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帝竜戦役⑦〜かつて賢竜と呼ばれしモノ

#アックス&ウィザーズ #戦争 #帝竜戦役 #帝竜 #オアニーヴ #群竜大陸

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●グリモアベースにて
「皆様、新たな帝竜が発見されました。その名は『帝竜オアニーヴ』、その頭部に禍々しき面をつけた白き竜です」

 グリモアベースで猟兵たちを出迎えたアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)の説明では今回の帝竜は前回のカダスフィアとは違うらしい。

「どうやらこのオアニーヴは以前の戦争で討伐した大魔王のことを知っている様子。それが何故なのかはわかりませんが頭部の面も大魔王由来のモノの様です。しかしそのことを聞き出すのは難しいでしょう。オアニーヴは仮面の洗脳に対抗することで精いっぱい。こちらと会話をすることはできないと思われます」

 オアニーヴがいるのは大地を埋め尽くすほどの魔法蒸気機械群が並ぶ場所。なぜこの世界、この大陸にそんなものがあるかはわからない。彼の世界と無関係というわけではないだろう。

「相手の事情は分かりませんが今のオアニーヴは当機たち猟兵の前に立ち塞がる敵です。オアニーヴを倒さなければヴァルギリオスへは到達できないでしょう。故にここで討つしかないのです」

 どんな事情があったとしても敵は敵。障害を払いのけねばこの帝竜戦役に勝利することはできない。それだけは何としてでも避けなければならない。それが例えかつて賢竜と呼ばれた存在であっても。

「謎に包まれた相手ですが皆様ならば打ち倒せると当機は信じております。どうかご武運を」

 こうしてカーテシーと共に猟兵たちの転移が開始された。


灰色幽霊
 どうも、灰色幽霊です。
 今回の戦争初の幹部戦となります。

 相手は帝竜『オアニーヴ』。
 また例の如く今回も『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』ことでプレイングボーナスが発生いたします。帝竜は確実に先制してきますのでどう防ぎ、どう反撃するかをお考え下さい。

 今回は幹部戦ですので基本的に『成功』か『大成功』のプレイングのみリプレイを執筆しますのでご了承ください。
 その他注意事項などはMSページもご覧ください。
 それでは皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『帝竜オアニーヴ』

POW   :    竜操の仮面
【頭部を覆う仮面が邪悪な光を放つ状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    賢竜オアニーヴのはばたき
【戦意を弱らせる聖なる光】【光輝く爪による引き裂き攻撃】【六翼の羽ばたきが巻き起こす浄化の風】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    ダンジョンメーカー
戦場全体に、【魔導蒸気機械と金属のパイプ群】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リネットヒロコ・マギアウィゼルーク
“ダンジョンメーカー”……魔導科学を専攻する者として、
「あなた」とお話してみたかったです~……

せめて、「あなた」が造った装置で戦いましょう。

ダンジョン内のトラップがダメージソースだと考えます~
そして「戦場全体」がダンジョン化しますから相手もダンジョン内にいますよね~

【エクレール・クリエイション】でアイテム『ガジェット・ガントレット』を改造しまして~
ダンジョン内からダンジョンメーカーへのハッキングを試みます~。

ダンジョン内のトラップを全て“大魔王”へ向けさせていただきますよ~!
オアニーヴさんの智慧を味わってくださいっ!!

改造完了までの一時しのぎにはアイテム「スケープシープちゃん」を使います~。


ミラリア・レリクストゥラ
帝竜とは…別世界の存在でもあるのでしょうか?

【WIZ】

…いえ、今するべきは考えるよりも、この竜を倒す事ですね。
先の戦争で討ち斃されたはずの大魔王由来というなら、尚の事放っておけません!
皆さんの援護、を!?これは…迷宮が造られていく!?

機械仕掛けの迷宮…戦場に入った時点で機械だらけでしたが、一層複雑になってますね。
ですがこの材質…無機物であるなら【過去は過去たる地へ沈む】を唄って、土塊に変換できる!
何度発動されようと、唄い続ける限り私の周囲に迷宮は存在しません!

然る後、土塊の操作で味方の援護を!
この土は現存しない物に対しては耐久力が高い物!変形次第で捕縛以外にも防御や足場化など、色々できますよ!



●迷宮を操るモノ

『来たか……挑戦者共よ』

 大地を埋め尽くすほどの魔法蒸気機械群。その中心にソレはいた。帝竜オアニーヴ、かつて賢竜と呼ばれたそれは禍々しき面をつけ猟兵たちを出迎える。

『まずは貴様らの智慧を見せるがいい』

 主の声に従いその有様を変貌していく魔法蒸気機械たち。創りあげられるのはオアニーヴの代名詞ともいえるダンジョン。呪われ、その自我が喪われようともダンジョンメーカーの腕は健在だった。

 迷宮に囚われ、分断される猟兵たち。このままでは各個撃破のいい的。しかしそれに抗う者がいる。

「“ダンジョンメーカー”……魔導科学を専攻する者として、『あなた』とお話してみたかったです~……」
「機械仕掛けの迷宮……戦場に入った時点で機械だらけでしたが、一層複雑になってますね」

 リネットヒロコ・マギアウィゼルーク(【魔導科学者】マギア=ウィゼルーク・リネット・博子・f01528)とミラリア・レリクストゥラ(目覚めの唄の尖晶石・f21929)は迷宮の一角で共に隔離されていた。
 周囲を見渡せば迷宮ご自慢のトラップが仕込まれていることがわかる。できた直後の今は起動していないが動き出すのも時間の問題だろう。

「まずはこの迷宮を攻略しませんと……」
「わたしにいい考えがあります」

 キラリとリネットヒロコの眼鏡が光る。

「ですがちょっと準備に時間がかかるのでお時間を稼いでいただきたいのです~」
「それくらいならば喜んで」


『迷宮に呑まれるか、それとも我の元へ辿り着くか。汝らの選択を見せるがいい』

 起動する迷宮の罠。その全てが狙うの挑戦者たる猟兵たち。

「わたしは『あなた』が造った装置で戦いましょう」

 リネットヒロコは【高速工作 エクレール・クリエイション】を発動し、機械工作用の様々なツールが内蔵されている自身の篭手『万能魔導工具・ガジェットガントレット』をこの場で改造する、付与する機能は迷宮への物理的なハッキング。つまりリネットヒロコはこのダンジョンのトラップ操作権を奪い取り、そっくりそのまま武器として使うつもりなのだ。
 だがそのためには少々時間が要る。篭手を改造する時間とハッキングを行うための時間。敵はそんな時間を悠長に待ってくれはしない。

 壁に備え付けられたクロスボウがリネットヒロコを狙い、放たれる。

「―――♪」

 しかし矢はリネットヒロコに届くことなく土塊へと変わる。戦場へ満ちるミラリアの歌声【過去は過去たる地へ沈む】が周囲の無機物を土塊へと変えたのだ。これでミラリアが歌い続ける限り2人の周囲に存在する仕掛けは無効化され、リネットヒロコはハッキングに専念できる。

「ふむふむ、これはなかなか~」

 罠の解析を終えたリネットヒロコはこの迷宮の完成度に舌を巻く。確かに賢竜の名を冠すだけのことはある。だからこそその賢竜と語り合いたかった。帝竜などではなく。

「解析完了。いっきますよ~」

 迷宮の掌握は完了した。これで全ての罠と仕掛けはリネットヒロコの思うがまま。狙うは中心に座すオアニーヴ。

『汝らの智慧はそこまで来ていたか』

 主であるオアニーヴは迷宮内の仕掛けの操作権が奪われたことももちろん察知していた。相手は直接戦うのに値する相手。迷宮内の仕掛けが全てこちらを向いている以上この場に居続けるわけにはいかない。場所を変え、仕切り直そうと羽ばたいたその瞬間―――自らもまた囚われていたことに気がつく。

 大地から伸びる土の鎖がオアニーヴを繋ぎ止め、刹那の隙を作り出す。それはミラリアが忍ばせ、この瞬間まで隠し続けたモノ。
 オアニーヴが鎖を引きちぎった時にはもう遅い。


 迷宮のありとあらゆる仕掛けが創造主に反逆し、その身体を貫いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

伊美砂・アクアノート
【SPD 羅漢銭・須臾打】
先手取られて迷宮に閉じ込められるなら、もう全力で最速最短で走り抜けるっきゃない! ダンジョン攻略リアルタイムアタック、はっじまーるよー! 【鍵開け、暗視、罠使い、見切り、偵察、第六感、視力、聞き耳、忍び足】……本職シーフをナメるなよ…! 個人としての戦闘力はともかく、ちゃんと出口があるタイプの迷宮なら踏破してみせるわ! 戦闘は速度優先、隠し持った暗器を【投擲、早業、援護射撃】で投げつけるスタイル。ーーーにゃはは、狙わせてもらうぜ…竜殺し! 中々にキビしいとは思うのだが、己のコイン投げでどこまで届くか試してみたくてなー。鱗の装甲を撃ち抜けるか、それが問題だ…っ!


マックス・アーキボルト
伝説の賢竜、オアニーヴ…まさか敵に回す事になるなんて…群竜大陸に存在するこの魔法蒸気機械群にも驚かされる

心も体も強さをかき消していく攻撃…〈ダッシュ・地形の利用〉で機械群の中を逃げ回るしかない!戦意も弱まって丁度良い!
爪はジャンプ・スライディングも加えて全力回避!風は機械を遮蔽物に出来れば…!

こちらからの攻撃…まずは弱まった戦意をもう一度固める!マキナエンジンの力で精神的な〈封印を解き〉、優しさを決意に変える!
賢竜は…大魔王に操られているんだ。引き金を引くのをためらえば、オアニーヴが苦しむことになる!

【UC】発動!超加速で魔力弾を浴びせて一気に勝負を決める!



●羽ばたくモノ

 迷宮の仕掛けが無効化されたとはいえ、迷宮自体は未だ健在だった。つまり、オアニーヴに辿り着くためにはこの迷宮を踏破しなければならない。

「……本職シーフをナメるなよ…!」
「……どうするんだい?」

 それは伊美砂・アクアノート(さいはての水香・f00329)とマックス・アーキボルト(ブラスハート・マクスウェル・f10252)の2人も変わらない。どこかの誰かが仕掛けを無効化してくれたおかげで大分楽に放ったがそれでもこの迷宮は複雑で広大である。

「全力で最速最短で走り抜けるっきゃない! ダンジョン攻略リアルタイムアタック、はっじまーるよー!」
「えぇ……」


 そんなわけで伊美砂とマックスのダンジョンタイムアタックが始まった。

「ここは……右!」
「そっちはさっき通ったような……」

 伊美砂のシーフとしての直感を頼りに2人は迷宮を進む。

「罠があるわ! 気をつけて!」
「……もう止まってない?」

 その道中に待ち構える様々な困難。

「行き止まり……!?」
「多分この仕掛けを……あ、開いた」

 2人は力を合わせ、乗り越え進む。
 出口のある迷宮であるのなら踏破できぬはずがない。


『罠が無くなったとはいえ迷宮を超えて来るか、挑戦者よ』
「ええ、あの程度の迷宮お茶の子さいさいよ!」
「やっと抜けた……」

 オアニーヴは既に迷宮から抜け、その先の魔法蒸気機械群へ降り立っていた。仕掛けが無効化され、自身を狙う以上中にいる意味はなくなったのだろう。その身体には少なくない傷が刻まれていた。

『次の相手は我自身。超えてみせよ』

 その言葉が開戦の合図、オアニーヴは羽ばたき空へ。戦場は六翼が起こす浄化の風が吹き荒れる。

「くっ!」
「これはまずい!」

 たまらず魔法機械の後ろに隠れる2人。このままでは攻撃に移ることもできない。
 そしてオアニーヴの攻撃はこれだけではない。

『それが無意味だと教えてやろう』

 吹き荒れる風はそのままにオアニーヴの戦場に光が降り注ぐ。その光を浴びた者は戦意を奪われ、戦う意思が消えていく。つまりこのまま隠れ続けていてもいつか2人は戦う意思を無くし、蹂躙されるのを待つことになる。

「どうすれば……」
「―――にゃはは」

 こんな状況で伊美砂は笑う。戦う意思はまだ消えず。吹き荒れる風の中でできることはまだ残っている。

「狙わせてもらうぜ……竜殺し!」

 ここに来たのはただそのため。己のコインがどこまで届くのかを試してみたい、ただそれだけが伊美砂の原動力だった。
 確かにこの風では厳しいだろう。だがやらぬ理由になりはしない。

「あたしが隙を作るからあとはいい感じにやっちゃって」
「え―――」

 マックスの返答も待たず伊美砂は物陰から飛び出した。袖口に忍ばされたコイン。狙うのは刹那の隙。
 六翼が羽ばたくその瞬間を狙いすまし、伊美砂の【羅漢銭・須臾打】が放たれる。
 放たれたコインはただ一直線にオアニーヴの頭部の仮面へ吸い込まれていく。甲高い音をたて弾かれるコイン。ダメージらしいダメージは与えられていないだろう。

『なに?』

 しかし羽ばたきを一瞬止めることはできた。刹那の隙が一瞬まで引き延ばされる。

「やるしかない!」

 伊美砂が動いたのだ。マックスも動かなければならない。弱った心をもう一度固めるために己が内に宿る『無限魔心炉『マキナ・エンジン』』に人を灯す。優しさを決意に変え、マックスも物陰から飛び出した。

「リミッター解除……加速魔法式、攻性・防性……双動!!」

 左腕の『スチーム・アームキャノン』に魔力を通し、【加速魔法式:双動】を発動する。これによりマックスは時を操る力を得る。一瞬の隙がさらに引き延ばされそれは必殺の隙へと昇華する。


 オアニーヴの眼前へと身を乗り出し、超加速から放たれる無数の魔力弾。
 降り注ぐ魔力の雨が理性を奪われた賢竜を蹂躙する。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

フランチェスカ・ヴァレンタイン
立ち塞がるとあらば是非もなく。…ええ、介錯はして差し上げますので

先制攻撃に対しては飛翔ビットを高速飛行させてデコイとすることで対処を
ビットの動きに誘導されるオアニーヴへ砲撃や爆撃を浴びせ、死角からの空中戦機動で斧槍での強襲を仕掛けていきましょう

頃合いを見て戦域へUCの爆導索を網の目状に広域展開、デコイ役を自身に切り替えて誘い込みます
うまく包囲網へと飛び込んでくれましたら重畳ですね? 翼ごと梱包するように十重二十重にも巻き絞めまして、と

「鎮魂の鐘の音、というには物騒な戦場音楽ですけれども。…誇りに殉じた賢竜への葬送の音色にはなりますかしら?」

群竜大陸の空高く、盛大に爆炎の華を咲かせましょうか


ソラスティベル・グラスラン
オアニーヴさま、こんな形でお会いすることになるなんて…!
貴方の物語を知っています、勇者に憧れる上で当然です!
なのに、なのに一言も言葉を交わせないなんて!

【盾受け・オーラ防御】で全力で守りを固めます!
理性を失い攻撃は単調となるはず…ですがまともに受けるは危険!
【怪力】で受け【見切り】受け流すことに努めます!

オアニーヴさまの仮面、そこにいるのですね!大魔王!!
受け流しつつも前進、【勇気】を出してその豊かな毛に飛びつきます!
ゆっくりと、しかし着実に登り頭部へ

オアニーヴさま…ご安心ください、大魔王は既に倒しました
その力を、貴女にも見てほしかったんです

【我が名は神鳴るが如く】――――ッ!!!!


ニコラ・クローディア
大魔王の呪い、か
せめて抗う姿を見たかったよオアニーヴ
己が意志を奪われた威厳無き竜よ、せめて我が手で眠れ…

仮面が邪悪な光を放てば、オアニーヴは理性なく素早いものを追う状態になる
であればそこが狙い目だ
ティヴェロンには前もって幻影魔術を刻印した弾を装填
銃撃と共に生じ、銃弾の速度で動き回る幻影はさぞや殴り甲斐のある的だろう?

オアニーヴのユーベルコード発動を詳細な観察(情報収集)で見切り、上記戦術で対処
その間、自身は龍翼外套で防御を固めて一歩も動かない
ティヴェロンの幻影弾でオアニーヴを誘導したら龍闘術で強化したドラゴハウザーの出番だ
龍脈炉心から大量の魔力をくみ上げ装填
極大の呪詛弾で仮面を穿つ!

アドリブ◎


エルザ・メレディウス
*アドリブ歓迎です

◆仲間の方と一緒に攻撃する場合は【集団戦術】を心がけながら、連携の質に気を付けます

■POWを使用します
・先制攻撃への対策:【残像】を使用して、相手の攻撃の的をそちらへ【誘惑】できるように試みます。そのほか、UC:影の追跡者も使用しながら、相手の死角から死角へ...【地形の利用】を活かしながら、ゆっくりと敵へと近づいていきます
・相手へ接近できた上手く接近できた場合は、仲間の方の様子を見ながら、足並みを揃えつつ、相手へ攻撃を。剣刃一閃から白王煉獄へ...手数を活かしながら攻撃を繰り返します

...浄化の炎で偉大なる賢竜の魂を清めさせて頂きます



●かつて賢竜と呼ばれたモノ

「オアニーヴさま、こんな形でお会いすることになるなんて……!」
「大魔王の呪い、か」

 遅れて迷宮を抜けてきた猟兵4人はオアニーヴの異変に即座に気づく。確かに話では仮面の呪いにより意思が奪われているとのことだったが今はもはや自由意志すら感じられない。

『グルルルウウウ』

 かつて賢竜と呼ばれた姿はそこになく。あるのはただ理性を失いケモノとなり果てた一匹の竜だった。

「貴方の物語を知っています、勇者に憧れる上で当然です! なのに、なのに一言も言葉を交わせないなんて!」
「せめて抗う姿を見たかったよオアニーヴ。己が意志を奪われた威厳無き竜よ、せめて我が手で眠れ……」
「立ち塞がるとあらば是非もなく。……ええ、介錯はして差し上げますので」
「……終わらせましょう」

 ソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)、ニコラ・クローディア(龍師範・f00091)、フランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)、エルザ・メレディウス(復讐者・f19492)の4人が堕ちた賢竜を終わらせるため武器を取る。


 邪悪な光を放つ頭部の仮面、おそらくはあれがオアニーヴを操っているのだろう。理性を無くし、暴力の化身と化した今のオアニーヴ。攻撃こそ単調になってはいるがそれでもその威力は絶大であり、脅威に他ならない。しかしこの状態のオアニーヴが高速で動くものを狙うという情報は既に広まっている。そこが狙い目であり突破口だった。

「ぐっ……!」

 ソラスティベルが前に立ち、オアニーヴの攻撃を一人盾で受け流す。その間にニコラは自身の『自動詠唱式魔術銃杖「ティヴェロン」』へ幻影魔術を刻印した弾丸を装填。狙うのはオアニーヴ自身ではなく、囮としてその行動を制限すること。放たれた弾丸はニコラの魔力で速度を維持し、幻影となりオアニーヴの周囲を飛び続ける。
 速度に応じ、狙いを定める今のオアニーヴにとって弾丸の速度は殴り甲斐のある的だった。同時にフランチェスカもビットを放ち、囮とすることでオアニーヴの動きを誘導する。

「……」

 囮となっている幻影とビットのスピードを超えなければ標的が変更されることはない。それでもエルザは念を入れ、オアニーヴの死角となる位置を渡り歩き接近する。賢竜と呼ばれたときの智慧がほんのわずかでも残っていればこんなことにはならなかったはず。猟兵たちが今優位に戦闘を運べているのは皮肉なことに仮面のおかげであった。

 エルザはゆっくりと、だが確実にオアニーヴを斬りつけ傷を増やす。フランチェスカもまたビットの誘導に合わせ死角から砲撃と爆雷を絶え間なく浴びせ、空中戦機動で強襲を仕掛ける。少しずつ確実に猟兵たちはオアニーヴを追い詰めていく。
 しかしここまでして尚オアニーヴは幻影を追い続ける。その爪が幻影へと追いつき破壊すれば次なる幻影が撃ち込まれる。

 もうどこにも賢竜と呼ばれた竜の面影は存在しなかった。

「オアニーヴさま!」

 そんな賢竜の有様を見てソラスティベルは気づけば涙を流していた。かつて大魔王と戦った賢竜、幼き頃より憧れた存在が大魔王により操られその在り様を歪められている。それがソラスティベルには許せなかった。

「悲しむのなら終わらせてやれ。それがせめてもの奴への手向けだ」
「はいッッッ!!!」

 勇者は涙を拭き前を向く。この悲しみに幕を引くために。


 ソラスティベルは暴れまわるオアニーヴの足へとしがみつく。そのまま豊かな毛を伝いゆっくりと上へ。エルザとフランチェスカもそれを見てソラスティベルの狙いを即座に看破する。
 フランチェスカは囮役をビットから自分自身へと引き継ぎ、高速で飛翔しながら【虚空に踊り 繰り爆ぜるもの】を使う。不可視の爆導索は戦場を縫うように網の目状に広域展開され罠を張る。
 エルザもまた攻撃の速度を上げる。少しでもソラスティベルのことを気づかせないため。振るう刀に炎を纏わせ、オアニーヴの身体を焼き斬っていく。

「―――それでいい」

 囮の幻影を放つ必要が無くなったニコラはオアニーヴをよじ登るソラスティベルを見届けると精神を集中し己が魔力を極限まで高めていく。深呼吸を繰り返し、その胸に宿る『龍脈炉心』により生み出され続ける無形の魔力。全ては一撃で彼の竜を葬る為。慈悲なる弾丸を生み出すべく魔力を練り上げる。

「オアニーヴさま……ご安心ください。大魔王は既に倒しました」

 上り続けたソラスティベルはまもなく頭部へと辿り着く。

「その力を、あなたにも見てほしかったんです」
『テキダヨ! テキダヨ! 貴様何を!?』

 大魔王の仮面がソラスティベルの存在に気づくがもう遅い。ソラスティベルは既に頭部へと到達している。

『振り落とすのだ! オアニーヴ!!!』

 この勇者が先の戦争で蘇った大魔王を討ったことなど仮面が知る由はない。しかし、この瞳をした者たちに過去大魔王は敗北したのだ。オアニーヴに振り払わせようと仮面は指示を飛ばすがオアニーヴの身体は動かない。
 その身体はいつの間にかフランチェスカの張り巡らせた不可視の爆導索に巻き取られ、身動きが取れなくなっていた。

『まだ―――』
「させません」

 もがき、爆導索を振り払おうとするオアニーヴの身体をエルザの【白王煉獄】が一閃。大魔王に呪われた身体は浄化の炎により浄化され瞬きの時間ほど解放される。

「――セット」

 ニコラは練り上げた魔力を総て『魔力拳銃「ドラゴハウザー.50」』へと装填し、純エネルギーと化し構える。狙うのは頭部に位置する大魔王の仮面。

「これで終わりだ」

 引き金が引かれ、無慈悲なる慈悲の弾丸が今放たれる。

「オアニーヴさまの仮面、そこにいるのですね! 大魔王!!」

 ソラスティベルはオアニーヴの頭頂部で大斧を振り上げる。全ての元凶、オアニーヴを貶めたモノが今目の前にいる。

「【我が名は神鳴るが如く】――――ッ!!!!」


 極大の呪詛弾が仮面を穿ち、蒼雷を纏う大斧が叩き割る。

「鎮魂の鐘の音、というには物騒な戦場音楽ですけれども。……誇りに殉じた賢竜への葬送の音色にはなりますかしら?」


 最期に身体を縛る爆導索が起爆され、オアニーヴの身体は爆炎と共に消えていく。
 かつて賢竜と呼ばれしモノの散り際に群竜大陸の空高く、盛大に爆炎の華を咲いていた。


 ―――ありがとう勇者たち。


 こうして第二の帝竜オアニーヴは猟兵たちの手で討伐された。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月08日


挿絵イラスト