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帝竜戦役⑧〜くっころさんの蟹鍋大作戦

#アックス&ウィザーズ #戦争 #帝竜戦役 #群竜大陸

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「腹が減っては戦は出来ぬでござるよ」
 不死蟹海岸。そこに犇めくは巨大な蟹! 蟹! 蟹!
 体高数百メートルの無敵の硬度・重量・再生力を誇る「不死蟹」と呼ばれる存在だ。温厚なうえ普段はじっと動かないが、騒音・振動・匂いを嫌い、その発生源を踏み潰そうするという。
 そんな海岸の一角で蟹鍋パーティーをしてる頭のおかしな連中がいた。和装に身を包み刀っぽい何かをもった少年少女『東方の武技に魅せられた者』達だ。鍋で煮込まれる「生命の書片」は不死蟹の子蟹の抜け殻で、重く硬く、煮ると芳醇な出汁がいつまでも出続けるものだ。ひとつ金貨750枚、日本円に換算しておよそ750万円の価値がある。
 そんな所でそんなものを煮たりなんかしたら匂いで踏み潰されそうなものだが、しかし、蟹達は動かない。何故なら彼女達は蟹達を刺激しない改造により消音・消臭の結界忍術を扱えるからだ。
「くくく、猟兵達よ覚悟するがいい、この鍋に手をつけた時がお前達の最期だ」


「……えーと」
 珍しくアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)が困惑しながら説明をしていた。
「要するにこれ、蟹鍋に手をつけた所で結界解いて「不死蟹」に踏み潰させようって作戦らしいんだけど……」
 うん、うまくいきっこないよね。
「しかも、これ、大真面目にやってるのよねぇ……せめて軍師役の子がいればもっとマシな作戦もできただろうに」
 どうしてこうなった? 『東方の武技に魅せられた者』達は元々フィクションの内容を信じてその作品に描かれた武技を鍛練末に再現するに至った頭のおかしなもとい純真な者達である。なお、アックス&ウィザードに東方地方があるかは今のところ確認できていない。『東方の武技に魅せられた者』達も行ったことも見たこともなく本の内容だけで技を再現してるだけである。
「刀そのものは形だけのナマクラなんだけど、忍術と組み合わせることで名刀にも引けをとらない切れ味になってるわ。腕前も達人並みたいだから、間抜けに見えても油断してはダメよ」
 しかし、この戦場でもっと厄介な存在がある。「不死蟹」だ。
「音を出しちゃダメ、匂いを出してもダメ、振動を起こしてもダメ、この条件でオブリビオンと戦うことになるわ。もし、この手段を用意してなければ「不死蟹」も同時に相手にする事になり戦況はだいぶ不利になるでしょうね」
 無敵の硬度・重量・再生力を誇る存在だ、できれば相手にするのは避けたい所である。
「あ、そうそう。不死蟹の子蟹の抜け殻が「生命の書片」て呼ばれる宝物らしいの。なんでも煮ると芳醇な出汁がいつまでも出続けるとかで金貨750枚分の価値があるらしいから探してみ……るまでもなく鍋にされてるから回収するのもいいかもね?」
 そこまで説明するとアリスは転送準備をはじめる。
「それでは頼んだわよ、いってらっしゃっい」


蒼汁の人
 はーい♪ ごにゃーぽ☆ ごきげんよう♪
『ネタに逝きネタに死す』蒼汁の人でございます。
 蟹鍋に手を出せばネタルート。無視すれば純戦ルートでございます。
 本当だよ? シナリオタイトルと敵UCであっと察した方は自重しろよ? いいか、自重しろよ? 絶対に自重しろよ?
 本シナリオのギミックは以下の通りでございます。
 ☆=============================☆
 プレイングボーナス……大きな音や振動、匂いを発さずに戦う。
 ☆=============================☆
 ※この戦場で手に入れられる財宝。
 宝物「生命の書片」……不死蟹の子蟹の抜け殻で、重く硬く、煮ると芳醇な出汁がいつまでも出続けます。なぜ生命の書片と呼ぶのか分かりませんが、ひとつ金貨750枚(750万円)の価値があります。
 この財宝はフレーバーのみでアイテムとしての発行はありません。
 それでは皆様、よき戦争ライフを。
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第1章 集団戦 『東方の武技に魅せられた者』

POW   :    主の為ならばこの身どうなろうとも……
自身の【忠義に生きることへの憧れ】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    この身がどれだけ汚されようと必ず達成します
あらゆる行動に成功する。ただし、自身の【忠義に捧げた身体】を困難さに応じた量だけ代償にできなければ失敗する。
WIZ   :    我が忠義は屈せぬ。心までは奪えぬと知れ
【忠義を貫きたい】という願いを【自身の敵対者】に呼びかけ、「賛同人数÷願いの荒唐無稽さ」の度合いに応じた範囲で実現する。

イラスト:黒江モノ

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

月凪・ハルマ
……いやなに、この(頭が)可哀想な子

え、オブリビオン?撃破対象?あっハイ了解

◆SPD
さて、蟹への対処だ
まず周囲の砂を身体や衣服に擦り付けて、匂いを誤魔化す

それから【迷彩】で姿を消し、蟹に気付かれない
(【目立たない】)様に【忍び足】で戦場を移動しながら
オブリビオンを捜索(【失せ物探し】)する

まぁ、蟹鍋って分かりやすい目印があるし、見つけるのも
それ程苦労はしないだろう
ただ蟹の事がある以上、できるなら一撃で仕留めたい

なので発見したら、姿を消したまま【瞬身】発動
更に【武器改造】で魔導蒸気式旋棍を刀剣状に変形させ、
【早業】で【暗殺】を仕掛ける

『生命の書片』は余裕があれば回収、くらいで

※アドリブ・連携歓迎



「……いやなに、この(頭が)可哀想な子」
 説明を聞いた月凪・ハルマ(天津甕星・f05346)が真っ先に抱いた感想がそれであった。さもありなん。
「え、オブリビオン? 撃破対象? あっハイ了解」
 戦争とは? そんな疑問を抱きながら戦場に向かう。現地についたハルマは海岸の砂を音を立てないように細心の注意を払いながら衣服や身体に擦りつけていた。海岸の砂は「不二蟹」が慣れ親しんだものであり、ならば匂いも誤魔化せるだろうと推測したのだ。はたして、その目論見はうまくいった。それよりも問題なのは、
「うえ、鳴砂かよ」
 もっとも猟兵である以上は武具の音が不利にならない技術を意識的にしろ無意識的にしろ体得してるものであり、化身忍者であるハマルが本気で無音歩行を意識すれば鳴砂の上であろうと問題なくできる。ただ、普段よりも集中を要しめんどくさいだけである。
 とはいえ、そんな苦労も長くは続かなかった。何せ蟹鍋パーティーをしているのだ。とても目立っていて見つけるのは簡単であった。
「……いやなに、この(実物は思った以上に頭が)可哀想な子」
 一瞬気が抜けかけるも直ぐにハマルは精神を立て直す。蟹のことがある以上は一撃で仕留めたいところである。幸いなことにまだ気付かれていない。
「――集中しろ。もっと、深く……!」
 次の瞬間ハマルの身体が掻き消えて蟹鍋パーティの後ろに現れていた。リボンのように伸びていた連結式の刃が元のトンファーの形状に戻る。一瞬遅れて『東方の武技に魅せられた者』 達の首から鮮血が吹き上がり、そのまま何をされたのかも気付かないままに骸の海に返っていったのである。
「……達人級の腕前?」
 疑問が残る。種を明かせば我流なので索敵技術は体得していなかったのだ。ともあれ、余裕の勝利であったためハマルは『生命の書片』を回収して帰還するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

緑川・小夜
[WIZ]

ウフフ…お粗末な罠とはいえ、わたくしを嵌めようなどという不埒者にはお仕置きが必要ですね…

選択UCを発動して、霊体になり行動を開始します

霊ならば、音も振動もなく、匂いもしないので、自由に動けるでしょう

そのまま蟹鍋をしている敵の一人に接近し、憑依します(【精神攻撃】)

あとは乗っ取った身体を使って、同士討ちを行っていきましょうか

もし乗っ取った身体が動かなくなっても、別の敵に憑依すればまた新しい身体が使えるので、遠慮なく暴れまわりましょう

あ、蟹鍋は特に興味がないので、武器の一つとして熱々の中身を敵にぶっかけてしまいますね

[アドリブ連携歓迎です]



「ウフフ……お粗末な罠とはいえ、わたくしを嵌めようなどという不埒者にはお仕置きが必要ですね……」
 緑川・小夜(蝶であり蜘蛛であり・f23337)が幼さの中に妖しさを秘めた笑みを浮かべる。怪盗、黒蝶として活動していればそのような輩と遭遇することも少なくないが、皆一様に“分かって”頂いたものだ、例外はない。
 まずは不死蟹への対策として小夜は仙術を用いて己の身を霊体へと変質させる。霊ならば音も振動もなく、匂いもしないので自由に動けるとの判断だ。
「この程度、わたくしには造作もないこと……」
 霊体となった小夜は一切蟹を刺激することなく蟹鍋パーティーを発見する。そして、念動力で鍋を浮かべてその熱々の中身を『東方の武技に魅せられた者』達の頭上に振り撒いた。
『熱い熱い熱い!』
『だ、大丈夫か! 今応急手当てをする』
 まともに浴びてしまった者は火傷を負ってのたうち回り、回避出来た者も負傷者への対処に追われる。最早小夜の手の平の上だ。小夜は『東方の武技に魅せられた者』の一人に近付くとその身体に憑依して乗っ取った。応急手当てのフリをしてのたうち回る憐れな獲物に近付き止めを刺す。
『な、何をしている!』
『裏切ったか貴様!』
 そんなことを繰り返せば当然バレて処理されてしまう。だが、問題はない。使い棄ての肉体など敵の数だけあるのだ。今自分を切り捨てた者に憑依して周囲の者に斬りかかる。多勢に無勢、数名を切り捨てたところで動かなくなったので、また別の敵に憑依する。
『我が忠義は屈せぬ。心までは奪えぬと知れ』
 小夜に憑依された時点で乗っ取られる前に自害をする者も現れたが、それはそれで好都合なので構わずに次々に憑依を続けていく。仮に使える肉体が無くなっても問題はないのだ、呪いに念動力にとまだまだ手札は豊富にある。
 かくして、海岸の一角は小夜によって制圧されたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
蟹鍋、美味しそうですよねぇ。
それでは、参りましょうかぁ。

【遍界招】を使用、『隠密用』に『マント型の祭器(気配&臭い遮断)』と『靴型祭器(音&震動遮断)』を召喚し、着用して参りましょう。
これで、或る程度は問題なく近づける筈ですぅ。
同時に、内部に入れた品の匂いを遮断する『袋型の祭器』を御用意しますねぇ。
『カニ鍋』を見つけたら、用意した『袋』に入れて鍋と宝物ごといただいて行き、帰還後にゆっくりいただけば良いでしょうかぁ。
代わりに『キムチ』等を置いておけば、興味を引ける可能性も?

くっころさん達が仕掛けてきましたら『隠密状態』を継続しつつ『FBS』と『刀』でお相手しましょうかぁ。



「蟹鍋、美味しそうですよねぇ」
 説明を聞いて夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はその光景に想いを馳せた。
「それでは、参りましょうかぁ」
 そう言いながらるこるは祭器を取り出し準備を進める。気配と匂いを遮断するマントに音と振動を遮断する靴、それに中に入れた品の匂いを遮断する袋だ。
「大いなる豊饒の女神、その鴻大なる知と力を持つ『祭器』を此処にお与え下さい」
 マントと靴の祭器を身に付けたるこるに蟹達が気が付く様子はない。蟹鍋パーティは目立つ為に発見するのは容易であった。そして、近付いたるこるは『東方の武技に魅せられた者』の作戦の最大の穴に気づいた。音と匂いが遮断されている、即ちおいしそうと思わせる為の情報が遮断されているのだ。あれでは鍋に気を取られる者は少ないだろう。そんなことを考えながらもるこるは蟹鍋を袋型祭器に回収し、代わりにキムチ鍋を置いていた。
『誰だ、キムチを入れた奴は』
『これはこれでおいしい』
『辛みが足りん』
 ……『東方の武技に魅せられた者』は気づかなかった! そのまま鍋をつついている。
あまりにも隙だらけなのでるこるは霊刀『純夢天』で切り捨てる。流石に二体三体と続ければ気づかれるもので、反撃を行ってくるが祭器で姿を隠したるこるを捉えることが出来ない。更には浮遊戦輪を展開すれば『東方の武技に魅せられた者』に為す術はなく蹂躙されていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
アドリブ・連携何でもOK


えー、なんて言ったらいいんだろう。
とりあえず倒せばいいんだよね?

まあ、流石に見え透いた罠に引っかかる気はないし、
鍋を作るのに集中してるのは不意打ちのチャンスだと思うんだけど……
使うのが【超軟体化】で本当に大丈夫なんだろうか。

いや、静かに捕まえて騒がれないように倒すのに便利だから使うんだけど、
なんかこう、これを使うと何か不味い気がする。
何か不死蟹よりも手を出しちゃいけない何かを起こしてしまうような気が。

……大丈夫だよね?
とりあえず鍋を作ってる後ろから蛸足を伸ばして、締め上げて倒すよ。



「えー、なんて言ったらいいんだろう。とりあえず倒せばいいんだよね?」
 イエスザッツライ! とりあえず倒しちゃえばいいのですよペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)さん。『東方の武技に魅せられた者』 は直ぐに見つかった。蟹鍋パーティーしてればそりゃ目立つ。あからさますぎた。罠にしてももうちょっとこう何かあるのではないか。
「まあ、流石に見え透いた罠に引っかかる気はないし」
 そもそも匂いも漂ってこないので食欲も湧いてこない。食レポのようにおいしそうに見える工夫もしているわけでなし。なんらかの意図でわざとでもなければそうそうひっかからないだろう。
 ともあれ、鍋に集中している今が絶好の不意打ち機会に思われた。しかし、とペトは己の身体を改めて見直す。蛸足である。超軟体であった。蟹に気付かれないように、音と振動を出さないように変身した姿だ。匂いに関しては海岸ということもあり、磯の匂いで誤魔化せていた。
「使うのが【超軟体化】で本当に大丈夫なんだろうか」
 なんとなく、くっころ、というワードが脳裏をよぎる。静かに捕まえて騒がれないように倒すのに便利だから変身してみたわけだが、なんか、こう、使うと不味いような、不死蟹よりも手を出しちゃいけない何かを起こしてしまうような嫌な予感みたいなものをペトは感じとっていた。
「……大丈夫だよね?」
 まぁ、大丈夫である。具体的に指示されるか自由に好きにしてとでもない限りは健全な方向で描写するので安心して欲しい。ペトは鍋に夢中になっている『東方の武技に魅せられた者』 の背後に静かに忍び寄ると七十五本の蛸足を伸ばして締め上げた。鍋パーティとはいえ流石にそこまでの数は集まってなかったので余裕で全員を捕縛する。
 蛸足は筋肉の塊でありその締め付けは強烈で、悲鳴をあげる間もなく全身の骨を砕かれ『東方の武技に魅せられた者』 は骸の海へと返っていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
関節に駆動音を軽減する処置、足裏にクッション素材を装着し足音軽減
(●防具改造)

(蟹鍋の罠を大真面目に仕掛けているくノ一達に思わず近寄り小声で)
そのような罠を仕掛けたら『遠距離から音の出ぬ方法で敵を仕留め、その後で蟹鍋を楽しもう』と考える者にとって格好の的ですよ…

地の利と高い身体能力で真っ当に忍びとして戦った方が良いかと

さて、では私はA&Wの人々の安寧の為に、皆様は帝竜の為に
いざ!(小声で)

UC起動
攻撃を当て音を出される可能性を鑑み回避一択
未来予測演算で攻撃を●見切り、音の出ぬように緩やかな動きで回避
剣による精密攻撃で反撃、一気に殲滅

膨大な予測演算の中に不死蟹に潰された未来が垣間見えました…



 トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は関節にサイレンサーを取り付け、足裏に音を吸収するクッション素材を装着していた。ウォーマシンであるトリテレイアはその駆動音だけで不死蟹に襲われかねない為にこれらの処置をベースで行う必要があったのだ。
 現地についたトリテレイアは静かに蟹鍋パーティーに近付くと小声で『東方の武技に魅せられた者』 に話かけた。
「そのような罠を仕掛けたら『遠距離から音の出ぬ方法で敵を仕留め、その後で蟹鍋を楽しもう』と考える者にとって格好の的ですよ……」
 大真面目にそれを罠として仕掛ける姿に思わずそんなアドバイスをしてしまう。
『な、猟兵』
 驚愕しながらも律儀に小声で返すくノ一侍達。
「地の利と高い身体能力で真っ当に忍びとして戦った方が良いかと」
 そして、トリテレイアの続く言葉にざわつきはじめお互いを視線で牽制しあう。
「さて、では私はA&Wの人々の安寧の為に、皆様は帝竜の為に……いざ!」
 そう、これは忠義に生きる者垂涎のイベント一騎討ちのお誘いである! 違ったかもしれないがトリテレイアは何も言わずに待った。話し合いは苛烈を極めたが最終的に蟹足での櫛引で決着はついた。
『それでは某が代表してお相手つかまつりましょう』
 彼我の距離およそ十歩。相対せしは方や記憶データに残る騎士道物語を理想とし模倣する者、方やお伽噺の侍に憧れてその技術を練り上げた者、奇しくも似て非なる両者が今刃を交えんとしていた。
 先に動いたのはくノ一侍である。縮地により一瞬で間合いを詰めて斬りかかる。しかし、トリテレイアはその動きを読んでいた。いや、演算を終えていた。過去と現在を変数に僅か先の未来を予測演算する。かつて、銀河帝国攻略戦において、幹部の白騎士ディアブロが使っていた技である。だが、その白騎士の背、未だ届かず。
 演算結果に従いトリテレイアは刀を回避するとくノ一侍を一刀の元に切り捨てた。
「膨大な予測演算の中に不死蟹に潰された未来が垣間見えました……」
 もしも、トリテレイアが先に動いていたら、刀で受けられ大きな金属音を響かせていただろう。だが、その未来は回避された。目指す境地は未だ遠く、されど一歩づつ確実に近づいている。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アノルルイ・ブラエニオン
ヒャッハー蟹鍋だぁー!
罠ということは鍋を食う所までは問題なく辿り着けわけだな!

辿り着いたらこっちのものだ
結界の内側で【楽器演奏】し、UCを発動、動きを止める
それで結界が解除されるならお宝を回収して【ダッシュ】で逃げるぞ
されないなら無理矢理結界を解かせる
どこまで忠義を貫けるか試してみようか(直接的な表現は自重しますが、MSお好みの方法で)

逃げる時は蟹の動きを【見切り】、【ダッシュ】【ジャンプ】を併用、UCで動きを止めようと試みつつクールに去るぜ!



「ヒャッハー蟹鍋だぁー! 罠ということは鍋を食う所までは問題なく辿り着けわけだな!」
 アノルルイ・ブラエニオン(変なエルフの吟遊詩人・f05107)は荒ぶっていた。そんなに叫んでいたら不死蟹に踏み潰されそうなものだが、何故か不死蟹はおとなしくしていた。鳴砂の海岸線、そこでアノルルイの踏むスキップするようなステップが感動的なメロディを奏でていたのだ。不死蟹達は聞き惚れている。特に対策を用意してなかったアノルルイであったが吟遊詩人として培った音楽的才能が無意識的に幸運をもたらした形である。
 ともあれ、障害もなく蟹鍋パーティーに辿り着いたアノルルイはリュートを奏でる。『東方の武技に魅せられた者』 は結界を解くのも忘れて聴き惚れていた。
「おや、結界を解きませんか。なら無理矢理解かせるまで」
『なに?』
「どこまで忠義を貫けるか試してみようか」
 どこかおどけた様子で言うアノルルイにくノ一侍達 は困惑を隠せない。結界を解かれて困るのは向こうではないのか? だが、ここまで自信満々ということは結界を解くことをトリガーにした何かがあるのかもしれない。
『わ、我が忠義は屈せぬ。こ、心までは奪えぬと知れ』
 迂闊には動けない。そう、判断したくノ一侍は近付いてくるアノルルイに虚勢を張るのが精一杯であった。声が上擦っていたり頬が上気したりしてるのは気のせいで、アノルルイが黙っていればイケメンエルフなこともなんら関係はない。
 アノルルイの指が楽器を弾くようにくノ一侍の肌を踊ればその喉から音が奏でられる。それを見守るくノ一侍達はアノルルイがどんな手を用意しているか分からないため迂闊には手を出せない。もじもじと内股を擦り合わせながら自分の番を待つだけだ。
 こうして、音も匂いも振動も遮断された結界の中で、くノ一侍を楽器としたアノルルイの演奏会は続けられ、『東方の武技に魅せられた者』 達はその忠義の為に蕩けて消えて逝くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

備傘・剱
つまり、こう、静かに殺れ、とな?
そういいたいわけだな?

というわけで、まずは、オーラ防御で匂い消しと、空中浮遊で振動消し、で、気配を消して、狙撃できる所に移動するぞ

その気になれば、空中浮遊で高高度からの一方的な攻撃ができるだろうな
カニ鍋があるのなら、その周りの奴らを攻撃するのはたやすいことだろうぜ

そして、猟犬狩で遠距離攻撃を仕掛けてみよう
…サイバーゴーグルの望遠機能、こんなところで役立つとはなぁ

そういや、蟹の殻だが、そこらへんにあるのかな?
できれば回収したいところだぜ
いい出汁が出るのなら、店の売り上げにかなり貢献できるからな
何が何でも、欲しいところだ!

アドリブ、絡み、好きにしてくれ



「つまり、こう、静かに殺れ、とな? そういいたいわけだな?」
 予知の説明をそう解釈した備傘・剱(絶路・f01759)はその身をサイキックエナジーで覆っていく。本来は防御に使われるその技術は今回、内から出るものを防ぐことに使われる。外からのものを遮断出来るのであれば、内からのものを遮断出来るのも道理である。更にはふわりと宙に浮かべは完全な無音行動も可能であった。
 それはフォースナイトである剱の超能力だ。その超能力で剱は高く高く浮かびあがる。その高さまで来れば最早音も匂いも振動も関係ないであろう。それでも剱がサイキックエナジー纏い遮断したのは転送直後の思わぬ事故を防ぐ為だ。ともあれ、高高度まで浮かび上がった剱はモノクロに触れると浮かび上がったサイバーディスプレイを操作して望遠機能をonにする。
 蟹鍋パーティーは残り二グループのようだ。そして、片方には別の猟兵が向かっているのでそちらは任せていいだろう。だから、剱は残りの一グループに集中する。
「追いて、仕留めよ、異界の猟犬! この常世次元に、汝を縛る鎖、一切、有らざり !我が括れぬ、汝が野生、その身に満たせ!」
 カマエタ不思議な光を湛えた短刀がその真の姿を顕にし、宿せし強い魔力が異界より恐るべき猟犬を喚びよせる。猟犬の鼻が『東方の武技に魅せられた者』の匂いを捉えた。そうなればもう終わりだ、この猟 犬に匂いを覚えらた者は例えどこへ逃げようとも時空間を越えてどこまでも追いかけ続けられるのだから。
「そういや、蟹の殻だが、そこらへんにあるのかな? できれば回収したいところだぜ」
 目の前の鍋にも入ってはいるが出来れば新品が欲しいところである。
「いい出汁が出るのなら、店の売り上げにかなり貢献できるからな。何が何でも、欲しいところだ!」
 なぜなら、店で調理に使うものだからだ。熟練の探索者である剱はその経験則と勘で「生命の書片」を瞬く間に見つけると持ち帰るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エルザ・メレディウス
*アドリブや絡みは大歓迎です
■POW

...なんだか、いとおしい様な敵で斬るのが少しだけ躊躇われてしまいます。せめて、東洋の剣術でお相手させて頂きます

★各種対策:匂いは海岸の水などを体に染みつかせることで誤魔化します。移動時には【忍び足】を心がけて、【地形の活用】を活かして、岩陰などに隠れながら、適切なルートで敵へ接近致します。

・接近後は、相手へ適切な攻撃を...! UC:剣刃一閃で一体づつ攻撃を仕掛けます。

*集団で戦っている際に、万が一不死蟹に気付かれてしまった場合は、囮を担当。味方猟兵達から離脱。【残像】などを使用しながら、不死蟹を【誘惑】いたします。



 エルザ・メレディウス(復讐者・f19492)は海水に身を浸していた。匂い対策の為である。不死蟹達が慣れ親しんだ磯の匂いを染み込ませて誤魔化そうというのだ。水を吸った服は重いが猟兵にその程度は不利には働かない。
 足音をさせないように慎重に忍び足で歩く。砂地は鳴砂のようなので岩場の方のルートを選んだ。かなり険しい道程ではあったが、エルザの地形すらも利用する移動法は危うげなく難所を越えていく。
 こちら側にも不死蟹はそれなりにいたが、上手く岩影に隠れながらやり過ごす。岩場に打ち付ける波涛の音のおかげで多少大胆に動く子ともできた。そして、漸く目標が見えてきた。こちらのルートは想定外であるのかまったく警戒されていない。
「...…なんだか、いとおしい様な敵で斬るのが少しだけ躊躇われてしまいます。せめて、東洋の剣術でお相手させて頂きます」
 見た目だけなら思春期を拗らせた少年少女であるのだ、エルザの心に僅かな躊躇いが生まれる。しかし、彼らは竜帝の部下として任務を遂行中なのだ。たとえそうはみえなくとも放置しておくわけにはいかない。
 この場にいる目標は三人。エルザは静かに忍び寄る。歩くとは技術である。極めた者は体幹を一切ぶれさせず、ぶれないが故に物音もさせず、歩み寄ってることを気付かせることもないという。
 まずは一閃、返す刃でもう一閃。やや、移動して最期の一閃。来た時と同じくエルザは静かに去っていく。蟹鍋パーティーに一見変化は見られない。しかし、鍋をよそおうとお玉を手にした三人の首が、同時にぽろりと落ちた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月12日


挿絵イラスト