帝竜戦役⑥〜乱戦と泣き虫勇者
●司令官は勇者(自称)
「み、みんなー!あっちの方は攻撃できてる?」
腐敗したモンスター達に少女は話しかけた。それはただの会話では無く、司令ーー。
地獄の古戦場、この場所は現在沢山の猟兵達がサバイバルにて日夜戦いを繰り広げていた。
そこには沢山のモンスターとそれを束ねる司令官が居た。
少女もその司令官の一人でありこのエリアを任されるまでの実力もまた兼ね備えていた。
モンスター達は少女の言葉をよく聞き行動したので少女もまたモンスター達を信用し指示を出した。
目指すは猟兵達を討ち滅ぼしモンスターたちに勝利を運ぶこと。その為に勇者として立ち上がったのだから。
「ま、また猟兵…!?う、うーん…じゃあ、挟み撃ち出来るかな…」
それでも強き猟兵達の姿を見るとつい涙が出てしまうのは生理現象である。生理現象だってば!な、泣き虫じゃ、ないんだからね!
●グリモアベースにて
黒いマスクに藍の髪、静かに茶色の瞳を伏せながら樋島・奏弥(ノイズ・f23269)は集まった猟兵達に声をかけた。
「集まってくれて感謝する。今回も帝竜戦役での依頼だ。場所は地獄の古戦場。既にサバイバルで戦場になっているから皆も知っている場所だと思う」
資料を軽く読みながら奏弥は話を続ける。
「今回倒すべき敵は司令官だ。名前をユーティア。己の事を勇者だと、自称しているらしい」
勿論先の戦場に居たような勇者の亡霊ではない。己の事を猟兵たちを討ち滅ぼし、オブリビオン達の世界に勝利をもたらすために立ち上がった勇者なのだと思いこんでいるのだ。勿論ユーティアもオブリビオンである。
「その司令官を、サバイバルの乱戦を抜けて暗殺してほしいんだ」
周りには沢山の猟兵が居る。だが司令官までは手が回らない。だからこそここに集まった猟兵達の力が必要だ。
「このエリアの詳しい配置なんだが…」
古戦場でも端、沢山の岩が並ぶ場所だ。ユーティアは一番高い岩に座り戦況を見極めている。周りには沢山のモンスターも居るが…それは相手にしなくても構わない。司令官が居なくなれば烏合の衆だろう。だからこそ敵に見つからぬ様に乱戦を抜けて、暗殺せねばならない。
勿論ユーティアとて司令官を名乗るだけの実力者だ。己の事を泣き虫と卑下していても猟兵達と戦うだけの技量はある。
「…だから何とかして倒してくれ。作戦は任せる。貴方達なら大丈夫だろう」
そこまで言えば、ふと、思いついた様に奏弥は呟いた。
「ここで手に入る宝物だが…蓬莱の実というらしい。地獄の古戦場の腐汁の中でのみ育つ、人間の頭部ほどもある、脈打つブドウのような果実だ。食べた箇所が再生するという特性がある。1個金貨650枚の価値だ」
…俺は食べる勇気はないけどな、と1言付け加えてから奏弥は転送ゲートを開いた。
笹山ぱんだ
こんにちは、笹山ぱんだです。
今回も宜しくお願い致します!
今回は古戦場です!古戦場と聞くと何かを思い出しそうな…うっ…
そして今回のプレイングボーナスは
【乱戦を潜り抜け、司令官に素早く接近する。】
です。
第1章:『泣き虫勇者『ユーティア』』
オープニングに書いたとおり、泣き虫な勇者(自称)です。
思い込みが激しいかもしれませんが大変可愛らしい少女です。
プレイングの締切はオープニング公開から10日夜の22時くらいまで(暫定)です。
それでは、良き戦いを。
第1章 ボス戦
『泣き虫勇者『ユーティア』』
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POW : 泣き虫勇者の咎
自身の【泣き虫で頼りない性格】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD : 勇剣領域
【眩い光を放つ勇者の剣から放たれる剣閃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 勇魔融合
対象の攻撃を軽減する【魔術特化体勢】に変身しつつ、【無詠唱で放つことのできる魔術弾】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:葛飾ぱち
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「浅葱・シアラ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ルテネス・エストレア
むっつめの物語は、泣き虫な勇者の物語
泣き虫な勇者さんは撫でてあげたくなってしまうくらい可愛い、なんて思っている場合ではないわね
開いた魔導書に魔力を注ぎ探知魔法を【全力魔法】で展開
探るは『泣き虫勇者』の物語
そうね、具体的には『泣きながら周囲に司令を出す者』の探知をしようかしら
気配を捉えたなら魔導書で展開している探知魔法をそのまま移動魔法へと転換
紡ぐは光の架け橋、彼の者への路を示せ
空中に出来た光の架け橋を流星の如く魔法で移動
ごきげんよう、勇者さん
……やっぱり可愛いなんて思ってないわ、ええ
これはあなたを鎖す星の魔法
星の光、維いで描くは北斗七星の煌めき
星の煌めきを以てあなたの物語を終焉へと導きましょう
●泣き虫勇者と星の少女
(むっつめの物語は、泣き虫な勇者の物語)
いくつもの戦場を駆け抜け辿り着いた場所。そこに立っているのは泣き虫な勇者なのだと言う。
ルテネス・エストレア(Estrellita・f16335)はモンスター蔓延る戦場を見ながら呟く。
「泣き虫な勇者さんは撫でてあげたくなってしまうくらい可愛い、なんて思っている場合ではないわね」
そう。あくまで勇者、ユーティアは敵であり己達の倒すべき存在である。
猟兵達の前に立ちはだかるのなら、倒さなければいけない。
ルテネスの使った探索魔法は戦場に広がる。その探索対象は【泣きながら周囲に司令を出す者】。泣き虫勇者の存在はすぐにその魔法に捕まった。
その魔法を光に変え、ルテネスとユーティアが居る場所への架け橋にしてそれを魔法で流星の如く移動した。
「ふぇ!?な、なに…?猟兵?」
そこには一人の少女がルテネスを見つめ涙目なまま驚いた表情をしている。
「ごきげんよう、勇者さん
……やっぱり可愛いなんて思ってないわ、ええ」
「な、何で場所が、わかったの!えーっと、えーっと…!」
ユーティアの言葉にルテネスはにこりと微笑む。すればユーティアは「ぴぎゃ!」と悲鳴を上げた。
ルテネスの周りから星が流れ、ユーティアにあたれば彼女を星の鎖が拘束をする。
「うぇぇ、なに、やだ…!!」
「これはあなたを鎖す星の魔法。星の光、維いで描くは北斗七星の煌めき
星の煌めきを以てあなたの物語を終焉へと導きましょう」
そっと、魔導書をルテネスは開いた。
大成功
🔵🔵🔵
本山・葵
・UCで上空から急降下して【乱戦を潜り抜け、司令官に素早く接近する。】
「いやっほー!トラトラトラっすー!」
技能:早業、目立たない
・(WIZ対策)UCで強化した熱線銃(ブラスター)で攻撃の軽減を相殺する
「撃ち合いで負けるつもりはないっすよ!」
「う、泣いている子を成敗するのはちょっと気が引けるっすね」
技能:早業、スナイパー、視力、援護射撃
※アドリブ、共闘ご自由にどうぞ
●空から降ってくるのは
本山・葵(ユートレマジャポニカ・f03389)の姿だった。ユーベルコード【
アイアン・イカロス】で空を駆り、上空から凄まじい速さで降りてきていた。
「いやっほー!トラトラトラっすー!」
「ぴきゃー!!何で空から猟兵が降ってくるのぉー!」
涙目になりながらも泣き虫勇者ユーティアは魔術特化体勢になり、無詠唱で葵に魔法弾を放った。
「撃ち合いで負けるつもりはないっすよ!」
葵は己の熱線銃で攻撃を相殺させては、地面に降り立つ。ユーティアは目に見えて涙目になっていた。
「こ、来ないでよぅ…」
剣を構えながらもユーティアはそう葵に言った。懇願でも何でもなく、それは怯えだ。
「う、泣いている子を成敗するのはちょっと気が引けるっすね」
それでも、この戦場の指揮官は彼女だ。なら倒すべき敵である。
葵はもう一度空へと舞い上がりその銃から熱線を放つ。その正確な弾道はユーティアの方へ向かっていきーー。再びユーティアに阻まれた。
「手が痛いよぉ…。うぅ、猟兵なんてきらーい!」
そんな事を言いながらもユーティアは武器また、構えるのだった。
成功
🔵🔵🔴
薙沢・歌織
オブリビオンとは言え、少女の暗殺任務は気が引けますね…。もし正面からの戦いであったとしても、殺すことに変わりはありませんけれど…。
まずはルナティックオーブの力で【闇に紛れ】て【偵察】、極力敵のいないユーティアまでのルート探し。
移動中は【忍び足】、発する音はエレメンタルオーブからの風の音で相殺。高所へは【ダッシュ・ジャンプ】や、ロープを【ロープワーク】で地形に引っかけ【クライミング】して進みます。
UC【桜花夢幻】の効果範囲にユーティアを捉えたら、勇魔融合に対抗できるよう【催眠術・全力魔法】で効果増幅し発動。眠っている間にルナティックオーブの闇【属性攻撃】で胸に【呪殺弾】を放ち【暗殺】します。
●暗殺者
「オブリビオンとは言え、少女の暗殺任務は気が引けますね…。」
薙沢・歌織(聖痕宿す魔法学園生・f26562)は戦場に降り立てば呟く。正面からの戦いであっても殺すことには代わりはないのだが。歌織は小さく息をついては忍び足をしながら歩き出した。
ルナティックオーブの力で闇に紛れ、偵察を開始する。とは言っても周りにはモンスター達が居ることには変わらず少しの緊張もある。
少し高い岩もジャンプで上り、それで無理ならロープを使いクライミングを行う。その姿は清楚な乙女からは思えぬほどアクティブな姿だった。
ユーティアの姿を見つければ少し近づく。未だ闇に紛れているがユーティアは歌織の気配に気づいたのかあたりを見回していた。
「あ、あれ…?誰か、居る…?」
自身の存在に完全に、気づかれる前にユーベルコード【桜花夢幻】を発動しユーティアを昏倒させる。
「うきゅう…」
目を回しているらしい彼女に近づきルナティックオーブから呪殺弾を放つ。
その力は彼女の胸を深く、突き刺したー。
「うー、いたい…?いたぁい!?なにー!?」
その痛みに気づいたのかぱちりと目を覚ますユーティア。胸を貫かれたとて動いているのは彼女がオブリビオンであることに起因しているのだろう。
「猟兵…?猟兵かな…?うわーん、隠れているなんて、ずるーい!でてこーい!」
流石に歌織も出るわけには行かず、暫くその場で彼女の様子を観察していた。
大成功
🔵🔵🔵
ユーシア・ロクス
泣き虫勇者ユーティア……
何故かわかりませんが親近感というか、なんというか変な感じがします、なんでしょう?(ヒント:名前と称号)
うーん、隠密って苦手です……【迷彩】しかありませんし
そうだ!UCで戦場自体を「歌やダンスに合わせてノれればうまくいくリズムゲーム空間」化しちゃいます!
モンスター達には難しいでしょうし
指揮官もそれぞれのモンスターに個別に指示なんて出せないはず!
後は【迷彩】で物陰に隠れつつ接近して一応アンデッド対策の聖属性にした剣で接近戦です!相手のUCには無理しないで回避に専念して、無理はしないようにします
ただのボスキャラ相手に燃え尽きるわけにいきませんから
※アドリブOK・共闘歓迎です
●ダブル勇者のリズムゲート
ユーシア・ロクス(まっさらゆうしゃ・f26126)は戦場を見ながらうーんと、首をひねる。
(泣き虫勇者ユーティア……
何故かわかりませんが親近感というか、なんというか変な感じがします、なんでしょう?)
ユーシアとユーティア、そして少し似たような称号を持つためだろう。
泣き虫とまっしろでは、だいぶ内容的には違うが。
「うーん、隠密って苦手です……」
暗殺、という今回の依頼では隠密に動くことは大事である。そしてユーシアが考えついたことは…。
ユーベルコード【ユーシアのプレイ日記~リズムゲーム~】を発動させれば戦場ではメロディと音符が降り注ぐ。
これでこの戦場は歌やダンスに合わせてノれればうまくいくリズムゲーム空間
になった。
モンスター達は対応出来ずにあわあわしている。
「へっ、なになに?この音楽っ、わたしっ、ダンス苦手なのぉっ」
そして悲鳴を上げながら音符を避けている指揮官の姿が見えた。ユーティアだ。ユーシアは周りに紛れてユーティアに接近し聖属性の剣で切り込む。
ユーティアは驚きつつもその剣を一度弾いた。
「や、やっぱり猟兵!もう、やだ!わたし猟兵きらぁーい!」
そんなユーティアに少し驚きつつもユーシアはもう一度剣を振るった。
成功
🔵🔵🔴
トリテレイア・ゼロナイン
オブリビオンの勇者…立場が変われば正義も変わるということなのでしょうね
ですが此方もA&Wの人々の安寧の為、引き下がるつもりはありません
この戦場の岩場は遮蔽物として利用できそうです
センサーでの●情報収集で地形情報を把握
効率の良い踏破ルートを●見切り、UCの加速性能も活かし素早く乱戦を突破、時には●怪力シールドバッシュで岩を崩し敵の追撃や妨害を防ぎます
将とお見受けしました
恐怖に耐え戦うその勇気、勇者の名に相応しい
『今』を生きる人々を護る騎士として相対させていただきます!
向上した能力の攻撃を此方も向上した機動力からの●武器受け●盾受けで防御し味方を●かばい反撃
相手の攻めのペースを崩し、味方に繋げます
●勇者と騎士
「オブリビオンの勇者…立場が変われば正義も変わるということなのでしょうね」
トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は敵の存在、ユーティアの事をそう感じた。
仲間を傷付ける者が現れたら立ち上がるだろう。きっとユーティアはそれと同じだ。猟兵達がオブリビオンを傷付ける。だからユーティアは勇者として立ち上がったのだろう。
「ですが此方もA&Wの人々の安寧の為、引き下がるつもりはありません」
猟兵…トリテレイアとて負けられぬ理由がある。この地の人々を守る為に戦うのだ。
トリテレイアはセンサーで地形を把握し、障害物を感知、そして将であるユーティアに辿り着ける最速のルートを導き出す。ユーベルコード【機械騎士の防衛機動】を使い戦場を駆け抜け、阻む岩やモンスターを退け、一気に向かう。
「ひ、ひぇ!?」
「将とお見受けしました」
少し怯えを見せる少女にそう言えば、少女は涙に濡れた瞳をぎゅっと、拳で拭う。
「そ、そうだよ、私はユーティア。勇者ユーティア!」
「恐怖に耐え戦うその勇気、勇者の名に相応しい」
お互いに武器を構える。
「『今』を生きる人々を護る騎士として相対させていただきます!」
「…皆を虐める猟兵…、私が退治してやるんだからっ」
鋭くも素早く、力強いトリテレイアの攻撃をギリギリのところでユーティアは避ける。
「ひぇっ、わぁっ、ぴぎゃっ」
再びの涙目を見せながらもユーティアはその力を強め剣を振るう。それをトリテレイアは盾で防御し、反撃をした。
「ひゃあっ」
後ろにころんとユーティアは倒れこむ。それでも起き上がり、猟兵たちを倒そうと剣を握る。
「…まだ、まだ…いけるもんっ」
お互いの正義は、交わらない。
大成功
🔵🔵🔵
草野・千秋
泣き虫勇者さん、まだ小さい女の子さんなんですね
(亡くした妹のことを思い出し)
……こんなこと考えてる場合じゃない
(首を振り)
見た目は女の子でもオブリビオンはオブリビオン
ちゃんと倒さないとですね
戦闘知識、第六感で戦場や泣き虫勇者の在り処を探る
在り処が発見できたらUC【Fly me to the Moon】でひとっ飛びです
一番高いところにいるんでしたっけ?
見つけました勇者ユーティア
立場は違って敵同士でも、僕も勇者を志すものだ
いざ勝負!
武器改造でヒーローソードの切れ味をより鋭くし
勇気を出して2回攻撃、怪力で戦う
敵攻撃は激痛耐性、盾受けで耐える
●泣き虫勇者とヒーロー
「泣き虫勇者さん、まだ小さい女の子さんなんですね」
草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)はグリモア猟兵から聞いた情報を思い出す。そして、脳裏に浮かんだのは己の今はもうこの世に居ない妹の存在だった。
(……こんなこと考えてる場合じゃない)
首を軽く横に振りその思考を霧散させる。
「見た目は女の子でもオブリビオンはオブリビオン。ちゃんと倒さないとですね」
そう。例え戦意を緩ませるような可愛らしい姿をしていてもオブリビオンだ。
この地に残してしまっては何をするのか解らない。だから千秋は倒さなければいけない。倒さなければいけないのだ。
千秋は己の戦闘知識と第六感で敵の居場所を探る。程なくすれば、その姿を発見出来た。ユーベルコード【Fly me to the Moon】を発動すればその飛翔能力でユーティアの所まで迫る。
「ぴきゃっ、何か飛んでくるっ…猟兵!」
ユーティアは飛んでくる千秋を見れば思わず涙目になりながらも剣を握る。その姿は先程までの戦いにより満身創痍とも言える姿ではあったが、それでも敵意を見せている。
「見つけました勇者ユーティア」
「う、…そう、私は勇者、勇者なの…」
ユーティアは千秋の言葉にこくり頷く。オブリビオンを守る為にある勇者。それがユーティアだ。
「立場は違って敵同士でも、僕も勇者を志すものだ。いざ勝負!」
そして、人々を守る為にここに居る千秋は人の世のヒーロー…勇者だ。負けるわけにはいかない。
千秋の攻撃にユーティアの剣は吹き飛ぶ。
「ひ、」
小さな悲鳴を響かせることもなく、彼女の胸に剣が突き刺されば、何かが弾け飛ぶような軽い音が響く。次の瞬間にはユーティアの姿は消えていた。
何事と無いような静寂があたりに響く。
残っていたのは不思議な果実、蓬莱の実。
これにて泣き虫勇者の物語は、終幕を迎えた。
大成功
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