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海上ドライビン・ゴー!(作者 いのと
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 速さとは命だ。
 なぜなら速さとは効率であり効率とは戦術であるからだ。

 速さが足りずシャークどもからエスケープできない脳足りんどもはシャークの餌になってもおかしくはない。
 速さが足りずストームからエスケープできない弱者どもは嵐に飲まれてクラッシュしてもおかしくはない。
 速さが足りずオーシャン・カレント(※海流)を渡れたないオットコドッコイどもはオーシャン・カレントにドボンしてズダダンとされても文句言えないわけだ。

 つまりここでは、速さが全てだ。
 つまりここでは、速さの足りぬものは、死んでも良いということだ。

 なので我々海賊が支配してこうしてレースしてやると言うのは割に理に適っていると行ってイーコール・慈善・事業、のはずだ。

 だがブラザー、プリーズ・リッスン。

 あんまり速くて抜かれるとハラ立つよね?

 特になんて言うの、普通の住民(パンピー)にそれされっとマジ頭に来んじゃん?
 しかもよ?我々最速のためにここまでしたのによ?
 と言うわけで沈めます。

 でも手加減されてもハラ立つじゃん?
 なんでこれも沈めるわけ。

「理不尽…ッ…理不尽だよお…!」
 島民たちは涙ながらに準備をすることしかできない。
 主人の涙を察してイルカが鼻を鳴らした。
 かくして今日も、海上レースの幕が開く。

●めざせ海上ッ!最速ッ!
「ヘイ猟兵、海上最速目指してみない?」
 夏に全くふさわしくない革の全身鎧、イージー・ブロークンハートはそう言った。
 彼が乗るのは公園によくあるスプリング遊具である。ちなみにイルカさんだ。
 子供用であるがゆえに足が非常に余ってヤンキー座りの様相であった。
 一体どうやって持ってきたんだろう。
 サングラスもかけている。

「俺思うんだけど、海賊てどっか海ヤクザか海モヒカンみたいなトコあるよな」
 暴論である。
「今回は一味違うぜ」サングラスに手をかけ唇を歪める。本人としてはニヒルなつもりだろうが素地がモブなのでただの柄の悪いにーちゃんである。

「海上暴走族」
 一緒じゃね?

「海と聞けばきっとお察し、今回の舞台はグリード・オーシャン。最速求める海賊をカンッペキに叩きのめす話だ」
 イージーはサングラスを外しきみたちを見る。

「舞台は団扇島(うちわじま)。スペースシップワールドのコロニーかなんかのアンテナが島にぶっ刺さってて、それがでっかい団扇に見えるからそう呼ばれる、そーいう島」
 外したサングラスをカチューシャのように頭にさす。
「アンテナのせいか知らんけど、周囲を激しい海流に囲まれた島でさ。島の人は誰でもその海流を超えられるような技能を持つわけ」
 イージーはイルカのハンドルに両手をかけた。
「で、そこにオブリビオン…コンキスタドールどもが目をつけた、と」
 体を揺らしキコキコとゆっくりスプリング遊具を揺らし始める。
「島はコンキスタドールどもに支配され、選民まがいのレースが毎日開かれてる。――ところがどっこい、こいつが理不尽でさ」
 前に体重をかけ、ぎゅわと前のめりになる。
「コンキスタ・ドールの海賊団のボスを追い抜いても死、手加減しても死、なのよ」
 あんまりである。
「おまけに妨害付き」
 あんまりである!!

「というわけで依頼の流れはこうだ」
 ハンドルから両手を離し、バランスよくイルカに乗ったまま立ち上がる。

「レースに参加し、妨害も吹っ飛ばしながらボスに追いついてブン殴って沈めて島を救おう!」
 クイズに正解して海外に行こうみたいな軽いノリである。

「今回はしんどい思いは一切なし」
 残酷ではない予知のおかげか、いつになく朗らかだ。ウインクなどしてくる。
「まずは先駆け、レースでぶっ飛ばそう。乗り物は向こうの用意に従うか、向こうが提示する条件に合うものを使ってな」
 器用にもそのまま立ち乗りでキコキコとイルカを揺らす。
「あんたらがレースをぶっちぎれば当然、敵さんは妨害してくる。そしたら集団戦だ。スピードを落としてもいけない、かと言って沈められてもいけない。ドライブしてるまんまだってことを忘れずにな」
 立ち乗りしながらふざけたシャドウ・ボクシングの真似事などしてみせる。
 イージーは調子に乗ってきたらしい。イルカを止めて今度は片足立ちになった。
「妨害を潜り抜けたらいよいよ敵さんの船に接敵だ。海賊船に乗り込んでボスを叩きのめすとしよう。甲板だから思う存分戦えるはずだぜ?」
 ほっ。
 一息吐き出してジャンプする。どうやらイルカの背に立ち乗りしようとし、

 あっ。

 足ィ滑らせた。

 ……。

 …イージーの顛末を語るなかれ。
 一言添えるならイルカの鼻は長いと言うことだ。公園にあるスプリング遊具とは子供が遊ぶことを考えておりかなり丈夫に作られている。
 男性ならばヒュッ…と口から思わず息が飛び出したに違いない。
「……うん、あの…気軽、に…行って、きてよ…気をつけて、な…マジ濡れるから…かぜ、引かないように…ね…」
 イルカから落ちた男は文字通り這うようなポーズでギリギリからさらに捻り出される歯磨き粉みたいな声を絞り出してくる。
 なぜだろう。今まで調子に乗りまくった彼を見たからか、あまり慰める気が湧かない。

「じゃ、よろしく…」
 転送が始まった。





第3章 ボス戦 『マシン・キャプテン』

POW ●機械仕掛けの悪魔
自身からレベルm半径内の無機物を【対象との戦闘に最適化した巨大ロボット】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
SPD ●効率的殺戮術
自身の【胸部のジョリー・ロジャー】が輝く間、【ビームカトラス】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ ●宇宙から来た略奪者
【スペースシップワールド製の高性能兵器】で武装した【ウォーマシンやサイボーグの宇宙海賊】の幽霊をレベル✕5体乗せた【強襲揚陸型宇宙船】を召喚する。
👑11

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠エルシー・ナインです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●〜海上ドライビン・ゴーは海上レースシナリオでした〜

 きみたちはとうとう海賊船へと乗り込んだ。
 レースはとうに半分を過ぎ、残りはおおよそ、ゴールが彼方に見えて来る。
 元は宇宙船であったのかもしれない船の甲板は広い。団扇島周辺の激しい海流を走っているというのに通常の船よりもはるかに安定していた。
 デザインこそグリード・オーシャンの船を真似ているが、しかし例えばマストに張られた帆はエネルギー体であったりと…見るだけでもわかる。技術力は1章で見たのとは比べものにならない。
 ここが海賊団の本船だ!
 不思議なことに甲板には誰の姿もなく静まり返っている。
 さて入り口はどこかと首を巡らせ――

「ピーヒョロロロロロロツッピーガガガガガ」

 ――FAXでも受信してそうな突然の電子音。

「(電子合成音声:とうとう)――いや、そのフリはもう要らんな」
 低く安定した男性の声と共に、甲板の床に正方形の切れ込みがあらわれ、開く。

 その下から迫り上がって現れる、青き鎧の海賊。
 胸に輝くジョリー・ロジャー。

「我らがトップスピードの世界へよく来たな、猟兵。まずは我々に追いついたその速度を称えよう」
 きみたちは彼の顔を見たことがある。

 シナリオどうしよっかなって迷ってた時に視界に入ったヘッダー、もとい。

 レースに登録して待つ間。第一章断章こと、実況・解説席でだ。

「どうした?解説が電子合成音声で喋っていないのがそんなに意外か?」
 解説席の――解説:フカヒレ氏。「あんなものただの偽装に決まっていようが」
 まあ1章のでもう所々散見されてたけどね。

「ここまで来た貴様らならばわかるだろう」
 解説のフカヒレ氏、いや、この海賊団の船長であるマシン・キャプテンは赤きアイライトより閃光を放つ。

「速さとは、命だ」

 船が大きく揺れる――変形しているッ!
 横へ縦へそして上へ。

「速さとは効率であり効率とは戦術であるからだ」

 動く床・上下する床・電撃トラップ・レーザートラップ。
 催涙ガス・丸ごと海の上に渡るための鉄棒――左右から飛んでくるチェーンソーと鉄球ッ!!
 そして床のあちこちから水が噴き出す。
 海から海水を引き上げての床前面ッ!!
 ウォータースライダーッ!!!

「常に変わる現状に対していかに冷静な知能を持とうと
 ――現状に応える“速さ”がなければ、いくら理路整然たる思考とて無意味」
 
 君たちは思うに違いない。
 これはもはや船とは呼べない。

「分かるなブラザー。速さが全てだ」

 海上アスレチックやんけ、と。

「つまりここでは、速さの足りぬものは、死んでも良いということだ」

 誰だOPで足元安定してるとか言ったやつッ!!!!!!!!
 あんの!!!!硝子剣士ッ!!!!
 あっでもマスター挨拶に海賊船に乗り込むとしかッ!!書いてないッ!!!

 空があるのではないか?きみたちのうち数名は思うだろう。
 見るがいい。
 マストで帆の形をしていたエネルギー体がいくつもの球体と化して宙を浮いている。
 あれは、くるぞ、あのミラーボール、ビーム打ってくる、絶対。容赦なくくるぞ、ビーッて。
 
 床を見た数名の君たちは気づくだろう。
 船の変形によりあちこち海へ容赦なく突き落とすためか、海へ繋がっている穴が空いている。
 ならば、乗ってきた海洋生物たちを呼ぶ事もできるだろう。
 ……呼んで何すんの…?

 かくして海上ドライビン・ゴー。
 レースをドライビンしオウ…インコをドライビンし、
 そして海賊船に今ドライブインし、レースはゴールを目前。
 再び観客の真ん前へ、君たちは現れたこととなる。
 海賊船を沈めてやるならこれ以上ない好条件だ!
 えっこの衆人環視の前でトンチキアスレチックしながらバトルすんの?

「レースにも世界にもいつだって思わぬ難関があるものだ」

 いやこれは反則でしょ。
 絶対あとで思いついたでしょこれは。
 だいたいOPの暴走族設定どこいったん。

「それでは始めよう」
 ばらばらとマシン兵どもが飛び出してくる。
 パリ、とマシン・キャプテンが一瞬七色に光った気がした。
 ゆめゆめ油断なされぬよう。

「ラスト・レースだ」

 それでは猟兵、海上アスレチック・ドライビンッ・ゴーッ!!!

■敵■
・『マシン・キャプテン』x1体
・いろんなタイプのモブマシン海賊どもxまあ海賊船だからかなりいるよ体 
■環境■
・常時アスレチック変形する水上海賊船WithB(ビームミラーボール)

 また、ここまで乗ってきた海洋生物の力を借りることも可能です。 

▲!Caution!▲
〜ハイパー虹回転モードのお知らせ〜

 第一章・マシン・キャプテンはちょっと詳しく語る事を避けるべきちょっとした不幸な事故により七色発光回転していたようです。
 この影響でマシン・キャプテン内に何かしがのバグがあり、何かをきっかけで発動するようです。
 というわけで

 マシン・キャプテンが虹発光し時々回転しながら速度を上げ電撃を纏って襲いくる、
 ちょっと胡乱と難易度に刺激を求めるあなたのためのモードがあります。…なんで?

 このモードで乗ってきた海産物を使用すると調理される可能性がございます。
 もちろんマシン・キャプテンは冷静で理知的なマシンですので通常の戦闘では発生しません。ご安心ください。
 また、このモードが使用されなくともシナリオクリアにはなんの問題もありません。
 なんの問題もありません。

 ご希望される場合はお手数ですがプレイング冒頭に『▲』を記載いただけますようお願いします。