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帝竜戦役⑨〜嘆きの山体

#アックス&ウィザーズ #戦争 #帝竜戦役 #帝竜 #ガルシェン #群竜大陸

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●沼沢に響く
 むせ返るような毒気が、足元から立ち昇って視界を覆い尽くす。
 繁茂する植物のエリアを抜けた先にあったのは、見渡す限りの広大な沼沢地だった。
 そして、『見渡す限り』の巨獣だった。

「わたしは本当に、かつて界を渡るものだったのでしょうか。
 本当に、このように逞しく、美しい姿をしていたのでしょうか」

 山とも見紛う巨体を動かして、巨獣は天を見上げて呟く。
 なぜ自分がここにいるのか――遠い記憶を探ろうとしても、答えを得ることはない。それどころか辿る記憶すら獣には残っていない。

「いずれにしろ、今のわたしが『存在してはならないこと』は分かります。
 意思だけではとても抑えきれない破壊の力が、肉体に――誰かがわたしを殺してくれなければ、わたしは世界を――」

 地鳴りのような咆哮が、浅い水面を震わせる。
 まるで何かを求めるかのように、巨獣の叫びは響きつづけた。

●グリモアベースにて
「毒ガスの満ちた沼沢……そこに帝竜『ガルシェン』がいる」
 例によってグリモアから映像を投影しながら、プルート・アイスマインドは集まった猟兵たちに帝竜の姿を披露した。
 大きい。
 帝竜ガルシェンは、途方もない巨体を沼沢地に横たえていた。
「『創世巨獣』という異名さえ持つガルシェンの体躯は数十kmに及ぶ。見た目通りその生命力は絶大でな、体内には無限の生命を内包している」
 猟兵たちが怪訝そうな目を向けると、プルートは自身の憑依体に掌を当てる。
「体内でありとあらゆる生命が、絶えず進化と絶滅を繰り返しているのだ。その淘汰の末に生まれる生命は、おまえたちが戦う上でも脅威となる」
 帝竜ガルシェンは超進化した生命を猟兵たちにけしかけてくるらしい。それ以外にも自身を更に巨大化させたり、無数の巨大スライムを飛ばしてきたりと、圧倒的な物量でもって襲いかかってくるだろう。
 ――が、その強大な力とは裏腹に、ガルシェンは破壊や殺戮を望んではいない。
 プルートはそう言った。
「奴は、自分が世界を破壊する前に自分が殺されることを望んでいる。ガルシェンもまた、帝竜として『再孵化』させられたことで歪められているのかもしれん」
 そうであるならば――。
 プルートはグリモアを煌めかせて、猟兵たちを毒ガス満ちる沼沢地『生々流転沼』へと送り出す。
「奴が待ち望む『殺す者』に、おまえたちがなってやってくれ」


星垣えん
 というわけで星垣えんでございます。
 帝竜が1体『ガルシェン』が今回の相手となります。

 帝竜ガルシェンは必ず先制攻撃をしてくる強敵ですが、ユーベルコードへの対処法を編み出すことでプレイングボーナスを得ることができます。
 どう防御して反撃するか、が肝要です。

 それでは、皆様からのプレイング、お待ちしております!
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第1章 ボス戦 『帝竜ガルシェン』

POW   :    創世巨獣ガルシェン
【獣の因子】を使用する事で、【巨大な薔薇】を生やした、自身の身長の3倍の【創世巨獣形態】に変身する。
SPD   :    アンチイェーガー・ギガンティス
いま戦っている対象に有効な【猟兵を殺す毒を宿した『新種の巨大生物』】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    防衛捕食細胞の創造
召喚したレベル×1体の【外敵を飲み込み自爆する『巨大スライム』】に【虫を思わせる薄羽】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。

イラスト:桜木バンビ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

祇条・結月
でかい
気圧されるけど
……壊したくない、って気持ちは痛いくらいわかるから
逃げれない

下手したら一巻の終わりだよね
その脅威から、目を逸らさない
敵の挙動の【見切り】に集中して即応できるように構える

なにか出て来た、って気づいた瞬間に【第六感】の警鐘に従って距離を取る
毒、吹いてるよな
無防備に喰らったらやばい……けど行かなきゃ

小回りを利かせて巨体を潜り抜けるように【ダッシュ】
直撃は避けるけど毒は喰らう【覚悟】は決めてる
【毒耐性】を信じて。それに痛いのは、慣れてるから(【激痛耐性】)
僕は普通の学生
どんな毒だって、致命的だよ
だから慌てないし、足も止めない

駆け抜けざまに竜帝達をまとめて、銀の鍵の光の刃で一閃するね



 でかい。
 果たして本当に生物かと疑ってしまうほど巨大な竜を見上げて、祇条・結月の頭はその一言で埋め尽くされていた。
 けれどそれも一時のこと。
「気圧されるけど……壊したくない、って気持ちは痛いくらいわかるから」
 逃げるという選択はない。逃げられない。
 胸に手を当てて、結月は眼を見開いた。
 眼前の山が動く。大きすぎて細かな動きがほぼ判別できないのだが、それでも集中力を高めて、結月はガルシェンの体から何かが飛び出したのを捕捉した。
「ギアアアアアアアアアッッ!!」
 おぞましい声をあげるのは、人のような形状をとる巨大生物。二つの脚で猛然と走ってくるそれは全身から濁りきった色の何かを噴霧している。
「ギギッ! ギギギッ!!」
「無防備に喰らったらやばい……けど行かなきゃ」
 口元を袖で覆い、心を決めて、地面を蹴りだす結月。
 たちまち巨大生物が腕を振って結月を捕らえようとするが、結月は素早くステップを刻むことでタイミングをずらし、脚の間を潜り抜ける。
 だがそのままガルシェンへ向かおうとした少年の体を、毒霧が蝕む。窒息するような苦しみと激痛が全身を渡ってゆく。
 けれど、それでも。
 結月の脚は強く、大陸の地を蹴りつけて、前に進む。
(「僕は普通の学生……どんな毒だって、致命的だよ」)
 だから『猟兵を殺す毒』だろうと変わらない。
 覚悟で毒をねじ伏せて、銀の鍵を握りこむ。
 眩い光でその身を覆った結月はガルシェンに向けて疾駆。放った光の刃で山体の一部を削り取ると、まるで地底の底から響くような帝竜の呻きが木霊した。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ミスト・ペルメオス
【SPD】

…ままならないものだ。
あれほどの存在を討つしかないとはッ!

愛機たる機械鎧(人型機動兵器)を駆って参戦。
マシンヘルム等を介して念動力を活用、機体をフルコントロール。
スラスターを駆使して飛翔、空中を飛び回りながら戦闘を挑む。

産み出された巨大生物もまた脅威、まずは飛び回って距離を保ちつつの射撃戦で対応。
とはいえそればかりに構ってもいられない。
機を見て【シュラウド・ジャンプドライブ】、空間を繋ぐサイキック・エナジーのゲートを生成し一息に“跳躍”。
巨大生物の間合いを瞬時に飛び越えてガルシェンの懐に飛び込み、全火力を叩きつけ――再度“跳躍”して離脱する。

※他の方との共闘等、歓迎です


ルエリラ・ルエラ
【アドリブ改変・連携歓迎】
今回は自分をどうにかしてくれとか洗脳とかそういうのが多くてテンション上がり切らないね
ごめんね。倒させてもらうね

沼の毒は解毒用の<芋煮ポーション>で効果を中和
新種の巨大生物の毒攻撃は、<メカ・シャーク号>に騎乗して『ダッシュ』したりジグザグに移動して回避に専念。毒ガス攻撃してきたら<芋煮ハンドグレネード>を炸裂させ爆風でガスを吹き飛ばすよ
そのまま閃光弾を投げて、目を潰してこちらを見失ったタイミングで、ブーツに魔力を込めて翼を展開させ一気に『ジャンプ』して『空中戦』
【アインス】で生み出された生物を貫き、そのままガルシェンさんの頭も撃ち抜くよ



 重々しい呻きがやむと、やがて言葉と化した音が猟兵たちの頭上から落ちてきた。
「わたしを殺しに来たのですね。ですがわたしはこの衝動を、殺意を、止めることができません。目の前にいるあなたがたを蹂躙するしかないのです」
 それは非情な宣戦布告。
 しかし声の秘める色は哀願に近かった。
 毒性対策の『芋煮ポーション』を飲み干したルエリラ・ルエラは、空いた容器をポーチに仕舞いながらため息をつく。
「今回は自分をどうにかしてくれとか洗脳とかそういうのが多くてテンション上がり切らないね」
 一足早く猟兵の前に現れた『賢竜』と言い、どうにも気が進まない。
 同じくそう思っていたミスト・ペルメオスもまた、搭乗した機械鎧『ブラックバード』の中でわずかに奥歯を噛みしめる。
「あれほどの存在を討つしかないとは……ままならないものですね」
「ね。まあ、そうも言ってられないみたいだけど」
 ルエリラが指差す前方に現れたのは、二体の巨大生物。今度は有翼の魚類のような奇怪な形をした生物が二人に向けて急降下していた。
「来ましたか、新生物……!」
「毒はまずいからね。とにかく避けまくろう」
 ブラックバードとメカ・シャーク号(サメ型浮遊機)――それぞれ愛機を駆って左右へ散開するミストとルエリラ。
 巨大生物もまた二手に分かれて追ってきたが、ミストは空中を鋭角的に飛び回りながら牽制射撃を浴びせる。
「グァ! グァァ!!」
「毒があると言うなら近づかせるのは得策じゃない。お前にはそこで踊ってもらう!」
 一定の距離を保ち、巨大生物との攻防を続けるミスト。
 その様子を、メカ・シャーク号で巨大生物と低空追いかけっこしていたルエリラは見上げていた。
「このままだと埒が明かないね。ワンアクション入れてみよう」
 そう言って、ジグザグ飛行で巨大生物をまきながら荷物を漁るルエリラ。
 出てきたのは毎度恒例の『芋煮ハンドグレネード』だ。多用途に使えるそれを中空へ放り投げると、閃光が巨大生物たちの感覚をくらませる。
「「グィィィ!!?」」
「今の内だよ、ミスト」
「そうですね。なら先に行かせてもらいます!!」
 ミストが念動力を放出し、ブラックバードの眼前にゲートを作り出す。そこに滑りこむように突入したミストは――瞬きする間もなくガルシェンの懐に跳躍。
 目前。がら空きの胴体。
「! いつの間にわたしとの距離を……」
「くらえッ!!」
 ブラックバードに備わる武装箇所が次々と展開。
 銃弾がガルシェンの体を削り、雨あられと放たれるビームが山体の表面を融解する。
 ダメージが通っているのか、ガルシェンの超巨大な体が前のめりに崩れる。
 そうして下に降りてきた頭部を狙って、ルエリラは弓を引き絞った。
「貫かせてもらうね。全部。ごめんね」
 翼の生えたブーツで大気を踏み、宙に浮かぶルエリラから一条の光が射出される。直線で伸びる青白い閃光は召喚された巨大生物を貫き、なお奔る。
 ガルシェンの頭さえも貫いて、ルエリラの魔矢は彼方へと消えていった。
「うん。命中」
「では離脱しましょう。近くにいるのは危険です!」
 再びゲートを通じて跳躍したミストが、ルエリラを抱えて遠くへと離脱する。倒れこんだガルシェンが巻き上げた毒沼の滴が一帯に降りそそいだのは数秒後のことだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

塩崎・曲人
マジかよクソでけぇ
最初体長の単位間違えて報告してるかと思ったぞオイ
「これ素の人間がどうこうしようって思って良いモンじゃなくね?……とはいえ来ちまったもんはしょうがねぇんだよなぁ。愚痴ってねぇで仕事しますかね!」

さて、親玉のデカブツを相手にする前にやっぱりクソでかい毒生物が前座で来ると
しかも戦場は毒の沼地と来たもんだ
巨大質量だけで十分オレ死ねるんだけど殺意高くね?
「これをどうにかしようと思ったら、頼りたくねぇ切り札に頼るしかねぇな」
相手の先制UCで毒を食らっても、こっちのUCでそれに応じた解毒剤を摂取・解除
んで同時に強化した身体能力で取り巻きをかいくぐって親玉に一撃入れてやるぜ



 毒雨が勢いを弱めてゆく中、塩崎・曲人は伏したガルシェンの姿を眺めていた。
「クソでかすぎだろ。単位間違いじゃねぇのかよ普通間違いだろ数十kmって。これ素の人間がどうこうしようって思って良いモンじゃなくね?」
 誰が聞いてるわけでもないが、それでも曲人は言いたかった。
「わたしのそばにいるのならば、殺します。殺します」
 ガルシェンの呟きが聞こえたと同時、曲人に巨大な影が落ちる。
 頭上。さながら高層建築サイズの八脚の獣が、前触れもなく曲人めがけて落下していた。
「前座のクソでか毒生物か。巨大質量だけで十分オレ死ねるんだけど殺意高くね?」
 状況が突飛すぎる。曲人は無意識になぜか笑ってしまっていた。
 そして笑いながら怪しげな薬を取り出していた。
「これをどうにかしようと思ったら、頼りたくねぇ切り札に頼るしかねぇな」
「ガアアァァァァァァァァァ!!!!」
 開け放った口から毒の息を零しながら、巨大生物が着地して地面を穿つ。衝撃でめくれあがった地面が津波のようにせり上がり、土煙と毒気が辺りを覆い尽くす。
 致命。
 ともすればそうとしか考えられない状況。
 ――が、曲人は無事だった。土煙が晴れてゆくそこには、変動して傾いた地面に斜めに立つ曲人の姿があったのだ。
 口から血が流れているが、しかしそれは負傷ではない。
 巨大生物が落ちる直前に服用していた、解毒用特製ポーションによるものである! 副作用ってやつだね!
「むしろこれのほうが体に悪い気もすんだよなぁ……っと、んなこと言ってねぇで仕事しますかね」
 解毒のついでに超強化した身体能力を発揮して、凸凹の地面を突っ走る曲人。
「何食ったらそんなデカくなんだオラァァァァァ!!!!」
 振り抜いた鉄パイプ(れっきとした武器)が、ガルシェンの体をボッコボコに痛めつけていったァ!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

シル・ウィンディア
うっわぁ…
なにこれ、さっきまでのドラゴンよりさらに大きい…
でも、小さいからって見下すと痛い目合うからね?


対敵UC
…む、虫?
い、いやーーーっ!!こないでーーっ!!(虫が大の苦手)
【第六感】をフル活用で動きを【見切り】全力で回避
【空中戦】で飛び回って【フェイント】【残像】もフル活用
被弾しそうな時は腰部の精霊電磁砲で虫スライムを撃ち落とすよ
あ、【一斉発射】の【なぎ払い】付で

こっちの番は…
虫、怖かったんだからねっ!
【高速詠唱】で隙減らして【多重詠唱】で術式強化
【全力魔法】で限界突破して
エレメンタル・ファランクスっ!

乙女の怒り、思い知ってっ!!

とはいえ、こんな大きいのに接近戦は挑めないしなぁ…



「うっわぁ……なにこれ、さっきまでのドラゴンよりさらに大きい……」
 いくら見上げようとも頂きが覗く気配すらない。
 痛くなる首をさすって、シル・ウィンディアは茫然としていた。
 ――が、数秒後に視界に入ってきたモノを見て、少女の表情は一変した。
「……む、虫? い、いやーーーっ!! こないでーーっ!!」
 悲鳴をあげ、激走を始めるシル。
 走る彼女の後ろには、ブブッ、ブブッ、と虫のような薄羽を震わせる巨大スライムたちが飛び交っていた。
 実はシルさん、大の虫嫌いである。
「飛ばないで寄らないでこっちこないでーーっ!!!」
 半ば狂乱したように空中を飛び回りながら、精霊電磁砲『エレメンタル・レールキャノン』を乱射するシル。横一列に並んだ巨大スライムを焼き払いながら、しかし背後から忍び寄った個体を見もせずに避けるのは明らかに強キャラだった。
 一分後。
 戦場には、肩で息をするエルフっ娘が無惨に溶けたスライムの残骸に囲まれてる、というイカした光景がひろがっていました。
「わたしのスライムたちを、殲滅するのですか……」
「こんな……こんなことして……許さないんだからねっ!!」
 普通に驚くガルシェンを半泣きの眼で睨み、自身の前方に魔法陣を展開するシル。
 その口が高速で詠唱をこなし、何百という魔力の弾が魔法陣に整列。
 さらに過剰な魔力供給で弾はみるみる膨張。
 で。
「乙女の怒り、思い知ってっ!!」
「ぐ……おおっ!?」
 シルの渾身の多属性魔力砲撃が、ガルシェンの巨体のそこかしこで爆裂音を響かせたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

死之宮・謡
アドリブ歓迎

ヤレヤレ…死にぞこないの介錯か…それにしても、こうも大きいと解釈も楽じゃあないんだが…
死にたいと言いながら死を避けるように身体が我らを襲うその現状、貴様は如何考えている?

全く、死にたがりを殺してやるのは私の趣味じゃないんだがな…
征くぞ…


スライム共には感知を阻害する「呪詛」と幻術と岩辺りの実態を組み合わせたデコイを大量に作り、自身は静寂の術を掛けて対処
(呪詛・全力魔法・属性攻撃)
その後【血濡れの宴】を発動してガルシェンを削りに行かせる

自身は距離を取り、クレイアスターから破邪の大矢で砲撃(破魔・属性攻撃・鎧砕き・衝撃波・占星術)



「ヤレヤレ……死にぞこないの介錯か……」
 砲撃を受けて揺らぐ巨竜を見上げるのは、死之宮・謡。
 その表情は、少しばかり気だるげだ。
「こうも大きいと介錯も楽じゃあないんだが……おまけに死にたいと言いながら身体は我らを襲うときた」
「本意ではありません。しかしわたしを動かす力を、わたしは止められない……」
 再び巨大スライム群を召喚するガルシェン。
 自身を囲んでくるそれらを、謡は冷静な瞳で一瞥した。
「私を喰えると思っているのか?」
 嘲るような一言を告げた瞬間――スライムたちの動きが狂いだす。
 謡との距離を詰めていたはずの敵群はなぜか、周囲の岩や地面に飛びかかったのだ。次々と巻き起こる自爆の炎と爆風で、辺りは何も見えなくなる。
 呪詛と幻術。
 その二つでもってスライムたちを誘爆させた謡は、ガルシェンが自身を見失っている隙に攻撃に転じる。
「宴の時間だ。獲物は巨大竜、好きに殺してやるといい!」
 謡の呼び声に応じて現れるのは、尋常ならざる殺人者たち。
 その数七十九に上るシリアルキラーの軍勢はガルシェンの巨体に殺到。ナイフで切りつけ、銃弾で穿ち、あるいは工具をぶちこんで山体を抉ると、ガルシェンは煙たがって群がる殺人者たちを脚で吹き飛ばした。
 が、そこまでが謡の想定内。
「望みのものを与えてやろう、ガルシェン」
「……!?」
 ガルシェンが見開いた眼に映ったのは、大弓を引き絞る謡の姿。
 つがえた矢は砲弾のように大きく、力を解き放った瞬間にそれはガルシェンの外装を砕き、胴体に深々と突き刺さった。
「死にたがりを殺してやるのは私の趣味じゃないんだがな……」

大成功 🔵​🔵​🔵​

チェリカ・ロンド
うん、飛ばしていくわよ、ロラン(f04258)!
ハロ(f13966)今助けるわ!

ハロが見えたわ!にしてもガルシェンはデカいわね!
これじゃ力押しがどこまで通じるか分からないし、ここは敵に飛び込むハロの援護をしましょ。

毒ガスは【光気】の【オーラ防御】で振り払う。ダメなら……我慢!【激痛耐性】
【空中浮遊】【空中戦】で空を飛んで、スライムを光【属性攻撃】の【衝撃波】で極力吹き飛ばす!
ロランの読みを頼りに、ハロに襲い掛かるスライムを【全力魔法】の【連続チェリカ砲】の弾幕で【なぎ払い】、飛翔に専念してもらうわ!

ハロなら先行していても、私とロランの魔法に気づくはず。
私たちは一人じゃないのよ!決めて、ハロ!


ハロ・シエラ
チェリカさん(f05395)とロランさん(f04258)が助けに来てくれている……ならば、百人力です!
相手が山でも負けられません。
毒ガスは【毒耐性】でしのぎながら戦います。

スライムに捕まらない様に【ダッシュ】で駆け、その間に全体の動きを【見切り】、隙を見てユーベルコードで私も飛びます。
【第六感】も用いて周囲を把握しながら全速力で飛び【空中戦】の要領でスライムを回避、接触しそうになったら【オーラ防御】で弾きます。
敵に辿り着いたら鎌で一刺し。
それ自体は虫の刺す様なものでしょうが【毒使い】により刃から【マヒ攻撃】を伴う毒をありったけ送り込み【継続ダメージ】を与えます。
少しは効いて下さいよ!


ロラン・ヒュッテンブレナー
ハロちゃん(f13966)は先に行ってるみたいなの
チェリカちゃん(f05395)、急ごう

チェリカちゃん、あそこ!
帝竜は大きいし、敵はいっぱいいるけど、援護は任せて

その場で脚を止めて
【高速詠唱】【全力魔法】でUC【狙い定め撃つ破滅の光】を準備
ガルシェンまでの道を開くように撃つよ【範囲攻撃】

撃ちながら【多重詠唱】【高速詠唱】【全力魔法】で魔力が尽きるまで連射してチェリカちゃんとハロちゃんを援護するの
【情報収集】して二人が戦いやすいように
【学習力】でスライムの動きを読むね
二人の魔力を【ハッキング】して接続
情報を送るよ

ぼくが狙われても【オーラ防御】魔術が破られるまで撃ち続けるの
きっと倒してね、二人とも



 巨大スライムたちの羽音が、空域を埋め尽くす。
 猟兵を喰らわんと降下してくる個体を地上でかわしつづけるハロ・シエラは、その数の多さに閉口しはじめていた。
「まるで壁ですね……」
 スライム群の後ろに見えるガルシェンの姿は、遠い。
 ハロは脚を止めず疾走。直上からのスライムの攻撃を縫ってかわし、軽鎧から展開した翼で空へと飛びあがった。
 だが途端に巨大スライムたちが包囲をかけてくる。ハロも全速で飛び回って包囲を抜けようとするが、取りこまれぬよう敵を弾き返すだけで手一杯になる。
「多すぎます……!」
「その身を飲まれ、消えなさい……」
 抉られた身から血を流す巨竜の声で、一斉に群がる巨大スライム。
 しかし身構えたハロに敵群が触れる前に、後方から放たれた無数の光がその包囲網を切り裂いた。四散したスライムたちが落下してゆくさまに驚きつつハロは振り返る。
「ハロ! 援護に来たわよ!」
「追いついてよかったの! ハロちゃん、敵は任せて!」
 手を振って大声を届かせてくるのは、チェリカ・ロンドとロラン・ヒュッテンブレナーの二人だった。チェリカは空中を飛びながら閃光のような衝撃波をまき散らし、地上に立つロランは展開した魔術陣から砲撃じみた光を撃ちまくっている。
 チェリカの衝撃波に弾き飛ばされ、あるいはロランの魔術に消し飛ばされ、群れ集うスライムの密度が減じてゆく。
「チェリカさんとロランさんが助けに来てくれている……ならば、百人力です!」
 再び前方へと向き直るハロ。
 散ってゆく巨大スライムたちの向こうに、山のごときガルシェンの姿が見えた。
「突破します!」
「ハロが飛んでいくわ! こっちも頑張りましょ、ロラン!」
「うん、ハロちゃんの道を切り開くの!」
 翼をひろげて増速するハロを見て、横目に視線を交わすチェリカとロラン。
 ハロに殺到するスライム群の左翼に破壊光で消滅させながら、ロランは巨大スライムたちの移動傾向を観測。けたたましい羽音からも情報を収集して、導き出した向こう数秒の挙動を電脳魔術で二人と共有する。
「これがスライムたちの動きなの!」
「わかりました、ロランさん!」
「さすがねロラン! それじゃあ次は私の見せ場!」
 さながらスポットライトを浴びる演者のように、笑顔を輝かせるチェリカ。
 ロランのおかげでスライムたちの動きの流れが不思議と頭に入ってくる。その中からハロに襲いかかろうとするものすべてを捕捉して、チェリカは両手をかざした。
「はぁぁぁっ! だだだだだだだっ!!」
 撃ち放たれる、何百という閃き。
 大量の聖なる光弾が宙へ飛び出して、スライムたちを撃墜する。
 そうして開いた道を抜けて、ハロはガルシェンに向かって全速で突っこんだ。
「仕上げは任せるわ! 決めて、ハロ!」
「ハロちゃん、お願いなの!」
「任されました!」
 二人の信頼と、援護の閃光を背中に感じながら、大鎌と化した『サーペントベイン』を振りかぶるハロ。
 眼前には山。巨竜の堅固な体にハロのサーペントベインが突き刺さる。
「スライムたちを抜けますか。ですがこの程……度……?」
「痛みは虫の刺すようなものでしょう。けれどこの刃から伝わる麻痺毒は効くはず……! あなたの動きを妨げることができれば十分です!!」
「確かに、体が痺れます……しかし、まだ……わたしを殺すには……」
 途切れ途切れの声を零しながら、未だ倒れぬ帝竜ガルシェン。
 召喚したスライムたちのすべてを倒された竜はいよいよ最後の手段を取る。
 山体は、静かに鳴動を始めていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アウル・トールフォレスト
(※好きにお任せします)
そうなんだ。殺してほしいんだ
わかった
それじゃあ、殺してあげる

けれど、あなたを殺すには今のわたしは小さいみたい

だから
だから

【開花の時は来たれり、我は天地囲う世界樹なり】
わたしは限界を超えて、世界樹たりえる「神体」に変貌する
先制攻撃による負傷も、無いにも等しくなる程に

毒はわたしを侵しきれない
新たな生命もわたしに届かない
世界には世界でぶつかるしか無い
同じになれば、勝つのはより強い意思を持つ方になる

きっと、いつか
わたしもあなたと同じになるんだと思ってる
そう考えるとね、何となくだけれど、あなたの泣く声にもわかった気がして

終わったら、わたしもずっとは泣き続けないから
一緒に眠ろう?


シャルロッテ・ヴェイロン
「自分を殺してくれ」って…。
――まぁ、何ですか、どうしてそんな考えに至ったかはわかりませんが、とりあえず望み通りにやっちゃいますよ?

相手が巨大化する途中で、どんな攻撃が来るかわかりませんから、【オーラ防御】【激痛耐性】でしのぎましょう。で、その間に【選択UC】で能力解析+強化(攻撃力重点)。

で、相手の攻撃を【見切り】つつ、【ATTACK COMMAND】(属性は都度、効果がありそうなのを選択)や【エレクトロレギオン】で攻撃していきましょう(【2回攻撃・一斉発射・誘導弾・乱れ撃ち・制圧射撃・鎧無視攻撃】)。

※アドリブ・連携歓迎


カシム・ディーン
共闘希望

……雄大ですね
自分のちっぽけさが悲しくなりますが
それでも僕は僕です

そして狙いも一つです

巨大なる竜ガルシェン
殺す行為に躊躇いはありませんが
その眼球…頂きます

対POW
【属性攻撃】
光属性を全身に付与
光学迷彩で隠れ
【迷彩】で更に隠蔽

巨大になれば成程小さい物に対する認識は薄くなる

正面からぶつかれるほど僕強くありませんしね

【医術・情報収集】で肉体構造の状態とその変化や動きについて解析

他の猟兵との激突の中静かに接近

上りながら目と思しき場所へと距離を詰め

わたぬき発動
奪い取るは眼球
とはいえ全部は厳しくともせめて一部を奪いその機能を停止させる

【溜め攻撃・盗み攻撃・盗み】で精度を強化
ちょっと目玉を集めてます



「わたしを……殺すのです……」
 絞りだすような声で願うガルシェンの体は、見る間に大きくなってゆく。
 まるで風船に空気を入れこむように、いとも簡単に。
「わたしを傷つけられる者たちよ、わたしが世界を殺す前に……わたしを……わたしをォォ…………!!!」
 ただでさえ巨大な体を、さらにはるかな威容に変えて、ガルシェンは咆哮した。
「『自分を殺してくれ』って……」
 辺りに放たれる薔薇の香気を感じつつ、シャルロッテ・ヴェイロンがため息をつく。
「まぁ、何ですか、どうしてそんな考えに至ったかはわかりませんが、とりあえず望み通りにやっちゃいますよ?」
「訊くまでもないことです……早く、早く……!!!」
 ガルシェンの――創世巨獣の足が、シャルロッテを潰さんと直上から降ってくる。辺り一帯が夜のように暗くなる中、シャルロッテは防御のためのオーラを張る。
 衝撃。
 オーラ壁を踏み割って落ちてくる足。だがオーラがわずか一瞬、足を止めた隙にシャルロッテはガルシェンの戦闘能力の解析を終えていた。
「あなたに有効な攻撃はこれですね!」
 ノートPCのキーボードを滑るシャルロッテの指。すると一瞬で特殊な攻撃用プログラムが起動し、無数の氷像がガルシェンめがけて飛びあがってゆく。
 その一発一発が当たるたび、ガルシェンの体に氷結がひろがった。
「わたしの体が……凍って……!」
「生命の敵といえばやっぱり低温ですよね。ということであとはバトンタッチしますね、カシムさん」
「はい。助かりました、シャルロッテさん」
 シャルロッテの呼びかけに応じて、ガルシェンの体表から声が放たれる。
 誰の声かと意識を向けるガルシェンだが、その眼は何も捉えることができない。視線を向けるには自分の体は大きすぎたのだ。
 それに、仮に十二分に観察できたとしても、巨竜には見えなかっただろう。
 己の身を巧みに光学迷彩で隠す少年盗賊――カシム・ディーンの姿は。
「何が……わたしにしがみついているのです……?」
「……雄大ですね。自分のちっぽけさが悲しくなりますが、それでも僕は僕です」
 自身の足が乗っている竜の体を、その巨大さを踏みしめて、カシムは走る。
 ガルシェンの体を駆けのぼる。
 目指す先は――ガルシェンの頭部だった。
「巨大なる竜ガルシェン。殺す行為に躊躇いはありませんが、その眼球……頂きます」
「!!」
 自分の顔の上を駆けてくるカシムを、その光学迷彩の揺らぎをようやく視認するガルシェン。だが低温に晒されている体は思うように動かず、もはや眼球めがけて手を伸ばしてくるカシムを止めることは不可能だった。
「万物の根源よ。我が手に全てを奪う力を示せ」
「オ……オオオォォォ!!?」
 研ぎ澄まされたカシムの手――盗みの絶技が、ガルシェンの眼球を突き抜ける。
 巨大すぎる眼球は抜きとれない。だがカシムの手は的確に眼球のいわば急所を捉え、巨竜は痛烈なダメージに棹立ちになる。
 暴れ馬のように、山体が起き上がる。
 そうして浮いた体の下に、いつの間にか大きな少女が忍びこんでいた。
「殺してほしいんだよね。わかった。それじゃあ、殺してあげる」
 自らの胸に手を当てて、金髪の少女――アウル・トールフォレストは天を仰ぐ。
 ガルシェンもまた、アウルのことを見下ろしていた。
「けれど、あなたを殺すには今のわたしは小さいみたい」
 だから。
 だから。
 そう二つ繰り返して、アウルがユーベルコードを発動する。
 次の瞬間、アウルの体は『成長』を始めた。元々大きいバイオモンスターの身体はさながら植物のように伸びて、伸びて、天に届かんばかりに巨大化する。
 そして――。
「――あ――ぁ――a――A――iyA――AAAAAAAAAA!!!」
「わ、わたしに並ぶほど、大きく……!?」
 ガルシェンとアウルは、並び立っていた。
 いや、むしろアウルのほうが巨竜よりも大きいかもしれない。世界を支える樹――世界樹ともいえる存在となったアウルはその両手でもってガルシェンを抱きすくめた。
「きっと、いつか。わたしもあなたと同じになるんだと思ってる。そう考えるとね、何となくだけれど、あなたの泣く声にもわかった気がして」
「あぁ、わたしは……これで……」
「終わったら、わたしもずっとは泣き続けないから。だから、一緒に眠ろう?」
 アウルの体から木の根が伸び、ガルシェンにぐるぐると巻きつく。
 傷だらけの巨竜の体はその力に圧されるまま崩壊を始めて、零れ落ちる破片が毒沼に落ちては大波を作り出した。やがてその音も聞こえなくなって、死を望んだ帝竜は欠片も残さず世界から消えたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月15日


挿絵イラスト