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帝竜戦役⑪～帝竜女禍

作者：ゆうきつかさ

●無限氾濫瀑布
　雨となって地上に降り注ぐ無限の瀑布に君臨していたのは、帝竜『女禍』であった。
　帝竜『女禍』は黄金に輝く身体を揺らし、地上に降り注ぐ無限の瀑布の中を舞い踊るようにしながら、華麗に空を飛んでいた。
「偉大なるヴァルギリオスの『再孵化』によりて、我は全てを理解せり。我らオブリビオンこそが、この世界の真なる主。過去と死は、既に確定したものであるが故に、絶対の概念である。未来や生命のように、世界をおぞましき不確定要素で汚す事など無い」
　それが帝竜『女禍』が、導き出した答え。
　故に、猟兵は倒すべき相手。
　……滅ぼすべき存在。
　いや、存在する価値すらないモノだった。
　そもそも、猟兵の肉体も、意志も、すべてがおぞましく思えるため、視界の片隅にすら入ってほしくないようだった。

●ガジルからの依頼
「みんなに頼みたい事があるんだよ！」
　ガジル・コリアンダー（キマイラのスカイダンサー・f00907）が真剣な表情を浮かべ、今回の依頼を説明し始めた。
　今回の目的は帝竜『女禍』の撃破。
　帝竜『女禍』は雨となって地上に降り注ぐ無限の瀑布に君臨している全長10kmにも及ぶ巨体を持つ金色の金属竜で、生命体を憎悪しており、災厄を撒き散らし、虐殺しようと考えているようだ。
　そのため、猟兵達も同様に排除すべき存在であると認識しており、親の仇であるかの如く勢いで襲い掛かってくるようである。
　そう言った事も踏まえた上で、帝竜『女禍』を撃破してほしいという事だった。

第1章 ボス戦 『帝竜女禍』

POW   :    抗体霊波光線 【宝珠から、知性ある生命体全てを殺す光】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。 SPD   :    まことのあるじ 【八尾を備えた、物言わぬ妖狐の女性】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。 WIZ   :    災厄の嵐 「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。 イラスト：佐々木なの 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●無限氾濫瀑布
「これは、また随分と巨大、ですね」
　秋月・信子（魔弾の射手・f00732）は仲間達と共に、雨となって地上に降り注ぐ無限の瀑布を見上げ、その中を舞うようにして飛ぶ帝竜『女禍』の姿を確認した。
「わー……遠くから見てもおっきいしピカピカー！！」
　香月・赤兎（赤い月・f03801）が、瞳をランランと輝かせた。
　帝竜『女禍』の身体は、まるで本物の黄金の如く、空で舞うたびキラキラと輝いた。
「ようやく現れたか、愚かな存在よ」
　その途端、帝竜『女禍』が上空から猟兵達を見下し、吐き捨てるようにして呟いた。
　帝竜『女禍』にとって、猟兵達は矮小な存在。
　だが、目の前を飛び回るハエの如く、鬱陶しい存在でもあった。
「……」
　その視線を遮るようにして飛んできたのは、空を飛ぶ桐箪笥であった。
　それは雛月・朔（たんすのおばけ・f01179）の器物本体であり、念動力によって宙に浮いているモノだった。
「よほど……死にたいようだな」
　これには帝竜『女禍』もイラっとしたのか、こめかみ的な部分を激しくピクつかせ、親の仇の如く勢いで朔をジロリと睨みつけた。
　朔自身、まったく悪気がないものの、『絶対殺すリスト』のナンバー１に輝いてしまったらしく、帝竜『女禍』から放たれた殺気がハンパない。
　ただし、桐箪笥自体は、血も肉もなく生命体ですらないモノ。
　それに対して、殺すという表現が正しいのかどうかは、疑問であった。
「どうせ、みんな殺すつもりだったんでしょ。でも、だからこそ……。ここで立ち止まる訳にはいかないから……」
　弦月・宵（マヨイゴ・f05409）が覚悟を決めて様子で、帝竜『女禍』に対して言い放った。
「愚か、愚か……実に、愚か。誰を敵に回したのか分からず、分かろうともしない。まさか、世界の支配者になったつもりではあるまいな？」
　帝竜『女禍』が小馬鹿にした様子で、フンと鼻を鳴らした。
「貴方が何者かも、その主義思想も、関係ありません。敵である以上、殲滅するだけです」
　ミレア・ソリティス（軍団たる「私」・f26027）が、まったく怯む事なく答えを返した。
「ならば殲滅してみろ。それが出来るのであれば、な」
　帝竜『女禍』が猟兵達を挑発しながら、無限の瀑布を擦り抜けた。
　その間も無限の瀑布は降り続け、猟兵達の視界を塞いでいた。
「確かに足場が悪い上に、敵は強大で制空権も抑えられてる時点で、戦況は最悪ねぇ。それでもやらないとね。だから……全力全開でいくわよ」
　すぐさま、緋神・美麗（白翼極光砲・f01866）が足元にオーラ防御を展開し、それを足場にしながら距離を縮めていった。
「この状況で尻尾を巻いて逃げぬとは……。よほど死を愛しているようだな。ならば、その願いを叶えてやろう！」
　帝竜『女禍』が宝珠を高々と掲げ、知性ある生命体全てを殺す光を放った。
　その光はまるで柳の如く広がり、猟兵達に向かって降り注いだ。
「ならば、こちらも全力で抵抗するだけです！」
　即座にミレアが突撃戦用シールドを構え、降り注ぐ光の雨を受け流した。
「それ以前に、こんなもの……、当たらなければいいだけの話だ」
　一方、ルード・シリウス（暴食せし黒の凶戦士・f12362）は残像を駆使して、宝珠から放たれた光を避け、一気に距離を縮めていった。
「……愚かな。自ら死を望み、その運命を加速させるとは、実に……愚か！」
　帝竜『女禍』が再び宝珠を掲げ、光の雨を降らせて、猟兵達を牽制した。
「そもそも死を受け入れるつもりなんてないから。いつまでも調子に乗っていると、痛い目を見るわよ」
　美麗がオーラ防御を展開しつつ、フェイントとダッシュで、光の雨を避けながら、ライトニングセイバーを握り締め、帝竜『女禍』に迫っていった。
「それに君が知を否定するなら、尚更終われない」
　宵が-幻鵺-（大型片刃剣）の刀身に光りを映し、その影に身を隠しながら、帝竜『女禍』の死角に回り込んだ。
「ええい、チョコマカと……！」
　帝竜『女禍』が苛立ちを隠せない様子で、唸り声を響かせた。
「どうして、そこまで命を憎むかは知りませんが……。生き物がいない世界など、つまらないですよ」
　そんな中、朔が念動力で宙を浮きながら、帝竜『女禍』に語り掛けた。
「それを決めるのは、汝らではない。……我だ！」
　帝竜『女禍』がまわりの空気を震わせる勢いで、猟兵達に対して言い放った。
「こ、これはいつも以上に気合をいれていかないと……。でもでも、偉そうに神さま気取りで生き物を虐殺なんてこんな性格の悪い竜なんて要らなーい！　だから……負けないぞー！」
　その事に危機感を覚えた赤兎が、自分自身に気合を入れ、【いつか王子様が…（ユメミルオトメノアコガレ）】を発動させ、最強のドラゴンハンター（ガッチリタイプイケメン）を召喚した。
「まさか、それで我を……。我を滅するつもりなのか。ホホホホッ、これは愉快、愉快……」
　帝竜『女禍』が小馬鹿にした様子で、赤兎のまわりを飛び回り、宝珠を掲げる事で、執拗に光の雨を降らせた。
「……何も分かっていないようだね。幾重のモンスターとの死闘で狩りを重ね、自分の何十倍もある竜だって得物一つで倒しちゃう、そんな彼を倒せると思っているの！」
　赤兎がキリリとした表情を浮かべ、帝竜『女禍』に言い放った。
　その気持ちに応えるようにして、最強のドラゴンハンターが光の雨の突き進み、帝竜『女禍』に斬り掛かった。
「ば、馬鹿なっ！」
　その一撃を喰らった帝竜『女禍』が、身の危険を感じて、その場から離れた。
「……この程度の実力で俺を止められると思っていたのか」
　それに合わせて、ルードが暴食剣「神喰」と呪詛剣「無愧」の二刀で、降り注ぐ光の雨を避けながら、帝竜『女禍』に斬り掛かった。
「これがオレなりの、生への向き合い方なんだ！　死には何も見出だせない。だから飲まれない！」
　その間に、宵が帝竜『女禍』の死角に陣取り、【ブレイズフレイム】を発動させ、身体を斬り裂き噴出させた地獄の炎を身に纏い、大型片刃剣の切っ先から、さらに延長して伸ばす事で、巨躯に見合う大剣に仕立てた。
　その大剣を力任せに振り下ろし、帝竜『女禍』を叩き斬った。
「ググ……、な、何故だ。我が苦戦を強いられている……だと！？」
　帝竜『女禍』が現実を受け入れる事が出来ぬまま、ギチギチと歯を鳴らした。
　それは帝竜『女禍』にとって、あり得ない現実であり、まったく予測する事が出来なかった未来であった。
「本当に、お前等がこの世界の真なる主なのか？　だとしたら、拍子抜けだな。まあ、この世界に限定するのであれば、それも事実なのかも知れないが……。ならば、喰らってやる。お前等帝竜を、お前等の世界を……総て、一つ余さず。そして、理解しろ。お前は世界を統べる強者にして、喰らわれる獲物だと！　故に寄越せ、その血肉と魂を。一つ余さず喰らい尽くす……っ」
　ルードが軽く皮肉を言いながら、【魂装・神魔喰ライシ暴食ノ暴君（リンケージ・タイラント）】を発動させ、神喰と無愧を真名開放形態に変形させ、真の姿を解放すると、捕食衝動の理性侵食を代償にして、自らが嘗て捕食した敵を憑依させた。
「な、何故、汝から我と同じ帝竜の気配が……。まさか、汝は我の同胞を……」
　その事を理解した時、帝竜『女禍』は恐怖を覚えた。
　ルードは、その恐怖すら喰らう勢いで、帝竜『女禍』に斬り掛かると、飛び散った血肉に喰らいついた。
「いまなら、この手が……。いや、いまだからこそ……！」
　すぐさま、ミレアが【ベルセルクトリガー】を発動させ、全思考をカットし、最終武装モードに変化すると、肩部ランチャーの電磁弾頭（属性攻撃）、閃光弾（目潰し）、時限起爆弾（吹き飛ばし）、熱戦銃での一斉発射で、帝竜『女禍』を攻撃した。
「チャージ、セット、いっせーのっ！」
　それに合わせて、美麗が【超巨大電磁砲（ハイパーメガレールキャノン）】を発動させ、電磁加速して射出された巨大な鉄塊を帝竜『女禍』にブチ当てた。
「このまま月にでも封じられてくださいな」
　次の瞬間、朔が【背天ノ呪詛・『冬月』（ハイテンノジュソ・フユツキ）】に発動させ、呪詛で引き寄せた巨石を帝竜『女禍』に叩きつけた。

●帝竜『女禍』
「……まだだ。図に乗るな、矮小な存在よ！」
　帝竜『女禍』がズタボロになりながら、八尾を備えた物言わぬ妖狐の女性を召喚し、自分自身を操らせる事で戦闘力を向上させた。
　度重なる攻撃によって帝竜『女禍』の身体は傷つき、金色の鱗から光沢が失われているものの、それでも猟兵達に対する殺意は消えていなかった。
「仮初めとはいえ、妖狐を模した存在をアゴでこき使うのが気にくわないんだよね……。生まれ直したばかり所で残念だけど、今回も咎を清算して消えて貰わないとね」
　政木・朱鞠（狐龍の姫忍・f00521）が嫌悪感をあらわにしながら、帝竜『女禍』をジロリと睨みつけた。
　帝竜『女禍』は妖狐の女性の身振り手振りに合わせ、舞い踊るようにして空を飛んでいた。
「この場合、物言わぬ妖狐を狙うべきか。だが、単なるお飾りと言う可能性もありそうだな」
　満月・双葉（神出鬼没な星のカケラ・f01681）が複雑な気持ちになりつつ、考えを巡らせた。
　帝竜『女禍』にとっての弱点は、果たして何処か。
　その答えが導き出されていない以上、迂闊に攻撃するのは得策ではない。
　だからと言って、何もしなければ、無駄に馬関が過ぎていくばかり。
　そんな猟兵達を嘲笑うようにして、無限の瀑布が雨の如く降っていた。
「……とは言え、何処かに弱点があるはずです！」
　信子がアサルトバニー（ミネルヴァ重工製強化スーツ）の反重力制御装置を作動、水上起動ならびに空中戦を可能にさせた上で、高速機動モードでダッシュすると、ヘッドギアの第六感アラート予測に従って、飛び跳ねるようにして、帝竜『女禍』の攻撃を回避した。
　その間も、帝竜『女禍』の情報を収集しながら解析しつつ、弱点となる箇所を探していた。
「せめて……もう少し情報が欲しいところですわね」
　ニィエン・バハムート（竜王のドラゴニアン（自称）・f26511）が間合いを取りつつ、アンドヴァリの首飾りとオーラで強化された発電能力による電光を強めの電撃属性攻撃で、妖狐の女性を目潰しした。
「……！」
　その影響で妖狐の女性は目を開ける事が出来なくなり、帝竜『女禍』を操る事が困難になった。
「これがぴっちりスーツ……じつに素晴らしいものですね💓」
　そんな中、雷田・龍子（人派ドラゴニアンの全力お姉さん・f14251）が、シズホ・トヒソズマ（因果応報マスクドM・f04564）の【滑走黒装（ブラックタールピッチリング）】で、黒く光沢のあるぴっちりスーツ姿になった。
「フフ、敵も味方もぴっちりにしてあげます♪」
　それに合わせて、シズホが龍子と重力制御/重力攻撃人形『シュヴェラ』の飛行ユニットに乗り、帝竜『女禍』に向かって飛んでいった。
「ええい、小生意気な奴等め！」
　帝竜『女禍』が苛立った様子で、猟兵達に攻撃を仕掛けてきた。
「多少のリスクはあるけど……仕方ないよね」
　すぐさま、朱鞠が【降魔化身法】を発動させ、妖怪、悪鬼、幽鬼を宿し、自らを超強化した。
　その代償で大量の血が流れ落ちたものの、帝竜『女禍』の体当たりを喰らった事で、どれがその血なのか分からなくなった。
「……そこまでですの！」
　その攻撃を邪魔するようにして、ニィエンが【デンキナマズのビリビリ電撃（デンキナマズノビリビリデンゲキ）】を発動させ、体表を包むように発達した超強力な発電器官から10億V超の電撃を放った。
「……！」
　その途端、妖狐の女性が電撃で痺れ、身体を動かす事が出来なくなった。
「格上相手には立ち止まったら、そこで終わり。だから……何があっても止まらない！」
　双葉が覚悟を決めた様子で、帝竜『女禍』に空中戦を仕掛け、オーラ防御を展開しながら、野生の勘を働かせ、傷つく事も恐れず攻撃を仕掛けていった。
「うぐ……ぐっ！」
　帝竜『女禍』がイラついた様子で、ギチギチと歯を鳴らし、八つ当たり気味に攻撃を仕掛けてきた。
　だが、妖狐の女性が痺れているせいで、まったく見当違いの方向を攻撃しており、猟兵達に傷ひとつつける事が出来なかった。
「さあ、ぴっちりしましょう。遠慮せずに♪」
　その隙をつくようにして、シズホが巨腕型強襲人形『クロスリベル』の効果で移動力を上げ、ダッシュと増強した反射で帝竜『女禍』の攻撃を回避すると、陰陽師型催眠人形『大帝巫』の効果で認識を改変し、妖狐の女性に迫っていった。
　それに合わせて、信子がシズホを援護するようにして、ライフルで妖狐の女性を狙撃した。
「……！」
　その事に気づいた妖狐の女性が、強引に体を動かして、帝竜『女禍』を操ったものの、認識が改変された事によって、猟兵達がいる場所を誤認し、攻撃を当てる事が出来なかった。
「それでは、妖狐の方は任せました。その間に私は、あの宝珠を破壊します」
　龍子がシズホに一時の別れを告げ、帝竜『女禍』が持つ宝珠に迫っていった。
「こ、これは汝らが触れていいモノではない！」
　その事に危機感を覚えた帝竜『女禍』が、龍子に体当たりを仕掛け、地上に落下させようとした。
　しかし、龍子が黒く光沢のあるぴっちりスーツを身に纏っていたため、ヌルッと滑るようにして、体当たりが回避された。
「てっきり、あの眼のようなモノがコアだと思っていましたが、あそこまで焦るという事は……」
　信子が何やら察した様子で瞳を青く輝かせ、帝竜『女禍』が持つ宝珠にターゲットをロックすると、【魔眼の射手（ディバイン・ハントレス）】を発動させ、聖句の一文を読み上げて神に祈りを捧げ、如何なる鱗も貫く竜殺しの概念を付与させた魔弾『ドラゴンブレイカー』を撃ち出した。
「し、しまった！」
　すぐさま、帝竜『女禍』が宝珠を守るようにして、体を捻ったものの、魔弾の前では強靭な鱗も紙同然。
　護るべきはずの宝珠が音を立てて砕け散り、大量の欠片が地上めがけて降り注いだ。
「だいぶ力が弱まったようだね。つまり、あの宝珠が力の源……！」
　朱鞠が確信した様子で、拷問具『荊野鎖』を帝竜『女禍』に絡ませ、鋭く尖ったスパイクで強靭な鱗を貫き、傷口を抉るようにしながら生命力を吸収した。
「や、やめろ！　うぐぐぐぐっ！」
　帝竜『女禍』が苦しそうにしながら、残った宝珠を護るようにしながら、猟兵達と距離を取った。
「それでは、ぴっちりしてもらいますよ♪」
　それと同時にシズホが【滑走黒装（ブラックタールピッチリング）】を発動させ、妖狐の女性の足先から黒粘液で頭まで覆い、視界も動きも完全に封じ込めた。
　その影響で妖狐の女性はバランスを保つ事が出来ず、そのまま足を踏み外して地上に落下した。
「な、汝らは自分達が何をしたのか分かっているのか！」
　それを目の当たりにした帝竜『女禍』が、怒りで体を震わせた。
「さあ、ハイクを詠め」
　だが、龍子はまったく怯む事なく【忍殺（ニンサツ）】を仕掛け、帝竜『女禍』の死角に瞬間移動すると、宝珠を木っ端微塵に破壊した。
　それに合わせて、双葉がスナイパーで精度を上げた光弓の首飾りを乱射し、虹瞳で帝竜『女禍』の鎧無視攻撃を加えた生命力吸収攻撃で、ジリジリと命を削っていった。
「あなたは殴りやすい理屈をこねてくれる良い帝竜でしたの！」
　続いて、ニィエンが帝竜『女禍』の巨体を焼き払う勢いで、限界突破した【デンキナマズのビリビリ電撃（デンキナマズノビリビリデンゲキ）】を放った。
「ぎゃあああああああああああああああああ！」
　その一撃を喰らった帝竜『女禍』が悲鳴を響かせ、真っ黒な煙をブスブスと上げた。
「命……視えた！」
　次の瞬間、双葉が【命採（イノチトリ）】を発動させ、生命を視る力によって、生命力を削ぎ落とす矢を放ち、帝竜『女禍』を撃ち抜いた。
「ば、馬鹿な。こんな矮小な存在に、我が……そんなはずは……グワアアアアアアアアアアアアアアアア！」
　そして、帝竜『女禍』は断末魔を響かせながら、完全に力を失って、沢山の瀑布を巻き込み、地上に落下するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2020年05月11日