3
帝竜戦役③〜盤上の竜、猟兵を走らす

#アックス&ウィザーズ #戦争 #帝竜戦役 #帝竜 #カダスフィア #群竜大陸

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アックス&ウィザーズ
🔒
#戦争
🔒
#帝竜戦役
🔒
#帝竜
🔒
#カダスフィア
🔒
#群竜大陸


0




●帝竜カダスフィア
 群竜大陸、その一角にあるチェス盤のような盤面が大地を覆い隠していた。
 それはこの場を守護する帝竜カダスフィアと呼ばれる者の能力ゆえ。周囲のあらゆるものをチェス盤や、チェスの駒をモチーフにした眷属に変える能力である。
「僅かに一手。その一手が勝負の明暗を分ける……当然である」
 すでに魂喰らいの森、皆殺しの平野を抜けて猟兵たちが殺到しているのはわかっていた。
 再孵化したカダスフィアは、目前へと迫る脅威―――猟兵の迎撃、その自軍の編成を終えていた。

 だが、それでもなお付き纏う一抹の不安定要素。
 それがなんであるのか、再孵化を果たした彼であってもわからなかった。彼の脳裏には苦い敗北の悪夢が刻まれている。
 はっきりとした記憶ではない。
 それでも尚、脳裏にこびりつく敗北の味は、カダスフィアの巨体を持ってしても拭い去ることができなかった。

「我は見据える。この盤面の先にあるものを。それは勝利の光明である。我が例え捨て駒となろうとも、勝利の栄光はヴァルギリオス様に御許へ捧げなければならぬ―――!」
 カダスフィアの咆哮が大地を震わせる。
 そう、ここは群竜大陸、カダスフィアフォート。
 帝竜カダスフィアが守護する大地―――。

●帝竜戦役
 すでに帝竜戦役の初戦は過ぎ、さらなる局面へと推移していた。
 グリモアベースに集まってきた猟兵たちを出迎えるナイアルテ・ブーゾヴァ(フラスコチャイルドのゴッドハンド・f25860)は、帝竜戦役が勃発したときよりもさらなる緊張した面持ちで彼らを迎えた。
 ようやく頭を下げて、彼らに状況を説明する。
「お集まり頂きありがとうございます。皆さんのご尽力により、魂喰らいの森、皆殺しの平野を突破し、帝竜カダスフィアの待つカダスフィアフォートへの道が開かれました」
 再孵化を果たした帝竜カダスフィア。それは周囲のあらゆるものをチェス盤やチェスの駒などを模した眷属へと変える能力を持つ。
 そのチェス盤由来であるからか、その戦略眼はたしかなものであり、すでに自軍の編成を終えて、猟兵たちを待ち構えている。

「お察しの通り、帝竜カダスフィアは強敵、難敵です。無機物と合体し、さらに巨大なロボへと変形する能力。チェス駒型のゴーレムの大群を呼び出す能力。周囲の無機物をチェス盤やチェスの駒をもした怪物に変換し操る能力……大群を生み出し、指揮する能力に長けた帝竜なのです」
 そう、カダスフィアの軍勢は全て無機物。
 かの帝竜のまわりに無機物が存在する限り、カダスフィアの軍が瓦解することはない。
 数、質、そのどちらをも兼ね備えた強敵なのである。

「はい……これに当たるには、準備が必要であるとは思いますが、この戦役はスピードが勝負です。考えている時間はあまりありませんが……私の予知した敵の能力……ユーベルコードへと対処する方法を猟兵の皆さんには編み出してもらうことで、戦いを有利に進めることができます」
 必ず帝竜カダスフィアは、猟兵の先手を取ってくる。
 先制攻撃を約束されたユーベルコードは、猟兵たちを苦しめることだろう。いかに防御し、反撃するかが、この戦いにおいては重要となる。

「私には皆さんの敵に対する対処、それができると信じております。今までどれだけの数の敵と戦い、勝ち抜いてきたのか……私はそれを知っているからこそ、皆さんを送り出したいのです」
 そう、どんな時でも、どんな敵であっても猟兵は立ち止まらない。それを今まで見てきた。
 だからこそ、不安や心配する気持ちはあれど、猟兵たちを疑う気持ちは少しもない。
 ナイアルテは集まった猟兵たちを、送り出す。
 その一歩がこの戦役を疾く終わらせることになると信じているから―――。


海鶴
 マスターの海鶴です。

 ※これは1章構成の『帝竜戦役』の戦争シナリオとなります。

 カダスフィアフォートへ進撃し、帝竜カダスフィアを打倒しましょう。

 ※このシナリオには特別なプレイングボーナスがあります。これに基づく行動をすると有利になります。

 プレイングボーナス……『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』
 (敵は必ず先制攻撃してくるので、いかに防御して反撃するかの作戦が重要になります)

 それでは、帝竜戦役を戦い抜く皆さんのキャラクターの物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
273




第1章 ボス戦 『帝竜カダスフィア』

POW   :    ビルド・カダスフィア
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【チェス盤化した、半径100m以上の大地】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD   :    ミリティア・カダスフィア
【チェス型ゴーレムの大群】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    形成するもの
自身からレベルm半径内の無機物を【チェス盤やチェスの駒を模した怪物】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。

イラスト:あなQ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アイン・セラフィナイト
自身を捨て駒って言うなんて、凄い覚悟だ。
……だけど、それ以上に負けられない。世界を破滅なんてさせはしないよ!

【対策】
『黒翼・神羅の鴉羽』で『空中戦』、遠距離攻撃も考えて『暁ノ鴉羽』で『オーラ防御』しておくよ!

【反撃】
UC発動、【暁ノ日輪】を視認した怪物たちは幻惑に呑まれる。カダスフィアを『ボク』と認知して襲いかかるようにするよ。
無数の眷属を生み出せば生み出すほど、キミの状況は悪化する。
UC発動を解く?それとも、怪物を生み続ける?どちらにしろ……これで終わりだ!
『境界術式』展開、魔書から生み出される魔弾の雨で全てを『蹂躙』するよ!(属性攻撃・全力魔法・範囲攻撃・リミッター解除)



 カダスフィアフォートはチェスの盤面に覆われた大地である。
 それは帝竜カダスフィアのユーベルコードに起因するものであり、彼の力の一端だった。その力が持つのは無機物を彼の軍勢の構成であるチェス盤やチェス駒をモチーフとした怪物へと変ずることである。
 ならば、そこにある強みというものは、正に数である。
 数で圧することによって、カダスフィアは敵を蹂躙し討ち果たすのだ。だが、それだけではないことは、彼の戦略眼を見ればわかることである。
 自由自在な進軍、進撃。それは数で圧する以上の脅威であることは疑いようがない。

 だが、その戦略を戦術で持って上回っていくのが、猟兵という存在である。
 無機物を次々とチェス由来の怪物へと変えていくカダスフィアは咆哮する。
「来るがいい、猟兵―――!我がカダスフィアフォート、その要塞たる所以、味わうと良い。我は捨て駒となれど、帝竜ヴァルギリオス様の勝利の礎を築く者なり―――!」

 その咆哮を聞きしアイン・セラフィナイト(精霊の愛し子・f15171)は、その裂帛の覚悟を受け止めた。その覚悟、信念、ヴァルギリオスに捧げる忠義。
 猟兵とオブリビオンである以上、互いに滅するしかないのはわかっている。
「自身を捨て駒って言うなんて、すごい覚悟だ……だけど、それ以上に負けられない。世界を破滅なんてさせはしないよ!」
 そう、アックス&ウィザーズ世界の存亡が、この帝竜戦役には掛かっているのだ。この世界に住まう人々の安寧のためにも戦う覚悟はアインにもある。
 それは絶対に忘れてはならない覚悟であり、彼が退いてはならぬ理由だった。

 しかし、眼前に迫るはカダスフィアのユーベルコードによって生み出された無機物からのチェスの怪人たち。
 大群というよりも、もはや軍勢そのものである。これに対抗しなければ、この戦いに勝利はない。
 アインの導き出した対策……それは、空中戦である。
 そう、チェスの怪人たちは空を飛ぶ能力を持たない。それがチェス駒をモチーフにしている以上、大地に接しているからだ。
「空飛ぶチェスの駒なんて聞いたことがないからね!さあ!行くよ!」
 アインの魔力が背中に集中される。神羅の羽根で出来た黒翼が広がり、空に浮かぶ。
 さらに黒翼より放たれしは極光のオーラ。それはもしも、空飛ぶアインに対する有効な手立てを持っていた場合、必要な防御であった。
「ぬぅ―――!空を飛ぶか、猟兵!だが!」
 カダスフィアの巨腕がチェス駒の怪人たちを鷲掴みにする。何を、と思った瞬間、そのわしづかみにしたチェス駒たちを空に舞うアインに向かって散弾銃のように投げ飛ばしてきたのだ。

 だが、それはアインにとっては対策を講じてきたオーラ防御によって阻まれる。空を飛ぶ、という対策だけでは即座に看破されてしまっていたことだろう。
 アインの戦術がカダスフィアの戦略を打破すしたのだ。

「今度はボクの番……!全てを惑わす薄明の大群、ボクに力を!」
 彼のユーベルコード、幻術・暁ノ日輪(イモータル・ドーン)が発動する。
 それは光り輝く鴉の大群と影でできた蝶の群れを召喚する。その姿を認識したチェスの怪物たちは幻惑に飲み込まれて大軍としての機能をなくしていく。
 怪物たちは一様にカダスフィアをアインとして認識し、敵である猟兵を討ち果たそうと、カダスフィアへと群がっていく。

 そう、状況を打開しようと無数の眷属を生み出せば生み出すほどに、アインの幻惑によってアインの手勢として機能してしまうのだ。
 ユーベルコードを解除するか、しないか。
 その選択肢が生まれる瞬間が、アインの本当の狙いであった。
 択を迫られる以上、選択をしなければならない。その一瞬の隙こそがアインにとっての絶好の機会である。

「来たれ、叡智の書架!」
 黒翼広げ、天に座すは境界術式によって呼び出された叡智ノ書架を召喚せし、精霊の愛し子。
 無数の魔書の頁が風に舞うように開かれる。浮かぶは境界の術式。内蔵されし、数多の魔術が発動し、天を覆う。
 カダスフィアがチェス盤で大地を覆うというのであれば、アインは魔術術式によって天を覆う。
「カダスフィア、キミの覚悟は本物だった。けど、だからと言って、ボクらも負けるわけにはいかない!世界を破滅させることなんて、絶対にさせない!」

 アインの手が号令のようにカダスフィアと怪物たちの大軍へと振り下ろされる。
 空を覆う魔術術式の数々が明滅するように光を放ち、魔弾の雨と化した全力の魔法が、地上覆う怪物とカダスフィアたちを散々に討ち果たし、蹂躙せしめるのだった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セルマ・エンフィールド
そう遅れたつもりはなかったのですが、迎撃の準備は整っているようで。これも帝竜を冠する相手、油断できる相手ではありませんね。

チェス……猟兵になるまで存在すら知りませんでしたし、ルールもおぼつきませんが、一つだけ覚えてきました。
「ポーンの駒が最も動きが遅い」それだけで十分です。

ポーンの攻撃を『見切り』、受け流すようにフィンブルヴェトの銃剣で『武器受け』しつつ『敵を盾にする』立ち回りでカダスフィアや他の駒の攻撃から動きの遅いポーンの駒を盾にすることで防ぎます。

こちらがUCを使う準備が整ったら【ニヴルヘイム】を。半径76mを覆う冷気で大群を凍てつかせ、絶対零度の弾丸をカダスフィアに撃ち込みます。



 帝竜が一騎、カダスフィア。その戦略眼は、大局を見据える確かなものであった。
 それ故に、カダスフィアは猟兵迎撃の準備が整わぬ帝竜たちの中にあって、その自軍の準備を既に終えた帝竜であった。
 神速を尊ぶのは、猟兵だけではなかった。
 群竜大陸の一部、カダスフィアフォートは、すでにチェス盤によって覆われ、カダスフィアの軍の展開を強固なものとしていた。
 だが、だからといって立ち向かうことをやめる猟兵ではない。魂喰らい森、皆殺しの平野。そのどれをも踏破してきた彼らにとって、これより踏み込むカダスフィアフォートもまた、踏破しなければならない戦場の一つであったのだから。

 猟兵の予知による進撃の速さは、帝竜たちをして神速と一手遅れたと言われるほどに迅速そのものであった。
 予知と転移。
 これがなければ成り立たぬ進撃。それは世界にある通常の軍とは違う異常なる力の源であった。
 それでも、帝竜カダスフィアの軍編成の速さは異例であったのかもしれない。
「そう遅れたつもりはなかったのですが、迎撃の準備は整っているようで。これも帝竜を冠する相手、油断できる相手ではありませんね」
 セルマ・エンフィールド(絶対零度の射手・f06556)は、カダスフィアフォートに広がるチェス盤とカダスフィアの周囲に控える大軍を前にして、そう評価した。
 それは冷静な判断であり、過大評価でもなければ過小評価でもなかった。
「猟兵……我の護るカダスフィアフォートは、堅牢堅固の要塞と知れ!」
 次々と生み出されていく無機物より変換されしチェス型ゴーレムの大軍。それはカダスフィアの周囲からセルマへと迫ってくる。

 彼女の得物はマスケット銃、フィンブルヴェト。銃剣であるアルマスが装着去れているとは言え、接近されてしまうと彼女の持つ力の利が活かしきれないのは否めない。
 だが、彼女は退かない。ここで一歩でも退いてしまえば、その分帝竜ヴァルギリオスへと迫る一歩が遠のく。
 この戦いにはアックス&ウィザーズの存亡が掛かっているのだ。疾く、迅速に戦役を収束させなければならない。
 ならば、退く理由など何一つないのだ。
「チェス……猟兵になるまで存在すら知りませんでしたし、ルールも覚束ないのですが、一つだけ覚えてきました」
 チェス駒のゴーレムたちがセルマへと迫る。なるほど、やはり、とセルマは得心がいった顔をする。
 彼女が覚えてきたチェスのルール。それはたった一つのことである。

「ポーンの駒が最も動きが遅い。それだけで十分です」
 そして、ポーンの数が一番多く、先鋒を務めることが多い。ならば、そのユーベルコードへの対処は彼女にとっては容易いものであったのかもしれない。
 ポーン駒のゴーレムたちの群れへと突っ込むセルマ。マスケット銃、フィンブルヴェトの銃剣アルマスを振るう。
 動きの遅いポーンの攻撃は彼女の青い瞳にとっては止まって見える。何も恐れる必要はない。見切り、身を躱す度に銃剣アルマスが閃き、ポーンを打ち砕いていく。
「動きが遅く、数が多い……ということは、こうして盾にするように動くことも出来る、ということですね」

 密集したポーンゴーレムたちの間をするするとすり抜けるように掛ける。セルマへと攻撃を仕掛けようとしたポーンたちが盾にされたポーンゴーレムへと誤って攻撃をしかけてしまい、同士討ちを誘発されてしまう。
「我が軍勢を盾に使うか……!だが、しょせん、駒は駒である!我が捨て駒であるのと同じように!」
 カダスフィアの号令によって、ナイト、ビショップなどの足の早い駒を模したゴーレムたちが殺到する。

 だが、もはやそれは一手も二手も遅れた悪手であった。
 セルマの準備は整っている。彼女のユーベルコード、ニヴルヘイム。それは限られた時間ではあるが、彼女の身体能力を増強し、自身を中心とした半径を絶対零度の冷気で覆うユーベルコードである。
 絶対零度に囲われた周囲は、彼女にもまた流血を強いる。凍結し、ささくれる皮膚が割れ、赤い血が滴り落ちる。
 だが、その流血が稼いだ時間は、カダスフィアの手のさらなる先へと掛けられている。
「私が限界を迎えるのが先か、あなたが斃れるのが先か……すでに王手は掛けているのです」
 彼女の青い瞳が煌めく。ユーベルコード、ニブルヘイム。その力は彼女のマスケット銃、フィンブルヴェトの弾丸へと絶対零度の冷気を圧縮し、超強化する。

 構える。
 それはフィンブルヴェトの一射のための姿勢。その蒼き瞳はすでに捉えている。この盤上のキングを。
「―――チェック」
 彼女を中心として、その狙撃を阻止せんと群がるゴーレムたちが、一瞬で絶対零度の冷気によって凍りつく。その凍ったゴーレム達の間隙をセルマは見逃さなかった。
 射線は通った。
 静かに引き金を引く。絶対零度の射手の一撃は、違わずカダスフィアへと走る。
 絶対零度の冷気込められし弾丸は、一瞬でカダスフィアの堅き龍鱗を凍結させ、打ち砕いて貫く。

 帝竜の苦悶に呻く咆哮を、遅れてセルマは聞くのであった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イネス・オルティス
さあ、本格的に竜殺しね
〔巨獣槍〕を構え”武器受け”と”オーラ防御”で防御
ビキニアーマーの戦いは基本攻撃は最大の防御だから
それが無理な時はしっかり構えて受け流せばいいのよ、と自分を”鼓舞”
”激痛耐性”もあるしね
【薄衣甲冑覚醒】を攻撃力樹脂で使用
”野生の勘”でもろい所を探して”怪力”を活かして敵に
”捨て身の一撃”のビキニアーマー”属性攻撃”で”鎧砕き”

大きさは脅威、だけど大きくなるって事は当てやすいって事よね

アドリブ・絡み・可 ””内技能



 群竜大陸、その一端を要するカダスフィアフォートの大地はチェス盤によって覆われていた。
 それらは帝竜カダスフィアの能力によって無機物をチェス盤やチェス駒へと変えられ、自軍の防備を整えさせる要因となった。
 猟兵迎撃の準備が整わぬ帝竜たちの中であって、カダスフィアの一軍だけは準備完了しており、それは猟兵たちにとっても脅威そのものであった。
 だからこそ、軍を素早く編成せしめ、卓越した戦略眼を持つカダスフィアは此処で討ち果たさなければならない。
 しかし、それはカダスフィアも同様である。
 たった一手遅れただけで、群竜大陸の魂喰らいの森、皆殺しの平野は猟兵によって踏破され尽くしてしまっている。
 この進撃の速度を考えれば、此処で足を止めなければ、帝竜ヴァルギリオスの喉元まで一気に猟兵は駆け上がることは容易に想像ができた。

「故に、これより先には我が捨て駒となろうとも通すわけにはいかぬ……!」
 カダスフィアの咆哮がほとばしり、周囲のチェス盤と化した大地がカダスフィアの巨躯へと合体を果たしていく。
 次々と合わさっていくチェス盤は、カダスフィアを一つのロボのような見た目へと変貌を遂げさせるのだ。

「さあ、本格的に竜殺しね……この巨獣槍の鋭さ、身を持って味わって頂くわ」
 手にした巨獣槍を構えるのは、ビキニアーマーに身に纏いし女戦士。イネス・オルティス(隠れ里の女戦士・f06902)である。
 構える巨獣槍の鋭さは言うまでもない。しかし、彼女の身に纏うビキニアーマーは、この戦いにおいて些かの防御の薄さを危惧するものもあっただろう。
 だが、イネスにとってビキニアーマーでの戦いは、基本、攻撃は最大の防御である。
 攻めに転じなければ、始まらないのだ。
 だが、それが無理な戦いというものも、確実にある。それが今であろう。帝竜であるカダスフィアの攻撃は確実に、こちらの機先を制するために神速の一撃となって放たれる。
 その巨躯をさらなる巨大なロボのような姿に変じたカダスフィアの拳が振り下ろされる。
 その一撃は見上げる者にとっては畏怖の対象でしか無かったことだろう。
 だが、イネスは怯まない。

「しっかり構える。受け流す。それだけでいいのよ」
 彼女の自身を鼓舞する言葉は、オーラのように彼女の体を包む。振り下ろされる拳。それを巨獣槍で受け止める。
 軋む槍の柄。受け止めたイネスの体が悲鳴を上げるように次々ときしみ始める。だが、それでも耐える。
 この一撃を耐えなければ、攻めに転ずることなど不可能である。彼女は歯を食いしばった。痛みなど、今まで味わってきた者に比べれば―――!
 踏ん張った足が大地を割る。それほどの一撃。だが、彼女は耐えきった。真っ向から受け止め、巨躯から放たれる絶対質量の一撃を見事受け止めたのだ。

 それは彼女が信頼しているからである。ビキニアーマーの精霊は、彼女にとって一族の守護精霊である。その信仰にゆらぎが生じぬ限り、彼女のビキニアーマーへの畏敬は損なわれることなどないのだ。
「今、伝統の鎧は伝説の鎧へ進化する」
 それらは彼女のユーベルコードとなって顕現する。薄衣甲冑覚醒(ビキニーアップ)。それは彼女の持つビキニアーマーへの思いを攻撃力に変えるのだ。
 巨獣槍の穂先が輝く。得られる力は、瞬時に彼女の瞳が貫くカダスフィアが変じた巨躯の脆弱なる場所。
 それはもはや野生の勘とも言うべき感覚であったのだろう。
 だが、何も恐れることはない。

「大きさは脅威。だけど、大きくなるってことは当てやすいってことよね」
 ビキニアーマーの力が込められし巨獣槍の穂先が、カダスフィアの体を鋭く突き穿つ。
 カダスフィアの体を鎧っていた無機物を貫き、その本体まで届いた力は、その巨躯を瓦解せしめる。
 イネスにとっては捨て身の一撃ではあったが、カダスフィアの硬い外皮を引き剥がしたことは、後続の猟兵達の助けになることは間違いなかった―――。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルード・シリウス
神喰と無愧を構え、外套と靴の能力で気配と音を殺しつつ、残像を囮にしながら二刀による防御で攻撃を凌ぎつつ隙を伺う
奴がチェス盤と同化してるのなら、奴は多少なりともチェスのルールに乗っ取った行動を取って来る筈だ。なら、それを逆手にとって残像を駒代わりに置き、相手に最善手を打たせながら接近。接近出来たら【魂装】で武装の真名及び自身の真の姿を解放。これまで喰らった敵を憑依して身体能力を強化し、二刀による連撃で攻撃しながら血肉を喰らっていく

確かな戦術眼を持つお前の事だ、常に『最善手』を意識して打ってくる
だが、最善手を意識した事がお前の失策だ。俺は常に『最悪』の状況を見て動く。お前に読まれる事も総て込みでな



 確かな戦略眼を持つということは、物事の大局を見据える能力があるということである。その打つ手は常に最善手であり、最善最高を目指すのが当然であるのだ。
 ならば、群竜大陸において、カダスフィアが猟兵に対して放つ一手は常に最善手でなければならない。
 常に最高の手を放たなければ、猟兵という存在は打倒することは敵わない。
 一手を損なった結果が、現状である。
 帝竜たちは猟兵を迎撃する準備を整えられぬまま、魂喰らいの森、皆殺しの平野を踏破せしめ、すでに帝竜の一騎であるカダスフィアが座すカダスフィアフォートまで進撃していた。

 だが、帝竜カダスフィアにとって幸いしたのは、無機物を自軍の駒へと変ずることができる能力があったことだ。
 これによって猟兵進撃による軍備が整わぬまま、猟兵を迎え撃つことを避けることができたのだ。
「想像以上の進撃スピード……だが、ヴァルギリオス様の喉元まで貴様らを届かせはさせぬ。この一手によって、貴様たちの進撃を止める。我は捨て駒なれど、汝らを安々と通さぬ!」
 カダスフィアの咆哮によって周辺の無機物から変じたチェス盤が、かの帝竜の外殻へと変わっていく。
 巨躯であったカダスフィアの体はさらなる巨大化を見せ、その姿をロボのような巨大な人型へと変貌させていた。

 ルード・シリウス(暴食せし黒の凶戦士・f12362)は幻影の外套によって周囲へと溶け込む術式を編み込まれた漆黒のコートをはためかせ、足音を消す音無しの靴と呼ばれる黒い靴を活用し、その姿を、気配を断っていた。
 それは確実なる先制を放つカダスフィアにとっては、脅威であった。姿が見えない、気配が辿れぬ以上、最初の一手を放つことができない。
 先手を取るのではなく、先手を取らせる。その言葉の違いは些細であるが、決定的に違うものである。
「奴がチェス盤と同化しているのなら、奴は多少なりともチェスのルールに則った行動を取ってくる筈だ」
 それがルードの考えるカダスフィアへの分析であった。
 そこになにかのルールがあるのであれば、それを逆手に取る。

 ルードの赤い瞳とカダスフィアの瞳が合う。瞬間、振り下ろされる巨大な拳はルードの姿を捉えたように大地を割る。
 なんとか残像に依る回避が間に合ったが、これは想定内である。
「まずは一手。先手を取らせた―――」
 次々と残像を駒のように大地へと配していく。戦力は圧倒的である。巨躯であるということを差し引いたとしても、帝竜の一騎であるカダスフィアの力は計り知れないだろう。
 だからこその一手。

「猟兵!貴様の行動はすべて見えている!」
 拳が振るわれる。大地を割る一撃は幻影を全てなぎ倒していく。残像を生み出す速度を上回る拳の一撃は、次々と本体であるルードへと追いつかんと速度を上げていくのだ。
「確かな戦術眼だ、認める。常に『最善手』を意識して打ってくる」
 その言葉には確かな畏敬もあったのかもしれない。だが、ルードは退かない。残像は捨て駒である。
 カダスフィアを翻弄する意味で配していた残像。だが、それはカダスフィアに読まれていた。翻弄するための行動であると。
 だが、ルードが思い描く『最悪』には程遠い。

 ついにルードが大地を駆け、カダスフィアへと接近する。
 己の間合いに入った瞬間、駆け抜けるはルードのユーベルコードの輝き。
「これが俺達の渇望……『ソシテ、我等ガ憎悪ト狂気』『捕食者の如く尽くを暴食し、暴君ノ如ク尽クヲ鏖殺シ、一つ余さず蹂躙シ尽クソウ…ッ』」
 ユーベルコード、魂装・神魔喰ライシ暴食ノ暴君(リンケージ・タイラント)によって開放されし、暴食剣「神喰」と呪詛剣「無愧」の真名が開帳される。
 それはこれまで喰らいし敵を憑依させる禁断のユーベルコードである。
 捕食衝動が理性を侵食し、ルードの体を限界のその先まで引き上げていく。体は悲鳴を上げる。
 だが、その悲鳴は己のものであって、他者のものではない。他者の悲鳴は聞きたくない。
 この帝竜たちを放置すれば、このアックス&ウィザースに響き渡るは、無辜の人々の悲鳴である。
 それは、必ず阻まねばならない。だからこそ―――。
「最善手を意識した事がお前の失策だ。悪手と言っていい。俺は常に『最悪』の状況を見て動く……お前に読まれることも総て込みでな―――」

 真名が開帳されし、ニ刀が禍々しき力を発露する。振るわれるは、ニ刀による連撃。絶え間のない捕食攻撃は、カダスフィアの鎧しチェス盤の外殻を尽く引き剥がし、その本体を露出させる。
「じゃあな、カダスフィア。俺がお前の『最悪』だ―――」

 ニ刀の連撃は、カダスフィアにとって、最悪の形で振るわれ、帝竜の咆哮がカダスフィアフォートに響き渡るのだった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニィエン・バハムート
先制UCによる攻撃は【激痛耐性】で耐え、各メガリスから【衝撃波】を放ちながら【怪力】任せに襲い来る大軍を迎撃します。

ある程度攻撃が止んだらこちらもUCを発動し大地震の力で大地を【部位破壊】することで地割れを引き起こしゴーレムたちを大地に呑み込みます。

そしてカダスフィアまでのルートが出来上がったら次の攻撃を繰り出される前に今度はこちらから【先制攻撃】!
【空中浮遊】からの【空中戦】で一気にカダスフィアまで飛んでいき大地震の力を込めた拳でぶん殴りますの!
大地を揺るがす圧倒的なエネルギーでカダスフィアの体内を【蹂躙】してやりますわ!

チェスなんて面倒くさいもの、盤も駒もまとめてひっくり返してやりますの!



 数多の猟兵達によるカダスフィアフォートへの進撃は、確かな戦略眼を持つカダスフィアにとっても、尋常ならざる速度で持って行われた。
 そもそも、帝竜戦役が勃発することでさえ、帝竜たちの想定の一手先を抑えられていたのだ。
 そのため猟兵を迎撃する準備が整っていたのは、このカダスフィアフォートを守護する帝竜カダスフィアだけであった。
 それはカダスフィアの持つユーベルコード、無機物をチェス盤やチェス駒を模した怪物へと変えることができるという能力による所が大きい。
 もしも、それがなければ禄に整わぬ軍勢で持って猟兵との戦いに挑まねばならなかったのだから。
「だが、此処は通さぬ!我が捨て駒となってこそ、ヴァルギリオス様の勝利の礎とならなければならぬのだ!奮起せよ!」
 カダスフィアフォートに満ちるはチェス型ゴーレムの大群。その大軍は数で猟兵の進撃を抑え、圧する。

 だが、その大群であっても、それを耐え受け止める存在がいることを予見できなかったのが、カダスフィアの敗因である。
 ニィエン・バハムート(竜王のドラゴニアン(自称)・f26511)の姿が、カダスフィアフォートにおいて、暴風の如き力として存在感を放っていた。
 襲い来るチェス型ゴーレムたちの攻撃を耐え忍び、群がるゴーレムたちを吹き飛ばすのは彼女の体を補うメガリスから放たれる衝撃波。
 その暴れっぷりは、まさに竜の王そのものである。
「帝竜なにするものぞ、ですわ!」
 チェス型ゴーレムを、そのありあまる膂力によって投げ放ち打倒し続ける。ゴーレムたちの猛攻を凌ぎ切った後、彼女の周囲には破壊されたゴーレム達の破片が山積していた。

 波状攻撃とも言えるゴーレム群たちの攻撃を時に衝撃波で破砕し、時に怪腕によって打ち砕く。一歩、一歩、着実にカダスフィアへと進むニィエン。
 彼女の体は疲れ、衰え知らぬメガリスの体。
「世界を揺るがす竜王の鉄槌!バハムート・デストラクション!」
 一瞬の群の間隙。それは決定的な隙となって、ニィエンのユーベルコードを発動させるきっかけとなる。
 ユーベルコード、ナマズのグラグラ大地震(ナマズノグラグラダイジシン)。それは鯰が持つ、大地震を起こすという本来であれば空想上の能力を具現化するもの。
 踏み出した瞬間に、チェス盤の大地が揺れる。
 それは一瞬で地割れを引き起こし、ゴーレムの群を飲み込んでいく。
「今ですわね!カダスフィア!」

 ゴーレム群を排し、ニィエンが見据えるのはカダスフィアへのルート。
 次なる攻撃が遅い来る前に、彼女の足がチェス盤の大地を疾走する。大地を蹴り、空中へと舞い上がるニィエンの紫の髪が群竜大陸の風に舞う。
「チェスなんて面倒くさいもの、盤も駒もまとめてひっくりかえしてやりますの!」
 大地を揺るがすほどの圧倒的な鯰の力がニィエンの拳に込められる。
 それは、助走をつけられた勢いも手伝って、カダスフィアの胴へと打ち込まれる。
「世界魚『バハムート』の力!大地を揺るがす力を受けなさい!」

 轟音じみた音が、拳と共にカダスフィアへと打ち込まれ、圧倒的なエネルギーがカダスフィアの体内へと走り、その硬い龍鱗に覆われた本体を内側からずたずたに蹂躙する。
 か細い彼女の一撃であっても、猟兵の一撃である。
 カダスフィアの巨躯がぐらつき、チェス盤の大地へと倒れ伏す轟音が、さらに群竜大陸へと響き渡るのだった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

尾守・夜野
自身を捨て駒としてカウント出来るのには称賛できますが…
世界は壊させる訳にはいかないので止めさせていただきます

今回は腹黒呼びされてる【僕】が行かせて貰いますよ

スレイさん!俺ではありませんがお願いしますよっと
攻撃は騎乗・空中戦・ダッシュで避け

空間を上書きしてあげます
数の暴力?
そんな物しりませんよ
純然たる個のみが許される世界へ
閉じ込めてあげましょう


あなたが狂うが先か
僕が倒されるが先か…勝負としましょう

龍ですのでそれでも強敵でしょうが
そもそもこの狭い四辻が重なる空間でまともに動けるとお思いで?
さぁ正々堂々()勝負です
全力で裏をかかせて頂きます!
ヒットアンドウェイで
生命力と血を頂きながら長期戦の構えです



 帝竜の一騎、カダスフィアを己を捨て駒と評した。
 それは確固たる覚悟の現れであり、帝竜ヴァルギリオスへの忠義の証でもあった。だが、彼の戦略眼には見えていたものがあったのだろう。
 それは己が捨て駒として猟兵たちの足止めを行い、進撃を遅延させることによって得られる時間。
 それは今、帝竜たちにとって最も必要とされるものだ。
 帝竜戦役勃発は、彼らにとって一手を遅らされたも同然であった。迎撃の準備は整わず、猟兵に対しては不足した軍勢で戦いを挑まねばならなかった。
 その時を稼ぐ。それこそがカダスフィアにとっての最善であった。
 彼のユーベルコード、無機物をチェス盤やチェス駒に変える能力があるからこそ、彼は己を捨て駒として、唯一整った軍勢で持って猟兵を迎え撃つことが可能なのだ。
「ならば、我は捨て駒となりて、続く帝竜たちの勝利の礎とならん!この軍勢を抜くことができるとうのならば、来るがいい!猟兵―――!」

「自身を捨て駒としてカウントできるのには賞賛できますが……世界は壊させる訳にはいかないので止めさせていtだきます」
 尾守・夜野(墓守・f05352)は、カダスフィアフォートのチェスの盤面と化した大地にてカダスフィアと対峙する。
 多重人格者である夜野の中にある、腹黒と評される【僕】の人格が表層へと現れる。
「スレイさん!俺ではありませんが、お願いしますよっと」
 UDCアースにて狂信者に改造を受けしスレイプニールと呼ばれる伝承受けし馬に夜野は騎乗し、既の所で無機物からチェス駒の怪物へと変じたゴーレムからの攻撃を躱す。
 空へと舞い上がれば、地上に在るゴーレムたちの攻撃は容易に届かない。
 だからこそ、敵の先手から空中戦への対策を講じられる前に行動を起こさなければならない。

「四(死)を徒らに歪ませ重ね、時すらも曖昧に。全て全て紅蓮と宵闇の狭間に。…ここに境界の交わる条件は揃った。なれば僕を核としてなせ」
 彼のユーベルコードが空より空間を上書きする。ユーベルコード、四辻回廊大禍時(イカイ・ヨツジカイロウ)によって書き換えられていく空間が、カダスフィアフォートの戦場を包み込んでいく。
 それはカダスフィアと己、一対一の近接攻撃を強いる歪んだ四辻。それは迷宮と化し、逃げるすべはない。
「数の暴力?そんな物知りませんよ。純然たる個のみが許される世界へ閉じ込めてあげましょう」

 カダスフィアは、その光景に混乱を覚えただろう。だが、それもつかの間である。 数で圧しなければならなかったのは、数いる猟兵を押し止めるためである。だからといって、一対一で戦えぬわけではない。
「我に一騎打ちを挑むか、猟兵!侮るなよ、このカダスフィアを―――!」
「あなたが狂うが先か、僕が倒されるが先か……勝負としましょう」
 正々堂々―――その言葉が真に来るほどに、生成された四辻はまさに互いの個を掛けた戦いとなる。はずだった。
 夜野にとって、一対一に持ち込んだとは言え、帝竜の一騎カダスフィアは難敵である以上に強敵であるのだ。
 簡単に勝てる相手ではないことは百も承知である。だが、ここでカダスフィアへと挑むのは泥仕合である。
「さあ、正々堂々!勝負です!」
 ヒットアンドアウェイで、生命吸収と血で己の傷を贖いながら夜野は戦い続ける。
 近接戦闘を強いる歪んだ四辻は、当然己にも作用する。だが、生命吸収を持たぬカダスフィアにとって、これはジリ貧の戦いであった。
 長期戦となり、四辻の効果が来れるまで戦い続けたカダスフィアは消耗激しく、ぐらつく。

 夜野の狙いは果たされた。
 この一歩は、帝竜カダスフィア打倒の楔となって、帝竜勝利の礎に罅を入れるのだった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アメリア・イアハッター
無機物の大群、不気味だね
竜もツギハギだらけだし
でもビビっていられないね
素敵な空のこの世界、壊させはしないよ!

召喚ゴーレムの大群に対し、包囲されぬ様に対処
どこに召喚されてもいい様にバイクに跨りいつでも発進できる様に
チェス型であれば空は飛べないだろうと判断し、空も逃走経路とみておく

敵召喚時に包囲されぬ様脱出し、敵が単体或いは少数の所に向かいUC発動
Vanguardをゴーレムに接触させUCをコピー
コピーUCでゴーレムを召喚し、敵大群に当てる
大群を抑えている隙に味方ゴーレムで坂を作り、それをバイクで駆け上がり跳躍し、帝竜の頭上を取る
UCがまだ使えればゴーレムを召喚し竜を押し潰しつつ、タイヤや蹴りで攻撃



 帝竜カダスフィア。
 その巨躯は合成獣のように様々な要素で構成されていた。さらにカダスフィアが持つユーベルコードの能力は無機物をチェス盤やチェス駒の怪物へと変ずるもの。
 だからこそ、猟兵の予知によって一手遅れた迎撃準備にも唯一対応することができ、自軍を整えることができたのだ。
 故に、カダスフィアは帝竜ヴァルギリオスへの忠義を示さんとするように、己を捨て駒として、他の帝竜たちが猟兵迎撃の準備を整える時間を得るために猟兵たちに戦いを挑むのだ。
「我はカダスフィア!群竜大陸カダスフィアフォートの守り手にて、帝竜の先駆けである!」
 その咆哮は、幾多もの猟兵の攻撃を受けて尚健在を知らしめるように響き渡る。
 しかし、その咆哮に畏怖を抱く者は猟兵には居ない。何故ならば、彼らの戦いに、双肩にかかっているのは、アックス&ウィザーズ総ての人々の生命である。
 世界を滅ぼさんとするヴァルギリオスによって引き起こされた帝竜戦役に幕を下ろすべく、猟兵たちは疾く群竜大陸を駆け抜けるのだ!

「無機物の大群、不気味だね。竜もツギハギだらけだし……でもビビってられないね。素敵な空のこの世界、壊させはしないよ!」
 アメリア・イアハッター(想空流・f01896)は、このアックス&ウィザーズ世界の空に誓う。それは彼女が空を愛するが故。
 この世界を、空を破壊せんとする帝竜たちを許してはおけぬ。だからこそ、彼女は群竜大陸に馳せ参じたのだ。

 カダスフィアによって召喚されたチェス型ゴーレム群は、一斉にアメリアへとなだれ込むようにして襲いかかる。
 だが、彼女を捉えることはできない。それは彼女が空を愛するように、彼女もまた空へと騎乗せし黒き流線形を持つ燕の如きエアハートと共に空へと舞い上がるのだ。
 こんな時でもアックス&ウィザーズの空はアメリアの頬を優しくなでてくれる。
「こんな素敵な世界を破壊しようだなんて、一体何考えてるの!」
 その気持は、彼女の背中を押す。灯台を模った祭壇煌めくような「Vanguard」がユーベルコードの輝きを放つ。

 チェス型ゴーレムの大群は、空へと舞い上がったアメリアへと攻撃ができない。それは空を自由に舞う鳥を伸ばした手で落とせぬことと同義である。
 そして、空を舞う者は、地に座したる者たちを打倒せしめるのだ。
 エアハートと共に空を駆け下り、大地へと降り立つ。そのまま突進するようにエアハートが土煙を上げて、ゴーレムの一群へと向かい、Vanguardを触れさせる。

「未知を知り、未知を拓くのはいつだってこの腕!」
 旅人の腕が輝く。それはユーベルコード、Cross Encounter(クロスエンカウンター)のトリガー。
 それは受け止めたユーベルコードをコピーし、僅かな時間では在るが、Vanguardによって何度でも発動できるようになる破格のユーベルコードである。

「大軍には大軍!目には目を!歯には歯を!行きなさい!」
 Vanguardから召喚されるのは、カダスフィアが呼び出したチェス型ゴーレムとまったく同じ大軍。エアハートのエギゾーストが奏でる音は、反撃の狼煙。
「我のユーベルコードを模倣しただと―――!?」
 同じユーベルコードでもカダスフィアとアメリアとでは使い方が違う。
 カダスフィアは侵攻のためであるが、アメリアは防衛のためである。そして、それはさらなる使い方を魅せるのだ。
 呼び出したゴーレムたちは一様に、カダスフィアのゴーレムたちを抑えこむと一斉に形を変形させる。
 それは発射台のような坂道へと変じ、その先にあるのはカダスフィアの巨躯へと至る道。
 
 エアハートのエンジン音が響き渡り、空転したタイヤが土煙を上げて、形成された坂を一瞬で駆け上がっていく。アメリアの腕が前輪を跳ね上げさせた瞬間、大空を駆けるエアハート。
 空を舞うアメリアは、こんな時でも笑みがこぼれてしまう。
 ああ、こんなにも空は素敵なのだと。これを護るために戦える力がある。それが今はこんなにも誇らしいのだと。
 帝竜カダスフィアの頭上を遥かに超える跳躍。
 それは完全なるカダスフィアの上を取ったという優位性。その一撃は天上よりの一撃である。
 どれだけ硬い龍鱗であろうと、その一撃に耐えられるわけがない。
「言ったでしょう!素敵な空のこの世界、壊させはしないよ!って!だから―――!」

 エアハートと共にカダスフィアの頭蓋を叩き割るような一撃が叩き込まれる。
「グ、オ、ァ―――!!!!」
 それは最大の一撃によって紡がれた咆哮。だが、もうひと押し足りない。アメリアはその一手を持つ。
 それはVanguard。荒野へと踏み出す一歩を知る旅人だからこそ、放つことが出来る最期の一撃。

「私達が絶対に世界を護るんだから―――!」
 Vanguardにより最期のユーベルコードが発動する。召喚されたのはチェス型ゴーレム群。だが、それは頭上のアメリアから一気に召喚され、圧倒的な質量によってカダスフィアの巨躯を押しつぶし、圧潰させる。
 エアハートから飛び出したアメリアが、宙でくるりと一回転し、ゴーレムたちが積み重なるカダスフィアを骸の海へと叩き落とす蹴撃を見舞う。

 帝竜が一騎、カダスファアの断末魔が、空へと吸い込まれ、届くこと無く骸の海へと還されるのであった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月04日


挿絵イラスト