帝竜戦役⑤〜兵たちの夢の跡
●かつて献身と呼ばれたモノ
『お前らがいくら湧いて出ようとそれを止めるやつは絶対にいる。オレたちがそうだったようにこれからも。それは絶対だ!!!』
再び現れたオブリビオン。それは古の勇者も再び呼び覚ます。
●グリモアベースにて
「皆様、また新たな戦場が発見されました」
グリモアベースで猟兵たちを出迎えたアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)は新たな戦場の発見を告げる。
「今回発見されたのは勇者の墓標と呼ばれる場所。かつて群竜大陸に渡った数千人の『勇者』達が、ここで生前のヴァルギリオスと相討ちになり全滅しました。戦いで大きく穿たれた竪穴には『勇者の残留思念』が漂っているようなのです」
今回発見された竪穴に漂うのは『ヘルト』と呼ばれる勇者の残留思念。数多の武器を使いこなし、数々の竜を屠った歴戦の勇者。一人でも多くの命を救うためこの場所で戦い続け、その命を散らした。献身の勇者だった。
「この場所で戦い続け、散っていた勇者の力を借りればきっと大きな戦力になるでしょう。彼と心を通わせ、共に戦って下さい」
かつての勇者と肩を並べて戦える。そんな機会はそう多くはない。
そう、これはとても名誉ある戦い。
「そしてこの戦場にはかつての激しい戦いの余波で生まれた、高純度の魔力結晶体『魂晶石』が落ちているようです。見つけたのなら拾ってみるのもいいかもしれません。1個につき金貨600枚、日本円にして600万円の価値があるようです」
勇者には報酬がつきもの、ということだろうか。
「それでは皆様、どうかご武運を」
こうしてカーテシーと共に猟兵たちの転移が開始された。
灰色幽霊
どうも、灰色幽霊です。
誰かのために強くなれれば英雄だそうですね。
といわけで今回は勇者の残留思念と共にオブリビオンを討伐していただきます。勇者の残留思念と心を通わせ、そのパワーを借りることでプレイングボーナスが発生します。
今回も倒すとドロップアイテムもあるようです。結構その辺に落ちているみたいなので拾いたい人はどんどん拾ってください。もしかしたら意外な使い道もあるかもしれません。
注意事項などはMSページをご覧ください。
それでは皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『アークデーモン』
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POW : 妖星招来
【宙に描かれた巨大な魔法陣から放たれる隕石】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【が大規模に変動する程の破壊が余派で発生し】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD : 魔神の軍勢
【無数の生贄を捧げ、悪魔の軍勢を召喚する。】【その上で邪悪な神々に祈りを捧げ、】【悪魔の軍勢にそれぞれ邪神の加護】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ : 攻性魔法・多重発動
レベル分の1秒で【詠唱も動作も無しに、呪縛や破壊の中級魔法】を発射できる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「アルル・アークライト」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
神羅・アマミ
無数の英霊たちの力を借り、強大な悪魔を討ち滅ぼす!
ふふ、ついに妾も神話の一部となる時が来てしまったかー!
具体的にどう残留思念と心を交わすか考えたんじゃが…UC『特機』にて召喚したソードビット!
これを、可視化できずとも無数の英霊たちが一本一本携えているというイメージで扱うというのはどうかな!?
向こうが悪魔の軍勢を召喚するというなら、手数で対抗できるのは好都合!
まさしく神と悪魔の最終戦争勃発じゃーい!
目論見通りビットに英霊が宿ってくれれば、それなりに拮抗した戦闘も演じられよう。
持久戦に持ち込めば、敵本体が受ける代償の負担も馬鹿にならぬはず!
財宝は戦争終結後、この場の供養に用立てることを約束しよう!
水貝・雁之助
一人でも多くの命を救う為に戦い続けた勇者かあ
うん、その人達の献身を汚さない様に僕等も此の戦い、勝利を掴み取らないとだね
勇者さんを安心させる為にも負けられないし
ヘルトさんだったかな?
僕はさ血は繋がらないけど子供がいるんだ
だから子供達の未来の為にもこんな奴等これ以上湧き出るのを止めたいんだ
其の為にも此の辺の地形を教えてほしい
これ以上誰かを泣かせない為に
速攻UC使用
獅子に乗って竪穴という凸凹しているだろう『地形の利用』をしつつ戦闘
敵の軍勢に対し『集団戦闘』の心得を活かし敵の動きを『見切り』凸凹した地面のある動き難い戦場に誘導したり『敵を盾にする』様にし同士討ちを誘導する等しつつ戦闘
一体ずつ確実に倒す
ヴィヴ・クロックロック
まずは、先達の勇者たちに弔砲を。そして、力を貸してもらおう、勇者たち。
UCを発動し骸の海から勇者たちを連れてくる。その上で奴の魔法を物量と火力で上から踏みつぶす。
この戦場で散った勇者たちは一人の献身する者と現代の木端に全てを任せて安寧の眠り貪る連中か?否、勇者とはどんなにか細い糸でも掴み先に進むもの。君たちの報酬は死してなお得られる名誉のみ。それでも死した身でまた苦しい思いをして他者の為に戦う献身を持つ者はどうか力を貸してほしい。当座の敵は大悪魔。武器を取れ!現世の空気で肺を満たせ!物量を持ってその魔法も眷属も踏み砕こうではないか!
(アドリブ協調歓迎です)
ペイン・フィン
勇者、か……
生憎と、自分は、どちらかと言えば、人を傷つける側だった
不本意だけど、ね
それでも、今は、貴方と戦える
だから、力を貸して欲しい
それがあれば、勝てる、から
コードを使用
生け贄にされた者、かつて戦い死んだ者
そして、勇者の残留思念から、怨念を始めとした負の感情を吸収
飲み干し、喰らい、武具に宿す
扱うのは、焼き鏝"ジョン・フット"
巨大化して、蒼い炎を纏った、長槍(パイク)の様な姿に変化
属性攻撃、蹂躙、範囲攻撃、なぎ払い、焼却
技能を使って、炎の渦で焼き、近づくものは突き刺し、薙ぐ
……幾らでも、来ると良いよ
その全て、焼き尽くしてみせるから
●かつての英霊と共に
『君たちが今代の勇者なんだね』
アークデーモンの生み出した悪魔の軍勢。それを一望できる位置で猟兵たちを出迎えたのは献身と呼ばれた勇者ヘルトだった。
『生憎と僕たちにはもう戦う力は残ってない。だから君たちに託そう』
ここに眠る数多の英霊。それは皆、平和を願い散っていった者たち。だからこそ平和を脅かすものに容赦はせず、それを守る猟兵たちには無償で力を貸す。
「ヘルトさんだったかな? 僕はさ血は繋がらないけど子供がいるんだ。だから子供達の未来の為にもこんな奴等これ以上湧き出るのを止めたいんだ。其の為にも此の辺の地形を教えてほしい。これ以上誰かを泣かせない為に」
水貝・雁之助(おにぎり大将放浪記・f06042)はヘルトへと語りかける。同じ大切なモノを護るものだからこそ、その想いに共感したからこそ今はこの戦いに勝たなければならない。
『ああ、オレにも娘がいた。もう生きてはいないだろうが。君にオレたちの知っているここの全てを教えよう』
誰かを想い、誰かのために戦い続けたからこその献身。勇者と呼ばれるものは皆こうも眩いものなのだろう。
「勇者、か……」
ペイン・フィン(“指潰し”のヤドリガミ・f04450)はどちらかと言えば人を傷つける側だった。不本意とはいえそれは変わらない事実。それでも今はこうして勇者と共に戦える。彼らの力を借りて戦える。
「ここに眠るあなた達。力を貸してほしい。それがあれば、勝てる、から」
蒼い炎を纏う焼き鏝『焼き鏝“ジョン・フット”』を手にペインは名もなき英霊たちに語りかける。それは生け贄にされた者、戦いで命を落とした者、そして勇者の残留思念から負の感情を吸収し、飲み干し、喰らい、武具に宿す。鏝は巨大化し、蒼い炎を纏う長槍の様な姿に変化する。それこそがこの場に満ちる者たちの怨念の姿なのだろう。
『遂に来たか……だが、汝らもその勇者と同じく命を捧げるがいい!』
猟兵たちの出現を察知し、動き出すアークデーモン。その号令に従い進軍を開始する悪魔の軍勢。放っておけば彼らはここを蹂躙し、他の戦場にまで脅威を及ぼすだろう。そんなことを許すわけにはいかない。猟兵たちは悪魔の軍勢をここで倒さねばならない。
そんな時、空へ向けて放たれる一発の弔砲。それはヴィヴ・クロックロック(世界を救う音(自称)・f04080)の手によるものだった。そしてヴィヴはこの地に眠る勇者たちへ奮起の言葉を投げつける。
「この戦場で散った勇者たちは一人の献身する者と現代の木端に全てを任せて安寧の眠り貪る連中か?否、勇者とはどんなにか細い糸でも掴み先に進むもの。君たちの報酬は死してなお得られる名誉のみ。それでも死した身でまた苦しい思いをして他者の為に戦う献身を持つ者はどうか力を貸してほしい。当座の敵は大悪魔。武器を取れ!現世の空気で肺を満たせ!物量を持ってその魔法も眷属も踏み砕こうではないか!」
ヴィヴの呼びかけに応え、骸の海より蘇る勇者の亡霊たち。彼らは【鬼宿船団・アンナトラ】により現れた鈍く光る小規模ガレオネスへと乗り込みこの戦場へと舞い戻る。
ここに悪魔の軍勢と勇者たちの亡霊が集い、古の戦いを再現する。
「無数の英霊たちの力を借り、強大な悪魔を討ち滅ぼす! ふふ、ついに妾も神話の一部となる時が来てしまったかー!」
そしてそんな壮観な光景を眺めながら神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)は興奮を隠せない。正直どうやって残留思念とやらと心を通わせようか悩んでいたがこうやって目に見えるようになってくれればありがたい。
「さぁ来い【特機】!」
アマミの声に従い虚空より召喚される数多のソードビット。柄尻に番号の刻印されたそれはアマミの手元ではなく、骸の海より馳せ参じた勇者たちの手元へ飛翔する。
「それはお主らが存分に使うがいい!」
相手が軍勢であるのならこちらも数で対抗できるのは好都合。かつての勇者であればきっとソードビットも使いこなせるはず。
「これぞまさしく神と悪魔の最終戦争勃発じゃーい! この戦いが終わったらこの場の供養に用立てることを約束しよう!」
悪魔の軍勢との戦いは熾烈を極めた。
個々の力量では勇者と猟兵たちが勝っている。しかし数が多すぎる。どれだけ倒そうと湧き上がる悪魔、一度に複数の相手をしなければならない勇者は徐々に追い込まれていく。
「君たちはそんなものか?」
「もっとキバれーい!」
ヴィヴとアマミの用意した武器がなければ勇者たちはもっと早く悪魔たちに蹂躙されていただろう。2人もまた自らの武器を取り迫りくる悪魔たちを打ち倒す。
ヴィヴは『三節棍-黒閃』を巧みに使い、空を飛ぶ悪魔を地に落とす。アマミも武装を勇者たちに貸し出している関係で自分の武器を振るうしかない。戦闘用の和傘『第肆歩"目録"』はこういう時に役立つもの。アマミ渾身のフルスイングが悪魔の頭部を捉え、そのまま何処かへ吹っ飛ばす。
「……」
そして戦場の中心で悪魔を屠り続けるペイン。長槍と化した鏝を振るえば巻き起こる蒼い炎の渦。巻き込まれた悪魔たちはその身を焼かれ、塵となり消えていく。
「……幾らでも、来ると良いよ」
この戦場最大の脅威とみなされたペインの元へ殺到する悪魔たち。だが怨念を吸い、強化された『焼き鏝"ジョン・フット"』の前ではどれも無意味。近づく悪魔は突き刺され、遠巻きに眺める悪魔は薙ぎ払われる。
ペインへと注目が集まれば集まるほど雁之助は見つかりづらくなる。雁之助は【ライオンライド】で召喚した黄金のライオンに跨り竪穴を縦横無尽に駆け回る。悪魔たちを翻弄し、味方が戦いやすいように。悪魔たちの攻撃が別の悪魔へ当たる様に。ヘルトに教えてもらったこの竪穴の地形を存分に活かし、雁之助は悪魔の数を確実に減らしていく。
しかし、やはり決め手に欠ける。
悪魔の数は一向に減らない。勇者たちのおかげで戦えてはいるが悪魔たちを倒しきるにはまだ足りない。
「んー……ジリ貧じゃの」
アマミはその辺で拾った魂晶石をジャラジャラしながら戦況を冷静に分析する。
「数で圧倒的に負けている上に火力を出せるのが一人。仕方ないだろう」
ヴィヴもまた現状を打開する方法を探してはいたが妙案は見つからなかった。勇者たちにも渡してあるダイナマイトを撃ちだし悪魔たちを一掃するがこの程度ではどうにもならない。
「爆弾……それじゃーッ!」
アマミは拾い集めた魂晶石の中から一番大きなものを手に取るとヴィヴの持つダイナマイトへねじ込んだ。
「な、なにを」
「こいつは高純度の魔力結晶。つまり爆発させればどえらいことになるはずじゃ!」
アマミの悪魔的発想。つまり魂晶石を爆弾にして悪魔たちを吹き飛ばしてしまおうということだ。一発600万の爆弾で。
「物は試し! 死ねーッ!」
魂晶石をねじ込んだダイナマイトを全力で悪魔たちに向け放り投げるアマミ。その爆発で目の前にいた悪魔たち、実に100体近くが消し炭となった。単純に計算してもただのダイマナイトでは10体ほどを巻き込むのが精いっぱいだった爆発の規模が10倍以上になっていた。
「いける! いけるぞ!」
600万ボムの威力は凄まじく、まさしく戦いを変える兵器だった。
「なるほど、それを使えばいいんだね」
一部始終を目撃していた雁之助。確かにこれを使えば現状を打開できる。そして雁之助の機動力があればこの戦場にいる悪魔たちを全て狙うことができる。幸いなことに雁之助も魂晶石を回収し、十分すぎる数が確保できていた。
ペインと勇者たちが前線で悪魔の軍勢を食い止める中、突如として頻発する巨大な爆発。雁之助の手による爆破が悪魔を残らず消し飛ばす。数分もすれば爆発の音は止み、残るのはペインの周囲に展開する悪魔たちだけだった。
「これで、終わりだ」
これで最期であれば出し惜しみも加減もする必要もない。ペインは残る全ての力で長槍と化した鏝を振るう。最後の蒼い炎が舞い踊り、残った悪魔たちも灰となる。
こうして悪魔の軍勢は悪魔的発想の前に壊滅した。
大成功
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鈴木・志乃
貴方のおかげで、私達は生きている。貴方のおかげで、この敵にも立ち向かえる。
貴方の生き様に感服致しました。良ければ私にも戦わせて下さい。厄介な呪縛と魔法は私が食い止めます。
空に飛んで空中から【大声】でUC発動。音量が足りなければスピーカーなり魔法なりで拡声するよ。
私が戦う理由も、人の為。命の為。この世界を守る為に、最期の時まで私も戦い続ける。
第六感で攻撃を見切り、光の鎖で早業武器受けからのカウンターでなぎ払い攻撃。ムチみたいにしならせていくよ。
高速詠唱で敵の機動力を奪う罠を空中に設置し、ヘルトさんのサポートに回る。
人の命は世界の未来。私達は何度でも立ち上がってやる!!
卜一・アンリ
敵の呪縛は腰に提げる退魔刀の【破魔】で相殺、
破壊魔法は敵が意識を向ける瞬間を【見切り】
悪魔憑きの拳銃の【クイックドロウ】で牽制し回避。
着弾分は【激痛耐性】で我慢。
勇者様たち。悪魔に相乗りする覚悟はあるかしら。
私、嫌いなの。奴らに滅茶苦茶されるのは。
まだ何かを護りたい、強くありたいなら私に力を!
拳銃、即ちダイモンデバイスからUC【悪魔召喚「アスモデウス」】!
差し出すのは負傷した私の血と私に同意した勇者たちの残留思念!
無銘の悪魔一匹、始末できないとは言わせない!焼き尽くしなさい!
戦いが終わったら『魂晶石』を探してみましょう。
…魔力と一緒に勇者たちの想いも宿ってるかもしれないもの。
【アドリブ歓迎】
吉備・狐珀
仔竜の月代の生まれ故郷を崩壊なんて絶対にさせません。
勇者殿がA&Wを守り戦ったように、私もここで暮らす人のため月代の故郷を守るために戦います!
勇者殿、どうか私に力を貸してください!
UC【神使招来】使用
黒狐ウカの持つ神剣に土を司る玄武を宿し、攻性魔法防ぐ硬い岩や大地を利用し壁を作りつつ、激痛耐性のオーラで身を守る。
体勢を整えたら白狐ウケの破魔属性攻撃の御神矢を全力で一斉発射。
魔を祓う御神矢はその身には毒。体を麻痺させ自由を奪いながら継続ダメージを与えたら、月代、出番ですよ。
ウカの宝玉で強化された風属性の衝撃波でとどめをさしてしまいなさい。
魂晶石がもし拾えたら月代のお守りにしましょうね。
●英霊へ捧げる祈り
悪魔の軍勢がいなくなり、アークデーモンへの道は開かれた。
『今ならあの悪魔に届く』
『フン、所詮は低級悪魔。この程度か』
しかし配下がいなくなったことでアークデーモンも自らの力を惜しみなく使うことができる。
アークデーモンが何かをした素振りはない。だが猟兵と勇者たちへ放たれた呪縛と数々の魔法は名も無き勇者たちを蹂躙し、彼らを再び黄泉路へと誘った。
『あれを超えなければ奴には届かない』
「貴方の生き様に感服致しました。良ければ私にも戦わせて下さい。厄介な呪縛と魔法は私が食い止めます」
確かにあの魔法の嵐を超えなければこちらの攻撃はアークデーモンには届かない。その役目を買って出たのは鈴木・志乃(代行者・f12101)だった。
勇者と呼ばれる彼らの生き様に感服し、尊敬し、志乃は自分もそう在りたいと願う。
「月代の生まれ故郷を崩壊なんて絶対にさせません」
吉備・狐珀(狐像のヤドリガミ・f17210)もまた自分に懐いてくれた仔竜『月代』の為、この世界で暮らす人々の為、ここへやって来た。かつての勇者たちが護ったこの世界を護るために。
「あれが悪魔ね」
卜一・アンリ(今も帰らぬ大正桜のアリス・f23623)は『悪魔憑きの拳銃』に装填された弾丸の数を確認しながら今回の標的を見据える。悪魔召喚士であるアンリが悪魔を討つ、というのも皮肉な話である。
「私が止める。その間に2人は奴をお願い」
「分かりました」
「分かったわ」
志乃がどうやってアークデーモンの攻撃を止めるかはわからない。しかし止めると言い切った以上信じるしかない。狐珀とアンリは荒れ狂う呪縛と絶え間ない魔法の中を決死の覚悟で突き進む。志乃は背の翼で高く飛び上がり、上空で大きく息を吸う。少しでも大きな声を、少しでも遠くへ届けるために風の魔法で大気を揺らして。
「全ての生命と意志を守ろう」
謡われるのは生きとし生ける者を守る歌。志乃の戦う理由もヘルトと同じく人の為、命の為。だからこの世界を守るために志乃はその身体が動く限り、心が折れぬ限り抗い、戦い続ける。
『な、なんだこの耳障りな歌は』
響く歌はアークデーモンの力を削ぎ、攻勢を弱める。しかしそれでもまだ攻撃を完全に消し去ることはできはしない。だからこそ志乃は飛び上がり空で歌う。
『そこか!』
自らを囮とするために。
謡いながら志乃は自身に迫る魔法を見切り、避けながらその手から伸ばした光の鎖で呪縛を薙ぎ払う。攻撃が志乃に向けば向くほど他の2人は前へ進みやすくなる。
これが志乃の献身だった。
「人の命は世界の未来。私達は何度でも立ち上がってやる!!」
狐珀とアンリは前へと進む。少なくなったとはいえ未だ飛び交う魔法はその身で受け止め、歯を食いしばり。狐狛は【神使招来】の力で召喚した宝玉が埋め込まれた神剣に土を司る玄武を宿し、岩を用いた即席の壁で攻撃を防ぐ。
「私が援護します、行ってください」
「了解よ!」
アンリは『退魔刀』を引き抜くと迫る呪縛を斬り払い進む。避けることはせず、斬り払うのも最低限。今必要なのはアークデーモンの元へ辿り着くこと。そしてそのための速度。痛みに耐性はあるが防がなければ魔法はアンリの皮膚を裂き、その身体からは血が流れる。それでも前へ、ただ前へアンリは進む。
「いきます」
神剣を大地に突き刺すと狐狛が次に取り出したのは破魔の力を宿す弓。『保食神『ウケ』』の力も借り、番えるのは破魔の御神矢。引き絞られたその矢は一斉に狐狛の手から放たれる。
魔を祓う御神矢は悪魔であるアークデーモンにとって毒でしかない。一本でも刺さればその身体の自由を奪い、蝕んでいく。
『次は破魔矢か! ええい、小癪な!』
歌に御神矢、猟兵たちが積み重ねた攻撃はアークデーモンを縛り付ける。しかしそれでもまだ足りない。
「勇者様たち。悪魔に相乗りする覚悟はあるかしら」
『悪魔憑きの拳銃』に流れる自身の血を注ぎながらアンリは眠る勇者たちに問いかける。目の前の悪魔を倒すために別の悪魔に力を貸すつもりはないか、と。
「私、嫌いなの。奴らに滅茶苦茶されるのは。まだ何かを護りたい、強くありたいなら私に力を!」
その問いの返答は聞こえない。しかしアンリのダイモンデバイスである拳銃に満ちる力が勇者たちの賛同の証。己の血と勇者たちの想いを代償にしてアンリは契約を交わした悪魔を召喚する。
「無銘の悪魔一匹、始末できないとは言わせない!焼き尽くしなさい! 【悪魔召喚「アスモデウス」】」
呼び出されたのは魔人の王アスモデウス。本来であれば命令に従わせるために交渉が必要な大悪魔だが今回はそんなものは必要なく、アンリの言葉に従っていた。
『勇者の魂なんてものを捧げられてはな。あれを消せばいいのだろう?』
『あ、アスモデウス…だと……』
無銘の悪魔と名付きの悪魔、どちらの格が上かは比べるまでもないだろう。召喚により弱体化しているとはいえその差は歴然だった。
『消えるがいい』
アスモデウスが指を鳴らし、アークデーモンの足元から噴出する地獄の炎。万物を焼き尽くす黒色の焔が無銘の悪魔を焼却する。
「月代!」
そしてそこへ主の命を受け風を操る仔竜が一匹。『倉稲魂命『ウカ』』の力を借りて風を操り、獄炎をさらに燃え盛らせる。ただ燃えるだけの焔を風で操り、出来上がるのは獄炎の竜巻。
『グォォォォオオオオ!!!』
名もなき悪魔は地獄の焔でその魂まで焼き尽くされる。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
木霊・ウタ
心情
皆を護る為に戦って散った勇者の想いを
無駄には出来ないぜ
ここは俺達が押し通らなきゃな
やってやろうぜ(ぐっ
ヘルト
俺は器用じゃないから
沢山の武器は使えないけど
この世界の人達を護りたいって気持ちは
同じだぜ
皆を護る為に力を貸してくれよな
手段
敵へ向かって走り出しながら
ジグザグに動いて隕石を回避
避けんのが無理そうなら
炎の壁を張りつつ武器受けでダメージ減
当然、仲間も庇うぜ
んでもって
地獄の炎纏う焔摩天で属性攻撃
敵ごと変動した地形も薙ぎ払う
鎧砕きで大地を砕き
火炎は大地を灼熱の溶岩に変えて敵の動きを封じるぜ
で地獄の炎纏う焔摩天で
もういっちょぶん殴るぜ
事後
弦を爪弾き
ヘルトやその仲間へ感謝と鎮魂を捧げる
棒・人間
ふはははは!俺は勇者だ!そしてこの地に眠るのも勇者だ!
オブリビオンよ聞け!貴様らが無限に湧くというのなら俺たちは志を、決意を、世代を経て無限に繋いでいくのだ!
さぁ先達たる勇者よ、我が心に、我が盾に力を!共に災厄を打ち払おうぞ!
敵はどうも隕石を落とすらしい。ならばその隕石に向けてユーベルコードをぶつけてくれよう。俺と、先達達の力を合わせて隕石を弾き後退させて奴に押し当てる!ふははは痛いか?俺も痛い!だがこの地に散った者達の痛みに比べれば大したものではないわぁ!
魂晶石か。まぁ金目のものには興味はないが生活費は必要だ。あれば一つ二つくらいは持っていこうではないか
ソラスティベル・グラスラン
その通りです!
邪悪が何度現れようとも、そこには善を成す者が必ず現れる
貴方たちがそうだったように……この時代にも、『勇者』がいます!!
此処に誓うは不退転!勇者とは誰より、前に立つ者!
これぞ我が献身、これがわたしの【勇者理論】!!(防御重視)
【盾受け・オーラ防御】で全力で守りを固め、味方の前へ
我が身は盾、【怪力】を以て隕石を受け止め砕く!
この地に眠るヘルトさん!貴方も悔しいでしょう、志半ばで倒れたことが
戦い抗う意思があれど、もはや武器を手にすることもできないのが!
…力を貸してください、わたしの『献身』のために!
わたしの【勇気】に応えて!『勇者ヘルト』よ!
我が手に宿りて、今こそ屠竜の力と成らん!!
アリス・セカンドカラー
献身の勇者よ。あなたの言う通り今代の勇者は生まれようとしている。
だが、その力は未だに未熟。かのアークデーモンに相対しこの身は震えず、心が萎れようとしている。
だから、勇者よ。献身の勇者よ。かつてヴァルギリオスと相討ちになりし偉大なる勇者よ。
どうか私を導いて欲しい。
GET A GLORY!この手に勝利を!
私の技能を貸すことで、勇者は念動力と属性攻撃で攻撃手段を得る。勇者のアドバイスにより私の超能力(念動力/属性攻撃)も限界突破してリミッター解除する。読心術、集団戦術で勇者と連携してアークデーモンを追い詰めましょう、
無事に終わったら献身の勇者にお礼の情熱的な御奉仕を♡
フランチェスカ・ヴァレンタイン
数多の武器、となれば長物の扱いもお手のものでしょうか
はい? わたしの得物はやたら癖が強い? …ええまあ、それは否定できませんけれども
ヘルトさんや他の方の動きに応じて戦闘レンジを切り替えながら、光学迷彩も駆使した空中戦機動で遊撃など
後衛行動中は立ち回りやすいように誘導弾で意識を散らすような位置への援護砲撃を
前衛にスイッチすればランスチャージで切り込み、斧刃を叩き込んで爆撃しながら離脱するヒット&アウェイで飛び回り
妖星招来にはこちらもUCをセット、得物には少々無茶をさせますが天をも衝くような長大な光刃でカウンターで後の先を制し、放たれる隕石ごと両断して差し上げましょう
…この地の御魂に安らぎあれ、と
●勇者はここに眠る
『まさかここまでやるとはな……』
アークデーモンの身体は焼け爛れ、もはや消滅も時間の問題。しかしアークデーモンはまだ諦めてはいなかった。
『だから言っただろう。いつの時代もお前たちを許さない者たちがいる。過去のオレたちで今の彼らだ』
『そうかもしれん。そうなのだろう。だがいつの時代も我らが望むことも一つ!』
アークデーモンは自らの存在を代償に魔法陣を構築する。この戦場を覆い尽くすほどの魔法陣。それはアークデーモンの存在全てを賭けた奥の手。
『この大陸を破壊すれば貴様らとて助からんだろう』
『なっ!? 貴様ぁぁぁ!!!』
アークデーモンが呼び出すのは巨大な隕石。アークデーモンの言葉通り魔法陣に描かれている規模の隕石がここに落ちればこの群竜大陸も危ういだろう。そして何より地上には何も知らずいつもの様に生活をしている人々が大勢いる。隕石が落ちればその人々の命がたやすく散ってしまう。
『これぞ我が【妖星招来】。止めてみろ勇者と猟兵』
『くっ……』
ヘルトには隕石を止める術がない。肉体も消えて久しい勇者にできることなどたかが知れていた。
しかし―――
「その通りです! 邪悪が何度現れようとも、そこには善を成す者が必ず現れる。貴方たちがそうだったように……この時代にも、『勇者』がいます!!」
「ヘルト。俺は器用じゃないから沢山の武器は使えないけどこの世界の人達を護りたいって気持ちは同じだぜ。皆を護る為に力を貸してくれよな」
「ふはははは! 俺は勇者だ! そしてこの地に眠るのも勇者だ! オブリビオンよ聞け! 貴様らが無限に湧くというのなら俺たちは志を、決意を、世代を経て無限に繋いでいくのだ! さぁ先達たる勇者よ、我が心に、我が盾に力を! 共に災厄を打ち払おうぞ!」
『君たち……』
それはヘルト自身が言った言葉。邪悪が蔓延ったとしてもそれを止める者は必ずいる。ここに集った猟兵たちもその志を抱く者たちだった。
ソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)、木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)、棒・人間(真の勇者・f18805)、彼らこそが今代の勇者。
「この地に眠るヘルトさん! 貴方も悔しいでしょう、志半ばで倒れたことが。戦い抗う意思があれど、もはや武器を手にすることもできないのが! ……力を貸してください、わたしの『献身』のために!」
『ああ、いいだろうオレの力を―――』
「できるわよ?」
「へ?」
『え?』
この地に集ったのは勇者だけではない。それを守護し、手助けする者もいる。アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)は勇者ではないが確かにそれに類するものだった。
「私が力を貸すわ。それであなたも戦える」
『オレも…君たちと……?』
「それはいいですわね」
フランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)も自分自身が勇者などとは思っていないがそれでも助けられる命は救いたい。だからこそここにいる。
『よし、これで昔ほどじゃないが戦える……ありがとうアリスくん』
「お礼なんていいのよ。あとでその分お返しをくれれば」
『ああ、考えておこう』
アリスの念動力を借り受け、ヘルトはこの戦場に転がるかつての仲間たちの武器を掻き集める。あまりにも雑多な武器の数々。それを使いこなせるだけの技量があるということだろう。
「数多の武器、となれば長物の扱いもお手のものでしょうか?」
『もちろん。でもフランチェスカの斧槍は癖が強いな……』
「……ええまあ、それは否定できませんけれども」
ただの斧槍ではなく最新の技術が盛り込まれた近未来の武器は中世の勇者であるヘルトにしてみれば扱いづらいのだろう。それを自覚しているからこそフランチェスカも苦笑いで返す。
「おしゃべりしている時間はなさそうだぞ」
「早く隕石をどうにかしないと!」
「いきましょう! 皆さん!」
こうしている間にも隕石は刻一刻と大地へと近づいていく。残された時間はそう多くない。
勇者と猟兵たちは隕石を止めるべく飛翔する。
この圧倒的なまでの質量を止める術は勇者にも猟兵たちにもない。ならばどうするか―――答えは一つだった。
『この規模だと受け止めることもできない。だからここで破壊する!』
止められないのであれば砕いてしまえばいい。単純明快な答えだった。そのためにもまず必要なのは隕石の勢いを削ぐこと。そのために身を捧げる勇者がいる。
「此処に誓うは不退転! 勇者とは誰より、前に立つ者! これぞ我が献身、これがわたしの【勇者理論】!!」
「こんな石ころに負けてられるか!」
「ふははは痛いか? 俺も痛い! だがこの地に散った者達の痛みに比べれば大したものではないわぁ!」
『この大地を壊させはしない!』
空を飛べぬウタと人間はアリスの念動力による補助で何とか空へ。ソラスティベルとフランチェスカは己の翼で空を翔る。
ソラスティベルは漆黒の鋼竜がその身を変えた黒翼の盾『モナーク』を構え隕石へと体当たり。全身全霊を以って受け止める。
ウタは【ブレイズフレイム】により自らの身体から溢れる地獄の炎を放出し、炎の壁を形成することで仲間たちを守りながら隕石を受け止める。
人間は自身が勇者の盾だと信じる玩具の盾を構え、隕石へと突進する。仲間の幻覚が後押ししてくれればその威力があがる【ハルシネーションタックル】だが今回は幻覚などではなく隣にいる仲間が力を貸してくれる。突進はかつてないほどの威力となっていた。
ヘルトもまたかつて共に戦った仲間たちの武器を隕石へと突き立て共に押し返す。肉体こそないがそれでも歯を食いしばり全力で受け止める。
『頼むぜ……フランチェスカ!』
「ええ、わかっております」
フランチェスカは一人、隕石から離れた場所にいた。それは自身の『ヴァルフレイア・ハルバード』を超過駆動させる準備をするためだった。あの規模の隕石を斬るとなると通常駆動では出力が足りない。少々無茶をすることになるがそこまでしなければならない。
「ブレイザー、オーバーロード―――」
【九天遍く 裂き断つもの】により穂先と斧刃を覆い輝く光刃。それが限界を超えた超過駆動により長く、巨大に伸びていく。そうして形成される天をも衝くような長大な光刃。
「行きます!」
隕石へと斬り込む戦淑女。振るわれた光刃は天より堕ちる隕石を両断する。
両断された隕石は猟兵と勇者たちの手で押し込まれ、2つになった隕石同士が衝突し爆散する。あとは砕けた破片を処理すればいい。
そのはずだった―――
『見事なり。信じていたぞ勇者たち。―――絶望するがいい』
魔法陣はまだ消えていなかった。それどころか2発目の隕石が魔法陣から現出しようとしている。隕石は1つではなかった。魔法陣が存在する限り何度でも降り注ぐ。
フランチェスカの斧槍も超過駆動による冷却ですぐには使えない。つまり先ほどと同じ手段はもう使えない。
だが今回はまだ隕石が魔法陣から顔をのぞかせただけ。時間はまだある。
『ソラスティベル!』
「分かっています!」
ソラスティベルは全速力を以てアークデーモンの元へ。
『ウタさん、わたしたちは破片の処理を』
「オッケー!」
落下する破片を処理するためにフランチェスカとウタが。
「残ったのは俺たちだけか」
『やるしかない!』
つまり残った人間とヘルトの2人で2つ目の隕石を押し返さなばならなかった。
しかし、皆がわかっていた。先ほどまで4人で押しとどめるのが精いっぱいだった隕石を2人で押し返さなければならない。どう考えても無理、無茶、無謀。
『無理か……』
2人の力では押しとどめることすら難しい。隕石は徐々に魔法陣から現出してしまう。このままでは全貌を表すのにそう時間はかからないだろう。
「諦めるのか? 諦めない者が勇者ではないのか?」
確かに人間とヘルトだけの力では足りない。だがここには仲間がいる。共に抗い続ける仲間が。
「献身の勇者よ。あなたの言う通り今代の勇者は生まれようとしている。だが、その力は未だに未熟。かのアークデーモンに相対しこの身は震えず、心が萎れようとしている。だから、勇者よ。献身の勇者よ。かつてヴァルギリオスと相討ちになりし偉大なる勇者よ。
どうか私たちを導いて欲しい。GET A GLORY! この手に勝利を!」
戦場に響く勇者への祝詞。それこそがアリスの【GET A GLORY】。ヘルトに注がれる無垢なる力。少女の祈りで勇者はかつての自分を超える力をその身に宿す。
『これなら……いける! たかが石ころ一つ押し返してやる!』
「お前も……勇者だ」
溢れ出るほどの念動力。その総てで隕石を包む込み、ヘルトと人間は隕石を押し戻す。既に力の天秤はこちらへと傾いた。隕石は魔法陣の中へと押し返されその姿を隠す。このまま魔法陣が閉じさえすれば隕石はもう現れない。
「これで!」
「終わりです」
飛散した隕石の破片もウタの炎とフランチェスカの砲撃により全て砕かれた。これで地表へ落ちるモノはなく。被害は完璧に抑えることができる。
『何故、何故我が負ける!!!』
「それは―――私たちが勇者だからです! ハァァアアア!!!」
ソラスティベルの振り下ろした戦斧の一撃がアークデーモンを両断し、悪魔は魔法陣と共に塵となり消えていく。
こうして勇者の墓標での戦いは終結した。誰一人、何一つ犠牲を出さずに。
「さ、勇者さま? お礼の方を……」
『いや、オレはもう死んでるし。嫁も子どもも―――やめてくれぇぇぇえええ!!!』
戦いを終えた猟兵たちはそれぞれ次なる戦場へと進んでいく。
一人情熱的なご奉仕を勇者に捧げようとする者もいたが。
●兵たちの夢の跡
総ての戦いが終わった後。この場所には猟兵たちの手で墓標が建てられた。そこには常にかつて勇者と呼ばれた幽霊が佇んでいた。
いつまでも献身的に。
大成功
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