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帝竜戦役④~血の一族

#アックス&ウィザーズ #戦争 #帝竜戦役 #群竜大陸

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●アックス&ウィザーズ
 万毒の群生地の一部を支配していたのは、血の一族であった。
 血の一族は殺戮衝動を増幅させる毒キノコが群生している場所をしており、毒の胞子に包まれながら、常に殺気立っていた。
 元々、血の一族は群竜大陸の驚異を消し去る為、様々な手段を講じてきた一族で、目的を果たすためであれば、悪逆非道であろうと手段を選ばないほど危険な存在。
 それに加え、毒キノコの影響を受けて、殺戮衝動に支配されているため、彼らの縄張りには敗北者達の骨が警告とばかりに晒されていた。
「……時は来たり。この地を浄化するために、必要なモノ。それは生贄達の命! いまから訪れる者達の血を捧げる事で、この地が浄化されるとお告げがあった。故に迷うな、躊躇うな! 正義は我らと共にある!」
 血の一族の族長アゼルハーンが、ケモノの如く吠えた。
 拳ひとつで族長まで伸し上がった彼にとって、信じられるのは拳のみ。
 その拳が警告を発している以上、この地に訪れる者達は、間違いなく危険な存在。
 故に、面倒な事になる前に、命を奪ってしまうのが、得策という結論に至ったようである。
「とにかく、殺せばいいんだろ? だったら、問題ねぇ!」
 特攻隊長ヴァルカンは、斧を肩に担いで、ガハハと笑った。
 ヴァルカンにとって、侵入者はすべて敵。
 例え、相手が誰であっても、迷う事なく一刀両断。
 ヴァルカンの手下達も、剣を握り締めて殺気立っており、そこに迷いはなかった。
「戦うのは良いけど、無茶はしないでね。治療するのも楽じゃないからさ」
 そんな中、紅一点のサーヤがヴァルカン達を見つめ、面倒臭そうに愚痴をこぼすのであった。

●ガジルからの依頼
「みんなに頼みたい事があるんだよ!」
 ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が真剣な表情を浮かべ、今回の依頼を説明し始めた。
 今回の目的は血の一族の殲滅。
 血の一族は、万毒の群生地の一部を支配しており、そこには殺戮衝動を強めるキノコが群生しているようである。
 そのため、戦っている間は敵味方関係なく、キノコの影響を受けてしまうらしく、何らかの対処法を考えておかなければ、殺戮衝動に飲み込まれてしまうようである。
 またこの戦場では、素晴らしい香りを放ち、宝石のように美しく腐敗しないトリュフ茸(宝石トリュフ)が生えており、売れば一個につき金貨44枚(44万円)の価値があるようだ。
 そう言った事も踏まえた上で、血の一族を殲滅するのが、今回の目的である。


ゆうきつかさ
 この依頼は戦争依頼です。
 基本的には、キャラクターらしさを重視しますので、世界観や設定に問題が無ければ採用していこうと思います。
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第1章 集団戦 『血の一族』

POW   :    聖魔伏滅拳
【破魔の力を込めた拳】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    聖魔伏滅斬
【破魔の力を封じた剣や斧】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    血の福印
【自らの血】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。

イラスト:FMI

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ナハト・ダァト
毒への対処
殺人衝動を洗脳で上書き

アイテム「啓示」から聞こえる声を聞き耳で強化
更に催眠術を絡めた言いくるめで、オブリビオンを攻撃するよう暗示を掛ける

元々、声にハ悩まされタ経験ガあってネ
方法ハ、熟知しテいるヨ

殺人衝動を自己暗示で抑えている間に
摂取した成分を情報収集、世界知識で解析
医術で体に流れ込んでいる場所を特定し、
血抜きを行う

…こノ場合、タール抜きかナ

戦闘
三ノ叡智で武器を用いて攻撃してくる未来の動きを知覚
その後、攻撃動作を行った時間のみを切り飛ばすことで相手の背後へ移動

何ヲしたカ…教えル必要ハ無イ
そモそモ、理解出来無イからネ

残っタ結果。君達ノ攻撃ハ、まるデ私ニ届か無イ。
こノ事実ヲ以テ、消え給エ


黒玻璃・ミコ
※スライム形態

◆行動
ふーむ、万毒の群生地とは実に素晴らしい響きです
こう言う場所は【空中戦】の要領で
ほよよんと群生地の中を【念動力】で跳ねつつ
毒の胞子やキノコを少しずつ【捕食】して
私の真価である【毒耐性】を更に環境に適応させ攻略しましょう
それでも抑えきれない殺戮衝動は
事前に自分自身にかけた【催眠術】による後催眠でブレーキを掛ける様にしますよー

後はオブリビオンにこの地の霊脈を通じて【生命力吸収】をするつもりと見せかけ
その実は【黒竜の遊戯】による圧倒的な物量で【範囲攻撃】として封殺しましょう

とは言え厄介な敵です
攻撃は【第六感】に素直に従って回避するとしましょう

◆補足
他の猟兵さんとの連携、アドリブOK


中村・裕美
副人格のシルヴァーナで参戦
「殺戮衝動ですの? 問題ありませんわね」
元々自身の殺戮衝動を開放して強化するユーベルコードを持っているので、衝動に乗って暴れてしまえばいい。
そんなわけで【早業】で惨殺ナイフを振るい、敵に気づかれる前に【暗殺】、気づかれた後も【残像】の残るようなステップで相手を惑わしつつ、6倍に強化された能力値をフルに活かして敵を切り裂き続ける
「回復の暇など与えませんわ」

78秒経てば、シルヴァーナは昏睡状態になるが、その間は裕美の人格に戻り、ドラゴンランスを振るい適当にやり過ごしてもらう。【毒耐性】があるので、衝動に完全には飲まれないと思う
「……まったく……やりたい放題やったわね」


祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定を
*アドリブ・支援・協力は可で

『フェアリーランド』の壺の中から風(雷)と戦乙女の精霊を力天使と聖霊を月霊を呼んで出して上げます♪
「哀れな戦闘凶…魂魄を鎮めてあげますね…☆彡」
『エレメンタル・ピクシィーズ』で属性攻撃を『神罰の聖矢』で聖攻撃を仕掛けます!
『クリスタライズ』で姿を隠しながら『月世界の英霊』で攻撃を空間飛翔で避けつつ『月霊覚醒』で敵のUCを封印/弱体化させます☆彡
『叡智富める精霊』で属性強化を『神聖天罰刺突』で苛烈な猛攻を仕掛けます!

猟兵の怪我人の『祝聖嬢なる光輝精』で治し『シンフォニック・メディカルヒール』で状態異常を癒します☆彡

「闘争の魂魄を宥め鎮めます…還りなさい」


高階・茉莉
WIZ判定の行動
アドリブや他猟兵との共闘歓迎

■心情
宝石トリュフですか、まさに一攫千金ですね。
それだけ、危険も多いみたいなので油断せず行きましょう。

■行動
毒の胞子は、水で湿らせたガーゼで口元を覆い、胞子を吸い込まない様にし
目にはゴーグルも着用して対策しますね。
殺戮衝動に対しては【狂気耐性】で耐えるようにし
【毒耐性】で毒へ対抗しておきます。

血の一族には、【ダッシュ】で一気に敵との距離を詰めて
風に舞う茉莉の領域(UC)で攻撃。
UCは【高速詠唱】で素早く唱え【範囲攻撃】で纏めて攻撃し、
【マヒ攻撃】で動きを止めつつ攻撃。

血の福印に対しては、血で回復を行っている者を優先的に狙い
回復を阻害しますね。


ベム・クラーク
アドリブ連携歓迎です!

「殺戮衝動とは危険な毒性ですね。浄化フィルターと耐毒コーティングを施しておきましょう。」

敵の雄たけびを聞いて
「私に捧げられるような血は流れていませんが、どうするつもりでしょう。」
マシンガンとミサイルで攻撃を開始します。

「アラート!最優先任務変更、敵ヲ、コノ戦闘区域の生命ヲ殲滅スベシ…スベテ命、死ニ絶エヨ!」

探索用のセンサーは生体反応を見逃しません。
マシンガンを撃ち続け、武器腕で殴り、ミサイルをばら撒き、脚で踏みつぶし、アームドフォートの砲撃で吹き飛ばします。

帰還後、自分のデバッグ作業に追われることになりました。



●万毒の群生地
「ふーむ、万毒の群生地とは実に素晴らしい響きです」
 黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)はスライム形態のまま、念動力でホヨホヨと跳ねながら、毒の胞子やキノコを少しずつ捕食していった。
 その途端、ミコの中で殺戮衝動が芽生えたものの、毒耐性の影響で打ち消され、美味しいキノコの味が口の中に広がった。
 それでも、キノコを食べるたび、殺戮衝動が芽生えたものの、自分自身にかけた催眠術による後催眠で、ブレーキを掛けているような感じになっていた。
 そのおかげで理性の留め金が外れる事なく、冷静な状態のまま、キノコを捕食する事が出来た。
「……とは言え、この辺りのキノコは、殺戮衝動を増幅させるようですから気を付けて行きましょう」
 高階・茉莉(秘密の司書さん・f01985)が水で湿らせたガーゼで口元を覆い、胞子を吸い込まないようにしながら、ゴーグル越しに辺りを見回した。
 その視線に先には宝石トリュフが生えており、猟兵達を誘うようにして、キラキラと輝いていた。
「確かに、殺戮衝動とは危険な毒性ですね」
 ベム・クラーク(ウォーマシンの鎧装騎兵・f27033)も警戒した様子で、浄化フィルターと耐毒コーティングを施した。
「な、何故だ。大量の胞子が漂う中、何故お前らは冷静でいられる」
 そんな中、血の一族の族長アゼルハーンが、一族を率いて猟兵達の前に現れ、信じられない様子で口を開いた。
 彼らにとって、それはあり得ない事。
 通常であれば、殺戮衝動に支配され、発狂していてもおかしくないような状況であるが、猟兵達は至って冷静。
 多少なりとも影響を受けているようだが、暴走とは程遠い状態であった。
「元々、声にハ悩まされタ経験ガあってネ。方法ハ、熟知しテいるヨ」
 ナハト・ダァト(聖泥・f01760)が「啓示」から聞こえる声を聞き耳で強化し、催眠術を絡めた言いくるめで、血の一族を攻撃するよう暗示を掛け、胞子を吸った事による殺戮衝動を洗脳で上書きした。
 そのため、いくら胞子を吸っても、その考えが改められる事はなく、冷静でいる事が出来た。
「……ですから、何の問題ありませんわね」
 中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)が【瞬きの殺人鬼(アッサシーナ・モメンターニオ)】を発動させ、副人格であるシルヴァーナの殺戮本能を一時的に増強すると、早業で惨殺ナイフを振るい、血の一族を次々と暗殺していった。
「テ、テメエ! やりやがったな」
 その事に気づいた特攻隊長ヴァルカンが斧を振り上げ、裕美に襲い掛かったものの、そこに居たのは単なる残像。
 本物の裕美は残像が残るようなステップで、血の一族を惑わしつつ、自らの能力を活かして、敵の喉を斬り裂き続けた。
 そのため、サーヤの治療も間に合わず、あっと言う間に骸の山が築かれた。
「哀れな戦闘凶……魂魄を鎮めてあげますね……☆彡」
 そう言って祝聖嬢・ティファーナ(フェアリーの聖者×精霊術士【聖霊術士】・f02580)が【フェアリーランド】を発動させ、壺の中から風(雷)と戦乙女の精霊、力天使、聖霊、月霊を呼び寄せた。

●血の一族
「ふざけやがって! だったら、俺が相手だ! みんな纏めて掛かってこい!」
 ヴァルカンが殺気立った様子で、ケモノの如く叫び声を響かせた。
「……ト、そノ前ニ……。少シ血抜きヲ……。いヤ、こノ場合……、タール抜きかナ。すグ終わリますカら……」
 それとは対照的に、ナハトが体内に吸い込んだ胞子の成分を解析し、それが流れ込んでいる場所を特定し、血抜きをし始めた。
「おいおい、随分と余裕じゃねぇか? よほど死にてぇよだなァ! だったら、殺してやるよ! 肉の塊になってから後悔しやがれ!」
 ヴァルカンが苛立った様子で、狂ったように斧を振り下ろした。
「……肉ノ塊でスか。なラば、試しテみマしょうカ」
 すぐさま、ナハトが【三ノ叡智・理知(セフィラ・ビナー)】を発動させ、一連の動作を切り取った時間の中からヴァルカンの攻撃を予測して回避すると、攻撃動作を行った時間のみを切り飛ばすことで、ヴァルカンの背後に回り込んだ。
「な、何が起こった! なんでヤツが消えている!」
 その途端、ヴァルカンがパニックに陥った様子で、激しく目を泳がせた。
 ヴァルカンからすれば、ナハトが瞬間移動したようなモノ。
 そのため、何が起こったのか、まったく理解する事が出来ず、狐に化かされたような心境になっているようだ。
 それでも、小さな脳味噌をフル回転させ、何とか自分を納得させようとしているものの、まるで迷路の中に迷い込んでしまったかのように、答えを導き出す事が出来なかった。
「何ヲしたカ……理解すル必要ハ無イ。そモそモ、理解出来無イからネ。残っタ結果。君達ノ攻撃ハ、まるデ私ニ届か無イ。こノ事実ヲ以テ、消え給エ」
 ナハトがヴァルカンの背後で囁き、その命を奪い取った。
 ヴァルカンは何か言おうとして、口をパクパクさせたものの、大量の血が溢れて、言葉を吐き出す事が出来なかった。
「う、嘘、嘘、嘘!」
 それを目の当たりにしたサーヤが、糸の切れた人形の如く崩れ落ちたヴァルカンに駆け寄り、自らの血を使って治療をしようとした。
 しかし、ヴァルカンは既に事切れており、いくら治療をしても、二度と目を覚まさなかった。
「ヴァルカン、死んだ。仇……討つ!」
 ヴァルカンの手下達が剣や斧を握り締め、猟兵達に殺意を向けた。
 その中にはヴァルカンの死を悔やむ者、特攻隊長の座を狙う者、何も感じない者もいたが、猟兵達を倒そうという気持ちだけは一緒であった。
「アハハハ! 何度やっても同じ事。いくら頑張ったところで、肉の塊が増えるだけ。その証拠にほら、ほら、ほらっ! 悔しかったら、わたくしに傷ひとつでもつけてごらんなさい」
 その間も裕美の副人格であるシルヴァーナが舞い踊るようにしながら、惨殺ナイフを振るって血の一族を切り裂いた。
 即座にサーヤが駆け寄って、負傷者達の治療を始めたものの、それを上回るスピードで、シルヴァーナが血の一族を切り刻んだ。
「やるなら理性を保っている今しか……」
 茉莉が爆発しそうな勢いで膨らんだ殺戮衝動を狂気耐性で抑え込み、高速詠唱で【風に舞う茉莉の領域(ジャスミン・ゾーン)】を発動させ、自らの武器を無数の茉莉の花びらに変え、範囲攻撃で血の一族を纏めて攻撃した。
「歌唱う、我らが精霊・聖霊・月霊よ♪ 歌い、踊り、唄い、舞踏れ♪ 素ノ源ヨリ来タレリ……」
 続いて、ティファーナが【エレメンタル・ピクシィーズ】を発動させ、精霊/聖霊/月霊属性の【神罰の聖矢(シンバツ・ノ・セイヤ)】を放って、サーヤを牽制した。
「こ、これじゃ、治療が……。私の役目なのに……」
 サーヤが半ばパニックに陥りながら、オロオロとした様子で激しく目を泳がせた。
「落ち着け。救える命だけを救うんだ」
 アゼルハーンが猟兵達と戦いながら、サーヤにアドバイスした後、血の一族にも支持を出した。
 その指示に従って、血の一族が猟兵達に攻撃を仕掛けていったものの、怒りの感情だけが先走りしているせいで、成す術もなく肉の塊と化した。
 その間にティファーナが【クリスタライズ】で姿を消しながら、【月世界の英霊(ラビュリストン・ルーラー)】で光り輝く英霊と共に空間飛翔で距離を縮め、【月霊覚醒(ゲツレイカクセイ)】で満月、半月、三日月、新月をサーヤに放ち、ユーベルコードを封印した。
「もう終わりにしましょう、何もかも……」
 それに合わせて、茉莉が一気に距離を縮め、マヒ攻撃でサーヤの動きを封じ込めた。
「う、嘘……こんな事って……」
 サーヤが悔しそうな表情を浮かべ、声を震わせたものの、その気持ちに反して、身体は全く動かなかった。
「闘争の魂魄を宥め鎮めます……還りなさい」
 それと同時に、ティファーナが【叡智富める精霊(ハイ・エレメンタルズ)】で属性強化すると、【神聖天罰刺突(ハイ・セイント)】で苛烈に猛攻を仕掛け、無数の神聖なる神罰でサーヤにトドメをさした。
「……まったく……やりたい放題やったわね」
 そんな中、裕美が主人格に戻って、疲れた様子で溜息を洩らした。
「とうとう俺だけになってしまったか。だが、同胞の無念は貴様らの血で晴らす!」
 アゼルハーンが破魔の力を込めた拳をギュッと握り締め、ケモノの如く叫び声を響かせた。
「私に捧げられるような血は流れていませんが、どうするつもりなのですか……?」
 ベムがアゼルハーンに語り掛けながら、マシンガンとミサイルを駆使して、攻撃を仕掛けてきた。
「ならば、修復不可能になるまで壊すのみ」
 アゼルハーンが拳に宿った破魔の力を爆発させ、猟兵達に攻撃を仕掛けてきた。
「これは……随分と厄介ですね」
 ミコが第六感を駆使して、アゼルハーンの攻撃を避けながら、この地の霊脈を通じて生命力を吸収するフリをした。
「無駄だ! 俺からは誰も逃れられん!」
 アゼルハーンがケモノの如く吠え、猟兵達に攻撃を仕掛けてきた。
「アラート! 最優先任務変更、敵ヲ、コノ戦闘区域の生命ヲ殲滅スベシ……スベテ命、死ニ絶エヨ!」
 それを迎え撃つようにして、ベムが【ベルセルクトリガー】を発動させ、最終武装モードになると、マシンガンを撃ち続け、武器腕で殴り、ミサイルをばら撒き、脚で踏みつぶし、アームドフォートの砲撃で、アゼルハーンを吹き飛ばした。
 しかし、アゼルハーンが全身血まみれになりつつ、それでも怯む事なく猟兵達に襲い掛かってきた。
「いあいあはすたあ……拘束制御術式解放。黒き混沌より目覚めなさい、第玖の竜よ!」
 次の瞬間、ミコが【黒竜の遊戯(コクリュウノユウギ)】を発動させ、屠竜の魔女に宿る魔力を放った。
 それはアゼルハーンの目には見えず、まるで空気と戦っているような感じになっていた。
 だが、アゼルハーンは怯まなかった。
 全神経を研ぎ澄まし、破魔の力を宿した拳で、見えない何かをブン殴った。
 それが、いかに愚かで、虚しい行為であるのか、アゼルハーン自身も理解していたが、いまさら退く訳には行かなかった。
 拳が砕け、骨が剥き出しになっても、攻撃を止める事が出来なかった。
 その間もベムはマシンガンをぶっ放し、逃げ道を塞いでミサイルを落とし、アゼルハーンを物言わぬ骸に変えた。
 それでも、アゼルハーンは猟兵達を睨みつけたまま、ボロボロになった拳を握り締め、鬼のような形相を浮かべていた。
 そして、猟兵達は万毒の群生地に生えている宝石トリュフを手に入れ、その場を後にするのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月12日


挿絵イラスト