帝竜戦役⑩〜イカした王のお通りだ
●王は常に空腹である
浮遊岩諸島という不思議な場所があった。
浮遊する浮島はそれぞれ文化や環境が異なり、住んでいる生き物すら違うと言われている。
「来たクラ、来たクラ~!」
「『王様』が来るタコ~!」
平穏だった海の波が徐々に強く高くなっていく。港町で屋台を並べお祭りを楽しんでいた『マツリ族』達はすぐさまその異変に気付き、慌てて屋台の商品を建物の中や物陰に隠し始めた。
海から聞こえてくる、ゴゴゴゴ……という大きな音。そう、海に見える黒い影が港町へと近付いて来るのだ。
やがて海の影から白い何かが現れ、細長い三角が徐々に姿を見せ……。
「イカー!」
ざぱーん、と2メートル以上ある大きなイカが派手に現れた。気の抜けた声だが、彼こそがこの浮島を支配する王、『だいおーいかたん』である。
「ぱんぱかぱーん。退屈だったからお散歩に来たイカー」
「王様だクラ~! ははーっ」
マツリ族はぺこぺこと頭を下げる。イカ王はえっへんと機嫌良さそうにふんぞり返る。
「お? 何だか良い匂いがするイカ! お腹がすいてきたイカー!」
「あわわ~、ここには何もないですタコ~」
「じゃあこの美味しそうなものはなんだイカ?」
「あ、それは……」
イカ王はぎゅるるとお腹(?)を鳴らしながら腕を伸ばす。手に取ったものは……串焼きだ。
「あわわ~、きっと王様の口には合わないですタコ~!」
「もぐもぐ……」
話も聞かず勝手に屋台の食べ物を食べ始めるイカ王。
「わー! なんて美味しイカ! ここにあるものぜーんぶ貰うイカ! 献上するイカ!」
「で、でも、それはみんなで食べる為に用意したものですタコ……」
「うるさイカー! 王様の命令はゼッタイカー! 大体さっきから人をタコ呼ばわりとは何だイカ! 逆らうヤツはこうだイカー!」
「ひえ~タコ~!」
「お、おやめくださいクラ~!」
びしんびしん、イカ王に叩かれるマツリ族。恐怖のイカ王に住民達はただただオロオロするしかなかった。
●浮遊岩諸島
「例えどんな内容であっても、見たからには放っておく訳にはいかないっす。そう……それが猟兵っす……」
知念・ダニエル(壊れた流浪者・f00007)は何処か遠い場所を見つめている。
「世界の命運が掛かっている大戦中のはずなんですけど、とてもユルい予知を見てしまったっす。それでも付き合って欲しいっす」
して、その内容とは。
「簡単に説明するっす。『タコとクラゲがイカにいじめられてる』っす」
うむ、意味がよく分からない。
そうだろうなぁという表情を見せ、ダニエルは改めて説明を始める。
「今回皆さんに向かって貰う場所は『浮遊岩諸島』の一つっす。活気の良い港町と綺麗な海が印象的な浮島で、そこには『マツリ族』っていう変な生き物が住んでいるっす」
マツリ族とは、その名の通りお祭りが大好きな種族である。昼夜問わず屋台を並べ、美味しそうな匂いを漂わせ、疲れるまでひたすら踊っているらしい。
そしてその姿は、タコやクラゲが人間サイズになったような見た目をしているという。
「自分達で採った山菜や海産物を調理しては、屋台で売り買いして交流を深めているみたいっす。屋台の商品はお祭りでは定番の料理は大体はあるみたいっすね」
そんな彼らではあるが、ここ最近困っている事が起きているという。
「えぇ、オブリビオンの登場っす。浮島一つを支配して、元々いたマツリ族を支配しているようっす。王を自称するオブリビオンが好き勝手するんで、マツリ族は楽しいお祭りができず困っているっす」
これで最初の発言の意味が何となく理解できただろう。
「そう、このオブリビオンはデカいイカ『だいおーいかたん』っす。強さは……実際会ったら分かると思うっすよ」
強さに対してはあえて何も言わなかったダニエル。名前でお察し、と言いたげだ。
「オブリビオンは空腹状態でやって来るらしいし、マツリ族も困ってるっすから、彼らに声を掛ければ何かしら協力はしてくれるんじゃないですかね。戦う力はないっすけど……」
ちなみにマツリ族は屋台の物陰や建物の中に隠れているようだ。腕である触手がはみ出ているので簡単に見つかるだろう。
「怪我という怪我はないみたいっすが、お祭りを邪魔されるという被害は出ているっすから……何とか助けてあげて下さいっすね」
これもアックス&ウィザーズを救う為っす。そう締め括り、ダニエルは依頼の説明を終えるのだった。
ののん
お世話になります、ののんです。
●状況
アックス&ウィザーズ『帝竜戦役』の戦争シナリオとなります。
1章で完結します。
●戦場ルールについて
お腹をすかせてイカった王と戦います。
全体的にユルい雰囲気となってますが、戦争ですので目的はお忘れなく。
この浮島に住む奇妙な生物『マツリ族』は猟兵達に対しては友好的なようです。
よって、プレイングボーナスはイカの通りとなります。
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プレイングボーナス……奇妙な生物達(マツリ族)の支援を得る。
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●プレイングについて
受付期間は特に設けておりません。
キャラ口調ですとリプレイに反映しやすいです。
お友達とご一緒する方はIDを含めた名前の記載、または【(グループ名)】をお願い致します。
同時に投稿して頂けると大変助かります。
申し訳ありませんがユーベルコードは基本的に【選択したもののみ】描写致します。
以上、イカした皆様のご参加お待ちしております。
第1章 ボス戦
『だいおーいかたん』
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POW : 子分行くイカ!
レベル×5体の、小型の戦闘用【こぶんいかたん】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
SPD : お弁当食べるイカー
戦闘中に食べた【おにぎりや焼き…イカ…?】の量と質に応じて【よくも子分をイカ!と何故か猟兵に逆ギレし】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ : イカスミぶはー
【いかたん得意のイカスミすぷらーっしゅ】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を真っ黒に塗りつぶし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
イラスト:Miyu
👑8
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ポク・ョゥョゥ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「うんうん、美味しイカ! もっと献上するイカー!」
焼き鳥、焼おにぎり、たこ焼き……。次々と勝手に屋台の商品を奪っては食べていくイカ王。
「他にも美味しいものはあるイカ? じゃんじゃん持ってくるイカー!」
マツリ族はふるふると震えている。
「このままだと、また全部食べられちゃうクラ~……」
「みんなで楽しめないタコ~……」
……果たして、お腹のすいたイカ王を鎮める事はできるのだろうか?
フランチェスカ・ヴァレンタイン
暴食は大罪の一つとも申しますけれども、ねえ
…一緒に屋台を楽しむ程度であれば、歓迎していただけたでしょうに
先ずはマツリ族の方とコンタクトを
屋台の料理などまだ残っていれば、ご提供いただけません?
皆さんに手伝っていただき、優位を取るための撒き餌として使わせていただきましょう
撒き餌につられてのこのこ現れただいおーいかたんへ、撒き餌を包囲するように配置しておいた飛翔ビットからの集中砲撃と参りましょう
砲撃の合間に、空中戦機動から斧槍で切り込んでの強襲なども
締めはUCを使用して最大限に威力を上げた、渾身のランスチャージで退散いただくと致しましょうか、と
「食は嗜むもの――食い尽くし系は、ええ。嫌われますよ?」
「すみません、あなたがマツリ族の方……ですね?」
隠れているマツリ族に声を掛けたのはフランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)。にゅる、と隠しきれていない腕を震わせながら、タコの姿に似たマツリ族が顔を覗かせる。
「タコ~! 見た事ない人がタコ~!」
「落ち着いて下さいませ、わたしは猟兵です。勿論、わたし以外にも何人か来ています。あなた達を助けに来ました」
フランチェスカの声に、マツリ族はふにゃふにゃと脱力していった。安心したのだろう。
「わ~王様を止めてくれるタコ~? 願ったり叶ったりタコ~!」
「任せて下さい。そこで、あなた達に少々手伝って頂きたい事があるのですが……」
「な、何ですタコ……?」
心配そうな表情を見せるマツリ族に、フランチェスカはにこりと優しく微笑んでみせた。
「イカーイカー、王はまだお腹がすいてるイカー!」
だいおーいかたん(以下イカ王)は相変わらず偉そうにしていた。焼きおにぎりを何個も握り締めては頬張っている。
「イカ? なんだか別の美味しそうな匂いがした気がするイカー」
おや? みたいなニュアンスできょろきょろ見回すイカ王。
「イカっ!? あれはお好み焼きだイカ!」
作りたてのお好み焼きが岩の上に置かれていた。踊る鰹節を見るだけでイカ王の空腹度が更に増加する。
嬉しそうにお好み焼きの置いてある場所まで向かうイカ王。焼きおにぎりを持っていない腕を伸ばしお好み焼きをゲットしようとした――その時。
ドォォォォン!!
「イカー!!?」
突如お好み焼きが爆発した。いや、そんな事が起きるはずがない。
「あっさりと引っ掛かりましたね……暴食もここまで来ると困りものですわ」
爆発現場へ現れたのはフランチェスカ。空中にはお好み焼きを集中的に狙った複数の飛翔ビットが浮かんでいた。
見て分かる通り、マツリ族に用意して貰ったお好み焼きでイカ王をおびき出し、空中から狙い撃ちをした罠であったのだが、イカ王は全く気付かなかったようだ。
黒こげになったイカ王はフランチェスカに気付くと、イカらしくぷんぷんとイカってみせた。
「イカー! 見た事ないやつイカ! ここの住民じゃなイカね! 何するんだイカー!」
「簡単ですわ、暴食の王様を倒しに来ただけです」
機殻斧槍、ヴァルフレイア・ハルバードを握り締めたフランチェスカは、イカ王に歩み寄りながら武器の封印を徐々に解いていく。
「反乱だイカ! ひどイカ! それならこうだイカー!」
「いかー!」
ぽぽぽぽ、と何処からともなくイカ王の子分、こぶんいかたんが現れフランチェスカを襲おうとするのだが。
「いかー!!?」
勿論の事飛翔ビットがそれを逃さない。容赦なくこぶんいかたんの軍勢へ砲撃の嵐が降り注ぐ。
暴走状態となった武器を引き摺りながら嵐の中を素早く駆けるフランチェスカ。驚いて隙だらけであるイカ王の懐へ潜り込むと、思い切り武器を振り上げる。
「食は嗜むもの――食い尽くし系は、ええ。嫌われますよ?」
自壊する自身の服装など気にもせず。地面を叩き割るほどの強力な一撃にイカ王は涙を流すのだった。
大成功
🔵🔵🔵
シーザー・ゴールドマン
マツリ族
なるほど、祭りを楽しめなくて困っていると……
まあ、祭りは楽しんでこそだからね。
よろしい、その原因を取り除いてあげようじゃないか。
終わったら、祭りに参加させて貰っても良いかね?
(支援、彼等は何が出来るのか……まあ、猟兵側を応援してくれればイカは孤独感に苛まれるかも知れないね)
イカ
『ウルクの黎明』を発動。剛柔自在の剣術でオーラセイバーを振るって戦います。敵の攻撃は直感(第六感×見切り)で回避してカウンター攻撃へ。
「イカの刺身、というのはどうだろう?」
敵POWUC
召喚された瞬間を見切って灼熱の衝撃波(属性攻撃:炎×衝撃波×範囲攻撃)で瞬時に焼き尽くす。
「イカ焼きと行きたかったが、消えたか」
「かくかくしかじか……という事があって、いつも王様に作ったものを食べられてしまうクラ~」
「なるほど、それで祭りを楽しめなくて困っていると……」
クラゲの姿をしたマツリ族から話を聞いていたシーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)。その内容は記すとなると長くなりそうなのでここでは省く。
「まあ、祭りは楽しんでこそだからね。終わったら、祭りに参加させて貰っても良いかね?」
「わぁ~勿論クラ~! 大歓迎クラ~!」
喜ぶマツリ族。よろしい、とシーザーは微笑むと、上着を翻しイカ王の元へと向かって行った。
「そうだな……私達猟兵への応援をお願いしてもいいだろうか? それだけでも、あのイカへのダメージは大きいだろうからね」
「分かったクラ~!」
「父ちゃん、ぼく頑張ってイカ焼き準備しておくクラ~!」
「おぉ~任せたクラ~!」
大きなクラゲと小さなクラゲが物陰から姿を現し、猟兵の応援や迎える準備に取り掛かり始める。
「イカっ!? なんで王の時はそんな風に張り切ってくれないのイカ? なんでなんで??」
次々と猟兵達の味方へ付くマツリ族達に困惑するイカ王。
「当たり前だ、一人しか楽しめない祭りに意味などないからね」
イカ王へと歩み寄りながらシーザーは輝く真紅のオーラを己の身に纏う。威嚇するように溢れんばかりの魔力を見せ付けると、イカ王は両腕(?)を挙げてビビり出す。
「ひえー!? えええええいへイカ、えいへイカー!!」
衛兵を何処からともなく呼び出す。ぽぽぽぽ、と現れた小さなこぶんいかたんの群れがシーザーを覆うように飛び掛かる。
「ほぉ、これはこれは」
光の剣を握り、涼しい表情を見せながらシーザーは呟く。
「新鮮で良い刺身になりそうですね」
「!!??」
こぶんいかたん達は青ざめた。例えとして言ったのか、それとも本音なのか。どちらにせよ彼らは恐れおののき動きが鈍ってしまった。
その隙にシーザーはこぶんいかたん達へ向けて大きく剣を振るう。剣に纏った灼熱の炎が扇状に広がる刃となり、こぶんいかたん達を焼き尽くし一掃した。
「ぎゃあぁー熱イカ!! 熱イカ!!」
一瞬にしてこぶんいかたん達を失ったイカ王。灼熱の刃がそのままイカ王の三角の部分(エンペラ)を焼き焦がすと、じゅわぁ……と香ばしい匂いを周囲に蔓延させるのだった。
成功
🔵🔵🔴
モルツクルス・ゼーレヴェックス
「祭りの邪魔たぁふてぇ野郎っすね!王様の風上にもおけないっす!こりゃ成敗せねば!」
男一匹モルツクルス、祭りと料理にゃうるさい男
「やいやいやぁい、マツリ族さん達とやら、聞いた話じゃあ随分と情けない話し!」
敢えて被害者を煽るスタイル!
先ずは立ち向かう気概をもって頂かねば!
「祭りをやりたいのならば勝ち取るっす!暴力ではなく!その料理で!貴殿方が自慢の逸品を掲げれば、彼奴は力を失い敗退するでしょう!」
むやみやたらに、力強く言い切る
実際、美味しそうなものを見たら戦いの最中に気を逸らして隙を晒しそうなイカっすし
「そして見晒せ!これが自分の超光霊糖!」
これが自分の逸品っすとも
「チョコに溺れて溺死するっす!」
イカ王に怯え隠れるマツリ族に、モルツクルス・ゼーレヴェックス(素敵魔術師・f10673)は立ち上がった。
「祭りの邪魔たぁふてぇ野郎っすね! 王様の風上にもおけないっす! こりゃ成敗せねば!」
そう言い放ち、彼が向かった先は憎きイカ王……ではなく、マツリ族の隠れる屋台の方だった。
うにょんとはみ出る腕を見つければ、モルツクルスは仁王立ちし、隠れる者達に向けて大声で叫んでやった。
「やいやいやぁい、マツリ族さん達とやら、聞いた話じゃあ随分と情けない話!」
「タコっ!?」
「クラっ!?」
その声が自分達に向けたものだと分かった途端、マツリ族達は驚いて顔を覗かせた。
「いつまでもそんなので本当にいいと思ってます!? 戦う力なんてなくてもいいんですよ! でも、それでも貴殿方には反抗する力を持ってますよね!?」
ざわざわ、とマツリ族達はモルツクルスの言葉に顔を見合わせる。
「そう、その何本もある腕っすよ! 何の為の腕っすか? そう、それは美味しい料理を振る舞い、客を楽しませる腕のはず!」
マツリ族達は息を飲んだ。そう、自分達は大好きな祭りを行う為に日々を過ごしている。それをイカ王に、一生邪魔されたままでいいのだろうかと。
「祭りをやりたいのならば勝ち取るっす! 暴力ではなく! その料理で! 貴殿方が自慢の逸品を掲げれば、彼奴は力を失い敗退するでしょう!」
勿論自分も手伝いましょう! とモルツクルスが締め括ると、その熱い演説にマツリ族達は腕を伸ばし拍手を喝采した。
「翼の兄ちゃんの言う通りタコ~!」
「王様なんかに屈しないクラ~!」
「その意気っす! あのイカが食べ切れないくらい美味しいものをガンガン作って下さいっす!」
「タコ~!!」
「クラ~!!」
やる気に満ちたマツリ族が次々に姿を現すと、自分の屋台へ一目散へ戻っていく。あっという間に周囲からは料理を作る音や匂いで充満していった。
「イッカー! イカったイカー! 王の知らない所で何やってるイカ! 独り占めなんてズルイカ!」
そこへ匂いに釣られてやって来たのはイカ王。ぷんぷんしながら熱気溢れるマツリ族達の元へ来たのだが……。
「おぉ、貴殿が噂のイカ王! できたての焼き鳥、焼きとうもろこし、焼きおにぎりはいかがっす? りんご飴もありますけど!」
「い、イカ……!?」
モルツクルスの紹介にイカ王はきょろきょろと周囲の屋台を見回した。どこを見ても美味しそうな料理が置いてあり、選ぶ事ができずそわそわする。
「選べないならどうぞっす! これが自分の超光霊糖! チョコに溺れて溺死するっす!」
モルツクルスが呼び出したのはチョコレートの幻影。幻影は油断したイカ王に近付くと、突然口元にチョコを思い切り流し込んだ。
「あぶばばばば!!??」
突然の出来事にイカ王は思考が追い付かず。口から溢れるチョコにまみれながら泣いた。
成功
🔵🔵🔴
エリル・メアリアル
最初からUCを使って態度を示しますわね!
王とは!
民を想い、民の為に、民を導くその責務を果たす者!
『だいおーいかたん』だったかしら?
貴方にその資格は……はっきりいって無いですわね!!
【威厳】と【存在感】、さらに【恐怖を与える】の力をもって、
はっきりとその事実を突きつけて差し上げますわ!
マツリ族の皆様には、こう言いますわ
「よく耐えましたわね。あのような暴君に皆様の祭りが邪魔されて、さぞ辛かったでしょう?」
攻撃や防御には念動力を使い、周囲の岩や石等の無機物……最悪砂をぎゅーっと固めたものを浮き上がらせてぶつけますわ
わたくしはその場から動かず堂々と!
……ところで、屋台のお食事って美味しいのかしら?
エリル・メアリアル(孤城の女王・f03064)は生まれながらの女王である。故に王の気品、そして民への思い、そういったものは人一倍、いや、十倍、百倍、心得ていると自負している。
少なくともこの浮島を支配しているイカ王と比べたら……比べる事が失礼に値するほど上だろう。
「皆様!!」
丁度良い高さの岩の上に立つエリル。はっきりとした声がマツリ族達とイカ王の耳に真っ直ぐと入り込み、その場にいた全員が少女の方へと一斉に顔を向けた。
「わたくしはこの目でしっかりと見ました。この地で起こっている出来事、この地の文化、この地に住む種族達を!」
そう言い、エリルがまず視線を向けた先は……イカ王だ。
「貴方がこの浮島を統べる王『だいおーいかたん』だったかしら? 貴方にその資格は……はっきり言って無いですわね!!」
「ガガーン!!」
鋭く睨まれながら放たれた言葉にイカ王はショックを受けた。口で効果音を発してしまうほどの大きなショックだったようだ。
「そして貴方達!」
「タコっ!?」
「クラっ!?」
エリルが次に視線を向けた先はマツリ族達だ。マツリ族達は背筋をピンと伸ばした。自分達も怒られると思い、どきどきと緊張した様子を見せたのだが。
「素敵な文化を代々受け継ぎ守ってきた中で……よく耐えましたわね。あのような暴君に皆様の祭りが邪魔されて、さぞ辛かったでしょう?」
イカ王には見せなかった柔らかな微笑み、威圧のない声量、優しい言葉。小さな女王にマツリ族達は感動を覚えた。ある者は喜びのあまり言葉を失い、ある者は涙を流したという。
「な、なんて偉大な女王様だクラ~!」
「ありがたやタコ、ありがたやタコ~!」
マツリ族達は物陰から道路へ飛び出すと、エリルへ向けて次々と膝をつき頭を下げ始めた。うんうん、と満足そうに頷くエリル。
「……ところで、屋台のお食事って美味しいのかしら? 自慢ではないけれど、わたくし、こういった催しはあまり体験した事がなくて」
「でしたら女王様、うちの自慢のものを献上いたしますタコ~!」
「いやいや、うちのものが一番美味しいですクラ~!」
ぽろりと零した言葉を聞きつけ、我先にと屋台の商品を捧げようとするマツリ族達。囲まれてしまったエリルが対応に少し困っていると。
「……ちょ、ちょっと待つイカ!! 置いてけぼりにしないでイカ!! 王はここだイカ!!」
思わずショックで呆然としていたイカ王がハッと我に返る。一人エリルにひれ伏す事のなかったイカ王は、ぷんぷん怒りながらイカスミをぶはーと撒き散らした……のだが。
「そこの貴方! 少々黙っててくださる!?」
「ぶはーっ!!?」
エリルの念動力により突如生成された砂の塊がイカ王に襲い掛かり、イカスミを跳ね退け、最後には大きな顔へめり込み破裂したという。
大成功
🔵🔵🔵
馬飼家・ヤング
※アドリブ連携歓迎
マツリ族、めっちゃおもろい連中やのう!
お祭り大好き、グルメ大好きって、わい、めっちゃ親近感感じるわー
せや、あのイカに売り物食われて腹減ってんのやろ?
この串カツ食いや。飴ちゃんとベビーカステラもやろ。
ほー、山菜も売っとるんか
で、物は相談なんやけど…(ごにょごにょ)
パンパカパーン!
食いしん坊なイカちゃんにバカウケ特製スペシャルたこ焼きのプレゼントや!
ただし中にはタコの代わりに、おろしたてのワサビが山盛りやけどな!
そろそろわいも、腹ごなしの運動といこうかのう
さっきマツリ族のみんなと食べた串カツで【フードファイト・ワイルドモード】パワーアップや!
激闘!だんじりアターック!(体当たり)
マツリ族達がざわざわと小声で喋る。
「あれは何だクラ~?」
「服を着たたこ焼きが動いてるタコ~」
彼らが見つめる先にいるのはテレビウム、馬飼家・ヤング(テレビウムのちっさいおっちゃん・f12992)だ。その言葉通り、パッと見は『服を着たたこ焼き』にしか見えない姿をしている。
「マツリ族、めっちゃおもろい連中やのう! お祭り大好き、グルメ大好きって、わい、めっちゃ親近感感じるわー」
ハイテンションな顔文字が画面いっぱいに表示される。
「こんなに準備するのも大変やったやろ! それだけ熱が籠ってるっちゅー事やんな、いやぁー感心したわ!」
「おぉ、たこ焼きに褒められたクラ……!」
「きっとたこ焼きの神様タコ~!」
嬉しそうにヤングの周りに集まり出すマツリ族。しかしヤングは彼らを褒めるだけでは終わらない。彼らの異変にもいち早く気付いた。
「おいおいあんたら、作って売るンはええけど、自分らでちゃんと何か食ってるか? 腹減ってんやないか?」
そう、確かに祭りの準備や屋台の作業、そしてイカ王の強奪により食事をまともに取っていなかったのだ。今のマツリ族達は空腹だったのである。
「自分でもちゃんと味わって楽しまなきゃ意味ないやろ! ほら、この串カツ食いや。ついでに飴ちゃんとベビーカステラも食いや」
「おぉぉ……何だこれはタコ……!」
ヤングが何処からともなく取り出し次々に渡す美味しそうなものを食すマツリ族。空腹と恐怖による疲れも重なり、ヤングから貰った食べ物がとてつもなく美味だと感じた。
「なんて美味しいタコ~!」
「やっぱり食べ物の神様クラ~!」
「んな大げさな! あ、そういや思ったんやけど」
思い出したかのように手を叩くヤング。彼の口はまだ休む様子を見せない。
「ここ、山菜も売っとるんやな。で、物は相談なんやけど……かくかくしかじか」
「ふむふむ……勿論おっけータコ~!」
ヤングとマツリ族が楽しそうにしている所へ、待ちに待ったイカ王がやっと登場した。
「王を放って何楽しそうな事をしてるイカ! ここの主役はイカだイカ! ぷんぷん!」
「やぁやぁ! あんたが噂のイカちゃんか! 丁度イカちゃんにプレゼントするものをマツリ族の人らと作ってたんや!」
「えっ……?」
イカ王はドキッとした。顔を赤らめもじもじしている所へヤングは出来立ての料理を差し出す。
「パンパカパーン! バカウケ特製スペシャルたこ焼きのプレゼントや!」
「バカウケ……イカ!」
イカ王は目を輝かせ、喜んでたこ焼きを食べた。勿論、感謝の言葉などを伝えるなんて事はしなかった。……それが仇となったのか。
「ただし中にはタコの代わりに、おろしたてのワサビが山盛りやけどな!」
「うぐっっっっ!!!(つーーーーーん!!!)」
イカ王は転がり倒れた。マツリ族自慢のワサビの辛味がイカ王の体内で大暴れする。その姿にヤングはハイテンションに大笑いを続けた。
「わはは!! 一口で全部食ったらそりゃそうなるがな!」
しかしその忠告をイカ王は聞いていない。いや、そんな状態ではない。
「わはは! んじゃそろそろわいも、腹ごなしの運動といこうかのう! 激闘!だんじりアターック!」
マツリ族達と楽しく食べた串カツをパワーに変え、ヤングは思い切りゴロゴロと回転しながらイカ王へと盛大な体当たりをぶちかます。外も痛い、中も痛い。イカ王は悶えながら遠くへと飛んで行くのだった。
成功
🔵🔵🔴
フランチェスカ・ヴァレンタイン
マツリ族の皆さんには引き続きご協力いただきまして、と
りんご飴とか、そういった甘いものの提供は可能でしょうか?
あれだけ食い意地が張っているのですから、ええ。デザートなども欲しがりそうですよねー?
複数の飛翔ビットから屋台スイーツを吊るし、マツリ族の方から伺ったポイントへ誘導しましょう
先程の様子ですとスイーツが視界に入ればそれ以外目に入らずに追ってくるでしょうし、ねえ…
到着したポイントでイカ王がスイーツを夢中で貪りはじめましたら、ロングレンジからUCの超重力砲などお見舞いすると致しましょう
「――暴食での体重増加代わりに、こちらをどうぞ?」
ええと、お土産ですか? …でしたら焼きそばなど、いただけます?
シーザー・ゴールドマン
さて、そろそろイカ君も年貢の納め時の様だね。
実は先程の香ばしい匂いでのお陰でイカ焼きが食べたくなってね。
私の言いたいことは分かるだろう?
(にっこりと捕食者の笑みをだいおーいかたんへ)
『シドンの栄華』『破壊の魔力』を籠めた炎獄の極大衝撃波をだいおーいかたん(こぶんいかたんも居れば)に放って香ばしく焼き上げます。
(もし、とどめが刺せたなら)
『創造の魔力』で屋台を創り出し……そこでマツリ族に美味しいイカ焼きを振舞います。
イカ焼きの材料? ハハハ、予想の通りだよ。
「さて、そろそろイカ君も年貢の納め時の様だね」
シーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)は砂浜でボロボロに転がっているイカ王を遠くから眺める。
「もう少しという所でしょうか。マツリ族の皆さん、引き続きご協力を頂きたいのですが……」
「勿論タコ~!」
もうすぐイカ王から解放されるという実感と確信をじわじわと感じ始めたマツリ族。フランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)の言葉にも明るく返す。
「では、あの食い意地は相当なもののようですから……デザートでも差し上げましょうか。りんご飴……など甘いものの提供は可能でしょうか?」
「いっぱいあるクラ~! 任せるクラ~!」
「協力ありがとう。後程壊してしまった場所は修理させて貰うよ。勿論、屋台の料理も改めて楽しませて欲しいな」
「わ~ありがとうタコ~! 大歓迎タコ~!」
複数の腕をぷるぷる揺らし喜びを表現するマツリ族。猟兵達が現場に到着した当初は怯えて隠れていた彼らも、今ではすっかり元気だ。日々抱いていた恐怖を忘れてしまったかのようにアクティブに動き回り、猟兵達の協力を行ってくれる。
イカ王のイカ政権も、終わりのカウントダウンが刻々と迫って来ていた。
「イカー……王なのにみんながいじめるイカ、焦げるし痛いし辛いし……!」
ひりひりとした舌(彼はオブリビオンなのであって当然なのである)を出して風に当てながらイカ王は砂浜に倒れていた。
「王なんだから偉くて当たり前イカ。なのになんでイカ? ……うぅ、ともかく辛くて痛い口の中をどうにかしたイカ……」
そう一人でぼやいていると、空を眺めていた視界に何かが映り込んだ。
「イカ? 敵襲イカ!? ……いやあれは!」
空飛ぶりんご飴! 空飛ぶバナナチョコ! 空飛ぶかき氷!
「す、すごイカ! ナイスタイミングイカ!」
どれだけ猟兵達にボロボロにされてもイカ王の食欲は健在だった。そして学習もしなかった。ともかく口の中を一刻も早くどうにかしたかったのだろう。
飛翔ビットが吊るした食べ物を求め、イカ王は飛び起き腕を伸ばした……その時だった。
「グラビティバレル仮想展開――砲身、固定……!」
「シドンの栄華……破壊の炎獄」
フランチェスカの大砲とシーザーの魔法がイカ王を狙う。
「では、これから大事な催しがあるので、これにて失礼」
「――暴食での体重増加代わりに、こちらをどうぞ?」
フランチェスカの極大化した対艦砲撃級の一撃にシーザーの極大衝撃波が混ざり合い、巨大な野太い煉獄弾がイカ王へ無慈悲に襲い掛かる。
口直しの願いは叶わず、イカ王は全身真っ黒こげになるのだった。
成功
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レテイシャ・マグナカルタ
物資乏しいオレの世界でんな事したら大暴動間違いなしだぜ…
おいアンタ、と隠れてるマツリ族の触手を突いて呼ぶ
ほんとにタコやクラゲそのものだな、と内心思いつつイカ野郎をぶっ飛ばしに来たぜと安心させる
一つアンタ達に協力を頼みたいんだが…
街に被害が出ないよう少し離れた大きな木の下に食べ物を集めた台を置きおびき寄せる
王イカが近づいてきたらあらかじめ仕掛けて老いたロープの罠で木につりさげるぜ
出てきた子分イカの群れが纏わりついてきてうっとおしいな!
翼と尻尾を広げて吹き飛ばしたら台の下に隠しておいた丸太で吹っ飛ばすぜ
後はてめぇだけだ! 丸太を振り回して王イカホームランだぜ!
全部終わったら今度は遊びにきてぇ街だぜ
レテイシャ・マグナカルタ(孤児院の長女・f25195)はマツリ族から情勢を聞くなり、はぁ、と呆れた。
「物資乏しいオレの世界でんな事したら大暴動間違いなしだぜ……」
彼女の故郷アポカリプスヘルはこの世界とは違い、崩壊した世界だ。料理どころか食物の横暴など行ったら誰であろうと大罪である。
「そもそも人が楽しんでいる所を邪魔する時点で、そんな王は最低だ。……おいアンタ」
「クラっ?」
ぷるんぷるん。突いたマツリ族の腕が揺れる。
「(ほんとにタコやクラゲそのものだな……)」
外見だけでなく、触った感触も自分達の知るタコやクラゲと同じだ。ひんやりぷるぷるしている。ちょっと面白いとさえ思ってしまう。
「……っと、そろそろイカ野郎を海の果てまでぶっ飛ばしてやるぜ」
「応援するクラ~! 頼むクラ~!」
「そこで一つ、最後の仕上げにアンタ達に協力を頼みたいんだが……」
「料理の事なら任せるクラ~!」
猟兵達の勇姿に励まされ、怯えるマツリ族はいなくなっていた。あの我儘なイカ王から解放され、自由が手に入るのならば、協力を躊躇う理由なんて一つもないのだ。
「おう、良い感じのを頼むぜ。ついでに味見もさせてくれよ」
マツリ族が張り切って自分の屋台へと散っていく姿を見届けると、レテイシャは罠の仕掛け場所を探しに行くのだった。
「え……えいへイカ~、えいへイカ~」
一方、浜辺で倒れていた満身創痍のイカ王は、かろうじて動く一本の腕をぴくぴく動かし、衛兵であるこぶんいかたんの群れを呼び出していた。
「お呼びですか王さ……真っ黒こげいかー!?」
「もう、今日は帰るイカ……その前にお土産を……一つだけでも持って帰りたイカ……」
「あ、アイアイカー!」
ここまでボコボコにやられているのにまだ懲りない、諦めない、やられていない。この生命力と意地はオブリビオンだからこそなのだろうか。
こぶんいかたん達は慌ててお土産という名の食糧を探しに走り回った。屋台を襲おうと浜辺から向かおうとしたのだが。
「いかっ! あんな所に料理が置いてあるいか!」
「きっと誰かが場所取り用に置いていったものだいか!」
浜辺にそびえ立つ木の下に置かれた屋台の料理に気付き、ぞろぞろと屋台から遠ざかっていく。テーブルに並べられた料理を見るなり、こぶんいかたん達は驚いた。
「こ、これは……!」
「イカ飯だいか!!」
ぎゅうぎゅうに米が詰まった、輪切りのイカ。彼らにとってこれはグロ画像ではないのだろうか? いや、たこ焼きやイカ焼きを食べる時点で別物の認識なのだろう、多分。
「王様、ありましたいか! イカ飯ですいか!」
「おぉ、でかしたイカ……」
よろよろと歩く真っ黒なイカ王。テーブルに近付きイカ飯を手に取る。……やはりイカ王は最後まで学習力が身に付かなかったようだ。
「おらぁっ! イカでイカを釣ってやったぜ!」
「イカーっ!!?」
お察しの通りこれは罠であった。突然現れたロープがイカ王を捕らえ、木に吊り下げたのだ。
「もう終わりだ! 子分もどけ!」
木陰から飛び出したレテイシャは青い翼と尻尾を広げると、ぶんと大きく振り回しこぶんいかたん達を思い切り吹き飛ばした。一撃で消えてしまうこぶんいかたん達はぽぽぽぽんと次々に姿を消えていく。
「さぁ後はてめぇだけだ!」
「イカーっ!! ごめんなさイカー!!」
「うるせぇ! 王イカホームラン!!」
テーブルの下に埋めて隠していた巨大な丸太を軽々と持ち上げると、ぶら下がった無抵抗なイカ王に狙いを定めて力いっぱいに振り切った。
良い感じの大音量を響かせ、丸太が折れる。巨体であった事すら忘れる程、イカ王は真っ直ぐに飛んで行った。太陽の光の中でイカのシルエットは点となり、そして跡形もなく消えていった。
「場外ホームランだクラ~!」
「王様がいなくなっタコ~! 今日は記念日タコ~!」
今、猟兵達によってマツリ族達は自由を手に入れた。誰にも邪魔される事なく楽しく過ごせる日々の訪れに、誰もが大喜びした。
マツリ族達は猟兵達を救世主と呼び、お祭りに参加するよう誘ったのだが……今は世界を危機から救う戦いの最中である事を告げ、猟兵達は先へ進む事を選んだ。
「全部終わったらゆっくり遊びに行くぜ。それでいいだろ?」
「いつでも来るタコ~!」
「待ってるクラ~!」
お弁当と称した屋台の手土産を持たされ、どんちゃん騒ぎの賑やかな音を聴きながら、猟兵達は次の戦場へと向かうのだった。
大成功
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