート菓子です)(あっリットルジュースもどうぞどうぞ)(プラカップ買ってきたけどみんなで使う?)

(ついでに頂き物のケーキと友達の羅刹からおいしいとお墨付きももらったたまごパンを持って――)

ド ウ シ テ
(膝から崩れ落ちる)

マジでゲーム大会じゃん紳士なにしてんの!?お茶目さんか紳士!?弟子の可愛い頃が懐かしいの!?ハジけてんの紳士!?長く地道な事件の準備にストレスが溜まりまくったのどういうことなの紳士!?

遊ぶ遊ぶーーなになにUDCの遊び全然わからん超教えてなになになになにーーー!!

もんすたーはん?大乱闘?
おしえて?
(七人兄妹三番目です!)(遊ぶの大好きなんでも遊びたがりですので!)
(そりゃあ子供たちに一番下の弟みたいなノリで飛び込んで、いくらでもボコボコにされて膝から崩れ落ちたり大人気なく勝ち誇ったりします)

(お好きにしてください)



●挙動不審だと職質されるよね。

「 ド ウ シ テ ッ ! 」
今日も今日とて盛大に膝から崩れ落ちた。
彼の心は簡単にブロークンしては元気に直る。
なんともイージー。

たくさんのお菓子とジュースが入ったビニール袋をガサガサと鳴らしながら立ち上がった男は、改めて辺りを見渡した。
沢山のゲーム、子供と大人の対等な喧噪、カラコロと六面体が動く音。

「マジでゲーム大会じゃん紳士なにしてんの!?」
自分が見た悪夢に似た物を感じて、これでも警戒していたのだ。
いやそこまで張ってた訳じゃないけど、一応、念のため、だって怖いじゃん。
玄関までは怖そうな雰囲気ちょっとあったし。

でも入ってみたら、なんか力が盛大に抜けて崩れ落ちた。
だって見たことあるもんこの雰囲気。
兄弟姉妹とトランプしたときとか、独楽回してた時とか、くだらないって言われそうな事で張り合って笑って喧嘩してた時の空気だもん。
この裏でなにかやるほどあくどい紳士じゃなかった筈だし、ってことは今回はマジでただ遊ぶだけの為にこのビルがセッティングされたのだ。

「マジでなにしてんの!?お茶目さんか紳士!?弟子の可愛い頃が懐かしいの!?ハジけてんの紳士!?長く地道な事件の準備にストレスが溜まりまくったのどういうことなの紳士!?」

再び膝から崩れ落ちて頭を抱えた。
この温度差がすごい今年度受賞候補である。

「まぁ考えても仕方ないわな!行くか!」
サクッと立ち上がって奥へと進めば気付いた黒い兵士、ジャガーノーツがわいのわいのと遊ぼう遊ぼうと声をかけるので、自ずとテンションも子供たちと遊ぶ時のそれになる。

彼が足を踏み入れたのは電子ゲームのエリアだった。
「えー--なになにUDCの遊び全然わからん超教えてなになになになにー--!!」
こっちこっちとこいこいされた方に寄って行けば何やら映像が動いている。

「こっちがモンスターをハントするゲーム」
「こっちが皆で大乱闘するゲーム」
携帯ゲーム機と、コントローラーとがずずいと差し出され。
「「どっちからやる!?」」
どちらかでは済まない様だ。

「えー--どっちからがいいと思う~~?」
俺全然わかんないの~~と両手を口元に当ててきゃるきゃるすればジャガーノーツは肩を合わせて相談を始める。

あーだこーだうんぬんかんぬん

「よし!決まったぜ!最初は使うキーがそんなに多くない大乱闘から入って、ゲームキーに慣れてからモンスターハントするぞ!」
完璧な作戦だと胸を張る姿にパチパチと拍手を送るイージーの前には、大きな袋に入った色々なチョコ、あっという間に消えてくたまごパン、それからちょっと良いケーキが並んでいた。
「んじゃ全員このカップ持ってーそうそう、んでそのままちょっとストップ!OKOK、オレンジジュース嫌いな人いる?店員さんお勧めのサイダーもあるんだ~」
好きな方注ぐからなー、なんて言いながらテキパキとジュースを配っていく。


全員に行き渡って、全員がテレビの前に座ったら
「んじゃあやるか!」
画面上、楽しい大乱闘の始まり!始まり!

~~以下イージー君の叫びをダイジェスト~~


「???え?なんで今画面ストップしたん??」
「あー-!!今パンチした!俺パンチ押したもん!!」
「ジャンプってどのボタン!!??」
「この%ってなに??あ、これが100に近くなると飛びやすくなんあー--!!!」
「もっかい!!もっかいやろうぜ!次こそは勝つ!!」
「ドボジデ!!!」
「まってもっかい、次こそいける気がする!」
「あ”ぁ”ー----っ”!!!!」

「よ、ようやくコントローラーと和解出来て来たから、モンスターも狩りに行ける気がする……!」
「まってまってまってナニコレさっきと全然違くない!!?なんで!!??」
「えー--武器どれも超かっこいいー--!!どれつかおっかなー-!どれでも良いの!?マジで!?お勧めどれ!!?」
「装備はこれ使えばいいんだな、ふんふん」
「んあああああ!!なになになになんでこいつこっち突っ込んでくるの!!?ディアブロスはそうだからってなに!?まって死ぬ死ぬ俺死んじゃあああああ!!!」
「は!?これ三回倒れたら失敗なの!?なんで俺ここに連れて来たのぉ!!?」
「っっっしゃオラァ!!勝った!!勝ったぞー-!!」
「?なにこれ、キラキラしてるのあるぞ?逆鱗?2つあるけどよく出るもんなん?ってか何に使うん?」


~~ダイジェスト終了~~

イージーは大きく伸びをする。

「は~~~~楽しかったー--!」
ペットボトルはすっかり空、お菓子も売り切れ、ゲームも終わり。
目元を揉みながら欠伸をひとつ。
一緒に遊んだジャガーノーツも満足そうに疲れた疲れたと各々転がっている。

「ありがとな」
遊んでくれて、と言ったのはどちらだったか。

「よし」
と黒い兵の一人が立ち上がる。
「それじゃあ俺が一緒に探すから、お前ら休んでていいぜ」
ごろごろしたまま手を振る他のジャガーノーツを背に、その子供は歩きだした。

「おまえは良かったの?」
年上のやわい確認に、黒兵は頷く。
「いいよ。そういう約束だったし」
最後に沢山遊んだし、俺装備はコンプしてあるんだ。
「そっか、めちゃくちゃすごいな」
大人の素直な感心が嬉しかったのか、そうだろ、と胸を張る。
その様は正に子供のそれで、イージーは思う。

それでも銃を向けられたなら、殺さなきゃいけないんだよなぁ。

なんて物騒な事実を。
まぁ今はただの友達なので、お兄ちゃんの顔して笑うのだ。
「よし!じゃあもうちょい、よろしくな!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

多々羅・赤銅
(スナック菓子)(袋10連菓子)(舐めてると色が変わる飴)

(ピーピーラムネを咥えて登場)

ピーーー

ピッピッピピピーーーーピ

ピ!!!(寄ってきた子にラムネ配布)
(取り出したるは ウホウホしか言えない人狼ゲーム!)

これね〜面白そうで今買って来たから私もルールわかんなくてさぁ
えーと?うんうんふんふん
つまりみんながゴリラになって私をぶっ倒せって感じ!(全員ピーピーラムネを装着する)

(この後ピーピークソ人狼がはじまったが疑われてもノンアルドリンクとお菓子で物理懐柔しはたして結局みんな仲良くピーピーラムネの森で過ごした)
(ゲーム性? 人間に懐柔されるか否かじゃね?)
(いいじゃん楽しかったし)


ジェイクス・ライアー
アルバート先生(f34876)と

菓子が必要と聞いて、家に置いてあったきなこクッキーを持参

どんな内容であれ仕事は仕事
瞬きひとつ、感情を遮断し、作戦の遂行のみを考え…かん、か… ちょっと邪魔しないでもらえますか!?

本体が横にいるというのに、今更UDCと対峙することになろうとは…
なに楽しそうにしてるんですか…真面目にやってください

は?大乱闘?(ステゴロということか…?)
…モンスターハント?(A&Wにでも行くつもりか…?)

遊ばないという選択肢は?
ない そう
ではダーツで勝負と行こうか
明後日の方向に飛ばさないように気をつけてくれたまえ
(腕は上々。相手が初心者であればまず負けない。大人げない?なんとでも)


アルバート・ロバーツ
ジェイクス (f00584)と

今どきの子たちはどんな物を好むのだろうね。とりあえず私の子どもの頃によく食べていた物を選んでしまったが
(砂糖よりも甘ーいベタベタのキャラメル)(タイヤのように硬いグミ)(到底砕けぬチョコバー)(※よく食べていたと言ったが美味しいとは言っていない)

なに、ここでは楽しむことがルールなのだろう
お前は昔から頭が固すぎる

さあ、何で遊ぼうか
君たちの手にしているゲームも面白そうだ。ぜひ教えてもらえないかな?
はは、これはまた難しいな!さ、もう一戦

(こんな遊びを仕掛けてくるぐらいだ
過去の海に落ちた私も、ようやく肩の荷が降りたのだろう)(生を謳歌することが、祝福になればいい)



●ねんねをぐずる子供のために


そのピンクは唐突に天井から現れた。
空間斬り割く黒い空間、落ちる人影。

敵襲かと銃を取り出そうとしたジャガーノーツの耳に聞こえたるは

「ピーーーッ!! ピッピッピピピーーーーピ!」

続いてガサガサと袋を漁る音

「ピ!!!」
銃を握ろうとしていた手に次々と口に咥えている物と同じ形にラムネを配布し握らせている。

「ピューーーーッ!」
はいちゅうもーく!取り出したるはゴリラが堂々描かれた箱!

ラムネを嚙み砕き、赤銅が笑う。
「これね~、面白そうで今買って来たんだけど誰かルール解るやついる~?」
ほいほい10連菓子をちぎって渡しながら尋ねるも、答えはNoだった。

「マジかー、じゃあちょっと私がルール確認するからちょい待ってね」
えーと?うんうん、ふんふん
うん!なるほどな!という言葉と共に投げ捨てられるルール紙。(*大切な物なので捨てないでください)
「つまりみんながゴリラになって私をぶっ倒せって感じ!OK!?OKならそのラムネを装着しな!ゴリラ語での参加も許可だ!!」

スッとゲームに参加する全員の口にピーピーラムネが装着される。

さぁ始まりましたピーピー元気なクソ人狼!
どのくらいクソかと言うと全員テーブルに着いて無い。

「ピーーピヒョ!ピューーーウ!」
へいへい!そんなもんかー!?
「ピュ!ピピョピュピュピュ!!」
皆!あいつを壁まで追い詰めろ!
「ピュフ?ぴぅー-!?」
なに?なんてー-!?

どったんばったん、もはや人狼では無く鬼ごっこである!
だってぶっ倒せって言ったから!

「ピューーーーーーー-!!」
捕まえたー----!!という音が差し出されたお菓子とおいしい飲み物で懐柔される。
「ピィッ!ピュピーーー!」
あいつずるいぞ!まてー--!

「ピュフピュフ!ピーピプピーーー!」
はっはっは!つかまえてごらー-ん!

そんなうるせ賑やかな鬼ごっこを尻目に、ジェイクスは顔を顰めていた。
手には甘くないきな粉クッキーが二袋携えられている。

「今どきの子たちはどんな物を好むのだろうね」
「さぁ。私は甘い物を好みませんので」
その少し後ろからやって来た男は、ジェイクスに似た姿をしている。
名をアルバート、ジェイクスの師。
そんな先生の手にもまたお菓子の袋が握られていた。

「とりあえず私の子どもの頃によく食べていた物を選んでしまったが、大丈夫だったろうか?」
中から出て来た物はキャラメル、黒いグミ、チョコバーの3種類。
「良いのでは?グリモア猟兵の注意は守った筈です。」
言いながらジェイクスは依頼成功の為に感情を選ぼうとする。瞬きをひとつ、作戦の遂行のみを考えようとしたその時、頬に違和感。
「……ちょっと」
つんつんとその指は頬をつついてくる。
「ちょっと先生!邪魔しないで頂けますか!?」
ぱっと手を離し、おおこわいとでも言う様にわざとらしく肩を竦めるアルバート。
「なに、ここでは楽しむ事がルールなのだろう。心を閉じてどうする」
「しかし、依頼です」
「お前は昔から頭が固すぎる。そろそろ上手く力を抜く事も覚えた方が良い」
「力を抜く事と敵のおふざけに付き合う事は、違うと思いますがね」
「やれやれ、相変わらずといったところか」
言いながら肩を竦める、その声が随分柔らかい物だから、ジェイクスはため息を吐いた。
「ご自分のUDCと対峙することになるというのに、楽しそうですね」
「予想外の出来事程楽しんだ方が良い物だ。そうでなければ身の無い話しか残らないだろう?」
先生の歩みは軽い。いや、いつだって歩調にズレは無い人だけれど、そうではなく。
静かに笑うその顔から、感情を読み取る事がジェイクスには出来なかった。
安堵の様な、疲れた様な、楽しみを見出した者の様な、そのどれとも違う様な。
「まぁわざわざ行って欲しいと頼まれたのだからね。期待には応えるとも」
言うと小さく手を振り、アルバートはテレビゲームの区画へ向かって行く。
それを少し見送ってから、ジェイクスはひとつしかないダーツボードの方へ向かって行った。

やあやあ、それはどうやって遊ぶものなんだい?良ければ私にも教えて欲しい。
やあ、誰か私とダーツで勝負をしてくれないかい?分からなければ私が教えよう。

そんなこんなで1時間だろうか、二時間だろうか、あるいは半日だったのかもしれない。

なんにしろ子供たちと楽しく遊んでいた時に、嵐は突然やって来た。

「ピーーーーー‼ピュピピュピーーー!!」
ゾンと音がしたと思うと、目の前を人が通り過ぎた。
続いて、二人三人と黒がドタバタ通って行く。
「……おや」
それを目で追っていたにも関わらずアルバートは不可解な動きをするダークでソウルな敵を難なく倒していた。

「すげー-!!ノーミスクリアだ!!」
うおぉ!とはしゃぐ子供たちを背に、先生はふむと呟いた。

「身体を動かすことも大事だね。私も参加しようか」

丁度ゲームも終わったからね、とコントローラーを置いて振り返る。
「君たちも一緒にやるかい?」
先生がやるなら!と黒兵達は立ち上がって各々伸びをしたり屈伸をしたりと準備運動を始めた。別に独特な味や触感のお菓子から逃げる為とかそういう訳じゃない。
多分。

ゾンと再び目の前を通り過ぎる赤銅を見もせずに、老紳士は尋ねる。
「レディ、参加しても?」
響く笛の音。
とん、とん、と小さく跳ねたかと思えば、その姿はもう見えない。

「ピューイピュイピュイ!」
「なるほど、そのラムネを使うかゴリラ語を使うかがルールと。ラムネはあといくつかね?」
「ピュ!」
「ふむ、それならそのラムネは子供たちに渡して私はもう一つのルールを使わせてもらおうか」
「ピュピュゥ?ピュ~ン?」
「ウホ、ウホウホ」
「ピューーーーーーーーーー!!!!」
赤銅は惚れた。

そしてジェイクスはダーツを的から盛大に逸れた場所に突き刺した。

「は????」
そりゃそんな声も出る。
憧れの人が今ウホとか言わんかったか?
いやいやそんなまさか

「ウホウホ、ウホホウホ」
「ピュィー、ピュピッピピュ」
「ウッホホ」

「ジェイクス大丈夫?さっきからすっごい外れてるけど」
「はは、大丈夫だとも。少々幻聴が聞こえるだけだからね」
「それ大丈夫じゃなくない?」
にこ、とジェイクスは笑う。正しくはに”ごっだったかもしれない。
は?先生はウホとか言わんが?聞こえて来た音を全否定し、瞬きひとつ。青は再びボードへと集中する。
矢はトスンと音を立て真っすぐに中心へと刺さった。そう、このくらいはジェイクスにとって容易い。
空間把握能力の高い彼はプロに及ばずとも近い場所まではすでに行っている。戦略が加わりさえしなければ、あるいは加わっていたとしてコントロールの上手い者でなければ、負ける筈は無いのだ。
まぁさっき二発程盛大にミスってるので今結構ピンチなんですけども。

「さぁ、君たちの番だよ」
内心の大荒れを笑顔に隠し、穏やかにほほ笑んだ紳士はジャガーノーツへ場所を譲る。
「大人げないとか言ってごめんなジェイクス」
「これ頑張れば俺達勝てるんじゃね?」
「うっかりミスがすごい」
「はっはっはっ、そういう事は勝ってから言、にしたまえ」
「今勝ってから言えクソガキがって言おうとしたでしょ」
「君の様に勘の良い子供は嫌いだよ。ほら、良いから早くやりたまえ」
「はーい」

「ピュー、ピュゥピプッピピプゥピピピプ?」
「ウホウホ」
「ピゥピュー」

なにやら自分の事を言われている気がするが、先生はウホとか言わない筈なのでジェイクスは無視することにした。
いやでもほら、紳士たるものゴリラ語ぐらい話せるんじゃないかって地の文思うよ?

そんな弟子の葛藤などスルーして、アルバートは淡々と赤銅を追い詰めていた。
チェスかあるいは詰将棋の終盤がフロア全体を通して造られていく。
人間離れした怪力と素早さとでただ飛び掛かれば返り討ちに遭う鬼を、アルバートは徐々に捕まえやすい場所へと追い込むのだ。
例えばあの鬼は人が好きだ。
そして子供は出来るだけ傷つけたくない。
だからジャガーノーツを駒に出来る。
背後に居れば上へ飛ぶ。上から来れば左右の何方かへ。
三方向から来るときは、自分に背を向け隙間を潜る。

ならば、その先が壁なら?
答えは壁を蹴り跳躍する、だ。

とん、とアルバートは赤銅の目の前に現れた。
両腕を広げて。

殴りかかろうかと拳を握っていた鬼は、けれど反射的に両腕を広げる。
そう、この豪鬼は人間が好きなのだ。

支える様な着地をして、アルバートはよしよし、とピンク水色の頭を撫でる。
「こちらの勝ち、でいいかな?」
赤銅はうー--んと唸った後、肩を竦めて答えた。
「いいよ。今回はそっちの勝ち!」
わー--!!と黒兵達が盛大な拍手を贈る。
すげぇ!先生すげぇ!赤銅すげぇ!全然捕まらなかった!すげぇ!
口々の賞賛とハイタッチに、子供たちの満足が理解出来た。
どうやら、これは二つまとめて猟兵の勝ち、という事で良い様だ。

とす、とボードにダーツが刺さる。
「あー-!惜しい10点差ぁー-!!」
「ふ、私の勝ちだ。とは言えそちらも上達が早かったから、危なかったな。」
「途中のミスがもっかい有れば勝てたのにー」
「はっはっは、そう何度もあんな事は起こらん」
「ちぇ!ジェイクス大人げないでやんの!」
「なんとでも言いたまえ。勝負事なんて言うのは勝てば良いんだ勝てば」
「ぶー--!次は負けないんだからな!」
「次が有るのかね?」
「……無いなぁー。向こうも決着ついちゃったみたいだし」
「……そうだな。私も再戦は避けたい所だ」
「負けそうだから?」
「そういう事は勝ってから言いなさい」
「ちぇー」

仕方ないから案内してやるよ、と少し生意気なジャガーノーツは手を出した。
握手だろうか?
ジェイクスが手を伸ばすと、は?違うが?みたいな顔をされた。
「お菓子お菓子!なんでちょっと良い雰囲気で行こうとしてんの?」
「お前クソガキって言われなかったか?」
「よく知ってるね!」
「感想がそのまま答えになるのも微妙な物だな」
ジェイクスがテーブルに置いてあった包みを渡す。
「あんがと!いただきまーす!」
歩きながら封を開け、きなこクッキーをぽいと口に入れた黒兵はビョン!と飛び上がった。
「は!!?甘くないじゃん!!?!なにこれ!!!」
「んっっふっ」
「ジェイクス今嗤った!!?」
「ふふっ、いやいや、そんなまさかざまぁみろなんて思っていないよ」
「性格悪いって言われない!?」
「はて?私は紳士なのでね。言われた覚えは無いな」
紳士は肩を竦めながら賑やかなジャガーノーツと歩く。
そうして赤銅とアルバートに合流し、それぞれ次の場所まで付き添う事になった子供たちへ挨拶を済ませ、ようやく6人は通路の奥、階段の方へと進んでいった。


さて、と残されたジャガーノーツが呟いた。
「そっちセッション終わりそー?」
「あと二時間、いや三時間欲しい!」
「マジか、消える前にエンディング済ませとけよ!?」
「わぁってるよ!巻く巻く!」
「そっちのゲームは?」
「クリア済み~。次なにしよっかなぁ、なんもしないのも良いかもなー」
「猟兵おやつおいてってくれたしね」
「カタン組はどうよ?」
「あと20分ぐらいで終わるなー。もっかいやっても良いかも」
「あ、バスケしたい」
「おっ、するかバスケ」
「サッカーもいいな」
「人数足りる?」
「交代でやろうよせっかくだし」
「そうだな!おーい!そこの休んでるやつらも一緒に遊ぼうぜー!」

わいのわいの
彼らは遊ぶ。
終わりを考えないように、あるいは終わりが怖くない様に。

沢山遊んで疲れ切ったら、眠りを嫌がる子供は居ない。
だからあと少し、もう少し、彼らのゲームは続くのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『寂れた街のアーバンレジェンド』

POW   :    怪しく暗い場所を重点的に探す。

SPD   :    人の動きや地図から予想を立てる。

WIZ   :    魔術的な探索によって状況把握する。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


階を上がった先に在ったのは、街だった。
いや、街の一部、だろうか?

寂れたような、新しいような

それはいつか見た骸の海に似たあの場所と同じ印象を、猟兵達に与えるかもしれない。
在るようで無い場所、欲しい物が有る世界観、とでも言うのだろうか。
少なくともこの場所には数十年の、数舜の歴史しか存在しない。

その中に人が居る。楽しそうに笑いながら。

僅かな一般人に交じり、下の階で置いてきたジャガーノーツとはまた別のジャガーノーツも散見する。
カフェのような場所で
公民館のような場所で
ゲームセンターに似た場所で
あるいはただ道端で、公園で
彼らは笑いあっている。

「ここに居る人たちはみんな、先生が連れて来た明日が来なきゃいいのにって思ってた人たちだよ」
付いてきて着てくれたジャガーノートが言う。

だから話を聞こう。
そして帰ろうと、この場所から出るんだよと、彼らに言おう。
オブリビオンが去った後、この出鱈目な空間が安全なままなのか、猟兵に保証は出来ないのだから。

(廃ビル内に出来ていた街に似た場所を探索し、行方不明となっていた一般人に声をかけてください。理由を聞いたジャガーノーツも手伝ってくれるので全員を探す必要はありませんが、猟兵は特に出たがらない人達を押し付けるつもりでいます)

(外に出す方法は口約束でも、恫喝でも、武力行使でもOKですが、ゲームで勝つと無条件でしぶしぶ言うことを聞いてくれるのでゲームで勝つのが早いかもしれません)

(ということで、どうかよろしく)
虚偽・うつろぎ(サポート)
どの世界でもOKです

アドリブ連携等ご自由にどぞー

冒険に必要なもの
 自 爆
ただこれを実行するのみ
自爆をすれば全て解決するよ

建物や邪魔な物を消し飛ばすもよし
目立つことでこちらに注目させるもよし
ただ無意味ににぎやかすもよし
自爆万能説を押し出すよ

台詞、作戦?そんなものは必要なし
自爆するだけだよ

場所も何も関係なし
自爆することに意味がある

何か絶対に即自爆するマン
とにもかくにも速攻で自爆する習性
真なる自爆を見せてやるさー

技能:捨て身の一撃を用いてのメッサツモードによる広範囲自爆

自爆は1回のみ
捨て身の一撃だからこそこの1回に全てを込める
自爆後は消し炭になって戦闘不能さ



●ドゴォンどぉんがらがらドドド

次々連なる爆発の音が大きく響いた。

「な、なんだなんだ!?」
慌てて建物から飛び出してくる一般人とジャガーノーツ。その視線の先には窪んだ地面と消し炭。
そう、このクレーターを作った者の正体がこの消し炭。その名もうつろぎ。一応まだ故人になっていないので安心して欲しい。ブラックタールってなんでもありだな。

なぜこんな事になったのか

~回想~

「なるほど、建物が邪魔だね!自爆しよう!」

~回想終了~

うん。

結果として隠れていたというか部屋の中で遊んでいた者達がぞろぞろと出てきてくれたので、次の動きがめっちゃスムーズになったうつろぎの功績はすごい。
なんならよく分からないけどこの場所が危ない事はよく解った一般人はより説得し易くなっただろう。

うん。
他に書くこと無くなったな、どうしよう。

そうそう、うつろぎというブラックタールの面白さについて言及しよう。
アイコンが「う」
とりあえず自爆
水着の種類が豊富
MSにすべてを丸投げする強さ
うん。
地の文もイラスト見る度に惚れ直してたしサポート来て改めて惚れ直した。

でもこれリプレイとしてこのまま出したら怒られるんじゃなかろうか?
もうちょい真面目に書いておこう。

無人の建物が崩れた時、周りに被害が出ない様うつろぎ達はその周りを囲み連鎖爆発を起こした。
そう、大きな破片を挟み込むように爆発する事で、危険をメッサツしたのだ。
これにより音や揺れは大きく爆発は起きまくっていたのだが、建物の幅を少し大きくした程度のクレーターと破壊された建築物が被害の全てで済んでいる。
そしてこの最低限?の被害だけでうつろぎは他猟兵の動きを大幅に早くする事に成功。
この話を大いに助けたのだった。
ありがとううつろぎ、ナイス爆発うつろぎ。

そして灰となったうつろぎは、自爆は万能なのかもしれない。そんな思いをMSに抱かせ、無い筈の風に吹かれ退場して行くのだった。

~つづく~

成功 🔵​🔵​🔴​

多々羅・赤銅
一切合切大成敗。赤銅鬼が、お邪魔すんぜ
混ーぜて!

NG:子殺し

性格:人助けに躊躇無い破竹の快楽主義】
酒煙草賭け事、悪巫山戯も夜伽もだぁいすき。ガタイの良い真摯な奴とか特に好き♡敵でも惚れちまうね、赤い糸ごと御魂を斬って、何れ地獄の果てで落ち合おう。
あとな、私すっっげー寂しがりなの!
だから敵ともガンガン話すし、人には好かれたい!
ま、敵は仲良くなっても斬れっけど。

戦闘:鎧無視斬撃と耐火特化】
斬れないモンは何も無えよ。
鉄、炎、音さえも
見切り受け流し斬り伏せる。
身体に流れる聖者の血が、多少の傷は次々塞ぐ
肉盾役も、ご要望とあらば

日常冒険:酒、交流、笑う脳筋】
人と話すの好き!はしゃぐのも大好きー!あそぼ!



●良い鬼だって鬼に変わりは無いもので

突然の爆発に愕然とする男の後ろに、その女は現れた。
「ちゃ~っす!いやぁーびっくりしたね!なんでいきなり爆発したんだろ!」
訳わかんないね、と笑うその顔は嫌になるほど何も考えていない。
ので、男はもちろん警戒した。それはそう。
「あっこれ私がやったんじゃないかって疑われてる?ちがうちがう、私斬る事は出来ても爆破なんて高度、高度?な事出来ないって~!」
パン!と両手を前に合わせてウィンクを飛ばす。ねっ!ねっ!お願い!ほらボディチェックもし放題!
「斬りはするのかよ……」
鬼の腰に刺さっている刀を見ながら、男は一歩下がる。
「斬るね~。でも此処じゃ建物とか壁とかなんじゃないかなぁ、斬るとしたら」
要る?要らない。そんな問答をしていれば、刀はいつの間にか男の手に在った。
「あんたの武器じゃねぇの?」
「おん!私は今あんたと友達になりてぇから、要らねぇの」
「俺があんたに斬りかかるかも、とか」
「いやぁ~~ないっしょ~~あんたナイフで動物とか殺せる?」
「は?」
「だから大丈夫」
けらけらと音がする。尤も猟兵である彼女はこの無力な男に斬りかかられた所で傷一つ負わないのだろうが、そういう侮りとは違うフレンドリーさで信頼を置く。そういう女だ。
「抜いてみる?」
結構切れるよ?と刀を指されれば、男は少しだけ抜こうとして止まり、ため息と共に柄から手を離した。

「いい」
「そっかぁ。ね、手ぇ出してよ」
ん、と鬼から少し細い手を差し出されれば、男は訝しみながらも手を乗せる。
もにもにと自分よりも太い指や掌を揉みながら女は笑う。
「良い手してんね」
「は?」
「なんも刺した斬ったした事無い、なんなら殴った事も無い、良い手だよ。」
「馬鹿にしてるだろ」
「してないよ」
「喧嘩する勇気も無い臆病者って言いたいんだろ」
「そうなの?」
「そうだよ」

ふーむ、と赤銅は考えた。なんか、うまく励ますことはできないだろうか、とか。一瞬。
だが考え付かないので0.5秒で考えるのを止めた。

「人の斬り方教えたげようか?」
「は?」
善意が口からストッパーも無く流れた顔で笑っている。
「いやぁ、ほら、喧嘩とかやったことなきゃ負け確定じゃん?それならせめて殺し方ぐらい知っといた方が良いかなって」
0か100しかねぇのかこいつ???と男は盛大に疑問符まみれの顔を向けた。
「刀はあげらんないけどさ、たとえば包丁とか、相手が持ってるナイフとか、なんならその辺に転がってる棒的な物でも、人は殺せるからさ?そういうの知っとくと良いんじゃない?」
「あんた俺のなんもしたことない手が良い手だって言ってなかった?」
「人を殺したって良い手だよ。私はあんたの事好きだし」
「なんだよそれ……こわ……」
「こわくないこわくない!んで、どうする?手取り足取り腰取り教えてあげっけど」
「取る場所多くない?」
「多くない多くない」

男は小さく、しかし声を出して笑った。
「あんた変な人だね」
「んひひ、好きになった?」
「いやぁ、折角だから教えてよ、使えるか分かんないけどさ」
「使わなくて良いんだよ。知ってるやれる、けどやらないってのと、知らないから出来ないのとは雲と綿あめぐらい違う」
「……あんた、人が好きって顔してるけど、俺が誰かを傷つけるかもしれないってのは、良いのか?」
「いいよ。私は全然知らない誰かより、今会って話したあんたが大事だし愛おしい」
「ははぁ、変なやつ」
「好きになった?」
「そうかも」
「やったぁ~~照れるぅ~~私さ、四六九九団地ってとこに住んでる赤銅ってぇの」
「?おう」
「会いに来てよ、こっから出たらさ」
「……」
「あるいは私が会いに行ってあ・げ・る♡ ライン交換しよ♡」
「こわ……」
「こわくないこわくない」

そんなゆるっと話をしながら、手元じゃ物騒な事を教えつつ、近いうちに会う約束なんか取り付けて鬼はほくほくするのでした。

「ちなみに私ライン見てない事がほとんどだから、助けてって言うなら3日前とかによろしく!」
「地味に最悪なんだよな」

大成功 🔵​🔵​🔵​

イージー・ブロークンハート
待って違うんです待ってまだ踏まないでカゲ踏まないでこれには訳があるんですカゲ踏みの途中でいきなり踏めるところに落ちてきたらそりゃ踏んでくれっていってるようなものだしオレも踏むけど違うのそんなどMプレイじゃなくて転移しちゃう迷子体
ア゛ァ゛ーーー!!
やだーーもう一回やるうーーーかげふみするぅーー!!今これ迷子体質なかったらオレ今度こそ身長のせいとか言わず勝てたもん絶対勝てたもんやだやだァ〜〜!
……はい。すいません。大人げなかったです。ごめんなさい。
そうね…どうにもかてない…そういう日もあるよね。
……。
ね。
帰りたくない日は、かえりたくないなってまま、おしまいにしたらいいんだよ。
寝て起きて次の日は帰りたい日かもしんないし、
帰るよりもっといいこと思いつく日がくるかもしんないじゃない。
オレも帰りたくないなって日があってさ。
帰りたくないなって思って寄り道したら、帰れなくなっちゃった。
ね。
帰りたくない日がいくつも続いたら、帰らない日を決めたらいいだけだから。
ね。
かえろ?
(アドリブそのほかおまかせします)



●夕やけ小やけの赤とんぼ

イージー・ブロークンハートは泣いていた。
かげふみでめちゃめちゃ負けて泣いていた。

「ちがうもん……オレの体質だもん……オレがどちゃくそ弱い訳じゃないもん……」
「もー、そんな泣かないでよいーじーのいじけむしー」
「いじけむしー!げんきだせよ、あといっかいだけ付き合ってやるから!」
周りでうろちょとと動き回っている子供たちの言葉に、イージーはがばっと跳ね起きた。
「ほんと!?よっしゃ!じゃあもう一回な!次こそ俺が勝つから見てろよ!」
「いーじーすぐ元気になるよね」
「わたし知ってる。こういうひとのこと、ちょろいって言うんだよ」
「へー」
「オレの悪口やめて!?泣くよ!?」
「よーし、いくよー。いーち、にーぃ」
子供たちにまじってイージーもわちゃわちゃと走り出す。
木の陰に隠れたり、高い所に登ったり、遠くまで駆けて行ったり、イージーがどの戦法を選んだかは分からないがなんにしろ
「きゅーう、じゅーう!いっくよー!」
ポンっと音がして、駆けだそうとした子供の前にイージーは落ちていた。

「……」
「……」

丸い目が交差する。

「待って待って違うんです待ってまだ踏まないで!影踏まないでタンマストップヘルプミー!!」
イージーは慌てて立ち上がる。あっぶね!今手の影踏まれそうだった!
「訳があるんですこれも今までも!」
うぉお!子供機敏!!
「影踏みの途中でいきなり踏めるところに落ちてきたらそりゃ踏んでくれって言ってるようなものだしオレも踏むけど違うの聞いて待って俺そういうドMプレイがしたい訳じゃなくて転移しちゃう迷子体しア゛ァ゛ーーーー-!!」
大きな濁った悲鳴が、暗い公園に木霊した。

イージーはぐすぐすと泣いていた。涙の数だけ強くなれるとしたら、人類の中でトップクラスだと思う。
子供たちはもう終わったの?と近付いてくる。
「やだー----!!」
声を上げたのは子供ではなく、イージーだった。
「もう一回やるぅー--!!かげふみするぅー---!!今これ迷子体質無かったらオレ今度こそ身長のせいとか言わず勝てたもん絶対勝てたもんやだやだやだァ~~~~!!」
最終的にブリッジの体勢で叫んでいたイージー・ブロークンハートの肩を、小さな手が優しく叩いた。
「いーじー、おとなげないよ」
イージーは崩れ落ちた。

「……はい。すいません……。大人げなかったです……ごめんなさい……。」
「げんきだしなよ、そういう日もあるよ」
「そうね…どうにも勝てない…そういう日もあるよね……」
頷いている子供たちを見つめる。
この子たちだってそうだ。此処の居る以上、この子たちだって、そういう勝てないうまくいかない、帰らない子供たちなのだ。


「ね。」
小さく語りかける声は、かがり火がぱちぱちと揺れる音に似ていた。
どこにでもあるような、どこかで聞いたような、いつでも聞けるような、そんな。
「帰りたくない日は、かえりたくないまま、おしまいにしたらいいんだよ。」
小さな笑い声が聞こえた。
「いーじーみたいにわがまま言って?」
「そうだよ?寝て起きて、次の日は帰りたい日かもしんないし」
静かに人差し指をしぃと立てる。
「帰るよりもっといい事思いつく日がくるかもしんないじゃない」
大人には聞かせられない事を、子供たちだけに話す音。内緒だよ、秘密だよ。それは勇気につながるだろうか。

「オレも帰りたくない日があってさ」
むかしむかしあるところに、なんて始めるにはまだ早い過去の話。
「帰りたくないなって思って寄り道したら、帰れなくなっちゃった。」
子供たちが顔を見合う。帰らないじゃなくて、帰れない。それは近いようでずうっと遠い。
どうしようか、そうなったら。
「ね。」
困ったように笑うのは、簡単だよって頭を撫でる人だった。

「帰りたくない日がいくつも続いたら、帰らない日を決めたらいいだけだから」
温かいご飯が無いとして、暖かい寝床が無いとして、また明日と笑える友が隣に居ないとして。
「ね。」
その泣き声に駆け付けようと走る大人は、きっと近くに居る筈だから。
「かえろ?」
きっと大丈夫だよ。大丈夫じゃなかったら、オレが行くよ。行けたら、だけど、頑張って行こうとするから。

「オレ、こんな体質だから、遊びに行けるかは賭けだけど。また遊ぼうよ、今度はもっと広くて、緑があって、明るい場所で」

ここに居ては死が来るだけだ。
流されやすい大人だけど、流石にそれはどうかと思うんだ。

子供たちはイージーを見る。
探るような疑うような、どこか期待するような泣きそうな顔で。

「ね。最後にかげふみして行こうよ。オレ、みんなのとこまで駆けてくからさ。ほら行くぞー!いーち、にーい、逃げないとすぐ捕まえるぞー!さーん!」

少しの間
「ずるいぞいーじー!」
「急にはずるい!」
「わわっ、にげよ!にげよ!」
「あいつおとなげないって!」
「きゃーっ」
「あっ!おいてくなよー!」

きゅーう、じゅーう!
「よーし!行くぞー!」

手本になるだなんて事は言えないし、絶対だなんて言えないけど
この体質は時折、本当に時折、必然みたいに誰かの近くへ飛んで行くから。
いっぱい泣いて、いっぱい笑って、そんでいっぱい寝て、おはようって朝を迎えて。

きゃあきゃあと子供の声が虚構の街へ響く。

かげふみ鬼が、ただの鬼ごっこに変わるまで
それから皆で手を繋いで帰るまで

あと1時間。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジェイクス・ライアー
任務だと頭では理解していても、命の危機があるかも不確かでどうにも気が抜ける。
この後に、おそらく待っているのだろう、〝彼らの先生〟と顔を合わせるのが今から気が重くて仕方がない。
大丈夫だと、先生は笑っていたが…。

街ゆく人に声をかけ、話を聞く。
彼ら自身の話と、彼らの先生の話と。
逃避に意味はないと、正論をぶつけてもいいが。欲しいのはそういう言葉ではないのだろう。
さて、どうしたものかな。

★アドリブ歓迎!お好きなように改変OKです!



●未来をこわがる大人のために

ジェイクスライアーは街を歩いていた。
広い場所だが、彼の走りであれば10分も掛からず端までたどり着くだろう。

「任務だと理解してはいるが……」
争いの気配は一つも無い。命の危機を感じる物事も同じくだ。
ため息を吐いても解決はしないが、出てしまうものは仕方ない。
どうにも気が抜ける。

その上で、だ。
現在共に依頼を受けている先生とは別の、〝彼らの先生〟とこの後顔を合わせる事になる。
それがどうにも気を重くする。
大丈夫だと、こちらの先生は笑っていたが……果たしてどうなのか。

「いけないな。切り替えなければ」
目を閉じ、傍から見るだけでは分からない深呼吸を数度行う。
気持ちを殺さず、ただ傾ける。感情に蓋をせず、出口を変える。
瞬時にとはいかないが、準備時間があるなら容易い。

傘をとん、と鳴らし無害を纏う。
完璧だろう。
人の居る方向へと向かう。タバコを売る自販機の前、灰皿に吸い殻を押し込む人影の前へと。

「こんにちは、先ほどの音には驚きましたね。」
にこやかに挨拶をするジェイクスに、少し驚いた顔をした愛煙家は、けれどすぐに顔を背けてベンチへと移動した。
話が苦手なタイプの人種なのだろうかと見ていれば
「脚が悪いんだ。すまんね」
と、足を投げ出した姿勢で愛煙家はジェイクスを見上げて笑った。
「ここは……この街の中でも特に奥地だと思うのですが、その足では移動が大変なのでは?」
「ああ、大変だね。けど、その分静かだ」
偏屈な人間なんだろうかとジェイクスは口と顔には出さず、その言葉に頷いた。
「ええと、なんだったか。そうそう、音ね。確かに驚いたよ。誰か派手な花火でも打ち上げたのかい?」
「生憎、私も詳しい事は分からないのですよ。音の方を見に行ってみますか?」
ついでに表に誘導しよう。
「いいやいいよ。人が居る所に行くのは面倒だ。」
めんどくせぇなこいつ、と思ったが態度には出さない。流石紳士。

「なら、私と世間話でもしていましょうか」
「お、いいね。あんたは静かだし、悪くないよ」
「それはどうも、光栄ですね」
改めて愛煙家の顔を見る。自暴自棄の気が有る気がした。
ジェイクスとしてはこのまま放っておいてもいいだろうと思うのだが、紳士としては慰めるなり励ますなりした方が良いのだろう。今回の依頼主からも文句を言われそうだし。

さて、どうしたものか。

「先生とはどちらで知り合われたので?」
ひとつ、知りたかった情報を求める。
この人間たちにとって、彼らの先生とはなんなのか。
「あー、橋の上。色々嫌になって飛び降りようとしてたんだけど、この足だろ?上手くいかなくてさぁ。自棄になって暴れてたら、先生に会ったんだよ」
「……ほう」
「そんで、テトリスのちっちゃいゲーム機取り出してさ、こう言うんだよ」
私はどうにも下手でね。よければ遊んでいるのを見せて欲しい。
「ってさ、何言ってんだこいつ?と思ったんだけど、なんでか怖くなかったし、そもそも死のうとしてたから、まぁそれならちょっと付き合ってやろうかなって。んでなんやかんや面白かったから、今此処に居るんだわ」
聞かれていない事まで喋って、愛煙家は笑った。
「酷だよな、先生ってお人は。長く居た場所から首を切られて治る見込みの無い不自由抱えて、未来なんざ少しも見得ないってのに……それでも生きろって言うんだからさ」

血を吐き泥を飲み、それでも屍の上に生を積み上げろ。
いつかかけられた遠い言葉を思い出す。

「今もまだ、死にたいと?」
「どうだろ。でも生きるとしてもどうやって生きていこうね」
こんな脚だし、年齢だし、と諦めと恐怖の滲む顔が肩を竦める。
「やりたい事は、無いのですか」
「あるけど、もう出来っこないよ。速いのが好きで、車を飛ばして遠くに行きたかったんだ」
「やれば良いじゃありませんか」
「……いやぁ」
「そうやって脚のせいだと言い訳を続けるのは楽でしょうがね」
「さては喧嘩売りに来た?」
「ははは、まさか。けれどそう、脚が不便になっただけじゃありませんか」
「けど仕事探そうと思うと充分不利だ」
「なに、なる様に成る物ですよ。それより先ず、こんなところでぐだぐだしていないで踏み出す事です。死ねないのなら、いいえ死ねるのだとしても。この世界がどんなに残酷だとしても、それでも人は生きていかねばならないのですから」
さてと紳士は手を差し出した。
「門出を祝うことになるかは判りませんが、送っていきましょう。折角なら人生は楽しい方が良いと、親しい者から散々言われているのでね」

は?という顔で手を取った愛煙家を、ひょいと背中に乗せて青は走りだした。
時速200kmは、さすがに荷物を持っていては出せないがそれでも尚風の様な速さで。
ついでに壁なんかを蹴って上下運動も加えるサービス精神は褒められても良いだろう。

そんなこんなで出口まで、走る、走る。
言葉を選ぶのが面倒だとか、そういうのもまぁ有ったには有ったが、なんにしろ外まで送れば良いのだからこれで良い。
速さが好きだと言うのなら、この選別で精々自分の道を選んで無理やり進めばいい。

ぽい、と愛煙家を置いて、ジェイクスは一つ礼をする。
さて面倒な事は片付いた。逃げ遅れが居ないか探して、居たら同じように回収してこよう。
そんな事を考えながら、青い紳士は再び消えた。

やはり他人を気遣うだとか、優しい言葉をかけるだとか、そういうのは他人に任せた方が良いのだ。


さて、ところでこの出口まで送られた愛煙家。
後々不自由な人へお勧め出来る旅行プラニスト、そして絶叫マシンレビュアーとして名を馳せる事になるのだが……それはまた別のお話、という事で。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『欺き導く者』

POW   :    精神介入
対象への質問と共に、【任意の場所】から【洗脳された一般人達】を召喚する。満足な答えを得るまで、洗脳された一般人達は対象を【助けを求める声、猟兵を責める声、縋る腕】で攻撃する。
SPD   :    詭弁
【扇動、鼓舞、挑発のいずれか】を披露した指定の全対象に【レベル×2倍の能力強化を行い、強い敵対】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
WIZ   :    謀略
自身の【目を見た者に限り、自身の視覚】を代償に、【半径10メートル以内にいる猟兵同士】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【どちらかが倒れるま】で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はジェイクス・ライアーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


どう、移動したかもあやふやだった。
けれど確かに辿り着いたその場所は、いやに殺風景に映っただろう。

白い部屋だ。白く、そして四角い。
電源タップも無ければテーブルも無い、ただ白くのっぺりとしたその場所で、欺き導く者はやあと手を振って君たちを出迎えた。

「よく来たね。何もない場所だがくつろいで欲しい。座れる場所が欲しいな。ああそうだ、何か食べるかい?」
言えば現れる。まるでさもそこに在った物が今目に入った様に。
コーラにポップコーン、バケツアイスにピザポテト。黒いグミに甘そうなチョコバー。
いつの間にか敷かれていた綺麗で大きな絨毯。
その上に皿やコップまで一緒に置かれて在ったそれらと、欺き導く者の視線から全く敵意が無く、どちらかというと親戚の世話焼きが過ぎる叔父とか祖父とか、そのあたりの雰囲気を感じるだろう。

「私の役目は君たちが来た時点で終わっているから、安心して欲しい。けど、消えるまでにはまだ時間がかかる。だから一緒に座ってゲームをしよう。誰が一番綺麗に早くYシャツにアイロンをかけられるかとかでも良いんだが……やだ?そうか……あ、じゃあUN◎は?」

そんなこんなでふかふかなカーペットの上、カードがセットOKで待機する。
君たちの前にはコーラがしゅわしゅわと音を立て、手札は伏せられそこに在る。

これはただの暇つぶしが相互作用を持ったもの。
人がいつしか意味と意義を集めて、試行錯誤と運を約束で固めた娯楽品。

楽しいだろうか?
そうなら良い。

「さぁ、始めようか。じゃあ最初は一番硝子の心臓な人からで」
多々羅・赤銅
一切合切大成敗。赤銅鬼が、お邪魔すんぜ
混ーぜて!

NG:子殺し

性格:人助けに躊躇無い破竹の快楽主義】
酒煙草賭け事、悪巫山戯も夜伽もだぁいすき。ガタイの良い真摯な奴とか特に好き♡敵でも惚れちまうね、赤い糸ごと御魂を斬って、何れ地獄の果てで落ち合おう。
あとな、私すっっげー寂しがりなの!
だから敵ともガンガン話すし、人には好かれたい!
ま、敵は仲良くなっても斬れっけど。

戦闘:鎧無視斬撃と耐火特化】
斬れないモンは何も無えよ。
鉄、炎、音さえも
見切り受け流し斬り伏せる。
身体に流れる聖者の血が、多少の傷は次々塞ぐ
肉盾役も、ご要望とあらば

日常冒険:酒、交流、笑う脳筋】
人と話すの好き!はしゃぐのも大好きー!あそぼ!


アルバート・ロバーツ
硝子の心臓ということなら私が…、ふふ。違う?それは失敬
己と瓜二つな顔に挟まれた愛弟子はいたく居心地が悪そうで笑みが溢れる
まだここの楽しみ方が分かっていないようだ

「リバース」わざと手札が行かないようにしてみようか
「ドロ2」怒った頃合いで増やしてあげようか
どこまで耐えられるか見ものだな
意地悪?いやいや、あくまでルールに則って、〝正攻法〟だとも。手元に望んだカードが来ることすらも。

硝子の少年も、鬼神の聖女も
よく笑い よく騒ぎ よく助けてくれる
良い友人を持ったな

私の亡霊よ
お前は私だから、これすらも望んだことなのだろう
私から溢れた過去の海の残滓よ
どうか安らかに


ジェイクス・ライアー
どんな顔でこの場に座れというのか。
どいつもこいつもニコニコするんじゃあない。腹立たしい。
回された手札が示している。やるなど言った覚えはない。
だがあの顔には弱い。脊髄反射だ。号令が染み付いている。我ながら恐ろしい。

やるからには負けたくない。少なくとも目の前のちんちくりんには負けん。カードの海に沈めてやる。
煽ってきたやつも同罪だ。

言葉を交わすほど
師と寸分違わぬ思考と姿に混乱する
何が人を人たらしめるのか
自分のあの時、思考なく切り捨てたIFが今の彼なのか

オブリビオン 骸の海からやってきた人類の敵 
これの、一体どこが

…… ……
思考はやめだ。
どうせ答えなど出るわけもない。

ただ、それでも別れは寂しい


イージー・ブロークンハート
心臓が一番硝子の人はそれもうただのご指名でしてよ!?!?
(興味深々に黒いグミを食べてまずさにむせかえり泣き喚きわめきながら)

つうかドウシテ!?ナンデ!?紳士なんで!?
あまりにもご本体(指差し)と差がございませんこと茶目っ気の塊なの本質なのノリと勢いなのどういうことなのー!!?

(ウノを遊ぶのは二度目です)(多分いろんなミスが多いと思います)
(隙を見つければすぐ突撃し返り討ちにされるスタイルです)
(大変に泣き喚き笑い驚き慌てたりと
 五月蝿い事この上ありません)
(結果がどうあれ非常に楽しんでいます)
(この場を用意された、目の前の方もたのしいといいなと心から願いつつ)

(なにもかもおまかせします)



●寂しさ、あるいは愛のために


「心臓が一番硝子の人はそれはもうただのご指名でしてよ!?!?」
タイヤみてぇな味のする黒いグミを噛み切れずもごもごしながらイージー・ブロークンハートは叫んだ。そして咽た。愚か。
「そうは言うが、私の事かもしれないだろう?」
アルバートはほほ笑む。
「ほんとにぃ?目の前にそっくりさんとかそういうレベルじゃなく同じ人間が居るのにその落ち着き様で?ほんとにぃ??っていうかドウシテ!?ナンデ!?紳士なんでそんな同じなの!?茶目っ気の塊なの本質なのノリと勢いなのどういうことなのーー-!!?」
「ふふ、そう言われてしまうと痛いね。失礼したよ、硝子の君」
「二人居るものは仕方ないからね、少し落ち着かないかもしれないが諦めてくれたまえ」
「まぁ君ならすぐに慣れるだろうし」
「言い方がなんかなぁー……わざと?オレ今褒められてる?」
「「褒めているとも」」
「うーん良い笑顔!」
褒められてるならいっか!

「そうそう、あまり時間がかかっても困るし、ここは日本な上に遊びの場だから公式外のルールも適用するよ。具体的に言うと『同一の数字であれば色に限らず何枚出してもOK、数字が連続した繋がりを持つ同一色のカードは3枚から出してOK』それと『ドロー4をいつでも出していい』という物だね。公式のルール通り上がりはマークカードでも数字カードでもOKだ」
言いながら順にぐるりと位置に着く。
「ああ、ジェイクスはこちらにおいで」
ツッコミが入れやすいイージーの隣にでも行こうかとしていた青はギクリと動きを止めた。
こちら、と言われた場所は欺き導く者と先生との間だった。
「……いえ、私は、」
にこりと笑って首を傾げるアルバートに、ジェイクスはそれ以上言えず示された場所へと移動していた。
あの顔には弱い。今にも号令が聞こえそうで身構えてしまうし、言う事を聞かなければという気持ちに抗えない。
しかしどんな顔でこの場に座れというのか。
「おい赤銅、ニヤニヤするな」
「え~~~!してないしてない♡でも大人しいジェイクスもかわいいね♡」
「ジェイクスにも勝てない人って居るんだな!」
お前ら二人まとめてカードの海に沈めてやるからな!?という気持ちを表に出さない様奥歯を噛みしめながら恩師二人の間へ座る。
まったく、本当に、どんな顔をすればいいか。

「さて、ルールの説明はもう一度した方がいいかい?」
首をかるく傾げる導く者に大丈夫!と頷いて、イージーは自分の手札を見た。

捨て札に置いてある一枚目は黄色の9だ。
「じゃあオレこの青の9!」

こうして決戦の火蓋は切って落とされた。

「では私は青のリバースを」
次は自分かと準備していたジェイクスが先生を見るが、アルバートはさぁどうぞとイージーに手を向けていた。

「え!?もどって来た!?じゃあー-おっ青あった!」
出されたのは青の7
赤銅が渋い顔をする。
「んえーなんも出せないー引いちゃお……あーん!ダメ!次の人!」
「おや、では私の番だね。ではこのドロー2でどうだろう」
「はぁ!?」
声を出したのは導く者の次に手番が来るジェイクスだった。
「おや?どうした、何かあったかい」
表面上優しく問う導く者に青い紳士はこの野郎という気持ちを隠して平静を装った。
「なんでもありません。次は私ですね」
札を二枚引いた紳士はにやりとした。
「では、私もこちらで」
黄色のドロー2だ!
「おや、このタイミングで使うつもりは無かったんだが」
しれっと緑のドロー2を出す先生。
「お”あ”ぁ”!まってまってこれオレのとこに全部来るじゃん!!ちょっとぉ!!」
悲鳴を上げたのはイージー・ブロークンハートだった。
「泣いて良いこれ!?」
「やかましいぞさっさと引け」
「えー-ん!ジェイクスのバカぁ!」
「はぁ!?私のせいではないが!?」
そんなやり取りをしながらカードを4枚引くイージー。
現在手札が9枚と最も多いが
「あっまってまって!今引いたこれ出せる!」
緑のドロー2を印籠のごとく出した。これで残り8枚である。

「ラッキー、私もそれある~♡」
赤銅は赤のドロ2を出す。

「おや、困った。残念ながら私に出せるカードは無いね」
それもそのはず、もうドロー2は無い。赤銅が出したものが最後のドロ2なのだ。
欺き導く者はいそいそと山札からカードを4枚引いた。
現在の手札10枚
「ああ、これが出せるね」
と引いた物の中から0を赤黄緑の順で出す。これで7枚に戻った。

では次は、とジェイクスが考える。
「ワイルドカード、青で」
「では一枚引こう。おや、青の0だ。このまま出そう」
当たり前の様に欲しいカードを引く姿に、ジェイクスは何かを言いたげである。
「どうかしたかい。これは正攻法だよ」
イカサマという訳でもなく、ただ来るべくして来ているカードだ。
「まぁまぁ!なんでも良いじゃん!オレ今回2枚出せるし!」
言ってイージーは青の6と緑の6を出した。
「あ~緑!私も丁度緑持ってんだ~♡」
せいっと緑のリバースを出した赤銅にイージーはドヤ顔で応える。
「緑と赤の2!どうよ!次はアルバートの番な!」
ふんふんと鼻歌が聞こえてきそうなドヤ顔である。
ジェイクスは、は?と思った。こいつ今先生の事呼び捨てにしなかたか?あ?
「ふーむ、そうだね。じゃあ私も赤のリバースで」
「あ”!先生!」
「どうしたジェイクス?手番が来なくていじけたかい?」
「……いいえ、まさか」
一応忍耐力はついたらしい弟子ににこにこする。ちょっとした耐久テストのつもりだったが、どこまで保てるのだろうか。
勿論意地悪なんかじゃないとも。
「えー-ん!オレ赤持っでな”い”!あ!出た!赤の1!オレ強い!これなら余裕で勝てるねへっへーん!!」
「あ”?」
「ひぃっ!!ジェイクス威圧止めて怖い!!心挫けちゃう!」
びえん!と泣いているイージーをスルーして赤銅が赤の3と緑のを出した。
導く者に手番が回る。
「それじゃあ私は青の345で」
「こちらは青の2を」
「では、私は黄色の2にようかな」
「いいの!?じゃあオレ黄色のスキップ!」
「えん!イージーひどい!私との事は遊びだったのね!」
「今遊んでるからそうだね!」
「そういうところも好き♡」
「んへへてっれる~」

赤銅をスキップし、導く者の手番である。
「じゃあここで黄色のリバースを」
「先生!?」
「っふふ」
「先生!私で遊んでいませんか!?」
「ふふ、遊んでいないとも」
柔らかく笑む消えゆく者に説得力は無いけれど、そう言われてしまうとそれ以上詰める事は出来ない。
ジェイクス・ライアーは教え育ててくれたアルバート・ロバーツという恩師に弱いのだ。

「おっけおっけ、んじゃあこの赤銅鬼が華麗に黄色札を~んー-無いわ~~あ!黄色の7出た!さっすが私~~」
「えーっと、じゃあオレ黄色の5」
「それなら私はここでドロー4を」
「先生!」
「いやいや、遊んでいないとも。だが正しい戦略としてここで引かせておくのは良い手だろう?」
「それは、そうですが……!ぐっ…そう、ですね」
「さ、四枚引こうか。色は黄色を指定させてもらおう」
「絶対にわざとですよね!?」
「さて、なんのことやら」
くすくすと楽しそうに笑うアルバートは大人げないが、しかし、こんなに笑うのはいつぶりだろうか。
もう重荷は取れた身が、自由にするのは悪い事では無いだろう。
「こちらは黄色の1を……」
少し持ち難そうな手札から今引いた1を出してジェイクスは次の導く者を見る。
「では私は黄色の8を」
「んあー--なんも持ってないなー-」
赤銅は言いながらひとつ引く。
「お!黄色の4ラッキー!じゃあ緑の4と赤の4も一緒に出しちゃお!」
「いっぱい出すじゃん!ずりー!あ、オレ出せるの無いから引かなきゃなんだけど、もう山札無いね?シャフルしていーい?」
いいよー!いいとも。ん。お願いしよう。
そんな四者四様の応えを聞いて、イージーは山札を切りなおす。
シャッシャッ、シャッシャと後ろ手で数度カードを混ぜ、置きなおして一枚引く。
「残念、出せない。」
「赤の4か、残念ながら私も出せる物が無いね。一枚引いて、と……おや、幸運だね。黄色の4だ」
「えー!イージーちゃんと切った?」
「切った切った!」
「ふふ、これは私がラッキーだったよ。さ、ジェイクスの番だ」

「……残念ながら私の手札には出せる物が無いので、引かせてもらいます」
言葉が少し幼くなるのは、やはり過去の名残なのだろうか。
「……出せません。どうぞ」
ふむ、と導く者は少し考える素振りをしてそれから黄色の3を出した。
「ウーノ。最後の1枚だ」
「はぁ!?早くありませんか!?」
「照れるね。だがほら、彼女ももう残り2枚だ」
だからまぁ順当だよと笑う。
「そうそう!私もあとちょっと……なんだけど出せないわー、引くね!」
引いた黄色の0をそのまま出して、赤銅のターンは終了。
「これ誰が一番最初に上がるんだろうなー。オレも引く!お、黄色の7!」
「では私だね。黄色の6、これでウーノだ」
アルバートがウィンクしながら宣言する。
なんだか昔よりも柔らかくなった印象が有ると、ジェイクスは少し思う。
何かを降ろした人間はこうも肩の力が抜けるのだろうか。
「ジェイクス」
「あ、はい。では青の6で」
その後もゆっくりとUN◎は続く。
「青の9、ウノ」「あ、私赤の9ウーノ!」「オレ緑の9!」
「緑かい?それじゃあ私が上がりだ」
とアルバートは最後の1枚、緑の5を捨て札に置いて手を広げた。
確かにそこにもう手札は残っていなかった。
「うわー--!アルバートずっるい!!すごい坦々と上がるじゃん!おめでとう!」
イージーが揺れながら賛辞を贈る。
「ありがとう。では私は少し離れた場所で見学でもさせてもらうとしよう」
がんばって。と小さく手を振り、アルバートは壁付近に出現した椅子へ座り足を組んだ。
一切手出しをするつもりの無い姿は、どこか孫の様子を見る老体にも見えた。

「なんにしろ、次はこちらですね。緑の5なので、赤の5678で出します」
ジェイクスが一気に4枚の手札を捨てる。とは言え、それでも残り5枚なのだが。
「おや、これは困った。一枚引こう」
導く者が一枚引くが、残念ながら何も出せない。
「次をどうぞレディ」
「はいよ~とは言え私も引かないとなんよねー。うん!出せない!」
「えっじゃあオレ!?オレなんと出せる~!はい、緑の8!ウノ!」
「それなら私は青の8だな」
「巻き返して来たじゃん」
「ふっ、当たり前だ」
「一枚引こう。青の5だね」
「あーん!無い!から引く!出せない!出せないけど、これって出せたら上がる時にウノって言うんだよね?」
「ああ、そうだね。」
「じゃあ私ウーノ!」
「は?三枚あるのにか?嘘をつくな嘘を」
「嘘じゃないもん!目にもの見せてやるから待ってなって!」
「ほーん」
「オレ出していい?出していいよね!ほい、青のドロ2!あっがりー-!」
「んなっ!?お前最後に出していくにも物があるだろうが!」
「だってこれしか残んなかったんだもん!仕方ないじゃん!ほら二枚引いた引いた!」
「チッ後で覚えておけよ……」
「えー--ん!!こわいよー-!」
「怖くないわ!コホン、ではこちらは二枚引いて……青の7です」
「ふむ、では私は緑の7を……ウノだ」
「マジで?やったー!私上がりー-!緑の012!」
「本当に上がれたのか」
「本当だよ!すごい~?」
「……スゴイスゴイほらさっさとお前も向こうに行け邪魔だ」
しっしと赤銅を追いやって、ジェイクスは改めて欺き導く者に向き直った。
次はジェイクスの手番だ。
一枚、札を出す。

「私は、貴方に聞きたい事が有ります。」
緑のスキップ
「む、意趣返しかね?……いいとも」
「貴方は……」
聞くべきか悩む。故に手まで止まる。
しかし考えても答えは出ない。だから聞こうと決めたのだ。怒られるかもしれないが、それでも。
何も聞かず、何も見ず、何も考えず、そうはいられないほど、お人好し達に感化されたのかもしれない。今この瞬間は。

「君の手番だ。好きにすると良い。」
背を押すように導く者が言う。やはり、違う。先生はこんなに甘く無い。
「貴方は、何なのですか?」

赤のスキップ
残り手札3枚

「私は、私が正常であるために殺されもの、だよ」

欺く者が欺くに不要と殺したもの。人恋しさ、溢れる程の愛、寂しさ。在れば正気を削ったそれを、意識してか無意識か、欺き導く者の大根源は殺し切り離した。

「ほら、だからか少し寂しがりだし、なんというか口調も親しみやすいというか、丸いだろう?そういう部分で出来ているんだよ、私は。」
にこにこと笑うストレイシープ。過去の残像。無きものたち。
どうして、と言いかけた。幼い子供が理解出来ない事を直ぐに問う様に。

けれど子供では無い彼は、口を閉ざす。
どうして笑っているのかと、問いたかった。
殺されたというのに、これから死ぬというのに、幸せそうに。

「ジェイクス」
君の手番だ。

ウノです。
という言葉と共に青いスキップが捨てられた。

「私の役目は、君たちが来た時点で終わっているんだ。ジャガーノーツ、彼らもそうだ。」
黒い子らの為り損ないは泣いていた。
もっと遊びたいと。苦しいと、寂しいと。愛して欲しいと。

だからここを成した。

「私たちはもう死んでいるんだ。あそこに居る奇跡とは違う、在ったかもしれない未来とも違う、そもそも人ですらない感情あるいは感傷達だ。」

それが夢を見た。
人と逢った。
他人との相互作用で意味を持った。
このビルの中にはルールが出来た。
だから
「終わる事こそが正しく運用された証だ。」

途中で投げ出された訳でもなく完走された、もしかしたら。

ゲームは、そうでなくては。

ジェイクスの手札が捨てられる。
青の1と黄色の1が。

「捨てられないものだな。」
完敗だ。と緑の4が最期に乗った。

「いやぁ、楽しかった。ありがとう硝子の君、鬼神の聖女、それから愛しい弟子と、私も」
はーやれやれと肩を回すアルバートの顔をしたアルバート・ロバーツその人では、無い者。

「それじゃ」
と軽く手を挙げて、彼は消えた。
まるで最初から居なかったかの様に。

残ったのはコンクリートらしい灰色の壁と、床、それから緑の4が抜けたUN◎だけだ。
もちろん、カードが抜けていれば使えないから、これは不要品だろう。
ブランクがあれば別かもしれないが。

「かえろうか。」
と誰かが言った。
ここにもう用は無い。


外に出ればもう月夜だ。
赤鬼は、ラインが来たからと空を斬ってどこかに消えて
硝子のハートは話しながら瞬きの間にどこかへ消えた。
残る二人は顔を見合わせ、まぁそんなこともあるかと歩み始めた。


遊んだ後はお腹が空くもので
さて、夕飯はどうしようか。


fin.

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年05月18日
宿敵 『欺き導く者』 を撃破!


挿絵イラスト