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悪しき巫、山で戯れ

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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●まるで巫山戯た
「集合。依頼の説明を始めるぞ。」
 そう言って猟兵たちを集めた妖精、ナイツ・ディン。定位置のように木製の机の上にあぐらをかき、話し始める。
「今回オブリビオンの出現が予知された場所は俺の故郷でもあるアックス&ウィザーズ。そこの、魔物が出ると噂になる山だ。噂は所詮噂、まあ山に登ること自体が危険であることには変わりなかったんだがどうやら本物の魔物が現れるようになってな。」
 古い紙でできた地図を広げ、山の上に竜槍を刺す。俺はピンどめじゃねーぞ、と竜槍が文句を言いたげな感じの雰囲気を出しているが気にする猟兵も居ないだろう。少なくともナイツは思ってない。
「とりあえず、ここの山に登ってもらって魔物を狩ってもらいたい。どうやらちっこい植物型モンスターが山の川沿いに多数巣食っていやがるようだ。で、山頂付近の水源にでっかい魔物が一匹。そいつが親玉のようだ。どういう魔物かはちとわからんかったが、水に関するヤツのようだ。そいつを狩れば周りの植物型モンスターもおとなしくなるだろう。」
 山に巣食う水の魔物。そこの川が氾濫でもしたらどんな災害が起こったものか。面倒なことになる前に退治せねば。

●最大の敵は
「さて、登山の準備をしてもらうわけだが、登山経験のあるやつは居るか?猟兵だし、遭難とかしても自力で生き残るのは余裕だとは思うが気をつけて登っていくんだ。大した高さでもないし、複雑な地形をしているわけでもない。ただ道は獣道しか無いし、木々が多くてTHE・山!って感じではあるが。寒さ対策とある程度の携帯食料は持っていくように。水は川があるから大丈夫だろう。それと大事なことが一点。」
 一旦説明を止め、猟兵たちを見て言う。
「……今の季節、体力気力を万全にして挑んでくれ。なんたって、」

 あの土地、雨季なのだから。


竜夢
 雨の中の山登りってキツイですよね。どうも竜夢です。山に巣食う魔物を退治してもらいます。
 1章では雨中登山です。カッパ着ていくなり雨の中突っ込むなりお好きにどうぞ。足元にもご注意を。
 魔法を使って楽をするも良し(技能がアレば勝手にアレンジ魔法を作り出すやもしれません)
 登山技術を駆使して行くも良し。飛べる人は飛んだほうが多少楽やもしれません。早く行くことによって、雨の降っている地帯をすばやく抜けるのも手でしょう。
 ダイス目によってはドジっ子属性が付く可能性もありますのでご注意ください。

●章構成
 1章:雨の中の登山。
 2章:山中雑魚戦。
 3章:開けた場所でのボス戦。
33




第1章 冒険 『そこに山があるから』

POW   :    体力や気力で山登り

SPD   :    技や早さで山登り

WIZ   :    魔法や知力で山登り

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

黒玻璃・ミコ
◆心情
確か竜種の一種でしたかね
蛇を型どる水の怪物が居るのを博学なミコさんは聞いた様な気がするのです
ちょっと本気を出して一狩り行きますよ?

◆行動
【気合い】を入れて【POW】で判定
雨季の山がきついのは服や装備がまとわりつくからなのです
ならば最初から着てなければ問題ありません(何)
……と言う訳で水饅頭姿でぷにょぷにょしながら登山を
多少薄暗くとも【暗視】可能な私には問題ありませんし
水で滑りそうな道のりでも【怪力】で地面や岩肌をしっかりと掴んで進めますしね
重い荷物を持ってる方が居たら代わりに持って差し上げましょうか、うふふふ
鉄砲水等の危険も【第六感】が教えてくれるでしょう

◆補足
他の方々との連携も大歓迎



●黒きスライム、野山を征く
 黒玻璃・ミコはブラックタールである。服を一切着ず、そのぷにょぷにょした体をモゾモゾと動かし山を這って進む。
「雨季の山がきついのは服や装備がまとわりつくからなのです。ならば最初から着てなければ問題ありません!」
 降りしきる雨の中、謎の自論を胸に大地をわしっと掴みながら這って進む。なんと偉大な力だろう。KIAIが漲るその黒い液体はどんどんと征く。多少足場が悪かろうと彼女が剥がれ滑り落ちることはない。通った後は草が引き抜かれ大地が多少視えている状態であるが、決して酸性スライム的サムシングで溶けたわけではない。その怪力故なのだ。よく聞けば、彼女が進むたびにブチブチッ、と草の抜ける音が聞こえる。
「ミコさんは知ってます。蛇をかたどる水の怪物が居るという話を。アレも確か竜種。――ちょっと本気を出して狩りますよ?鏖殺しますよ?」
 その眼をランランと輝かせ彼女はマダ見ぬ獲物に心を躍らせる。

成功 🔵​🔵​🔴​

ワズラ・ウルスラグナ
魔物の出る山か。
まあ平和な山の方が珍しい気もするが、だからこそ貴重な平和を取り戻さねばな。
うむ。そしてそれを理由に俺は戦いへ身を投じられると言う訳だ。

さて、山登りだな。
何も無ければ飛んでいくだけだが、地を往くなら爪をスパイク代わりにしよう。
後は体温低下対策に防具改造で地獄の炎を体内で煮えらせておく。纏う方が楽だが、酸欠は御免だしな。

あとはそうだな。戦獄龍終極で巨大化し一気に登っておきたい。
失った生命力は飯を持ち込んで焼いて食って休んで回復する。その暇が作れるだけ速く登れば良い。
可能なら仲間も乗せていこう。あるいは雨雲を薙ぎ払うのも面白いかもな。


茲乃摘・七曜
心情
これは遭難したら洒落になりませんね

事前準備
撥水、防水等水の沁みこまない厚手のローブを纏い雨の対策
ぬかるむ斜面に足を取られ転ばないように靴も登山用のしっかりしたものを選ぶ

行動
頂上に水源があることと待ち構えているのが植物性のモンスターということから川や水路を遡るように登る
「目的とする方向を見失わないようにしなければなりませんね

登山対策
Angels Bitsによる【歌唱】【属性攻撃】【範囲攻撃】で自身の周囲を快適に
※濡れた部分を温風で乾かす、崩れた道を土を作り出し補う

食事
嵩張る水は【属性攻撃】で確保
携帯食料は火【属性攻撃】で温める等、熱量を失わないようにする
「晴れた時に登りたいものですね…やはり



●嵐の予感
「魔物の出る山か。まあ平和な山の方が珍しい気もするが、だからこそ貴重な平和を取り戻さねばな。」
 うむ、とワズラ・ウルスラグナは一人頷き翼を広げる。木々が生い茂り広げるにはやや手狭だが低空を飛ぶ程度には問題ないだろう。
「そしてそしてそれを理由に俺は戦いへ身を投じられると言う訳だ。」
 ニヤリと笑うワズラの横を薄く笑う女が一人。茲乃摘・七曜だ。
「ワズラさんはいつだって楽しそうですね。」
 厚手のローブに身を包み、靴も登山用に履き替えて出発した彼女。事前準備をきっちりしてきたようだ。
「おう、人生は戦いだからな。楽しいさ。さ、行くぞ。乗れ。――振り落とされるなよ?」
 きょとん、とした顔で背におぶさるように乗る七曜。それを確認したワズラは自身に力を込める。グ、ググ、と揺れる。
「グオォォォォ!!!!」
 ぐん、と巨大化する躰。戦獄龍終極。――ワズラは6m近い黒き巨竜となっていた。その巨体で木々をなぎ倒しながら進む。時折背中から小さな悲鳴が聞こえれば止まり、心配するワズラ。巨体に見合わず気遣いのできる紳士なのだ。戦闘狂でもあるのだが。
「ワズラさん、川を遡るように進むのが良いかと。相手の拠点を叩き潰すなら一直線に行くのが正しいでしょう。必要であれば、私が方向をお教えします。それと、私も多少はお手伝いしますよ。濡れっぱなしは少し嫌ですし。」
 そう言って彼女は唄う。Angels Bitに音を乗せて世界に響かせる。声は小さな熱を生み、穏やかな風を紡ぎ、ジメッとした空気を払う。
「ほう、良い力だ。では俺も全力で飛ばす!」
 地獄の炎を体内で煮えさせ、生命力を糧にエンジンをかける。使った燃料は後で補充すれば良い。それだけの時間をこの加速で稼ぐのが狙いだ。
「ちょっと、まだ早く――キャアっ」
 途中の休憩時に、飯を喰らう巨竜相手に魔法で熱した携帯食料(レーション)でぺちぺちと殴る七曜の姿があったとかなかったとか。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

フィン・スターニス
水害を引き起こす可能性のある
オブリビオン、
被害を出さない為に、急いで対処をしないとです。

雨の中の登山は、危ないですし、
空から向かいましょう。
龍神天駆で、雨月様に騎乗します。
一応、雨具もあった方が良いでしょうし、
雨合羽を着ておきます。
防寒対策も、コートや
地球産の懐炉を用意。
あの世界、色々便利な物がありますよね。

何が起こるかわかりませんし、
保存食も数日分は用意します。



●雨中山地舞う龍巫女
 同じく雨対策をしっかりとしてきたフィン・スターニス。雨合羽を着て空を見る。
「水害を引き起こす可能性のあるオブリビオン、被害を出さない為に、急いで対処をしないとです。……しかし、この天候では登るのも危険。雨月様にお願いしましょう。」
 そう呟くと小さな槍、七彩龍【雨月】を握り祈り始める。槍から七色の光が溢れ、光が収まる頃には大きな龍神がその場に現れた。
「雨月様、お願いします。」
 小さな体で龍神によじ登り、そのまま天へと向かう。雨雲を超えることは叶わぬが、地を歩いて登るよりはマシであろう。流石に濡れたまま空へ昇るのは気温もあり寒いためコートを羽織り、懐炉を握りしめ。便利なものが多いですよね、地球って。携帯食料も美味しいですし。特にこの菓子。羊羹みたいでな味付けがなんとも。
 異世界の彼女は文明の利器と龍神に頼りつつ頂きを目指す。その光景はなんとも神秘的で、お伽噺のようであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

葛乃葉・瑠璃
雨の中の登山か…。旅をしているとたまにあるけど、疲れるし勘弁したいよね。でも、魔物は倒さなくちゃいけないし仕方ないか。あっ、一応携帯食料は用意していくよ。

【SPD】
人の姿で行くより、狐の姿の方が動きやすいと判断、狐の姿で一気に山道を駆け上がり雨が降っている地帯を一気に走り抜けます。



●牙をむく空の恵み
「雨の中の登山か……旅をしているとたまにあるけど、疲れるし勘弁したいよね。」
 狐姿で山登りをする葛乃葉・瑠璃。てってって、と軽快に山登りを始めるも途中で木々の倒れている場所を通る。どうしても迂回せざるをえないようだ。
「面倒だね……あっちの川沿いに進もうかな。」
 彼女の勘だ。ずぶ濡れになりながらも川沿いならそのうち頂上に着くだろう。しかし足を踏み出した瞬間。ズルっと足を踏み外す。背中に乗せていたカバンと一緒にコロコロと転がり、川辺の砂利にズサっと音を立てて倒れ込む。
「痛た……もー。汚れちゃったじゃない。」
 一人零し、泥を払う。お腹も空いてきちゃったし、治療も兼ねて一旦ここで休憩としたい。ガサゴソとカバンを漁る。ころんだ拍子で中がごちゃっとしてしまったが壊れたりしたものはなさそうだ。さーて、ご飯にしてさっさと登らないとな、と携帯食料の封を切ったところにゴゴゴ、という異音。地鳴り。狐の毛皮がゾワッとする。
「……一旦離れなきゃ!」
 食べながらカバンを背負い、川辺から離れる。その直後、ゴウっと鉄砲水が川から溢れ出す。道がまた塞がれてしまった。
「おちおちと、ご飯も食べさせてくれないわね。」
 とため息をつきつつ、次の道を探して獣道を行くことにした。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

クラム・ライゼン
「んー、雨だなぁ。
雨は嫌いじゃないけど、こうも降ってると気が滅入……なぁコレ足元ヤバくない?転びそう」

【WIS】
「よーし。みんな、ちょーっち手伝ってくれ!」
防水加工のコート着用。
そんで携帯食料と、ビスケットとかお菓子は防水の鞄に入れて多めに持っておこうか。
センパイ方(※猟兵)に分けたり、欲しがる精霊が居たら渡せるし!

準備ができたら土や風、水の精霊に力を借りつつ、れっつごー山登りだな!
濡れた土で滑らないように足下補強してもらったり、
うっかり迷ったりしないように先導してもらおう。

本来の用途じゃねーけど
〈暗視〉機能付きの眼鏡かけたらある程度暗いとこもイケるんじゃないかな?



●山登り舐めるとちょーやべーってパイセンが言ってた
 雨は嫌いじゃない。降りしきる雨、山の匂い、とっても自然溢れて精霊もたくさんいる。環境自体は好きである。が、登るとなると話は別だ。ちょっとコレは気が滅入る。
「……なぁコレ足元ヤバくない?転びそう。」
 そう呟くと周りの精霊がやべーな、やべーなとからかうように飛び回る。
「よーし。みんな、ちょーっち手伝ってくれ。やべー山登りとしたいんだ。魔物倒して平和を取り戻す。お前らのためにも、な?」
 魔物が出ていることは精霊も承知している。倒してくれるなら、と手を貸す水の妖精。交渉として対価はお菓子。甘い蜂蜜菓子なんかは特に喜んでくれたようだ。
「準備は万端だな、よーし、レッツゴーだ!」
 精霊に足元を固めてもらい、雨もある程度弾いてもらう。こっちこっち、と裏道を教えてくれる精霊も。そのたびにお菓子を配り歩く。まるで菓子の行商人だ。時折からかうように違う道を教えてくれる精霊も居たが、まあそこはご愛嬌。

 突如精霊たちがふっと消える。何事だろうか。暗視付きのメガネを掛け、遠目から見ると植物と一緒に座り込む少女が視えた。あちらもこっち側に気づいたように視線をかわす。本能が告げる、アレは敵だ!

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『アルラウネ』

POW   :    ルナティック・クライ
【聞く者を狂わせるおぞましい叫び声 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    スクリーミング・レギオン
レベル×5体の、小型の戦闘用【マンドレイク(アルラウネの幼生) 】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
WIZ   :    リパルシブ・シャウト
対象のユーベルコードに対し【それを吹き飛ばす程の大音声 】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●幼き草花の巫の儀(イタズラ)
 少女と視線が交わる。――『アルラウネ』、秘境に隠れ住むオブリビオン。甲高い叫び声で惑わし、そのまま養分にする植物型モンスター。それが幼体マンドレイクと共にワラワラと集まってくる。
 群生する彼女らは何故か頭に譲葉を刺していた。何かの儀式の途中だったのだろう。もしくは遊んでいただけか。なんにせよ、こちらに危害をくわえようとしているのは確かである。これ以上数が増える前に倒さねば!
フィン・スターニス
数が多いですね。
見つけてしまった以上、無視もできませんし、
排除しましょう。

数には数で対応です。
先制して、七彩の矢雨を使い、
広範囲を攻撃します。
可能な限り、連続で発動し、
出来るだけ多くの敵を巻き込みます。

魔性の存在に、破魔の祈りが込められた水の矢は、
きっと効果があるはず?

接近された場合は、
薙刀を使い、なぎ払います。
敵からの攻撃は、
第六感と見切りで回避優先。
タイミングが合えば、
カウンターで迎撃します。




「数が多いですね。見つけてしまった以上無視もできませんし排除しましょう。」
 和弓に矢を番え、アルラウネを見るフィン・スターニス。わらわらと増える植物少女の群れ。そして地面から生えてくるマンドレイク。雨後の筍の如く、スポン、スポンと生えてくる。きゃーう、きゃーうと叫びには届かぬが不快な声を発している。
「近寄られる前に掃討しますか。――七色の水は、魔性を滅ぼす雨となる。雨上がりの虹を見ることはできないわ。」
 空に向け矢を放ち、魔法によって水の破魔矢が降り注ぐ。突然の雨に浄化されるマンドレイク。叫び声を上げながら逃げ回るアルラウネ。
 しかし数体は地面に潜ってかわしたようだ。土を掘りながらフィンに接近するマンドレイク。
「よらば斬ります。」
 冷たく言い放ち、攻撃を直感で回避、土から飛び出た瞬間を狙って薙刀を振るう。斬れば一瞬で消滅するが、どうにも数が多い。
「よらねばもう一度、七彩の矢雨を降らせましょう。」
 弓に持ち替え、降りしきる雨と共に矢を空に放つ。

成功 🔵​🔵​🔴​

茲乃摘・七曜
心情
アルラウネですか…見た目以上に警戒がいるモンスターですね

指針
敵の声による攻撃を妨げ仲間の行動を援護する
「より深く響かせて見せましょう

行動
敵の声に被せるようにAngels Bitsと自身での三重の【歌唱】(ミレナリオ・リフレクション)を行い打ち消しを狙う
※【聞き耳】で正確な再現を行う
「対抗意識ではありませんが、私の得意分野はこちらですしね

警戒
人型であることから息を吸い込み声を出すと仮定し
胸部や口の動きを【視力】で観察し
仲間に向けたシャウトやクライのタイミングの【見切り】を行う
「油断なく、しっかりと見定めていきましょう

防御
「マンドレイクは申し訳ないですが皆さんに任せて距離を取らせて頂きましょう


葛乃葉・瑠璃
ふー、やっと着いたと思ったらもう敵がいる!見た目的によく燃えそう…

【WIZ】
【援護射撃】で前衛に居る人達の支援をしながら、フォックスファイアで敵を複数体巻き込むようなデカイ炎を作って焼き払います。味方に危害が及んだり、山火事にならないようにはします。



●交わる歌、鳴り響く声
「ふう……もう交戦してる!敵は……よく燃えそう、かな。」
 狐状態からぽふん、と羽衣姿のヒト型に戻る葛乃葉・瑠璃。ところどころ泥だらけになっているのは登山の激戦故か。
「あら、生きている植物は意外と燃えないものよ?だから油断せず頑張って、ね?」
 ふわりと微笑む茲乃摘・七曜。大人の余裕というやつだろうか。髪が乱れているようだがこれも登山の激戦だろう。たぶん、きっと。
 デバイス『Angels Bits』を浮かせながらアルラウネを見る。可愛い見た目をしているアルラウネ。しかし見た目に騙されてはいけない。彼女はそのことをよく知っている。
「了解!じゃ、行くわよ!しっかり燃えちゃいなさい!」
 狐火を飛ばし、複数のアルラウネを焼く。悲鳴を上げつつも他のアルラウネが消火活動に走る。リパルシブ・シャウトで炎を吹き飛ばそうとしているようだ。めいいっぱい息を吸い、口を開くその前に。
「あら、させませんわ。あなた達の声は、ちゃんと聞かせてもらいましたからね?もう二度と通しません。」
 アルラウネの悲鳴に被せるように音を重ねる。音と音が重なり音が消える。ミレナリオ・リフレクション。アルラウネと七曜と、デバイス、そして雨音の四重奏。悲鳴がかき消され、狐火を消せずに更に直撃するアルラウネ。ぎゃーぎゃー悲鳴を上げながら駆け回る。雨でも消えない魔の炎はアルラウネを燃やし、その数を減らす。
「ふふ、対抗意識ではありませんが、私の得意分野はこちらですしね。さ、攻撃は任せましたよ。」
「任された!雨の中でも私の炎は負けないよ!野菜炒めになっちゃえ!」
 更に炎を飛ばし、バンバン黒焦げの植物少女が出来上がる。多分この植物は食べられないと思うのだが。食べられないよね?食べても多分毒だよそれ。山火事にならないように操り、炎をまとめ、アルラウネを逃さぬよう炎で囲む。力なき悲鳴も七曜の歌によってかき消え、山の中に消えていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

黒玻璃・ミコ
◆心情
あら、随分と可愛らしいモンスターですね
私が目的とする竜種ではありませんし
喧嘩を売らなければ見逃しても良かったのですが……うふふふ


◆行動
【黒竜の恩寵】で防御力UPです
アルラウネの習性を【戦闘知識】で確認した上で
【毒使い】で植物フェロモンを生成し私の方に【おびき寄せ】て壁となりましょうか?
勿論、無防備になぶられる趣味はありませんから
【第六感】と【拠点防御】で判断して被弾は最小限に抑え
油断したアルラウネ達を根を枯らす【生命吸収】と【怪力】を乗せた九振りの蛇腹剣で
次々と【カウンター】をお見舞いし返り討ちにして行きましょう

◆補足
他の猟兵さん達との連携も大歓迎です


クラム・ライゼン
うわ、うっるさ!?……つか多っ!
ハニー(※契約精霊)とどっこい……いや、単体で見るとハニーの方がおっかないか…


【WIS】
・ユーベルコード
「現実再編。侵食拡大を承認。ーー顕言。『光あれ!』」

《追随する光精》使用時は〈高速詠唱〉〈全力魔法〉併用
複数ターゲットに取れるなら
巻き込んで広範囲にばら撒く感じで。

・戦闘
「頼むぜ。ディア、ルフェ!」
ユーベルコード以外の攻撃では主にディア(ドラゴンランス)を使用。
超近接間合いに持ち込まれた場合は
ルフェ(短剣型のロッド)に持ち替え
〈属性攻撃〉でディアかルフェに【火】を纏わせた上で
敵を纏めて〈薙ぎ払〉ったり〈串刺し〉にしたりする。


ワズラ・ウルスラグナ
ふむ。休み過ぎた。
しかし戦いの匂いがすれば居ても立ってもいられんな。
なにせ向こうの方が余程美味そうだ。

さあ焼き払おうか。
なるべく大群に突っ込み、ブレイズフレイムで薙ぎ払う。
敵の無差別攻撃で同士討ちを狙う為だが、当然俺自身も被弾は増えるだろう。
が、激痛耐性でそれらは無視する。
寧ろその隙を突いて捨て身のカウンターを叩き込む。
周りも次々に焼いていく。火が足りなければ戦獄龍焔珠も用いよう。
雨季で湿気た草木ならば火は付かずとも爆ぜ散るだろう。
まあ消し炭になるまで焼いてやっても良いが、それは愛すべき敵次第だ。

例え敵が水の魔物でも蒸発するまで焼き尽くす。
湿気た程度で我が戦獄を抑えられると思うなら来るが良い。



●天涙に咲く紅い火華
「うわ、うっるさ!?……つか多っ!」
 金切り声でぴーぴー騒ぐアルラウネ。たしかに煩い、がクラム・ライゼンには思い当たる声でもあった。彼の契約精霊、愛しき激情の君だ。彼女の悲鳴もなかなかに煩いのだ。単体で見れば彼女のほうが恐ろしいぐらいだ。
「確かにうるさいわね。見た目はずいぶんと可愛らしいモンスターですけども。」
 ぷよんぷよんと黒玻璃・ミコが跳ねながら言う。彼女の知識にもあのモンスターはいる。竜種ではないのであまり興味はないのだが、此奴等を蹴散らせば目的のヤツも出てくるかもしれない。それになにより。
「売られた喧嘩は買いませんとね……うふふふ。」
 植物相手なら毒が効くだろう。おびき寄せるためのフェロモンもすなわち媚薬。毒であるのだ。彼女はソレを作ることができた。
 フェロモンにおびき寄せられるアルラウネ。しかし攻撃をやめる気は無い。おぞましい叫び声をあげながら突撃してくるアルラウネ。
「いあいあはすたあ……拘束制御術式解放。黒き混沌より目覚めなさい、第壱の竜よ!」
 土壁に隠れながら術を開放するミコ。ぷよぷよした体が黒く硬い竜の鱗に包まれる。その姿は奇妙で不気味で、それでいて強かった。集まってきたアルラウネの攻撃も物ともせず、のらりくらりと鱗で攻撃を弾きながらカウンターを仕込んでいく。その後ろでクラムは詠唱を始めていた。
「よし、集まった好きに潰す!現実再編。侵食拡大要請を承認。以下省略!ーー顕言。『光あれ!』
 光の矢をばらまき、沢山のアルラウネを巻き込みながら貫いていく。しかし数匹は撃ち漏らしたようで数匹のアルラウネが近寄ってくる。
「うわ、やっべ!」
 炎を宿した短剣、ルフェを振り回して薙ぎ払おうとする。すると横からのそり、と大柄な何かが現れ、
 ――ゴウッ、大きな熱量を持ったソレが燃やし尽くす。
「……ふむ。休み過ぎたか。だがこの焼けるような戦いの匂い、居ても経っても居られなくてな。獲物を奪ってすまんな。」
 巨躯のドラゴニアン、ワズラ・ウルスラグナがそこに居た。あの火炎は彼の地獄、ブレイズフレイムのものだ。
「……いや、助かった、さんきゅーな!」
 へら、とクラムが笑う。つられてワズラも笑う。しかし、その笑みは獲物を見つけた獰猛な獣のソレだ。
「では、俺も行こうか。愛すべき敵が、どれだけのものか、楽しみだな!」
 ワズラは敵陣へ突っ込む。ど真ん中は耐久盾をしているミコのところだ。そのミコは怪力を載せた、生命吸収の蛇腹剣で自己を回復させながら蹴散らしていた。
 その彼女の第六感が告げる。――あの竜人、美味しそう、と。味見したいなぁ。ものすごく、焼き焦げた、暴力的な味がしそうかしら。
「そこの黒いの、巻き込まれないようにしろよ!」
「あら、レディを気遣ってくれるの?でも大丈夫、私、強いから。」
 ぽよん、と跳ねて蛇腹剣を近場の樹に引っ掛け逃げる。その地を業火が舐める。ピィ、ピィと悲鳴を上げる植物少女たち。果敢に攻撃を繰り出す者も多少は居たようだが、そもそも痛みに強い彼、その上捨て身で殲滅を図っているのだ。
「もっとだ、もっと楽しませてくれ!」
 雨の中、火柱が上がる。その火が収まった頃、水蒸気の煙の中、のそりと竜人ただ一人が立っていた。
「……あらまあ、ちょっとこれは怖いわねえ。お山の大将がお怒りかしら。」
 ミコが言う。その声につられてクラムが空を見る。雨雲はまだ厚く、雨が降りしきる。その雨の中、大きな気配がひとつ、空から舞い降りた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『水の大蛇』

POW   :    水の身体
【液体の身体により】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
SPD   :    口からの水弾
レベル×5本の【水】属性の【弾丸】を放つ。
WIZ   :    身体の復元
【周囲の水を体内に取り込み】【自身の身体を再生】【肥大化を行うこと】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は宇冠・由です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●蛇は舞い降りた
 雨が強くなっている。川の水かさも増し、いよいよ持って山登りが危険になってきた。
 アルラウネの悲鳴は山に巣食う蛇を起こし、獲物が来たことを知る。水のような澄んだ色。しかし凶悪な力が渦巻き、全てを呑み込まんと眼をランランと輝かせている。
 こいつが水源に巣食う水の魔物、『水の大蛇』と呼ばれるものだ!猟兵たちよ、この大蛇を討ち滅ぼすのだ!
黒玻璃・ミコ
◆心情
あはは、此度の竜種は大いなる水精ですか
素晴らしいです、此の私の渇きを癒すべく全てを飲み干しましょう

◆行動
【黒竜の災厄】で命中率を重視です
此処は【戦闘知識】と【第六感】【水泳】で逆巻く水の流れを読み
【気合い】も入れて
水の流れさえ塞き止める【怪力】を以て愛用の九振りの蛇腹剣で【串刺し】にしてしまいましょう
刀身に塗られた毒は特別製
その身が流れる液体であろうとも容易く薄まる程
【毒使い】の私の切り札は甘くはありませんよ?
そして隙あらば【生命体吸収】でその精力を奪って行きますよ、うふふ
全てが終わったらご馳走様でした( 人 )

◆補足
他の猟兵さんとの連携も大歓迎です


フィン・スターニス
雨の中、相手が最も得意とする状況ですね。
ですが、だからと言って退く訳には行きません。
ここで倒し、水害が起きる事を防ぎます。

第一災禍・赤の灼熱を使い牽制をします。
全てをバラバラに動かし、気を逸らさせます。
使いきったなら、再度発動。
今度は全てを1つにまとめます。
水を補給し回復するのなら、
その水ごと蒸発させましょう。

敵からの攻撃は、見切りと第六感で回避を優先し、
時折カウンターで反撃します。


茲乃摘・七曜
心情
なるほど、こんなものが潜んでいたのですね

指針
敵の回復や移動を阻害し仲間を援護する
「雨季のこの時期に周囲の水を利用されるのは良くないですね

行動
Angels Bitsで【歌唱】を増幅させ
冷気【属性攻撃】【範囲攻撃】【全力攻撃】(極低温の氷風雪)で
水の大蛇の潜む水源を凍てつかせ足場の確保と行動の阻害を狙う
「水場から離すことか…動きを止めることがまず必要でしょうか

特殊
水の大蛇が水源に潜る等、身体の復元に走る場合、『流転』で阻害
「申し訳ありませんが、邪魔させて頂きます

防御
氷結耐性・激痛耐性と盾受けで耐えきる
「歌えなくなるほどではありませんね

真の姿
外見の変化なしで動く際にオルガンのような音が微かに響く


葛乃葉・瑠璃
あんな図体しているなら、炎で蒸発させるのも無理そうだね…。今回は大人しく援護に回るかな。

後ろから【援護射撃】で矢を撃ちまくります。後は機会を見てユーベルコードを使い、敵を捕縛して動けなくしましょう。


ワズラ・ウルスラグナ
おお。本当に水の魔物が現れたか。
我が獄焔を鎮められるか、水蛇を蒸発させられるか。
心行くまで楽しませて貰おうか。

望むのは真向勝負。
【武器改造】【防具改造】に、ブレイズキャリバーの操る地獄の炎、黒騎士の特性である武具との一体化、加えて【戦獄龍終極】を合わせ、全身を獄焔で覆い尽くす。
持てる限りの最大火力で焼き尽くす。
仲間を巻き添えにしない様に注意し、好機と有れば【戦獄龍狂嵐】も使おう。

摩擦抵抗とやらが獄焔を軽減出来るものか。
水の弾丸が焔の壁を貫けるのか。
取り込むだけの水が周囲に残っているか。
さあ、試してみるが善い。
今回ばかりは愚直で構わん。正面からただ真っ直ぐに挑ませて貰おう。


クラム・ライゼン
うお、デカッ!?
すっげー、この体積殆ど水か!竜、と言うより精霊の親類みたいなもん?
……アレと一緒にするな?ごめんて!

戦闘/ユーベルコード
【WIS】
「虚構構築。簡易接続完了…以下省略!ーー契言。『出番だぜ、我が愛しき激情の君!』」
「ボリューム最大で頼むぜ、ハニー!」
〈高速詠唱〉+〈全力魔法〉併用
慟哭する女性型の精霊を呼び出し行動阻害を狙う
先輩方(※猟兵)と協力できそうならこの間に集中攻撃を叩き込んで貰おっか

ユーベルコード以外の攻撃ではディア(ドラゴンランス)を使用。
超近接間合いに持ち込まれた場合は
ルフェ(短剣型ロッド)に持ち替え
〈串刺し〉にしたり〈属性攻撃〉で氷や光属性などを武器に付与しつつ戦う



●空に浮かぶ蛇神
 水の大蛇は猟兵たちを見るや牙を剥き威嚇する。雨の中浮かぶその姿は猛々しく、見るものを恐れさせる強さがあった。しかし猟兵達は怖気づくことはない。
 ――あるものは獲物として。
 ――あるものは強敵として。
 ――あるものは興味を持ち。
 ――あるものは覚悟を決め。
 其々の意思と思惑を抱え、かの強敵に相対す。

●水湛えた蛟 
「あはは、此度の竜種は大いなる水精ですか。素晴らしいです。この私の乾きを癒すべく、あなたの全てを飲み干しましょう!」
 楽しそうに笑う黒玻璃・ミコ。ここまで立派な水蛇であればもはや蛟。蛟は竜。彼女にとっては狩るべき幻想。喰らうべき糧。その横で何やら騒いでいるクラム・ライゼン。
「殆どが水か!竜というより精霊の親戚?……アレと一緒にするな?ゴメンて!じゃあ竜退治といこうか!」
 一人で騒いでいるようで、彼の周りには信頼している契約精霊がいる。一人ではない。周りにも猟兵のセンパイ達がいる。実際、ミコは既に動き出していた。
「いあいあはすたあ……拘束制御術式開放。黒き混沌により目覚めなさい、第弐の竜よ!」
 ブラックタールよりもなお深く昏い影が伸びる。彼女の戦闘知識と第六感は的確に大蛇の動きを読み、大蛇の水に絡みつくように混ざり合う。大蛇は体の水を更に激しく全てを洗い流そうとするも彼女の毒は確実に大蛇を構成する水を蝕む。
 荒れ狂う水蛇。その怒りに呼応するように雨は更に強くなり水かさの増す川。大蛇は一旦川へと飛び込み水を取り込み始める。毒を薄めようとしているようだ。
「っと、させないよ!」
 少し離れていたところから様子を伺っていたフィン・スターニスが火球を放つ。牽制として放ったその攻撃は水蛇の口から放たれる水弾によって迎撃される。気は逸れたかもしれないが、それでも水場から離れる気は無いようだ。
「ならばもう一度!封印解除、赤色の魔力を糧とし、第一の災い、此処に発現せよ!次は全てを蒸発させましょう!」
 火球を集わせ巨大な塊としたフィンは大蛇に思いっきり投げつける。水を取り込み、巨大化した大蛇は尾を思いっきり振りかざし、真っ向からそれを受け止めにいく。
 ――ズドーン!
 水蒸気が爆発する。黙々と上がる煙。しかしそこには未だ大きな蛇が動く影が視えた。
「少しコレはマズイですね……埒があきません。」
 帽子のつばを深くかぶり雨を凌ぐ茲乃摘・七曜。雨と川、環境が悪すぎる。まずはコレを止めにかからねばジリ貧、とすれば。
「Angels Bit、起動。冬空を思い出す、この歌を。」
 オルガンのような音が空に響く。冷たく、硬質な音。張り詰めた声。それに呼応するかのように雨が霰に変わり、雪に変わる。地を撫でる冬風。手に持つ拳銃からも銃声を鳴らし、空気を震わせる。ピシ、と大地が凍る。霜柱が生える。――川が、凍り始める。
「―――!!」
 声にならぬ声を出し大蛇は空へ逃げる。自らの領域が人間ごときに奪われてなるものか!と言わんばかりに唄う七曜へ水弾を放つ。とっさに盾を持ち出しそれを防ぐも歌は途切れ、冷気が徐々に去る。その隙きに水場へ戻ろうとする水蛇。
「……ですが、歌えなくほどではありませんね。そして、もう逃しません。万物流転。有限が作り出す無限の円環……幽玄たる時間の監獄へようこそ。」
 鳴らした銃声は凍らせる小道具だけでなく、捕えるためのギミック。浮かぶ魔導弾から大蛇に向かって七曜の杭が放たれる。その杭は大蛇を止め、川へ戻ることを禁ずる封印式。
「今なら確実に止められる!」
 後方から狐火と雷上動の弓矢で援護していた葛乃葉・瑠璃が護符を取り出し投げつける。
「七曜から七星に、星の籠にて魔を縛れ!――七星七縛符!」
 瑠璃が印を刻み、更に強固に大蛇を封じ込める。ギチ、と水の牙を鳴らし猟兵たちを憎々しく睨む。
「さて、薄められてしまった毒、もう一度流し込みませんとね。次は特別製。もっと濃く深く喰らってあげますよ?うふふ。」
 ミコがもう一度影を伸ばし、そして同時に九振りの蛇腹剣を振りかざす。影と蛇腹剣の毒を注ぎ込み青い水蛇の色をどんどんと濁らせる。だがその眼は闘志を宿らせ、その巨体で暴れ封印をぶち破る。
「ほう、まだやるとはなかなかではないか。これなら心行くまで楽しませて貰えそうだ。」
 ノシ、と現れるワズラ・ウルスラグナ。巨大な斬鉄剣を担ぎ、大蛇を見る。周りからの援護があるものの、ワズラの眼に映るのは心滾らせる愛しき強敵のみ。
「俺が望むのは真っ向勝負。全身全霊を込めた果たし合い。ソレ以上はいらぬ、言葉もいらぬ。では、行くぞ!」
 命を燃やし、武具を、自身を巨大化させるワズラ。その大きさは膨れ上がった大蛇と相違ない大きさ。大怪獣バトルさながらである。周りの猟兵たちも息を呑む。だが大蛇は体を震わせ、無数の水弾をワズラに集中して飛ばす。瞬時に百を超える数の弾幕。それに対応して自身の地獄を獄焔で覆い尽くし、蒸発させる。数発は貫通して通るものの、それでも戦獄龍は止まらない。その剣で、その尾で水蛇を殴りつける。灼熱の武具は水蛇の体を蒸発させ、弱体化させる。いかに水であろうとも、全てを流しきることはできなかった。何より、縛られ、毒に侵されているのも大きい。
「今がチャンスだな、あのでっかい龍には悪いがここで畳み掛ける!虚構構築、簡易接続完了……以下省略!――契約。『出番だぜ、我が愛しき激情の君!』ボリューム最大で頼むぜ、ハニー!」
 クラムが畳み掛けるように魔法を使い、精霊を呼び出す。激情の君。愛しきハニー。ビン、と空気が震え甲高い声が響く。その声は蒸発した水を吹き飛ばし、怨嗟を以て大蛇を封じ込める。ワズラも多少巻き込まれたが気にする様子もなく、そのまま本能のままに楽しげに大蛇を殴りつけている。バーサーカーである。
「では私も失礼してっと。」
 ミコが蛇腹剣を振り回し、大蛇を貫く。生命力を吸収しゆっくりと、味わうように精力を奪う。黒い躰がぷるんぷるんと喜びに震える。あぁ、これぞ龍の味。
「ご馳走様でした。残り滓はもういりませんよ、うふふ。」
 蒸発し、体積の減った大蛇はもうボロボロで。そのままワズラに踏み潰されて息の根を止められた。それも蒸発し、跡形もなく消え去り。

 雨が止んだ。空には雲から太陽が覗かせて。蒸気ただよう地に、光が反射し虹が空に咲く。全てが終わり、この山にも平穏になるだろう。そんな清々しい風が吹いていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月26日


挿絵イラスト