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愛喰らい

#UDCアース

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#UDCアース


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 貴方は愛すべき人がいますか?
 その愛は永遠ですか?
 いつか愛は分かたれます。
 だから、愛を永遠にしましょう。私達にお任せください。

 そんな内容が書き記された胡散臭い張り紙を猟兵達に見せながらウインド・ノーワルド(自称ドクター・f09121)は大きなため息を吐いた。
「と、言うのが今UDCアースで流行っている教義。これによって、いずれ邪神が降臨する……というのが未来の結果です」
 グリモワベースに猟兵達を呼び出したウインドは淡々と予知の結果を説明した。普段よりもイラついているのか、言葉には妙な冷たさを感じる。
 UDCアースの小さな町。特に大きな場所でもないが、それなりの大きさの町で行方不明事件が何件も発生しているらしい。
「単純な行方不明というわけでもなく、被害者は総じて既婚者であったり恋人関係である者達になるみたいですね」
 被害者は皆共通して恋人や既婚者を持つ者達。その片方が男女を問わずに行方不明となる。
 そんな事件が繰り返されているというのに、被害者を持つ者達は大きく慌てたり暴動を起こしたりした様子もないようだ。
「利用しているんでしょうね、愛や恋を。人である以上永遠には続かない絆。それを永遠にしようという言葉で生贄を手にしているんでしょう」
 邪神降臨の為の生贄に集められた人々達、既に行方不明になってしまった人がどうなっているのかは予想に容易い。とはいえ、このまま放置しておくわけにもいかないだろう。
「……さて、遅くなりましたが今回の目的の説明です。まずはこの事件の詳細を追い、教団の拠点と犯人を確定させる事」
 予知自体は大まかな予知しか行えておらず、現時点では犯人は不明。
 とはいえ、教団の拠点を見つけたらその教団の配下との戦闘、その後に教団の長との戦闘になる事は間違いないだろう。
「情報の集め方は皆さんにお任せします。ただ、注意点として被害者を持つ恋人や既婚者に関しては教団の連中に囲われてる可能性もあります。話を聞きに行く場合は気を付けてください」
 一通り説明を終えたウインドはグリモワを用い、転移の準備を開始する。
「ま、結局そんなものを利用する連中です。遠慮はなし、全力でとっちめてやってください」
 頼みましたよ。と、言う彼女の言葉を背に、君達は現地へと転移した。


トビカゼ
 トビカゼです。今回もまたUDCアースでのシナリオをご用意させていただきます。恋人や婚約者、夫婦。そんな絆を利用し、活動している教団がいる様です。情報を集めて、とっちめてやりましょう。
 また、今回は情報収集のパートから、雑魚戦、ボス戦の順となりますが現段階ではどのような敵が潜んでいるかは分かりません。
 といってもパートが進めば敵の情報は出てきますので、安心してプレイングを頂ければと思います。
 以上となりますが、皆様の参加をお待ちしております。
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第1章 冒険 『死がふたりを分かつとも』

POW   :    唆された者へ脅しをかける

SPD   :    類似の事件が無いか調査する

WIZ   :    囮となり信奉者達に接触を図る

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ヘンリエッタ・モリアーティ
【WIZ】
……愛、や、恋。
私にも大切な家族がいるから、気持ちはわかるし、永遠でいたいというのも……わからないわけではない、から、囮になります。
彼らの気持ちに『共感』できる、から。――怪しまれることなく、接触ができると思うので。
私も、大好きな家族がいます。その子はまだ幼いし、危なっかしいし、何も知らない子だけど。
本当の家族では、無いんです。身寄りのない者同士集まっちゃったから。
でも、他人なのに――その子の神様になってしまいたい、と思うんです。親のようなこの気持ちを、元は他人だから、永遠に続かせていたくて。

……だから教えてくれませんか。【永遠】の在処を。
(それでも、永遠の足枷にはなりたくないな)



 こつん、こつんと足音が響く。薄暗い個室、どこかの小さなマンション。既に人の手は入っていないその建物の一室でヘンリエッタ・モリアーティ(獣の夢・f07026)は待機させられていた。
「……来たんでしょうか」
 愛や恋。ヘンリエッタには大切な家族がいるから、永遠の絆を得ていたいという気持ちは分からないわけではない。
 だからこそ囮になろうと、彼らの気持ちに『共感』できるからこそ怪しまれることなく接触できると思い、恋人を被害者に持つ女性に会いに行き、そしてここで待っていてくれと告げられた。
 そして、扉がゆっくりと開く。そこにはヘンリエッタが声をかけた女性の姿。
「ああ、よかった。やっぱり待っていてくれたんですね」
 嬉しそうに声をかけてくれた彼女、にこにこと浮かべられる笑みはどこから来るのか。
「ええ……私も、大好きな家族がいます。その子はまだ幼いし、危なっかしいし、何も知らない子だけど」
 ぽつり、ぽつりとヘンリエッタは語りだす。
「本当の家族では、無いんです。身寄りのない者同士集まっちゃったから」
 思う事を吐き出すように、ゆっくりゆっくりと語る。
「でも、他人なのに……その子の神様になってしまいたい、と思うんです。親のようなこの気持ちを、元は他人だから、永遠に続かせていたくて」
 深いため息とともに重い言葉を吐く。
「……だから教えてくれませんか。【永遠】の在処を」
「ええ、だから……」
 手にはナイフ。一瞬不味ったかと思ったが、そうではなく彼女はナイフをヘンリエッタに手渡した。
「これでその人を眠らせてきてね。待ってるから」
 笑顔のまま、ヘンリエッタに押し付けて彼女は去っていく。
「……出来るわけないじゃないですか」
 ぽつりと、去っていく彼女を見て呟く。きっと彼女は愛すべきものを殺してこなければ場所は吐きそうにない。
 それはできない、永遠の足枷になどなりたくないから。だから、ヘンリエッタはゆっくりと彼女の後を追う事にした。きっと、向かう先に彼女の愛すべきものを捧げた場所があるはずだから。

成功 🔵​🔵​🔴​

桜伽咲・凛
人の純粋な感情を利用するとは許せんな…。
いち早く情報を集め、早々に打って出なければ。

しかしながら私は口下手、囮などには向かん。頭脳仕事も私には少し難しいだろう。
であればすべき事はただ一つ、事件解決のために脅して情報を頂こうではないか。

手段としてはまず威圧。ユーベルコードを使用して、これを見て怯んでくれて簡単に口を開けば良し。
だが、口を開かんとなれば致し方ない。多少の傷は覚悟してもらおう。
自分の剣の腕には自信があってな。体から紙一重の箇所を斬り裂いたり、ちょうど痛い箇所のみ斬る事もおそらく出来るだろうな。

これ以上の被害を出さぬためにも私は全力を尽くそう。


井艸・与
恋や愛を利用するとは、ほんとなりふり構わねえな奴らは
まったく虫唾が走るぜ

信奉者たちに唆された人たちが、どの辺りで唆されたかをまずは【情報収集】して調べてみようか
場所が特定できたら、その辺りで愛を永遠にできる方法を探してると言って、そういう方法を知ってる人はいないかと聞いてまわってみよう
うまいこと信奉者たちを【おびき寄せ】て、接触を図れるといいんだが
信奉者と接触できたら、愛を永遠にできるなら何でもするとでも言って、アジトへ誘導させて位置を突き止めたいとこだ
もしアジトを特定できたら他の猟兵にも場所の共有を図ろう



「人の純粋な感情を利用するとは許せんな……」
「全くだ、虫唾が走るぜ」
 桜伽咲・凛(守るが為の刀・f04547)と井艸・与(人間のUDCエージェント・f03832)は信奉者たちに唆された人がどのあたりでどの辺りで唆されたかという情報を得た上で、町の裏路地を歩いていた。
 目の前には唆されたと思われる人物の姿。一通り話を終えた後、唆されたと思われる人物はそのまま去っていく。
 残されたのはおそらく信奉者。二人は顔を見合わせるとそれぞれの手段を講じるために二手に分かれて行動を行い始める。
「少しいいか」
 凛は情報を得るために唆された人物の元へ駆け寄り、その肩を掴んで引き留めた。
「な、なんです……ひっ!?」
 もともと凛は口が特異なタイプではなく、頭脳的な推理も得意ではない。
 だから彼女が行うのは威圧。背後に召喚された巨大な武者の姿を見て、唆された男性は恐怖し、手に持っていたナイフをカランと落とす。
「先ほど貰った話を聞かせてもらおうか」
「あ、あ……だ、だめだ……お、おれは……」
 がくがくと震えながらも話そうという気配はない。ふぅ、とため息をつき、刀を抜く。
「話せよかったものを」
 ひゅん、と空を切る音が走る。何が起きたか分からなかった男性の視界が赤く染まる。なんだ、何が起きた。
 慌てて顔を確認してみれば、それは血だ。痛みも何もなかった、だが今の一閃だけで額からだらだらと血が流れ落ちてきている。
「ま、まて、話す! こ、このナイフで妻を殺せば……え、永遠の絆が得られると……殺した後は蘇ると……!」
「……支離滅裂だな」
「よ、蘇るんだ! 現に俺の友人もそうだった……あ、ああ……」
 がくり、と。あまりの恐怖にそのまま意識を失う。
「……蘇る。いや、違う……生贄にされたうえで何かの素体として利用されたのだろう」
 そんなに都合のいい話などあるわけがない。刀を治めると、情報を共有するために与の元へと向かう。

 一方、与は信奉者と思われる者達へ接触していた。
「なぁ、お前達がそうなのか? 張り紙を見て……」
「おや、もしや」
 一瞬警戒を見せていた彼らだったが、張り紙という単語を聞いて警戒が緩んだ。
「ああ、愛を永遠にしたいんだ……大事な奴は俺にもいる、けど不安で不安で……」
 もちろん、そんな事は思っていない。あることない事適当に並べているだけだが、彼らはカモが来たと思っているのか真摯に話を聞いている。
「なぁ、どうしたらいいんだ。なんでもやるからさ」
「……ええ、簡単です。まずは愛するものを眠らせていただけばいいんですが」
 だが、ここで彼らは困った顔をした。おそらく、そのためのナイフや狂気を渡す手はずなのだろうが、先ほどの男に渡しておりこの場にないのだろう。
「……ああ、ここで待ってるからよ。頼むぜ……急いでいるんだ」
「わかりました。すぐにですね……では、お待ちを」
 せかされた彼らは急ぎその場を後にする。せっかくのカモを逃がすわけにいかないのだろう、警戒も杜撰に急ぎ駆けだしている。
「よし……」
 うまく行った。後は奴らを追跡するだけ。
 与は凛と合流すると、急ぎ拠点を露わにするために追跡を開始した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

三原・凛花
愛、か。
私も昔、好きだった男の子がいたっけ。
今の穢れ切った私には、もう人を好きになる資格なんてないけど……

でも今の私にも、まだ愛していい存在はいる。
というわけで、私の愛する子供達に協力してもらおう。
私とこの子達との絆だけは…間違いなく永遠のものだから。

まず【誘惑】【おびき寄せ】で信奉者達をおびき寄せて、教義に共感した振りをする。
その隙に【衝撃波】を信奉者達に飛ばして気絶させる。
気絶した信奉者達に、【愛し子召喚】で呼んだ息子と娘を憑依させて、そいつらの記憶を読み取らせる。
後は息子と娘を私自身に憑依させて、読み取らせた記憶を共有するよ。

もし失敗したら、そのまま騙された振りして付いていくね。



 薄暗い路地裏。薄手の服を着て歩き回りながら三原・凛花(『聖霊』に憑かれた少女・f10247)は信奉者達を探し回っていた。
 視線は確かに感じるが、誘惑という手段は少々合わなかったのだろう。一旦愛する子供達の為に、絆永遠にしたくその者達を探したいと言いまわすことでおびき寄せることを狙って行動すれば、しばらくして凛花の元へ向かってくる足音が聞こえてきた。
「失礼。少々、お話をさせていただきたく……愛の絆を永遠に、したくはありません?」
「愛か……はい、求めていたの、聞かせてください」
 穢れ切った自分には人を好きになる資格はないが、それでも愛していい存在はいる。
 だから、その愛する子供達に協力してもらおうと凛花は行動を開始した。
 共感のそぶりを見せた凛花に話をするために、近寄ってきた信奉者に凛花は衝撃波を放つ。不意の一撃に対処できずに、吹き飛んだ信奉者は路地の壁に叩きつけられ、意識を失う。
 続けて合わせて自らの息子と娘の霊を召喚すると同時に、二人の霊を気絶した信奉者に憑依させ、しばらくした後に自分に憑依させる。
「………?」
 このまま、記憶を読み取り共有できれば。と思ったが、思った以上にうまく記憶が読み取れていない。
 憑依自体がうまく行かなかったのか、それとも記憶自体に何らかの手が加えられているのかは分からないが、一度気絶させた以上このままこの信奉者を利用することは難しい。
 だが、少なくとも彼らによる被害は抑えられるだろう。
 一旦その場を後にした凛花は、追跡を行う為の相手を探すことにした。
 時間はかかってしまうが、今は確実な行動をしていこう。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ラウンツ・ハーリッシュ
うーん、胡散臭い通り越して詐欺臭がすごいよねこの張り紙。正直さくっと邪神ださせちゃうのが手っ取り早いんだろうけど、そういうわけにもいかないしね~♪
とりあえず相手を威嚇しない程度にサクッと脅しちゃうのが早そうだね。【コミュ力】をつかって相手を【言いくるめ】る感じで情報を聞き出そう。確信的な情報って考えると何人かに対してやったほうがいいかもしれないね~♪極力使いたくはないけど、状況我状況だし最悪武力行使もやむを得ないかなぁ



「うーん、胡散臭いを通り過ごして詐欺臭がすごい。まぁ、仮面の僕も割とだけど☆」
 自嘲するように笑みを浮かべながら、張り紙を片手に唆された人達の元を巡るようにラウンツ・ハーリッシュ(黄昏の獣試作02式【TYPE-D/Fenrir】・f10078)は町を歩き回っていた。
 最も、違和感のない姿として認識される以上気にすることもないのだが。
「ここかぁ、さて」
 コンコンとドアをノックすれば、上機嫌の女性が現れた。
「やぁ、こんにちわ。ちょーっと話を聞かせてほしいんだけど」
 そっとラウンツは懐に拳銃をちらつかせる。それに気づいた女性は驚き、声を上げそうになる。
「おっと、そんなに慌てないでほしいな。話を聞かせてくれれば何もしないよ」
 ふふ、と言いくるめるように笑うと。女性は頷いて話を始める。
 とはいえ、出てくる情報は大したものではない、どこで話を聞いただの、夫を殺して捧げれば永遠の愛を得られるだの。
 そして、実際に蘇った者に会いに行くために集合場所が決められているという話も。
「ありがとうねぇ~それじゃ♪」
 ケラケラ笑いながらラウンツはその場を後にする。
「しかしなるほどね。大体この辺か」
 地図を広げ、声をかけられた場所。会いに行くための集合場所を一通り纏め、確認する。
 そうすれば中心となった位置に拠点があるであろうという推測はついてきた。
「後は確認するだけ、行ってみようか☆」
 用意していた武力行使も使うことなくうまく進められた、軽い足取りでラウンツは教団のアジトがあるであろう場所へと向かう。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『マガツアリス』

POW   :    古き神々の意志
【邪神「第零の蟻」】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
SPD   :    呪われし鉤爪
【異様に膨れた両腕の鉤爪】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    軍隊蟻の行進
いま戦っている対象に有効な【悍ましき妖虫】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 様々な手段を取り、猟兵達は一つの場所へとたどり着いた。
 町の中にある寂れた教会。かつてはここで愛の誓いが結ばれていたであろう場所、その地下へ向かっていく信奉者の姿を猟兵達は捉えた。
 仲間達に連絡し、戦力を整えたところで内部へと向かおうとするタイミングで、突如にしてわらわらといびつな姿を取ったヒトガタが現れた。
 確か、と今までの知識や資料から得た情報から紡ぎ合わせればそれは『マガツアリス』と呼ばれる存在だろう。
 どこかのタイミングでこちらに気付いたのかはわからないが、その存在が確かにこの地が拠点であることを示している。
 そして情報に会った、被害者の姿を取ったマガツアリスの存在もまた見え隠れしている。
 本当に厄介なものだ。どちらにせよああなってしまえば救う手段は一つだけだ。さぁ、彼らを追い詰めよう。
ヘンリエッタ・モリアーティ
ッ教会をまさか巣にしていたなんてね……!せめて、あなたたちが穏やかに眠れるよう――【ヘイゼル】に【トリガーピース】を使って交代します!

――ひっははははァ!あ?アーン、なるほどォ。こいつらもう『救っちまって』いいンだな?そうだよなァ!
いいィねェ最高だねェ!永遠になりそこなった哀れな愛は軍隊蟻になり下がるっつゥわけだ!!あーあー、可哀そうになァ、報われたいよなァ!
この――俺様が、切り刻んで(愛して)やるよォ。
きひひ、ひひ、ィひ、【怪力】で【なぎ払い】、【串刺し】にもしてやるよォ!おッと、さっき信奉者に貰ったナイフ、ちょうどいいなァ。これ使お。

それじゃァとくとご覧あれ!―― 『劇場型犯罪』!!


ラウンツ・ハーリッシュ
はてさて面倒くさいね~。僕みたいにか弱い道化師は極力戦わず済ませたかったんだけど☆
【先制攻撃】でヴァリアブル・ウェポンを攻撃力重視で発動、そのまま【ダッシュ】して敵陣につっこんでヴォルフ&ウールヴによる射撃、格闘をこなして殲滅していこうかな。相手の攻撃は【見切り】っていうのかな?【第六感】っていうのかな?なんとなく避けよう♪多少のダメージくらいなら【生命力吸収】で回復できるだろうし気にせず踊ろうか。楽しく華麗に悠然とが僕のモットーだからね♪



「……ッ!」
 教会から溢れ出てくる『マガツアリス』の姿を見て、ヘンリエッタ・モリアーティ(獣の夢・f07026)は言葉が出なかった。
 まさか教会を巣にしていたとは、ぎゅっと彼女はカプセル型の錠剤を握りしめる。
「はてさて、めんどくさいね~。大丈夫かい?」
 不安定な様子を見せるヘンリエッタを心配するように、ラウンツ・ハーリッシュ(黄昏の獣試作02式【TYPE-D/Fenrir】・f10078)は声をかけた。
「ま、僕みたいにか弱い道化師は極力戦わず済ませたかったんだけど☆」
 そんなわけにもいくまい。両手に握る拳銃を手に、ラウンツは戦線へと飛び込んだ。
 振り下ろされる鉤爪の一閃を見切り、深く懐に引き込んでヴォルフを押し当て、トリガーを引く。猛るような銃撃音がマガツアリスの胴を吹き飛ばし、側面から振り下ろされた一撃をウールヴの銃身で受け止める。
「おっとと、寄ってたかってはノーセンキューだよ」
 抑え込んだままヴォルフの銃撃がもう一体のマガツアリスを撃ち抜く。華麗に悠然と、前線で踊るように立ち回るが数という暴力はやはり厳しいものがある。
「全く……」
 近づいてきたマガツアリスを銃身で殴り倒し、倒れた相手に引き金を引きながらそっと仮面に手を伸ばそうかと思った瞬間、手近なマガツアリスにナイフが一本突き刺さった。
「――ひっははははァ!」
 笑い声と共にヘンリエッタ……いや、ヘイゼルと入れ替わった彼女が飛び込み、投擲により突き刺さったナイフを掴むと、ねじり込むようにして、抉るようにしてマガツアリス引き裂く。
「あーあー、可哀そうになァ、報われたいよなァ!」
 次いで傍にいたマガツアリスを惨殺するようにナイフで刻む、刻む。数多の斬撃がその腕を、足を切り裂き、落とす。
「きひひ、ひひ、ィひ……ああ、そういやこのナイフで眠らせるんだったなァ! あーあー、可哀そうになァ! こいつでまた眠ってもらうかァ!」
 ナイフを握り直し、ヘイゼルはマガツアリスの群れへと突撃する。
「それじゃァとくとご覧あれ! 『劇場型犯罪―ジャック・ザ・リッパー―』!!」
 ただただ、無慈悲な虐殺だ。無差別な斬撃が、瞬く間にマガツアリスを切り刻んでいく。
「なるほど、これまた面白いね☆ でもま、おかげで楽をできそうだねぇ」
 ヘイゼルに近づかぬようにしながら、ラウンツもまた援護するように銃撃を繰り返していく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ユナ・アンダーソン
WIZで判定

なんであれ永遠なんてない
だから、それを美しく感じるし守りたいと思うのに
永遠を求めるのは失うことを恐れる人の性ね
その願い、断ち切らせてもらうわ

なぎ払い3、範囲攻撃3を用いてエトワル・ボワ・ジュスティスでなるべく多くの敵をなぎ払い断頭します
今、楽にしてあげるわ

敵の攻撃は武器受け2を用いて武器で防御
激痛耐性5、気合い1で攻撃を受けても隙は見せないようにする

傷ついた味方がいたら祈り6、優しさ10、手をつなぐ4、救助活動3を用いて傷奪う星痕を使用
あなたの傷を私にちょうだい?

戦闘が終ったら可能なら祈りを捧げます
この魂達に憐れみを

アドリブで他の方との絡み歓迎


井艸・与
愛を誓うはずの場所で儀式をやってるとは、皮肉だな
被害者たちには悪いが、こうなった以上仕方ねえ
せめて苦しまないように倒してやるさ

まずは相手の出方をうかがいつつ、相手の動きを読むぜ
俺の銃は近距離と遠距離どちらにも対応できるから、ひとまず距離を置きつつ臨機応変に動こう
とはいえ、幼虫の使い方を完全に理解される前に倒してしまいたいところではあるな
相手の動きを見て【マヒ攻撃】で牽制しつつ、隙ができたらそこを逃さず動くぜ
影の追跡者の召喚で【2回攻撃】を叩き込んで【傷口をえぐる】
この追跡から逃しはしないぜ


ライエル・シュヴァリエ
情報を得て駆けつけてみたが、永遠を求めたもののなれの果て、か。まあ、こうなってしまっては救うすべもなし。容赦なく殲滅するとしよう。

錬成剣雨で17本の黒剣を複製し、内3本は自分の傍で待機させ、残り14本をマガツアリスの群れに向かって飛ばして切り刻んでいく。その間俺自身の手は空いているからな。A-31アサルトライフルを構え連射し続け、飛ばしている黒剣と合わせて敵を寄せ付けずに殲滅していく。
攻撃を潜り抜けて接近してきた奴は待機させていた3本の黒剣で迎撃、斬り捨てる。

しかしまあ、被害者たちは望んでこうなったわけじゃないんだよな。望んで捧げて、結果化け物にしてしまった者達は終わった後に何を想うのだろうな



 マガツアリス達の群れが現れたタイミングでやってきたライエル・シュヴァリエ(忘却の黒騎士・f11932)は話と状況を確認して戸惑いを隠せなかった。
「これはずいぶん……だな」
 こうなってしまえば、救う術は存在しない。容赦や遠慮はさらなる被害を増やすだけだ、だから容赦はない。
「永遠なんてないものね。だから、それを美しく感じるし守りたいと思うのに」
 どうしてこんなことをしてしまうのだろう。ユナ・アンダーソン(星骸のスティグマテイカ―・f02647)は疑問を抱えていた。
「さてな。だが愛を誓う場所で儀式とは皮肉だな……こうなった以上、せめて苦しまないように倒してやるしかねえ」
「そうだな」
 井艸・与(人間のUDCエージェント・f03832)がそういえば、ライエルもそれに同意するように黒剣を錬成すると、一斉に自身の周囲に展開させる。
「永遠を求めるのは、失う事を恐れる人の性……ね。でも、この願いは断ち切らないと」
 そう、断ち切らねば同じことが繰り返されるだけだ。ユナのそんな言葉に合わせるように、彼女の振るうエトワル・ボワ・ジュスティス――ヒトが考え付く最も優しい殺し方を具現化した刃、即ちギロチンの刃が目前のマガツアリスをまとめて薙ぎ払い、両断する。
「……楽にしてあげるわ」
 ごろりと転がったそれらを見て、ユナは憐みをもって呟いた。
 だが、それだけで終わる数ではない。攻撃を行ったユナへ向けて鉤爪が迫るが、それを冷静に武器の柄で受け止める。
「動くなよ……!」
 武器で受けられ、動きを止めた相手の頭部を与の銃撃が撃ち抜く。距離を置き、様子を確認しながら再び銃撃を行う。
 真っ直ぐ放たれた弾丸は、攻め込もうとする相手の近くに突き刺さり、その動きを牽制する。
「そこだ……!」
 ライエルが錬成した17本の黒剣のうちの14本が雨のように降り注ぎ、与の牽制で怯んだマガツアリスの群れに突き刺さる。
 範囲的に降り注がせた攻撃はトドメになってはいないが、ライエル本人が構えたアサルトライフルの掃射と援護する与の銃撃が確実にそれらを一掃していく。
「……っ!」
 だが、数で勝る相手はライエルを包囲すると一斉に悍ましき妖虫を召喚する。小さく、剣の攻撃に当たらぬように合間を縫い、ライエルに殺到するそれ。
 待機させていた残り3本の斬撃を振り回すことで迎撃はするが、完全に迎撃しきれない。
「ちっ……! 覚えやがったか!」
 与が後方から再び牽制射撃を行えば、相手は召喚の手は止める物の既に呼び出されていたそれらはライエルを襲い続ける。
「おおっ!」
 だが、ライエルもただそれだけでやられるわけではない。さらに巧みに剣を操り、全ての虫を迎撃し終えるが傷は深い。
 しばらく治療しなければ、そう思った瞬間自分の体が輝いたかと思えば、傷が一瞬で癒える。
「大丈夫。貴方の傷を、私にちょうだい?」
 ユナが傷を奪った。その事実は彼女にしかわからないが、奪った傷の痛みを抑えながらも彼女心配をかけないように立ち続ける。
「いい加減しつこいぜ……!」
 与によって追い込まれ始めたマガツアリス達の背後から、与の召喚した影が背後から襲い掛かり、身体に突き刺さったままのライエルの作り出した剣を掴み、抉り、トドメを刺していく。
 感知されづらく、完全に回り込んだ影の奇襲と与の挟撃により次々とマガツアリスは倒れ、その数を減らしていく。
 そして猟兵達の奮戦により、遂には全ての害意が消え去り、周囲には静けさが訪れた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『敬虔なる邪神官』

POW   :    不信神者に救いの一撃を
【手に持つ大鎌の一撃】が命中した対象を切断する。
SPD   :    出でよ私の信じる愛しき神よ
いま戦っている対象に有効な【信奉する邪神の肉片】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    神よ彼方の信徒に微笑みを
戦闘力のない【邪神の儀式像】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【邪神の加護】によって武器や防具がパワーアップする。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠天通・ジンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 戦いを終え、体制を整え直した猟兵達はついに教団のアジトへと踏み込んだ。
 教会の地下、そこはおおよそ教会にはに使わぬ空間。様々な実験器具、呪具、肉片、血だまり。ありとあらゆる悪意を詰め込んだような場所だった。
「あら、いらっしゃいませ。貴方達も永遠の絆を求めますか?」
 そこにいたのは一人の少女。いや、少女にしてはに使わぬ大鎌と、その全身から感じる悪意で確信する。これがオブリビオンであり、今回の事件の首謀者だと。
「ええ、分かっています。否定されるのもまた……ふふ、残念です」
 鎌を振るう、ぐるりと周囲の祭壇が抉り切られ、その威力の高さを見せつける。
「利用しやすい愛や恋や、絆という物は便利でした。ふふ、貴方達はどうでしょう、不確かなものを信じられます?」
 惑わせるような言葉を君達へ向ける。
「ええ、ええ、信じるならば、私の愛、愛しき神への絆を断ち切ってみます?」
 くすくすと笑うと、周囲から邪神の肉片と思しきが姿を見せ始める。
ライエル・シュヴァリエ
どんなものもいずれは終わる、だからこそ価値がある。永遠など欲しくはないな。ましてや、偽りの永遠など

見た目は可憐な少女だがオブリビオンだ。油断なく、容赦なくいこう

狙うはカウンターによる一撃必殺。錬成剣雨で黒剣を18本複製、全て飛ばして周りの肉片に降り注がせることで牽制。その間に全速力で【ダッシュ】して少女に突撃、迎撃してくるであろう少女の攻撃を【見切り】、【残像】が残る程の速さで勢いを殺さず最小限の動きで回避、そして【早業】の如く陽炎と蜃気楼の二刀で居合抜きの構えを取り、【破魔】【怪力】をのせた居合術「二刃一閃」を繰り出し、両断を狙う。

愛や絆を断つことは俺はできない。だが、お前を断つことはできる


ラウンツ・ハーリッシュ
うーん、状況が状況なら間違いなく口説いてる可愛さなんだけど―
―邪神もそれを崇める者もすべて殺す。それだけだ…
邪神解放で高速戦闘を仕掛ける。冷気の放射で相手を凍らせ一瞬でも【時間稼ぎ】をし、【鎧砕き】と冷気による【属性攻撃】で【2回攻撃】を行いダメージを稼ぐ。鎌による攻撃は【カウンター】を仕掛けたい所だな。邪神の肉片は【オーラ防御】で対応多少のダメージは【覚悟】の上だ。
最終的に狙うは魔狼剣を突き刺してD/Fenrirで焼き尽くす。何時も通りの行動だな。
邪神解放で俺自身にも時間制限がつくが…なに、終わる前に滅ぼせばいいだけだ。



「愛や絆を断つことは俺はできない。だが、お前を断つことはできる」
「あら」
 少女の言葉に対し、ライエル・シュヴァリエ(忘却の黒騎士・f11932)はっきりとそう言い切り一斉に黒剣を18本錬成させると、自身の周囲に展開させる。
「いけっ!」
 剣に命ずるように一言唱えれば18本、全ての剣が一斉に少女の周囲に漂う肉片へ一斉に降り注ぐ。だがこれは牽制、狙い通りに剣が肉片に降り注ぎ、抑え込んだ隙にライエルは真っ直ぐ少女へ接近する。
「あら、困ります。抑え込まれては」
 鎌を振るうしかない。くすくす笑いながら振り抜いた鎌。
 しかしこれもまだライエルの読み通り、その一閃を見切り、残像を残す速度で加速し、二刀を―――。
「……っぐ!?」
 痛みが走る。完全に躱したはずだというのに、単純な力量によって振り下ろされた一撃の空圧がライエルの動きを阻害し、腕を裂く。
「油断なされました?」
「そんなもの、最初からない。可憐なのは見た目だけだな……」
 ふふ、と笑いながら腕を抑えるライエルに鎌を振りかぶる。
「いや全く、状況が状況なら口説いてるけど」
 からん、と。何かが床に落ち、転がる。
 それは仮面、ラウンツ・ハーリッシュ(黄昏の獣試作02式【TYPE-D/Fenrir】・f10078)の身に着けていた仮面だ。
「――邪神もそれを崇める物もすべて殺す。それだけだ――解放コード【Ragnarøk】」
 冷たい声が空間に走る。いや、声だけではない。少女の周囲を冷気が張り詰めていく。
 邪神開放。ラウンツの体そのものに封じられた魔狼フェンリル。それが彼の体に纏わり、その動きと速度を加速させ、高速で鎌の範囲をかいくぐりながら冷気を放射する。
「ふふ、邪神の力を利用しているのでは?」
「……戯け」
 振り抜かれた鎌の一撃に合わせるように、かいくぐると同時に剣を振り抜く。だがまだ浅い、僅かな一閃が少女の体を傷つけるが、仕留めきるには至らない。
 ラウンツが舌打ちすると同時に、周囲に浮かんだ肉片が膨れ上がり空間全域を支配するように破裂し続けていく。
「範囲を抑えさせてもらいましょう」
 威力は大きくない。だが、炸裂する肉片が完全にラウンツの高速移動を封じている。
「だが、一人だけと思わぬことだ」
 再び18本の剣が少女に降り注ぎ、破裂する直前に肉片を撃ち抜き、抑え込んでいく。
「ラウンツ!」
「……任せろ」
 ライエルの声に、ラウンツが周囲にオーラを展開する。まだ残る肉片による被害など覚悟の上、魔狼剣・フェンリスウールヴを構え炸裂する肉片に耐えながら突撃。正面から剣を少女に突き立てる。
「焼き尽くす!」
 同時に吹き上がる炎が、少女の肉体を焼く。
「ふふ、ですが」
 自身の周囲にふわりと浮き上がる肉片が鋭利な触手と化し、ラウンツへ襲い掛かる。
「交代だ!」
 ラウンツが咄嗟に飛びのくと同時に、ライエルが正面から飛び込む。
「今度は決めさせてもらう。二閃を一つに……!」
 ゆらりと踏み込んだライエルの姿が揺れる。陽炎、そして蜃気楼。そんな幻惑にも思えるもう一人の自分の姿が二つの居合を同時に斬り放つ。
「っ……!?」
 強烈な二閃。少女の身体を捉え、深く傷つけるがまだ彼女は倒れない。
「ええ、ええ……本当に断たれてしまいそう……ですが、まだですよ」
 ビキビキと傷が癒えていく。動きを可能にする範囲で、ダメージは癒えていないのは確実だが、まだ終わりは遠く思えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ヘンリエッタ・モリアーティ
……『マダム』、貴女なら、こういう相手は得意なはずよ。
【真の姿】
他人の想いを、利用して得た絆のなんと愚かしい事か。
君たちごときの考えることはつくづく衝動的で、興味もわかない。
ああ、でも、――そうだね。目に見えない『不確か』なものは『私』も信じることが出来ない。その点においては君にも共感ができる。
……ただ、不確かなそれを『証明』することも私たち(猟兵)の仕事だ。

【全力魔法】で【最後の事件】を起動する。
対象は――ここで君とその愛しい邪神の犠牲となった生き物たち。
先ほど戦った軍隊蟻たちにも『ご協力』願おう。
――君が無下にした生き物の不確かで見えない『絆』、君の命で証明するがいい。


井艸・与
あんたが今回の事件の黒幕か
不確かなものを信じる為に人は努力するもんだぜ
それが人の強さだ、なめてもらっちゃ困るな

儀式像がある限り相手がパワーアップするってのは厄介だな
儀式像を破壊してパワーアップを阻止した後に本体を狙っていきたいとこだな
まずは相手を【誘導弾】で儀式像から引き離すように撃ちつつ、通常射撃で威嚇していくぜ
エレクトロレギオンで機械兵器を召喚し、一部は相手の牽制に、残りは儀式像の破壊に向かわせるぜ
儀式像を破壊させてる間も相手の挙動に注意しつつ、距離を取って立ち回る
儀式像が破壊できたら、機械兵器を全て相手に向かわせて畳みかけるぜ
この数から逃げられるもんなら逃げてみな



「……『マダム』」
 ヘンリエッタ・モリアーティ(獣の夢・f07026)は小さく呟いた。彼女ならば、こういう相手は得意なはずだ。
 だからこそ、彼女に任せよう。そう呟くと同時に、彼女の雰囲気が一変する。
「あら……」
 その様子に気が付いたのか、少女の視線はヘンリエッタ。否、マダムへと注がれた。
「他人の想いを、利用して得た絆のなんと愚かしい事か。君たち如きの考えることはつくづく衝動的で、興味もわかないがね」
「そうでしょうか。その衝動という物を導いてあげているのが私ではないでしょうか?それに、不確かなものを確かにする……ふふ、どんなに素晴らしい事か」
 乾いた銃声が響く。咄嗟に少女は鎌を振るって放たれた弾丸を弾き飛ばす。
「不確かなものを信じる為に人は努力するもんだぜ、それが人の強さだ、なめてもらっちゃ困るな」
 弾丸を放ったのは井艸・与(人間のUDCエージェント・f03832)。銃を構えなおし、再び少女へ照準を合わせる。
「信じる……? それができるのは強さを持つ者だけですよ」
「いいや、誰だってできる事だぜ。ちゃんと理解させてやればな」
 再び弾丸が走る。少女は銃撃を軽々と躱し、ゆっくりと与へと距離を詰めていく。
 そうだ、そのままだ。与の狙いは誘導、戦う前から存在している彼女の呼び出した儀式像から引きはがすことが目的だ。
「ふふ、当たりませんよ。当てないと首が落ちますよ?」
 まだだ、まだ距離を引きはがしきれていない。彼女の身体能力を見る限り、鎌の射程まで近づかれなければ戻られてしまう。
「へっ……そうだな」
 弾丸が放たれ、鎌に弾かれる。
「ええ、さような―――っ!?」
 目の前まで迫った少女が鎌を振りかぶると同時に、突如として周囲に小型の戦闘用の機械が姿を見せた。
「誘われた……ですが!」
 咄嗟に意識を周囲の機械に向け、肉片を一斉に射出し、貫く。
「ああ、誘ったよ。倒す前の一手の為にな!」
 彼女が撃ち落とした機械は自信を包囲した半数に過ぎない。残る半数の機械は後方の儀式像の周囲に接近し、瞬く間に破壊していく。
「さぁ、これで今まで通りにはいかせねぇぜ!」
 銃口を少女に向ける。苛立ちを見せる少女は、鎌を与に振りかぶる。
 だが、その鎌が振り抜かれる前に少女は数多の鍵図目に貫かれた。
「―――なっ!?」
「先ほどの話を続けよう。目に見えない『不確か』なものは『私』も信じることが出来ない。その点においては君にも共感ができる」 少女に攻撃を仕掛けたのは、先刻猟兵達によって打ち倒されたマガツアリス達。
「ただ、不確かなそれを『証明』することも私たちの仕事だ」
「そんな証明!」
 肉片が炸裂し、マガツアリス達が吹き飛ぶ。
「彼らはどうだろうかね」
 だが、まだ周囲にはマガツアリス達の姿が見える。
「君とその愛しい邪神の犠牲となった者達。k実は無碍にした生き物の、不確かで見えない『絆』、君の命で証明するがいい」
 これはマダムのユーベルコードによって操られている、操られているのに過ぎないというのに、彼らは確かに意思をもって少女に怒りをぶつけるように殺到していく。
「たとえ、だ。こうなっても絆っていう物は残っている。逃げれるもんなら逃げてみな」
 それに合わせるように与の放った機械兵器もまた殺到し、少女に次々と攻撃を浴びせていく。
「……ふ、ふふ、あははははっ!!」
 一閃。振り抜いた鎌が殺到するすべてを両断する。
「確かに、確かに素晴らしいですね……こんな不確かなもので……ここまで戦うなんて」
 よろよろと少女は動く。もう完全に虫の息。だが、その狂気はまだ残っている。
「だから私もみせましょう。私の愛すべき神様との、この絆をぉ!!」
 狂っている。そう評すしかない方向が鎌の一閃と共に猟兵達へ襲い掛かる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユナ・アンダーソン
見えない物、不確かな物を一番信じたいのはあなたじゃないの?
狂信者さん
でもね、一方的な想いは絆や愛とはいわないわ
それは依存よ
そして、あなたの神はそれを必要としているのかしら
利用されてるだけなんじゃないの、あなた

なぎ払い3、範囲攻撃3を用いてエトワル・ボワ・ジュスティスを振り回しよけられないように広範囲を攻撃

優しさ10、手をつなぐ10、誘惑5、催眠術3を用いて星の抱擁を使用
邪神に魅入られ、それしか信じられなくなった哀れな人
さぁ、抱きしめてあげる

攻撃は武器受け3、第六感5で防御

戦闘が終ったら今までの犠牲者に祈り6を
――――彼らの魂に憐れみを



 振り抜かれた鎌。その一撃を猟兵達が飛びのいて躱したと同時に、そっと少女の手にユナ・アンダーソン(星骸のスティグマテイカ―・f02647)の手が添えられた。
「見えない物、不確かな物を一番信じたいのはあなたじゃないの? 狂信者さん」
「当り前でしょう。私は信じてここにいるのですから」
 添えられた手を弾き、彼女はユナに向けて鎌を振り上げる。
「でもね、一方的な想いは絆や愛とはいわないわ。それは依存よ」
「いいえ、それがなければ生きていけない……必要な事よ」
 全く持って取り付く島もなく振り下ろされる鎌の柄を、断頭台を模した鎌の柄で受け止める。だが、鎌という武器の性質上、その刃は柄を超えてユナに突き刺さった。
「あなたはそうかもしれないけれど、あなたの神はそれを必要としているのかしら。利用されてるだけなんじゃないの?」
「利用……?」
 一瞬、少女の動きに迷いが見えた。僅かな迷い、だがそれは彼女が完全に神を信じきる事が出来ていなかったという事。
「―――あ」
 振り抜いたユナの一閃が、少女の銅を切り裂く。ゆらり、ゆらりと彼女が揺れる。
「邪神に魅入られ、それしか信じられなくなった哀れな人」
 そっと、倒れ込む彼女をユナは抱き留めた。
 慈しむ様に、憐れむ様に。この利用された少女に救いがあれば、今まで利用された人々に救いがあればと。
「……おやすみなさい」
 そんな小さな言葉と共に少女はゆっくり目を閉じた。
 同時に、この事件もまた幕を下ろす。絆を利用し、引き裂かれ、多く傷ついた人々は居る。
 それでも愛や恋という絆は強く、また人々を癒していく。犠牲者の行く先を猟兵達は知るすべはない。
 だが、それでもこれは最良の終わりだ。断ち切られた絆が再び誰かと誰かを繋げることを祈りながら、新たな被害が出ぬことを祈りながらも、絆という物は今日もまた紡がれていくのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月26日


挿絵イラスト