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定時退社をキメろ!

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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 積みあがる段ボール、鳴り続ける電話。ちょっとした息抜き程度に始めたことがどうしてこんなことになってしまったのか。
「このままでは、最悪な自体が起こり得るかもしれん。」
 代表と思しき男が、社員たちに苦虫をかみつぶしたような顔を向ける。そんな彼の様子を見て、キマイラたちは息を呑んだ。
「そう……残業だ。」
 一瞬にしてその場は喧騒に呑まれた。
「待ってください!僕は明日の朝が受理期限のプレイングが20個以上も溜まってるんです!残業なんてしたら、とても書き上げられない!」
「わ……私も、今日はお気に入りの絵師様が20時に窓開けするって……」
 狼狽するキマイラたち。だがそれは、代表の男も同じだった。
「俺だって、今日はRPをする約束がいくつもあるんだ!!だが、この状況では……」
 窓の外を見ると、そこには怪人達の姿が見て取れた。資材を運ぶ者、電話を掛ける者、その様子を見れば、ターゲットがここであることは火を見るよりも明らかだった。仕事を放棄し、脱出しようなどと考えれば、奴らの餌食となることは明白だ。
「やるしか……ないのか……?」
 積みあがる仕事を前にし、キマイラたちは途方に暮れていた。

●緊急配備態勢
「よく来てくれた。社畜……もとい、猟兵の諸君。」
 セゲル・スヴェアボルグ(ドラパラ・f00533)は集まった企業猟兵たちへと、説明を始めた。
「どうやら、旧人類である怪人たちが、残業を美徳としてキマイラたちに押し付けようとしているらしい。」
 遊ぶことが生き甲斐であるキマイラたちにとって、残業などという文化は毒に等しい。そもそも、この仕事ですら彼らにとっては一種の遊びだったのだ。それを強要されるなど想像だにしなかったのだろう。
「まぁ、お前さんたち猟兵にとっては、定時という概念は無いに等しいかもしれんが、ここは人助けと思って、彼らの定時退社のために協力してやって欲しい。目標はもちろん、この状況を作り出した怪人の撃破だ。」
 そのためにはまず、事務所を脱出する方法を考えねばならない。強制労働を強いてくる怪人たちを猟兵たちの持論で叩き潰す必要があるのだ。怪人たちの古めかしい因習を断ち切ら無ければキマイラたちに未来はない。彼らがサービス残業を是とする社畜となってしまう前に救い出してほしいとのことだった。

「あぁ、因みに残業手当はつかないので、タイムカードは17時には切るようにしてくれ。それでは、健闘を祈る。」

 猟兵たちの労働環境が改善されるには、まだまだ時間がかかりそうだ。


弐呉崎
 忙しい最中、定時退社をするのが難しかったりもしますが、私は割と容赦なく帰ります。弍呉崎です。

 残業、賃金、その他待遇。きっと思うことはいろいろあるでしょう。とりあえず、自らの労働に対する思いをぶつければ何の問題もありません。一種のネタ依頼ですからね。

 また、今回の依頼では成否判定によって、以下のように時間が進行します。

 大成功🔵🔵🔵……15分経過します。
  成功🔵🔵🔴……30分経過します。
  苦戦🔵🔴🔴……45分経過します。
  失敗🔴🔴🔴……60分経過します。

 猟兵たちが職場に到着するのは午前9時、終業時刻は午後5時となっていますので、休憩時間の1時間を除いた、7時間の間にシナリオをクリアできるように頑張りましょう。
 なお、シナリオそのものの成否には影響しません。

 それでは、皆様のプレイングをお持ちしております。

●スケジュールの都合でプレイングをお返しする場合があります。その場合はマスターページの方でお知らせさせていただきますので、一度ご確認いただければ幸いです。
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第1章 冒険 『旧人類ソウル』

POW   :    怪人が広めたい伝統文化は無視無視、あなたが伝えたい伝統文化を熱く語ろう。

SPD   :    怒涛の持論を展開して、キマイラ達をその気にさせよう。スピード感と語感でだいたい何とかなる!

WIZ   :    怪人の広めた話のおかしい所を鋭く指摘しよう。キマイラ達に尊敬されること請け合い。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リシェリア・エスフィリア
私は何処かで働いたことがあるわけじゃない、けど
キマイラたちが苦しんでいるのは、よくわかった。
なんとかしてあげたい、ね。
不当な残業だめ、ぜったい。
【wiz】
定時退社。
その響き、とても魅力的に聞こえる

仕事をこなすため残業で無理をする
そのうちにその無理が当たり前になり無理が膨れ上がっていく
今はいいかもしれない
でも、未来を考えるなら無理を前提とした仕事なんて、限界を迎え破滅に至る

今だけじゃなく、未来のために
そのために定時退社は、不可欠
帰ることを、恐れないで

※できるだけ優しく語りかけて、まずは社員たちの洗脳をやわらげるよ
疲れがあるようなら【青水銀の旅路】で癒しを与えるね
まずは不当な残業と戦う活力を


ベルベナ・ラウンドディー
例えば、ある国のデータです(資料用紙ひらり

その国の生産性は世界第3位だがこれを労働人口で割る
すると1人当たりの生産性が求められ14位に下がる
更に労働時間で割って1時間当たり1人当たりの生産性は40位近くまで序列が下がる
つまりクソな仕事を人数と時間任せのハードワークでごまかして
普通のレベルに底上げしてるのに過ぎないのです
(メガネくいっ


残業前提で成立するビジネスモデルなんてそもそも最初から破綻しています
家庭や趣味の両立が出来ない心の貧困を輸出する…
こんなクソな仕事に誇りを持つべきでしょうか?
胸を張って社会に参加していると言えますか?
貴方達の持つべき誇りは違うところにあるんじゃないですか?(鼓舞) 



●帰宅する勇気
 キャパシティーを超える業務に追われ、阿鼻叫喚するキマイラたち。そんなもとに、彼らを救済すべく立ち上がった猟兵たちが姿を現した。
「不当な残業だめ、ぜったい。」
 リシェリア・エスフィリア(蒼水銀の魔剣・f01197)が開口一番にキマイラたちに告げる。
「私は何処かで働いたことがあるわけじゃない、けど、あなたたちが苦しんでいるのは、よくわかった。」
「よくわかるって?働いたことがないって言ってやがるくせに、俺らの一体何がわかるってんだ?」
 疲労の蓄積したキマイラたち。おそらくビタミンも欠乏しているのだろう。自律神経が乱れ情緒が不安定となった彼らは、少女に向けて侮蔑の視線を向ける。しかし、リシェリアは臆することなく、その優しさを向ける。 彼女の手に握られるのは蒼く輝く長剣。おおよそオフィスには不釣り合いなそれを彼女はキマイラたちへと向ける。当然、攻撃のためではない。まずは不当な残業と戦う活力を彼らに与えるため、溜め込んでいた生命力を放出したのだ。キマイラたちを暖かい光がつかむと同時に、リシェリアの顔にわずかには疲労の色が見て取れたが、彼女は意に介さることなく言葉を続けた。
「定時退社。」
 その響きは彼女にとっても魅力的に聞こえると同時に、凍り付いていたキマイラたちの心を揺さぶり始めた。彼女の放った【蒼水銀の旅路】の癒しの力も相まってか、キマイラたちの疲れと緊張が徐々にほぐれていく。
 すると、そこに畳みかけるかのように、一人の竜人――ベルベナ・ラウンドディー(ドラゴニアンのバイク乗り・f07708)がなにやら分厚い資料を取り出した。
「あなた方に魅せねばならないものがあります。これは、ある国のデータです。」
 その中身を要約すると、その国の生産性は世界第3位だが、これを労働人口で割ると1人当たりの生産性が求められ14位に下がり、更に労働時間で割って1時間当たり1人当たりの生産性は40位近くまで序列が下がる……とのことらしい。
「つまりクソな仕事を人数と時間任せのハードワークでごまかして、普通のレベルに底上げしているのに過ぎないのです。」
 一通り説明を終えると、彼女はおもむろに自らの中指を立てた。そして、その指は寸分の狂いもなく、彼女の竜頭にフィットした眼鏡のフレームを捉える。衝撃により眼鏡はわずかに上下運動をしたが、間もなく再び定位置へと収まった。
「あ、あれはまさか……!」
 ベルベナのさり気なくも、何かを引き寄せるような行動を目の当たりにしたキマイラたちに動揺が広がる。
「そう、あれが眼鏡着用者にのみ許された、究極の奥義――メガネクイッだよ。」
 何故キマイラたちがそこに食いついたのはわからない。だが、これを好機ととらえた二人は最後の一押しと言わんばかりに労働に対する内なる思いを叩き付けた。
「そもそも、残業前提で成立するビジネスモデルなんて、最初から破綻しています。」
 ライフワークバランスの重要性が叫ばれる昨今において、家庭や趣味の両立が出来ない心の貧困を輸出するというのは、もはや常識といってもいい。
「こんなクソな仕事に誇りを持つべきでしょうか?胸を張って社会に参加していると言えますか?貴方達の持つべき誇りは違うところにあるんじゃないですか?」
「今だけじゃなく、未来のために。そのために定時退社は、不可欠。帰ることを、恐れないで。」
 仕事をこなすため残業で無理をすれば、そのうちにその無理が当たり前になり無理が膨れ上がっていく。今はそれでいいのかもしれない。だが、未来を考えるなら無理を前提とした仕事など限界を迎え、いずれ破滅に至る。若い見た目から想像できないような説得力のある言葉。二人の尽力により、ついに一部のキマイラたちがその重い腰を上げた。
「そ、そうだよな。たしかにその通りだ。それにあんなすげぇものを見られたんだ。よし!俺は覚悟を決めた。ありがとよ、嬢ちゃんたち。」
 数名のキマイラたちが、いまだ終わらぬ仕事と仲間を部屋に残し、裏口へ向けて颯爽と駆けて行く。迷いの吹っ切れた彼らの顔は、どこか溌溂としていた。
 しかし、彼らの去った時間は午前11時。まだ定時ですらないということに、その場にいる者たちは果たして気付いているのだろうか。唯一社長だけが、何とも言えない表情を浮かべていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

田中・ストロベリー
ストロベリー、まだ学生だから社畜とか休日出勤とか、よく分かんないや。
でも、滅ぼすべき邪悪であることは分かるよっ。

【SPD】
まずはToDoリストを作って仕事の優先順位を決めていこうね。漫然と仕事を進めて17時直前にあれもこれも終わらせなきゃっ……て追い詰められると困るから。
それに今持ってる仕事をリストアップして明確にしておくと時間管理もし易いし。これは何時までに終わらせようとか、何時からこの仕事に取りかかろう、とか。
なにはさておいても執務時間内に仕事は終わらせてアフターを楽しもう! って気持ちが大事。それが仕事の原動力にもなると思う。最初から時間外労働を是とした勤務姿勢には徹底して否を唱えるよ!


竜洞・梓
ぷえ、しゃちく……?
え、師匠、どうしたんですか!?え、「労働は悪い文明、破壊する?」
……わかりました!粉砕しましょう!
【WIZ】
というか。
仕事が時間内に終わらない…
それって仕事の配分とタスク管理が上手くいってないんじゃないでしょうか。
なら人手を増やすとか、作業を分担するとかできますよね!間に合わなければ明日に回せばあいですし!
大丈夫!社会経験のない学生の私でもそのくらいは思い付きます!(ぽや)
妖精さんにも手伝ってもらいましょう!がんばりましょう!(ほやほや
(通信)…?師匠?泣いているんですか?
な、何か悪いこと言いましたか、わたし!?



●学生でもわかること
 帰宅の途に就いたシャイたちを見送るキマイラと猟兵たち。オフィス内に僅かな続く静寂。ふと、我に返った社長が
この状況を危ぶんでか声を荒げた。
「いやいや、帰ったあいつらの分の仕事はだれがやるんだよ!!!!?」
何やらいい話のような雰囲気になってはいたが、それが勘違いであることに彼らは気が付いた。オフィスは再び喧騒に包まれ、帰宅者たちに対しての恨み言も飛び交い始めていた。
「狼狽えている場合ではないでしょう?」
魔法少女のような出で立ちのドラゴニアン――竜洞・梓(まじかる☆どらくる・f11833)がキマイラたちに突然の喝を入れた。
「帰ってしまった人のことなど、気にしたところで後の祭りです!というか、仕事が時間内に終わらない……それって仕事の配分とタスク管理が上手くいってないんじゃないでしょうか。なら人手を増やすとか、作業を分担するとかできますよね!間に合わなければ明日に回せばいいですし!」
 梓はその要たる人手が大量に去ってしまったことにはあえて触れなかった。いや、忘れているだけなのかもしれない。
「いや、その人員が足りないというのが現状なんだがなぁ……」
「はわわ……!そうでした!それなら、妖精さんにも手伝ってもらいましょう!」
 こんなぽやぽやした少女に任せても大丈夫だろうかと、社長一同、行く先に不安を覚えた。だが、他にすがるものはないのだ。
「人手が多少なりとも増えたのはいいが、結局、具体的にはどうするんだ?」
「なら、それはストロベリーから提案するね。」
 もう一人の少女が名乗りを上げ、自信ありげに答えを述べ始めた。梓と同い年の女子高生である、田中・ストロベリー(👧女子高生探索者👧・f00373)だ。
「まずはToDoリストを作って仕事の優先順位を決めていこうね。漫然と仕事を進めて17時直前にあれもこれも終わらせなきゃっ……て、追い詰められると困るから。それに今持ってる仕事をリストアップして明確にしておくと時間管理もし易いし。これは何時までに終わらせようとか、何時からこの仕事に取りかかろう、とか。」
 彼女の提案にほほうと感心するキマイラたち。だが、社会経験のない学生である彼女たちにでも思いつく程度のことすらできないこの職場のレベルは、一体どうなっているのだろうか。
「なにはさておいても執務時間内に仕事は終わらせてアフターを楽しもう! って、気持ちが大事。それが仕事の原動力にもなると思う。最初から時間外労働を是とした勤務姿勢には徹底して否を唱えるよ!」
 そう、結局のところ気持ちの持ちようなのだ。尻込みしていても何も変わらない。若いながらも、彼女はそれをよく理解しているのだ。
「正直、まだ学生だから社畜とか休日出勤とかよく分かんないけど……でも、滅ぼすべき邪悪であることは分かるよっ。」
「そうですよ!労働は悪い文明、破壊するって師匠も言っていましたからね。粉砕しましょう!」
というような感じで少女達がキマイラたちを鼓舞していると、突如、竜洞に通信が入る。
「……?師匠?泣いているんですか?な、何か悪いこと言いましたか、わたし!?」
 そんな梓の様子を横目に、ストロベリーは作業の詳細を説明し始めた。キマイラたちに一筋の光明が差したように、その眼には活気が戻っていた。彼女の合図を皮切りに、キマイラたちはこぞって仕事のリスト化を始めた。だがしかし、時間は既に午後0時。昼休みを前にして、誰も仕事そのものには手を付けていないのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

神羅・アマミ
「クビじゃー!お前ら全員、クビじゃー!!」
ヒゲメガネ・カンカン帽・扇子という、精一杯重役っぽい出で立ちで事務所に乗り込む。
「コーポレートガバナンスがコンプライアンスで、アウトソーシングのライフハックもろくにできん奴はクビじゃー!!」
適当に聞きかじった横文字を適当に並べる。
「今の話が理解できんか?だから貴様らはクビなんじゃー!!」
住民の強制退去を試みる。

無論、怪人達から反抗は受けるだろう。
「何?本社から連絡を受けていないじゃと?ここの管理体制は一体どうなっとるのかね!即刻解体じゃよー!」
いよいよとなれば社を裏から操る「影の本社」とか「闇の本社」とか無茶苦茶な存在を捏造してマウントを取り続ける。


ジャスパー・ジャンブルジョルト
●「パフォーマンス」で大袈裟に怪人たちをアジり、キマイラたちを馘という形で解放する

そう、残業は正義!
いや、残業に限らず、すべての労働が正義!
嗚呼、社畜が身を粉にして会社のために働く様はなんと美しいことか!
……でも、社畜が会社に利をもたらすとは限らないんだよな。ほら、この程度の残業でひーこら言ってるキマイラどもを見ろよ。こんな無能な連中に仕事を任せてたら、会社が傾いちまうぜ。さっさと馘にしようや。
なあに、代わりの社畜は沢山いるさ(猟兵たちを指さす)

なお、JJ自身は残業(戦闘パート)せずに定時(第1章)で帰る模様。
他の猟兵の引き立て役や調子に乗って痛い目を見る役など、お好きなように扱ってください。



●リストラ
 腹が減っては戦はできぬとは言うが、悠長に昼食をとっている余裕はあるのだろうか。そんな状況を尻目になかなか進まない仕事。程なくして進捗状況を確認しに来た怪人が現れる。
「なんだなんだ?全然進んでいないじゃないか。こんな状況で納期に間に合うと思ってるのか?」
 それを待ち構えていたかのように、一人の少女が声をあげる。
「クビじゃー!お前ら全員、クビじゃー!!」
オフィス内に響く突然の解雇宣言。ヒゲメガネ・カンカン帽・扇子という、本人なりの精一杯重役っぽい出で立ちで現れたのは、神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)。
「コーポレートガバナンスがコンプライアンスで、アウトソーシングのライフハックもろくにできん奴はクビじゃー!!」
 適当に聞きかじった横文字を適当に並べているため、言葉そのものにはほぼ意味はない。だが、キマイラも怪人も自分たちが聞き慣れない単語と、その場の雰囲気にのまれ、たじろいでいるようだ。
「今の話が理解できんか?だから貴様らはクビなんじゃー!!」
「まるで意味が分からんぞ!!?大体そんな話は貴様らが決めることでは……」
「何?本社から連絡を受けていないじゃと?ここの管理体制は一体どうなっとるのかね!即刻解体じゃよー!」
「与えられた仕事をこなすのは当然の義務だ。解体などそんなことが許されるはずはない。残業だろうが徹夜だろうが、できるまでやるのが当たり前だろ!」
 支離滅裂なやり取りが続く中、それを後押ししようとしたのだろうか。一人のケットシーが口を開いた。
「そう、残業は正義!いや、残業に限らず、すべての労働が正義!」
 これまでの猟兵たちと異なり、労働を是として唱え始めたのは、ジャスパー・ジャンブルジョルト(JJ・f08532)。
「嗚呼、社畜が身を粉にして会社のために働く様はなんと美しいことか!……でも、社畜が会社に利をもたらすとは限らないんだよな。ほら、この程度の残業でひーこら言ってるキマイラどもを見ろよ。」
 そこにいるのは狼狽するキマイラたち。いや、大半はこの状況に驚いているだけなのだが
「こんな無能な連中に仕事を任せてたら、会社が傾いちまうぜ。さっさと馘にしようや。なあに、代わりの社畜は沢山いるさ。」
 すると、ジャスパーは何を思ったのか、他の猟兵たちを指さした。確かに彼らなら残業に太刀打ちできるだけの力と根性は持ち合わせているだろう。その働きぶりからも、ここにいるキマイラたちより役に立ちそうなのは確かだった。
「ほう?ならば貴様らがこの仕事全てを処理すると、そう言うのだな?――おい、そこにいる社長。旧社員は現時点をもって解雇だ。新しい社員の登録をさっさと済ませるんだ。」
「何を言っておる?解雇されるのは貴様らもじゃぞ?」
「だから、貴様に何権限あってそんなことを……」
「わかっておらぬようじゃな、妾は貴様ら怪人の会社を裏から操る影の本社より使わされた検査員であるぞ。貴様らの処遇も一任されておる。それがどういうことかわからないほど馬鹿ではあるまいな?」
 影の本社、そんなものは当然、アマミのでっち上げた嘘である。普通ならばそんなものを信じるはずもないのだろうが、怪人たちにはなぜか通用したようだ。
「馬鹿な……影の本社だと……?まさか、本当に実在していたというのか!!?」
「お、じゃあ晴れて仲良く全員リストラってことだな。これで万事解決だ。」
 社畜にとって、上層部の命令は絶対。失意に沈む怪人とキマイラたちは続々とその場をあとにする。いや、社長にキマイラたち解雇を是とした覚えは全く持ってないのだが、その場の流れに皆流されてしまったようだ。残されたのは猟兵たちと頭を抱える社長ただ一人。当然、猟兵たちがいる間は仕事は回せるのだろう。だが、彼らがいなくなった時、果たしてこの会社はどうなるのか。
「じゃあ、あとは任せた。俺は帰らさせてもらうぜ。」
 退室する者たちに便乗するように、ジャスパーはその場を去ろうとしていた。しかし、彼の身長ではドアノブになかなか手が届かず、扉の前であたふたしていた。そんなことをしていると、突如扉が勢いよく開かれた。その勢いにジャスパーの軽い体は吹っ飛ばされ、そのままオフィスに溜まるの書類の中へと沈んでいった。午後1時30分。そこに現れたのは、先ほど解雇宣言された怪人たちと似た風貌をした、新たなる企業戦士たちだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『働き蜂戦闘員』

POW   :    御槍奉公
【槍】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    飛行モード
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ   :    数で圧す
自身が戦闘で瀕死になると【さらなる増援】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「何やら様子がおかしいと思って来てみれば、この体たらくというわけか。」
 企業戦士のひとりがこの状況を見て呟くが、その声に覇気は無く、疲労困憊といった様子だ。そう、度重なる残業と長時間労働により、彼らは過労で倒れる寸前なのだ。
 僅かな精神の揺さぶりですら倒れてしまうであろう、満身創痍の怪人を叩くことは少々気が引けるが、彼ら怪人のような犠牲者をこれ以上増やすわけには行かない。
 猟兵たちは心を鬼にして、目の前に迫るブラック企業の刺客たちに相対するのであった。
神羅・アマミ
「のぅ…お前らもクビじゃ…帰って良いぞ…『ローシコーショー』はそこの社長と話をつけておくからの…」
闇の本社から来た影の役員というネタをまだ引っ張ろうとする。
「もう働かなくていいんじゃ…好きなだけお布団の中でぬくぬく寝てもいいし、美味しいものをたらふく食べて、TVをごろごろ観ながら一日を終えてもええんじゃぜ…?」
物理攻撃より優しい言葉の方がかえって効果があるのではないかという狙いで精神面から攻める。
戦意喪失から自然消滅まで繋げられたら御の字だが、それでも戦闘に及ぶなら軽く小突いて早期ご退場を願う。

敵が既に満身創痍な以上『数で圧す』の発動は避けられないと見て、コード『特機』で一体ずつチクチク刺す。


ジャスパー・ジャンブルジョルト
(書類の中から這い出てくる)くそー。荒事は他の奴らに任せて、さっさと帰るつもりだったのに……こうなったら、しょうがねえ。俺も戦うぜ。
だが、まずは腹ごしらえだ。(オフィスにある飲食物を食べまくる)
ブロック栄養食!(がじがじ)
眠気覚ましのドリンク!(ごくごく)
営業の連中が得意先で貰ってきたビミョーなお菓子!(むしゃむしゃ)……うわー、本当にビミョー。
よし、腹一杯になった! この満腹感を炎に変えて、働き蜂どもを焼き尽くしてやるぜ!(ツィターを火炎放射器にして攻撃)

【戦闘終了後】
こんなブラック企業にいられるか!
今度こそ俺は帰るぞ!


他の猟兵の引き立て役や敵の噛ませ犬役など、お好きなように扱ってください。



●解放
「社員たちはいったいどうした?」
 零細企業とはいえ、そこそこのいたはずのキマイラたちがものの見事にいなくなっている状況を見て、働きバチの姿をした社畜が社長へと問いかけた。
「首にして帰らせたに決まっておろう?無論、貴様たちの同僚もな。」
 頭を抱え、周りの話が聞こえていない状態ととなっている社長の代わりに答えたのは、闇の本社から来た影の役員をいまだに演じ続けている、神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)だった。
「のぅ……お前らもクビじゃ……帰って良いぞ……『ローシコーショー』はそこの社長と話をつけておくからの……」
「何を言っている。我々にとって労働とは義務であると同時に生き甲斐そのもの――」
「本当にそうなのか?」
 社畜たちの反論に、アマミは断固として否を唱える。
「もう働かなくていいんじゃ…好きなだけお布団の中でぬくぬく寝てもいいし、美味しいものをたらふく食べて、TVをごろごろ観ながら一日を終えてもええんじゃぜ……?」
 彼女の放つ甘い言葉が働き疲れた社畜たちの心を揺るがし始めた。何人の怪人たちの気配が薄れていき、安らかな表情でその姿を消失させていった。しかし、そこは歴戦の企業戦士たち。多くの蜂怪人たちは、いまだに健在……とまではいかないが、その場から去るということ良しとはしないようだ。
「流石にしぶといのぅ……ならば実力行使に出るほかあるまい。数で圧すぞ。」
 アマミの雰囲気が先程までとがらりと変わる。そこにあったのは優しさではなく、殺気にも似た感情。それに呼応するかのように彼女の周りに20本程の剣が姿を現した。
「とくと見やれ、ガラクタより組み上げし妾の華麗なる剣舞!せめて一思いに骸の海の藻屑へと還してやろうぞ!社畜どもよ、過労の海へと沈めーッッ!!」
 召喚されたソードビットそれぞれが社畜たちを一体ずつチクチクと刺して回る。仕事だけでなく、人生からも解雇されていくことに苦悶の表情を浮かべる企業戦士たち。だが一方で、その表情はどこか安らかだった。そう、彼らは古より続く悪しき因習より、ついに解き放たれたのだ。

●燃焼
 突如、部屋の奥に積まれた書類が膨れ上がり、何かが這い出してきた。
「くそー。荒事は他の奴らに任せて、さっさと帰るつもりだったのに……」
 そこから顔を出したのは、先程ドアで吹っ飛ばされた猫獣人、ジャスパー・ジャンブルジョルト(JJ・f08532)だ。
「こうなったら、しょうがねえ。俺も戦うぜ。だが、まずは腹ごしらえだ。」
 何を思ったのか、彼はオフィスにある飲食物を躊躇うことなく食べ始めた。ブロック栄養食、眠気覚ましのドリンク、そして、営業が得意先で貰ってきたであろうビミョーなお菓子を、がじがじ、ごくごく、むしゃむしゃと、時々ビミョーな顔をしながらも平らげていく。
「おい、そこの猫野郎!仕事中に食べ物を食うとはどういう了見だ!?」
「今時、そんな考えは古いな。腹が減っては戦も仕事もできないだろ?あと、ついでに言っておくが、俺は猫野郎じゃねぇ。JJだ。」
 小柄なジャスパーの腹が満たされるには、さほど時間はかからなかった。すると、彼は黄金の竜の象嵌が施された赤い民族楽器――ツィターと呼ばれる30本以上の弦が張られた琴のような楽器――をおもむろに取り出すが、それを弾くわけでもなく、何故か社畜たちへと向けた。
「さあ、脂肪燃焼タイムの始まりだ!」
 先程まで膨らんでいたジャスパーの腹がみるみるへこんでいくが、それに比例するように楽器の形状が変化していく。
周囲にいる社畜たちを焼き始めた。すると、蜂の怪人であることが運の尽きだったのだろう、正の走光性によって焼かれていなかった社畜たちもどんどんと焼かれる仲間の元へと飛び込んで切った。炎はますます大きくなり、やがて彼が先程まで埋もれていた書類をも飲み込んでいった。
「こんなブラック企業にいられるか!今度こそ俺は帰るぞ!」
 ジャスパーが再び空腹となると、その炎も一気に衰え始め、やがて大きな焦げ跡だけを残して鎮火された。その様子を見届けた猫獣人は再び扉へ向けて歩き出した。そんな彼の背中に、社長の何とも言えない視線が突き刺さった。果たして、今度こそ帰宅の途に就くことはできるのだろうか。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

竜洞・梓
な、なんか……かわいそうです! そんなよれよれになってまで、お仕事なんて……! 駄目です、休んでください!
(通信)……え? 何ですか師匠? 彼らにはもう仕事から手を引くという選択肢がない? そんな……そんなのあんまりすぎます……。
……かくなる上は、無理矢理にでも休んでもらいますよ!

エレメンタル・ファンタジア! 暴風よ巻き起これ! こんな会社があるからいけないんです! 書類もデータも全部おじゃんにしちゃいましょう!
え、何をしてくれるんだ!?……分かりました。もう取り返しの付かないところまで来ているんですね……成仏してください。

まじかる☆どらくる☆百裂拳!
せめて痛みを知らず安らかに……。



「な、なんか……かわいそうです!そんなよれよれになってまで、お仕事なんて……!駄目です、休んでください!」
 今にも倒れそうな怪人たちを見て、竜洞・梓は(まじかる☆どらくる・f11833)は敵である怪人たちを心配し始めた。そんな彼女のもとに、再び通信が入る。
「……え?何ですか師匠?彼らにはもう仕事から手を引くという選択肢がない?そんな……そんなのあんまりすぎます……。」
 言葉とは裏腹に切り替えが早いようで、彼女は師匠の言葉に従い、強制敵に休暇を彼らに与えるために杖を振るい始めた。すると、オフィス内はたちまち暴風に包まれた。当然、そのような状況になれば、書類も機器類も滅茶苦茶だ。
「おい、一体何してくれてるんだ!!?」
「社長さん……もう取り返しのつかないところまで来てしまったんですね……成仏してください。」
 こんな状況で成仏などできるはずもない。しかも、取り返しのつかない状況にしたのはむしろ彼女なのだが。とはいっても、一応クライアントである怪人たちへも精神的にもダメージは与えられたようだ。だが、まだ彼女の攻撃は終わらない。
「まじかる☆どらくる☆百裂拳!」
 怪人に繰り出されたのは顔面への直接攻撃。僅かなうめき声だけを残し、怪人は沈黙する。
「せめて痛みを知らず安らかに……。」
 彼女のせめてもの慈悲だろうか。果たして追撃が慈悲であるかと言われると些か疑問ではあるが、少なくとも怪人の撃破には成功したようだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

竜洞・梓
まだ……まだ終わらないんですね!
大丈夫、わたしがあなたたちを救ってみせます!
はい師匠!「しゃちく」のみなさんの救済を!(さらなる追撃を唆す
大丈夫です社長さん!今解放してあげますからね!(自分の行動が正義だと信じ込んでいる曇りなき瞳

もう一度エレメンタルファンタジアで……よし、炎の渦で燃やし尽くしましょう!
こうなればどうしようもありません!
火事が起こったら雨を降らせますからばっちりおっけーです!
そしてこんな悪い文明を唆すオブリビオンさんにはまじかるどらくるさよなら拳を食らわせてあげます!
アリーデヴェルチ!



「まだ……まだ終わらないんですね!大丈夫、わたしがあなたたちを救ってみせます!」
 竜洞・梓(まじかる☆どらくる・f11833)は未だに折れぬ社畜を見ると、再び入ってきた通信を切り、その決意を固めた。
「はい師匠!『しゃちく』のみなさんの救済を!大丈夫です社長さん!今解放してあげますからね!」
 もはや救済とは名ばかりの破壊行為。だが、それがかれらのためであると、自分自身の行動が正義だと信じ込んで疑っていないことは、彼女の曇りなき瞳を見れば明らかだった。そんな梓の様子を見た社長は何かを察したのか、急いで部屋の隅へと駆けていき、身を伏せた。その直後、炎の暴風が社畜戦闘員もろともオフィス内を包み込んだ。エレメンタルファンタジアは自然現象を扱う分、その制御が難しい。猛り狂う火炎旋風はオフィス内のあらゆる仕事を焼き尽くそうとしていた。いや、このままではこの場所さえも消し炭になっていまうだろう。
「こうなればどうしようもありません!後は雨を降らせればばっちりおっけーです!」
 熱と水濡れにより、職場内の書類や器材はもはや使い物にならないだろう。これらの器材の設備投資にいったいどれほどかけていたのだろう。保険は適用されるのか?そもそも社員がいない状況で続けることができるのか?そんなことをを考えて頭を抱えている社長にかまうことなく、梓は再びその拳を満身創痍の怪人たちに向かって振りかぶった。
「アリーデヴェルチ!」
 その言葉と同時に、彼女のまじかるどらくるさよなら拳――彼女曰く、悪い文明を唆すオブリビオンを裁く正義の拳らしい――が哀れな怪人たちを安らかな眠りへとつかせていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリシア・マクリントック
みなさん大変でしたね。もう楽になっていいんですよ……いえ、私が楽にしてあげましょう!
……変身!

槍が相手、それも数がいるとあっては剣で戦うのは不利ですね。
……もちろん普通に戦えば、ですが。この技……八艘翔びならばリーチの差も、数の差も関係ありません!
ただ飛ぶだけでは迎撃されてしまいますから、マリアに攪乱してもらって下にも注意を引きつけましょう。

管理能力の無い者の下で働くというのがこのように不幸なことだったなんて……
いつか私が家を継いだ時にはこのようなことが起こらないようにしないといけませんね。



「みなさん大変でしたね。もう楽になっていいんですよ……いえ、私が楽にしてあげましょう!」
 アリシア・マクリントック(旅するお嬢様・f01607)は戦闘員を見やると、すぐさま戦闘態勢に入った。
「……変身!」
 その言葉を合図に、彼女の腰に巻かれていたベルトが光を放つ。量産型戦闘用特殊強化装甲――セイバークロスが彼女を包み込んでいく。数秒後、そこに佇んでいたのは、世間知らずな箱入り娘ではなく、白銀の鎧をまとった一人の猟兵だった。
「槍が相手、それも数がいるとあっては剣で戦うのは不利ですね。」
 だがそれは、普通に戦うということ前提だ。距離があるなら詰めてしまえばいいし、数が多いのであればまとめて叩いてしまえばいい。彼女は手にセイバーエッジを携え、社畜の群れへと飛び込んでいった。アリシアは次々と戦闘員達を足蹴にしながら、一人、また一人と切り伏せていく。彼女のユーベルコード、八艘翔びならばリーチの差も、数の差も関係はない。当然、跳躍の隙を狙う者もあらわれるが、彼女の愛狼であるマリアが噛みつきサポート、社畜達の注意を引き付け攪乱していく。戦闘員達は半ばやけくそ気味に槍を振るうも、絶えず動き続ける一人と一匹になす術はない。既に満身創痍であった働き蜂達が倒れるまでに、さほど時間は要しなかった。
「管理能力の無い者の下で働くというのがこのように不幸なことだったなんて……いつか私が家を継いだ時には、このようなことが起こらないようにしないといけませんね。」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ハートブレイク・チョコレート怪人』

POW   :    ジェラシックフレイム
【チョコレートの頭部から噴き出す嫉妬の炎 】が命中した対象を燃やす。放たれた【嫉妬の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    センチメンタル・ギリチョコワールド
戦闘中に食べた【義理チョコ 】の量と質に応じて【過去の悲しみを糧として】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    ジェラシック・ラブイーター
【嫉妬 】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【とろけるチョコの塊】から、高命中力の【愛を食らう触手】を飛ばす。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠滝舘・穂刈です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 社畜の権化たる働き蜂たちの殲滅を何とか完了した猟兵達。だが、オフィス内の器材や書類、そして社員と、社長が失ったものは多かった。時刻は午後3時30分、小腹を空かせ始めた猟兵達の前に新たなる企業の刺客……いや、この騒動の原因とも呼べる男が、荒れ放題となったオフィスへと姿を現した。だが、やはり彼自身も見るからにやつれている。そこまでして彼を突き動かすものは一体何なのだろうか。だが、彼を倒さねば、ここの社長が救われることはないだろう。すでに手遅れかなのではという疑問が頭によぎった猟兵もいるようだが、それを差し置いても、まずは敵をせん滅することに集中する必要がありそうだ。
ルク・フッシー
(猟兵と怪人を見て)「……うん」
(オフィスの惨状を見て)「……うん」
「……やっつけましょう」

(どちらかと言うと心が)疲れ切ったルクは、敵が義理チョコを食べる前に【迅速描画】の連射で攻撃、義理チョコも破壊して強化を防ぐ事を試みます

余裕があれば【安心塗装】で色々と散乱した室内を塗り変えて片付けます

「どうして...こんなことに...(ため息)」



「……うん」
「……うん」
 得猟兵と怪人を見て、そして、オフィスの惨状を見て、ルク・フッシー(普通の仔竜(じゃない)・f14346)は二度頷く。彼はその心を決めた。
「……やっつけましょう」
「そうですね、仕事は早くやっつけてしまいましょうね。出なければ終電に間に合いませんから。」
「ち……ちがいます!やっつけられるのはあなたですよ!」
 自身の持てる精一杯の声を出して、ルクは怪人の勘違いに異を唱えた。怪人だけでなく、彼自身も既に心労で疲れ切った様子ではあるが、やることはやらねばならない。おもむろに取り出したチョコを貪り喰らおうとする怪人の姿を見て、ルクは何かを射出した。その絵が直撃すると、怪人の手に握られていた義理チョコが無残に砕け散っていく。彼のユーベルコード――迅速描画は、その絵に触れたものに内容が反映される。砕かれたチョコが描かれた絵によって、彼の義理チョコを破壊し、強化を防いだのだ。
「貴重な糖分を……これは、あなたも一緒に徹夜決定ですね。」
「お……お断りします。ボクも疲れたので早く帰りたいんです。」
 戦いが終われば、この部屋の後片付けも必要になると踏んだルクは、少しでも時間を有効活用するため、怪人を抑えながらも安心塗装によって色々と散乱した室内を塗り変えていく。焼けこげた上に濡れた室内、それに追い打ちをかけるかのようなチョコレートの汚れ。もはや、こうでもしなければ綺麗にはならないのだろう。
「はぁ……どうして……こんなことに……」
 ルクは特大の絵筆を振るいながら、周囲をどんどんと塗りつぶしていく。だが、同時進行となるとやはり骨が折れる。怪人が攻撃するそぶりを見せずに動かないことは彼にとって幸いだが、なぜか固執するようにチョコレートを食べようとしている。
「どうしてあそこまでして、チョコを食べようとし続けているんでしょうか……?」
 そんな彼の疑問に、ハートブレイク・チョコレート怪人は口……いや、割れ目の隙間を開いておもむろに語り始めた。

成功 🔵​🔵​🔴​

神羅・アマミ
い、今更チョコって!あらゆる意味で手遅れすぎやせんか!?なんか表面に白いの浮いとるし。
それはそれとしてな…妾は甘い物が嫌いなんじゃよーッ(逆ギレ)!
その割れた頭、胴体ごと縦に両断してやるぜーッ!

てなわけで先手必勝。
真の姿解放からコード『封切』に繋げ神速の斬撃を放つ。
警戒すべきは嫉妬の炎、それ以外は悠長にチョコ食わせる暇なぞ与えんし、何をどうしたら嫉妬の感情を抱くのかわからんが…これは誘っておるのか!?
ち、ちょっと何か面白いこと言って妾を嫉妬させてみ?悪いようにはしませんよ?

うっかりドツボにハマるかもしれないし、定時に帰りたいので横にも薙いで十字に斬るかもしれない。
判定おまかせ。丸投げとも言う。



「チョコには脳を活性化する効果があるんです。つまり仕事にも最適なんですよ。だから、一緒に仕事をしましょう。あなた達ならできますよ。義理チョコならたくさん余ってますからね。」
「い、今更チョコって!あらゆる意味で手遅れすぎやせんか!?なんか表面に白いの浮いとるし。」
 神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)の指摘した、チョコレート特有ともいえるブルーム現象。急激な環境変化によってもたらされる砂糖の結晶化は、目の前にいる怪人が修羅場をくぐってきた証でもあるのだろう。
「それはそれとしてな……妾は甘い物が嫌いなんじゃよーッ!その割れた頭、胴体ごと縦に両断してやるぜーッ!」
 彼の男がどのような劣悪な環境に晒されていたのかなど、彼女にとっては些末事でしかないわけだが、もはや完全に言いがかり、そして逆ギレである。そんなアマミの勘定に比例するかのように、彼女の姿がわずかに変化する。和洋折衷ともいえた彼女の出で立ちは、その彩を保ちながらも和の様相を色濃くし、一族に伝わる和傘――第肆歩"目録"は黒く輝く長刀へと変貌する。先手必勝、彼女は己の発した言葉通り、そのまま怪人へと斬りかかった。だが、怪人も対抗してこないほど馬鹿ではない。その欠けた頭部から嫉妬の炎が吐き出し、周囲の床を覆い始めた。アマミを社畜側へ取り込むために放たれた炎は、じわじわとその距離を詰めてきた。
「……ひょっとして、これは誘っておるのか!?ち、ちょっと何か面白いこと言って妾を嫉妬させてみ?悪いようにはしませんよ?」
 何故そのような発想に至ったのか。そもそも、まだ当たってすらいないというのに、謎の要求を突き付けられた。だが、たとえ支離滅裂な言動であっても、彼は聞かれたことには真面目に答える男だ。
「僕の仕事がまだ終わりそうもないのに、もう帰ってしまうんですか?残業代……欲しくないんですか?」
「かーーーーーーーッッ!!清々しいまでの社畜と見せかけて、貰えるものはやっぱり欲しいか。生憎じゃが、妾は残業代より定時退社を所望するのでな。デートの誘いはお断りじゃ!死ねーッッ!!」
 無論、怪人が誘ったのは付き合い残業をすることであり、デートではない。だが、アマミにとって、そんな違いは些細な問題である。理不尽とも言える言動から流れるように放たれる、長刀からの斬撃。白く汚れた頭部の一部は、なす術もなく切り落とされた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジャスパー・ジャンブルジョルト
(チョコ怪人のことはガン無視というか気付いてない)
今度こそ俺は帰る!
……って、帰れにゃーい! (第1章と同様、ドアノブに悪戦苦闘)
くそっ! なんで扉が全種族に対応してねえんだよ!? 就労時間とか以前に物理的な環境がブラックじゃねえか!
もう、あったま来た! こんな扉はブッ飛ばしてやらぁ!
……んにゃ?(怪人にようやく気付く) なんか知らんが、皆が変な奴と戦ってるな。ついでにあいつもブっ飛ばそう。
(ツィターをかき鳴らし、扉と怪人が射線に入る角度でミサイル攻撃)
よし、邪魔な扉は(壁ごと?)消えた!
やっと帰れるぜ!
(社長の視線はガン無視というか気付いてない)


煮るな焼くなとお好きなように扱ってください。



「今度こそ俺は帰る!……って、帰れにゃーい!」
 他の猟兵達が怪人たちを戦う中、ジャスパー・ジャンブルジョルト(JJ・f08532)は部屋から脱出するためにドアノブに手を伸ばすが、彼の小柄な体では精一杯背伸びをしてもなかなか届かない。
「くそっ! なんで扉が全種族に対応してねえんだよ!? 就労時間とか以前に物理的な環境がブラックじゃねえか!」
怪人のことには目もくれないどころが、そもそも気付いていないのだろうか。傷ついた体を補うかのようにチョコを食べる怪人は、徐々にその戦闘力を高めていた。
「もう、あったま来た! こんな扉はブッ飛ばしてやらぁ!……んにゃ?」
ふと、彼が背筋に感じたのは社畜のオーラにジャスパーは耳をピンッと立てる。何やら背後が騒がしいと振り返ると、ジャスパーは他の猟兵達がチョコレート怪人と戦闘していることにようやく気が付いた。
「何だあのへんなハート形の奴は……?いや、それよりもだ。」
怪人の後ろにあったのはジャスパーが出ようとしていたものとは別の扉。どうやら引き戸になっているらしく、ドアノブのようなものは見当たらない。あれなら手が届かなくて開けられないという心配もなさそうだ。
「渡りに船とはこのことだな。というかなんで気付かなかったんだよ、俺!」
これ幸いと、ジャスパーがおもむろにツィターをかき鳴らすと、何処からともなくミサイルが現れる。狙うは怪人……ではなく背後の扉。怪人もついでにブっ飛ばせれば一石二鳥。そもそも扉を壊さす必要はないのだが、そんなことは今の彼にとっては些細な問題だ。ジャスパーは再びツィターを構えると、おもむろにその弦を弾き始めた。
「Rock On! かーらーのー! Lock On!さぁ、派手にぶちかますぜ!」
ジャスパーがツィターの弦を弾き切ると同時にミサイルが放たれた。斜線上には怪人と扉。怪人は強化された肉体で美亜汁を受け止めようとするも、ジャスパーの放ったミサイルの質量と速度によって扉まで押し切られ、爆発に呑み込まれた。
「よし、邪魔な扉は消えた!やっと帰れるぜ!」
当然消えたのは扉だけでなく、オフィスの壁の3割ぐらいが吹き飛んでいた。そんな様子を眺めていた社長の目にはもはや生気はなく、部屋を立ち去ろうとするジャスパーの背中をただただ眺めることしかできなかった。だが、そんな社長が小言ように一言だけつぶやいた。
「あの、ネズミ色の猫野郎は何なんだよ……」
その言葉にジャスパーは足を止めると、社長へと向き直る。全身の毛を逆立てる。尻尾もわずかに膨らんでいるようだ。
「何度も言うが、俺は猫野郎じゃなくてJJだ。そして、これはネズミ色じゃねぇ、銀色だ!」
社長な発言に頑として異を唱えるジャスパー。そんな中、煙から這い出してきたチョコレート怪人が彼の背後に立ち尽くしていた。だが、彼はそれには気付いていない。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルク・フッシー
「は、早く終わらせないと...」
怪人が他の猟兵の方の背後を狙ってるようなので、こちらも怪人の背後を狙います。
具体的には、氷属性の【連射塗装(バレット・ペイント)】を至近距離から放ち、動きを封じようと試みます。
その結果がどうであれ、怪人を倒す事を優先し、引き続き【連射塗装(バレット・ペイント)】による連続攻撃を行います。

もう帰りたいです。
「うう...もう少しなのに...」
誰か助けてください。



 煙の中から這い出てきた怪人は、チョコレートである頭部を溶かしながらも動揺する様子はない。辺りにチョコを撒き散らすことなど気に留めることもなく、背中を向けているJJへと歩を進め始めた。
「危ない……は、早く終わらせないと……」
 仲間への攻撃を防ぐため、ルク・フッシー(普通の仔竜(じゃない)・f14346)は再び筆を執る。その絵筆は小柄なルクが扱うには少々巨大であり、運ぶだけでも難儀するものではあったが、それを抱えながらも、ルクはなんとか怪人背後へと駆け寄っていった。近づく仔竜の気配に気づいた怪人が振り向こうとしたときには、ルクと怪人との距離はもはや目の鼻の先。
「この距離なら……外しません……!」
 小さな体によって振るわれた筆の先端から大量に飛び散ったのは、仄かに青みがかった白い絵の具の弾丸。彼の絵の具は、色に応じてその属性を変質させていく。連射塗装――彼が放った絵の具は氷の属性を帯びており、着弾した絵の具は怪人をホワイトチョコレートへと染め上げると、怪人と周囲の温度を少しずつ低下させていく。やがて溶けて変形した頭部は、テンパリングなど構うことなく凝固していった。その後もルクは、帰りたいという気持ちを抑えながらも、必死に絵の具の弾丸を放ち続ける。周囲の温度はますます下がり、やがて怪人は霜で覆われてしまったかのように凍結し、完全に身動きが取れなくなった。
「うう……もう少しなのに……」
 しかし、氷の属性を持つ弾丸では、動きを封じることは出来ても決定打には欠ける。やがて、100発はあったはずの絵の具の弾丸は尽きてしまい、怪人を覆っていた霧氷の絵の具は少しずつ溶け始める。このままでは怪人が再び動き始めるのも時間の問題だ。
「……誰か助けてください。」
助けを求める仔竜の小さな叫びがオフィス内に響いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

神羅・アマミ
「本日の業務!物理的に終了させてやるぜーッ!!」
凝固した怪人の隙を見逃さず、コード『グラウンドクラッシャー』を発動!
身体ごとぶつかっていくように刀の柄を脳天へと叩きつける!
扉だの壁だのそんなケチなこと言わず、いっそ社長の机以外オフィス全てを崩壊させる勢いでこの場からお仕事という概念を消し去ってやる!

「過剰な残業がかえって生産効率を低下させることは経済学的見地からも実証済み!じゃが、妾は毎日が夏休みであってほしい!ベーシックインカムとかで!」
意味がわからない。

「これに懲りたら、次からはホワイトな経営を心がけることじゃな!」
社長の肩をポンと叩いてドヤ顔。

字数余ったからって確定ロールが過ぎるのでは?



「本日の業務!物理的に終了させてやるぜーッ!!」
 神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)は凝固した怪人の隙を見逃さず、刀を振り上げ急接近した。だが、振り下げたのは刀身ではなく、刀の柄。未だ半解凍状態の怪人には、もはやかわす術はなく、叩き付けられた刀の柄は脳天へと直撃した。その衝撃は怪人の頭部を破壊するに留まらず、既に崩壊寸前であったオフィスをも巻き込んでいく。だが、これもアマミの想定の範囲内だ。そこには扉や壁だけでなく、オフィスもろとも仕事という概念を消し去ってやろうという強い意志が感じられた。
「過剰な残業がかえって生産効率を低下させることは経済学的見地からも実証済み!じゃが、妾は毎日が夏休みであってほしい!ベーシックインカムとかで!」
 何を言っているのか、もはや意味がわからない。言っている本人すらも理解できているかは怪しいだろう。グラウンドクラッシャーにより巻き上げられた砂煙が収まった時、そこに怪人の姿はなく、かつてオフィスであった場所に残されていたのは、今にも壊れてしまいそうな社長の机だけだった。これにて依頼は完遂となる。定時は午後5時。しかし、それを確認しようと辺りを見回しても、時間を知る術が一向に見当たらない。
「なんじゃ、この部屋には時計の一つもないのか。これでは残業になってしまうのも当然じゃな。」
 時計はいくつもあったはずだ。だが、時計どころか、あらゆるものがオフィスそのものと共に瓦礫と化していた。どれもこれも怪人が現れたことによる尊い犠牲。決して猟兵達のせいではない。アマミはそう確信していた。
「これに懲りたら、次からはホワイトな経営を心がけることじゃな!」
 社長の肩をポンと叩いてドヤ顔を決めるアマミ。その瞬間、なんとか形を保っていた机も社長に合わせるかのように崩れ落ち、瓦礫の海へと沈んでいった。彼の腕時計に映った時間は午後5時30分。僅かにオーバーしてしまった時間は、きっとサービス残業として処理されるのだろう。最も、もはやこの会社には仕事という概念すら存在しているかは怪しいと言わざるを得ない。もはや社長本人以外、何も残されてはいないのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月04日


挿絵イラスト