4
迷信学園の残響

#UDCアース

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#UDCアース


0





 暗がりの中数人の男たちが逃げ惑う。その様に一切の余裕はない。恐怖に背中を押され、必死になって前へ走り続ける。出口にたどり着いた。先頭を走っていた男が扉に手を掛ける。
「くそ。くそ!くそ!!開かねえ!!なんで開かねえんだよ!!」
 力の限り扉を開こうとしても、ピクリとも動かない。その扉は、その空間は男を出す気ないかのごとく頑ななまでに動かない。逃げようとする男の耳に後ろからゆっくりと裸足で歩く音が響いてくる。
「やめろ…やめてくれ…」
「い、いやだ…まだ、死にたくない。」
「ち、違う!私じゃない。私は何もしていない!」
 やや背の低い辛うじて少女に見える“それ”は命乞いをする男たちの前に立つ。
「――――――――――――――!!!!」
 “それ”は生物の声とは思えぬ声で絶叫した。男たちは体を異常なまでに震わせ、耳を塞ぐ。声が静まると男たちは立ち上がった。
「「「ああああああああああああああああああああああっ!!!!!」」」
 突然男たちが殴り合いを始めた。狂ったように何度も何度も殴る。顔から血が出る。顔面が変形するほど殴る。しばらくして、殴り合いが終わる。立っているものは、否、そこに生物は一人もいなくなっていた。“それ”は来た道を戻っていく。静まり返った空間に裸足で歩く音が残響となってこだまする。おびただしい死体と血に満ちた空間に…。


 猟兵が集まるグリモアベースの一室にて、アイリス・ファル(人間のシャーマン・f04666)が顔色を悪くして入ってくる。
「…皆さん、こんにちは。集まってくれてありがとうございます。」
 猟兵たちに向けて頭を下げるアイリス。しかし、その様子は見るからに体調が悪く、若干体が震えている。
「…それでは、本日の任務についてお話しますね。今回の任務はUDCアースに存在する私立古宮学園の調査です。都会の只中に古くからある由緒正しき学園らしいです。詳しい内容をお見せします。」
 すると、アイリスの後ろで小さな竜の霊体がスクリーンを下し、学園の情報が映し出された。学力や規模は一般的な高校と大差のないが、特筆事項が一点存在していた。古宮学園は徹底的なまでの女性の侵入を拒んでいることだ。入学者はもちろん、女性教諭の赴任を一切認めない、果ては文化祭や体育祭など外部の人間が入るイベントでの女性の入場拒否など異常ともいえるほどに女性を排斥しているのである。そして、女性を侵入を拒む理由も曰く、女性が入ると土地一帯が“アレ”の憎悪と復讐心で呪われてしまう、という不可解なものであった。理由はどうあれ、あらゆる手段で女性の一切を拒む姿勢から、迷信に囚われすぎているという意味を込めて、迷信学園と呼ばれている。
「今回予知で視た光景は邪神の復活による学生の虐殺です。それも、極めて凄惨なものでした。恐怖と狂気の満ちた光景で思い出しただけでも…うっ。」
 思わずアイリスは口を抑える。その顔色からも少女が視るには厳しすぎるものであったことは容易に想像できる様子だった。
「…ふう、失礼しました。調査の方法ですが、男性の方であれば簡単に入ることは可能でしょう。最も、何か工夫を凝らすことで逆に見えてくることもあるかもしれませんから、皆さんで自由に調査してください。女性の皆さんは男装したり、気付かれないように侵入することをお勧めしますが、過去にどう見ても女の人だったのですが、あまりにも堂々と男だと宣言するから通してしまったという例もあるそうなので、女性として入るのは難しいかもしれませんが、正面から行っても意外とすんなり入れるかもしれません。どうするかは皆さんの自由に動いてみてください。また、邪神が関わっていることから、邪神教団、あるいはその関係者が活動していると思います。怪しい噂や人物について学内で情報を集めるといいでしょう。」
 そこまで口にすると、アイリスは転移の準備を始めた。
「私は今回の予知、絶対に現実になってほしくないです。皆さん、どうか頑張ってください!」
 その言葉と共に転移を開始した。


カルミナル
 こんにちは、カルミナルです。今回はシリアスで探索メインの展開になるような話を作ってみました。最も探索がメインの話でも、謎自体はそこまで頭を悩ませる話にはならないと思います。また、男性、女性ともにどのようなプレイングをされても、最大限採用する所存ですので、自由なプレイングを送っていただいて構いません。是非楽しんでいただければ幸いです。
9




第1章 冒険 『女子入るべからず』

POW   :    俺は男! 男だといったら男! 言い張って強引に調査。

SPD   :    男装の麗人とは私のことだ! 衣装やメイクで男性になりきって調査。

WIZ   :    要は見つからなければいいじゃない? 上手いこと隠れて見つからないように調査。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

デナイル・ヒステリカル
幸いにして僕は男です。
しかし学校というある種の閉じたコミュニティの中で部外者は目立ちます。
【コミュ力】を発揮しての聞き込みは最低限とし、
学内の電子端末や、存在しているのなら監視装置等を【ハッキング】して不審な情報が無いかを【情報収集】します。



 デナイル・ヒステリカル(架空存在の電脳魔術士・f03357)は女子禁制の学園へと堂々と足を踏み入れた。今の時間は授業が始まるにはまだ早い時間。まだ、それほど多くない生徒の中で制服を着ていないデナイルは明らかに目立っており、正門のすぐ近くにいた警備員に呼び止められた。
「君、ここの生徒ではないようだが何か用かな?」
「ああ、初めまして。僕はここの卒業生でして。ちょっと久しぶりに母校を見に来たんですよ。」
「ふむ、そうだったか。だが、入るには入校許可証を付けるのが規則だ。これを。」
 デナイルの嘘に警備員は一切疑う様子もなく拍子抜けするくらいあっさりと入校を許可した。これだけ見ればその警備は杜撰もいいところだった。
(聞いていた警備の厳しさとはあまりにも違うな。僕が男性だったからか。だけど少しも疑われないなんて…)
 学園の警備体制にわずかな疑問を感じつつも、デナイルは校内に潜入した。生徒が集まるにはまだ少し早い時間なだけあって声のかけられそうな生徒はあまり多くない。元々、あまり聞き込みによる成果を期待していなかったデナイルは簡単に不審なことがないかを聞き込みをして回った後、今度はパソコン室に忍び込んだ。
「さて、ネット空間にはどんな情報が転がってるかな?」
 手近なパソコンを起動し、情報が集積される学内の中枢サーバーへのハッキングを開始する。あまり時間もかからずにサーバーのセキュリティを突破し、学内のあらゆる電脳情報がパソコンの画面に映し出された。そこで、デナイルが注目したのは生徒専用の学内掲示板。生徒間での情報が集約される掲示板の内容をスクロールしていくとここ数日間でいくつもある共通の話題の投稿が見つかった。
〔落書き探し、今日は俺が1番。今日で4つ目。とりま証拠写真。〕
〔あー、負けた。3つ目は俺が見つけたのにー。〕
〔まじか。折角早く学校来たのに無駄だったわ。〕
 投稿日が本日となっているその書き込みに貼られている写真には確かに落書きとも見えるよくわからない紋様が映っている。過去の投稿に遡れば、似ているが微妙に違う形の紋様の写真が他に3枚投稿されていた。生徒たちは何なのかは分からないがここ数日間宝探しのような感覚で探し回っている様子が示されている。
「謎の紋様…邪神教団の儀式に必要なものって考えるのが自然だろうな。監視装置も確認したいところだけど…学園のサーバーとは隔離されてるみたいだ。覗くには時間がかかりすぎてしまうな。」
 誰が来るか分からないような状況のパソコン室で長居は危険と考えたデナイルは落書きの写真と場所について記憶した後、パソコン室を後にするのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メイスン・ドットハック
【WIZ】

女子禁制とはのー
珍しいことじゃけど、やることはやるとするかのー

万が一見つかってもいいように、男装っぽい恰好はしておき、帽子もかぶっておく
基本は隠れるのがメイン
移動は慎重に行う(忍び足)
見つかりそうになった場合はユーベルコード(名前のない宝石)の透明能力でやり過ごす

調査は学園のパソコン端末を探し出し、ハッキング(ハッキング、鍵開け)
当たり障りな情報から、真相に近い情報まで徹底的に調べていく(情報収集)
狂気の元凶になる儀式情報があれば、その情報をクラッキングして抹消しておく(ハッキング、破壊工作)



「透明能力は便利じゃけど、これって疲れるのー」
 突然何もない廊下にメイスン・ドットハック(引きこもり志望ハッカー・f03092)が姿をみせる。【名前のない宝石】を利用して、警備や生徒の目をかいくぐり、校内に潜入したのだ。
「女子禁制とはのー、珍しいことじゃけど、やることはやるとするかのー」
 メイスンはズボンに男物のシャツを着た出で立ちをしている。普段とは違う格好に違和感を感じつつも、学校関係者に見つからないように慎重に動き始めた。そのまま誰にも見つかることなく、デナイルとは別のパソコン室にたどり着いたメイスンはハッキングを開始した。パソコン端末に流れ込んでくる膨大な情報を次々と読み解き、当たり障りのない情報から重要そうな情報まで分類していくうちにあるファイルを発見した。
「何じゃ、これ?古宮学園の禁忌?」
 学内の個人情報をまとめた機密ファルダの中に存在していたオカルトめいた名前のファイル。メイスンはおもむろにそのファイルを開き、熟読し始める。それは過去の古宮学園の教員が書いたと思われるまだ男女差別が激しかった時代の話が書いてあった。
『ここに記すは由緒正しき古宮学園の忌まわしき汚点である。決して外には知られてはならぬ。そして、決して忘れてはならぬ禁断の歴史である。例えどれだけの月日が経とうとも、これが忘れられるのであればこの学園に災いがもたらされるであろう。ある一人の入学者がいた。その者は男子として生きるように教育された名家の女子。男子として育った彼女は我が古宮学園に女性であることを隠して入学した。家の力も手伝って、彼女は入学そのものは認められた。しかし、性別の違いなど長く隠せるものでもない。そのことが学生の間で明らかになり、彼女は好奇と侮蔑、そして、凌辱の的となった。我々がそのことに気づいたのは彼女が屋上から落ちて死亡した後だった。女子でありながら古宮学園に入った彼女に非があるのは事実だろう。しかし、この我が学院の者が起こした凄惨なこの出来事は由緒正しき古宮学園の清廉なる姿に黒を作った忌まわしき事件だ。決して外に漏らすことは認められない。それは古宮学園の歴史にとっての裏切りである。……死してなお、彼女はこの学園への恨みを忘れていない。彼女は古宮学園に訪れた女子を凶事に駆り立て、復讐しようとしている。故に、ここに一切の女子を入れることは禁ずる。これを決して忘れてはならぬ。忘れればそれは災いとなってこの学園を襲うだろう。彼女が死の間際に放った絶叫はまだ女子を凶行に駆り立てる残響として学園に残っているのだ。』
 どうやら元々、紙に書かれた文を保存するために電子文書に写したものようだ。
「この事件が古宮学園が迷信学園と呼ばれるようになった原因なのかのう。じゃけど、この話、いかにも邪神教団が食いつきそうな話じゃなあ。これに関する資料をもう少し調べてみるかのう。」
 メイスンは昔のこととはいえ、複雑な顔をしながら調査を再開するのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

時雨・零士
【POW】
まぁ、俺男だしな…。UDCに身分とかサポートして貰い、体育科辺りの臨時教師って事で潜入。
とりあえず、身体能力を活かして体育の授業等で生徒にパフォーマンス。また、明るく気さくな好青年演出して同僚や生徒に更に好印象与えて会話とかし易い雰囲気を作った後、少しずつ古参の先生や情報通の男子生徒等から迷信学園の噂の実態について聞き出して行く。

具体的な物や場所等の情報が出たら、授業が無い時間や放課後等にその情報について調査を実施。

また、他の猟兵で女性猟兵が忍び込みや変装での潜入を行う際は自身が身体検査をして男だった、と証言したり、警備のシフトを流す等、他の猟兵のサポートを行う。

※アドリブ等歓迎



「よーし、じゃあ、まず俺が手本を見せるからよく見とけよー」
 時雨・零士(仮面ライダーデオルム・f04112)は体育の臨時教師としてサッカーの手本を見せていた。零士はボールを頭上にあげるとプロも顔負けのオーバーヘッドキックでボールをゴールに叩き込むのであった。
「よし、みんなこんな感じだ。やってみな。」
「「「「無理です!」」」」
生徒全員の心が一つになった瞬間であった。

 最初に無茶ぶりがあったとはいえ、その身体能力の高さと明るく気さくな若い先生という事もあって授業は好評のまま終わりを迎えた。そして、授業後になって一部の生徒に声をかけた。
「なあ、ちょっと聞きたいんだが、この学園って迷信学園って呼ばれてるって聞いたんだが、それの理由とか噂って何か知ってるか?」
「え?いやー、知らないですね。迷信信じてる学園って言っても先生たちが禁止っていうだけなんで。実際の所、生徒たちの中じゃ呪われてしまうなんて話、信じていないやつらがほとんどっすよ。」
 生徒の言葉から先ほどメイスンから「古宮学園の禁忌」についての情報が伝えられたが、そのような話は生徒の間で知られておらず、教師にしか知られていないことのようだ。
「なるほど。じゃあ、ここの生徒だからって詳しいわけじゃないんだな。」
「っすね。あ、でも、気になるなら転校生に話聞いてみるといいんじゃないですか?なんでか迷信学園の噂ってことで詳しいって話聞いたことあります。」
「転校生か、なるほど。」
 零士は生徒達に別れを告げると、転校生を探しに行った。

 放課後、図書室にいた転校生を見つけた。
「なあ、ちょっといいか。」
「はい、なんですか?」
「君はこの迷信学園の噂について詳しいって聞いたんだが、何か知らないか?」
 その瞬間、ほんの少しだけ転校生の纏う空気が変わった。興味がないという感じから警戒の色を強め、値踏みをするような目つきで零士を見始めた。
「なぜそんなことを聞くんですか?」
「いや、あんまり聞かない噂だから興味があってな。」
「…わかりました。知っていることならお話します。…先生はこの学校の体育館とか倉庫が妙に新しいのはご存知でしたか?それらは実は1回全焼してるかららしいです。」
「全焼?」
「実は古宮学園は女子が侵入したことがあります。いくら先生たちが禁止したといっても、事情を知らない生徒からしてみれば、意味の分からない規制です。それを破って女子を呼ぶなんて生徒もいたみたいです。そして、その度に女子による事件に見舞われているんです。さっき言った体育館や倉庫への放火、男子生徒への暴行事件など。そして、その女子たちの一部は女性の悲鳴のようなものを聞いたと証言している。そのことから当時の学園は過去のある事件を思い起こし、女子がいればまた同じことが起こると考え、徹底的な女子排斥のための警備を導入したらしいです。最もそんなオカルトじみた話、外部からは理解されない話だから、迷信学園なんて呼ばれているらしいです。」
「へえ、ずいぶん詳しいじゃないか。そんなゴシップみたいなの、伝統ある学校なら隠しそうなもんだけどな。」
「こういうの好きなもので。…まあ、僕が本当に好きなのは神様とかですけどね。」
 一学生、それも来たばかりの学生の博識ぶりに零士は挑発をかけるも、転校生はそれをかわし、わずかに口角を上げ図書室を出て行ってしまった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ライラ・カフラマーン
迷信学園。都市伝説を思わせるこの名称、中に何があるのか非常に興味ありますね。
秘密の花園、それはきっと大量の薔薇なんでしょうね。
「世界知識」でもしかしたらこれに関することを思い出せるかもしれません。
ともあれ中に入れなければ詳細はわからないでしょうね。
能力はwiz。
建物や周辺の地図がないか「情報収集」しましょう。
変装などのすべは持っていませんので「目立たない」ようにこっそりと入るしかありませんね。
入れない場合は周りと協力します、自ら囮役をして他の方々が潜入するのを手助けしますね。
「さて、潜入できそうな場所はありますでしょうか」



「さて、潜入できそうな場所はありますでしょうか」
 ライラ・カフラマーン(放蕩占術師 琥珀のライラ・f09622)は学校の周りを1周し、警備の隙を探しながら、先ほど零士から送られてきた警備のシフト表を確認していた。予定ではもうすぐ警備の交代の時間になるため、その隙を窺っているのである。そして、交代の時間となり、警備の目が門から離れている隙に学内に侵入した。ライラはあるものを探して、学内を歩き回り、図書室にたどり着いた。
「ああ、やっと見つけました、学内と周辺の地図。…迷信学園。都市伝説を思わせるこの名称、中に何があるのか個人的にも非常に興味ありますね。そういえば、私が今まで見聞きしてきたものにも似たような事件はありましたね。確かその時は落書きの位置にも意味があったはず。」
 ライラは地図を回収すると、今度は更衣室、体育館の裏、廊下の隅、屋上のそれぞれ落書きが書かれた場所を回った。
「ふむ、やはり落書きが書かれた場所は普通とは何かが違いますね。あえて言葉にするなら残留思念のようなものを感じます。これが共通していることなら次に落書きが書かれる場所はおそらく…」
 ライラは地図を広げ、歩き回りながら違和感を感じた2か所、1つの教室と理科室に丸を付けた。
「この2か所、ですね。おや?」
 すると、突然ライラの耳に女性の絶叫のような声が響いた。しかし、ライラには特に何も起こらず、音だけが小さくなっていった。
「なるほど。今のが死んだ女子生徒の絶叫ですか。…きっとまだこの場所に残った思念が叫んでいるのでしょうね。」
 ライラは追悼の意を込めて手を合わせると静かにその場を後にした。

成功 🔵​🔵​🔴​

赭嶺・澪
【WIZ】要は見つからなければいいじゃない? 上手いこと隠れて見つからないように調査。
あたしは学園内にはUC『ステルスソルジャー』を使って侵入するわ。
出来るだけ人がいないときを狙って侵入したいので、生徒が居なくなるであろう夕方~夜間にかけての時間帯に行動したいわね。
その場合は技能『忍び足』『目立たない』『暗視』を使って侵入ね。

侵入後は学園内を調査して邪神教団、その関係者の関りがありそうな証拠を探しましょう。
学園内を調べる場合は、疲労軽減の為に解除。
場所を移動する場合は『ステルスソルジャー』を使用して素早く行動ね。

調べた調査内容は他の猟兵達にも伝えてましょう。



日が落ち、校舎内にわずかな人しかいなくなった時間、赭嶺・澪(バレットレイヴン・f03071)は正門の前に立っていた。警備がわずかに薄くなっているこの時間帯では戦場用兵として生きて来た澪にとって誰にも気づかれずに侵入することは造作もないことであった。侵入に成功した澪はまずは情報に上がっていた落書きがある廊下の隅に向かう。
 「これが例の落書き。普通に考えて邪神教団が書いたものと考えて、まず間違いないわよね。とりあえず消しとこうかしら。」
 澪が落書きを消そうとすると、すぐ近くの階段から足音が聞えて来た。
「ステルス、レディ」
 澪は即座に【ステルスソルジャー】を発動して姿を消し、様子を窺った。歩いてきたのは今朝デナイルと接触した警備員であった。しかし、その様子はおかしかった。警備員はメモのようなものを持っており、しばらく落書きとメモを見比べていたかと思うと、何もせずにその場を立ち去っていった。
「怪しすぎるわね。つけてみた方がいいわね。」
 今は情報収集を優先した澪は警備員の後を忍び足でつけていく。警備員は全ての落書きの前で同じような動作をした後に、ある教室に入っていった。そこはライラが地図に丸を付けた女子生徒の思念が残る教室であった。澪が窓の隙間から中を覗くとそこには警備員と零士と話した転校生が話をしていた。
「紋章の様子は問題なかったか。」
「ああ、何も手は加えられていないようだ。今日は妙な連中がうろついていたみたいだったからな。念には念を押しておくべきだろう。それより、そちらはどうだ。」
「問題ない。この部屋にも紋章は刻まれた。後は最後の一つを明日の同じ時間に刻めば儀式を完遂させられる。この地に眠る恩讐が神として降臨することになる。」
「クク、学園に宿る怨念というのも幸運なものだな。ただ、恨み続けるだけだった存在が邪神として生まれ変わることになるのだからな。」
「違いない。それにしても今日はその怨念が活発なようだな。学園に女子でも入ったか?」
「さあな。だが、目論見通りだろう。女子が入ることで怨念が活発になる。それを見越して、わざわざ警備を緩くできるように警備員になったのだからな。」
(なるほどね。あの二人がどうやら邪神教団の人間だったようね。それならここで捕獲するべき。)
 邪神教団員を突き止めた澪は銃を手に取ろうとした次の瞬間、その耳に女性の絶叫が響いた。
(っ!これが、女子を凶行に駆り立てる絶叫!)
 しばらくしてその絶叫が聞こえなくなった。澪は慌てて目を離してしまった教室の中を見ると、すでに中には誰もいなくなっていた。
「…逃がしてしまったみたいね。あの絶叫、ライラも聞いたらしいけど、どうやら猟兵には効果がないみたいね。…連中は最後と言っていた。なら、絶対に明日阻止しないと。」
 そして、澪は転校生と警備員が邪神教団員であったことを他の傭兵たちに伝え、学校を後にするのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『落書き』

POW   :    清掃ボランティアに扮して落書きを消す

SPD   :    監視カメラや目撃者から落書き犯を特定

WIZ   :    次の落書き場所を予想する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 翌日、学園にいつも通りの朝が訪れる。しかし、昨日とは違う点があった。それは警備員と転校生が姿を見せない事であった。最もほとんどの人間はそんなことを話題にはしていない。なぜなら、5つ目の落書きが教室の中に描かれていたのだから。いつもの日常の中での些細な違い。それが落書き犯の特定、次の落書き場所が予想できるこの状況下でなお、未だにこの学園に影を落としていた。落書きの処理、消えた2人の行方の補足、そして、落書き場所で何が起こるのか、事件解決への道はまだ見えていない
メイスン・ドットハック
【SPD】
この落書きとやらが邪神への手がかりか
ならば、これを書いた奴を補足するのが手っ取り早いのー

ユーベルコード「名前のない宝石」とうまいこと隠れながら行動(地形の利用、忍び足)
人気のないネット環境が整っているところで、警備室の監視カメラをハッキング。画像をチェックする(ハッキング、情報収集、鍵開け)
澪が言っていた警備員と転校生がいる画像を中心に情報を取る

さらに現状の監視カメラのコントロールも奪って、二人が行動する場所をチェック
発見したら情報端末で仲間に知らせるようにしておく

念のためステルス能力のない女性猟兵に自身の宝石を渡しておき、いつでも透明化できるようにしておく



 校内にある一室の前。その風景が突然歪み始め、その場にメイスンが現れた。
「やっぱり透明能力はつかれるのー。」
 メイスンが立っているのは鍵のかかったパソコン部の部室の前。部室として使われる部屋は活動の時間以外使われることはなく、長時間ネット環境を利用するうえで、最適な環境であった。メイスンは鍵開けで部室の鍵を開けて中に入った。薄暗い部屋の中目の前にあるパソコンを1台起動する。
「さて、ここなら警備のサーバーをハッキングする時間もとれるのー。」
 メイスンがパソコンを操作していき、しばらくすると校内のすべての監視カメラの画像が表示される。それら全てに目を通して、まず、落書きの状態を確認した。
「この落書きとやらが邪神への手がかりか。ならば、これを書いた奴を補足するのが手っ取り早いのー」
続けて、教団員の警備員と転校生を探していくが、ある違和感に気づく。
「例の2人が見つからん…学内にいないわけないじゃろうし、どこかに隠れておるのかの。」
 すぐに足取りがつかめないことがわかると、理科室付近を中心にいくつかの画面を同時に表示した。
「女性猟兵には僕の宝石を渡しておいたし、現場で動いてくれる者もいるじゃろう。僕はここで全体の監視をするとするかの。」
 メイスンは連絡用の情報端末を片手で弄びながら、監視カメラの映像を眺めるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ライラ・カフラマーン
【WIZ】
さて集めた情報を元に整理してみましょうか。
更衣室、体育館の裏、廊下の隅、屋上に印。
そして教室にあらたな印が教室に……
五……いや、これは六芒星でしょうか。
たしか理科室にも反応があったような、行ってみる価値はありますね。
邪神復活の儀式。それは絶対に阻止する必要があります。
私は目星をつけたところへ行きます。
多少強引でも潜入した方がいいでしょう。
おそらく、女性がいた方が怪しい場所はわかりやすくなると思いますし。
警備員とやらにも注意を払った方がいいかもしれませんね。

もちろん他の猟兵たちと協力しますよ。
なるべく「目立たない」よう揉め事は避けたいですしね。


時雨・零士
まー、あの転校生、好きなのは神様って言葉が出た時点で怪しいとは思ったが、予想通りだったな…。

で、ライラが違和感を感じたのが二ヶ所。
教室と理科室で、今回教室に刻まれたんなら、最後の一ヶ所は十中八九理科室だろうな…。

とりあえず、時間も関係するみたいだし、紋章を刻ませない様に放課後は予め理科室に潜んで妨害するとして…。
先に刻まれた紋章をどうするか…。普通に消すだけで効力消えるのか…?

とりあえず、警備員も転校生も姿を見せないなら、直接的な妨害は無さそうだな。落書きを消した上でこっそりドライバーから魔力打ち込んで術式妨害掛けてみるか…。

後は転校生の情報を職員室で授業の合いますに確認かな…偽装だろうが…


デナイル・ヒステリカル
現在出揃っている情報を纏めると、怪しいのは言うまでもなく警備員と転校生です。

どちらも現在の所在が掴めていませんが、落書きと彼らがこの事件と深く関わっているのならば、
次に落書きが描かれる地点で待ち伏せして下手人に話を聞かせてもらいましょう。

ライラさんが予測した二ヶ所の内、片方に光学【迷彩】を使用した状態で張り込みをします。



「まー、あの転校生、好きなのは神様って言葉が出た時点で怪しいとは思ったが、予想通りだったな…。」
 零士は屋上に書かれた落書きの前に立ってぼやいていた。朝のHR前に確認した転校生の情報は予想通りでたらめな情報ばかりでとても役に立つものとは思えなかった。零士は情報による捜査を諦め、ひとまず落書きの対処に来ていたのだ。
「さて、これは普通に消すだけで消えるのか…?」
 目の前の紋章がどういうものなのかがわかっていない状況で落書きを消すことがどれだけ効果のあることなのかわからない。零士はとりあえず落書きを消していくと、意外にも簡単に消すことができた。特に何事もなく消せたことにいよいよ消すだけでは怪しくなった零士は落書きの有った場所にデオルム・ドライバーを押し当て、魔力を落書きが書かれていた壁に注入。術式妨害の術を施したところで、次の落書きの場へ向かった。そして、体育館の裏、廊下の隅と落書きを無力化し、次の落書きのある場所に更衣室に向かっていたところで突然情報端末に着信が入った。
『教団員の転校生と警備員を監視カメラにて補足。図書室から出て、地下室に向かっている模様。』
 送られてきた内容は校内全体を監視していたメイスンから教団員が動き出した情報だった。
「ついに動き出したか。なら、俺も行かねえとな。」
 零士は教団員を確実に捕えるために理科室に向かった。

 現在、理科室には3人の猟兵が潜んでいた。ライラはメイスンから借り受けた宝石を利用して透明化を、零士はすぐ隣の理科準備室に、デナイルは目立たないように隠れている。部屋にはなぜか女性が身に着けていた香水のような匂いが充満している。教団員が来るのを待つ中、ライラの耳には絶えず、女子の絶叫が聞こえていた。
「昨日よりも女子生徒の絶叫がよく聞こえますね。それに感じる思念も強い。やはりこの部屋が儀式に無関係とは考えにくいですね。」
「ふむ、やはり女性にしか聞こえないんですね。それにしてもなんだろうね。この甘い香りは。アロマオイルかな?」
 すると、理科室の扉が突然開かれた。猟兵たちは全員息を潜める。やってきたのは予想通り、転校生と警備員であった。2人は理科室の壁にあった近づいていくと同時にその近くにおいてあったアロマオイルを回収した。
「クク、彼女はこの部屋に来ているみたいだな。前に来たよりも思念を強く感じる。」
「ならば、紋章が完成すれば、ここで召喚をしてもよさそうだな。」
「ああ、では、早くこの壁に紋章を…」
「悪いけど、それ以上は見過ごせないですね!」
 突如、理科室に響く声に2人組は振り向いた。そこには3人の猟兵が自分たちを囲み、真ん中にたったデナイルが銃を向けていた。
「貴様らは、昨日の!そうか、貴様らが猟兵とかいう連中か。」
「その通りです。邪神の復活を止めに来ました。」
「おとなしくお縄につけば、手荒な真似はしませんよ?」
「ちなみに急いでその落書き書いたって無駄だぜ。お前たちの落書きは潰させてもらったからな。」
 教団員の逃げる隙はもはや無く、対抗する戦力も足りていない。完全な包囲状態。その状況下にありながら、教団員の2人は薄ら笑いを浮かべていた。
「なるほどな。紋章が潰されたか。確かにそれなら、邪神の顕現はできないな。完全なものが、な。」
 その言葉を聞いて、迷信学園の意味、古宮学園の歴史、得て来たすべての情報がデナイルの頭の中で繋がり、落書きの意味が浮かび上がった。
「完全な顕現?…まさか!あの落書きは邪神の完全な復活ためのもの、つまり、邪神復活の条件は既にっ!?」
「察しが速いな。そちらの女なら感じているだろうが、過去に古宮学園で死んだという女子生徒の怨念は確かに存在している。俺たちはその怨念に邪神としての形を与えようとしていた。つまり、邪神復活のための土台は初めからできていたんだよ。女子生徒の怨念を贄としてな!」
「そして、この部屋には女性を思わせる香りが充満している。これに釣られて、既に彼女はこの部屋に来ているのだ。」
「ッ!では、昨日よりも叫び声がよく聞こえたのは怨念となった女子生徒が近くにいたから…」
「おい、待てよ。ということは!」
「その通り。この場に彼女がいる以上邪神の顕現はいつでもできる!!」
 その叫びと共に転校生は懐から1冊の本を取り出し、意味の分からない言葉を読み上げ始めた。転校生が邪神復活の儀式を強引に始めることを感知した猟兵たちは儀式を止めようと、一斉に攻撃を仕掛ける。デナイルは銃を発砲し、ライラは魔法を放つが、警備員が転校生の前に立ちふさがり、代わりに吹き飛ばされ気絶した。
「儀式の完遂なんてさせるかあっ!」
 零士はその場から弾かれるように駆け出し、転校生に手を伸ばし、その手にあった魔導書に手が届こうとしたところで―――
「降臨せよ。」
――零士が転校生を取り押さえた瞬間、無情な一言がその口からこぼれた。瞬間、理科室に、否、学校全体にその場にいた猟兵だけでなく、校内にいる全員が耳を塞ぐほどの女生徒の絶叫が響き渡る。悲しみ、怒り、憎悪、そして、復讐心。年月が経とうと消えることのなかったあらゆる負の感情を込めた絶叫は叫ぶことをやめてもなお、残響として校内に響いた。すでに人から外れ、邪神として生まれ変わった黒い怨念は理科室の中心に確かな形を持って現れた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『残響の女神』

POW   :    信者の供物
自身の装備武器に【生贄になった者の身体部位の一部 】を搭載し、破壊力を増加する。
SPD   :    叫ぶ
【絶叫 】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
WIZ   :    凝視
小さな【狂気 】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【トラウマに応じてダメージを与える空間】で、いつでも外に出られる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナハト・ダァトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 校門も窓も、古宮学園から出る為のすべての出口が絶叫と共に閉じられた。学内の照明は全て落とされ、外には暗雲が立ち込め始める。学園は一転して邪神が支配する籠となった。突然の出来事に校内は騒然となる。邪神は復讐を果たすためにゆっくりと動き始めた。

一人たりとも逃がすものか。全て殺す。全て死ね。

 邪神として生まれ変わってもなお、否、邪神として顕現したからこそ、彼女を突き動かす復讐心はこの世にある限りもうどうあっても消えることはなく、残り続けるのだろう。彼女はもう一度怒るような、悲しむような絶叫を上げ、目に映るものを殺しにかかる。
メイスン・ドットハック
男に対する怨みはわからんまでもないがのー
じゃけど、邪神になって皆殺しは筋が通らんのー

調査でだいたいの心情がわかっている分、複雑な気持ち
だが、それはそれ。これはこれで、割り切って戦闘に入る

ユーベルコード「300の守護神兵」で前衛を作りだす
ファランクスで邪神の攻撃を盾で防ぎつつ、槍を突きだす
攻撃が苛烈な場合は合体して、能力を増して対抗

対して用意してあった爆発物や液体窒素タンクを邪神に放り投げる(破壊工作、地形の利用)
爆発してダメージを与えるのと、窒素ガスで凍結させるのが狙い

他のメンバーの盾になる為に電脳スパルタ兵を動かして、サポートするのもあり


ライラ・カフラマーン
封印が解かれましたか、やむを得ませんね。利用された貴女に恨みはありませんが、他社に危害を与えるのなら別です。猟兵として事態にあたりましょう。

【WIZ】
味方の攻撃の邪魔にならないよう、ウィザード・ミサイルで攻撃します。
「属性攻撃」で強化された私の魔法は手ごわいですよ。
「範囲攻撃」によって広がった魔法範囲は、かわすのに困難でしょう。
相手の動きを「見切り」ながら壁や杭のように放ち、味方の攻撃を避けようとする邪神の動きを阻害します。
もちろんまともに喰らってくれるなら、そのまま当ててやりますよ。

貴女の悲劇は私の旅行記、手記に刻まれるでしょう。
だから……ごめんなさい。



 邪神は猟兵たちと気絶した教団員たちを視界に捉えた。そして、ゆっくりとこちらに近づき、ゆっくりと近づいてくる。
「封印が解かれましたか、やむを得ませんね。利用された貴女に恨みはありませんが、他者に危害を与えるのなら別です。猟兵として事態にあたりましょう。」
「なら、前衛は僕がやるとするかのー。」
 メイスンが手を前にかざすと、近づいてくる邪神を阻むように20を超える電気の球体が現れる。球体が消え去るとそこには戦闘用電脳スパルタ兵が盾と槍を構えていた。目の前に現れた新たな物体を前にして、邪神は絶叫を上げながら腕を腹に突き刺した。腕を引き抜くとそこには人の手や足らしきものがでたらめにくっついていた。それは元となった女子生徒の腕や足であるようだった。邪神は異物がくっついて強大になった腕を振るい、電脳スパルタ兵に攻撃を加えていく。
「男に対する怨みはわからんまでもないがのー。じゃけど、邪神になって皆殺しは筋が通らんのー。だから、止めさせてもらうのー。」
 攻撃を受けながらも兵たちは陣形を組み替え始め、ファランクスを作りだし、邪神の攻撃を受けつつも、槍による攻撃を始めた。密集状態の兵たちは邪神では突破できないほどに固く、その攻撃力は邪神を後ろに下がらせていた。邪神が押され始めたところで、後衛で控えていたライラの魔法が完成した。杖を掲げたライラの周りには数十本の炎で出来た魔法の矢が浮いていた。
「貴女の悲劇は私の旅行記、手記に刻まれるでしょう。だから……ごめんなさい。」
 ライラは杖を振り下ろし、邪神に突き付けた。すると、第1波の矢が邪神に向けて殺到する。槍と矢の二重攻撃で邪神はどんどん傷ついていく。その攻撃の嵐にたまらないとばかりに理科室の出口の方に逃げようとするが、その動きを見切っていたライラによってその退路は阻まれる。元々力のある邪神として顕現しなかったこともあって、壁際に追いやられていく。
「これもおまけじゃ。こいつで凍り付くのじゃ。」
 第2波の矢が放たれるところで、あらかじめ理科室で見つけておいた液体窒素が入ったタンクを投げつけた。タンクは放物線を描いて、邪神の頭上に来た辺りでライラの矢が液体窒素のタンクにぶつかって、タンクに穴をあけた。漏れだした液体窒素はそのまま邪神に降り注ぐ。邪神は落ちてくる液体窒素を防ぐように腕で体をかばい、絶叫を上げながら液体窒素をあびた。その体が凍り付き、その動きは非常に鈍くなっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

デナイル・ヒステリカル
過去に被害者であった女生徒は可哀想だとは思いますし、ああいった出来事の結果の怨みというのならば、それはある種の正当性が存在しているのかもしれません。

しかし今僕が相対しているこのオブリビオンは、過去に生きていた彼女では無い。
言うなれば残響です。
本人は怨みや怒りを周囲にぶつけることなく堪えたというのに、
後から出て来た邪神ごときが、死んでいった若者の無念を代行しようなどとは筋違いも良いところだ。

今を生きる人の安全と、過去に生きていた人を加害者にしないために。
頑張りましょうか。

手に持った拳銃で先制攻撃と援護射撃を続けながら、敵オブリビオンの隙を見て雷属性攻撃のユーベルコードを使用します。



 デナイルは壁際に追いやられた邪神を見据えながら、わずかな怒りを感じていた。
「過去に被害者であった女生徒は可哀想だとは思いますし、ああいった出来事の結果の怨みというのならば、それはある種の正当性が存在しているのかもしれません。しかし、今僕が相対しているこのオブリビオンは、結局過去に生きていた彼女そのものでは無い。その怨みだけが残った、言うなれば残響です。そんなのものに惹かれて、後から出て来た邪神ごときが、死んでいった若者の無念を代行しようなどとは筋違いも良いところだ。」
 デナイルは邪神に向かってゆっくりと歩いていきながら拳を強く握る。すると、その手からは青白い電流がほとばしった。邪神は液体窒素による凍結によっていまだに動きが鈍く、ゆっくりと歩くデナイルにすらまともに反応できていない。
「今を生きる人の安全と、過去に生きていた人を加害者にしないために…。PSIプログラム実行。チャージ完了。これが雷霆だ…!【遠近両用かみなりパンチ】!!」
 デナイルは握られた拳を邪神に向けて思い切り突き出した。瞬間、雷を思い出させる轟音が理科室どころか学校全体に響き渡る。突き出される勢いと共にその手からは迸っていた電流がさらに強く光を放ち、邪神へと向かって放たれる。同時に衝撃波が邪神に向かって飛ぶ。満足に動くことの出来ない邪神はとんできた電流と衝撃波を真正面から直撃した。今度は絶叫を上げることはなかった。それは度重なるダメージと電流による感電によってうまく音を出すこともままならなくなっているのである。代わりにわずかにかすれた声を出しながら、その雰囲気はまだ目に映るものを殺そうとしているものであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

時雨・零士
「アンタが受けた仕打ちは確かに許せるモンじゃねぇ…。復讐したい気持ちも解らないでもない…。だが、この学園にいる多くの人達は無関係だ!邪神となったアンタに手を出させるワケにはいかねぇ!」

ポーズ取って「変身」

「仮面ライダーデオルム!アンタはここで止める…アンタの為にも!」

腕や頭部を狙い、ブラスターをバーストで連射しつつ【ダッシュ】接近。側面や背後に回り込み、敵の攻撃を【見切り】で回避して【2回攻撃】【グラップル】連撃。ブラスターを【クイックドロウ】【零距離射撃】マグナで接射。【フォームチェンジ】で風の刃で追撃し、高速移動と【ダッシュ】からの【力溜め】【捨て身の一撃】のライダーキック!

※アドリブ歓迎



 零士は、この場にいた猟兵は皆薄々感じていた。この邪神は戦闘を行うには弱すぎるという事を。それは女子生徒の怨念というこの世に残っていることも難しいものを基にしてしまったが故に弊害でもあった。だが、それでも、自分の復讐の為に動こうとする邪神に零士はわずかな哀れみを向けていた。
 「アンタが受けた仕打ちは確かに許せるモンじゃねぇ…。復讐したい気持ちも解らないでもない…。だが、この学園にいる多くの人達は無関係だ!邪神となったアンタに手を出させるワケにはいかねぇ!」
 その哀れみを振り払い、ポーズを取る。
「変身」
 すると、零士の体が光に包まれ、光が消えたところには仮面ライダーデオルムが立っていた。
「仮面ライダーデオルム!アンタはここで止める…アンタの為にも!」
 零士は邪神に向かって、ブラスターを連射しながら、走り出した。もう体がまともに動かない邪神も自分への攻撃に抵抗するように自分に近づいてきた零士に襲い掛かった。しかし、攻撃が届く前に零士は跳びあがった。邪神の頭上で1回転して通り過ぎ、そのまま邪神の背後に立つと、思い切り邪神を殴りつけた。
「おらあっ!!!」
 そして、邪神が反応するよりも早くマグナに切り替えたブラスターを引き抜き、零距離で引き金を引いた。放たれた高火力の光弾は邪神を銃の向きと同じ向きに吹き飛ばした。直後に零士がポーズをとる。
「行くぜ…チェンジ、ハスターフォーム…!」
 すると零士の周囲に竜巻が巻き起こり、それが消えた場所には黒いオーラを纏った仮面ライダーデオルムが立っていた。邪神が地面に落ちる前に風邪の刃を腕に作り、邪神に向けて放った。風の刃は空中の邪神に直撃し、ドチャっと地面に落ちた。邪神はもう完全に弱り切っていた。
「今、解放してやる。」
 零士はフォームチェンジを解除し、元の姿に戻ると、腰を落とし、手を軽く広げて、邪神を見据える。そして、高速で走り出し、跳びあがった。天井ぎりぎりのところまで跳びあがるとそこから前宙し、自分の体に真正面に邪神の姿を捉えた。
「はあぁーーー!!!!」
 空中から一直線に邪神に向かって放たれるライダーキック。それは邪神の胸に直撃した。零士はキックを放った足を軸にバック宙で離れると、邪神に背を向けた。
「―――――――――――――――――――」
 邪神は最早絶叫どころか声すら上げずにその場に立ちつくし、そのまま紫色の靄となって静かに霧散したのであった。その場に何も響く音もなく…。

 邪神消滅後、閉じられていた窓や校門が開くようになり、生徒たちは皆、未知の恐怖から解放された。教団員は猟兵たちによって身柄を拘束され、そのまま秘密裏に連行されることとなった。この出来事が何であったのか、しばらく学内掲示板は持ちきりになっていた。新手の防災訓練、テレビのドッキリ、七不思議などといった様々な憶測が飛び交う中、掲示板の隅にある書き込みがあった。それはほぼ間違いなく事件の真相を語っていた。そして、最後の一文にこう書かれていた。
〔この学校は今でも恨んでいるけど、私を妙な物から解放してくれた人がいたからその人たちに免じて、少しだけ何もしない事にする。〕
 それからしばらくの間、古宮学園に残響は響かなくなったという。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月30日


挿絵イラスト