帝竜戦役⑫〜どうしんにかえって
「時蜘蛛の峡谷ってところがあってねー」
若干若返ったように見えるアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)がひとりあやとりをしながら唐突に語りだした。
「この地に棲むオブリビオンは皆、手足が増え、自らの寿命を消費して頑丈な糸を紡ぐ「時蜘蛛(ときぐも)」と呼ばれる怪物に変貌してるのね。それで、彼らの紡ぐ糸に触れると『幼児化』しちゃうみたいなのよね」
こんなふうにね、と言いながら一回転するアリス。
「ま、これは別の戦場で回収してきたやつだけど、彼らの糸は「時の蜘蛛糸」と呼ばれる宝物になるわ。見ての通り、若返りの効果が若干残ってて売れば1巻で金貨950枚ぐらいの価値になるらしいわ」
あやとりに使っていた糸を見せながらアリスは言う。
「ま、現地の巣の主が残ってる糸はもっと協力で『幼児化』すれば実戦経験等も失われるわ。文字通りに身も心も『幼児化』するわけね。で、これは『幼児化』であって時間遡行ではないの。つまり、ウォーマシンとかヤドリガミ、ああ一部の神なんかもそうだけど元々幼少期が存在しない者でも『幼児化』されてしまうわ」
そう、糸に触れてしまえば皆状態異常『幼児化』にかかると思えばいい。
「糸に触れなければ、とも思うでしょうけど、今回の相手『気弱な蛮族狩人』はかなりの臆病者でがっちがちに巣を張ってるから難しいと思うわ。なにせ、仕掛けた本人も寝相の悪さでうっかり触れて『幼児化』してるくらいだもの……私の予知する相手はなんでこう残念属性がつくのかしら?」
類が友を呼ぶのかしらねー、とか言いながらアリスは続ける。
「で、この『幼児化』は時蜘蛛を倒せば解除されるわけだけど……見た目的に深刻ないじめの現場になりそうだし、お互いに『幼児化』してるから童心に返って遊んできてはどうしかしら? 特に『糸』を使った遊びがお勧めよ。ええ、時蜘蛛は寿命を消費して『糸』を紡ぐから、どんどん紡がせて寿命を使いきらせてしまいましょ」
なお、いじめもとい戦闘に持ち込んだ場合は知らず知らずにキルゾーンに誘いこまれてトラップにハメ殺される可能性が高まるのでオススメはしない。幼少期よりぼっちで狩猟生活をしていたので『幼児化』しててもその辺りの技術は高いようだ。
「幼少期からぼっちでいたからか『お友達』には憧れているようだし、優しくシテあげればイケるイケる☆ ま、ボーナスステージだと思って羽を伸ばしてくるのもいいのではないかしらね?」
もっとも、猟兵の中にも幼少期から戦場で生きてきた猛者も少なからずいるので、自信があるなら敢えて挑んでみるのもいいだろう。
「と、説明はこんなところかしらね。それでは行ってらっしゃい☆」
蒼汁の人
はーい♪ ごにゃーぽ☆ ごきげんよう♪
『ネタに逝きネタに死す』蒼汁の人でございます。
今回のギミックはこちら。
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プレイングボーナス……幼児化への対抗策を考える。
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本シナリオにおいては時蜘蛛とどんな遊びをするか? も幼児化への対抗策として扱います。
戦闘に持ち込む場合は、『幼児化』した思考でのモチベーション、失われた戦闘技術に代わるナニか、キルゾーンに誘い込まれないようにする対策、等が重要になるかと思います。なお、時蜘蛛の糸は霊的・魔術的にも干渉してきますので、幽体や精霊等のスピリチュアルな存在に変身しても容赦なく『幼児化』されますのでご注意ください。
※この戦場で手に入れられる財宝。
宝物「時の蜘蛛糸」……若返りの効果が若干残った、時蜘蛛の紡いだ蜘蛛糸です。一巻きで金貨950枚(950万円)の価値があります。
それでは皆様の素敵なプレイングをお待ちしています。
第1章 ボス戦
『気弱な蛮族狩人』
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POW : い、いぢめないで
【消え入りそうな声】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD : いぢめる? いぢめる?
自身の【気弱な性格】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
WIZ : い、いぢめないで……
戦闘力のない【敵対者からの嗜虐心】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【敵対者からの酷い事】によって武器や防具がパワーアップする。
イラスト:猫谷美甘
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠二色・ありす」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
フィーナ・シェフィールド
気弱な感じで、確かに力づくで、と言うのは気がひけますね。
一緒に遊んで、満足しながら浄化してもらいましょう!
はじめまして、ふぃーな、しぇふぃーるど、5さいです!
警戒させないように、【悠久に響く幻想曲】で召喚した小人の楽団といっしょに、楽しげな曲を演奏しながら、あそびましょ、と優しく声をかけながら近づいていきます。
糸を使ったお遊戯と言えば、やっぱりあやとりかしら?
ずっと1人でいて、2人で糸をとるようなのは知らないでしょうから、優しく教えてあげますね。
あやとりしながら、小人の楽団と一緒にお歌を歌います。
歌には純粋無垢な破魔の力。孤独な子供の魂を癒すメロディで、蛮族狩りさんを浄化していきますね。
『やった、今日はごちそう』
「気弱な感じで、確かに力づくで、と言うのは気がひけますね。一緒に遊んで、満足しながら浄化してもらいましょう!」
フィーナ・シェフィールド(天上の演奏家・f22932)は罠で仕留めた獲物に喜んでる様子の蛮族狩人を見ながら小人の音楽隊を召喚した。これ以上進めば確実に糸に触れるが問題はない。
『え? なに?』
突然響き渡る楽しげな音楽にびくつく蛮族狩人。振り替えれば小人の音楽隊が楽器を奏でている。
『わぁ♪』
その様子に蛮族狩人は顔を輝かせた。そこに幼児化したフィーナが声をかける。
「はじめまして、ふぃーな、しぇふぃーるど、5さいです!」
『あ、は、はじめまして、りおん、5さい、です』
「りおんくんだね! あそびましょ」
蛮族狩人ことリオンはフィーナが差し出した手をおずおずと取るのであった。
「ここをー、こーしてー、こーとるとー、ほら!」
『おおー!』
リオンが獲物の処置を終えてから二人はあやとりで遊んでいた。今はフィーナがリオンに優しくやり方を教えていた。フィーナの作った型を見て謎の感動に拍手を送るリオン。気弱な性格ではあるが、幼児化の影響で遊びたい欲のが勝ったようだ。
「はい、やってみて」
『うん、えっと、こうかな?』
「そうそう、おじょうず」
その後ろでは小人の音楽隊が二人の邪魔にならない程度に楽器を奏でていた。それは、純真無垢な破魔の力の籠った、孤独な子供の魂を癒すメロディ。リオンが型を覚えてあやとりが途切れなくなれば、二人もメロディに合わせて歌い出す。
その歌声は二人が遊び疲れて眠りにつくまで峡谷に響いていた。
大成功
🔵🔵🔵
シズホ・トヒソズマ
糸を使った遊びねぇ…まあそれが副業みたいなところもありますし、戦闘経験ではないのでなんとかなるといいんですけど
そういう訳で子供になってしまいまちた!
ふふふ、糸なら常日頃から持ち歩いているのでしゅ!
伸縮性強靭性全て抜群の操作用糸!あやとりにも使えます!
指は短くなってましゅが元から糸を操る◆操縦はかなり慣らしてましゅし
戦闘経験ではないでしゅからね
糸を操る感覚を活かしてあやとりで◆コミュ力使って遊ぶでしゅ!
とーきょーたわー!えっふぇるとー!
型もしっかり教えてあげるでしゅ!
持ってきたからくり人形も糸で操作して一緒に遊ぶでしゅ!
この糸をこうするとこう動くでしゅよ!
こう動かせばジャンプするでしゅ!
「糸を使った遊びねぇ……まあそれが副業みたいなところもありますし、戦闘経験ではないのでなんとかなるといいんですけど」
シズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)は常日頃から持ち歩いている糸を弄びながら渓谷を進んでいた。人形遣いとして人形の操作に用いる伸縮性強靭性全て抜群の操作用糸である。それでいて、人が指先で操ることが前提な為に肌触りも悪くない。あやとりに使っても手を痛めない逸品である。
「そういう訳で子供になってしまいまちた!」
しかし、蛮族狩人はなかなか見つからない。
「おかちいでしゅね。たいみんぐがわるかったでちたか?」
指は短くはなっているが、糸を操る技術は相当鍛えてきたのだ。歩きながらでも一人あやとりをするのも造作はない。
「とーきょーたわー! えっふぇるとー!」
『それ、あやとり?』
そうして、蛮族狩人を探しながら型を作っていると不意に声をかけられた。
「ふぇ、あ! ようやくみつけまちた!」
『え? え?』
「さぁ、一緒に遊ぶでしゅ!」
『う、うん』
そうして二人は遊び始めるのだった。
「おや、知ってたでしゅか」
『う、うん。この前おしえてもらったから』
選んだ遊びはあやとり。シズホは教える気満々であったが、既に先に来た猟兵が教えていたようだ。
「なら、次はこれでしゅ!」
型に失敗をしたところで、シズホは今度は人形を操り始める。
『わぁ♪』
「この糸をこうするとこう動くでしゅよ! こう動かせばジャンプするでしゅ!」
『おおー!』
「さぁ、やってみるでしゅ!」
『いいの?』
「勿論でしゅ!」
こうして二人は人形を糸で操作して遊ぶのであった。最終的に蛮族狩人は紡いだ糸であみぐるみを作り、それを複数体操れる迄になった。
「もう、教えることはないでしゅ! めんきょかいでんでしゅよ!」
『えへへー』
こうして二人は疲れて眠る迄遊び続けた。
大成功
🔵🔵🔵
純・あやめ
おー、本当に若返ってる!すごいなー
でも若返りすぎて赤ちゃんになったりはしないんだね
うーん、でも消えた記憶はそのまんまっぽいかな?ついでに元に戻るのを期待してたんだけど
ねぇ、【カキツバタ】はどう思う?
『時間遡行じゃないって最初に説明されてたじゃない。あと、絶対に私を呼び出さないように』
えー?一緒に子供になって遊びたかったんだけどなー。ま、いっか!
じゃあ子供らしく全力で駆け回って遊びましょう
鬼ごっこでもかくれんぼでも、こちらから引っ張り回して遊ぶよ!
泥だらけになったら【シャボンソウ】にUC「生活魔法」をかけてもらえばいいし
あはははー、なんだかこういうの久しぶりな気がする。いいねー!
純・あやめ(砂塵の衛士・f26963)はくるくる回りながらためつすがめつ自分の身体を確認していた。
「おー、本当に若返ってる! すごいなー」
更にはペタペタと触ってみる。
「でも若返りすぎて赤ちゃんになったりはしないんだね」
不思議そうに首を傾げながら今度は頭に手を当てる。
「うーん、でも消えた記憶はそのまんまっぽいかな?ついでに元に戻るのを期待してたんだけど。ねぇ、【カキツバタ】はどう思う?」
『時間遡行じゃないって最初に説明されてたじゃない。あと、絶対に私を呼び出さないように』
あやめの問へのカキツバタの回答に、あやめは見た目相応に頬を膨らませてみせた。
「えー? 一緒に子供になって遊びたかったんだけどなー」
しかし、直ぐに気分を切り替えた。
「ま、いっか!」
あやめは幼児化の影響で子供特有の無尽蔵の体力を発揮して渓谷を駆け回る。その姿を見て思わず隠れた蛮族狩人も直ぐに見つけた。
「みーつけた!」
『わ? わ?』
あやめはそんな蛮族狩人を強引に連れ出して遊ぶ。鬼ごっこ? いいえ、かくれんぼ! 幾度となく逃げ出しては隠れる蛮族狩人を見つけ出す。そうして遊び倒せば二人は泥だらけ。ならば洗いましょうとあやめが喚びだしたるはシャボンソウの悪魔。泡泡泡泡と泡光線で二人を洗う。
「あはははー、なんだかこういうの久しぶりな気がする。いいねー!」
童心に返って全力で遊ぶ、そんな日が一日ぐらいあってもいいだろう。
大成功
🔵🔵🔵
リダン・ムグルエギ
アタシの子供の頃の性格を一言で言うと
動画で映えるものを好むキマフュ脳
渓谷、ビビりの子、糸を使った遊び…予測はつくわね
ひゃーーっほーー!
そう、バンジーorターザンごっこ的な遊びよ!
ねぇねぇ、キミも遊ぼ!楽しいよ!
んー、コワイの?
じゃあ、撮ってて!
アタシのカッコ良いところ!バズるよ!
すごーい、アナタのおかげで、いい動画できたよ!
ありがとー!
って感じで巻き込んで行くの
怖がりな子みたいだから無理強いはしないで
んー、コワイなら落ちるんじゃなくて…
木の方で糸つかお!
ブランコ!ハンモック!
普段は仕事に使う糸
ぶーらぶーらと遊んで
最後には集めて…
大人に戻れたら
楽しく遊んでくれたお友達のお墓は作っておきましょっか
「渓谷、ビビりの子、糸を使った遊び……予測はつくわね」
リダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)はそう言いながら足元にロープを結び頑丈な岩に確りとくくりつけると蜘蛛糸に触れた。幼児化したリダンはキョロキョロと辺りを見回す。渓谷、足に結ばれたロープ、やることは決まっていた。下を覗けば男の子が歩いている。予定変更、足のロープを外してしっかりと掴む。
「ひゃーーっほーー!」
ターザンごっこである。現代のリダンはデザイナーとしてインスピレーションを刺激されない限りは運動等の面倒は厭うが、幼少期はキマフュ民らしく動画映えすることが大好きなアクティブな性格だったらしい。リダンは振り子のようにロープで揺られると男の子こと蛮族狩人をかっさらう。
『わー! なになになに?』
「ねぇねぇ、キミも遊ぼ! 楽しいよ!」
驚く蛮族狩人にそう声をかけるが、どうにもびびってるように見えた。単に人見知りを発動しただけではあるが、リダンはそれをこの遊びに対するものだと勘違いした。
「んー、コワイの? じゃあ、撮ってて! アタシのカッコ良いところ! バズるよ!」
『え? え?』
リダンはドローンを渡すも蛮族狩人は戸惑うばかり。
「使い方わからないの?」
『う、うん』
そこでリダンは蛮族狩人に使い方をレクチャーした。
『すごい、すごーい!』
数分後、蛮族狩人はすっかりドローン操作にハマっていた。初めて見るものではあったが基本的に男の子はメカが大好きだ、ハマらない筈がなかった。
「それじゃ、撮影よろしくね!」
『うん! 任せて!』
レクチャーの過程で二人はすっかり打ち解けていた。実は蛮族狩人が恐がっていたのは初対面だったリダンのことだと判明すると、かわりばんこに撮影とバンジー&ターザンゴッコをするのだった。
「すごーい、アナタのおかげで、いい動画できたよ! ありがとー!」
『えへへー、こちらこそありがとう!』
今は二人でブランコで揺れていた。少し疲れたので軽めの遊びにシフトしたのである。が、日が暮れてそろそろ別れの時間である。お昼寝に使ったハンモックが寂しげに揺れていた。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・フォーサイス
※幼児化すると今より好奇心と(情報妖精的な意味の)食欲に貪欲になります。
お腹減ったな。誰かいないのかな。
あ、キミもひとり?ハラペコなんだけど、一緒に遊ばない?
ここ、糸がいっぱいあるんだね。え?キミが出してるの?すっごーい。
じゃあ、これで遊ぼうよ。せっかくこんなにあるんだから、あみぐるみを作るのはどうかな。
キミと一緒に遊んでると、お腹がなんか満たされてくるよ。もっと遊ぼう。
アリス・フォーサイス(好奇心豊かな情報妖精・f01022)はお腹を空かせて渓谷をさ迷っていた。
「お腹減ったな。誰かいないのかな」
情報妖精であるアリスが食べるのは情報だ。特に誰かの物語を好む。だから、空腹のアリスは人を探していた。すると、罠から獲物を回収してる蛮族狩人を見つけた。
「あ、キミもひとり? ハラペコなんだけど、一緒に遊ばない?」
『ええ? ハラペコなの?』
「うん、だから遊ぼ」
『え、ええ? これ食べる?』
ハラペコなのに遊びに誘うアリスに蛮族狩人は困惑しながらも回収したばかりの獲物を勧めてみる。アリスは情報妖精だ、物理的な食事は必要ない。必要はないが、その調理の過程で込められる思いはアリスの空腹を満たしてくれるものだ。
「ありがとう、それじゃいただこうかな」
なにより、どんな調理をするのか好奇心が刺激されたのだ。断る理由はなかった。蛮族狩人に案内されその棲み処に向かう。調理は切った肉を焼くだけのシンプルなモノだ。だが、ここ最近お友達が増えて嬉しい、アリスもお友達になってくれるのかな? という純粋な思いが込められていて、それは十分にアリスの空腹を満たしてくれるものだった。
「ありがとう、キミの思いとてもおいしかったよ。ところで、ここ、糸がいっぱいあるんだね。え? キミが出してるの? すっごーい」
空腹が満たされたアリスが改めて周囲を見渡せば糸が沢山あるのが見てとれた。聞けばその糸は蛮族狩人が出しているのだという。実際目の前で紡いで見せてくれたりもした。
「じゃあ、これで遊ぼうよ。せっかくこんなにあるんだから、あみぐるみを作るのはどうかな」
『うん、いいよ。あのね、こんなこともできるよ』
アリスの提案に蛮族狩人は頷く。そして、とある猟兵に教わった操糸の技術で編み上げるとそれを操ってみせる。
「すっごーい。でもボクだって負けてないよ」
負けじとアリスも糸を再構築してあみぐるみにするとそれを操ってみせる。楽しい楽しい人形劇の始まりだ。
「キミと一緒に遊んでると、お腹がなんか満たされてくるよ。もっと遊ぼう」
こんな時間がずっとずっと続けばいいのに、そう願わずにはいられなかった。
大成功
🔵🔵🔵
大神・狼煙
実は、幼少期の方がヤバい
産まれはダークセイヴァー、育ちは貧民街
物心ついた時には吸血鬼殺し
むしろ、それができない奴から死んでいく
昨日隣にいた奴が、今日はいない
今日隣にいる奴は、明日の飯
それが、幼少期の日常だった
言語も、理性もない
生きる
その為だけに、引き裂き、千切り、食らう
オブリビオン【ダンピール】とは、そういう物だ
罠へ誘い込もうと言うのなら、巣の糸を引きちぎる
逃げる相手は追う物ではない、逃げ場を奪うのが定石というもの
声の命中とは、相手に届いたか否かである
理性のない獣は、唸る、吠える
その轟声を前に、果たして消え入りそうな囁きなど、届くものか
※割と頭おかしい自覚はあるから、不採用でも構わんからね⭐︎
産まれはダークセイヴァー、育ちは貧民街。物心ついた時には吸血鬼殺しで、むしろ、それができない奴から死んでいく。昨日隣にいた奴が、今日はいない。今日隣にいる奴は、明日の飯だ。それが大神・狼煙(コーヒー味・f06108)の日常であった。
今でこそ喫茶店のマスター等をやれているが、幼少期は言語もなく理性もなく、ただ生きる為に引き裂き、千切り、食らう、野生の獣、否、オブリビオンと人間のハイブリッド半吸血鬼の【ダンピール】という魔物であったのだ。
時蜘蛛の糸に触れた狼煙は姿と共にその頃に精神が返っていた。今の戦闘技術は失われたがそれはどちらかと言えば人という型に押し込める為のものだ。狩猟者たる幼少期の狼煙にはむしろ必要の無いものであった。
幼児狼煙にとって、姿形がどうであれオブリビオン即ち吸血鬼の同類であるならばそれは只の獲物でしかない。ならば狩り喰らうのが道理である。静かに音を忍ばせ気配を断ち忍び寄る。これが一番成功率の高い狩り方だ、気付かれない内に命を奪う。
だが、糸による罠があることに気がついた。非常に邪魔である。邪魔をするな俺はあれを喰らうのだ。理性無き魔物は糸を引き裂いた。すると、石飛礫が飛んでくる。猪口才ななにするものぞ。咆哮を上げその衝撃波で弾き飛ばす。
逃げる相手は追うものではない、先に逃げ場を塞いでおくものだ。仕掛ける時には既に仕込みを終えている。仕掛けは上々逃がしはしない。
だが、窮鼠は猫を噛むもので、久しぶりの狩りで勘が鈍っていたこともあり、必死に抵抗されて時蜘蛛の増えた手足を奪うだけに留まるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
亞東・霧亥
・幼児化
この糸、これは厄介だな。
・・・あれ、なにがやっかいなんだろう。
・時蜘蛛と遊ぶ
張り巡らされた糸の隙間から相手を見付ける。
話掛けるけど警戒されてる?
糸、糸かー。
そうだ!紙コップとセロテープと糸!(てってれー)
糸電話を作って投げ渡す。
よく聞こえない。
糸がピーンって伸びてないからかな?
・ダッシュ
あの子は動けないから、僕が走って糸を伸ばさないと。
あの子が見えないくらいたくさん伸ばしたけど、糸がピンてしてるなら、あの子は持ってるんだよね?
【UC】
まずは、じこしょーかい。
名前を聞く時は自分から!
大きく息を吸ってー・・・
『僕はキリイ!あそぼー!』
「あの子はあそんで・・・はて、何故糸電話が?」
元に戻る。
「この糸、これは厄介だな」
亞東・霧亥(峻刻・f05789)は時蜘蛛の糸を手で払い、
「……あれ、なにがやっかいなんだろう」
幼児化した。だが、やることは忘れていない。この渓谷の何処かにいる時蜘蛛と遊ぶのだ。霧亥――幼児化した今はキリイだ――は渓谷をテクテクと進む。
やがて、糸がより集まってる場所を見つけた。張り巡らされた糸が壁のように邪魔をして中に入るのは難しい。だから、隙間から覗きこんだ。背中とその背中に残る傷痕が見えた。時蜘蛛は手足が増えてると聞いていたが今はキリイと同じ二本の手と二本の足しかない。つまり、あの傷痕は……
「た、たいへんだ! ねぇ、だいじょうぶ?」
キリイは時蜘蛛に声をかけるも聞こえていないようだ。前に回り込んで改めて声をかける。一応反応はあったがそれはとても弱々しいものだ。何とか話を出来ないものか?
「糸、糸かー。そうだ! 紙コップとセロテープと糸!」
キリイは紙コップとセロテープを取り出すとてってれーと掲げてから工作を始める。その辺に張り巡らされた糸を取り出し両端に各々紙コップをセロテープで貼り付ける。そう、キリイが作ったのは糸電話である。キリイは糸の隙間からその糸電話を投げ入れた。時蜘蛛は弱々しくもそれを手にしてくれた。
「よく聞こえない。糸がピーンって伸びてないからかな?」
あの子は動けないから、僕が走って糸を伸ばさないと。キリイは走る走る、あの子とお話するために。糸を短くするためのハサミが無いんだから仕方ない。キリイは全力でダッシュした。やがて糸がピーンと張る。
「あの子が見えないくらいたくさん伸ばしたけど、糸がピンてしてるなら、あの子は持ってるんだよね?」
糸を指で弾いてみるが弛む気配はない。なら、きっと大丈夫だろう。
「まずは、じこしょーかい。名前を聞く時は自分から! 大きく息を吸って――……」
キリイは胸一杯に息を吸い込んでから糸電話に口を付けた。
「『僕はキリイ! おいしゃさんよんでくるからまっててね! なおったらあそぼー!』」
竜のごとき咆哮が糸電話を伝い時蜘蛛を蹂躙する。だが、キリイにはそれは見えない。それほど遠くまできたのだ。
「なおったらあの子はあそんでくれるかな?」
だから、キリイはその場を去る。あの子を治す医者を呼びにいくために。
大成功
🔵🔵🔵
クラウン・アンダーウッド
相手の戦意だけを削いで、自らお帰り頂こうかな♪
幼い姿になったクラウンは相手にWIZ勝負を仕掛ける。
すすんであらそおうとするなんてばかばかしい!なにごともたのしまなくちゃね♪
ポンッと光り輝く火の玉を一つ出して見せる。その次に複数の火の玉を、その次に向日葵の形に変えて見せ、最後は出しうる全ての業火を花や動物の姿に変えて相手を魅了させる。
業火を操る為に必要な処理は全て、操り糸で繋がっているからくり人形達に肩代わりさせる。
わざわざこんなところにいていためつけられるより、もっとむねをはってどうどうとすきなことをすればいいじゃないか♪
直接的な攻撃はせず、オブリビオン自らこの場から居なくなるように諭させる。
「相手の戦意だけを削いで、自らお帰り頂こうかな♪」
クラウン・アンダーウッド(探求する道化師・f19033)は自ら糸に触れて幼児化する。
「すすんであらそおうとするなんてばかばかしい! なにごともたのしまなくちゃね♪」
そう、争わなくてもいいのならそれが一番だ。楽しめるなら存分に楽しもう。クラウンは糸に触れたまま糸から情報を読み取る。この糸は時蜘蛛の巣だ、ならば繋がる先の何処かに時蜘蛛はいるだろう。そして、クラウンは人形遣いだ、糸を繰りその先に繋がる人形を操るその技術。ただ糸を繰るだけでなく、繋がる先の人形の情態を糸から感じとれなければ到底うまくはいかない。ならば、糸を通じて繋がる先の情報を集めることも可能であろう。
そして、クラウンはその先に違和感を感じた。沢山の糸が集まり、しかし、その殆どが千切れているかのような感覚。嫌な予感を覚えたクラウンは急いでその場所へとむかった。
「こ、これは」
そこは酷い惨状であった。何か強い力で吹き飛ばされたのだろう、千切れた糸は同じ方向を向いており、その先に時蜘蛛が倒れていた。クラウンは急いで近寄り状態を確かめる。全身酷い傷であったが、特に背中が酷かった。増えた手足がそこに生えていたのだろう、しかし、その全てが千切れていた。クラウンは慌てて癒しの業火を施した。幼くなったことでその為の経験は失われていたが、操り糸で繋がっているからくり人形達に必要な処理を肩代わりさせることで滞りなく治療は出来た。
『キミは……おいしゃさん?』
目を覚ました時蜘蛛がそう呟いた。
『そっか、あの子が呼んできてくれたんだね』
「あの子?」
『うん、おいしゃさん呼んでくるから、治ったらあそぼうって』
そう言う時蜘蛛の手にはぼろぼろになった紙コップがあった。おそらくは先に来た猟兵と何かあったのだろう。それと同時にクラウンは理解した、説得は通じないだろうことを。
「わざわざこんなところにいていためつけられるより、もっとむねをはってどうどうとすきなことをすればいいじゃないか♪」
そう説得してこの場から去って貰うつもりであったが、約束があるのならそれも難しそうだ。それに、治療をしたからこそ分かってしまった、この時蜘蛛の寿命はもうそれほど残されていないことを。
だから、クラウンは最期まで楽しんで貰うことにした。ポンッと光り輝く火の玉を一つ出して見せる。その次に複数の火の玉を、その次に向日葵の形に変えて見せ、最後は出しうる全ての業火を花や動物の姿に変えていく。
そうしてクラウンは時蜘蛛の心身を癒すのであった。
大成功
🔵🔵🔵
オルヒディ・アーデルハイド
※絡み・アドリブOK
元々が幼児(6歳)だから幼児化の影響ってあまりなさそうな気がするが
いっぱいの糸があるね
こんなに散らばってると遊び場が狭くなるよね
少し整理しようか
両腕を使って糸巻きを始めたら
楽しくなって糸を巻くことが遊びになる
まいてまいて
糸が尽きるまでエンドレス糸巻き
まだまだ巻けるよ
最初は両腕に絡ませる程度だったけどどんどんと全身に巻き始め
見てみて、ワンピースみたいだよ
最終的には繭状に包まれて動けなくなる
遊びが終わった後
繭から孵化して脱出
オルヒディ・アーデルハイド(アリス適合者のプリンセスナイト・f19667)は元より六歳であり、元より幼児であるため時蜘蛛の糸の影響は受けなかった。悠々と渓谷を進んでいく。それ程進まない内に岩に腰掛けぼーっと空を見上げている時蜘蛛を見つけた。オルヒディに気付いた時蜘蛛が声をかけてくる。
『あ、ようやくきたんだね』
「うん?」
『それじゃ遊ぼうか』
「うん、遊ぼう」
時蜘蛛はオルヒディを別の誰かと勘違いしたようだが、気にしなかった。遊びに来て遊ぼうと誘われたなら遊ぶことが大事なのだ。しかし、問題があった。
「いっぱいの糸があるね。こんなに散らばってると遊び場が狭くなるよね」
『あ、そうだね。どうしようか?』
「少し整理しようか」
そう言ってオルヒディが両腕で糸を巻き取り始めると、時蜘蛛も真似して同じように糸を巻き取りだした。そうして二人で糸を巻いているとだんだんとそれが楽しくなってきた。整理などどうでもよくなり糸巻き遊びに興じていく。だんだんと腕だけでは足りなくなり全身にも巻いていく。
「見てみて、ワンピースみたいだよ」
『おおー、ボクもやるー』
そうしている内にやがて糸も尽きてきた。
「あれ、なくなっちゃったね。あれもやっちゃう?」
『あれはお昼寝に使うから。それにまだまだいっぱい出せるよ』
ハンモックに手を出しかけたオルヒディをやんわりと止めて、時蜘蛛は新しく糸を紡ぎ出す。二人は更に糸を巻き取り続けて、やがて一つの繭が出来上がる。中で抱き合ったまま身動きが取れなくなった二人はなんだかおかしくなってクスクスと笑いあった。遊び疲れた二人はそのまま眠りについた。
オルヒディが起きた時、時蜘蛛の姿はなかった。寿命が尽きたのだ。オルヒディは白銀の槍で内側から繭を切り裂くと孵化するように脱出する。
空を見上げれば一筋の糸がキラリと光を反射しながら舞っていくのであった。
大成功
🔵🔵🔵