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NO FUTURE

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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●男心と冬の海
「クソッ……どいつもこいつも……」
 青白い髪の男は、リゾート地で一人毒づいた。
「どいつもこいつも……イチャイチャしやがって!!」
 よく見ると青白いのは髪だけではなく、顔も青白い。そして亀のような手を持ち、サメのようなヒレを持ち、タコのような足……他にも色々。
「SNSに投稿する写真を撮るため、あちこち出掛けるのは分かる……しかし、ことごとくカップルで来やがって……!!」
 怪人は奥歯をギリリと噛み締め、仲の良さそうなキマイラ達を恨めしそうに睨みつけた。
「こんな世界……こんな世界なら、無くなってしまえばいい!! キマイラに未来(フューチャー)は要らない!!」
 怪人は海から勢いよく飛び出し、秒速5センチメートルくらいで陸上を進み始めた。季節よ移ろわないで。

●共鳴する魂たち
「わかる」
 佐藤・非正規雇用(エンドロール・f04277)は目を閉じて肯いた。
「だが、怪人を放っておくことはできない。ヤツには恋人ができないまま、この世を去ってもらう」
 非正規雇用がテーブルに大きな地図を広げる。
「ヤツの名は海神ポセ男。キマイラフューチャーのビーチ場に現れ、独り身のキマイラ達を配下にして、世界を滅ぼそうとしているらしい」
 情報をまとめた資料を配りつつ、非正規雇用は説明を続ける。
「まずは、怪人に洗脳されたキマイラ達を正気に戻さなくては……そのために、彼らに『この世界も悪くないな』と思ってもらえるよう、一生懸命口説いて欲しい」
 非正規雇用はホワイトボードに大きく『陸釣り』と書いて、バンと叩いた。
「幼馴染キャラを演じてもいいし、男の娘キャラとかで新しい性癖をこじ開けてやってもいい。もちろん、男として女性を口説いてもいいし、ツンデレキャラなんてのもアリだな。……あとは、ヤンデレとかのダウナー系も需要があるかもしれない」
 非正規雇用は何かのゲーム攻略本をパラパラと捲っていたが、やがて興味なさげに放り投げた。
「いや~、俺が行けば楽勝で全員落とせるんだが、ここを離れるわけにもいかないしなぁぁ……。というわけで、皆のお手並み拝見といこうか」
 非正規雇用は慇懃無礼に、お辞儀をした。


アルバイトの佐藤です
 僕は、ナンパというと「ヘイ彼女、お茶しない?」というセリフしか思いつかないんですが、よく考えたら、かなり古いセンスですよね。

 キマイラ達を正気に戻し、諸悪の根源である怪人を海の藻屑にしてください。きっと、マナティちゃんが喜びます。

 皆様の素敵な口説き文句、心よりお待ちしております。尚、これは良いなと思うものがあれば、ぜひ現実で使わせてください。
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第1章 冒険 『トキメキマイラ・ラブロマンス』

POW   :    幼馴染や妹系キャラ(弟とかでも可)に扮し、押し掛ける。バブみを強調してオタクをオギャらせてもいい。

SPD   :    さじ加減が難しいツンデレキャラになりきり、突き放しては惹きつけオタクを悶えさせる

WIZ   :    かつて一世を風靡したダウナー系キャラを演じる。歴代の人気ヒロインは決まって軍艦の名前なのは何故だろう

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フルーネ・フローライト
【選択:SPD】
依頼を聞いた瞬間に『これいろいろ面倒だから匙投げたな』とか思いつつまぁ依頼ならやるしかないから【仕方ない】から一肌脱いであげるとしますか

ツンデレキャラはまぁ難しいが【フェイント】と【誘惑】を使えばある程度は形にできるだろうが問題は口調だ…そこはもうアドリブしかないだろうな



●先天性
「面倒ね……。何で私が、そんなことをしなければいけないのかしら? 全く理解できないね」
 フルーネ・フローライト(ウォーマシンの人形遣い・f05947)は「さじ加減が難しい」と聞いて、早速さじを投げようとした。
「そ、そこを何とか……」
「……仕方がない。そこまで言うならやってあげるよ。依頼だからやるのであって、別に貴方の為ではないからね」
 出発前からツンデレの王道とも言うべきセリフをかっ飛ばして、フルーネは現地へ向かった。

 ビーチに着いたフルーネは、適当なキマイラをつかまえて説得を試みた。
「ちょっと貴方、どういうつもり? そいつは怪人なのよ。そして、この世界を滅ぼそうとしている」
「うるさい! 僕もこんな世界にはウンザリしていたんだ!! 一人だと行きづらいスイーツ店とか、カップルが集まるイルミネーションとか……この世界は"窮屈"過ぎる……。だから、滅んだって構わない!!」
「ふうん……それで滅ぼすの? いずれ貴方も、誰かと行ける場所かもしれないのに……」
「えっ」

 一転、フルーネが思わせぶりな態度をとる。
「べつに貴方なんかタイプじゃないけど、どうしても、って言うなら一緒に行ってあげてもいいよ」
 フルーネのポニーテールが、ふわりと風になびく。そして、キマイラが彼女のことをまじまじと見つめる。
(「お、大きい……!!」)
 フルーネの身長は230cmです。
「ぜぜぜ是非、お願いします!! 良かったら今週末にでも……!!」
 キマイラが鼻息を荒くして近付いてくる。対するフルーネは、冷静にスケジューラーを起動した。
「あら、ごめんなさい。予定が一年先までいっぱいだったわ」
 キマイラはフルーネに抱きつこうとしたが、容易くかわされて崖から落ちた。

 一人片付いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリシア・マクリントック
そうですね、私が世間のことを知らないように、世間の人々は私のような人のことをあまり知らないはず。
それならありのままの私との出会いはかつてない経験でしょう。

まずは、動物が好きそうな方にマリアをじゃれつかせて、それをきっかけに話しかけます。
散歩の途中で逃げられてしまった……という体であれば比較的自然に声をかけられるでしょう。
かつての私の生活をありのままに。厳格な親、幼いころから参加している社交界、全てを決められて生きてきたこと。そんな生活が嫌で家を出たこと。外の世界での生活は想像以上に大変だったこと。

「貴方のような素敵な方に出会えたのは幸運でした。……私の知らないこと、たくさん教えてくれますか?」



●お嬢様キャラを攻略する時は何か背徳感ある
「まぁ……ナンパ……ですか? 見たことはありませんが、これも勉強かもしれませんね……私、精一杯ナンパしてきます!」
 何だか間違った方向にアクセルを踏み込みつつ、アリシア・マクリントック(旅するお嬢様・f01607)は飛び出していった。

「俺はそもそも、人間が嫌いなんだ。何を考えてるか分からないし、信用できない……人付き合いが苦手なんだ」
 何やら急に自分語りを始めたキマイラがいる。誰も聞いていないのに、何故一人で喋っているのか……。
 そこへ、青いスカーフを巻いたシベリアンハスキーがやって来る。先程まで浮かない顔をしていたキマイラが、パァッと明るい表情になった。
「ハハッ! お前たちは別だよ。動物はウソをつかないもんな……よしよし」
 キマイラはしゃがみ込み、優しい目をしてシベリアンハスキーを撫でた。どうやら、動物に敵意は無いらしい。そこへ――。

「マリア? マリア、何処へ行ったの? あら……」
 アリシアが、わざとらしく登場する。あまりの白々しさに、キマイラが狼狽する。
「なっ、なんだテメーは!? ここで何をしている!?」
「すみません、ウチの子がお世話になったようで……ご迷惑をおかけしませんでしたか?」
 キマイラの言動など意に介さず、アリシアが台本通りに進めようとする。
「だから、誰だって言ってんだよ!!」
「まぁ……これは申し遅れました。私はアリシア、アリシア・マクリントックと申します」
 アリシアはスカートの端を摘んで、少し大袈裟にお辞儀をする。
「そ、そのアリシアさんが何の用だよ……」
「実は私、かなり厳しい親に育てられまして……幼い頃から、だいぶ窮屈な暮らしをして来たんです……」
 アリシアも負けじと自分語りを始めた。礼儀作法を教え込まれたこと、マリアとの出会い、猟兵としての覚醒、そして生家からの出奔……。
 普通、急に生い立ち等を話されても困惑すると思うのだが、このキマイラは――。

「お゛……お゛めぇもぐろうしでんだなぁ……!!」
 めっちゃイイヤツだった。涙でぐずぐずになったキマイラを見て、アリシアがにこりと微笑む。
「貴方のような素敵な方に出会えたのは幸運でした(本当にそう)。……もし宜しければ、私の知らないこと、たくさん教えて頂けませんか?」
「お……おう!! 俺に任せておけぇぇぇえいい!!」
 感極まったキマイラが、アリシアに向かって突進する。
「あら、何? マリア?」
 マリアが、くいくいとアリシアの裾を引っ張ったので、アリシアはしゃがみ込んだ。突進したキマイラは、勢い余って崖から落ちていった。

 二人片付いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

竜洞・梓
えっと、えと、つまり、師匠がいつも言ってる「属性」を演じればいいんですね!
はい、がんばります!

POW
よーし、じゃ、じゃあ、このCo、つんでれっていうので……!
「あ、あんたがわたしのぷ……うんめいのひと? ふ、ふーん、わるくない、かな……」
は、はずかしいです……!(顔真っ赤
ほゃゃ……え? 何ですか師匠、それはCu? えっ?
えっ、なんかほややんしてる? ち、違うんです!
えーっと、えーっと……
「わずらわしいたいようね! さだめの……(邂逅)え、これなんて読むんですか?」
か、かわいいなんて、そんな……!(顔真っ赤
わー! わー! なんでもありませーん!!!



●人工の天然
 猟兵たちが次々と出発していく中、竜洞・梓(まじかる☆どらくる・f11833)は一人、オロオロしていた。
「だ、大丈夫か? 見るからに不安そうだが……」
「いえ! 大丈夫です、師匠に教わったので!!」
(「一体、何を教える師匠だったのだろう」)
 そんな疑問を投げ掛ける暇もなく、梓は叫びながらビーチへと飛び出して行った。
「はんばぁぁぁああああああぐっ!!」

 現場に到着した梓は、早速、第一キマイラを発見。すかさず声を掛けてみる。
「えーと、あ……『アンタが私のプロデューサー?』」
 最初から飛ばして行く梓。焦り過ぎて、何かのゲーム攻略本をそのまま読んでしまう。
「あ! ごめんなさい、そうじゃなかった! えー、『アンタが私の運命の人……? ふうん……悪くない、かな……』」
 目の前でカンペを読まれて、呆気にとられるキマイラ。しかし、竜洞劇場はまだ終わらない。
「あっ、しまった! 読むページを間違えてました! えーと、えーと……『我こそは竜洞・梓!! この熱砂に舞い降りた堕天使よ。……煩わしい太陽ね……二つのさだめが、か……かい……かいご……』……ねぇ、これ何て読むの?」
 聞いちゃった。

 しかし、その様子を見ていたキマイラ達も黙っていなかった。この娘は何だというのか。いきなり現れて、散々おかしなセリフを並べた挙句、漢字の読み方まで訊いてきた。ふざけるな、そんなの俺だって読めない。
「か……、か……」
「ふ、ふぇぇ……」
 ぷるぷると震えだすキマイラ。梓は、自分が怒られると思って身構えた。
「か……、カワイイ!!!!!!」
「ふぇっ!?」

 オッケーです。大丈夫なやつでした。いや、逆にダメなやつですけど。キマイラは梓のことが気に入ったらしい。そして、調子に乗って梓を口説き始めた。
「キミ、かわうぃーねぇー!! これから夜の街へ、イグニッションしなぁい?」
「あっ、それは嫌です」

 三人片付いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

秦田・麻弓
演技とかは得意じゃないので、そのまま誘ってイケないかなーとか
最近はちょっと遊んでるっぽいヒロインとかもいるって聞くし、そういう路線狙いってことで…
「えー、そういうことなら一緒に遊びましょうよー、普通に、そっちの方が楽しいですよきっと」
笑顔で腕に抱き付いたり、身体押し付けてみたり、誘惑付きでボディタッチ多めにアプローチしてみます
一応恥ずかしいので、照れありの笑顔で媚びてみつつ

上手くいっても失敗しても、次々声掛け誘います
「みんなで遊んだ方が楽しいですし、ね?」

あ、全部ちゃんと、「そういう」意味でですよ。みんなで…ね?



●サスペンス
「うーん……。あんまり演技って得意じゃないんですよね……恥ずかしいですけど、ちょっと大胆に誘ってみようかな……」
「い、嫌なら無理しなくてもいいぞ?」
「いえ、これも猟兵のお仕事ですから。……それに私……こういうの、嫌いじゃないです」
「……え?」
 秦田・麻弓(びびりびりびり・f00217)は聞き取れないくらい小さな声で呟いた後、ふふっと微笑んでビーチへと向かった。

「うおおおおおお! カップル死すべし! リア充滅ぶべし!!」
 一方、ビーチでは、分かりやすいくらい元気にはしゃぐキマイラがいた。こんなシナリオ書くことになるとは思わなかった。
「うふふ……お兄さん、ここで何をしているんですか?」
「はっ!? 誰だ貴様は!?」
 秦田に声をかけられて、キマイラがぐるんっと振り向く。
「そんな些細なこと、どうだっていいじゃないですか……ほら、こんなつまらないことは止めて、私と一緒に遊びましょう?」
 スッ、と距離を詰めた秦田は、いつの間にかキマイラの腕を絡めとり、ガッチリと押さえ込んだ。
(「なっ……疾い……!?」)
 キマイラが戦慄の表情で秦田を見る。急にキマイラから視線を向けられた秦田は、照れた素振りをして目を逸らした。
(「かっ……可愛い……!!」)
 あっさりと懐柔されるキマイラ。そして秦田は、ダメ押しとばかりにキマイラの腕に身体を押し付けた。むにむに。
「結婚してください」
「あらあら……うふふ……」
 秒速で好感度がMAXになったキマイラは、勢い余って秦田にプロポーズをした。しかし――。

「おいおい! 何、お前だけオイシイ思いしてんだよ!」
「そーだそーだ! 一人だけずりーんだよォ!!」
 陰から見ていたキマイラ達が、あまりの羨ましさに草むらから飛び出してきた。
「まぁまぁ……皆さん仲良くしましょう? 一緒に遊んだ方が楽しいじゃないですか……ね?」
 秦田は、フェロモンが目に見えるんじゃないかというぐらい大人っぽい雰囲気を醸し出し、キマイラ達を封殺した。
「そ、そおだな。こんなことで騒いでたら、大人げないもんな!」
「おい! 向こうまで駆けっこしようぜ! 一番速かったヤツが、この女の子にプロポーズできるんだ!!」
「よーし、負けないぞ!」
「あっ、そっちは……!!」

 四、五、六人目のキマイラが崖から落ちた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ノーラ・モーリス
ナンパ?よく分からないけど面白そうね
ハープを弾く「ミステリアスハープ奏者女子」なんてどう?選択はWIZかしら

元気のないキマイラさんの近くで一人ハープを弾く【楽器演奏】の【パフォーマンス】をしてる
「ごきげんよう」とキマイラさんに優しく微笑み、またハープを演奏
荒んだ心も癒される事を願い【精霊の歌】を【歌唱】
優しい音色と歌でキマイラさんを包んであげたいわね
お話を希望されたら、ハープを一旦止め真っ直ぐ相手を見てあげたいわね
「ただモテたいのなら、トーク力と態度でだいぶ変わるわね。いきなり否定から入る会話はダメよ、肯定や疑問から入るのがオススメよ」
と理解してくれたら
ホッペにキス
「またどこかでね」
と去る



●おーまいごっです
「ふぅん、ナンパか……面白そうね。それなら私は、"ちょっとミステリアスで、ハープ弾いちゃう系女子"で行くわ」
 ノーラ・モーリス(自由を謳う魔女・f06864)は、自慢のハープを撫でながら呟いた。
「そんなカテゴリ聞いたことないんだが……」
「無いのなら、創ればいいのよ」
 ノーラは自信に満ちた表情で、ビーチへと向かった。

「僕は自分に自信がない……女の子に話し掛けると緊張しちゃうし、ましてやデートなんて……」
 今度はやけに元気のないキマイラがスタンバっていた。少し訓練すれば、おねショタとして活躍しそうな美少年ではある。
「お困りのようね……」
「だっ、誰!?」
 少年がバッと視線を向けると、そこにはハープを構えたノーラが、周りに動物を侍らせて佇んでいた。
「めっちゃミステリアス!?」
「ごきげんよう、少年……自分に自信が持てなくて困っているようね……。でも大丈夫、大事なのは相手を思いやる気持ちなのよ。貴方は貴方なりの優しさで、相手を包んであげなさい」
「は、はい……」
 少年は、唐突に現れた"ちょっとミステリアスで、ハープ弾いちゃう系女子"から説教されたことに面食らったが、その見た目の圧倒的説得力に、ただ頷くことしかできなかった。
「~♪ ~♪♪」
「しかも歌うのかよ」
 口では色々言いつつも、美しく、儚げでミステリアスなノーラの歌声とハープの音色に、少年は聞き惚れた。

 やがて、ノーラは歌い終わると、少年に向き直って話を続けた。
「そうね……それから、話を否定する人よりも、肯定してくれる人の方がモテるかしら。女の子はお話し好きだから、聞き上手になってあげてね」
 綺麗な女性に囁かれてて、少年は激しく首を縦に振った。
「いい子ね」
 ノーラふっと微笑み、少年に近付くと、その頬に優しくキスをした。
「また、大人になったら逢いましょう」
 ノーラは今度こそ、本当のミステリアスさを残し、その場を立ち去った。少年は、いつまでもその場に立ち尽くしていた。
 
 崖からは飛び降りなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロジロ・ワイズクリー
ダウナー系キャラってどういう?
見た目が黒ければいいのかといつもの黒尽くめでトライだ、よし。

SNS映えするスポットに明らかに1人(ぼっち)で訪れよう。
道に迷い、ついでに人生にも迷った風情で撮影に良さそうな場所への道を聞く。胸元に忍ばせる蝙蝠さん(ドローン・コミュ力2)だけが友達。
「だが、こうして新たな出会いがあったのも何かの縁……かもしれないな」
憂う双眸で出来るだけ遠くを見ながら、一緒に写らないかと誘おう。

「――そうか、これが思い出を作るということか」
「もう少し一緒に……いや、何でもない」

なお、あいてのせいべつはとわずがんばれるおれはいぇーがー。



●ディーパー・アンダーグラウンド
「ダウナー系キャラって何だ」
 ロジロ・ワイズクリー(ブルーモーメント・f05625)は、グリモア猟兵の説明について疑問をぶつけた。
「俺も詳しくは知らんが、いつも"寝起き"みたいなテンションのヤツだと思っておけば間違いないんじゃないか」
「そんなのが人気なのか……どれ、俺もひとつダウナー系というやつで行ってみよう」
 一抹の不安を残しつつ、ロジロはビーチへと向かった。

「本当に信じらんないアイツ! 浮気するなんて!!」
 怪人に洗脳されたのは、恋人がいないキマイラだけではない。かつての恋人に、酷い目に遭わされたキマイラもいるようだ。
「何が『俺を放っておく、お前も悪い』よ!! 逆ギレしてんじゃないわ、このクズ男……きゃっ!?」
 愚痴に夢中になっていたのか、キマイラは向こうからやって来た人影に気付かなかった。擦れ違い様に、肩が強くぶつかってしまった。
「ちょっと! アンタ、どこ見て……!?」
 そう、ぶつかった相手はロジロだった。黒ずくめのスーツに、陶磁器のような白い肌と髪。その奥からアメジストのような瞳がぎらぎらと輝いた。
(「す……凄いイケメンだわ……!!」)
 ダンピールとして生まれ持った美貌が、彼女を虜にする。キマイラの女性は、しばらく口を利けずにパクパクとさせた。
「ね……」
「ね……?」
「……眠い……」
 だがロジロは、ダウナー系について残念な勘違いをしていた。
「……お嬢さん、すみませんが道を教えてくれませんか……恥ずかしながら、人生に迷ってしまって……」
「それは教えられないわよ」
「いや、行きたいのは夕日の綺麗な浜辺なんですけどね……」
「随分簡単になったわね。……いいわ、ここは私の地元なの。いい場所を教えてあげる」
 二人は連れ立って、浜辺へと移動した。

 浜辺に到着する頃には日が傾きかけ、夕日が水平線に落ちる頃だった。開けた砂浜が、オレンジ一色に染まる。
「へぇ……これは凄い……」
「でしょう? ここはね、前の彼氏と来た……と……こ」
 そう言って、キマイラは表情を曇らせた。昔のことを思い出したのだろう。ロジロはそっと隣に並んだ。
「俺なら、アンタみたいな女、放っておかないのにな……」
「……えっ?」
「儚げで、今にも壊れちまいそうだ……ついつい守ってあげたくなる、なんて言ったら厚かましいかな……」
「……!!」
 キマイラが、カァッと頬を染めた。ような気がする。毛深いのでよく見えない。
「あー、眠い……」
 間違ったキャラ作りのために、徹夜で挑んだロジロは猛烈な睡魔に襲われていた。
「そ、そんなに眠いなら……わ、わ、私の家に……」
「なおわああああああああああああ!?」
 その時、空からキマイラが降ってきた。1、2、3、4人目から6人目はまとめて。どうやら、上の崖から足を滑らせたらしい。どすっ、という音ともに、次々とキマイラが砂浜に突き刺さった。
「……」
「……」

 ロジロは自宅に帰って、念願の睡眠を取った。

成功 🔵​🔵​🔴​

水心子・静柄
口説く?依頼だからとは言えそんな媚を売るような事、私の性に合わないわね。どうせなら跪かせたいわね。

そうね、独り身の理由はただモテないだけじゃないわ。もしかしたら特殊な性癖を持っていて、他人には明かせず独り身でいるのかもしれない。

まずは洗脳されている全員に向けて殺気を放つわ。萎縮した人はノーマルね。喜んでいる、何かを我慢している人は怪しいわね。そんな人達には直球に「あなたの性癖は何?」と聞くわ。中にはわざと答えないでご褒美だと思ってダメージを受ける人もいるかもしれないけど。後は得意の踏みつけやロープワーク(用途不明)で相手の欲求を聞いて上げて説得するわ。



●It doesn't work.
「私がナンパ? 嫌よ、そんなことしたくないわ」
 水心子・静柄(剣の舞姫・f05492)が、ぴしゃりと言い放つ。
「そ、そこを何とか……」
「どうせ良い歳して独り身の人って、何か他人には言えないヤバイ性癖とか持ってるんでしょ……そうね、それを暴いてみるのは面白いかもしれないわ」
 水心子は暫く思案顔をしていたが、やがて何かを思いつくと、スタスタと歩いて行ってしまった。

「うわぁぁぁあああああっ!?」
「な、何だアイツは!?」
 大勢のキマイラ達が逃げ惑っている。その後ろを、真っ赤に染まったチェーンソーを担いだ水心子が追う。もはやナンパとは全く関係ない光景が、そこには広がっていた。
「逃げろ逃げろおおおおおおっ!」
「ひ、ひぇぇええええっ……」
 あまりの恐怖に腰が抜ける者もいた。しかし、水心子の慧眼は見逃さない。チェーンソーを一層激しく回転させ、座り込んだ男に接近する。そして、刃を男の目の前まで持っていったところで、チェーンソーのエンジンを止めた。
「貴方……オートアサシノフィリアね」
 世の中には、自殺ではなく、誰かに殺されたいという欲求を持つ者もいるようである。水心子は、このキマイラが恐怖から座り込んだわけではないことを見抜いたのだった。
「やれやれ、本当にこんなド変態が見つかるなんてね……」
「う、うぅ……」
 男は自覚症状が無かったのか、水心子の言っていることが理解できずに困惑する。
「……どうせ生きていても仕方ないし、お望み通り冥界に送ってあげるわ」
 冷たい声で水心子が言い放つ。彼女は懐から素早く柄巻を取り出すと、座り込んでいるキマイラの首に引っ掛け、崖から突き落とした。だらりとしたシルエットが、崖下で揺れる。
「く……!?」
 一瞬で崖から放り出されてしまったキマイラは、何が起きたのか分からなかった。ただ、首に走る鋭い痛みから解放されようとして必死でもがいた。
「……」

 ぷつっ。

 直後、キマイラを吊るしていた糸は切れ、またもや砂浜に突き刺さるオブジェが増えたようである。
「あら? 変ね……柄巻が解れていたのかしら……」
 水心子はとぼけた調子で呟き、その場を立ち去った。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『レッツ、クッキング!』

POW   :    豪快かつパワフルに、大量の料理を一気に作り上げる。

SPD   :    手早く素材を切ったり、難易度の高い調理法に挑戦したりすることで、プロっぽさを演出。

WIZ   :    知る人ぞ知るマニアックな料理を作ったり、魔法で料理の味や見た目をグレートアップしたりする。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●アレ・キュイジーヌ
 取り巻きが減り、ついに怪人"海神ポセ男"が姿を現す。
「お前らぁっ!! 口先だけで、俺の仲間を誑かしやがって……許さん!!」
 ポセ男は怒りに身を震わせた。
「恋人なら……恋人ならなぁ! 胃袋を掴んでこそだろうがっ!!」
 パチン、とポセ男が合図をすると、砂浜にキッチンが設営され始めた。
「貴様らとは料理で決着をつけてやる……。量で勝負しても良し、技術で勝負しても良し、見た目に凝ってもいいぞ」
 ポセ男がコックコートを着ようとするが、カニの足のような部分が引っかかって、上手く着れない。
「それから、採点は俺が行うからな。……フフフ、せいぜい頑張るがいい」
 完成した料理は、必ずポセ男が味見をするようだ。くれぐれも変な物を入れないようにしよう。
水心子・静柄
胃袋を掴むんじゃなく、胃袋を掴ませてあげてもいいんじゃないかしら?まぁ私には胃袋なんてないけども、料理で対決したいのなら相手になってあげるわ。

小手先の小細工なんて必要ないわ、量で勝負よ。量っていえばもやしね。一袋二、三十円のもやしは大量に使ってもお財布に優しいから予算が許す限り使用するわ。そして今回は素材の味を生かす為に味付けは一切しないで蒸して調理するわ。

この料理のコンセプトは量よ。採点するのならもちろん完食して量を評価してくれるのよね?まさか料理勝負を持ち掛けてきたのに逃げたりしないわよね?

(完食してもらったら)
あら?初っ端からそんなに大量に食べて、この後の採点をちゃんとできるのかしらね?



●質より量
「そもそも、恋人に料理を作ってもらおうっていう考えが甘いんじゃないかしら? ……まぁ、自分でも作るみたいだからいいけど」
 水心子・静柄(剣の舞姫・f05492)は動きやすいように、たすき掛けをしながら呟いた。
「ほぉ……なかなかサマになっているな。貴様がどのような料理を作るか楽しみだな」
 ポセ男が水心子の姿を見て期待を膨らませる。和食かな……いや、意外と洋食……。
「私が使う食材はコレよ」
 バッと布をめくると、小さな袋がピラミッドのように山積みになっていた。

 意外――それは、もやし――!! 貧乏人の味方。そのコストパフォーマンスは、野菜の中でも随一。逆に多すぎて、使い切れないまま冷蔵庫に放置してしまうこともしばしばあると思います。
「……なるほど。それをどう調理するつもりだ? 炒め物か? それともあんかけ――」
「蒸すわ」
「なっ……!?」
 怪人と、仲間の猟兵たちがザワつく。蒸すだって? コイツ正気か……一体どんな料理が……。
「しかも、味付けは一切しない」
「一切!?」
 軽い死刑宣告をされた怪人が、物言いをつける。
「バッ、バカヤロウ!! そんなもの食えるか!! お前は普段、何を食べているんだ!?」
「さあ? 私には胃が無いから、分からないわ」
 相手の意見など、何処吹く風で聞き入れない水心子。蒸し器に大量のモヤシを投入し、火にかける。
「こ、この野郎……」
 ルール上は何の問題もないため、相手を責めるに責められないポセ男。水心子が、黙々とモヤシを蒸していく様子を、黙って見ていることしかできなかった。

「さぁ、召し上がれ」
 ――数分後。ポセ男の前には、自分の上半身と同じぐらいの質量を持った蒸しモヤシが置かれていた。
「……」
「おかわりもあるわよ」
 採点のためには味見をしなければいけない。ポセ男は箸でモヤシを一束掴み、口へ頬張る。もしゃもしゃ。青臭いというか土臭いというか……そのままだ。もやしそのままだよ。
「お、お前の実力は分かった。この料理はこれくらいにして、次の料理の審査に移ろう」
「あら?」
 ポセ男が席を立とうとしたその時、水心子が驚いた様子で呼び止めた。
「この料理の一番のウリは"量"よ。しっかり噛み締めて感じて欲しいわね」
 ポセ男の顔は絶望一色で染まった。

 猟兵たちが見守る中、ポセ男は5kgのモヤシを完食した。皿が空になった時は、周囲から謎の拍手が起こったほどである。ちなみに、ポール・ニューマンが暴力脱獄で食べたゆで卵の数は50個だ。
 水心子の策略により、怪人の回避力は大きく下がった。尚、料理勝負は続行する。

大成功 🔵​🔵​🔵​

秦田・麻弓
味見はポセ男さんがやるなら、もしかしてサービスによっては甘めの採点してくれるかな…?

料理自体はできなくはないけどものすごく上手ってわけでもないので、他での加点を狙います。
「そんなにおいしくないかもですけど…」
と恥ずかしそうに持っていき、上目遣いに媚びてみせます

調理中も持って行く際も
裸(に見えるように布地少なめの衣装の上に)エプロンで臨み、調理中もちらちら怪人さんの方を見て、目があったら小さく手を振ってみたり

採点の時は自分で口元まで持っていって食べさせます
「ど、どうですか…?」
と不安そうに聞いて
「空気読める彼氏なら美味しいっていうしかない状況」を作ろうとします

なおメニューは安易に肉じゃがです。



●肉じゃが
「……つ、次は誰が作るの?」
 びくびくしながら、怪人が猟兵たちに尋ねる。できればモヤシ以外の料理がいい。
「は、はい……」
 おずおずと手を挙げたのは、秦田・麻弓(びびりびりびり・f00217)だ。
「むむっ!?」
 秦田の姿にポセ男が目を見張る。それもその筈、秦田はエプロンの下にノースリーブのシャツとホットパンツを着ており、まるで裸のように見えたからだ。
「な、なんだ。ちゃんと着てるな、うん。そうだと思った」
「私もそこまで自信があるわけではないので、美味しく作れるか不安ですけど……でも、精一杯がんばりたいと思います!」
(「あぁ~、これこれ! 恋人と、こういう甘いやり取りしたいなぁ~!!」)
 目を閉じて、何やら感動に浸っているポセ男。しばらくぼーっとしていたが、やがてハッと我に返り険しい表情に戻った。
「そ、そんな殊勝なことを言っても手加減せんからな! 覚悟しておけ!」
「はい! 宜しくお願いします!」
 あまりの甲斐甲斐しさに、ポセ男の魂が抜けかけた。

 秦田が作るのは肉じゃがだ。一時期、『肉じゃがさえ作れれば、男を落とせる!』なんていう噂が広まったことがあるが、出所は不明である。確かに野菜の切り揃え方や、調味料の配分が難しい煮物を作ることは、料理の腕を見るのに手っ取り早い方法なのかもしれない。
 彼女はテキパキと作業しながら、時折、ポセ男に手を振る余裕させ見せた。ポセ男は、すっかり立場を忘れて手を振り返した。何やってんだこいつら。

「できました」
 数十分後、ポセ男の前には至極まともな肉じゃがが置かれた。これには怪人も一安心である。
「見た目はまともだが、味はどうかな……? よし、では頂こうか」
「あっ、待ってください!」
 そう言って秦田は肉じゃがを一口分取り、口でふーふー冷ましてからポセ男へ差し出した。正直、ふーふーするほど熱くない。
「さ、どうぞ?」
「う、うん」
 もうポセ男も完全にキャラが変わっている。年上のお姉さんに面倒を見てもらう少年のような表情だ。差し出された肉じゃがを口に入れ、もぐもぐと咀嚼する。
(「う……」)
「?」
(「美味い……!! いや、実際は普通なのかもしれないけど、さっきのモヤシ地獄の後だとめっちゃ美味く感じる……!!」)
 ポセ男が涙を流し始めたので、秦田はぎょっとした。
「あ、あの……?」
「……ごめん、ちょっと待ってくれるか? 俺はこの肉じゃがに、点数を付けられない……」

 感情のジェットコースターを味わったポセ男は、情緒が不安定になってしまった。尚、秦田の料理の腕は認められたようだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ノーラ・モーリス
「はい、コレで綺麗に着れたわ」
と微笑んでポセ男にちゃんとコックコート着せてから料理を行います
「そうね、この間覚えたナポリタンにしましょ」
大きめの鍋に湯を沸かしてる間に、玉葱を切りピーマンを輪切りで苦味を抑え、ウィンナーを切り、パスタを茹でてる間にケチャップとソースを混ぜ照りを出す為蜂蜜を少し加えナポリタンソースを作成。
最後は全部炒めて、お皿にもり。粉チーズを添えて出来上がり
「本当はパセリ乗せたかったけど嫌いな人もいるから」
「凝った物も良いけれど、シンプルなもののの方が良いかなって思ったの」
全部食べ終わったら
「はい、デザート」
サイコロ状に切った林檎をレンチンして砂糖をまぶした焼き林檎風を出す



●ナポリを見てから死ね
「貴方はまだ料理しないの?」
 ノーラ・モーリス(自由を謳う魔女・f06864)は、先程から食べてばかりの怪人を指摘した。
「ふっ、そうだな。今のところ俺を超える腕前は現れていないようだから、最後に披露してやろう……」
「あら、そう。残念ね」
 そう言うとノーラは怪人に近寄り、上手く着れていなかったコックコートを正し、ちゃんと着せてあげた。
「……はい、これでいつでも料理が作れるわね」
「あ……ああ、ありがとう」
(「何だコイツら……怪人に優しすぎない? もう世界滅ぼすの止めようかな……」)
 早くも2章にして計画を頓挫させようとしている怪人がそこにはいた。そんなこととは露知らず、ノーラはキッチンへと向かった。

「そうね、この前覚えたナポリタンにしようかしら」
「この前!?」
 聞き捨てならない台詞が飛び出したことに、動揺を隠せない怪人と猟兵たち。そんな心配をよそに、ノーラは調理を進めていく。
 パスタとソースが同時にできるように、早めに鍋を沸かし、野菜の切り方にも拘る。ソースにはケチャップとソースだけでなく、蜂蜜を少々――。麺が茹で上がってからは、さっとソースと絡めて一気に盛り付ける。圧倒的な手際の良さで、時間もそれ程かからなかった。
「お……おお……!!」
 思わずポセ男が立ち上がる。見た目に拘る彼にとって、蜂蜜を加えたことがかなり高評価だったようだ。
「しゃ、写真撮っていいか!? Kimatter(キマッター)に載せたいんだ!」
「ええ、ご自由にどうぞ」
 ノーラはくすくすと笑いながら返事をした。ポセ男は『ネプチューン・ランチ』と題してSNSに投稿。一体何をしているのか。
「さっ、冷めないうちに食べて」
「ああ、では頂くとするか……」

 ナポリタンを一口食べたポセ男に激震が走った。
(「味付けもしっかりしているし、火加減が程良くベチョベチョしていない……。麺の茹で加減も完璧で、噛み切るとはじけるような弾力。これはまるで洪水……口の中で、ナポリタンが大氾濫を起こしているようじゃあ……っ!!」)
「デザートもあるわよ」
 コトリと、新たな皿がポセ男の前に置かれた。
「これは……コンポート……?」
 芳しい香りのする角切りの林檎だ。もうポセ男はノーラの出す料理に夢中である。
「うまうま……」
 もはや怪人の表情は緩みっぱなしで、猟兵たちへの敵意がかなり薄れてしまったようだ。もし戦闘になったとしても、その攻撃率は下がると見ていいだろう。

 ポセ男はここまでの料理を全て完食した。さすが怪人とも言うべき強靭な胃の持ち主だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

竜洞・梓
お料理ですね……! はい、がんばります!
これでも学園では時々お手伝いしてるんですよ!(ふんす

WIZ
妖精さんに手伝ってもらいながらの調理です。
キマイラフューチャーですから……(ほわんほわんほわんあずあず~)しびれるような辛味にしましょう!
山椒を効かせた麻婆豆腐、四川風ラーメンに、チャーハンをつけて。
……え、脂っこい?
食べるのが男の人ですし、このくらいの食べごたえがいいと思うんですけど……

妖精さんのフォローを頼みながら3皿同時に調理です。学食仕込みの厨房回転力!
はい! できました!(ピリ辛セットが出来上がる)



●トーフ、ヤナギ、ソーハン
「なるほど、料理勝負ですね! 任せてください!!」
 竜洞・梓(まじかる☆どらくる・f11833)が、自信満々といった調子で名乗り出た。魔法学園でも、よく料理の手伝いをしていると胸を張る梓。
「よし、では次は貴様の料理を見せてもらおうか。一体、何を作るつもりなんだ?」
「そうですね……麻婆豆腐……」
「ほぅ……肉じゃが、ナポリタンと来て、次は麻婆豆腐か。これで和・洋・中の全てが揃ったな」
 怪人の中では、蒸しモヤシは無かったことになっているらしい。
「それからラーメン……」
「何、ラーメン……!?」
「あとチャーハン……」
「チャーハンまで!! 贅沢だな!?」
 何故かテンションが上がる怪人。浮き浮きしながら食卓に着く。もう、自分が料理作る気ないのかな……。
「それでは完成までお待ちください……妖精さんっ! 助けて!!」
 梓が祈ると、複数の妖精たちがポン!と現れた。
「『料理勝負は任せてください』と言った割には、助けを求めるのが早すぎるんじゃないか……?」
「今回は3品も作るので仕方がないんですっ!!」
 怪人にケチな指摘をされつつ、梓は調理に取り掛かった。

 梓が各料理の下ごしらえを済ませ、妖精に調味料や鍋の番を頼む――。
「じゃあ、この料理に山椒を振っておいてね」
『はーい』
『は~い~』
 妖精たちが返事をし、各妖精が一度ずつ山椒を振る――。
「ちょ、ちょっと! 入れ過ぎじゃない!?」
『えー?』
『そうかなぁー』
 心配になった梓が味見をする。
「うーん……。まぁ、私が食べるわけじゃないしいっか!」
 試食席の方で椅子がガタッと鳴った気がするが、梓は聞こえなかったことにした。
「こっちのラーメンもめちゃくちゃ辛くして、四川風にしちゃいましょう」
『わーい』
『どさどさー』
 妖精に指示して、さらに調味料を投下する梓。自分の手を汚さずして、怪人を仕留める算段だろうか。

「お待たせしました」
「どの口が言うんだよ」
 試食席に料理を並べると、ポセ男は憤慨した様子で梓を糾弾した。
「お前……ここから見てたぞ! めちゃくちゃ山椒とか唐辛子を入れてたじゃないか!!」
「四川風ですから」
「くっ……確かに、自分で山椒をドサドサ入れる中国人を見たことあるわ……」
 これ完食できるか? と、不安な面持ちでポセ男が麻婆豆腐に手を付ける。この期に及んで、まだ完食するつもりでいるのは流石としか言いようがない。果たして、その味は……。

「あっ、美味しい」
「えっ」
 ポセ男の意外な感想に、驚きの声を漏らす梓。
「確かに辛いことには辛いんだが、山椒の痺れるような味と、炒った唐辛子がクセになるっていうか……そしてこれを食べた後、卵入りのチャーハンを食べると甘く感じて凄く美味しい……!!」
 麻婆豆腐とチャーハンを交互に食べ、たまにラーメンを啜るポセ男。すっかり辛さの虜になっている。そんな怪人の予想外な反応を見た梓は……。
「そ、そーでしょうともー。それもこれも、全部計算通りですよー」
 全部自分の手柄にした。

 結果、戦闘にはあまり関係ないが、怪人の味覚をそこそこ奪った。ポセ男は、水を飲みながら「何か変な味がするなー」と呟いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリシア・マクリントック
私、料理には自信あるんです!
とは言っても何を作りましょうか?この世界は獣のような人達の世界ですから……ダメな食べ物とかはあるのかしら?
考えすぎても仕方ありませんね。始めましょう。
まずは鴨胸肉の皮に切り目を入れて塩胡椒を振ったらバターでこんがりと。
焼き目が付いたらフライパンから取り出して170度のオーブンで五分間。焼けたらアルミホイルで包んで休ませます。
フライパンに残った肉汁にオレンジの果汁とジャム、蜂蜜、赤ワインを加えてとろみがつくまで煮詰めます。
薄く切った鴨肉とオレンジソース、付け合わせにゆでたブロッコリーとニンジンを盛り付けて……
鴨のロースト・オレンジソース添えの完成です!



●口は災いの元
「私も料理には自信があります。私も挑戦して宜しいでしょうか」
 アリシア・マクリントック(旅するお嬢様・f01607)も、続いて名乗り出た。
「おうおう、宜しいぜぇ。でも、お嬢様に料理なんて出来るのかね……箸より重たい物を持ったことがないんじゃないのかぁ?」
 美味しい料理が続いて機嫌が良くなってきたのか、怪人が急に猟兵を煽るようなことを言い出した。
「……」
 しかし、そんな挑発を無視するかのようにアリシアは無言のままキッチンに立った。応援席では、マリアが今にも噛みつきそうな様子でポセ男を睨み付けていた。
「ひっ!」
 ポセ男はまだ何かを言いかけようとしたが、マリアの剣幕を見て大人しく席に着いた。

「私は鴨のローストを作りましょう。ソースはオレンジソースがいいでしょうか……」
 アリシアは独り言のように呟くと、手際良く鴨の下ごしらえを済ませ、バターを引いたフライパンで焼き始めた。香ばしい匂いが、辺りに漂う――。
「次は170度にしたオーブンで5分程焼いて、味を馴染ませるために暫く休ませます」
「温度まで指定するのか、細かいな……。と、ところで、まだ食べちゃダメなの……?」
 先程まで生意気な態度を取っていた怪人も、肉の前には無力である。もう待ちきれないと言った表情で尋ねた。
「まだです」
 仕返しとばかりに、アリシアがツンとした態度で答える。ポセ男はしゅんとした。
「そして、フライパンにオレンジ、ジャム、蜂蜜、赤ワインを加えてグレイビーソースを作ります。ちょっと焦がしてもいいかもしれませんね」
 アリシアは誰にともなく解説しつつ、皿に並べた鴨肉にソースをかけ、茹でた野菜を添えた。
「完成しました、これが私の"鴨のロースト・オレンジソース添え"です!」
「お……おお……おお……!!」
 あまりの料理の完成度に、再びポセ男が写真を撮る。一人できゃいきゃいとはしゃいでいたが、アリシアに冷たい眼差しで見られていることに気が付くと、スッと席に戻った。
「フン……幾ら見た目が良いからと言って、味までうまぁぁあああああああい!!」
 ポセ男が、鴨肉を頬張りながら絶賛する。
「肉の外側はカリカリに香ばしく焼いているが、中心部はマットな食感……そこに甘酸っぱいソースが絡んで、味が追いかけっこをしているようじゃあっ!! ううむ……肉勝て、ソース勝てと思っている内に、儚く料理が消え去っており、ついつい次の一口を口に運んでしまうな」
「……?」
 何を言っているか分からなかったので、アリシアは笑顔のままクエスチョンマークを浮かべた。

「フッ。流石だ、アリシア・マクリントック……唯のお嬢様と侮って悪かった。これからは、貴様を一流のシェフとしても認めよう……」
『がぶ』
「がぶ?」
 一人で悦に入ったポセ男は、握手をしようとアリシアに手を差し出したが、マリアによって阻まれた。
「あ、あだーーーッ!?」

 怪人に先制ダメージを与えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

フルーネ・フローライト
【選択:POW】
いや、なぜそこでいきなり料理なのか…という疑問はさておいて。丁度昼前なので料理勝負の中で普通に昼飯を作り始めます

丁度砂浜だし焼きそば辺りがいいかな…具材は至ってシンプルに野菜と…怪人が魚介類だしエビとイカもいれとこうか。味付けは…塩だれで


味見?食べたければ食べればいいんじゃないかな



●海の家
「ふー、お腹空いたわね。そろそろ昼ごはんでも作ろうかしら」
 フルーネ・フローライト(ウォーマシンの人形遣い・f05947)は、料理勝負のことなど意に介さず、マイペースに昼食の準備にかかった。
「ちょっとキッチン借りるわよ」
 ずかずかと料理勝負用のキッチンに立入り、焼きそばを作り始めた。
「お、おい……」
 全く言うことを聞かない猟兵に、ただただ困惑するポセ男。仕方なく、フルーネの行動を黙認することにした。
「せっかく海にいるんだから、海鮮にしようかしら? さっき捕まえたエビやイカを入れて……」
「ひっ……!?」
 同族(?)が包丁でコマ切れにされ、フライパンに放り込まれていく様子を見て、怪人を身を縮こまらせた。
「やっぱり海鮮ならソースより塩味よね……。塩だれを入れて、塩コショウで味を整えて……」
「ひぇぇ……」
 フルーネが味見をしながら、調味料を加えていく。
「麺の表面も、少し焦がすぐらいが美味しいかも!」
「も、もう許して……」
 麺を箸で押さえて焼き目を付ける。ところどころ謎のナレーションを入れてくる怪人がうるさいなぁと思いつつ、フルーネはさっさと盛り付けた。自分用の皿に。

「いただきまーす!」
「お、俺のは……?」
「フライパンに少し残ってるから、食べたければ食べれば?」
 まるでケンカ中のカップルのようなやり取りをしつつ、フルーネは焼きそばを頬張った。
「うぅ……ごめんな、ごめんな……」
 謎の謝罪を繰り返しつつ、ポセ男も焼きそばを口に運んだ。
「……」
「どう?」
「……悔しいけど美味いわ……」
 海水浴場とかで食べる焼きそばって美味しいよね。

 フルーネは、怪人に精神的ダメージを与えつつ、自分の空腹を満たした。自分は万全の体調で戦闘に臨めるだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『海神ポセ男』

POW   :    ヒッポカムポスわっしょい
自身の身長の2倍の【金色のたてがみをもつ海馬の引く馬車 】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
SPD   :    クロノス激おこ
【触手の先】を向けた対象に、【麻痺状態にする電撃】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    アムピトリテさまさま
【毒を持つ蟹足】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はレド・ダークライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●クソリプ
「……それで、貴方はいつ料理を作るの?」
 猟兵たちに詰め寄られ、ポセ男は不敵な笑みを浮かべた。
「ククク……、俺がいつ料理をするかだって? それはな……」
 ポセ男はバッとコックコートを脱ごうとしたが、やはり蟹のような足が引っ掛かって脱げなかった。
「これから! 貴様らを料理してくれる!!」
 猟兵と周囲のキマイラたちは、ありきたりな展開に「はぁ、そうですか」という表情をした。
「バカなやつらめ……貴様らは、自分たちの作る料理によって、まんまと俺様を強化してしまったのだ!! これからたっぷりお礼をしてやるぜェ!? 今日は貴様らの無様な敗北姿をKimatterに投稿し、バズること間違いなし!!」
 確かに、ポセ男は猟兵たちの料理を取り込むことにより幾つかのパワーアップを果たしているが、満腹感により回避率や攻撃率が低下している。また、しっかりと着直したコックコートが脱げずに、殊更動きづらそうだ。
 これ以上は平和的解決も望めそうにない。君の手で海神ポセ男に引導を渡してあげよう。
アリシア・マクリントック
そういうことでしたか……それなら、貴方自身が料理される覚悟もできているんですよね。……変身!

ところで貴方はカニ……タコ……サメ?
よくわかりませんが、切り刻んでマリネにするのが無難でしょうか。

あの足?は力が強そうですから捕まらないように気を付けた方がよさそうですね。なんだかヌメヌメしてそう……
刃も通りにくそうですから、属性攻撃で凍らせられないかしら。そのまま攻撃するなら背中のカニの腕?の関節あたりが弱そうですね。叩いたらポキっとなりません?
なんだかよくわかりませんがとにかくバラバラにしてしまえばいいのです!
「もしかして……イカ?それだったらレシピを考え直さないといけませんね。」



●マタドール
「うわっはっはっは! 間抜けなヤツらめ。貴様らは刻んだり、炒めたりして、あの世に送ってやろう」
 調子付く怪人を見て、アリシア・マクリントック(旅するお嬢様・f01607)がゆらりと立ち上がる。
「貴方……そこまで仰るなら、ご自分が料理される覚悟もしてきているんですよね……?」
 どちらかというと、怪人の方が料理されやすそうな見た目をしている。
「うるさい! まずは生意気な貴様からだ!! "ヒッポカムポス、わっしょい"!!」
 怪人がそう叫ぶと、巨大な馬車が現れた。馬車には半馬半魚の生物"ヒッポカムポスが2頭繋がれており、真っ赤なな瞳でアリシアを見た。
「こいつに轢かれれば、一瞬でハンバーグよォ!! 死にな!!」
 ポセ男が勢いよく手綱を振るうと、馬車が猛スピードで走り出した。その進路の真正面にはアリシアが――。
「ふざけないで!! 貴方の方こそカニ鍋の具にしてあげます!!」
 突っ込んできた馬車を、驚異的な跳躍力でかわすアリシア。白いワンピースがはためく。そして、そのままベルトを素早く操作し、セイバークロスを起動する。
「――――変身!!」
 アリシアの身は一瞬で白銀の甲冑に包まれ、馬車の後方へと着地した。額に光るはマクリントック家の紋章――。
 相手を倒し損なったことに気付いたポセ男は、急いでUターンを行い、再びアリシアへと突撃する。
「てゃぁぁあああああああああ!!」
 アリシアは駆け出し、真っ向から馬車に突っ込む。そのまま激突するかのように思われたが――。
「覚悟ッ!!」
 接触の直前で飛び込んだアリシアが、馬車を操るポセ男に肉薄する。既に剣を構え、切っ先は怪人を狙っていた。
「なっ!?」
 ポセ男が慌てて背を向ける。これは好機とばかりに、アリシアが渾身の突きを放つ――が、怪人の背に生えた10本の手足によって阻まれた。
「!?」
「へへっ、ところでアンタの手足は何本だい?」
 ポセ男が背中に生えた手足を使い、器用に攻撃を仕掛ける。アリシアが高速で剣で繰り、全ての攻撃をいなす。
「うぐっ……!!」
「ホラホラホラァ!! いつまで持つかな!?」
 接近戦は不利と判断し、アリシアが馬車を飛び降りる。ポセ男は再び距離を取り、助走を付けてアリシアを轢き殺す算段だ。
(「落ち着いて、私……。まずは相手を馬車から降ろさなくては……」)
 アリシアは目を閉じ。呼吸を整える……。そしてカッと目を見開き、剣で馬車に狙いを付けた。
「ホールド!!」
 馬車は大きく回りこんで、アリシアを狙っている。二度も失敗したので、警戒しているのかもしれない。
「…………フィニッシュッ!!!」
 100m以上の距離を高速で突進し、アリシアの剣はヒッポカムポスを2頭とも真横から串刺しにした。
「げ、ゲェーーーーッ!!」
 想定外のダメージに馬車は消失し、ポセ男が地面で転げ回った。
「いだい痛いいだいいだい痛いいだぁぁぁァァアい!!」
 その様子を冷たい眼差しで見下ろすアリシア。ポセ男は抑えた腹部から手を離すと、剣を刺したような傷跡が見え、そこからどろりと青い体液が流れた。
「ハァッ、ハァッ……!! 殺す! 殺してやる……ッ!!」
「あら……随分直接的な言い回しになったんですのね」
 アリシアは剣を正眼に構えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

秦田・麻弓
「えっと、ご飯の後に恋人を料理するっていうことはもしかしてそういう…っ」
まだ恋人プレイの続きのつもりでいます。おっとよだれよだれ…

え、あ、じゃあ敗北姿とかってそういう…強引なのは好きですけど、撮られるのとかはちょっと…

触手は全然アリですし、電気はあんまり効かないと思うし、どんどん来ちゃってくださーいっ
おっとよだれよだれ…


攻撃が向いた所でようやく
「あ、あれ、違う?ホントに攻撃して来てません!?」
ユーベルコードで牽制して離れ、援護射撃での戦闘をちゃんと開始します

あーあ、ちょっと可愛いなーって思ったんですけど…



●国交断絶
「えっ、えっ……一体どういう……」
 一人、シリアスな空気に付いていけない猟兵がいた。妖狐のアーチャー、秦田・麻弓(びびりびりびり・f00217)である。
「も、もしかして、ご飯食べた後に『今度はお前を料理してやるぜ(イケボ)』って、そういう……? や、やーん!」
 どんどん妄想の世界に嵌っていく秦田を見て、怪人と、甲冑を着た猟兵は口をあんぐり。
「いくら私でも、会ったその日になんて……でもでも、そういう強引なのも好きっていうか……あっ、写真とかは後あと問題になるのでやめて欲しいなっ」
『ちげーよ!!』
 怪人と味方から同時に突っ込みが入ったが、秦田の耳には届かない。
「私、触手とかも全然オッケーっていうか? むしろ何時でもウェルカムっていうか? いやーん違うの! そんな目で見ないで! あぁ……そんな目で見られたら私……じゅるり」
 うっとりとした表情で、虚空を見つめる秦田。完全にバッドトリップでフライアウェイである。
「聞けよ!!」
 業を煮やした怪人が、彼女の腕を掴む。ハッと我に返る秦田。
「きゃ……きゃあーーーーっ!! やめてください! 私に乱暴するつもりですね!? エロブックみたいに!! すけべ! へんたい!!」
「そ、そんなことしねぇよ!! 落ち着けって!!」
 これから殺そうとしている相手を何故か気遣うポセ男。全く想定していなかった事態に困惑を隠せない。秦田は聞く耳を持たず、手を振りほどこうと必死に暴れる。
「はっ、なっ、しっ、てっ……」
「――――え?」
 帯電により、秦田の髪が逆立つ。そして、全身からパチパチという静電気のような音が聞こえ始めた。
「くださーーーーーーいっ!!」
「ぎひょわごびにょわべひにょげべひゃ゛っ!!!!」
 防衛本能により、秦田は、腕を掴んでいたポセ男に対して高電圧の電気を流し込んだ。こうかはばつぐんだ!

 ポセ男は、身体のあちこちが焦げるほど、激しい電流を浴びた。
「ぐ、ぐぬぅ……」
「もう! いきなり女の子の手を握っちゃダメですよ! 失礼じゃないですか!!」
「……え?」
 未だに勘違いを続ける彼女に、呆気に取られるポセ男。秦田はそんなポセ男の表情など無視して、一人で頬を赤らめた。
「……それに私……ポセ男さんのこと、ちょっと良いなって思ってたのに……」
「えぇーーーーっ!!」
 ポセ男はアッパーを受けたかのように大きく吹っ飛び、ぴくぴくと痙攣して動かなくなった。肉体的にも精神的にも大ダメージを受けた彼は、しばらく立ち直れないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

水心子・静柄
お決まりの展開ね。でも女性に手料理を作ってもらって(自分も含む)、必要以上に優しくしてもらって(自分も含む)、この世界も満更じゃないと思ったんじゃないかしら?

そこであえて(恫喝というなの恐喝で)質問するわ。「女性に優しくされて、この世界も良いなっと思わなかった?」と。ここで怪人の意地を見せて、否定的な事を口にしたら天晴よね。逆に本音を言ってきたら…男ってバカよね。こっちは仕事なの、そんな演技に決まってるじゃない、と優しく真実を教えてあげるわ。

とりあえず、激おこで触手を向けられる事になっても、避けられないなら僅かながらの電撃耐性で耐えるわ。



●緊箍児
「大体予想できた展開ね」
 突如襲い掛かってきた怪人に対し、水心子・静柄(剣の舞姫・f05492)はクールに言い放った。
「でも、貴方の方はどうなの? 女の子達の手料理が食べられて、少しは嬉しかったんじゃない?」
「お前が言うなよ。あんなにモヤシを食わせやがって……」
 水心子はしっかりと名前を覚えられ、ブラックリストに登録されているようだ。
「あら、心外ね。あれでも一応、私が自ら腕を振るったのに」
 彼女はちっとも心外では無い様子で返事をした。

「それはさておき……」
 水心子が、ゆっくりとした足取りで怪人の正面に移動する。
「あれだけチヤホヤされたら、この世界を滅ぼそうっていう気持ちも無くなってしまったのではないかしら?」
 意図的に怪人と目を合わせて質問する。そう、水心子はポセ男を己の術中に陥れたのだ。
「ハァ? 何言ってんだ、そんなわけ――」
 一笑に付そうとしたポセ男だったが、答え用とした瞬間に、腹部が捻れるように痛み出した。
「あだだだだだだだだだだっ!! なん、何なんだこれは……!?」
「おほほほほ……嘘をつくと、身のためにならないわよ。正直に答えなさい」
「ぜ、ぜんっぜん楽しいなんて思ってな……!! いでででででででっ!!」
 ポセ男が、痛みに悶えて転げ回る。胴には、先ほど剣で刺された傷もある。
「ハァーッ、ハァーッ! わ、わかった。認めよう。俺も少しは浮かれているところがあった……だがしかし! だからといって、貴様らを根絶やしにするという目的を忘れたわけではない!!」
 妥協案で回避してきた。これはさすがに嘘ではなかったのか、ポセ男が痛みを訴えることはなかった。
「ふうん……そう……。ところで、私達が貴方のことをどう思ってるか気になるかしら?」
「は!? バカ言え!! そんなの気になるわけが……いてててててて!! 気になる! めちゃくちゃ気になりますぅ!!」
 何度やっても学ばないポセ男が、悲痛な叫び声を上げる。
「じゃあ教えてあげるわ。……それはね……」
 水心子が、ポセ男の耳元に口を寄せる。怪人は大人しく、彼女の言葉を待った。
「……、……」
「えぇっ!?」
「…………。……、…………」
「えええええええええ!?」
 水心子に何事かを呟かれたポセ男は、ガクッと膝を着き――膝は無いので、何かこう程よく倒れ込み、その表情は絶望に染まった。
「バカね。女なんて、そんなものよ」
 捨て台詞を吐き、水心子はくるりと背を向けた。彼女の追い討ちにより、ポセ男の傷口と精神は更にボロボロにされた。

成功 🔵​🔵​🔴​

竜洞・梓
POW
ぷー! せっかくご飯作ってあげたのに、恩を仇で返すつもりですね!
やっぱりオブリビオンはゆるせません!

トリニティ・エンハンス! 私の拳が揺らめき燃える!(炎属性付与
まじかる☆どらくる☆パンチをくらえー! ですよ!(いっぱいのお腹に容赦の無い腹パン(「鎧砕き」「傷口をえぐる」を使用
馬車ごとふっとばしてあげます! お星様になーれっ!

……ところで。
こう、なんていうか……そもそも、この人何がしたかったんですかね?(ぽややや?(分かってない(何一つ理解してない



●エレメント
「そんなっ! せっかくお料理を作ってあげたのに、恩を仇で返すつもりですねっ!!」
 竜洞・梓(まじかる☆どらくる・f11833)が、ぷんすかと怒りを顕にするが、怒った顔も可愛い。これには怪人もリアクションを取りづらそうだ。
「ふ、フン……騙される方が悪いんだよ……。そもそも俺たちは敵同士、仲良くお料理してる方がおかしいんだよっ!!」
「これだからオブリビオンは……もう絶対許しません!! 謝っても遅いんですからね!」
 反省どころか煽ってくる始末。もう容赦は要らないと、梓は戦闘態勢を取った。

「ガスコンロから火の力を貰って、ぱわーあっぷ!!」
 カンフーのようなポーズを取って、梓が高らかに叫ぶ。唐突な展開に、怪人と味方の猟兵たちがキョトンとする。
「水道から水の力を貰ってパワーアップ!!」
 ちょっと恥ずかしそうにしつつ、梓が水道の蛇口を捻る。じゃーと勢いよく水が出るが、とくに何かに使うわけでもないので勿体無い。
「そして……ええと、その辺のそよ風から風の力を貰ってパワーアップ!!!」
 完全なネタ切れである。梓も、ちょっと無理があるかなと思いつつ、チラチラと相手の様子を伺っている。
「三位一体、トリニティ・エンハンス! さぁ! わたしの怒りの拳を受けなさい!!」
「やれやれ、何を言い出すかと思えば……。お譲ちゃん、ケガをしないうちに帰りな」
「むーっ! バカにしましたね!! そこまで言うなら、目にモノ見せてあげます!!」
(「ん……?」)
 梓が右腕に力を込める。一瞬、手の周囲が陽炎のように揺らいで見えたが、ポセ男は気のせいだと思った。
「くらえ!! まじかる☆どらくる☆ぱんち!!!!」
「うおっ」
 驚異的なスピードで、梓が右腕を振るう。あまりの迫力にポセ男が思わず避けたが、その行動が彼の命を救った。
 梓の拳は、怪人にこそ当たらなかったものの、そこにたまたま配置されていた冷蔵庫に当たった。梓に殴られた冷蔵庫は大きく凹み、爆音とともに20メートルぐらい吹き飛んだのである。
「あ……あ……あぁ……!?」
 ポセ男は顎が外れそうなくらい、口をあんぐりと開けた。一方、梓は「外しちゃいました」と落ち込んで見せた。
「まぁ、いいや。下手な鉄砲も、数撃てば当たりますもんね! いきますよぉ!!」
「ちょっと待って! 本当すまんかった!! もうこんな戦いはやめよう!!」
 怪人が見苦しく命乞いをする。あまりの豹変ぶりに、梓は驚いたような表情をしたが、やがてニッコリと笑った。
「……さっき、言ったじゃないですか。謝っても遅いって」

「まじかる☆ぱんち! どらくる☆ぱんち! もいっちょまじかる☆ぱんち!! そしてこれが……トドメの、まじかる☆どらくる☆さんだー☆ぱんちだぁーーーっ!!」
 そう高らかに叫びつつ、梓は怪人を蹴り上げた。ポセ男はボロクズのようになって吹き飛び、冷蔵庫よりも更に向こう側に落ちた。

「正義は勝つ!!」
 梓は勝利ポーズを決めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ノーラ・モーリス
まったくもって、ダメダメね
熱い~お仕置きをしてあげるわ
「そういう風に自分勝手だからモテないし、女の子にも目を向けられないのよ。自分勝手な男に誰がついていくの?ダメンズが好きな子もいるけど、今までの時間を無駄と思いたくないという錯覚だから冷めたら捨てるのも早いのよ?自身の問題点とちゃんと向き合いなさい」
と言ってからウィザードミサイルによる火炎【属性攻撃】からのエレメンタルファンタジアで更に火の精霊たちで業火による【全力攻撃】
【衝撃波】で前掛け部分がめくれても気にせず堂々としてるわ
怪人さんには【誘惑】に見えるかもしれないわね
まぁ、【ウィザードミサイル】を撃つんだけど



●送り火
「まったく……ダメねぇ、貴方のように自分勝手では。そんなんじゃ、誰も付いて来てくれないわよ?」
「あ、アンタは……!!」
 殴る蹴るの暴行でボロボロになった怪人が起き上がると、次はノーラ・モーリス(自由を謳う魔女・f06864)が目の前に立ちはだかった。
「たまに、ダメ男でも好意を寄せてくださる奇特な方もいらっしゃるけど、それはもう恋愛というより介護じゃないかしら? 貴方もそんな女性に甘えていないで、自立した男性にならないと」
「へっ……返す言葉もねぇ……」
 ポセ男は自嘲気味に呟いた。
「……俺にはアンタを攻撃することなんて出来ない……。一思いにやってくんな」
 ノーラの色香とナポリタンに、すっかりやられたポセ男は、もう抵抗する意志も失くしているように見えた。
「あら……潔い男の人は好きよ」
 ノーラの右手に火が灯る。そして何言か呟くと、背後に無数の炎の矢が浮かぶ。その標的は、勿論ポセ男だ。
「あぁ……綺麗だ……。まるで……」
 ポセ男が何か言いかけたが、その言葉を最後まで聞き取ることはできなかった。
「生まれ変わったら、また逢いましょ?」
 ノーラが悪戯っぽく投げキッスをする。それと同時に、矢の雨が怪人に降り注ぐ。ポセ男は宣言通り一歩も動かず、全ての攻撃を一身に受けた。辺りが砂埃で視認不可能になる。

 砂埃が晴れると、そこには元の姿が分からなくなった"物体"が転がっていた。

●海の家
「やれやれ……依頼とはいえ、敵のために料理を作るのは何だか納得いかなかったわね」
「そうですかぁ? 私は皆でお料理できて楽しかったですけど」
 魔法少女っぽい格好の猟兵は、塩やきそばを頬張りながら答えた。戦いが終わった後、猟兵たちはお互いの作った料理を食べたり、一般人に振舞ったりしていた。
「おかわりもまだありますので、欲しい方がいらっしゃったら言ってくださいね」
「モヤシもあるわよ」
 モヤシはともかく、基本的に猟兵たちの作った料理は好評なようだった。女性が多いこともあり、中にはナンパが目的の輩もいるようだが……。
「えぇ~? そんな、困りますぅ……。『料理の得意な女の子をお嫁さんにしたかった』なんて言われても……」
 緑髪の猟兵が、しつこく男に言い寄られている。しかし、あまり困っているように見えないのは気のせいだろうか。その様子を見て、他の猟兵がやれやれと首を振った。
「まったく……。それにしても暑いわね」
 うだるような夏の日差しを見上げ、ノーラは独り言のように呟いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月01日
宿敵 『海神ポセ男』 を撃破!


挿絵イラスト