1
帝竜戦役②〜平野の叫喚

#アックス&ウィザーズ #戦争 #帝竜戦役 #群竜大陸

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アックス&ウィザーズ
🔒
#戦争
🔒
#帝竜戦役
🔒
#群竜大陸


0




「えっと、なんだか戦役?が始まってるみたいだにゃ?」
 なんだか勝手が分かってないような雰囲気を醸し出しているフェリーネ・フォルス。猟兵として新しい道を歩みだした直後にこれである。さもありなん。
 そんな調子であっても時は待ってはくれないので、拙いながらもこれからの状況の説明をしようと資料を取りだし、これまた用意してあった机に並べて行く。
「んん~と、今回は皆殺しの平野って場所で、そこで吹いてる風に当たったオブリビオンをドラゴン化させちゃうらしいにゃ。それでドラゴン化したオブリビオンを退治してほしーのですにゃよ~。あ、相手はアルラウネちゃんですにゃ」
 相手になるオブリビオン相手にちゃん付けしちゃフェリーネ、まぁその造形には確かにちゃん付けしかうなるからなのだろうが…。
 それは置いておくとして、単純にオブリビオンなだけであるならばそこまで大変ではにだろうが、ドラゴン化したとなると面倒にもなろう、というのも。
「えとね? ドラゴン化したオブリビオンはドラゴンの翼や角。硬い鱗が生えてらしいですにゃよ? 翼もそうだけれど、この硬い鱗が一番厄介みたい。生半可な攻撃は通らないみただしにゃ」
 まともに攻撃が通らないのでは、倒せるのか分らないことになりそうだが、それでも鱗に覆われていない急所とも言える場所があるらしく、そこを狙れば勝機はあるとのことらしい。
「そんで、その急所ってのは…『頭の葉っぱ』みたいだにゃ」
 流石にそこまで鱗に覆うことは出来なかったらしい。アルラウネ要素が消えちゃいそうだだったからだろうか?
「とにかく! 先輩方はよろしくお願いしますにゃー!」
 最後に勢いよく頭を下げるフェリーネ。勢いが良すぎて机にゴンっとしたのはご愛敬。


にゃんさん。
 はいはいー、竜帝戦役なのですよー。
 てことでにゃんさん。なのです。

 このシナリオは戦争シナリオです。一章構成ですよ!
 風に吹かれてドラゴンの身体の一部と力と得ちゃったアルラウネちゃんの群体がお相手になります。
 翼が生えているために、空を飛んじゃうこともありますよー? そんな相手の攻撃をやり過ごし、それでいて弱点となる頭の葉っぱを狙うことが勝利の鍵なのです。
 ところで…アルラウネが空飛んだら足元どうなるんだろう…?
214




第1章 集団戦 『アルラウネ』

POW   :    ルナティック・クライ
【聞く者を狂わせるおぞましい叫び声 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    スクリーミング・レギオン
レベル×5体の、小型の戦闘用【マンドレイク(アルラウネの幼生) 】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
WIZ   :    リパルシブ・シャウト
対象のユーベルコードに対し【それを吹き飛ばす程の大音声 】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:エル

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 初めての説明の場だったせいか、フェリーネは一つ伝え忘れていたことがあった。とはいっても戦いに関係するものではなく、倒せば何が手に入るのか。とうことだが。
 なに、ドラゴン化したオブリビオンの体内には竜胆石という、美しい宝石が取れるといことだ。ちなみに、値段は金貨40枚(日本円換算で40万)とのことだ。
 これを知ってる者、知らない者もちょっとしたお宝を得ることが出来るだろう。

 そして…件の相手であるアルラウネの群体が姿を現した。
 先に聞かされた情報通りに翼や角、尻尾に鱗に覆われたその身はアルラウネとは大きくかけ離れているが、頭の葉っぱだけはそのままである。
 ……なんというか逆に頭の葉っぱだけしかアルラウネ要素残ってなくない? と言いたくなるような姿であった。
アーデルハイト・バウムガルト
こんなインスタントドラゴン製造平野、ボクたち、ドラゴニアンの株も下げることになるんで出来ればさっさとなくなってほしいですね!
飛行はわかりやすいアドバンテージですのでなんとなく活かそうとするかもしれませんが、ドラゴンじゃなかったものがいきなりドラゴンになって尻尾にまで気が回るでしょうかね?そこをついてみようと思います。
ルナティック・クライの範囲に入らないように陸から相手の密集地帯に近づいたらそこから飛行で一気に相手の背後に回り込みしっぽを掴んで【びったんびったん】を使用して他の敵にぶつけます。
ダメージを与えることが目的ではありません。
怯んだり失速したところを一気に頭部の花めがけて攻撃です。



 アーデルハイト・バウムガルト(ドラゴニアンのゴッドハンド・f25072)は憤っていた。
「こんなインスタントドラゴン製造平野、ボクたち、ドラゴニアンの株も下げることになるんで出来ればさっさとなくなって欲しいですね!」
 オブリビオン限定とはいえ、風に当たっただけでドラゴン化させてしまうこの平野に。
 確かにカップ麺の如く軽々とドラゴン化させるというのはどうなんだろうか? というか、風に当たるとなるのではカップ麺よりもお手軽感がある。……今の状況ではまったく嬉しくはないが。

 さっさと潰すべし! と意気込んでいるアーデルハイトの目に、ドラゴン化したアルラウネの群れが飛びこんで来た。
 アルラウネ達は翼を生やしたことで得た飛行能力を早速と使っているようで、普段飛ぶこともないアルラウネ達は飛べることにはしゃいでいるようにも見えた。
『お空を飛ぶなんて新鮮だねー!』
『この皮(鱗)のお陰で切り倒される心配もないのはいいわねー!』
 だがそれは未だ飛ぶことに慣れてない、ともいえる姿なのだが。

「いままでドラゴンじゃなかったものがいきなりドラゴンになって周りに気が回るんでしょうかね?」
 空を飛んで頭上を取るのは分かりやすいアドバンテージではあるものの、飛行に慣れていないのならば、そこで出来ることなんて限られてくる。
 ましては周りに気を付けるのも無理な話。それがアーデルハイトが狙う部分である。

『あ! あんなとことに何かいるよ!』
 気づかれないように、あえて陸を伝ってアルラウネ達の真下に移動したアーデルハイトだが、真下に辿り着いたころにはアルラウネ達に気づかれる。
『いつもは見上げる方なのに、下の方を見るって初体験~』
『そうだけれども、あいつ、やる? やる?』
『やっちゃえ、やっちゃえー』
 地上を見下ろすという体験をしてるアルラウネ達は姦しくするが、それでもオブリビオンであるのだろう、アーデルハイトへの殺意をそのまま向けて、いざ上から強襲してやろうとしたようだが。
 アルラウネ達がそうするよりも速く、アーデルハイトはあえてアルラウネが密集してる所へと飛び立つ。
『きゅっ…』
 一瞬で同じ高さに昇ってきたアーデルハイトにアルラウネ達は対応が遅れて、その遅れは致命的な物となった。
「やっぱり隙だらけですね!」
 むんずっとアーデルハイトが掴んだのはアルラウネの後ろに生やされた竜の尻尾。虚を突いたというのもあるが、いつもは無い部分がゆえにそこへの対処も考えてなかったらしく、あっさりと掴めた。
 引っ掴まれたアルラウネは身じろいで手を離させようとするが、アーデルハイトの身なりとは程遠い力強さで逆に振り回される。
『は、放してぇぇ~~!』
『はぅぅ!』
『きゃんっ!』
 ぶんぶんとアーデルハイトに振り回されるアルラウネが悲鳴を上げるが、密集していたこともあって、周りにいたアルラウネも巻き込まれていった。
 ただ、ぶつけられたといえ、それだけで竜の鱗を抜けるはずもなく、ぶつかった衝撃で声を上げただけで特に被害らしい被害を与えられた様子もない。
 それは元から分かっているので、振り回してダメージを与えのが目的ではなく、本当の狙いは別だ。
『はれぇぇ~…』
 縦横に振り回されたことで、目を回してぐったりとするアルラウネ。鱗で衝撃を和らげようとも中身をシェイクされれば…まぁ、そうなるだろう。
 今度は尻尾ではなく、頭の葉っぱを引っ掴むと、これまた力任せに引き抜く様にして毟る。
『ぴぎっ』
 葉っぱを引っこ抜かれたアルラウネは、ビクリと一度震えると糸の切れた人形のように力が抜けていき、手を離せば重力に逆らうことなく地に落ちて行った。
「あれこれって…?」
 アーデルハイトに抜かれた葉っぱの根に当たる部分には、なにやら綺麗な石が絡み付いていた。この石が竜胆石なのだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
アドリブ・連携OK

アルラウネが空を飛んだら土からの栄養とかどうするんだろうねえ。
まあ、どうせ倒すんだから関係ないと言えばないんだけど。

さて、相手は沢山のマンドレイクを出してくるみたいだし、
こっちも数で対抗しようか。
ちょっと手を切って、血から【混獣生成】で沢山の合成獣を生み出すよ。
合成獣の内容は、空を飛べるように翼を持たせて、
葉っぱを攻撃できるように頭は草食動物のものにしておけばいいかな。
ついでに叫びが聞こえないように耳は付けないでおこう。

うーん、変な合成獣とドラゴンのようなマンドラゴラが戦ってるって、
なかなか珍妙な光景になっちゃった気がするなあ。



 アルラウネは植物の魔物であり、普通は地に足を着けている。
「アルラウネが空を飛んだら土からの栄養とかどうするんだろうねぇ」
 空飛ぶアルラウネを見たことで、そんな疑問が浮かんだペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)だが、あまり深く考えなくてもいいことだろう。
 結局は倒すことになるのだし、そうなれば関係がないのだ。

 不可思議な進化を果たしたアルラウネの群体がやがてペトの前に見え始めた。
 空を飛びながら、何かを呼びだしている様子で、よくよく見ればマンドレイクといったアルラウネを幼生を呼びだしているみたいである。
 元からそれなりの数が居るのに、更に手数を増やしているようでもあった。
「あっちは数がいるなぁ。こっちも数で対抗しようか」
 そうペトが言えば、おもむろに手を切り、そこから流れる血を材料として、ペトが思い描く獣を作り出していく。
「そうだねえ、向こうは飛んでいるしまずは翼だね。それと…アルラウネだし、植物だろうから草食動物の頭だね! あ、耳は叫び声が危険だし、いらないか」
 自由に創作するペトだが、それで生みだされる生物は…これまたドラゴン化したアルラウネと負けず劣らずの珍獣である。それが数に対抗するためと、沢山。
『なにー、あれー?』
 創造された変な獣が沢山出て来れば、空の上からでも分かるという物。
『ええっと~…なにあれ?』
 アルラウネがなんだろうと首を傾げるが、まずなんであるかなんて誰にも分かるわけはなかった。
(((なんかよく分らない生き物? だけど、敵でいいのかなぁ?)))
 ペトの合成達を見たアルラウネ達の考えてることが一つになったようである。
「あの子達をやっつけちゃってー」
 そんな気持ちを察するわけもなく、ペトは自らの合成獣にそう指示すると、獣たちは空に飛び、アルラウネ達と対峙する。
『よく分んない生物だけど、敵ならやっつけちゃうよー。おーっ!』
 前に立ちはだかることで、アルラウネ達は合成獣が敵であることを認識したようで、そして合成獣と空飛ぶアルラウネ達の怪獣大決戦のようなぶつかり合いが始まった。……怪獣っていうか珍獣だけれども。

「うーん、なんか変な合成獣とドラゴンのようなマンドラゴラが戦っているって、なかなか珍妙な光景になっちゃった気がするなぁ」
 こんな状況を作り出すことに一役買ったペトも、この光景には珍しいを通り越して珍妙な物に映るようである。

『『『あ゛あ゛ぁぁぁ~~』』』
 程なくして、ぶつかり合いはペトの合成獣が制したようだ。
 耳を付けなかったことで叫び声が意味をなさず、呼び出されていたマンドレイクも合成獣の数の前には微々たる物。
 さらには草食動物の頭を付けたことが功を奏したようであり、対抗手段の大半を封じられたアルラウネ達はもしゃもしゃと葉っぱを咀嚼されていき、そうして頭の葉っぱを食べられたアルラウネは途端に力を失うようにして倒れていったのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
おまかせプレイング。お好きなように。
なるほど、頭部の葉っぱから侵食して脳くちゅ洗脳しろと(違います)
サイキッカーとしての超能力レビテーションで空からの攻撃には対応可能よ。(空中戦/空中浮遊)
更にシャーマンとして使役するUDCの霊達で集団戦もイけるわ。(念動力/集団戦術/範囲攻撃)
叫び声はエネルギーを盗み攻撃で捕食し略奪することで吸収し魔力溜め。
アルラウネちゃんに接近したら弱点の葉っぱを通じてUDCの霊を寄生(ハッキング/呪詛)させて、不可思議な祈祷師の秘蹟で魔術刻印を刻みながら、脳くちゅ洗脳で限界突破した意識が飛び(気絶攻撃)腰が抜ける(マヒ攻撃)程の快楽属性攻撃で蹂躙して快楽堕ちさせるわ♡



「なるほど、東部の葉っぱから侵食して脳くちゅ洗脳しろと」
 初っ端から突飛な結論を叩きだすアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)だった。なんというか…それはマッドな考え方なのではないのだろうか…?

 実際にどうするかはこの際、横に置いておいて、アリスは空を飛んでるアルラウネ達と同じフィールドに立つために空へと飛びあがる。
『なんだお前ー!』
 唐突に現れた(ように見える)アリスに、アルラウネ達はなんだと聞いてくるが、アリスはそれを涼しく流した。
「貴女達の魂まで、吸い尽くしてあ・げ・る♪」
 人差し指を口元に当てて幼げながらも妖艶な笑みを浮かべてそう言ったアリスに、アルラウネ達は知らず腰が引いてようである。

『こ、この~!』
 アリスに謎というか変な恐怖を抱いたアルラウネは、先手必勝とばかりに口を開いておぞましいまでの叫び声を上げた
 その叫び声を聞いたアリスは、精神に異常を…きたすこともなく、平然とその叫び声を聞き流す。
 実際に聞き流してるのではなく、声をエネルギーと捉えてそれを吸収しているだけなのだが。
 それをアルラウネが理解できているわけもなく。
『な、なんで~!?』
 これに驚くのは叫んだアルラウネだ。必殺の叫び声を真正面から受けて何ともないのだから、パニックを引き起こしていた。
 そんなアルラウネへと、近づいてくるアリス(なんだか分らない者)。近づいてくことを拒否することも出来ないままに、気づけは頭の葉っぱに手を乗せられていた。
 恐怖で固まるアルラウネの生殺与奪は完全にアリスの手の中で、されどアルラウネは何も出来ない。、
「そんなに怖がらなくてもいいわ。ちょっと気持ちよくなるだけよ♡」
『ひぅっ!』
 優しく語りかけるアリスだけれど、あんまり効果なかった。ていうか逆効果だった。
 もうこれは実践した方が早いと、アリスは葉に乗せいる手をバイパスにしてアルラウネに葉っぱに刻印を刻み込み、強烈な何かを流しこむ。
「限界を超えた快楽で快楽堕ちさせるわ♡」
『あひっ、ひぅひぅひぅ…♡』
 流しこんだんだけれども、反応が可笑しい。初っ端に言っていた脳くちゅをやらかすアリスなのだった。

 アルラウネはビクリビクリと小刻みに痙攣し、全身の穴と言う穴から汗…というか樹液を垂れ流す。目にもハートマークが浮かんでいそう。
『あひゃ、あひゃ、あひゃ』 
 なんか色々とアリスに堕とされてぶっ壊れたアルラウネが出来上がったのだった。
 この瞬間の絵面だけを取るならば、オブリビオンよりやべぇのはアリスなのかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フィオナ・ウンベカント
あの魔物達はぼくを知って……そうにはないな
さっさと倒してしまおうか

それにしてもこう空から騒音を撒き散らされては手も出せない
だからちょっと降りてきてくれないかな?
ぼくのサイコキネシスでアルラウネを掴んで、地面に叩き落としてしてやろう
そのまま念動力で押さえつけ続けて動きを鈍らせ、
とどめは他の猟兵に任せよう
もちろんぼく自身がやるべきならば迷わずフォースセイバーを抜こう
抵抗されても気が狂いそうな状況にはそれなりに強い(狂気耐性)自負はある
その頭の葉を素敵にカットして……おっと、この出力では根こそぎ刈ってしまうかな?


薙沢・歌織
アルラウネもドラゴン化させるなんて…帝竜の強大な力はオブリビオンですら変質させてしまうのですね。ですが、頭の葉だけは覆いきれていないようです。

こちらも魔法騎士の靴で【空中浮遊】し【空中戦】を挑みましょう。相手が植物系なので【属性攻撃】は炎系です。アルラウネやマンドレイクの群れの頭部の葉を精霊銃の【誘導弾・乱れ撃ち】と緋炎剣の【範囲攻撃・衝撃波】で狙い、倒します。
通常攻撃だけでは対応しきれない数や強力な個体が現れたなら、一旦下がって【魔力溜め・高速詠唱】の時間を稼ぎUC【灼熱の想い】を緋炎剣から発動、頭の葉を燃える花弁で狙って一気に仕留めましょう。
竜胆石は回収できる状況なら取ります。



 遠くが騒がしく、やがてその音の発生源がすぐ近くにやってくる。
『見つけたよ~♪』
 それは、元々は植物で足を地に着けているはずのアルラウネの群で、姦しくしながら空を飛んでいた。
「アルラウネもドラゴン化させるなんて…帝竜の強大な力はオブリビオンですら変質させてしまうのですね」
 自分達の在り方そのものに真っ向から反逆してるその有り様に薙沢・歌織(聖痕宿す魔法学園生・f26562)はそんな力を与えるほどの帝竜の力はいかほどなのかと思いを馳せる。
 だが、そんな強大な力から外れちゃった部分もあるようだが。
「あの魔物達はぼくを知って……そうにはないな」
 とにかく頭上で姦しくしているアルラウネ達に、フィオナ・ウンベカント(アンノウン・f21922)は自分が何者か知っていたりしないかと思うが、それはすぐに否定した。
『あなただーれー? 皆知ってるー?』
『『知らなーい』』
『ホント~?』
 きゃいきゃいとあまりもに騒がしすぎてまともに話が出来そうではなかったからだ。
「それにしてもこう空から騒音を撒き散らされては手もだせないね」
 その姦しさに早々と辟易し始めたフィオナだが、それもそのはずである。相手はドラゴン化してるとはいえアルラウネなのだか、ただのおしゃべりがいつ叫び声を上げるか分った物ではない。
「だからちょっと降りて来てくれないかな?」
 今のまま、上を取られたままでは危険と、フィオナは見えない手で空にいるアルラウネ達を掴むと地面に叩き落とす。
『『へきゅっ!』』
『みぎゃ!』
 まるで、お前たちはそうあるべきだろうとでも言い聞かせているかのように、フィオナの見えない手によって地面に縫い付けられるアルラウネ達。
『なにが、ってきっとお前だなー!』
 アルラウネを地面に叩き落としたフィオナだが、全てではなくまだ数体ほど空に浮かんでいるアルラウネが前後の言動から仲間を落としたのはフィオナだと判断して、地に縫い付けられている仲間を援護しようと息を吸いこんだ。
「あちらは私に任せてください!」
 叫び声をあげようとしたアルラウネ牽制するように、歌織は空へ精霊銃を向けて幾度も撃ちだした。
『へっへー、そんなの痛くもな――いったー!?』
 竜の鱗によってまず当たってもへっちゃらと高を括っていたアルラウネだが、歌織はめったやたらに撃っているようで、その実その中に本命を混ぜており、それがアルラウネの頭の葉っぱを掠め、葉を一枚毟ったのだ。
 そのことによって、アルラウネはそのまま叫び声を上げるのか止めて弾雨からの退避をして、その間に歌織は空に足場がるあるかのように空へと翔け上がる。
 空に浮かんでいるアルラウネと同じ高さの目線になったことで、頭上というアドバンテージを失くしたアルラウネと対峙する歌織。

「あちらはこのまま任せるとして、私は剪定させてもらいましょうか」
 空の方は同じ空にいる仲間に任せて、フィオナは地面に落としたアルラウネを頭の葉っぱを刈り取ろうと動く。
『こ、こっち来るな―――!!』
 抑えつけられ、地に縫われたアルラウネは、最後の抵抗とばかりに絶叫するが、その声を間近で聞いたフィオナは僅かに身体をぐらつかせたぐらいで、何事も無かったかのようにアルラウネに近寄って行った。
「その頭の葉をステキにカットしてあげましょう」
 アルラウネの側に寄ったフィオナは光の剣―フォースセイバーを抜いて、アルラウネの頭の葉っぱをステキにカットしてあげようと言うが、どう見ても出力が大きい。
『―――ぴっ』
(……おっと、この出力では根こそぎ刈ってしまうかな?)
 そんなことを思うも、だからといって出力を弱めることもなく、フィオナは頭の葉っぱを刈り取ったのだった。
 頭の葉っぱを根こそぎ刈られたアルラウネは、いままで動き喋っていたことが嘘のように動くこともなくなった。
「――おや?」

 下で叫び声が聞こえたかと思う頃、空へと翔けた歌織は空を飛んでいるアルラウネ達に向けて緋色の剣を振るっていた。
『きゃーっ!』
 余裕を見せて痛い目に遭ったことで頭の葉っぱが弱い部分と理解したからかそこを護るように動くのもあるが、そもそも飛ぶのに慣れてないせいで拙い飛び方が逆に頭の葉っぱに掠めはするものの直撃とは行かないでいた。
「これでは埒が明きませんね…! それならばこれは!」
 これでは時間が経ちそうだと歌織は一旦仕切り直すように距離を取ると、少しの集中の後、緋色の剣が鮮やかな紅色の花弁へと変じた。
 その花弁がアルラウネ達へと舞うと、途端に炎に包まれ、花弁に纏わりつかれているアルラウネ達もまた火に襲われる
『火! やーー!』
 たとえ絶対的な防御を誇る竜の鱗といえど、中身は植物の魔物であるアルラウネにとっては火は天敵とも言えるのだろう。炎に囲まれたことでパニックを引き起こしていた。
 やがて火を纏い舞う花弁はアルラウネの頭の葉に付き、延焼させるかのように燃やしていく。
『あ…やっ…』
 葉が燃え尽きたアルラウネ達は力なく地面へと落ちて行った。

「そうだ、竜胆石とやらは回収できないかな?」
 アルラウネが落ちた下に目を向ければ地面からぽつぽつよ何か光り輝く物が見える。おそらくその光がドラゴン化したアルラウネ達から零れ落ちた竜胆石なのだろう。

 回収できそうな物を拾った歌織は、綺麗な石を手に持って眺めているフィオナの所に戻ってきた。
「そっちも無事に済んだようだね。ところでこの綺麗な石は」
「思った通り竜胆石でしょうね。中々の額だそうですよ」
 戦利品を手に入れた2人。それを記念品として持つか、それとも臨時の小遣いにするかは本人の自由だ。気楽に小遣いと言える額ではないけれど。

 アルラウネ達は躯の海に還ったことで最初の頃の姦しましさはもはやなく、平野にはただ風が時折、吹くだけだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月04日


挿絵イラスト