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帝竜戦役③〜盤上の帝竜

#アックス&ウィザーズ #戦争 #帝竜戦役 #帝竜 #カダスフィア #群竜大陸

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「どうやら、最初の帝竜が現われたようじゃの」

 ガングラン・ガーフィールド(ドワーフのパラディン・f00859)は厳しい表情で、そう語り始めた。

「現われたのは帝竜カダスフィアじゃ。その能力を使い、戦場を巨大なチェス盤のように変えて、こちらを待ち受けておる」

 加えて、帝竜カダスフィアの能力自体がチェスを連想させるものばかりだ。チェス型ゴーレムの大群を生み出し、チェス盤やチェスの駒を模した怪物に無機物を変換してくる。本体そのものが強大な竜だというのに、質量にさえ対抗してくるのだ。

「何より、自身の身長のニ倍に相当する機械の体に変形できるらしい。元の大きさを考えれば、まさしく狂気の産物よ」

 まさに、軍勢ではなく動く城塞だ。何よりも向こうは必ずこちらの先手を打ってユーベルコードを使ってくる。無策で挑みかかれば、一方的に蹂躙されて終わりだ。

「だからこそ、帝竜カダスフィアのこの能力にいかに対抗するか? その策が試される。どう対策するかは……わしが考えるよりも、実際に戦うおぬしらが考えるのが一番じゃろうて」

 帝竜自体の巨大な力。その能力から生み出される物量。そのどちらにも対抗できなければ、帝竜カダスフィアには届かない。たが、ガングラン曰く「対抗する手段は必ずある」との事だ。

 いかにして、対抗するのか。そのための手段はそれぞれの猟兵が、既に持っているはずだ。あるいは、無いのならば編みだすしかないだろう。

「何にせよ、アイデア勝負よ。これから先も、帝竜どもが立ち塞がる。その第一陣と思って、思いっきりぶつかってくるがよい」


波多野志郎
ついに最初の帝竜が現われましたね。どうも、波多野志郎です。
今回は、帝竜カダスフィアと戦っていただきます。

プレイングボーナスは、『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』というものになります。質と量、どちらも持つ帝竜といかに対抗するか? 皆様のアイデアをお待ち致しております。

それでは、白黒の盤上でお会いしましょう!
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第1章 ボス戦 『帝竜カダスフィア』

POW   :    ビルド・カダスフィア
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【チェス盤化した、半径100m以上の大地】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD   :    ミリティア・カダスフィア
【チェス型ゴーレムの大群】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    形成するもの
自身からレベルm半径内の無機物を【チェス盤やチェスの駒を模した怪物】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。

イラスト:あなQ

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

クラウン・アンダーウッド
なんとも珍妙な姿だねぇ。好きなのかい?チェス。おっと、ご挨拶が遅れた。ボクは道化師のクラウンさ!短い間だけどよろしくね♪

巨大化していく帝竜を見て一言「食べても美味しくなさそうだね、帝竜さん」

第一撃をギリギリで回避して動揺しているように装い、破れかぶれの一撃のような形で自身の器物(懐中時計)付きのカバンを投げつける。しかし、帝竜が気にも止めないような角度の方向に暴投。

次の一撃を躱すことなく潰されてやられたように見せかけ、先ほどの器物から復活する。からくり人形(α)をカバンから呼び出して左腕に抱いて帝竜に気づかれないように接近。

αの発生させるバリアの境界による空間断絶で帝竜をぶつ切りにしていく。


箒星・仄々
心情
遠目から見ても禍々しいお姿ですね~

この世界を
命を喰らわせてるわけには行きません

倒すことで骸の海へと戻して差し上げましょう


SPD

魔法の迷彩で姿を隠しながら
常に動き周り
大群が協働できないよう立ち回ります
;迷彩&忍び足&目立たない&見切り&早業&残像&フェイント

ある程度
近づいたら/近づいて来たら
こちらのものです

腕や股下を潜り走り抜けながらペロペロ
摩擦を減らして止まれなくして
敵同士をぶつけます

ドミノ倒し
いやボーリングでしょうか

これを繰り返して大群を大混乱に陥れますよ!

混乱の隙をぬぐってカダスフィアさんへ
Kナーゲルを振るって皆さんの助太刀をいたしましょう


新山・陽
wiz 戦術の知略に心躍らせた帝竜よ。先手を許した程度のことで、自らを捨て駒などと言い捨てては、命の使いどころが悲しいじゃないですか。
 ひとつ私と対局はいかが?
 UC『形成するもの』に【世界知識】でチェス化した怪物達の挙動を【視力】で読み解きながら、射程距離外まで【ダッシュ】【逃げ足】で距離を取ります。怪物の進路妨害には【咄嗟の一撃】で対処を試みます。

 範囲外で身を翻しUC『凍えた液鋼』を発動。動かず【集団戦術】を用い分隊した鋼球を駒に見立て【援護射撃】でぶつけ、チェス対局を挑みます。
 「チェックメイトです」
 怪物をある程度対処出来たら【部位破壊】で近づけさせないよう足を狙って攻撃してみます。


シリン・カービン
【SPD】

帝竜、あなたを狩る日を待っていました。

相手が数の暴力で来た場合の対策は。
「後退します」
ダッシュでゴーレムの大群を引き離し、
盤面の端へと移動します。

この時、帝竜→ゴーレム→自分と並ぶ様に調整。

「羽根妖精よ、私に集え」
【ピクシー・シューター・ギガント】を発動し、
複製猟銃を合体させて巨大な精霊砲を形成。
ゴーレムの大群越しにカダスフィアに照準を合わせ、
十分引き付けたところで発射!
強大な精霊弾が大群の中に道を開きながら
帝竜に突き刺さります。

本命はここから。
帝竜までの視界が開ければ、狙撃は雑作ありません。
「カダスフィア、あなたは私の獲物」
精霊砲が抉った傷口や目などの急所を撃ち抜きます。


国栖ヶ谷・鈴鹿
SPD】

⚫︎先制対策
まぁ、ここはあれだね。
【目潰し】煙幕や【運転や操縦】で所定の位置まで後退!
ゴーレムの移動範囲を利用して誘おう。
⚫︎反撃
後退してチェスの開始位置まできたら、
あとは各個追撃してきたゴーレムをUCで改変してこっちの手駒に変えて行こう。
手勢が集まったら反撃開始!チェスに相手の駒を奪うルールはないけど、盤面勝負なら、こっちの方が面白いよね。

あとは、迂闊なクイーンはナイトやポーンの連携で狩って、ルークの守りとビショップの奇襲で有利に進めて行こう!
ぼくも制圧射撃やポーンを上手に中央の制圧に攻め込ませて、一気に詰みまで持って行くよ!ルールは変則だけど、面白い一戦になりそうだ!


アイン・セラフィナイト
盤上に座する竜。いうなればキングってやつかな。
それも、次から次へと仲間を生み出すキングか、厄介だね。

【対策】
『黒翼・神羅の鴉羽』で『空中戦』、遠距離攻撃も考えて『暁ノ鴉羽』で『オーラ防御』しておくよ!

【反撃】
UC発動、【暁ノ日輪】を視認した怪物たちは幻惑に呑まれる。カダスフィアを『ボク』と認知して襲いかかるようにするよ。
無数の眷属を生み出せば生み出すほど、キミの状況は悪化する。
UC発動を解く?それとも、怪物を生み続ける?どちらにしろ……これで終わりだ!
『境界術式』展開、魔書から生み出される魔弾の雨で全てを『蹂躙』するよ!(属性攻撃・全力魔法・範囲攻撃・リミッター解除)


陰白・幽
将棋みたいな〜遊びのチェス〜どうしてあなたは〜そんなに白黒なの〜……ふう、やっとたどり着いた最初の帝竜さんだね、チェスは得意じゃないけど頑張るよー

ふふふ、今回は秘策を用意したぞ〜

全力で加速をして駒と駒の間を縫うように突撃していくよー、駒の妨害はあるかもしれないけど……まずは駒の特徴とかを見たら動きも予想できる部分は予想をして躱して……それでも躱すことが出来ない攻撃はUCを使って動きを知って躱していくよ〜
どんどんスピードを上げて帝竜本人に思いっきり飛び蹴りをしていくよ……この時もUCを使って敵の回避、防御、反撃の一手を見てしっかり詰めていくよ〜
今回は"まった"作戦で頑張るぞー


備傘・剱
こいつ、食えるんだろうかな?
ま、やってみればわかるってもんだ

まずは青龍撃発動、高速移動を可能にするぜ

無機物と融合し始めたら、誘導弾、呪殺弾、衝撃波を鎧無視攻撃、鎧砕きを重ねた零距離射撃で無機物を破壊する

巨大になっても、片っ端から削り取ってやる
帝竜の再生と俺の弾幕、どっちが早いか勝負だ

ゴーレムの大群と怪物共は、誘導弾、呪殺弾、衝撃波、頭の上の一足りないのダイス、水弾を弾幕に、接近されたら、爪で切り裂いてすべて破壊する

その後、高速移動しつつ、全兵装完全起動、帝竜の横っ腹に零距離で叩き込んでくれる

さぁ、お前の肉はどんな味だ?
おいしく全部食べてやるから、安心して狩られておけ

アドリブ絡み、好きにしてくれ


弦月・宵
カダスフィア…
ヴァルキリオスが進言を聞けば、と言ってたやつだ
こいつが今、一番軍備を整えてるんだね…止めるさ!

まずはゴーレム
先手取れないなら構えるしかない!
浮雲で機動力と行動範囲を確保して、
攻撃に合わせて身を退いて威力を逃がす

囲まれないように、軍としての動向を意識して動くよ
チェスに準えた面子なのかな?だったらなけなしの学習能力で、チェス駒の特徴を暗記しとく
…今回分しか、記憶に残んないんだからね?!
オレに勉強させた覚悟はして貰うからな!

攻撃は【奏者の遺光】の輝きがあるうちに。
剣と鞘を両方使って、斬撃といいつつ今回は一点突きに力を込めるかな。
ゴーレムは岩だものね
砕いた岩の死角を移動して、帝竜を討つよ


御剣・刀也
随分とでかくなる竜だな
が、でかいから遊離って訳じゃない。その図体じゃ小回りは効かないし、一度懐に入ればこっちのものだろう
なら俺は最短距離を突っ走るだけよ

合体して巨大ロボになられても、勇気で恐れずダッシュで懐に飛び込んで二回攻撃で相手の関節を攻撃し、頭が降りてきたところに捨て身の一撃を打ち込んで斬り捨てる
相手の体は大きく、動きも大きいと思うので第六感、見切り、残像を駆使して動き回り、狙いをつけさせないようにしつつ攻撃する
「でかければ勝てると思ったか?バカが。的をでかくしてくれてありがてぇよ。行くぞ。お前が立てなくなるまで、俺の剣をくらわせてやる!」


ステラ・エヴァンズ
多勢に無勢になるのが必定であるならば…それすら踏み超えるしかないのですね

相手がUC展開後、多重詠唱による高速詠唱を開始
流双星を代価に星剣を展開
雷の属性攻撃を付与し身に纏う刃と致しましょう
これで量は如何ほどか抑えられますね?
と言っても全てを捌けるとも思っていないのでくぐり抜け近づくものには水の属性攻撃で2回攻撃、範囲攻撃、衝撃波でなぎ払い
そうしてカダスフィアに近づきつつ彼の竜にも同様の攻撃で水まみれにします
相手の攻撃は第六感と見切りを併用して回避
ある程度水を浴びせ詠唱が終わったら全力魔法で最大火力の雷属性の精霊彗星を墜としましょうか

水の染み込んだ体でしっかり味わってくださいまし!

アドリブご自由に


黒鋼・ひらり
帝竜…御大層な名前と図体じゃない
だけどこっちも負けてらんない…その盤面ごとぶっ潰したげる、文字通りにね…!

無機物と合体するそうだけど、『機械の体』って言うならどうとでもやり様はあるわね…元々自前の体も金属みたいだし、私の能力…磁力操作が通じる

磁力反発で機械の体で繰出す先制攻撃の勢いを弱めつつカウンターで蹴り込み…その反動とギミックシューズの跳躍…磁力反発で後方に飛び退いて初撃をいなす…そのまま跳躍の反動でそのまま上空に飛びあがりながら落下
落下の勢い、鉄球の重量、膂力、磁力による加速…諸々全部乗っけたUCの一撃
融合した盤面…戦場ごとぶち割って、こんな『ゲーム』ひっくりかえしてやるわよ!


フェリクス・フォルクエイン
絡み&連携歓迎
「巨体から繰り出される攻撃は脅威でしょうけれど、身体が大きくなれば自身の身体に視線を阻まれる死角も生じる筈」
「行きますよ、エミリア」
 先制攻撃は可能なら見切りつつ乗騎であるペガサスの機動力をかり空中戦。速度や方向を急変更するなどのフェイントを交えて躱し、避けられなければオーラで防御しつつ武器で受け、死角に回り込もうとする方向で凌ぎます
「巨体って言うのは自重を支える足にかなりの負担を強いるモノなんですよね、ですから――」
首尾よく死角に回り込めたなら、UCで攻撃力強化しつつ狙うのは左右どちらかの膝の裏
「倒れろッ!」
トドメより味方が攻撃する隙を為の攻撃を重視し、その後も空中戦で支援する


鬼桐・相馬
巨大化、ロボの利点は何だ。
攻撃力・防御力の向上――欠点は。損傷に気付き辛い、動きを伝達する部位がある、か。

【POW】
[冥府の槍]を構え接敵。攻撃は[戦闘知識と視力]を最大限に生かし動きを[見切り、武器で受け]流す。
片足を狙い執拗に死角から[カウンター]気味に槍で穿つように攻撃。

足元で動き回られ思った以上の損傷だと気づいた時、飛翔し距離を取ると予想する。
それを待っていたんだ。
[ヘヴィクロスボウ]に装着しておいた[ジャバウォックの鉤爪]を尻尾とチェス駒のような突起へ向けて射出。
[限界突破]した[怪力]でワイヤーを引き、一気に空から引きずり落とそう。

同時にUC発動。頭を狙い、悪意の炎に塗れた一撃を。


蛇塚・レモン
知略を尽くす竜の戦術……手強そうだねっ!
でも、あたいはこの『盤面』をひっくり返す手段を知っているよっ!

・対処法
勾玉からライムの魂魄を顕現
周囲から怪物が襲ってくるのを防ぐために、
ライムが放つ激情の炎の爆撃と衝撃波で周囲を吹っ飛ばすよ!
閃光弾代わりに周囲へ熱と光と爆音を撒き散らして
帝竜もろとも前後不覚に陥らせるよ!
※全力魔法+属性攻撃+焼却+目潰し+恐怖を与える+マヒ攻撃
味方には目と耳を塞ぐように警告するね

・攻撃
怯んだ隙に念動力で空中浮遊
空中戦からUC発動
上空から神楽を舞いながら蛇腹剣を怪力任せに振るって衝撃波を乱れ撃ち!
※鎧無視攻撃+範囲攻撃

チェス盤自体をひっくり返せば戦略は無意味だよっ!


ナイ・デス
私では、仕留めることは難しい……でしょうね
けれど、仕留める機会を作ることは、できる筈

詰み(チェックメイト)は無理でも、王手(チェック)はかけさせて、もらいます!

【勇気】を胸に【怪力ダッシュ】大群へ突撃し
【覚悟、激痛耐性、継戦能力】傷つきながらも【念動力】で肉体動かしもして前へ前へ【存在感】発して気を引く

そう、囮のように意識を割かせて
死んだと、思わせて

チェック

『今はあなたの後ろにいる』
死角から【暗殺、鎧無視攻撃】黒剣鎧の刃で【串刺し】不意打ち
【2回攻撃】間髪入れず【零距離射撃】
刺した刃から【生命力吸収】する光を放つ
奪い尽くして、消滅、まではできなくても、虚脱感
脆くして

チェックメイトの、時を!


ルネ・プロスト
人形達は死霊憑依&自律行動

転移後直ぐにルネとビショップ2体は其々ナイトに騎乗、ビショップの片方はルネと相乗り
ビショップのオーラ防御で障壁張って身を守りつつ、ナイトのダッシュ&ジャンプで帝竜のいる方向と逆方向へ逃げ回る
邪魔な敵駒は『安寧』介して高圧水圧弾生成・投射して吹き飛ばす

先制攻撃凌げたらUC使用、帝竜の変換射程圏外の無機物を変換して敵群の足止め
逃げ回ってる間に障壁で敵の攻撃防げてたら条件も満たせて一石二鳥だね
その後は『慟哭』に呪詛を込めた風圧弾を装填・射出して帝竜を狙撃、細かい照準は弾丸に誘導性持たせて補正

無機物変換系UCは対処面倒で嫌いなんだよね
だから、射程圏外に逃げつつ撃たせてもらうよ


玉ノ井・狐狛
※アドリブ/連携などお任せ

🛡️
あのタッパからさらに二倍ってぇと、クジラよりデカいくらいか?
茶飲み話の与太で聞くならともかく、対面したくはねぇモンだなァ。

花火玉で煙幕を張る(►八卦▻物を隠す)
煙の中でもアタシは霊視で問題ない(►白▻視力)

もちろん、翼で扇ぐなりして吹き飛ばしにかかってくるだろう。
そこまで折り込み済みさ。
意識が「煙を排除すること」に向いたタイミングを▻見切り、逆に接近。
そんだけデカけりゃ死角もあるだろ?
そこに潜む。


次に相手が大きな動きをしようとした瞬間が勝機だ。
◈UCでそのベクトルを変換する。
ご自慢のデカブツボディの威力、ちょっと実演してくれよ。(▻カウンター)



●卓上遊戯の開幕を――

白黒の戦場で帝竜カダスフィアが、岩のこすれるような音を漏らした――喉を鳴らして、笑ったのだ。

「質だけではなく、量も揃えてきたか。いつかの光景を思い出すが……」

 カダスフィアに、焦りはない。いざ戦場に立てば、己の手元にあるカードで勝敗を決メルのが戦いに常だ。だからこそ、戦場に集った猟兵達を相手に『一手』を示す。

「だが、最初から『王』を取れるとは思わぬ事だ」

 チェス型ゴーレムの大群が、眼前に立ち並んでいく。槍を構えた歩兵の群れ――それを従え、帝竜カダスフィアは告げた。

「では、始めるとしようか――今代の勇者どもよ」

●迎え撃つは質と量

「盤上に座する竜。いうなればキングってやつかな。それも、次から次へと仲間を生み出すキングか、厄介だね」
「遠目から見ても禍々しいお姿ですね~」

 立ち並んでいく歩兵の群れを従える帝竜にアイン・セラフィナイト(精霊の愛し子・f15171)が評し、箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)もまた感想を呟く。まさに、神話や英雄譚から抜け出してきたような強大な竜が、現実にいた。

「この世界を、命を喰らわせてるわけには行きません。倒すことで骸の海へと戻して差し上げましょう」
「カダスフィア……ヴァルキリオスが進言を聞けば、と言ってたやつだ。こいつが今、一番軍備を整えてるんだね……止めるさ!」

 弦月・宵(マヨイゴ・f05409)が呟いた瞬間だ――まさに、圧巻の光景が繰り広げられる。

「――――」

 前衛に歩兵の陣形、その背後から漆黒の騎兵が左右に展開した。背後には僧兵の一団が横一列に並び――帝竜に匹敵する巨大さの人の形をした城塞が、轟音を立てて立ち上がっていく。そして、その城塞の肩に乗るのは黒いドレスがごとき装甲を身にまとう女王だ。

 盤上遊戯が、現実になる。それを成したのは、当然のごとく王の位置に立つ帝竜カダスフィアだ。

「帝竜、あなたを狩る日を待っていました」
「まぁ、ここはあれだね」

 シリン・カービン(緑の狩り人・f04146)の呟きに、国栖ヶ谷・鈴鹿(未来派芸術家&天才パテシエイル・f23254)が言う。その意図を察して、同意見だったシリンは答えた。

「後退します」

 ――猟兵達のその動きに、帝竜カダスフィアは目を細める。

「面白い。形勢を作り反撃を、か。悪くない手だが――」

 それだけではあるまい、帝竜カダスフィアは油断しない。命を懸けた遊戯なのだ、敗北は許されないからこそ。

「では、まずは誘いに乗ってやるとしよう」

 片翼の騎兵が、加速する。敢えて崩した帝竜側の陣形――それを見て、新山・陽(悪と波瀾のお気に入り・f17541)が届かぬ事を承知で告げた。

「戦術の知略に心躍らせた帝竜よ。先手を許した程度のことで、自らを捨て駒などと言い捨てては、命の使いどころが悲しいじゃないですか――ひとつ私と対局はいかが?」

 陽の目が、相手の駒の動きを読む。突出したのは騎兵、チェスでも機動力に優れた駒のひとつだ。女王と城塞を除けば、もっとも盤上を駆けるのに長けていると言っていい。

「各個体は速やかに、これを解決せよ」

 凍えた液鋼(フローズン・リキメタル)――陽の召喚した冷気を纏う鋼球が、騎兵の前へと展開される。右か、左か。騎兵の強みはその二択を敵へと強いる点だ。その動きを読んで、陽は鉄球を配置し――鉄球と騎兵が、激突した。

「――む」

 この激突まで読んでいた帝竜カダスフィアが、小さく唸る。騎兵達の先端が、大きく体勢を崩して落馬したのだ。本来ならありえない動き、その正体は遠くでは目を凝らした知略の帝竜でも見抜けない。

「ドミノ倒し、いやボーリングでしょうか」

 魔法の迷彩で姿を隠した仄々が、猫の猫の毛づくろいによって馬と兵の動きを乱したのだ。騎兵は速度があるだけに、すぐには止まれない。先頭が倒れれば、それこそドミノ倒しが起きるのは必定だった。

「将棋みたいな〜遊びのチェス〜どうしてあなたは〜そんなに白黒なの〜……ふう、やっとたどり着いた最初の帝竜さんだね、チェスは得意じゃないけど頑張るよー」

 口ずさむように呟き、陰白・幽(無限の可能性を持つ永眠龍・f00662)が駆ける。急激に方向展開しようとした騎兵、その馬の背に降り立つと幽が龍破の鉄球を振り回した。ドォ! と鉄球を受けて動きを崩した騎兵達に、幽は再び跳躍する。

「ふふふ、今回は秘策を――」

 次の瞬間、唐突な衝撃に幽は吹き飛ばされる。それが何なのか知る前に、地面に叩きつけられる――はずだった。

「――用意したぞ〜」

 永眠龍の刻(スリーピングドラゴンズ・シン)――時間を巻き戻す事により、それが高速機動で割り込んできた女王の蹴りと知って、幽が己の蹴りで自身吹き飛ばすはずだった蹴りを受け止めた。

「今回は"まった"作戦で頑張るぞー」
『――――』

 幽と女王が、盤上で激突を繰り返す。その互いに稼いだ『時間』が、双方に次の一手をもたらした。

「羽根妖精よ、私に集え」

 シリンが膨大な数の精霊猟銃を召喚する。ゴーレムの大群越しにカダスフィアに照準を合わせ、複合合体した巨大な精霊砲の引き金を引いた。

 ドォ! と戦場に到達した歩兵の一角を撃ち抜き、帝竜カダスフィアへシリンの一撃が迫る。だが、それを防ぐ巨体があった――城塞だ。その漆黒の石造りによる巨体が、シリンの狙撃に大きく揺らいだ。

「多勢に無勢になるのが必定であるならば……それすら踏み超えるしかないのですね」

 ステラ・エヴァンズ(泡沫の星巫女・f01935)は陣形を組んだまま一糸乱れぬ歩兵達を前に、流双星を広げ星剣を展開――雷の属性攻撃を付与し身に纏う刃へ。

「これで量は如何ほどか抑えられますね?」
「あいつ、食えるんだろうかな? ま、やってみればわかるってもんだ」

 ステラと青龍撃(バレットスピーディング)によって空気中の水分を凝縮し形成した青龍の爪と牙をまとった備傘・剱(絶路・f01759)が、同時に範囲攻撃を仕掛けた。怒涛の水属性の攻撃が、歩兵達へと襲いかかる――吹き飛び、砕かれ、それでもなお怯まず歩兵達は進軍を続ける。

「ライム!」

 蛇塚・レモン(白き蛇神オロチヒメの黄金に輝く愛娘・f05152)の呼びかけに応え、白蛇神オロチヒメの勾玉から姿を現したのは、激情を司る炎蛇神だ。蛇行し、尻尾を薙ぎ払えば炎と衝撃波が、歩兵達を文字通り薙ぎ払っていく。

「記憶して、僧正人形(ビショップ)。――覚えたね? それじゃ、そっくりそのままやり返しちゃって!」
「……ほほう?」

 ビショップ2体と共にケンタウロス形態のナイトに騎乗したルネ・プロスト(人形王国・f21741)が起こしたそれに、カダスフィアが興味深げな呟きをこぼす。

 駒盤遊戯・鏡像反射(ドールズナイト・パペチュアルチェック)――帝竜カダスフィアのユーベルコードをコピーしたビショップが、同じ盤上のゴーレムを再現してみせたのだ。そして、それだけではない――本来ならば味方であるはずの一部のゴーレムが、争い始めたのだ。

「チェスに相手の駒を奪うルールはないけど、盤面勝負なら、こっちの方が面白いよね」

 鈴鹿がゴーレムを改変し、自身の手駒へと変えたのだ。数を補うための手段だ。これで軍対軍の戦いとなった――白と黒の盤上で、互いが激しく火花を散らした。

●『王』へと至る道――

 帝竜カダスフィアの恐ろしさは、その知略に「も」ある。チェスがごとき戦術のぶつかり合い、それでも帝竜は一歩も猟兵達から退かなかった。

「……今回分しか、記憶に残んないんだからね?! オレに勉強させた覚悟はして貰うからな!」

 宵は腰に装着した、小さな魚の尾ヒレのような比翼――浮雲で浮かびながら、敵軍の動きに注視する。相手の兵の動きは、確かにチェスの駒が持つ特徴に同じだった。その法則さえ見切れば、予想は無理ではない――無茶レベルにまで、勉強してきたのだ。

(「そうだ、こっちだ――」)

 軍対軍の戦い、チェスでもそうだが重要なのはぶつかった戦端ではない。それは過程での結果であって、目的ではないのだ――帝竜カダスフィアも、それを読んでくるはずだ。

 ――軍と軍が激突する事が目的ではなく、そこに『道』を作る事こそが本来の狙いなのだから。

「そろそろか――」

 帝竜カダスフィアが、呟く。同サイズであった城塞――しかし、瞬く間にその大きさは圧倒していた。

「あいつ、食えるんだろうかな? ま、やってみればわかるってもんだ」

 ビルド・カダスフィア。巨大化し、更にチェス盤と融合しようとした、その時だ。

「あたいはこの『盤面』をひっくり返す手段を知っているよっ――!」

 その瞬間を狙って動いたのは、レモンだ。

「憑装(ソウルユニゾン)、蛇塚シロオロチ神楽。お願い蛇神様、あたいと一緒に踊って……!」

 憑装・蛇塚シロオロチ神楽(ソウルユニゾン・ヘビヅカシロオロチカグラ)によって黄金の霊波動を纏った白蛇神降ろしの巫女へと変身したレモンが、神楽を舞う。蛇腹剣クサナギが生み出す『円』、そこから放たれた衝撃波が白と黒の戦場を打った。

「チェス盤自体をひっくり返せば戦略は無意味だよっ!」
「帝竜……御大層な名前と図体じゃない。だけどこっちも負けてらんない……その盤面ごとぶっ潰したげる、文字通りにね……!」

 そして、黒鋼・ひらり(鐵の彗星・f18062)が跳んだ。めくれ上がっていく白と黒、それが帝竜に届くよりも速く――ギミックシューズの跳躍から落下する勢いを乗せて、巨大鉄球【グレートコメット】を地面に叩きつける!

 レモンによって浮かされた盤面が、ひらりのグラウンドクラッシャーによって粉々に粉砕された。

「それでも、これで十分だ」

 最強の形態に届かずとも、巨大化しただけで帝竜カダスフィアは十二分な驚異だ。冗談のように巨大化していく帝竜に、玉ノ井・狐狛(代理賭博師・f20972)が笑って言った。

「あのタッパからさらに二倍ってぇと、クジラよりデカいくらいか? 茶飲み話の与太で聞くならともかく、対面したくはねぇモンだなァ」
「巨体から繰り出される攻撃は脅威でしょうけれど、身体が大きくなれば自身の身体に視線を阻まれる死角も生じる筈」

 狐狛の言葉に、フェリクス・フォルクエイン(人間の天馬聖騎士・f00171)は騎乗していたペガサスの手綱を引いて告げる。

「行きますよ、エミリア」

 フェリクスの意図を気付いて、エミリアが高く駆け出す。カダスフィアが動いたという事は、次の局面に移行したという事――その一手を生み出したのは、ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)だった。

「私では、仕留めることは難しい……でしょうね。けれど、仕留める機会を作ることは、できる筈」

 ナイはその胸に勇気を滾らせ、低く身構える。狙うは一騎駆け――ただ、まっすぐに帝竜カダスフィアへと駆け出した。

「詰み(チェックメイト)は無理でも、王手(チェック)はかけさせて、もらいます!」

 ゴーレムの群れを、突っ切っていく。槍が、刃が、魔法が、その進軍を阻む。これでは特攻だ。届くはずがない、無謀とも思える疾走――事実、『道』半ばでナイの足が止まった。

 激痛に耐え、念動力で体を動かしてまでの突撃が、無為に終わった。誰もが、そう見えたその刹那――。

「――ッ!?」
「私はここにいて、ここにはいない」

 今はあなたの後ろにいる(フェイタルムーブ)――ヤドリガミの仮初の肉体が瀕死になって放棄されることで、放棄と同時に対象の死角から現れた新しい肉体で攻撃を加える、ナイの起死回生(ユーベルコード)!

 だが、それを読んでいる者が……否、物がいた。城塞だ。

「えっと、確か――キャスリング!?」

 詰め込みで勉強してきた中にあったチェスのルールを思い出し、宵が声を上げる。本来はありえないキングとルークを一手、双方を同時に動かす特殊な手だ。互いの間に駒がない場合、最初期から動いてない場合行える――女王を動かしながら、ルークを動かしていなかった理由がこれだ。あくまで『壁』にし続け、致命の一撃に備えていた――はずだった。

 だが、キャスリングのルールにはまだもう一つ条件がある――互いの間に、他に駒がない場合に限られるのだ。ならばこそ――。

「それはさせるか」
「邪魔だ」

 鬼桐・相馬(一角鬼の黒騎士・f23529)の冥府の槍が城塞の腕を貫き、御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)の獅子吼が二の腕から豪快に斬り飛ばす! ナイが生み出した『道』、そこを駆け抜けた二人のインターセプトだ。

 王と城塞の間に駒があればキャスリングの条件は満たされない。だからこそ、ナイの黒剣鎧の刃が突き刺さった。

「チェック」

 そして、2回連続攻撃――零距離射撃による黒剣鎧による一撃が、生命力吸収を施す!

(「奪い尽くして、消滅、まではできなくても、虚脱感、脆くして」)

 宣言通りだ。ナイが届くのは、チェックまで――。

「チェックメイトの、時を!」
「おう!」

 そこに、狐狛が花火玉を叩き込む。視界を覆う煙、この状況でもっとも帝竜カダスフィアが恐れたのは他でもない。戦場の把握ができない事だ。

「ならば、乗ってやろう!」

 帝竜カダスフィアが背の翼を羽ばたかせ、煙を薙ぎ払う。ここまで狐狛の思惑とわかっていても、これが最善手だ――逆を言えば、そこまで追い込んだという事。

「――な!?」

 だが、その帝竜カダスフィアの想像を越えた一手がそこに待ち受けていた。城塞の岩の拳が、突然王であるカダスフィアを襲ったのだ。

「無数の眷属を生み出せば生み出すほど、キミの状況は悪化する。UC発動を解く? それとも、怪物を生み続ける?」

 アインの幻術・暁ノ日輪(イモータル・ドーン)の効果だ。光り輝く鴉の大群と影でできた蝶の群れを引き連れたアインの、強力な幻惑効果――それでカダスフィアをアインと誤認させたのだ。

 帝竜カダスフィアの判断は速かった。一度解除し、即座に再発動させる。それで問題ない、そのはずだった。

「――はい、"まった"~」

 女王を倒した幽の永眠龍の刻(スリーピングドラゴンズ・シン)――巻き戻った時間分、その一手を読んでいた幽自身が弩弓の矢のごとき跳び、帝竜カダスフィアの顔面を蹴り飛ばした。踏みとどまる帝竜、質量は圧倒的だ。しかし、本来最速で行なうはずだった起死回生の一手が、幽の一撃でわずかに奥手――。

「どちらにしろ……これで終わりだ!」
「ナイト、お願い」

 境界術式を展開した魔書から生み出される魔弾の雨でアインが蹂躙、ナイトの背に乗ったルネの純白のドラグノフ狙撃銃『慟哭』による遠距離射撃が、カダスフィアごと新たに生み出されたチェスの駒達を破壊していく!

「今です!」
「こっちは任せて」

 上空から、カッツェンナーゲルを構えた仄々が残った駒達を切り裂いていく。そこに続くのは、同じく駒を引き連れたルネだ。横合いからの襲撃に、帝竜カダスフィアの駒達が押し流されていく。

「なんとも珍妙な姿だねぇ。好きなのかい? チェス」
「む――」

 その声に、帝竜カダスフィアが視線を送る。それに応えて恭しく一礼したのは、クラウン・アンダーウッド(探求する道化師・f19033)だ。

「おっと、ご挨拶が遅れた。ボクは道化師のクラウンさ!短い間だけどよろしくね♪」

 その瞬間、クラウンをカダスフィアの尾が襲った。ただの尾ではない、機械化した事でより凶悪となった帝竜の尾だ。

「食べても美味しくなさそうだね、帝竜さん」

 その尾を紙一重でかわし、風圧で体制を崩す。クラウンはカバンを投げつける――しかし、帝竜には当たらず明後日の方向へと飛んだ。

 構わず、カダスフィアの次の尾が繰り出される。薙ぎ払いではなく、上から。横からの風圧と違い、上からのそれはクラウンを抑えつけて逃さない! ドォ! とクラウンの体が、尾で叩き潰された。

「――これは!?」
「さすが、気付くのが早いね」

 尾から伝わる感触の違和感にすぐさま気付いたカダスフィアに、投げたカバンからこぼれ落ちた懐中時計――器物本体から再生したクラウンは感心したようにこぼす。即座にクラウンはからくり人形をカバンから呼び出して左腕に抱き駆けた。

「本当は気付かれないようにしたかったが――α! 防護障壁展開!」

 人形固有能力・タイプα(ドールユニークアビリティ・タイプアルファ)。αの発生させるバリアの境界による空間断絶が、帝竜の尾を裁断する!

「ぐ、ぬ――!!」

 だが、尾を斬られてもカダスフィアは止まらない。機械の拳を振り下ろそうとして――狐狛が動いた。

「ご自慢のデカブツボディの威力、ちょっと実演してくれよ」

 狐狛が機械の拳に触れた瞬間、轟音を立てて砕け散った。狐狛の余計に回る陰陽魚(ルーレット・レボリューション)による、ベクトル変換によるカウンターだ。

 その真横で、城塞が粉微塵に破壊される――影絵の奏者の遺光(カゲエノソウシャノユイコウ)によって帯飾りに着けたチョーカーが輝く間、九連撃を可能とする宵が、破壊したのだ。

「これで――どうだ!」

 -幻鵺-と-波山-、剣と鞘による連撃が、帝竜の機械の体を破壊していく。追い込んでいる、確実に帝竜カダスフィアの終わりが近い――そう誰もが感じた、その時だ。

「まだです!」

 上空からエミリアに乗っていたからこそ、フェリクスにはわかる。砕かれた体が、切り跳ばされた一部が、破壊された地面が――再び、徐々に白黒の盤面へと変化していくのを!

「抑え込んで!」

 自身の側へ引き込んだ駒達を鈴鹿が帝竜カダスフィアへと殺到させる。数で巨大な抑え込む、自身の欠片さえ機械だからと無機物としたのだ。ならば、破壊しないように動きを封じるしか無い。

「良い判断だが、一手遅――」

 い、と続くはずだった帝竜カダスフィアの言葉が、喉元で止まる。鈴鹿の真の意図に、遅れて気付いたからだ。

「お願い!」
「元々自前の体も金属みたいだし、私の能力……磁力操作が通じる!」

 ひらりの磁力操作が、帝竜カダスフィアの動きを更に抑え込む。加えて、生み出した駒達もまた元は体から剥がれた金属――帝竜カダスフィアへと、引っ付いていき離れない!

「――フッ!!」

 鋭い呼気と共に、ひらりが跳ぶ。磁力で自身が引き寄せられるまま、ギミックシューズ【ゲッコウ】で蹴った瞬間に磁力を反転させ吹き飛ばす力に変える!

「ぐ、ぬ……!!」
「巨体って言うのは自重を支える足にかなりの負担を強いるモノなんですよね、ですから――」」

 のけぞった帝竜カダスフィアの右足、その膝の裏へエミリアを駆けさせフェリクスはトリニティ・エンハンスで風の魔力をまとわせた砲弾を叩き込む!

「倒れろッ!」

 帝竜カダスフィアの巨体が、宙を舞う。そのまま背中から、ついに帝竜カダスフィアの巨体が地面に叩きつけられた。

「まだ、だああああああああああああああ!!」

 しかし、帝竜は諦めない。降参の二文字はない、最期まで戦い抜くのだ――いつかの、あの戦争の時のように!

「さぁ、お前の肉はどんな味だ? おいしく全部食べてやるから、安心して狩られておけ」

 その刹那、全兵装を完全起動させた剱が起き上がろうとした帝竜カダスフィアの脇腹へ零距離で撃ち込んだ。水弾が、爪牙が、誘導弾が、呪殺弾が、衝撃波が、頭の上の一足りないのダイスが――帝竜カダスフィアを襲う。

「水の染み込んだ体でしっかり味わってくださいまし!」

 それと同時に水の属性攻撃を放っていたステラが、詠唱する。

「星の源 根源を織り成すもの 我が声に応え……墜ちろ!」

 濡れた帝竜へ、雷属性を帯びた彗星が落下した。轟音と爆風、避けられないと悟った帝竜は即座に受け止める体勢を取り、電光に飲み込まれる。

「ぐ、が、があ、があああああああ」
「でかければ勝てると思ったか? バカが。的をでかくしてくれてありがてぇよ。行くぞ。お前が立てなくなるまで、俺の剣をくらわせてやる!」

 そこへ、刀也が迫る。獅子吼の斬撃を、帝竜は増やした機械の腕で迎え撃った。一本目を拳を縦に両断し、二本目は手首を薙ぎ払い飛ばし、三本目を肘から両断する!

「ぬ、うううううううううう!!」

 首元に刃が迫る、その半瞬速く、帝竜カダスフィアは飛翔した。長くは飛べず、速度は出ない。だが、間合いをあければそれで十分――。

「それを待っていたんだ」

 相馬が、ヘヴィクロスボウに装着しておいたジャバウォックの鉤爪を射出。カダスフィアの体の突起をワイヤーで絡め取り――限界突破した怪力でワイヤーを引き、一気に空から引きずり落とした。

 白と黒の盤面が、再び砕ける。ワイヤーを引いた勢いで跳んだ相馬が、破壊衝動を力に昇華した冥府の炎を纏う冥府の槍を、帝竜の機械の体に突き立てた。

「動くなよ、痛みが長引くことになる」
「舐める、なあああああ!!」

 内側から焼かれる痛みを耐えて、帝竜カダスフィアが立ち上がる。そのまま頭を振り払い、相馬を引き剥がした。

「チェックメイトです」

 そこへ、次々と陽の操る冷気を纏う鉄球が襲いかかる。チェスのルールであれば勝負はあった、だが、まだ戦いは終わりではない。外から冷気、内から炎に苛まれながら帝竜カダスフィアは吼える。

「負けられぬ! 今度こそ、勝つのだ!!」
「カダスフィア、あなたは私の獲物」

 シリンの精霊砲が、帝竜を狙っていた。照準は、額の傷へと――帝竜カダスフィアはそれを察知し動こうとして、ずるり、と前のめりに体勢を崩す。

「――!?」
「考えたんだ。巨大化、ロボの利点は何だ。攻撃力・防御力の向上――では、欠点は?」

 カダスフィアは己の右足が動かない事実を今知って、表情を変える。その疑問に答えるように、相馬は続けた。

「損傷に気付き辛い、動きを伝達する部位があること」
「――あの時の!?」

 フェリクスの膝裏への一撃。そこから伝わるはずだった痛みの信号を、神経に相当する機械の部分を相馬が『焼いた』のだ。

 だから、足が動かない事に気付かなかった。痛みという、異常を知らせるそれがなかったから――。

 反応が遅れ、体勢を崩したところをシリンの精霊砲の狙撃が、撃ち抜く。

「は、はは、これは……正真正銘の、負けか……見事……すみませぬ、ヴァルギリオス様……」

 称賛と謝罪を残し、帝竜カダスフィアがついに大地へと倒れ伏すのだった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月08日


挿絵イラスト