帝竜戦役⑩〜ブレイブ・ゴーレム
●ゴーレムの住まう島
タロスという名の島がある。浮遊岩諸島に位置する浮島の一つだ。この島は別名ゴーレム島と呼ばれている。
かつて帝竜ヴァルギリオスに挑んだ勇者たちの一人。偉大なる魔法使い、ゴーレムマスター・タロスは、この島で採掘される特殊な魔法金属から知能あるゴーレム・魔導巨人を生み出した。
魔導巨人たちは、多くの勇者たちの鎧となり剣となって、ヴァルギリオスとの戦いを助けたという。
――だが現在。
ゴーレムマスターの遺した魔導巨人たちが住まうタロス島は、崩竜と呼ばれる一体のドラゴンに支配されていた。
我が物顔で島を飛び回り、森や岩山を手当り次第に『崩壊』させていく崩竜を見上げ、魔導巨人の一体が憤慨した声を上げた。
『くっ、我らがマスターの愛したこの島を、あのような邪竜にいいようにされるとは……! これでは島の守りを任された我ら、マスターに顔向けできんッ!』
ぎりり、と鋼鉄の巨腕を握りしめる紅き装甲のゴーレム。
そこに、青い装甲のゴーレムが声をかける。
『そう熱くなるな――。ボクたちは勇気ある者が搭乗しないと戦えないようにできている――。ヤツに戦いを挑むことはできない』
『なら、あのドラゴンが暴れまわっているのを黙ってみているしかないのかッ!』
青い魔導巨人が発したクールな声に、紅い魔導巨人が食って掛かった。
『――仕方ないだろう。ボクらには勇気ある者が現れるのを待つことしかできない――』
両目に魔力センサーの光を灯らせ、青い魔導巨人は空を飛ぶ崩竜に視線を向ける。
その隣で黄色い装甲の魔導巨人が機械的な音声を出力していた。
『マスター、ご命令を――。当機は戦闘準備完了――。いつでも出撃可能です。――マスター、ご命令を』
●求む、魔導巨人のパイロット
「皆さんっ! 帝竜戦役の戦い、お疲れさまですっ!」
いつもよりハイテンションな電脳魔術師のグリモア猟兵、アイ・リスパー(f07909)が、キラッキラした瞳で猟兵たちに声をかけた。
アイのメカマニアっぷりを知る猟兵なら、こう思うことだろう。――あ、今回、ロボットものだな、と。
アイはわくわくした手付きでホロキーボードを叩くと、空中に立体映像を投影する。
そこに映し出されたのは、全高20m近い巨大ロボット――いや、金属製のゴーレムだった。
「これは浮遊岩諸島の浮島の一つ、タロス島に遺された『魔導巨人』と呼ばれる知能あるゴーレムの方々です。魔導巨人たちは、かつての勇者の一人、ゴーレムマスター・タロスという人に造り出された兵器なのです」
かつてゴーレムマスターによって魔法金属から造り出された魔導巨人は、搭乗者の勇気を戦闘力に変えて戦う搭乗型巨大ゴーレムだ。ヴァルギリオスとの戦いでは、勇者たちが魔導巨人に乗り込み戦いに臨んだのだという。
現在、タロス島に暮らしているのは、ゴーレムマスターに島の守りを命じられた少数の魔導巨人たちだ。
「魔導巨人の方々が暮らすタロス島はオブリビオン――『崩竜・ヴァッフェントレーガー』によって支配されています」
立体映像が、巨大なドラゴンの3Dワイヤーフレームモデルに切り替わる。そこに表示されるのは、崩竜の攻撃パターンのシミュレーション結果だ。
崩竜が放つ魔術は遠距離からの面制圧爆撃で、あらゆるものを崩壊させる。
また、対象を崩壊させるブレスを吐き、さらには崩壊のオーラを身にまとい高速機動からの突撃もおこなってくる。
たとえ猟兵といえども、この攻撃をまともに食らっては無事では済まないだろう。
「ですが、この崩竜に対抗する手段が一つだけあります。――それは、島に住む魔導巨人の皆さんの協力を得ることです」
魔導巨人の身体は、崩竜の崩壊の力に抵抗できる魔法金属でできている。
つまり、魔導巨人に乗り込んで戦うことで、崩竜の攻撃を軽減することが可能なのだ。
「さらに魔法金属は皆さんのユーベルコードに干渉する効果もあるようです」
干渉の影響は様々だ。ユーベルコードが魔導巨人サイズになって発動したり、破壊力が向上したりと、ユーベルコードの性質によって色々な変化が生じることになる。
共通するのは、魔導巨人の操縦席からユーベルコードを発動できるということだろう。
「何よりも、島に暮らす魔導巨人の方々が、崩竜に対抗するため、自分たちに乗ってくれる『勇気ある者』を求めているのです! これは魔導巨人の方々に協力しない選択肢があるでしょうか!? いえ、ありませんっ!」
鼻息荒く言い放ったアイは、グリモアを起動させてタロス島に続くゲートを開いた。
「勇者のために造られた魔導巨人の方々は、勇気を戦闘力に変える――すなわち、皆さんの勇気こそが勝利の鍵となります! どうかタロス島を支配する崩竜・ヴァッフェントレーガーを撃破してきてくださいっ!」
そう言うとアイは猟兵たちを送り出したのだった。
「なお、崩竜はお宝として『天空の冠』という王冠型の宝石をドロップするようです。金貨850枚(850万円)の価値がありますが、精神汚染の恐れがありますので売るべきかは慎重に判断してくださいね」
高天原御雷
このシナリオは「戦争シナリオ」です。1章で完結し「帝竜戦役」の戦況に影響を及ぼす特殊なシナリオとなります。
高天原御雷です。
今回は浮遊岩諸島にある一風変わった島で巨大ゴーレムの操縦者となってドラゴンと戦っていただこうと思います。
一言で言うと、勇者なロボットものとか巨大ロボットもののノリのシナリオです。
●目的
ボス敵『崩竜・ヴァッフェントレーガー』の撃破。
崩竜の崩壊攻撃は、巨大ゴーレム『魔導巨人』の装甲で軽減が可能です。そのため、魔導巨人に搭乗しての戦いが推奨されます。
●プレイングボーナス
本シナリオでは、魔導巨人に搭乗して戦うとプレイングボーナスが得られます。
●魔導巨人について
魔導巨人は、基本的に全高20m程度の搭乗型巨大ゴーレムです。(サイズは様々なタイプがいますので、フェアリーが全高2mのゴーレムに乗ったり、巨人が全高100mのゴーレムに乗っても構いません)
魔法によって知能を与えられていて普通に会話することが可能な魔導巨人が多いですが、搭乗者の補助的な会話しかおこなわなかったり、一切喋らない魔導巨人もいます。
形状は基本的に二足歩行の人型ですが、それ以外の魔導巨人もいます。
プレイングの冒頭で、以下の要領で搭乗する魔導巨人を指定してください。
【魔導巨人の知能:魔導巨人の性格:魔導巨人の外見】。
知能タイプ:◎(人間並の知能)、○(補助AIレベル)、×(喋らない)。
性格例:熱血、クール、無口、等。
記述例1:【◎:熱血:青と白のカラーリングの細身】。
記述例2:【◎(女性型サポート妖精):おっちょこちょい:フェアリーが乗る2mサイズの飛行型。武器は剣】。
記述例3:【×:赤い装甲の高機動型。通常の3倍のスピード】。
記述例4:【○:クール。決め台詞は「くたばれブリキ野郎」:白と黒の装甲。射撃武器搭載の飛行型】。
より詳細な指定については、プレイング内で具体的に指定いただけば反映いたします。
●ユーベルコードについて
魔導巨人は特殊な魔法金属でできているため、操縦席からユーベルコードを発動させることができます。
また、魔法金属の干渉により、ユーベルコードはいい感じに効果が変更されます。特に指定がなければ魔導巨人から発動するのが自然になるようにサイズや威力を変更します。
具体的な指定がありましたら、プレイングに記載をお願いします。
第1章 ボス戦
『崩竜・ヴァッフェントレーガー』
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POW : ネーベルヴェルファー
【自身の周囲に生じた魔法陣】から【何もかもを“崩壊させる”火球】を放ち、【超遠距離からの面制圧爆撃】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD : ヴィルベルヴィント
【顎】を向けた対象に、【消失や崩壊を与える速射のブレス】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ : ホルニッセ
【自身の“崩壊”すらも省みない状態】に変形し、自身の【射程距離】を代償に、自身の【巨体による攻撃力や機動力】を強化する。
👑8
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠フォルティナ・シエロ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
『グギャァア!』
咆哮とともに空駆けるは崩竜ヴァッフェントレーガー。
タロス島の支配者にして、崩壊の力を操る強力なドラゴンだ。
その崩壊の力は特殊な魔法金属でしか防ぐことができず――そして、その鉱石を産出する唯一の島が、このタロス島なのである。
つまり、このタロス島を崩竜が支配している限り、崩竜に対抗する手段は存在しない。
――唯一の例外。この島の住人である、魔法金属製の巨大ゴーレム、意思を持った魔導巨人たちを除けば。
『頼む、勇者たちよ! どうか我らに乗り込み、彼の支配者を打ち倒してもらえないだろうか』
魔導巨人たちは、自らを操縦してくれる勇者に、その身を委ねる。
猟兵たちが魔導巨人に乗り込むと同時に、猟兵の持つ勇気の力が魔導巨人のエネルギー炉に反応。
臨界に達したエネルギーは魔導巨人たちを戦闘稼働可能な状態にし、今こそ、崩竜への対抗準備が整ったのだった。
『ブレイブチャージ! 共に行こう、勇者たちよ!』
勇気の力を得た魔導巨人たちは、猟兵たちとともに崩竜へと立ち向かうのだった。
ユウキ・ダイエイト
【◎:クール:黒と赤のカラーリングで力強いパワータイプ。黒鉄の城】
アドリブ・連携歓迎
うぉーロボだロボだー!燃えて来たー!
行くよ相棒!一緒に悪い奴をやっつけよう!!
そしてお宝ゲットだぜ!待ってて船長、今度こそ稼いでくるからね!
正面からがっぷり組み合ってパワーファイト。力こそパワー!「怪力」「グラップル」「カウンター」!
あいつがどれだけ強くたって負けない!ユウキは「勇気」!痛いのも苦しいのも「オーラ防御」と「激痛耐性」で我慢!
そして逆境こそ「気合」の入れどころ!UCを使って形勢逆転!!今だー!出すんだー!トドメの一発ぶちかませー!
そしてテンション上がり過ぎとUCの反動でコクピットで力尽きるあたし。
ミア・ミュラー
【◎:熱血:ロケットパンチが主武装の高機動型】
ん、あなたたちがこの島を愛してるように、わたしもいろんな思い出があるこの世界が、好き。だから一緒に、頑張ろ?
おー、中はこんな風になってるん、だね。ロボットを操縦するのは初めてだから、攻撃はロボットさんにお任せして、わたしは回避と補助を頑張る、ね。「視力」を活かして敵の顎をよく見てブレスを避けながら、【プリンセス・リペア】でロボットさんの腕をコピーして、どんどんロケットパンチを飛ばしてもらう、ね。崩壊させられてもまた作り直せば、平気。必殺、無限ロケットパンチ、だよ。敵がどんなに強くても、この島は絶対に守って、みせる……!
●唸る鉄拳
「うぉーロボだロボだ―! 燃えてきた―!」
気合の入った声で元気いっぱい叫ぶのは、ユウキ・ダイエイト(力こそドカーン!!・f25719)。ゴッドハンドにして力持ちというところからも、彼女の猪突猛……もとい真っ直ぐな性格が見て取れるだろう。
フラスコチャイルドであるユウキは、白と青を基調としたブレザータイプのスクールユニフォームの上に、黒いフード付きジャケットを羽織り、ポニーテールにした黒髪を風になびかせた。
両腕を覆う真紅のガントレットを打ち鳴らし、ユウキは魔導巨人に語りかける。
「行くよ相棒! 一緒に悪い奴をやっつけよう!!」
『よろしくたのみますよ、ユウキ』
ユウキが選んだのは、黒と赤のカラーリングの魔導巨人だった。装甲が厚いパワータイプのゴーレムだ。その威容はまさに鉄の城。
「これでお宝ゲットだぜ! 待ってて船長、今度こそ稼いでくるからね!」
所属する『武装商船Ora et labora』の船長に向かって力強く宣言するユウキだった。
――グリモア猟兵によると、ここで手に入る財宝は精神汚染の危険があるけど大丈夫だろうか?
「ん、あなたたちがこの島を愛してるように、わたしもいろんな思い出があるこの世界が、好き。だから一緒に、頑張ろ?」
『おうっ! 任せとけっ!』
金色の長髪を左右で三編みにしたミア・ミュラー(アリスの恩返し・f20357)が、高機動型の魔導巨人と言葉を交わす。こちらはユウキたちのコンビとは対照的に、口数が少なくテンション低めなミアと、熱血型の性格の魔導巨人というコンビだ。
ミアは、身に纏ったふわりとした柔らかな素材の空色のドレスを翻して魔導巨人の操縦席に乗り込んだ。
「おー、中はこんな風になってるん、だね」
『ミア、ゴーレムに乗るのは初めてか?』
こくりと頷くミア。過去の記憶を失いアリスラビリンスをさまよっていた彼女にとって、魔導巨人の中は未知のテクノロジーが満載だった。
『じゃあ、ミアは回避と補助を担当してくれ。攻撃は俺がなんとかするぜっ!』
「うん、それなら任せて。目の良さと攻撃を避けるのは得意、だから。敵がどんなに強くても、この島は絶対に守って、みせる……!」
ミアの操縦する魔導巨人は、崩竜に向かって戦闘機動を開始した。
●
「よし、突撃だよ、相棒!」
『了解です。揺れますよ、ユウキ』
ユウキの操縦する魔導巨人が崩竜へと迫る。
『グルァアア!』
自身に向かってくる魔導巨人をみた崩竜ヴァッフェントレーガーは、ユウキたちを敵とみなして戦闘態勢をとる。
崩竜は自身の崩壊すら省みない突撃体勢となり、一直線に突っ込んでくる。崩竜の進路上に存在する岩山や森林は崩壊に巻き込まれて消滅。そのままの勢いでヴァッフェントレーガーがユウキの魔導巨人に激突した。
岩山や森林同様、魔導巨人も崩壊して消滅する――そう思っていた崩竜は驚愕に目を見開いた。
なんと、ユウキの魔導巨人は消滅しないどころか、崩竜とがっちりと組み合ってその突撃を受け止めているではないか。魔法金属でできた重厚な装甲はユウキのオーラによる防御も合わせて、崩壊の力を完全に跳ね除けていた。
『いまです、ユウキ』
「おぉぉっ! 力こそパワー!!」
ユウキの魔導巨人は怪力を発揮し、崩竜にカウンター気味の近接打撃を叩き込んだ。
『ギャァァア』
苦悶の声とともに岩山に叩きつけられた崩竜は、体勢を立て直そうと上空に退避しようとする。
「そうはいきま、せん」
『逃がすかよっ、ヴァッフェントレーガー!』
上空に飛び上がろうとした崩竜にミアの魔導巨人がロケットパンチを放った。ミアは目の良さを活かし、崩竜が飛び上がる一瞬を見切って魔導巨人に攻撃を指示したのだ。
翼を広げた瞬間、飛翔してきたロケットパンチを受けて、ぐらりと体勢を崩す崩竜。
『グォオオオッ!』
崩竜ヴァッフェントレーガーの標的がミアに変わる。
崩竜はその口を大きく開くと強烈なブレスを放った。射線上にある障害物が崩壊して消失していく。
「回避は任せ、て」
迫るブレスのタイミングを見て、ダッシュするタイミングを伝えるミア。
魔導巨人が機動力を発揮して地を蹴ると、一瞬前までいた場所をブレスが通り過ぎ、大岩を消滅させた。
『ひゅう、危なかったぜ! 助かったぞ、ミア!』
「油断しちゃだめだよ。次も来る、から」
ミアの乗る魔導巨人は、ブレスを次々と回避するとロケットパンチを放っていく。
●
だが、ミアの魔導巨人の武器がロケットパンチだけだと気付いた崩竜は標的を変えた。飛翔してくるパンチに向かってブレスを放ったのだ。
崩壊への抵抗力を持っているとはいえ、拳部だけでは耐久力が足りない。崩壊の力に耐えきれず、魔導巨人の拳は分子レベルまで分解されて消滅していった。
『って、おいミア、どうするんだよ!? 俺の手、無くなっちまったぜ!?』
「それならだいじょう、ぶ」
ミアの言葉とともに、失われた魔導巨人の拳が元に戻っていた。
【プリンセス・リペア】によって、魔導巨人のスペアパーツを作り出したのだ。
『おおっ、ミア、凄いなっ! 完全に元通りになったみたいだぜっ!』
「ん、これでひとまず、平気。そして、これを応用すれば」
ミアの説明を聞いた魔導巨人が、その顔にニヤリと笑みを浮かべる。
『なるほどな! さすがはミアだぜっ! よーし、いくぜっ!』
「必殺、無限ロケットパンチ、だよ」
魔導巨人がロケットパンチを放ったと同時に、ミアがスペアの拳を作り出す。そして、その拳も撃ち出されていく。
『うりゃうりゃうりゃぁっ!』
右腕を突き出したまま、魔導巨人は崩竜に向かって次々とロケットパンチを発射する。
鉄拳をブレスで迎撃する崩竜。無限のパンチとブレスが拮抗する。
「おっと、あたしの存在を忘れてもらったら困るよ! 行くよ相棒! ユウキは『勇気』!」
『ええ、力を貸してください、ユウキ』
ユウキの魔導巨人が一気に加速して崩竜へと突撃する。
それに気付いた崩竜だが、ブレスはロケットパンチを相殺するのに使用中だ。仕方なくその尾を振ってユウキを迎撃しようとした。
だが、その一撃をユウキの閃きが捉えて回避した。
「さあ、今こそ気合の入れどころ!」
『これは……身体から力が湧いてきます!』
ユウキが発動した【アルジャーノンエフェクト】によって、魔導巨人の能力が6倍に強化される。さらにその全身を気合のオーラが包み込んだ。魔導巨人の最強必殺技の発動準備は完了だ。
ユウキの魔導巨人は、右足を強く踏み込むと崩竜の顎に向かって拳を突き上げた。
『うおおおおっ!』
「いっけぇ! こっちもロケットパーンチッ!」
ゴッと崩竜の顎に拳をめりこませながら、魔導巨人の腕が上空に向かって勢いよく飛び出した。
それによって崩竜の上体がのけぞり、ブレスが上空へと吐き出される。
「いまっ」
『おうっ、任せろ、ミア!』
ミアの魔導巨人が右腕だけでなく左腕も前に突き出し、両手からロケットパンチを連射する。
「ダブル――」
『――無限ロケットパンチ!』
ミアの魔導巨人の両手から放たれる無限ロケットパンチ――ダブル無限ロケットパンチが、ブレスを吐けなくなった崩竜に直撃する。
『ギャワァアアア!』
無限のロケットパンチを受けて吹き飛ぶ崩竜ヴァッフェントレーガー。
「今だー! 出すんだー! トドメの一発ぶちかませー!」
『ファイアービームッ!!』
ユウキの魔導巨人の胸部から炎のビームが放たれ、吹き飛んだ崩竜に直撃。大爆発を引き起こした。
『ミア、追い打ちをっ!』
「いえ、まって……」
爆煙の中に消えた崩竜に追撃をしようとする魔導巨人をミアがとめる。
その視線の先には、【アルジャーノンエフェクト】の反動とテンションの上がりすぎで操縦席で力尽きたユウキと、エネルギー切れで動けなくなった彼女の魔導巨人がいた。
「こちらも、もうエネルギーが厳しい、ね。一度撤退、だよ」
『了解だっ!』
崩竜の消えた爆煙をみやりつつ、ミアとユウキの操る魔導巨人は後退するのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アリルティリア・アリルアノン
【◎:おっとりお嬢様風:魔法少女風ファンタジー系】
[アリ☆エル]
ふっふっふー、巨大ロボに乗るのは初めてじゃないですよ!
しかも狙った様に魔法少女型!負ける要素はありません!
どうやら妹のエルナちゃんも相方を見つけたようです
それじゃあ行きましょう、グロリアちゃん!
『はいっ、よろしくお願い致します、お姉様♪』
魔法少女らしく可憐に戦うも、敵の強さには一歩及ばず…
あわや撃墜かと思われたその時!これは…「燦然合体」!?
なんと2体の魔導巨人は合体してパワーアップできたのです!
その名も「燦然光姫グロリオール」
2人と2体、4つの心が一つになったアリル達は今や無敵!
さあ覚悟しなさい崩竜!崩壊するのはお前の方です!
エルナリア・アリルゼノン
【◎:関西弁のお調子者:魔法少女のマスコットっぽい浮遊タイプ】
[アリ☆エル]
妹のアリルのサポートの予定でしたが、
いつの間にかエルナも魔導巨人とやらに乗り込む事になっていました…どういうことなの……
『そないな事言わんといてやー、このリオール様をよろしく頼むでお嬢ちゃん!』
賑やかな割に敏捷性はさほどでもないので、アリルの支援を主に立ち回ります
しかし魔導巨人の力をもってしても徐々にこちらが押されて――
これは……「燦然合体」?
分解したリオールのパーツをグロリアが装着する形で合体
各スペックも先ほどまでとは段違い…これが本来の姿という事でしょうか
このタロス島の皆の想いを乗せた一撃を叩き込んでやりましょう
●魔法少女の戦い
『グルルゥ……』
魔導巨人との戦いで手傷を負った崩竜は、身体を休めるために巣穴に戻ろうとしていた。
だが、その様子を崖の上から見つめる二つの人影――いや、魔導巨人の姿があった。
『リオール、ほ、ほんとに変身していない状態で戦うの?』
『当たり前や、グロリア。やつと戦うのが魔法少女の使命やで』
二人の魔導巨人は、少女型のグロリアと浮遊型のリオール。魔法少女とそのマスコットというコンビの魔導巨人だ。
『ええいっ、もうヤケですっ! 崩竜ヴァッフェントレーガー! この魔法少女グロリアがマスター・タロスに代わってお仕置きですっ!』
崖の上から崩竜に向かって飛び降り、蹴りを放つグロリア。
しかし、崩竜が軽く翼を振っただけで、ぺちんと地面にはたき落とされた。
『ふぇぇ、やっぱり勇者様の力で変身しないと勝負にならないよぅ、リオール~!』
半泣きになるグロリアを見て、リオールは溜息ひとつ。
『まぁ、変身せんと勝てへんことは、わかっとたけとやけどなー』
『そんなぁ、リオール、ひどいっ』
魔法少女型の魔導巨人であるグロリアは、勇者の力を借りて魔法少女に変身して戦うのだ。勇者が乗っていない今の状態で崩竜と戦うことができるはずもない。
崩竜ヴァッフェントレーガーは、邪魔な魔導巨人を踏み潰そうと二人に迫ってくる。
だが、その時。マスコット型魔導巨人のリオールの勇者レーダーに反応があった。
『なんや、急に勇者反応が! すぐ近くやで!』
グロリアとリオールは、崩竜に追われつつも勇者反応のある場所へと向かうのだった。
●
「ここがタロス島ですね! 早速、魔導巨人を探しましょう、エルナちゃん!」
金髪の少女、アリルティリア・アリルアノン(バーチャル魔法少女アリルちゃん・f00639)が、元気いっぱいに叫ぶ。
その服装は薄緑色をした近未来的デザインのワンピースだ。まるで特撮のヒロインか魔法少女を思わせるその奇抜な服装だが、アリルティリアが『バーチャル魔法少女』を名乗っていることを考えれば納得できることだろう。
タロス島に来ればロボットに乗れると聞いたアリルティリアは、すっかりテンションマックスである。
――魔法少女がロボットに乗るのでいいのだろうか、アリルティリアよ。
「アリル、落ち着いてください……。まずは周囲を慎重に探索して、それから魔導巨人さんとしっかり交渉しないと……」
ピンク色の髪をおかっぱにした、まるで少女のようにも見える外見の少年、エルナリア・アリルゼノン(ELNA.net・f25355)が、冷静にアリルティリアを宥める、
エルナリアの言うとおりだ。まずは魔導巨人と接触するのが先決であり、さらに共に崩竜と戦ってくれる相手を見つける必要がある。それは根気のいる作業となるかもしれない。
――そんなアリルとエルナの元に、地響きが聞こえてくる。まっすぐに向かってくる地響きの方向を見れば、森の木々よりも遥かに大きな巨体をしたドラゴン――崩竜ヴァッフェントレーガーがこちらに向かってくるではないか。
「そんなっ、なんでこっちに真っ直ぐ向かってくるんですかっ!?」
「それより、早く逃げましょう……」
森の木々を文字通り消滅させながら向かってくる崩竜を見て慌てる二人。
だが、そこに森の巨木と同じくらいの背をした少女型魔導巨人と、その横を浮遊する小型魔導巨人が姿を現した。
アリルとエルナを見た浮遊型魔導巨人――リオールが口を開く。
『この二人や。この二人から勇者反応を感じるで! ――なあ、二人とも。うちらと契約せえへんか?』
『お願いっ! 崩竜を倒すためにも力を貸してほしいんですっ!』
――アリルとエルナは、かくかくしかじかとリオールから状況説明をうける。
「ふっふっふー、いいでしょう! アリルは巨大ロボに乗るのは初めてじゃないですよ! しかも狙ったように魔法少女型! 負ける要素はありません!」
胸を張って答えたアリルは、そそくさと魔法少女型魔導巨人グロリアに乗り込んだ。
「それじゃあ行きましょう、グロリアちゃん!」
『はいっ、よろしくお願い致します、お姉さま♪』
一方のエルナは、リオールからのしつこい勧誘を受けていた。
『いいか? このリオール様にも勇者の力がないと、グロリアが完全な力を発揮できないんや。それだと嬢ちゃんの相方も困るやろ?』
「アリルのサポートをするだけの予定でしたが……。これはエルナも魔導巨人に乗り込まないといけないみたいですね……」
がっくりと肩を落としたエルナは、渋々ながら浮遊型魔導巨人リオールに乗り込んだ。
『このリオール様をよろしく頼むで、お嬢ちゃん!』
●
森の木々を崩壊させながら、崩竜ヴァッフェントレーガーが姿を現した。
それを迎え撃つように立ちはだかるのは、魔法少女型魔導巨人グロリアだ。
グロリアは崩竜をキッと見つめると、手に持った魔法のステッキを掲げた。
『マジカル☆チェンジ♪』
グロリアの身体を包んでいた魔法金属製の衣装が分解されると、全裸になったグロリアの金属の肌が陽光を反射してきらりと光る。
分解された魔法金属が魔法少女衣装の形となって再構築。グロリアの全身を花のように可憐な金属製の衣装が包み込んだ。
『魔法少女マジカル☆グロリア、見参ですっ!』
魔法少女姿のグロリアが崩竜に向かって魔法のステッキをビシリと突きつけた。
「グロリアちゃん、必殺技で一気に決めましょう!」
『はい、お姉さま!』
グロリアがステッキに光の魔力を集めはじめる。
「エルナたちはアリルの援護です」
『任せといてや~、マジカル☆バインド! これで崩竜は身動きが取れんはずや!』
エルナの乗るリオールが補助魔法を放つと、周囲の草木が伸びて崩竜に巻き付いた。
勇者たるエルナの力で強化された拘束魔法は、崩壊の魔力にも耐え、竜の動きを封じる。
「いまです、アリル」
「いっけえっ!」
アリルの乗ったグロリアが、ステッキから清浄な光を放つ。それは邪悪な存在のみを浄化する光魔法だ。
周囲に広がる光は、草木には何の影響も与えない。だが崩竜の身体に光が当たった途端、その部分が焼け焦げ、黒い煙が立ち上る。
『効いてますね、お姉さま!』
『よっしゃ、これならいくら崩竜ヴァッフェントレーガーでも……』
グロリアとリオールが喜びの声を上げるが、その言葉は途中で止まった。
『グガアアアァッ!』
咆哮と共に崩壊形態になったヴァッフェントレーガー。
崩竜の全身を覆う崩壊の魔力は、その身を拘束する草木を崩壊させ、グロリアの魔法の光すらも消滅させていった。
グロリアとリオールの攻撃を跳ね除けた崩竜ヴァッフェントレーガーは、その巨大な尻尾を一振りする。
大森林の巨木をなぎ倒しながら高速で迫りくる崩竜の一撃。
魔法を撃った直後のグロリアとリオールに、それを防ぐ手段はなかった。
『きゃああっ』
『ひぇ~』
吹き飛ばされたグロリアとリオールは、あまりのダメージに立ち上がることもままならない。
崩竜ヴァッフェントレーガーは、虫けらでも踏み潰そうとするかのように、二人にとどめをさそうとゆっくりと近づいてくる。
●
だが、その時、グロリアとリオールの身体を黄金の光が包み込んだ。
「グロリアちゃん、諦めないでください!」
「リオール、あなたの力はこんなものではないはずです」
黄金の光は、アリルとエルナの勇気のパワー。それが二体の魔導巨人のボディを金色に染めていく。
『これは……!?』
『うちらの身体に勇者のエネルギーが満ちてくる……』
グロリアとリオールが驚愕の声を上げながら立ち上がった。
それと同時に、二体の操縦席に『燦然合体』という文字が浮かび上がる。
「燦然……合体!?」
「リオールの方にも同じ文字が出ています……」
アリルとエルナは、その文字を見て頷くと、同時にスイッチを押し込んだ。
「「燦然合体!」」
その瞬間、リオールの全身がパーツに分解され、ふわりと宙に浮かんだ。そのままグロリアに向かって飛んでいくと、リオールのパーツがグロリアの両腕、両脚、胸部に装着される。
操縦席も変形し、アリルの後部シートにエルナが座る形に合体した。
「これが、グロリアとリオールの真の姿というわけですね!」
「データベース確認……。どうやら搭乗する勇者の心がシンクロした時、合体可能になるようです……」
合体した魔導巨人の操縦席で、アリルとエルナの瞳に闘志が宿る。それは魔導巨人にとって、これ以上ないエネルギー源。
「さあ、名乗りをあげますよ!」
『ええっ、こ、こんな名乗りを上げるんですかっ!?』
合体した魔導巨人が困惑の声を上げるが、アリルはやる気十分。そしてエルナは諦め顔だ。
黄金色に輝くボディの魔法少女型魔導巨人が、可愛らしいポーズを取りながら名乗りを上げる。
『翠にきらめく粒子の奔流と共に、新たな魔法少女が華麗に参上!』
手に持つステッキを崩竜にビシッと向ける。
『ネガティブハートにスマイル配信♪』
つぶらな瞳でウィンクひとつ。
『ゴーレム魔法少女(ウィッチ)、燦然光姫グロリオール、ログインなう☆』
ふわりと衣装を翻し、決めポーズ。
彼女こそ、グロリアとリオールが合体した真の魔法少女、燦然光姫グロリオールである。
「2人と2体、4つの心が一つになったアリル達は今や無敵!」
「はい、スペックも先ほどまでとは段違いです……。このタロス島の皆の思いを乗せた一撃を叩き込んでやりましょう」
エルナは操縦席の火器管制システムを、自身のソーシャルネットワークサーバー『ELNA.net』に接続する。【バズテール・フェイズ】によって、リオールのボディが変形したレーザーの威力と射程が3倍に跳ね上がる。
「さあ覚悟しなさい崩竜! 崩壊するのはお前の方です!」
アリルの【ホログラフィックペタル】により、燦然光姫グロリオールの身体から無数の光の花びらが舞い上がり崩竜を取り囲む。
『ガァアアッ!』
それを無視して崩竜は崩壊のブレスを放とうとするが――。
「アリル、ソーシャルレーザーのエネルギー充填完了、いつでも撃てます」
「グロリオールちゃん、全砲門、発射ですっ!」
『いっけえええっ!』
グロリオールの両腕と両脚から無数のレーザーが発射。それは空中に浮かぶ無数の光の花弁によって反射を繰り返し、崩竜ヴァッフェントレーガーを全方位から撃ち貫く。
とっさに崩壊の魔力で防御する崩竜だが、強化されたレーザーはその守りを貫通し崩竜の肉体に穴を開けた。
『ギャアアアアァッ!?』
肉が焼ける痛みに悲鳴を上げる崩竜。
たまらず、大きく翼を広げ、空中へと飛び立ち逃げ去っていく。
「逃がすものですかっ!」
「待って、アリル……。もうグロリオールのエネルギーが……」
追撃しようとしたところで、グロリアとリオールの合体が解除されてしまう。
無理もない。崩竜の防御を破るほどの攻撃を繰り出したのだ。エネルギー切れも当然だろう。
だが、グロリアとリオールの顔には満足げな笑みが浮かんでいた。
『ありがとう、アリルお姉さま。おかげで私、自身がつきました』
『ああ、崩竜に一撃かませたんも嬢ちゃんたちのおかげや。おおきにな』
まだ戦いは終わっていない。
2人と2体は、崩竜の追撃をはじめるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
メラン・ネメシス
【×:喋らないけれど自意識はあり、モニタにメッセージが出る:分厚い装甲の黒い巨人】
これ、持ち帰れたら大儲けなんやけどなァ
この島の守りだから出られへんのやろ?勿体ない
ま、ならせめて、ここにいる間は楽しませてもらおうか
「いざ、ショータイムや♪」
ずっしんずっしん、巨体を歩かせて近付くで
コイツの装甲ならそんじょそこらの攻撃は通用せんし、両腕構えて盾にすればなおさらや
攻撃はこぶしを握り、肘のパイルバンカーの威力でもって至近距離からインパクト!
殺戮人形なウチとは殺り方ちゃうけどな、敵の隙をついて必殺の一撃なんはいっしょやで?
最後は巨人の胸が開いて巨大な砲身展開、特大のをお見舞いしたる
これでファイナルや!
ブレイブ・ブレイド
【○:クール(英語等でガイドアナウンス):大型戦艦】
・行動
自身のスペックを生かして最大級の魔導巨人と合体
フルコントロールした全兵装を一斉射撃することで
敵の最大火力すら押し返して攻撃を叩きこむ
・セリフ
天の力、地の力、海の力を借りて
勇者巨神キングブレイバー只今参上です!
そして過去の勇者の想いを受け
さらなる展開へと至りましょう!
(戦艦の船首に合体すると戦艦全体が展開して巨大な人型に)
三界の力を受け
過去の想いを今、受け継ぎ
未来へとつなぐ新たなる力
異世界突破グレートキングブレイバー!
これが勝利の鍵です!
全兵装フルコントロール!
ファイナルアターーック!!
ロア・メギドレクス
余が汝に名を与えよう。
――汝の名は、《恐竜合体ダイザウラー/知能◎:丁寧で包容力のある父親タイプ:コアマシンを中心に合体して完成する無敵の恐竜勇者》だ。
なに?他の名前がある?いいや違う。汝はダイザウラーだ。
さあ、往くぞダイザウラー。余と共に奴を叩くのだ!
制圧射撃とて無尽蔵ではあるまい。必ず切れ間があるはずだ。
――うむ、途絶えたな。今だ、突っ込め!
むうッ!奴め、近接戦も強力か!
だがダイザウラー。余は王として汝に命じよう。
諦めるな。余と共に、奴に勝て!
【竜進化】せよ!今こそ最強竜合体の時!今こそ汝は《最強竜合体グレートダイザウラー》!
ハウリングブレード!
往くぞッ!グレートロアリングフィニッシュ!!
●最強必殺技
「余が汝に名を与えよう。――汝の名は恐竜合体ダイザウラーだ!」
ロア・メギドレクス(獄竜暴君・f00398)が、出会った恐竜タイプの魔導巨人に声をかける。恐竜タイプを選んだのは、ロアが恐竜――メギドラウディウス・レックスの化石のヤドリガミゆえか。
『竜槍剣メギドランス』を背負い、黒き軍服のような服装に身を包んだロアは、ダイザウラーの操縦席へと乗り込んだ。
『いや、私の名前はダイザウラーではなく――』
「いいや違う。汝はダイザウラーだ」
黒髪の覇王はピシャリと言い放つと、玉座に腰掛けるかのように操縦席で脚を組んだ。
「アンタもいい相棒見つけよったみたいやなぁ」
ダイザウラーに乗るロアに、関西弁の少女の声で通信が入る。
闇商人であるメラン・ネメシス(ダークネス・トレーダー・f27087)からの通信だ。
永い時を生きてきたミレナリィドールの少女は、自身が乗る重装甲の黒い魔導巨人の操縦席でポツリと漏らす。
「これ持ち帰れたら大儲けなんやけどなァ」
創造主から島の守りを任されている魔導巨人たちは島から離れられないと知って落胆したメランだった。
「ま、ならせめて、ここにいる間は楽しませてもらおか。いざ、ショータイムや♪」
メランが乗る魔導巨人――発話機能がついていない――の操縦席のコンソールに、『BATTLE READY』という文字が表示された。
ロアの乗るダイザウラー(と名付けられた魔導巨人)とメランの乗る魔導巨人は、崩竜ヴァッフェントレーガーに勝負を挑むべく、重厚な巨体で大地を踏み鳴らしながら進軍しているのだった。
●
『グルァアアアッ!』
近づいてくる二体の魔導巨人を崩竜が見逃すはずもない。
一息に消し去ってしまおうと、崩竜の口から崩壊の力を帯びたブレスが放たれた。
「どうやら交渉は通じん相手みたいやなァ」
メランの操る黒い重装甲の魔導巨人が、ダイザウラーの前に出て両腕でガード体勢を取った。
崩竜のブレスが黒い魔導巨人の両腕に激突。崩壊の魔力を解き放つ。
――だが、強靭な装甲を誇る魔導巨人はその攻撃を防ぎきった。
「ご苦労。さあ、往くぞダイザウラー。余と共に奴を叩くのだ!」
『行きましょう、ロア』
ブレスの途切れた隙を突いて、ロアのダイザウラーが崩竜に突撃を開始した。
恐竜型の魔導巨人が大地を駆け崩竜に迫る。
『ガアアァ!』
ヴァッフェントレーガーは自身の周囲に無数の魔法陣を浮かび上がらせた。
魔法陣から撃ち出されるのは、面制圧を目的とした火球による爆撃だ。火球は触れたものを崩壊させながら、ダイザウラーへと襲いかかる。
「制圧射撃とて無尽蔵ではあるまい。必ず切れ間があるはずだ」
『それまでは耐えてみせましょう!』
火球にさらされ、ダイザウラーの装甲が高温により赤熱する。
だが、それでも勇者の力を得たダイザウラーは一歩も引かない。
「――うむ、攻撃が途絶えたな。今だ、突っ込め!」
『うおおおっ』
雨あられと降り注ぐ火球の間隙をついて、ダイザウラーが崩竜に肉薄。大きく口を開け、その牙で崩竜の喉元に食らいつかんとする。
だが、崩竜も尻尾を振るいダイザウラーを迎撃してくる。
「むうッ! 奴め、接近戦も強力か!」
かろうじて尾の一撃を回避したダイザウラーの中でロアが歯噛みした。
「ウチのことも忘れてもろうては困るで。アクション!」
そこにメランの操縦する魔導巨人が飛び込んでくる。崩竜がダイザウラーに気をとられていた間に接近したのだ。
黒き魔導巨人は右腕を振りかぶると崩竜の胴体に拳を打ち込んだ。
ただのパンチ程度避けるまでもないと崩竜はそれを無防備に鱗で受け止めるが――。
「殺戮人形なウチとは殺り方ちゃうけどな、敵の隙をついて必殺の一撃なんは一緒やで?」
メランの言葉とともに、【殺戮人形の記憶】が発動。魔導巨人の肘に装着されたパイルバンカーが撃ち出され、崩竜の胴体にゼロ距離から強烈な一撃を加えた。
パイルバンカーのインパクトの衝撃で吹き飛ぶ崩竜。岩山に激突すると、そこに身体をめりこませ動きを止めた。
「よし、今がチャンスだ、ダイザウラー。余は王として汝に命じよう。諦めるな。余と共に、奴に勝て!」
『任せてください、ロア!』
ロアはダイザウラーの言葉に満足そうに頷き、命じる。
「【竜進化】せよ! 今こそ最強竜合体の時!」
『おうっ!』
ロアの叫びと共に、羽ばたく翼竜型の魔導巨人が飛来する。
翼竜型魔導巨人は、翼の部分と胴体の部分に分離した。
胴体はダイザウラーの全身の装甲として合体。
翼の部分はダイザウラーの翼となる。
「汝こそ最強竜合体グレートダイザウラー!」
合体を完了させたグレートダイザウラーは背中の翼を羽ばたかせ、空中から崩竜を見下ろした。
●
そこに、崖の上に現れた第三の勇者ブレイブ・ブレイド(異世界勇者ブレイバー・f26959)の声が響く。
「私は剣の勇者ブレイバー、この身は勇気あるものと共に!」
彼はグリードオーシャンの勇者伝説のある遺跡から人々の祈りに応えて降臨した勇者ロボである。
なお、ブレイブは、この島のゴーレムたちとは関係ないので念の為。――えっと、関係ないよね?
「いくぞっ、とうっ!」
崖の上から飛んだブレイブは、サポートメカを呼び寄せた。
「天空王! 大地王! 海洋王! 四神合体だ!」
ホークタイプの天空王が空の彼方から飛翔してくる。
ユニコーンタイプの大地王が森の奥から疾駆してくる。
タートルタイプの海洋王が地面をのそのそと這いずって近づいてくる。――海がないので仕方がない。
落下中のブレイブに向かって、三体のサポートメカたちが飛翔し跳躍。
大地王が腕部と脚部に変形しブレイブと合体。海洋王が胴体の装甲となってブレイブを包み込み。天空王が飛行ユニットとして背部に装着される。
「天の力、地の力、海の力を借りて、勇者巨神キングブレイバー只今参上です!」
空中に浮かびながら名乗りを上げたのは、サポートメカと合体し全高6mの巨大ロボットとなった【勇者巨神キングブレイバー】だった。
――なお、改めて言っておこう。彼はこの島の魔導巨人ではない。
『ガァァアッ!』
キングブレイバーの姿を見て、崩竜が魔法陣から火球の雨を撃ち出した。
だが、それを見つめるキングブレイバーは冷静だ。
「来てください、魔導巨人!」
彼の言葉に、雲を割いて現れたのは、超巨大戦艦型の魔導巨人だった。
『get ready』
「全兵装一斉射撃です!」
キングブレイバーの声に応えて戦艦から放たれたミサイルやレーザーなどの一斉射撃が、崩竜の火球を撃ち落としていく。否、それだけではない。火球を押し返して身動きの取れない崩竜の身体に炸裂していった。
「そして過去の勇者の思いを受け、さらなる展開へと至りましょう!」
『Yes Sir』
キングブレイバーの言葉に答えた戦艦型魔導巨人は、艦首を空に向けると、船尾側が分離して脚に、左右舷がせり出して腕に、船首部分が顔に変形することで、超巨大ロボットの姿になる。
「いきますっ、とおっ!」
キングブレイバーが戦艦型魔導巨人の胴体中央部に格納されると、両腕、両脚が戦艦の手足と接続され、キングブレイバーの手足として一体化していく。
「三界の力を受け……。過去の想いを今、受け継ぎ……。未来へとつなぐ新たなる力……! 異世界突破グレートキングブレイバー!」
ずん、と巨大な脚を踏み出すグレートキングブレイバー。
その視線の先には、岩山に埋もれる崩竜の姿があった。
●
『ギャァアア!』
自身を取り囲むメランの魔導巨人、グレートダイザウラー、グレートキングブレイバーの三体の姿を見て、崩竜ヴァッフェントレーガーが咆哮を上げた。
まず動いたのはメランだ。
「本来は姿勢安定用やけど、こういう使い方もできるんやで!」
メランの黒い魔導巨人から撃ち出されたのは、何本ものチェーンアンカー。先端にバーニアの付いたアンカーは崩竜の周囲を飛び回ると、その身体をがんじがらめにするように地面に突き立つ。
脱出しようともがく崩竜。
「おっと、脱出しようとしても無駄やで。これも崩壊の魔力に抵抗できる魔法金属製や♪」
そこに、グレートダイザウラーとグレートキングブレイバーの二体が武器を構える。
「ハウリングソード!!」
「グレートブレイブソード!!」
『グ、グルルル!』
唸り声を上げることしかできない崩竜に向かって、二体の魔導巨人が必殺技を放つ。
「往くぞッ!」
グレートダイザウラーの胸部のから炎のビームが放たれる。それは地面を割り穿ち、激しい地割れを引き起こした。
そこに沿って飛翔するグレートダイザウラー。その手に握られているのはハウリングソード。
「グレートロアリングフィニッシュ!!」
真下から斬り上げるような一撃が崩竜を斬り裂いた。
「これが勝利の鍵です!」
グレートキングブレイバーがグレートブレイブソードを天に掲げると、光り輝く刃が伸びて雲を割る。
赤熱したエネルギーの刃をグレートキングブレイバーが一息に斬り下ろす。
「ファイナルアターーック!!」
真上からの一撃が崩竜を叩き斬った。
「これでファイナルステージや!」
メランの魔導巨人は全身からアンカーを射出すると地面に撃ち込み姿勢を固定すると、胸の巨大な砲身を展開した。
砲身に集中していく莫大なエネルギー。
二体の魔導巨人の必殺技を受けた崩竜に、メランがターゲットを合わせた。
「これがウチと魔導巨人の力! 未来のお宝を手に入れるため、ウチはこの引き金を引く!」
魔導巨人の巨大砲身から極大の光線が放たれ、崩竜を飲み込んでいった。
――激しい光が消え去った時、爆煙の中から現れたのは、ボロボロになって飛び去る崩竜の姿だった。
「あちゃあ、逃してもーたか」
「まあ、十分な戦果であろう。よくやった、ダイザウラーよ」
「ええ、勇気があれば負けることなどありません!」
三体の魔導巨人は、休息のため一時帰還するのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ジル・クリスティ
【○:火器管制サポートAI。カタカナ喋り:非人型。搭乗者の身体を包むように合体装着される高機動武器庫のようなアームドベース】
私のサイズで乗れそうなものはあるのかな…
って、なにこの1/144サイズの武器庫みたいな…
ちょうど私の鎧装に接続できそう…フェアリー用かな?
ならありがたく!
火器管制AIと協力しての超高速戦闘機動
マイクロミサイル乱射
爆導索巻き付けからの急ターン&爆破
荷電粒子砲や実体弾バズーカ速射
とにかく高速で飛び回りながら火器を叩きこんでいくよ
最後には超巨大砲身を敵につき付けての零距離射撃!
ハイパー・メガ・バスター、全力で撃ち抜くっ!
君、このまま私と一緒にいかない?
これからも相棒として、さ
菫宮・理緒
【○:金色の装甲の高機動・高運動型。フレキシブル・バインダー仕様】
熱いね!熱すぎだね!
これは行かねば!そして乗らねば!
「今のわたしは、クワトリオ大尉だ。それ以上でもそれ以下でもない」
(サングラスちゃきっ)
ということで、
顔の半分くらい覆うサングラスかけて、
金色の魔導巨人に乗るね。
序盤は【偽装錬金】でビームサーベルを作って、
機動性を生かして、格闘戦。
攻撃回避は【不可測演算】も使っていけたらいいなって思うよ。
とどめ近くになったら、後方に下がって
【全力魔法】のメガバz……いえ【テスカトリポカの鏡】を準備。
射線がクリアになったら、ヴァッフェントレーガーに叩き込もう。
「まだ、まだ終わらないよ!」
シーザー・ゴールドマン
【◎:熱血:真紅の高機動型20mほど】
ハハハ、A&Wでロボットパイロットを体験するとはね。
失礼、君はゴーレムだったね。
君のカラーはとても好みだ。私は君に乗らせて貰うよ。
搭乗後、『ウルクの黎明』を発動してゴーレム自体の戦闘力を増強。
さあ、普段の3倍どころではないよ。しっかりと、補助してくれたまえ。
超音速の高速機動戦闘で崩竜と戦闘。
フルバーストも良いが……
決め技は大上段からの振り下ろしで発生する巨大な衝撃波。
敵POWUCについて。
魔法陣が生じた瞬間を見切って、魔法陣に突進。ズタズタに切り裂いて火球を発生させません。
うん、実に良い。この戦いの後も私の専用機にならないかね?
●機動魔導巨人
「私のサイズで乗れそうなものはあるのかな……」
周囲にいるのは全高20m程度の魔導巨人たち。その操縦席は人間サイズの勇者が乗るために作られている。
身長23cmのフェアリーであるジル・クリスティ(宇宙駆ける白銀の閃光・f26740)に合うサイズの魔導巨人はなかなか見つからない。
ツインテールにした銀色の髪を風に揺らし、力なく飛んでいたジル。
気がつけば、人気のない寂れた倉庫のようなところに来てしまっていた。
「……なんだろう、これ」
埃のたまった倉庫の一角に目立たないように置かれているフェアリーサイズの武器庫のようなもの。ジルが何気なくそれに触れると――。
『――ユウシャ、ノ、ハンノウ、ケンチ。テキゴウ、カクニン。システム、キドウ』
「う、動くの、これ!?」
ジルが身にまとう鎧装との接続も可能な様子。ジルは早速、全身を包み込むようなアームドベースを装着し、出撃した。
「うわー、この機体、熱いね! 熱すぎだね! これは乗らねば!」
黒髪で片目を隠した髪型の菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)は、金色の魔導巨人を見てはしゃいでいた。
『――マスター、ご命令を』
「うむ。今から私はクワトリオ大尉だ。それ以上でもそれ以下でもない」
わざわざ顔の半分くらいを覆う黒いサングラスをかけて、理緒は金色の魔導巨人に乗り込んだ。
『クワトリオ大尉、ご命令を』
「うむ、クワトリオ大尉、出るっ!」
金色の高機動型魔導巨人はフレキシブル・バインダーを搭載したバックパックからジェットを吹き出して飛翔していった。
「ハハハ、まさかアックス&ウィザーズでロボットパイロットを体験するとはね。いや失礼。君はゴーレムだったね」
真紅のスーツに身を包んだダンピールの男性、シーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)が、飛翔する魔導巨人の操縦席で語りかける。
『ロボットってのがなんだか分からんが、まあ、細かいことは気にすんな! お前の服装が気に入ったから乗せてやってるんだからな!』
シーザーに答えたのは、真紅の高機動型の魔導巨人だ。
それを聞いたシーザーも笑って応じる。
「ああ、私も同感だ。君のカラーはとても好みだ。乗せてもらえて光栄だよ」
どうやら、お互いに真紅という色に惹かれたらしい。気の合う者同士といったところだろう。
『それじゃ、飛ばすぜっ!』
「ああ、君の性能を私に見せてくれ」
空を真紅の機影が駆けていったのだった。
●
「さて、崩竜ヴァッフェントレーガーが逃走したというのは、こちらの方角か……」
魔導巨人でタロス島の空を駆けながらシーザーが呟く。
『せっかく仲間たちが勇者サマたちの力で崩竜のヤツに傷を負わせたんだから、それを治される前にトドメをさしちまいたいな! っと、この反応は……』
シーザーの魔導巨人が高速で近づいてくる反応を捉えていた。
『シキベツコード、カクニン』
「どうやら味方機のようね」
先行する真紅の機体に追いついたのは、フェアリーサイズの魔導巨人(?)のアームドベースを身にまとったジルだ。
アームドベースは空戦仕様のようで、その後部に巨大なバーニアが装着されている。それによりジルは、鎧装で空を駆ける時と同等の機動力を発揮できていた。
「どうやら味方のようだねっ」
そこにもう一機の機影が加わった。
黄金の装甲で眩く太陽を反射する、理緒の乗る魔導巨人だ。
「私はクワトリオ大尉だ」
訂正。クワトリオ大尉の乗る黄金の魔導巨人だった。
「さて、諸君。ターゲットが見えたようだよ」
クワトリオ大尉がサングラスの下に装着した電脳ゴーグル『Oracle Link』を通して、空中の一点を見据えた。
『データリンク、開始します』
黄金の魔導巨人からデータ共有された2人の機体にも、その姿が映し出される。
――大空を舞う、傷ついた崩竜ヴァッフェントレーガーの姿が。
●
「まずは私が先行させてもらおうか!」
『おうっ、行くぜっ!』
シーザーは【ウルクの黎明】によって機体を真紅のオーラで覆う。それはシーザーの強大な魔力に呼応して、魔導巨人の戦闘力増強と時速7600kmにも達する最大速度を与える。
マッハ6を超える最高速度は、通常の3倍どころではない。僚機を後方に置き去りにして、シーザーの魔導巨人は一瞬で崩竜との距離を詰めた。
だが、崩竜も黙ってみているわけではない。
音の壁を突き破って接近する紅い魔導巨人に向かって無数の魔法陣を浮かび上がらせる。あらゆるものを崩壊される火球で面制圧爆撃するつもりだ。
魔法陣から火球が生成され、それが撃ち出される――それよりも前に。
「ハハハ、遅いな。止まって見えるよ!」
『おお、この速度はいいな!』
オーラで出来たサーベルを構えて魔法陣に飛び込んだシーザーの魔導巨人は、火球が撃ち出されるよりも早く、魔法陣を斬り裂いていた。
魔法陣を壊しつつ崩竜の周囲を超音速で飛び回る真紅の魔導巨人。
音速を越えたことで発生したソニックブームをも利用して崩竜に傷を与えていく。
「続けてこちらも行く!」
クワトリオ大尉の黄金の魔導巨人が、【偽装錬金】によって作成したビームサーベルを構えて崩竜に突撃してくる。
それを見た崩竜が崩壊の力を宿したブレスを放つが――。
「遅いっ」
黄金の機体は、その攻撃をまるで予知していたかのように回避してのけた。
いや、予知ではない。それはクワトリオ大尉の【不可測演算】によって崩竜の攻撃を予測演算したがゆえに可能となった機動。
「これがニュータイ」(ざー
何かを言いかけたところで、通信回線にノイズが入ったようだ。
「二人とも、退避してっ」
そこにジルからの通信が入る。
見れば、ジルの纏うアームドベースがその武装をフル展開していた。
『オールウェポン、グリーン。スラスター、マックス』
激しい光芒を曳いてジルが崩竜ヴァッフェントレーガーに突撃してくる。
そのバックウェポンシステムから発射されたミサイルコンテナは、崩竜の近くに接近すると、格納していたマイクロミサイルを無差別に撒き散らし、周囲の空間を爆炎で染めた。
さらに爆風消えやらぬうちに、ジルは崩竜の周囲を高速で飛び回る。
ジルが曳航しているのは爆弾の括り付けられたナノワイヤーだ。崩竜の身体に巻き付いたワイヤーは連鎖爆発を起こし、鱗を剥がし、肉を焼いていく。
「まだまだぁっ!」
さらにウェポンラックから二丁のバズーカを取り出すと、両手で構えて発射する。
撃ち込まれた実体弾は、轟音と閃光を撒き散らしながら崩竜に苦悶の声を上げさせた。
●
「まだ、まだ終わらないよ!」
『クワトリオ大尉、主砲発射準備完了』
クワトリオ大尉が【テスカトリポカの鏡】により、黄金の魔導巨人が持つ巨大魔導砲の火力を最大まで高めていく。
「射線クリア、いっちゃえーっ!」
メガ魔導砲は崩竜ヴァッフェントレーガーの身体を貫通。そのまま大地に命中するとその大地をも蒸発させ、浮島を貫く大穴を開けた。
「こちらもトドメっ!」
ジルもスラスター全開で崩竜へと突撃。その先端に装着された超巨大砲身を敵の鱗に突き刺し、【Hyper Mega Buster】による一撃を放つ。
「ロングレンジライフルモード変形! バレル展開! エネルギー充填120%! ハイパー・メガ・バスター最終セーフティー解除! 発射!」
超巨大砲身から荷電粒子砲の極大出力の一撃を放つ。撃ち出された極太のビームは、真下から崩竜の身体を貫き、上空の雲を貫いて天への梯子を作り出した。
「僕らも負けていられないね」
『うおおおおっ!』
シーザーの真紅の魔導巨人がオーラで作った刀身を大上段から振り下ろす。
音速を越えた速度で振るわれるその一撃は、崩竜の身体を深々と斬り裂いた。
『ギャアアアアッ!!』
悲鳴のような咆哮を上げた崩竜ヴァッフェントレーガーは、力なく地上へと落下していったのだった。
「このまま追撃をっ……」
『クワトリオ大尉、警告。当機はエネルギー残量がありません。他の二機も同様のため、一時帰投を提案します』
崩竜を追おうとしたクワトリオ大尉だが、魔導巨人にそのように言われては、これ以上の無茶はできない。
他の2人と共に、渋々帰投するのであった。
――なお、その2人はというと。
「君、このまま私と一緒にいかない? これからも相棒として、さ」
「うん、実に良い。この戦いの後も私の専用機にならないかね?」
機体の勧誘に熱心だった。
機体が2人の勧誘に答えたのかどうか。それは記録には残されていない。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
伊美砂・アクアノート
【◎:ロマンチスト、重量からすると過剰な大推力ロボ】
巨大ロボ…それはロマン…。いや、ゴーレムだっけ? まぁ些細だ! 実質的に超合金、燃え上がる少年の心とか涙とか友情とか…こう、あるじゃろ? ロマンが通じそうなゴーレムさんがいたら、【コミュ力】で乗せてーって交渉します。だってドラゴンだぞドラゴン。滅多にこんなシチュエーション無いでゴザルよ!(力説)
ーーーで、武装は? …え、白兵戦オンリーな仕様? ちょ、待っ…!(殺人的な超加速度で突撃) 装甲が剥がれたら、ユーベルコードで更に加速。……まだだ、まだ速さが足りない…ッ! 行けるな、相棒! 装甲パージ、番組後期フォームっ…! 最短最速、真っ直ぐに…!
アイリス・ヴォルフェルト
【◎:熱血:巨顔からSD体型の騎士型に変形】
搭乗型巨大ゴーレムっ!こんなものがあっただなんてっ
私と共に戦ってくれるのは……巨大な、顔?
乗り込んだら人型に変形しました!?
騎士型なのは助かります。さぁ、いきましょう!
きゃぁぁぁっ!
敵の火球を盾で防いで、それでもダメージ大きく各座します
くっ、まだです。まだ負けるわけにはいきません!
剣が変形して、そこから光の文字が全身に走ってクラスチェンジして騎士から聖騎士になりますっ!
私のユーベルコードでは必殺技はない。ですが、この魔導巨人でなら!
盾を剣に合体させて剣を振って光を生み出し、流星の如き剣戟を、この聖騎士魔導巨人の秘剣にして奥義を放ちます!
●突撃、魔導巨人
「巨大ロボ……それはロマン……! いや、ゴーレムだっけ? まぁ些細だ!」
タロス島のゴーレム――魔導巨人を前にして、多重人格者の伊美砂・アクアノート(さいはての水香・f00329)がハイテンションで叫んでいる。
「実質的に超合金、燃え上がる少年の心とか涙とか友情とか……こう、あるじゃろ?」
白い髪を頭の両サイドで結い上げた大人っぽい雰囲気の女性――アクアノートは、目の前にいる魔導巨人のボディをバンバン叩きながら力説していた。
その魔導巨人は、スマートな体型にも関わらず、見た目に比べて積載過剰とも言えるスラスターを備えていた。まさにアクアノート好みのロマンの塊だ。
『あなたも、このロマンが分かりますか』
巨人の性格も、一点突破型ロマンチストであり、アクアノートと話の合う相手だった。
「乗せて乗せて! だってドラゴンだぞドラゴン。滅多にこんなシチュエーション無いでゴザルよ!」
『そうですね! あなたなら私の性能を引き出してくれそうです! 是非、共に戦いましょう!』
意気投合したアクアノートは、魔導巨人に乗り込み出撃していった。
●
アクアノートと彼女が操縦する魔導巨人は、傷つきながらも大地を徘徊する崩竜を発見した。
「どうやら弱っているみたい。今がチャンス。さあ、武器を!」
『――ありません』
崩竜に攻撃を仕掛けようとしたアクアノートの言葉に、魔導巨人がボソリと答える。思わず聞き返すアクアノート。
「は? なんて?」
『武装などないと言ったのです。速さこそ正義! 速さこそ武器! 速さがすべてなのです!』
要は、巨大なスラスターに積載重量を全振りしたため、武器を一つも持てないロマン機体に仕上がっていたのだ。この魔導巨人、戦闘は格闘オンリーであった。
――ドラゴン相手に武器なしでどうしろと。
崩竜を目の前にしてアクアノートが頭を抱えていると、そこに可憐な少女の声が響き渡った。
「私もドラゴン退治にご協力します!」
声の主はアイリス・ヴォルフェルト(守護騎士・f15339)。純白の鎧『セイントアーマー』を身に着け、白銀の大盾『セイントシールド』を持った聖騎士である。
だが、崖の上から叫んだ彼女は生身だった。
「ちょっと、魔導巨人に乗らずに崩竜ヴァッフェントレーガーと戦うなんて無茶よっ!」
アクアノートの言葉を聞いて、アイリスが自信に溢れた笑みを浮かべた。
どんな邪悪な敵にも決して負けない純粋な闘志を瞳に宿し、アイリスは堂々と叫ぶ。
「ご心配はいりませんっ! 来てください、私の騎士っ!」
アイリスが天空に剣を掲げると、彼女の背後に巨大な二重円が描かれた。円の内部に光が走り、六芒星の文様を形作る。
「現れ出でよ、汝、グランナイト!」
アイリスの声に答えるように六芒星の魔法陣が青白い光を放ち、そこから巨大な顔のような魔導巨人が現れた。
魔導巨人の額に嵌められた宝玉から光が放たれると、輝きに包まれたアイリスの身体が顔型の巨人に吸い込まれる。
「変形です、グランナイト!」
『応ッ!』
顔型の魔導巨人グランナイトは折りたたまれていた両手両脚を展開させる。顔だと思っていたのは魔導巨人のボディだったのだ。
顔がせり上がってきてポーズを取った魔導巨人。それは騎士の姿をしていた。
「これが私の騎士、グランナイトです!」
魔導巨人は、盾と剣を構えて崩竜ヴァッフェントレーガーに向き直った。
●
『グガアアアッ!』
アクアノートのとアイリスの魔導巨人を敵とみなした崩竜は戦闘態勢を取る。
その口を大きく開けた崩竜は、アクアノートに向けて崩壊のブレスを放った。
『その程度の攻撃――速さが足りませんねッ!』
「ちょっ、待っ……!?」
乗り込んでいるアクアノートに強烈なGをかけて、魔導巨人がスラスター全開でブレスを回避した。
周囲の森や岩山を削り取りながら吐き出されるブレスを、縦横無尽の機動で避けていく。
『グルァアアア!』
苛立ったヴァッフェントレーガーは全身を崩壊モードに変形させ、その巨体でアクアノートとアイリスに向かって突撃してきた。
『当たりませんっ!』
強引な加速でその突撃を回避したアクアノートの魔導巨人。
「って、それだとあの娘がっ!?」
アクアノートが危惧したように、崩竜はアイリスの魔導巨人に向かって真っ直ぐに突撃していた。
だが、アイリスは落ち着いて魔導巨人の盾を構える。
「お願い、私の想いに応えてっ!」
『うぉおおお!』
騎士の魔導巨人が盾を突き出す。そこに衝突してくる崩竜ヴァッフェントレーガー。
魔法金属製の盾が崩壊の魔力で削り取られていき、ボディにも所々ひびが入っていき――派手に吹き飛ばされるグランナイト。
「ああっ、騎士の魔導巨人が!」
「くっ……」
アクアノートの悲鳴が戦場に木霊し、アイリスが苦悶の声を上げた。
ボロボロになった騎士の魔導巨人グランナイトが地面にその膝をつく。
『グルアアアア!』
勝利を確信した崩竜の咆哮が響き渡った。
●
「まだ……まだです! 動いてください! グランナイト!!」
アイリスがボロボロの魔導巨人に叫ぶ。
ふらつきながらも立ち上がった魔導巨人は剣を掲げた。その剣から光が全身に巡る。
「ま、魔導巨人が変形していく……!?」
アクアノートの驚愕の声。
魔導巨人の全身が神々しい光を放つ純白の装甲に覆われ、マントのような排熱フィンが展開され――。
「こ、これが……グランナイト……? いえ、これこそ、グランナイトの真の姿、グランパラディンです!」
アイリスの【煌銀纏う至聖の騎士(クラスアップ・ロードパラディン)】によってパラディンにクラスチェンジした魔導巨人――グランパラディンは誓いの剣とセイントシールドを構えた。
「熾天の座より賜りしこの輝きは、どんな闇をも撃ち祓います!」
「騎士っ娘が無事なら、こっちだって! いきましょう!」
『任せてください、速さを見せつけてあげましょう!』
アクアノートの魔導巨人が、スラスターを全開にして崩竜ヴァッフェントレーガーに向かって一直線に飛翔する。構えるは拳一つ。
「だけど――」
『拳一つですべてを貫いて魅せましょう!』
迎撃してくる崩竜のブレスを、アクアノートはもう避けない。ただひたすら真っ直ぐ。最短ルートで崩竜へと迫る。
ブレスによって剥がれ落ちる装甲。だが、身軽になればなるだけ魔導巨人の速度は飛躍的に増大していく。
これこそ、アクアノートの【短刀法選・八天斬】を応用した突撃技。
「……まだだ、まだ速さが足りない……ッ! 行けるな、相棒!」
『装甲パージ!!』
ついには自ら装甲を解除する魔導巨人。その鎧の下に隠れていた流線型のボディがあらわになり――背部スラスターが最大エネルギーで推進剤を噴射した。
「最短最速、真っ直ぐに……!」
『この衝撃、受けてみよっ!』
魔導巨人の拳の一撃が崩竜の顔面を殴り飛ばした。
その隙を見逃すアイリスではない。
「私のユーベルコードでは必殺技はない。ですが、この魔導巨人でなら! 力を貸してください、グランパラディン!」
グランパラディンは盾と剣を一体化させ巨大な剣を作り出し、それを頭上に掲げた。光が剣に集まり、グランパラディンを不死鳥のごとき炎が包み込む。
そのまま神々からの聖なる祝福によって天高く飛翔するグランパラディン。その周囲には赤熱した雲が発生し、まるで星雲のように広がっている。
魔導巨人が大きく剣を振りかざすと同時に、アイリスが叫んだ。
「流星の如き剣戟を今ここに! 受けてください、グランパラディンの秘剣にして奥義! 一刀両断メテオカイザー!」
光の竜になったグランパラディンは、まるで隕石のような勢いで崩竜に突撃し――その身体を突き抜けたのだった。
『ギャアアアッッ!?』
二体の魔導巨人から必殺の一撃を受けた崩竜ヴァッフェントレーガーは、激しい悲鳴を上げながら、翼を広げて飛び去っていった。
「追わないとっ……って、グランナイト!?」
変身が切れて膝を突くグランナイト。
「こっちもボロボロだし、出直さないとね」
アクアビートも肩をすくめ、崩竜を見送るのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シスカ・ブラックウィドー
悪魔王ショコラと二人乗りで戦闘
アドリブ歓迎
「君、名前は?」
「当機のデータベースには女装癖は変態として記録されています」
「おい、表へ出ろ」
【◎:口調は丁寧だが感情の機微に疎いAI人の心が分からないロボット:金色のライオン型。四足歩行でコックピットは複座式】。
魔導巨人!スーパーヒーローのボクにふさわしい戦場だね!(ヒーローズアースに住んでるだけでジョブはアイドル)
動物型ロボ発見!キミに決めた!
あ、これ複座式か。よし、ショコラかもーん!操縦は君に任せたよ!ボクは砲撃手やるから!
こいつヒーローズアースに連れて帰りたいなー。性格はともかく体は気に入ったから調教したい。ショコラ、異空間に収納とかできない?
シャルロッテ・ヴェイロン
【〇:冷静沈着・マイコ音声(語尾が「~ドスエ」など):四脚滑走型・射撃兵装搭載。メタリックグリーンの機体色】
ほほう、巨大ロボを【操縦】しての戦闘ときましたか。ゲームじゃよくやりましたよね、こういうの。
(ちなみに、魔法金属の影響により、UCの威力が強化されているらしい)
で、敵の攻撃を【見切り】つつ、【指定UC(属性はその都度変える)】で攻撃していきましょう(【先制攻撃・2回攻撃・一斉発射・乱れ撃ち・制圧射撃】)。
あぁ、ついでに【バトルキャラクターズ】でロボット物の機体を召喚して、一緒に戦わせちゃいましょうか?
※アドリブ連携歓迎
●二体の獣
「ゴーレム……魔導巨人の住む島かぁ。スーパーヒーローのボクにふさわしい戦場だね!」
肩と背中を大きく露出させた緑色のドレスを来た金髪のダンピール、シスカ・ブラックウィドー(魔貌の毒蜘蛛・f13611)が、ぬいぐるみを抱えて魔導巨人たちを見まわした。
シスカはヒーローズアースに住む猟兵だ。彼の地の戦争でも名を馳せ、地元では国民的スター並の有名人だ。その豪邸はぬいぐるみが大量に置かれていることから、地元では別名ぬいぐるみ御殿とも呼ばれていた。
そんなぬいぐるみ好きのシスカだが、一番のお気に入りは等身大のライオンのぬいぐるみのコブだ。
そのシスカの目の前に四足歩行の金色のライオン型魔導巨人がいたらどうなるか。
「動物型ロボ発見! キミに決めた!」
シスカは迷うことなくライオン型ロボットに乗り込んだ。
「よろしくね。ボクはシスカ。君、名前は?」
『当機のデータベースには女装癖は変態と記録されています』
ライオン型魔導巨人は、乗り込んできたシスカを生体スキャン。即座にシスカが男性であることを見抜き、データベースと照合した結果を口走った。
ライオン型魔導巨人は、口調は丁寧なものの、人の感情の機微には疎い知能の持ち主だったのだ。
「おいこら、表へ出ろっ」
『当機に乗っているのは貴方ですが。外に出るのでしたら貴方の方でございます、変態様』
金色のライオンは操縦席のある頭部の透明な装甲板をオープンすると、頭を振ってシスカを振り落とそうとした。それに負けじとシスカはシートにしがみつく。
「こうなったら、何が何でもキミを乗りこなしてみせるよ!」
『誇り高き獅子型魔導巨人の私を乗りこなせるものなら、乗りこなしていただきましょう、変態様』
こうして、先行き不安なコンビが誕生したのだった。
「あ、このロボット、複座式か。よし、ショコラかもーん! 操縦は君に任せたよ! ボクは砲撃手やるから!」
シスカは悪魔のぬいぐるみから、チョコレート化の術を操る【悪魔王ショコラ】を召喚し、操縦席に座らせた。
『私の中を菓子まみれにしないでいただけませんか、変態様』
――とても先行きが不安だった。
「ほほう、巨大ロボを操縦しての戦闘ときましたか。ゲームじゃよくやりましたよね、こういうの」
銀髪をツインテールにした10歳の少女、シャルロッテ・ヴェイロン(お嬢様ゲーマーAliceCV・f22917)が慣れた風な表情で魔導巨人たちを見回す。
『AliceCV』というプレイヤーネームでゲーム業界では知らぬもののいない凄腕ゲーマーのシャルロッテにとっては、巨大な巨人に乗って戦うなど日常茶飯事だ(ゲーム的な意味で)。
どの機体を選ぶかという時点で、すでに勝負は始まっている――ゲーマーであるシャルロッテにとって、それは当然のことだ。
そして、その目が一機の魔導巨人の前でとまる。
「ん、この機体にしましょうか」
『よろしくドスエ』
シャルロッテが選んだのは、メタリックグリーンの四脚滑走型の射撃型魔導巨人だった。
巨人の知能はサポートを行う程度のものだが、その語尾が独特である。
「どうやら、魔法金属の影響か、電脳魔術も強化されてるみたいです。――さあ、ゲームを始めようか」
魔導巨人の操縦桿――コントローラーを握った途端、ゲーマーの顔になったシャルロッテは、にやりと不敵な笑みを深べると、戦場へと向かったのだった。
●
荒野を疾駆する二体の四足獣。
シスカが乗る黄金のライオン型魔導巨人と、シャルロッテが乗るメタリックグリーンの魔導巨人だ。
二体は崩竜ヴァッフェントレーガーの姿を求めひた走る。
『見つけましたよ、変態様』
黄金ライオンのモニターに映るのは、巨大なドラゴン、崩竜の姿。
「よし、行くよ!」
「ええ、任せて!」
シスカからの通信に、シャルロッテが頷く。
『グアアアアァ!』
疾駆する二体の獣に気付いた崩竜が、その身体を突撃形態に変形させ、高機動力を活かして体当たりをしてくる。
だが――。
「甘いねっ!」
「その程度の攻撃、フレーム単位で動きを見切れば、当たらないです」
四足での俊足を活かし、金色と緑色の二つの影が崩竜の攻撃を回避した。
「よし、行くよ、黄金ライオン!」
『お任せ下さい、変態様』
シスカが引き金を引くと、黄金のライオン型魔導巨人の背中にマウントされていた巨砲が火を吹き、放たれた砲弾が崩竜の身体を穿った。
「まだまだ行くよっ! ショコラ、反対側に回り込んでっ!」
幼い少女の姿をした悪魔が操縦桿を操作し、崩竜の側面に回り込む。そのまま放たれた砲撃が、さらに崩竜にダメージを与えた。
「攻撃プログラム展開。敵に直接コマンド入力といきますよ!」
シャルロッテも、崩竜に向かって【ATTACK COMMAND】を発動。メタリックグリーンの魔導巨人の身体に付けられた砲台から、実体化した攻撃用プログラムを乱射していく。
「これも、おまけです!」
さらにシャルロッテは【バトルキャラクターズ】を発動させると、無数のロボットを召喚。崩竜に向かって一斉にビームライフルを照射した。
『ガッ、グァァアアアッ!』
さすがの崩竜ヴァッフェントレーガーも、シスカとシャルロッテの一斉射撃には耐えられなかった。
翼を広げると、大空へと飛び上がり、逃げ出したのだった。
「……さすがに空までは追いかけられませんね」
溜息をついたシャルロッテが呟き。
「こいつ、性格はともかく体は気に入ったから調教したい。ねえショコラ、異空間とかに収納してお持ち帰りできない?」
『調教とは、本当に鬼畜ですね、変態ご主人様』
黄金のライオンの冷たい声が響くのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
御狐・稲見之守
【魔導巨人性能:一切MS殿に任せる】
さあ、世界の平和を守るため共に戦おう『DXイェーガーロボ(ワシ命名)』よ。
『行けぼくらの猟兵(イェーガー)!』
ガガンガガン ガガガガン!
今日も助けを呼ぶ声が グリモア猟兵に届くんだ
ギュギュンギュギュン ギュギュギュン!
時に赤丸みっつでも 強い子猟兵泣かないぜ
ヤバイヤバイぜ 世界が超ピンチ
オブリビオンをぶっとばせ
36の世界が君達を待っている(えーそんなにー?)
ズギュギュギュギュン ズガーン!
行け行け僕らの猟兵(イェーガー)!
…あ、いかん文字数が。
DX七星七縛符で彼奴の動きを止めたらば
空高く跳び1・2・3 今じゃ超猟兵スピン!
●DXイェーガーロボ
「そこまでじゃ、島の平穏を脅かす悪しき邪竜よ!」
崩竜ヴァッフェントレーガーの前に現れた巨大魔導巨人から、御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)の声が響く。妖狐である稲見之守は、稲荷信仰の地で神として祭祀を担う妖狐だ。赤と城の巫女服に黒い長髪と尻尾を生やし、その年齢は――おっと、それは秘密だった。
『DXイエーガーロボ』と名付けた重装甲型魔導巨人に乗る稲見之守。
まさか彼女が操縦席に大音量で『DXイエーガーロボ』のテーマソング『行けぼくらの猟兵(イェーガー)!』をかけているなどと、誰が気付くであろうか!
「我こそは(ガガンガガン ガガガガン!)五穀豊穣と火防雷除を司る神にして(今日も助けを呼ぶ声が グリモア猟兵に届くんだ)、人々を苦しめ脅かす悪鬼を退治せしものなり!(ギュギュンギュギュン ギュギュギュン!)」
崩竜にむかって操縦席のスピーカーから叫ぶ稲見之守の声。そのバックから思いっきり大音量で『行けぼくらの猟兵(イェーガー)!』が聞こえてくるが、稲見之守は気づかない!
「さあ、ゆくぞ、『DXイエーガーロボ』!(時に赤丸みっつでも 強い子猟兵泣かないぜ
)」
魔導巨人を操縦し、稲見之守は崩竜に飛び蹴りを放った。
――ツッコミ役の居ない戦場がここまで虚しいものだとは、誰も気づかないのだった。
『グアアアアッ!』
崩竜が稲見之守の魔導巨人を倒そうと、崩壊形態に変形する。それは近接攻撃に特化する代わりに攻撃力と機動力を強化する攻撃。いかに強固な装甲を持つ稲見之守の魔導巨人でも直撃したら無事ではいられまい。
だが、稲見之守は操縦席で余裕の表情を浮かべた。
「ふっ、崩竜とやら、甘いのう(ヤバイヤバイぜ 世界が超ピンチ)」
敵の行動を読んでいた稲見之守は、操縦席で霊符を構える。それは陰陽師にして戦巫女である稲見之守の得意の術、【七星七縛符】の印が記された霊符だ。
「この霊符の前には(オブリビオンをぶっとばせ)、どんなオブリビオンじゃろうと無力!(36の世界が君達を待っている(えーそんなにー?))」
稲見之守の動きとシンクロするように、『DXイエーガーロボ』の両手からも聖なる光が放たれる。
「今じゃ! 超DX七星七縛符!(ズギュギュギュギュン ズガーン!)」
『DXイエーガーロボ』の手から放たれた聖なる光が竜巻のように崩竜を捕らえ、その動きを封じた。
「ゆくぞ、必殺、超猟兵スピィィン!(行け行け僕らの猟兵(イェーガー)!)」
両手に聖なる光を纏ったまま、コマのように超高速回転をはじめる『DXイエーガーロボ』。その身体が、動きを封じられた崩竜に向かって突撃していくとその身体を貫いたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
自動・販売機
【◎:臆病:大型砲装備型】
自動販売機は時にサービスを販売する。
例えば通信であったり、あるいは音楽であったり。その多くは情報商材である。
彼が反応したのは自身の戦闘プログラムの欠如を嘆く機械生命体。彼は世界を超えてそれの外部入力装置と接続し、何らかの取引を行う。
『入金を確認しました。これよりサービスを実行します』
自販機に備えられている戦闘プログラムが端末を通して臆病な彼に入力される。火気管制システムが敵の巨体の要所をロックオンし、自販機はメッセージを放つ。
『発射準備完了しました。発射可能です』
リンクした二つの機体は放つ一射は果たして何もたらすのだろうか。
少なくとも自販機はその答えを持ってはいない。
●二つの機械
崩竜ヴァッフェントレーガーを、崖の上から見下ろす魔導巨人がいた。
『や、やっぱり怖いよう』
大型砲を装備した射撃特化型魔導巨人――なのだが、非常に臆病な性格という欠点を持っていた。
その性格ゆえ、眼下にいる崩竜に攻撃をしかけることもできない。
『いくら、勇者サマが乗り込んでくれたといっても、ボクなんかじゃ……』
弱気な言葉を紡ぐ魔導巨人。
そう、彼の言うように、その操縦席は空っぽではない。勇者――すなわち猟兵が乗り込んでいるのだ。
魔導巨人の操縦席にいるのは――自動・販売機(何の変哲もないただの自動販売機・f14256)。
操縦席に狭苦しく押し込められた、何の変哲もないただの自動販売機だった。
『勇者サマ、乗り込んできてから何も喋ってくれないし……やっぱりボクなんかが戦えるわけが……』
だが、その時奇蹟が起こった。魔導巨人の操縦席のICカードっぽいものが、販売機のカードリーダーに接触。チャージされていた魔力を電子マネーだと認識した販売機が、ついに起動したのだ。
『入金を確認しました。これよりサービスを実行します』
販売機の目が光り、魔導巨人と電子的に接続される。
販売機。彼が扱うのはモノだけではない。情報商材も売り物である。
そして、彼の【戦闘サービスプラン】は、支払われた対価に見合ったサービスの提供を開始した。
『取引契約に基づき行動を開始します』
販売機から魔導巨人へと戦闘プログラムがダウンロード販売され、臆病な魔導巨人の兵器を起動する。
『こ、これは……』
火器管制システムが崩竜の巨体の要所要所をロックオンしていく。
『発射準備完了しました。発射可能です』
販売機が魔導巨人に告げた。
『こ、これなら……ボクでもやれるっ!』
電子的にリンクされた二つの機体は、崩竜ヴァッフェントレーガーにその照準を定め――引き金を引いた。
――魔導巨人の巨砲から極太のレーザーが発射され、崩竜の身体を貫き。
『ギャアアアアッ!!』
崩竜は悲鳴と共に逃げていったのだった。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・セカンドカラー
これなんて理想のイコン?
【◎:厨二病:茶と青のカラーリング:サイキッカー専用セラフィムタイプ:機体名ダスティシンデレラ】
大いなる闇の軍勢は魔法金属の影響で魔導巨人と同じサイズの眼帯ゴスロリ少女タイプの『夜(デモン)』に、不可思議な船はそれらを十分に載せられる浮遊機動母艦に。ようこそ、厨二病溢れるカオス空間へ♪
闇の軍勢はエナジーを喰らう漆黒のドレインソードとエナジードレインの超能力で崩竜の存在エナジーや崩壊エナジーを略奪していくわ。
私とダスティは全力の形態変化の超能力で崩竜を萌擬人男の娘化させての弱体化&精神崩壊を狙うわ。いつも通りともいう。
なお、魔王陛下はびびりなので戦場には出てきません。
●蒼空の勇者
「あら、これあの二人が乗ってたイコンにそっくりじゃない? わたしはこれで出撃させてもらおうかしら」
普段はピンク寄りの銀髪をしている少女、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)だが、今回は異世界バージョンのため、白に近い銀髪の姿に蠱惑的な笑みを浮かべ、魔導巨人を見上げていた。
それは黒い装甲に羽のようなシルエットの背面スラスターを装着した魔導巨人。超能力者(サクシード)専用の機体、セラフィムタイプだ。
「さあ、行くわよ、ダスティシンデレラVer.2」
『ふふふ、我に任せよ!』
アリスによってダスティシンデレラVer.2と名付けられた魔導巨人は、BMI2,0でアリスと神経接続され、蒼空へと飛び立った。
「さて、あれが崩竜ね。竜といってもエリュシオンの竜騎士ほどの相手ではないみたいよね」
アリスは崩竜の上空からブレードビットを展開。エネルギーの刃を生やした黒いビットは崩竜をあらゆる方向から切り刻んでいく。
さらにウィッチクラフトライフルの狙いをつけ、アリスはその引き金を引いた。
ビームに貫かれ、崩竜が苦悶の声を上げる。
だが、まだ終わりではない。BMI2.0搭載機でしか使用できないグラビティコントロールが、崩竜の身体に超重力を発生させた。
地面に押し付けられ、動きを封じられた崩竜。
そこに向かって、アリスは【大いなる闇の軍勢】を呼び寄せた。
現れたのは、城の形をした機動要塞だ。その要塞には無数の巨大ゴスロリ少女が乗っているのがみてとれた。
「さあ、崩竜のエネルギー、いただくわよ」
『ああ、我が右腕に封じられしエナジードレイン能力、見せてやろう』
ダスティシンデレラが崩竜に接近する。
その右手を差し出すと、崩竜からエネルギーを吸収し、崩壊の力を弱めていく。
「さあ、止めよ♪」
アリスが機動要塞を振り仰ぐと、そこには黒き甲冑を纏った城の主が佇む。
「陛下、主砲オリュンポスキャノン発射よ♪」
城の主が合図をすると、機動要塞から一条の光条が放たれ、崩竜の身体を焼いた。
『グ、グギャアア!』
悲鳴を上げる崩竜。
大きく翼を羽ばたかせ、戦場から離脱していく。
「ふふ、逃がすと思ったかしら?」
アリスは怪しげな笑みを浮かべるが……。
後方から起こった激しい爆音に動きを止めた。
振り向けば、機動要塞が爆炎を吹き上げながら、雲海の下へと轟沈していくところだったのだ。
「あー、やっぱ、パレスとして呼び出したのは失敗だったわねー」
いつもの展開に肩をすくめるアリスだった。
苦戦
🔵🔴🔴
セツナ・フィアネーヴ
【×:ヒロイックな勇者ロボ系】
力は借りたとしても彼を奴の「崩壊」にも私の「災禍」にも曝すべきじゃない……短期決戦で行く
【穿ち抉れ、衰退の短剣】で「衰退の災い」の具現たる短剣を放ち力を削ぎ、同時にアリシアの雷魔法での全力魔法・マヒ攻撃、相手の動きも抑える
彼にこれ以上影響を出さないよう、動きの鈍った敵へ単身で仕掛けようとするも
それを巨人が止め(何故か巨大化した)封竜槍を手に取り構える
セ「………いいのか?」
(肯定の反応)
ア「なら、決めましょう……“私達”で!」
UC【黙示録の閃光】!
アリシアの光が奴を拘束し、災禍の炎と冷気を纏い槍ごと突っ込む!!
ア「これが、“私達”の!!」セ「本気の……一撃だ!!!」
●崩壊と災禍
「力を……貸してくれるのか?」
青い髪の人派ドラゴニアンの少女、セツナ・フィアネーヴ(災禍貫く竜槍・f26235)は青と白をベースカラーとした重厚だが洗練されたフォルムの魔導巨人に対して語りかけた。
言葉を発する機能を持たない魔導巨人は、無言で頷き、セツナに手を伸ばす。
巨人の手のひらに乗ったセツナは、そのまま操縦席に案内され、シートに収まった。
「行こう、この地を救うために」
こうして、セツナと魔導巨人は、崩竜との決戦へと向かうのだった。
●
「セツナ、いたわ」
魔導巨人の操縦席で声を発したのは、ぼんやりとした光のような姿をした精霊アリシア。彼女はセツナの友であり、セツナを支える存在だ。
アリシアが見つけたのは、猟兵たちとの戦いで深手を負った崩竜だ。
それを見て、セツナも頷く。
「ああ、いこう」
セツナとアリシアを乗せた魔導巨人は、崩竜へと接近していった。
『グルアアアッ!』
セツナたちの接近に気付いた崩竜は炎の弾を生み出して迎撃しようと試みる。
「セツナ……!」
「わかっている。魔導巨人の力を借りたとしても、奴の『崩壊』にも私の『災禍』にも曝すべきじゃない。……短期決戦でいく」
セツナは【穿ち抉れ、衰退の短剣】により、己の影から『衰退の災い』の具現である6本の黒い短剣を生み出す。
魔導巨人の力によって巨大な短剣となったそれは、崩竜の放つ火球と激突。相殺してのけた。
「まだよっ!」
そこにアリシアが全力の雷魔法を放つ。
魔導巨人の腕から放たれ、増幅された雷は、光の竜のごとく崩竜の身体を駆け巡ると、その身体を痺れさせていった。
「これ以上は魔導巨人に『災禍』の影響がでるか……」
呟いたセツナは、魔導巨人の操縦席のハッチをオープンしようと開放ボタンを押す。
だが、ハッチは開く気配がなかった。驚いたアリシアが声を上げる。
「え、なんで開かないの!?」
「まさか、共に戦ってくれると……?」
セツナが問いかけた瞬間。彼女の手にあった『封竜槍』がかき消え、巨大化して魔導巨人の手の中に現れた。
「……いいのか?」
無言で槍を握りしめる魔導巨人。
「なら、決めましょう……”私達”で!」
アリシアの言葉に、セツナも強く頷く。
「これが、”私達”の!!」
アリシアが光の魔法を放ち、崩竜の身体を光の輪で何重にも拘束する。
『ガアアアッ!』
崩竜がもがくが、その程度ではアリシアの拘束魔法は破れない。
魔導巨人が『封竜槍』を強く握りしめると、槍を激しい炎と冷気が包み込んでいく。それは槍に封じられている『災竜』――セツナの中に眠る竜の力の発現だ。
その力は崩竜の『崩壊』の力など及びもつかない強力無比な力。それゆえ、こうして槍の形に物質化することで何とか封じているもの。
封じられた力の一端ですらこれならば、果たして力が完全解放されたらどうなってしまうのか――。
だが、今は迷っている時ではない。セツナは覚悟を決めて叫んだ。
「本気の……一撃だ!!」
それと同時に魔導巨人が崩竜に向かって疾走し、槍を深々と崩竜に突き刺した。
これこそが【黙示録の閃光】。災禍の炎と冷気を纏った槍で敵を貫く一撃。
『ガ、ガアアアッ!!』
深手を負った崩竜は、空へと飛び立ち逃走したのだった。
「これ以上は、『災禍』に触れさせられない、な」
「仕方ないけど、あとは仲間に任せましょう」
手元に戻ってきた『封竜槍』を握りしめ、セツナとアリシアは魔導巨人に礼を言うのだった。
大成功
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フランチェスカ・ヴァレンタイン
【◎(事務的な女性声の自律型AI):全長10mほどの戦乙女のような装甲の飛行型:武器は砲撃機能の付いた斧槍】
探せば居られるものですねえ… わたしの戦闘には貴女が最適かと思うのですが、ご協力いただけません?
ご快諾いただけましたら、シート型ではないバイクのような搭乗方のコクピットに跨がりまして
フルスロットルの空中戦機動で仕掛けると致しましょう
放たれる火球の面を、AIの分析に従って砲撃で相殺してこじ開け、ミサイルの爆撃を乱れ撃って弾幕を張り――
UCを発動しての折れ線機動で”助走”した、抉り込むようなランスチャージで穿ち貫いて差し上げましょう…!
「裂き穿ちませ…! バード――ストラァァァイクッッ!!」
佐伯・晶
◎:礼儀正しい:重火器搭載・騎士を思わせる白色の装甲
自分達の島が壊されるのを
見てるしかないって
それは悔しいよね
ここを突破する必要があるというのもあるけど
力になりたいな
まずは操作に慣れる意味も含め
遠距離から援護射撃を行おう
ミサイルっぽい武器や
火砲っぽい武器で攻撃
不慣れな操縦だからね
魔導巨人にサポートして貰えると助かるよ
崩竜がホルニッセを使用したら
こちらも女神降臨を使用
モードチェンジはロマンだよね
黒い騎士鎧とドレスを纏った女性騎士を思わせる姿に変形
魔力の翼で高速飛行して
相手の射程内に留まらないよう立ち回りながら
ガトリングガンで攻撃
崩竜が体勢を崩したら
フルバレルオープン
全火器での飽和攻撃を叩きこむよ
マイエ・ヴァナディース
【恋華荘】
【◎:落ち着いた中性メイド風、名称アム:緑色、胴前部がほぼ無い。ブレード付の大型四肢、格闘系だが本質は支援機】
いざ、熱き鋼の勇者達と!…ってあら?
なるほど…胴を喪い本懐が果たせないと
ではアムさん、『シルフェリオン二世』をご支援下さいな
わたくしの愛車も術式により形を変える魔導の産物
その力で合体して、わたくし達が胴体となりますのよ!
合体後は【リヴァイアサン・キャリバー】めいた光剣と
四肢のブレードを駆使して、崩竜へ剣戟を挑みましょう!
そしてUC【サザンクロス・ディバイダー】を反映して
分離したアム自身が巨大な重力剣『Fソードダンサー』に変形
【シルフェリオン二世・精鎧形態】で構え、共に突貫を!
●魔導巨人の乙女たち
「あら、こちらの魔導巨人の方は……?」
エルフの戦車乗りであるマイエ・ヴァナディース(メテオールフロイライン・f24821)は、目の前にいる不思議な形の魔導巨人を見て、その端正な顔にはてなマークを浮かべた。
首をかしげた拍子に、腰まである緑色の長髪が絹の様に流れる。
マイエの緑色の瞳に映るのは、緑色の装甲をした魔導巨人だ。だが、その胴体はほぼ無くなっており、ブレード付きの大型四肢だけが残っている状態だった。
『私はアムと申します。このように、かつての戦いで身体を失い、もはや本懐の果たせぬ身……』
「ではアムさん、わたくしの『シェルフィリオン二世』をご支援下さいな」
マイエは緑色のオフロードバイク『シェルフィリオン二世』を指し示した。
「わたくしの愛車も術式により形を変える魔導の産物。その力で合体して、わたくしたちが胴体となりますのよ!」
『本当でございますか! それでしたら、不詳アム、全力でお仕えさせていただきます』
マイエは『シェルフィリオン二世』にアムを装着。折りたたまれたブレードを装着したオフロードバイクで荒野に駆け出したのだった。
荒野を駆ける『シェルフィリオン二世』に並走するように、バイクに跨った金髪の女性が現れた。
いや、それはバイクではない。鎧装をパイロットスーツのように着込んだフランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)が乗るのは、バイク型の操縦席を持つ鳥のように飛翔する魔導巨人だった。そのサイズは10mにもなるだろうか。まるで巨鳥のような存在だ。
フランチェスカが、自らの操縦する魔導巨人に話しかける。
「探せば居られるものですねえ……。わたしの戦闘には貴女が最適かと思うのですが、ご協力お願いします」
『はい、お任せ下さい』
フランチェスカの乗る魔導巨人が事務的な女性の声で答える。白銀に輝く魔導巨人は高度を上げ、上空から周囲を見渡した。
「いましたわ」
風を切って飛ぶフランチェスカは、遥か眼下に巨大な崩竜ヴァッフェントレーガーの姿を認め、地上のマイエに通信を送るのだった。
●
「みつけたよ、崩竜ヴァッフェントレーガー!」
マイエとフランチェスカに先行し、崩竜と対峙する魔導巨人がいた。
金髪をポニーテールに結わえた女性、佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)の乗る、女騎士を思わせる白色の装甲の女性型魔導巨人である。
「自分たちの島が壊されるのを見てるしかないって、それは悔しいよね。ここを突破する必要があるというのもあるけど、力になりたいな」
『感謝いたします、アキラ』
騎士の魔導巨人は装備した重火器を崩竜に向ける。
「突撃形態に変形した崩竜が突っ込んでくる前に、遠距離攻撃で攻撃だよ!」
晶の乗った魔導巨人は、崩竜から距離を取ったまま、ミサイルのような武器や火砲のような武器で攻撃をしかける。
飛翔魔法のかけられたミサイルは、風を切ってまっすぐに崩竜に向かって飛んでいく。そして着弾と同時に爆裂魔法が発動。崩竜の身体を焼け焦げさせる。さらに肩にマウントされた火砲から砲弾が射出。ドラゴンの鱗を貫いた。
『お見事です、アキラ』
「ありがとう、君のサポートのおかげだよ」
だが、崩竜ヴァッフェントレーガーも、やられる一方ではない。
崩壊形態に変形した状態で、晶の魔導巨人に向かって高速で突撃してくる。
『きゃあっ……』
とっさに回避しようとするも、崩壊の力をまとった崩竜の突撃が掠ってしまい、鎧を模した装甲を削り取られる魔導巨人。
駆け抜けた崩竜がUターン。再度、女騎士の魔導巨人をターゲットにして突っ込んできて――。
「そうはさせません、一斉射撃を差し上げましょう……!」
上空から高速飛翔してきたフランチェスカの魔導巨人が人型に変形すると、無数のミサイルを発射した。白煙を吹き上げながら崩竜に向かうミサイルは複雑な軌跡を描いて飛び、その鱗に命中。爆発した。
フランチェスカに反撃しようと、崩竜ヴァッフェントレーガーが無数の火球を魔法陣から撃ち出すが――。
「分析、お願いしますわね」
『承知しました』
フランチェスカの魔導巨人が火球の動きを分析。
それをもとにフランチェスカが火球に斧槍の先端を向けた。斧槍の先端から砲撃を行い、飛んでくる火球を相殺。空いた空隙に高速機動で機体を滑り込ませて回避した。
そこに飛び込んできたのはマイエのバイク『シェルフィリオン二世』だ。
『シェルフィリオン二世』は双腕四脚型歩行戦車『精鎧形態』に変形。
「アムさん、よろしくお願い致しますわ」
『お任せくださいませ』
『精鎧形態』になった『シェルフィリオン二世』の双腕に、魔導巨人アムの四肢が合体。巨大な四本のブレードを形成する。
四本の剣を掲げた『シェルフィリオン二世』は、崩竜が放った崩壊のブレスを回避すると、その鱗に四本の剣で斬りつけた。
『ギャアアアッ!』
目まぐるしく攻撃してくる三体の女性型魔導巨人に向かって、崩竜は苛立ち紛れの咆哮を放つ。
「敵は冷静さを欠いてるみたいだね。モードチェンジで一気に決めるよ!」
晶が【女神降臨】を発動。
白い女性騎士の姿をしていた魔導巨人が、黒い騎士甲冑とドレスを纏ったような女性騎士に姿を変えた。
「突撃するよっ!」
『いざ、尋常にっ!』
魔導巨人は腕に生成されたガトリングガンを放ちながら攻撃。さらに崩竜に向かって全身の重火器の砲口を向けた。
「フルバレル・オープン! ファイア!!」
『ギャ、ギャアアッ!』
無数のミサイルや銃弾を雨あられと撃ち込まれ、爆発に巻き込まれた崩竜が悲鳴を上げる。
「わたしたちも参りましょう」
『準備完了……』
フランチェスカの乗る魔導巨人が【天つ煌めき 翔け穿つもの】によって高速にジグザグ機動を行いながら崩竜へと接近する。
その手に持つ矛槍の先端から万象を灼き穿つ光焔の刃が生成され――。
「裂き穿ちませ…! バード――ストラァァァイクッッ!!」
フランチェスカの魔導巨人が崩竜の身体に大穴を開けた。
「アム、わたくしたちも行きますわ」
『はい、お嬢様。お力をお貸しください――』
アムがマイエの『シルフェリオン二世・精鎧形態』から分離すると、巨大な重力剣『Fソードダンサー』へと形を変える。
『シェルフィリオン二世』は、剣になった魔導巨人アムをしっかりと支えると、それを愛剣たる光刃『リヴァイアサン・キャリバー』に見立てて構え――。
「堕ちてください、南十字星!! 【Southern Cross Divider】!!」
重力剣『Fソードダンサー』の刀身が三倍に伸び――マイエの振るった一撃が崩竜ヴァッフェントレーガーの首を落としたのだった。
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――こうして、多くの被害を生んだ崩竜は猟兵たちの手によって討たれ、魔導巨人たちの住まうタロス島に平穏が戻ったのだった。
大成功
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