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帝竜戦役③~帝竜カダスフィア

#アックス&ウィザーズ #戦争 #帝竜戦役 #帝竜 #カダスフィア #群竜大陸

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●アックス&ウィザーズ
 帝竜カダスフィアがいたのは、巨大なチェス盤の上だった。
 そのチェス盤は帝竜カダスフィアの能力によって作り出されたモノ。
 それ故に、周囲の景色に溶け込んでおらず、違和感を覚える感じであった。
「どうやら、この地に災いをもたらすモノが現れるようだな」
 そんな中、帝竜カダスフィアが何処か遠くを見つめ、ゆっくりと目を細めた。
 『再孵化』した事によって、帝竜カダスフィアに以前の記憶はない。
 まるで何者かによって、存在していたはずの記憶が、抉り取られてしまったような状態になっていた。
 その事を思い出そうとするだけで、全身に寒気が走った。
 だが、帝竜カダスフィアは知っていた。
 そこに存在していたはずの記憶に、苦い敗北の悪夢が刻まれている事を……。
 敵の喉元に喰らいついておきながら敗北を喫した、苦い記憶が、そこにあるという確信を……。

●ガジルからの依頼
「みんなに頼みたい事があるんだよ!」
 ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が真剣な表情を浮かべ、今回の依頼を説明し始めた。
 今回の目的は帝竜カダスフィアの撃破。
 帝竜カダスフィアは、周囲にあらゆるモノをチェス盤や、チェスの駒をモチーフにした眷属に変える能力を持っているらしく、既にほぼ自軍の編成を終えているようだ。
 そのため、チェス盤の上にはチェス型ゴーレムの大群や、チェスの駒を模した怪物が陣取っているようだ。
 これらの眷属は帝竜カダスフィアの指示に従って襲い掛かってくるため、注意をしてほしいという事だった。


ゆうきつかさ
 この依頼は戦争依頼です。
 基本的には、キャラクターらしさを重視しますので、世界観や設定に問題が無ければ採用していこうと思います。
 また敵は必ず先制攻撃してくるので、いかに防御して反撃するかの作戦が重要になります。
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第1章 ボス戦 『帝竜カダスフィア』

POW   :    ビルド・カダスフィア
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【チェス盤化した、半径100m以上の大地】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD   :    ミリティア・カダスフィア
【チェス型ゴーレムの大群】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    形成するもの
自身からレベルm半径内の無機物を【チェス盤やチェスの駒を模した怪物】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。

イラスト:あなQ

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

中村・裕美
「……いきなりとんでもない敵ね」

ゴーレムの大群に対して
「……まずは逃げる」
距離を開けて相手の動き等を伺い【情報収集】チェスの駒を模しているので、駒の種類で動き方やパターンを【見切り】
逃げながらも【ハッキング】【罠使い】で盤面に落とし穴や地雷などの罠を仕掛けて数を減らしつつ味方を援護する
「……駒のパターンは……もう読めた」

「……黒炎覚醒……といったところかしら?」
UCを使う隙ができれば【邪竜降臨】で黒炎を纏い、竜の如き破壊力で一気にゴーレムを蹴散らす。代償は各種【耐性】で耐える
「……悪いけど……もう一度眠ってもらう」
更には竜の翼で飛翔し、ドラゴンランスに黒炎を纏わせ、頭部に突き入れて【串刺し】


アイン・セラフィナイト
盤上の支配者、だね。捨て駒だなんて凄い覚悟だけど……キミはもう一度敗北することになる。ボクは、ボクたちは絶対に負けない!

【対策】
『神羅の鴉羽』で『空中戦』、敵からの飛び道具を『暁ノ鴉羽』で『オーラ防御』するよ!

【反撃】
行くよ、神羅、万象!【魔を滅ぼせ】!
圧倒的物量に対抗するには大魔術を行使するしかない!
神羅が鴉羽の刃の嵐を展開、万象が弱点を看破し、光の刃で眼下のカダスフィア纏めて全てを『蹂躙』する!(範囲攻撃・動物使い・全力魔法)
更に、『境界術式』で喚び出した魔書から魔弾の雨を降らせて追撃だ!(属性攻撃・魔力溜め・リミッター解除)

この一手でチェックメイトの足がかりにさせてもらうよ!


ネミ・ミミーニーズ
●SPD
なるほどチェス駒。
カダスフィアという響きには聞き覚えがあるけどチェスはよくしならない。まーいいか。
私が強敵とシリアスに戦える時間は長くない。うまく立ち回らなければ……。

さて、
呼び出されるゴーレムは操作出来る距離があるのね。具体的にどこまでやれるのかわからないけどまずは本体から距離をとって、と。
攻撃が始まったら不安定なガジェットをぶん投げからの爆発で逃げ回る。
ある程度落ち着いたら、動かなくなったり操作距離範囲外になったゴーレムに【何でも操縦機】でコントロールをもらいましょう。

相手の駒は取って自分の物にしていいってエライりゅうおうさまも言ってたわ!
進め!全てはこの時のために!


月詠・莉愛
WIZ判定の行動
アドリブや他猟兵との共闘歓迎

●心情
チェスが好きな帝竜さんですか、
こういう形でなければ、是非ともチェスで勝負したかった所ですが。

●先制攻撃対策
形成するもの、に対抗する策を練りますね。
まず、敵のレベルm半径内に入らない様に気を付けておきますね。
入らざるを得ないときは、怪物を『月光の聖銃』で攻撃
【スナイパー】で狙いを定めて怪物を各個撃破し
怪物がまとまっていたら【範囲攻撃】や【乱れ撃ち】で纏めて倒す。

●戦闘
月下天舞を使用し戦います。
飛翔能力で帝竜の周りを飛ぶように動き
敵の死角から威力を増強した『月光の聖銃』で攻撃。
【クイックドロウ】で素早く攻撃準備をし【2回攻撃】で一気に攻めます。


蛇塚・レモン
知略を尽くす竜の戦術……手強そうだねっ!
でも、あたいはこの『盤面』をひっくり返す手段を知っているよっ!

・対処法
勾玉からライムの魂魄を顕現
周囲から怪物が襲ってくるから敵を吹き飛ばす必要があるよね
だからライムの激情の炎の爆撃と衝撃波で周囲を吹っ飛ばす!
閃光弾代わりに周囲へ熱と光と爆音を撒き散らして
帝竜もろとも前後不覚に陥らせるよ!
※全力魔法+属性攻撃+焼却+目潰し+恐怖を与える+マヒ攻撃
味方には目と耳を塞ぐように警告するね

・攻撃
怯んだ隙に念動力で空中浮遊
空中戦からUC発動
上空から神楽を舞いながら蛇腹剣を怪力任せに振るって衝撃波を乱れ撃ち!
※鎧無視攻撃+範囲攻撃

あたいの捨て身の一撃を喰らえーっ!


護堂・結城
デカいもんにはデカ物か強烈な奴って相場が決まってる
理不尽に命が散らされるのを黙ってられねぇんでな
外道狩り、始めるぞ

【POW】

・先制対策
【魔力溜め・全力魔法】で威力を上げ
【無酸素詠唱・多重詠唱・高速詠唱・早業】による無数の【呪詛・誘導弾・一斉発射】
炎と風の【属性攻撃】も使って【爆撃・衝撃波・範囲攻撃】で攻撃への【カウンター】の相殺だ

・攻撃
大地と合体したなら、こいつだな
指定UCを発動、海竜装を纏って地中潜行、合体した大地の部分を移動
喉や関節などの弱点を狙って海竜の顎で【怪力・生命力吸収・捕食】の噛み砕きを仕掛ける
【毒使い】の毒で【蹂躙・継続ダメージ】もおまけしてやる

「俺等にも牙はあるんでね」


ルード・シリウス
さて、全帝竜を喰らう為に先ずはコイツからだ…。
やはり竜族、こうでなくては面白くねぇ。容易く喰らえる相手じゃねぇからこそ、喰らい尽くす甲斐があるってものだ

神喰と無愧を構え、外套と靴の能力で気配と音を殺し、残像を駒の様に配置して囮とし意図的に「最善手」を打たせながら、同時に二刀で防御し攻撃を凌ぐ
上手く攻撃を凌ぎ切ったら、相手の隙を見切って接近し【魂装】を発動
武装の真名及び自身の真の姿を開放し、これまで喰らった敵を憑依して身体能力強化。捕食能力と生命力吸収能力、そして怪力乗せた二刀による連撃で斬りつけ、同時に血肉を喰らって糧としていく

さぁ喰らい尽くそうか…
総ての竜を、余さずその血肉の一片まで…っ


エィミー・ロストリンク
【SPD】
すごいドラゴンなのはわかったよ!
だけど、この世界の為に私も引けないよ!

先制対策
絆律鍵ロスト・リンクを起動させて、メガリスを同時起動
海乙女のワンピースから海水を放出し、ラクチェの要石で鉄の水に変えて操作しながらゴーレムの攻撃を防御していく
同時に牽制の意味でオルトロスのガトリング射撃も忘れずに行う
できれば味方も一緒に守っていく

先制後はUC「失われた絆を紡ぐ姫君」を発動してオルトロスとブラックゴーストを強化して、ダブル起動してからの制圧射撃&砲撃でチェス型ゴーレムを蹴散らし、カダスフィアの道を切り開く

皆の道を切り拓く! 絶対に!

アドリブ絡みOK


星川・杏梨
POW判定の行動
アドリブや他猟兵との共闘歓迎

■心情
帝竜か、名に恥じぬ厳かな雰囲気を持つドラゴンね。
だけど、私たち猟兵も怖気づく訳にはいかないわ。

■先制攻撃対策
ビルド・カダスフィアに対抗するわね。
半径100m以内にできるだけ近づかない様に【ダッシュ】で
敵の周囲を走り回りながら攻撃を【見切り】で避け
どうしても100m以内に入るときは
【地形耐性】や【足場習熟】で転ばない様に注意。

■戦闘
シューティング・パレード(UC)で攻撃
ライフルを【スナイパー】を駆使して敵に当て
追撃の魔法は【属性攻撃】で強化した炎属性で攻撃するわ。
ロボ化した硬そうな体は【鎧無視攻撃】で対処。

「さぁ、これでチェックメイトよ」



●巨大なチェス盤
「さて、全帝竜を喰らう為に先ずはコイツからか……」
 ルード・シリウス(暴食せし黒の凶戦士・f12362)は仲間達と共に、帝竜カダスフィアが陣取る巨大なチェス盤の上に立った。
 巨大なチェス盤が何で出来ているのか分からないが、とても硬く頑丈に出来ていた。
「……それにしても、いきなりとんでもない敵ね」
 そんな中、中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)が、ゴクリと唾を飲み込んだ。
 チェス盤の上にはチェス型のゴーレムや、チェス盤やチェスの駒を模した怪物達が陣取っているものの、まるで置物のようにピクリとも動かなかった。
「確かに、凄いドラゴンのようだけど、この世界のためにも逃げる訳にもいかないし……。それに、まだ気づいていないよね、あのドラゴン」
 エィミー・ロストリンク(再臨せし絆の乙女・f26184)が物陰に隠れつつ、帝竜カダスフィアの様子を窺った。
 帝竜カダスフィアは猟兵の存在に気づいていないのか、その場から動く事なく、何処か遠くを見つめていた。
「……カダスフィアという響きには聞き覚えがあるけど、まーいいか」
 ネミ・ミミーニーズ(蒸気打ちの妖精・f00595)が、ほんの一瞬だけ険しい表情を浮かべた後、サクッと気持ちを切り替えた。
 何となく、どこかで聞いた事のある名前だが、まるで心の中に霧が掛かっているような感じで、思い出す事が出来なかった。
 そのため、無理をして思い出す事を諦め、帝竜カダスフィアと戦う事を優先した。
「こういう形でなければ、是非ともチェスで勝負したかった所ですが……」
 月詠・莉愛(銀の月を謳う・f16320)が複雑な気持ちになりつつ、少しずつ距離を縮めていった。
 幸い猟兵達の姿は、山の如く立ちはだかるゴーレム達によって見えにくくなっているものの、帝竜カダスフィアが何時攻撃してきてもおかしくないような状況であった。
「これは、なかなか手強そうだねっ!」
 蛇塚・レモン(白き蛇神オロチヒメの黄金に輝く愛娘・f05152)が物陰に隠れながら、帝竜カダスフィアに近づくための最短ルートを頭の中で導き出した。
 最悪の場合、チェス型のゴーレムや、チェス盤やチェスの駒を模した怪物と戦う事になるため、ルート選択は重要ポイント。
 その選択を間違えば、帝竜カダスフィアに近づく事すら難しい事だった。
「全員……盤上に乗ったな」
 次の瞬間、帝竜カダスフィアがチェス型のゴーレム越しに、猟兵達をジロリと睨みつけた。
 この様子では、猟兵達がチェス盤に乗るまで、わざと気づいていないフリをしていたようである。
 それが帝竜カダスフィアにとってのポリシーであるらしく、猟兵達ですらチェスの駒に見立てているような感じであった。
「わざわざ私達が盤上に乗るまで待っているなんて、随分と余裕なようね。だけど、私たち猟兵も怖気づく訳にはいかないわ」
 星川・杏梨(聖炎の剣士・f17737)が臆する事なく、帝竜カダスフィアに答えを返した。
 その途端、帝竜カダスフィアと目が合い、心臓を鷲掴みにされているような錯覚に襲われた。
 おそらく、一般人であれば、帝竜の名に恥じぬ厳かな雰囲気に圧倒され、それだけで腰を抜かして、動けなくなってしまうレベル。
 それでも、立っている事が出来るのは、杏梨達が覚悟を決めて、この場に来ているためだろう。
「盤上の支配者を気取っているようだけど、ボク達を支配する事が出来る程、キミって強いの?」
 アイン・セラフィナイト(精霊の愛し子・f15171)が、わざと挑発的な言葉を吐き、帝竜カダスフィアの顔色を窺った。
「ああ、もちろん。それを証明するため、貴様らには、これから我が眷属達と戦ってもらう。もちろん、そこで負ければ、貴様らに待っているのは、死……のみだ」
 帝竜カダスフィアがまったく躊躇う事なく、猟兵達に対して答えを返した。
 既に戦力が練られているのか、猟兵達をチェス盤の上から逃すまいと、眷属達を動かしているようだった。
「デカいもんにはデカ物か強烈な奴って相場が決まってる。理不尽に命が散らされるのを黙ってられねぇんでな。……外道狩り、始めるぞ」
 そう言って護堂・結城(雪見九尾・f00944)が仲間達に声を掛け、帝竜カダスフィアと、その眷属達に攻撃を仕掛けるのであった。

●帝竜カダスフィア
「ならば、貴様らの実力……試させてもらうぞ」
 帝竜カダスフィアがチェス型のゴーレム達を嗾けるようにして、空に向かって咆哮を響かせた。
 それに応えるようにして、チェス型のゴーレム達が地響きを上げ、猟兵達に迫ってきた。
「……実力を試す? 随分と余裕だね? でも、キミはもう一度敗北することになる。だから、ボクは……いや、ボクたちは絶対に負けない!」
 すぐさま、カインが魔力を集中させ、八咫烏『神羅』の羽根で出来た黒翼を生やすと、暁ノ鴉羽でオーラ防御を展開した。
「……まずは逃げる」
 それとは対照的に、裕美がチェス型のゴーレム達を前にして、脱兎の如く逃げ出した。
 だからと言って、別に怖気づいた訳では無い。
 これは戦略的なアレ。
 距離を取ってチェス型のゴーレム達の動きを観察しながら、振り下ろされた拳を避け、チェス盤の上を駆け回った。
「えっ? 逃げるの!?」
 ネミはハッとした表情を浮かべ、裕美の後を追いかけながら、チェス型のゴーレム達に、不安定なガジェットをぶん投げた。
 どちらにしても、ネミが強敵とシリアスに戦える時間は長くない。
 だからと言って、この場でネタに走るつもりはないのだが、カラータイマー的な何かが脳内でピコンピコンとカウントダウンを始めていた。
「だからと言って、真正面から戦っても、勝ち目がないわ」
 杏梨がダッシュでチェス型ゴーレムの周囲を走りながら、相手の攻撃を見切って避けた。
 その間も、ネミが違う意味で絶体絶命のピンチに陥っていたものの、辛うじてシリアステイストを保っていた。
「……!」
 だが、そんな希望を叩き潰す勢いで、チェス型のゴーレム達がドシンドシンと地響きを上げ、猟兵達の前に立ちはだかった。
「それ以上、私に近づくようなら、ただじゃ済まないわよ!」
 その途端、エィミーが身の危険を感じながら、チェス型のゴーレムに対して警告しながら、絆律鍵ロスト・リンクと、メガリスを同時に起動させた。
 それと同時に海乙女のワンピースから海水を放出すると、ラクチェの要石で鉄の水に変えて、チェス型のゴーレムが放ったパンチを防いだ。
 その隙をつくようにして、「Black・Breaker」オルトロス(ガトリングガン型メガリス)を構え、ガトリング射撃でチェス型のゴーレム達攻撃した。
「……駒のパターンは……もう読めた……」
 その間に、裕美が【邪竜降臨(ウロボロスインストール)】を発動させ、空をも駆る翼と機動力、相手を焼き尽くす黒炎、竜の如き破壊力、不眠不休の耐久力をもたらす邪竜を宿し、自分自身を超強化した。
 それに合わせて、アインが境界術式で魔書から、チェス型のゴーレム達めがけて、魔弾の雨を降らせた。
「圧倒的物量に対抗するには大魔術を行使するしかない! 行くよ、神羅、万象! 魔を滅ぼせ!」
 次の瞬間、アインが【魔を滅ぼせ、我が神烏(レイヴンズ・スペル)】を発動させ、『神羅』と銀の星『万象(純白の鴉)』に指示を出した。
 その指示に従って『神羅』が鴉羽の刃の嵐を展開すると、『万象』がチェス型のゴーレム達の弱点を看破すると、光の刃でゴーレム達を攻撃した。
 残念ながら、その刃が帝竜カダスフィアまでは届かなかったものの、チェス型のゴーレムが膝をつき、大量の破片は土煙になって舞い上がった。
 だが、チェス型のゴーレムはまったく怯んでおらず、ただ事務的に帝竜カダスフィアの下した命令に従って、猟兵達に襲い掛かってきた。
「皆の道を切り拓く! 絶対に!」
 続いて、エィミー【失われた絆を繋ぐ姫君(プリンセス・オブ・ロストリンク)】を発動させ、「Black・Breaker」オルトロスと、スペースシップ「ブラックゴースト」を強化し、制圧射撃と砲撃を駆使して、ヂェス型のゴーレム達を蹴散らした。
「相手の駒は取って自分の物にしていいって、エライりゅうおうさまも言ってたわ! だから、ここのゴーレム達は、私が戴くわ!」
 その間に、ネミと【何でも操縦機(ナゲルトビターンッテクッツクヤツ)】を発動させ、機能停止に陥ったチェス型のゴーレム達を支配下に置いた。
 それと同時に、ネミの忠実な下僕と化したチェス型のゴーレム達が、帝竜カダスフィアに攻撃を仕掛けるために進軍を開始した。
「ば、馬鹿なっ!」
 それを目の当たりにした帝竜カダスフィアが、信じられない様子で仰け反った。
「でも、これが現実……。さぁ、これでチェックメイトよ」
 杏梨が【シューティング・パレード】を発動させ、帝竜カダスフィアに高い集中力で狙いを定め、炎属性の遠距離攻撃を込めたライフルの弾を撃ち込んだ。
「……悪いけど……もう一度眠ってもらう」
 それに合わせて、裕美が竜の翼で飛翔し、ドラゴンランスに黒炎を纏わせると、帝竜カダスフィアの頭部に突き刺した。
 ネミの支配下に置かれたチェス型のゴーレム達も、親の仇の如く勢いで帝竜カダスフィアを殴り始めた。
「ぐ、ぐぬぬ! まだだ!」
 帝竜カダスフィアがブスブスと黒い煙を上げながらギチギチと歯を鳴らし、猟兵達に対してチェス盤やチェスの駒を模した怪物達を嗾けた。
 怪物達は猟兵達を威嚇するようにして唸り声を響かせ、数に物を言わせてチェス型のゴーレム達を破壊していった。
「私達を無視して、ゴーレム退治ですか?」
 その隙をつくようにして、莉愛が月光の聖銃を構え、スナイパーで狙いを定め、乱れ撃ちの範囲攻撃でチェスの駒を模した怪物を次々と撃ち抜いた。
「残念だったね。あたいは、この『盤面』をひっくり返す手段を知っているよっ! 今からそれを証明するから覚悟してねっ!」
 その間にライムが白蛇神オロチヒメの勾玉から、炎蛇神ライムの魂魄を顕現し、激情を司る炎蛇神であり、レモンの腹違いの妹『蛇塚・ライム』の御霊と共に、激情の炎の爆撃と衝撃波でチェス盤やチェスの駒を模した怪物達を吹き飛ばした。
「……調子に乗るなよ!」
 その事に腹を立てた帝竜カダスフィアが、無機物をチェス盤やチェスの駒を模した怪物達に変換した。
 変換された怪物達は猟兵達を威嚇するようにして咆哮を響かせ、傷つく事も恐れず襲い掛かってきた。
「……月よ。私を導いて下さい。そして、その力を私に貸して下さい」
 莉愛が【月下天舞(ゲッカテンブ)】を発動させ、清楚で純粋な歌姫に変身すると、輝く月の光の魔力で飛び上がった。
「憑装(ソウルユニゾン)、蛇塚シロオロチ神楽。お願い蛇神様、あたいと一緒に踊って……!」
 次の瞬間、レモンが【憑装・蛇塚シロオロチ神楽(ソウルユニゾン・ヘビヅカシロオロチカグラ)】を発動させ、黄金の霊波動を纏った白蛇神降ろしの巫女に変身すると、念道理樹で神楽を舞いつつ、蛇腹剣を怪力任せに振るい、衝撃波を乱れ撃った。
 それに合わせて、莉愛がクイックドロウで素早く攻撃準備をすると、続け様に攻撃を仕掛けて、帝竜カダスフィアに聖なる弾丸を撃ち込んだ。
「ググ……、このままでは!」
 その事に危機感を覚えた帝竜カダスフィアが、チェス盤化した大地と合体し、巨大なロボに変形した。
 帝竜カダスフィアと合体したチェス盤は、傷ついた身体を完全にガードしており、まるで鎧のようにも見えた。
「やはり竜族、こうでなくては面白くねぇ。容易く喰らえる相手じゃねぇからこそ、喰らい尽くす甲斐があるってものだ」
 即座にルードが暴食剣「神喰」と呪詛剣「無愧」を構え、幻影の外套と音無しの靴の能力で気配と音を殺し、残像を駒の様に配置して、帝竜カダスフィアに攻撃を繰り出した。
「ぐぬっ……、小賢しい真似を!」
 それを迎え撃つようにして、帝竜カダスフィアが反撃を繰り出したものの、当たったのは、すべて残像。
 まるで前掻きをするような勢いで空を切ったため、帝竜カダスフィアの苛立ちが伝わってくるほどだった。
「大地と合体したなら、こいつだな」
 その間に、結城が【雪見九尾の大海竜奏(オーシャングリーフ)】を発動させ、水地空中を泳ぐ無敵の強襲用海竜装を想像から創造し、隙をついて地中を潜行すると、装甲の薄い部分を狙って執拗に攻撃を仕掛けた。
「そ、そんな攻撃が効く訳ないだろ!」
 その言葉とは裏腹に、帝竜カダスフィアが激しく動揺した様子で、自らの身を守った。
 だが、結城の度重なる攻撃によって、胸部の装甲にヒビが入り、今にも割れそうな勢いで悲鳴を上げていた。
「だったら、なにをやっても問題ないよな?」
 結城が含みのある笑みを浮かべ、魔力を溜めた全力魔法で、無酸素詠唱・多重詠唱・高速詠唱・早業による無数の呪詛・誘導弾・一斉発射で、炎と嵐の範囲爆撃衝撃波を帝竜カダスフィアに放った。
「うぐ……ぐぐぐっ!」
 そのため、帝竜カダスフィアは鎧の如く身に着けていたチェス版を木っ端微塵に破壊され、傷ついた肉体をあらわにさせた。
 しかし、結城の攻撃は止む事なく、毒使いの毒によって蝕まれた肉体が悲鳴を上げ、大量の血が噴水の如く噴き出した。
「さぁ喰らい尽くそうか……。総ての竜を、余さずその血肉の一片まで……っ」
 それと同時にルードが【魂装・神魔喰ライシ暴食ノ暴君(リンケージ・タイラント)】を発動させ、神喰と無愧を真名開放形態に変形すると、真の姿を解放して、捕食衝動の理性侵食を代償に、これまで喰らった敵を憑依させた。
 それはまるで理性を失ったケモノのようであったが、帝竜カダスフィアを敵として認識しており、怪力乗せた二刀による連撃で肉を削ぎ、腸を抉るような勢いで喰らいついた。
「グガァァァァァァァァァ! や、やめろおおおおおおおおおおおおお!」
 その途端、帝竜カダスフィアが悲鳴を上げたが、ルードはまったく気にしておらず、斬って、抉って、喰らいまくっていた。
 そのため、帝竜カダスフィアは成す術もなく、生命活動を停止させ、無惨な骸をその場に晒すのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月07日


挿絵イラスト