帝竜戦役①〜思い出を胸に
●グリモアベースにて
「皆様、お疲れ様です」
グリモアベースで猟兵たちを出迎えたのはアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)だった。戦争も真っ只中ということで少々いつもよりも忙しそうだ。
「今回皆様に向かっていただきたい戦場は『魂喰らいの森』と呼ばれる森になります。こちらはその名の通り魂を啜るオブリビオンが番人として君臨する森の様なのです」
つまりこの森になんの準備もなく足を踏み入れれば瞬く間に魂を啜られ命を落とすことになる、ということだ。しかしもちろん無条件で啜れるわけではなく対抗手段は存在する。
「魂を啜りに対抗するには楽しい思い出を強く心に念じることが最も重要なのだそうです。楽しさを感じた思い出を想起することで肉体と魂の結びつきを強固なものにするのでしょう。皆様にもきっとあるはずです。楽しかった過去の思い出が」
魂啜りにさえ対抗できてしまえばあとはいつものオブリビオンと変わりはない。森の中という状況が少々厄介だが猟兵たちの敵ではない。
「ああ、それとこの森の番人となったオブリビオンは核が変質し、最高級の牛肉の味とサボテンの果肉のような食感を持つ球形の核になるようです。大きさはだいたい半径25cm程度で金貨500枚、日本円にして500万円の価値があるとのことです。核は一つしかないのでトドメを刺した方へのボーナスの様なものですね」
そんな雑談をしているうちに転移の準備が整ったらしい。
「それでは皆様、心を強く持ちどうかご武運を」
こうしてカーテシーと共に猟兵たちの転移が開始された。
灰色幽霊
どうも、灰色幽霊です。
啜るならラーメンがいいです。
といわけで今回は森の番人であるオブリビオンを討伐していただきます。楽しい思い出を強く心に念じ、魂すすりに対抗することでプレイングボーナスが発生します。
今回も倒すとドロップアイテムもあるようです。ボスということで1体しか出ませんのでラストアタックボーナスとして描写させていただきます。誰がラストアタックになるかはプレイングと判定次第です。どうぞ狙ってみてください。
注意事項などはMSページをご覧ください。
それでは皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『虹蜺』
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POW : 幻日の竜
【一時的に現出させた新たな竜の頭】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
SPD : 影落とす不雨
【黒き雨】が命中した対象を爆破し、更に互いを【疑心の感情】で繋ぐ。
WIZ : 神秘の根源
命中した【天から降り注ぐ光線】の【先端】が【虹の根本】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
👑8
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ナイツ・ディン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
緋神・美麗
とうとうボスが出てきたわね。まっとうにドラゴンっぽいし今後のドラゴン戦の参考にはなるかしらね。それじゃ派手に潰すわよ。
超巨大電磁砲で黒い方の頭を狙う
「奇妙な生え方してるけど体色バランスからしたら本体は黒い方でしょ」
黒い方の頭を潰しても倒しきれなかったら黄色い方も潰す
「見事に騙されたわね。でもまぁ両方潰せば流石に滅ぶでしょ」
それでもだめなら首の生え根を潰す
魂すすりの対抗として今まで食べてきた美味しいものを思い出し、オブリビオンの核がどれだけ美味しいかに想像を巡らせテンションをあげる
核をゲットしたら嬉々として美味しく頂く
「味は牛肉ってことは焼いた方が良いのかしら?」
頂く時は参加者皆に分けます
アウレリア・ウィスタリア
この世界にはボクにとって大切な思い出があります
夜闇に閉ざされた世界からきた私にとって
この世界の青空はとても、とても綺麗で
そしてこの空に架かる虹に心惹かれた
私はこの世界のような青空をあの世界に届けたいと思った
その空に綺麗な虹を架けたいと思った
だからこの世界を滅ぼそうとする敵は
必ず私が打ち倒す
【今は届かぬ希望の光】の光剣で敵の光線を相殺
光剣に余裕があればそれを敵に撃ち放ち
光剣と共にボクも敵に向かって上昇、突撃する
その首をボクの刃で引き裂きましょう
鞭剣を敵に振るい、首に巻き付け
空から急降下して、その勢いで首を掻き斬りましょう
この空に邪な翼は必要ありません
アドリブ歓迎
響・夜姫
連携・アドリブOK
帝竜戦役
どらごんたべほうだい。
「バーベキューだね」
思い起こすのは別の依頼で行った魂喰らいの森の出来事。
「……あれは美味しかった」
狩ったドラゴンのお肉で肉パーティー。
食材もいっぱい来たのでおかわり自由。楽しかった。
……めんち。安心して。めんちは食べないから。
※バディペットのどらごん
「そんなわけで。ふぁいやー」
嵐の砲火で大量複製したサバーニャから【制圧射撃/一斉発射/2回攻撃/誘導弾】で攻撃。
黒い雨は【オーラ防御/武器受け】を施したサバーニャを屋根の様に連結して防御(回避)。
「お腹減った。そろそろ倒れて、ご飯になれー」
後はもうひたすら斉射。
核は……手に入ったら、どうするか考えよ。
須藤・莉亜
「核はどーでも良いんだけどねぇ。僕が欲しいのは敵さんの血だけだし?」
この森ではまだ吸った事がない血だからがんばろっと。
UCで吸血鬼化して戦う。周りには吸っても問題なさそうな魂啜る生き物ばかり、なら吸い尽くしても問題ないよね?
強化された戦闘能力を駆使して、敵さんの動きを【見切り】、黒と白、二振りの大鎌で斬り刻みにかかろうか。忘れずに【吸血】も狙うよ。
しっかし、光線かぁ…。躱すのは厳しそうだし、突き刺さった部位を削ぎ落として再生する事で回避(?)することにしようか。
僕の楽しかった思い出は、知らない敵さんの血を戦いの中で奪った思い出。ちっと紅い思い出だけど、楽しかったなぁ。もちろん、今も楽しいよ?
フランチェスカ・ヴァレンタイン
楽しい思い出、と言いましても…
――とある一時期がマイナス振り切って奈落の底だったもので、ええ。自由な身の上で日常を過ごしているだけで十分に楽しんでるんですよねー…?(但し平時のとてもブラックな艦内勤務は除く
猟兵になる以前から平穏な日々とはわりと無縁でしたけれども、諸々の交流やら依頼先での一幕やら、ありふれた事であっても結構該当しそうですねえ…
応戦は空中戦機動で砲撃と爆撃を浴びせ、斧槍で切り込んでみたりもしつつ
締めにはUCを発動して折れ線状の不規則機動で視界を引っかき回し、双首の付け根へ向けてのランスチャージを
「まあこれ見よがしですし、ね? ――参ります…! バード――ストラァァァイクッッ!!」
●その胸に抱くは
―――グルルルルルル
森へ一歩足を踏み入れた猟兵たちの前に立ちはだかる双頭の竜。その周囲には何も知らずこの森へ入ってしまった鳥たちの骸が散乱していた。
「とうとうボスが出てきたわね。まっとうにドラゴンっぽいし今後のドラゴン戦の参考にはなるかしらね。それじゃ派手に潰すわよ」
「ええ、早急に退治しましょう」
「……(どらごんたべほうだい)」
「核はどーでも良いんだけどねぇ。僕が欲しいのは敵さんの血だけだし?」
「長居するような場所でもありませんしねぇ……」
緋神・美麗(白翼極光砲・f01866)、アウレリア・ウィスタリア(憂愛ラピス・ラズリ・f00068)、響・夜姫(真冬の月の夢・f11389)、須藤・莉亜(メランコリッパー・f00277)、フランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)の5人が番人を倒すべく森へと足を踏み入れる。この森の特異性は既にグリモア猟兵からの情報で知っている。双頭の竜が魂を啜るのならば、その魂を離さぬ様に強く楽しかった思い出をその胸に抱き続ける。
フランチェスカにとっては今の日常が常に楽しい思い出で在り続ける。一時の暮らしに比べれば今の生活は楽しいものだ。猟兵になる前から平穏とは無縁だったが今は猟兵同士の交流や依頼で赴いた先での一幕など思い起こすことが沢山ある。
美麗と夜姫がそれぞれ思い出すのはこれまで食べてきた様々な料理。ヒトは生きるために食べなければならない。しかし食とは生きるためだけではなく同時に楽しむものでもある。そして今回のオブリビオンには『魂喰らいの森の核』がある。まだ見ぬ美食へ想いを馳せ、楽しさを胸に抱く。
莉亜は正直その核とやらには興味がなかった。しかしその胸に抱く想いは美麗と夜姫に近い。これまでの戦いの中で敵から奪い、啜った血。その味が、色が、全てが莉亜にとって楽しい思い出。そして今目の前にはまだ見たことのないソレを持つモノがいる。あの皮膚を裂いて飛び散る赤はどんな紅なのか、それを想像するだけでわくわくが止まらない。
アウレリアは楽しさだけではなく使命感を共に抱いていた。暗く、夜闇に閉ざされた世界から蒼穹の広がるこの世界へとやって来たアウレリアの眼には総てが美しく見えた。蒼く澄んだ空も、そこに掛かる虹も、眩い太陽も全てにアウレリアは心惹かれた。その思いを胸に、その素晴らしさを護るために。この世界を撃ち滅ぼそうとするオブリビオンたちは絶対に許すことはできない。
いつか自分の世界にも青空を届け、虹を架けるためにも。
―――おかしい
そう、竜が思うのも無理はない。これまでこの森に足を踏み入れた者たちは一匹残らずその魂を啜り、命を奪ってきた。だが今目の前にいる者たちは平然としている。そんなことはこの森の番人となってからただの一度もなかった。
しかし魂を啜れぬのならこの手で倒せばいい。番人となる前はずっとそうしていた。
―――グルルルルァァァアアア!!!
双頭の顎が咆哮を上げる。
それに呼応するように駆け出した莉亜と空を舞うアウレリアとフランチェスカ。今は魂啜りに対抗できているがいつできなくなるかはわからない。故にこの戦いは速攻。それぞれが獲物を構え、竜へと迫る。
「さて、お前の血はどんな味かな」
莉亜は【不死者の血統】により吸血鬼化。増大した膂力を活かしその両手にそれぞれ握る黒と白、二振りの大鎌で竜の身体を抉っていく。フランチェスカもそれに合わせ竜の周囲を空中戦機動で飛びまわり、砲撃と爆撃の雨を降らせる。竜の鱗は未だ抜けはしないがそれでも着実にダメージを重ねていた。
しかし竜もただやられるだけではない。金色の頭が天を仰ぐと降り注ぐ光線。それが竜と接敵する猟兵たちへと無慈悲に降り注ぐ。
「貫け、天空の光剣!」
その光を止めるため、降り注ぐ光線に合わせ発動されたアウレリアの【今は届かぬ希望の光】。放たれた虹色に輝く七本の光剣は光線を打ち消し、ともに消滅する。だが光線をすべて消すことはできなかった。フランチェスカは何とか回避に成功するが莉亜は避ける素振りすら見せず光線に腕が貫かれる。その光線の先端が虹へと変貌しようとしたその瞬間、莉亜は徐に逆の手で自らの腕を切り落とす。
「これでセーフ」
本来であれば腕を切り落とせば戦闘を継続することは難しい。だが今の莉亜は吸血鬼と化している。ならばこの程度の傷を修復することなど造作もない。切り落とされた腕は灰となり、その傷跡からは新たな腕が再生。その腕で大鎌を回収すると莉亜は何事もなかったのかのように戦闘を継続する。
そして攻撃を終えた竜に生まれた極僅かな隙。アウレリアはそれを見逃さず上空から鞭剣を振るい金色の首へと巻き付ける。
「この空に邪な翼は必要ありません」
「残念だったね」
鞭剣に引き裂かれる金色の首と大鎌に切り刻まれる黒色の首。あふれ出る鮮血は総て吸血鬼が吸い尽くす。これまで魂を吸われていたモノが今度は血を啜られる。
「ではトドメを―――」
フランチェスカがトドメの一撃をその首へ叩き込もうとした瞬間。竜の身体に変化が起こる。2つしかなかったはずの首。それが瞬く間に増えていく。2から4に4から8に。気がつけば竜は八岐の竜となっていた。
「わーお、これはアレを頼んでおいて正解だったね」
「ええ、私たちはそれまで時間稼ぎを」
「お任せします」
この場から離脱するフランチェスカと残る莉亜とアウレリアの2人。
「……増えたー」
「やっぱりこうなったわね」
このタイプのオブリビオンが最後の悪あがきとして変貌を遂げるのはそう珍しい事ではない。故に用意されていた第二の矢。それが美麗と夜姫だった。
「お二人とも、準備はよろしいでしょうか?」
「私の方はばっちりね」
「おーけー」
既にユーベルコ―ドも発動し、あとは発射を待つばかり。
「ばーべきゅー……」
「いいわね、あのドラゴンの核は美味しいらしいしみんなで食べましょうか」
既に心は戦闘後のバーベキューへと行きつつある2人。そんな主の様子に夜姫のペット、ドラゴンのめんちは自分も食べられるのではないかと戦々恐々していた。
「ではお二人とも、よろしくお願いします」
フランチェスカもまたユーベルコ―ドを発動し、最後の一撃に備える。【天つ煌めき 翔け穿つもの】の効果で槍先から全身を旋条に迸る万象を灼き穿つ光焔の刃で覆い、この戦闘で消費したエネルギーを回収し、自身へとフィードバックを行う。
「チャージ、セット」
美麗もまた【超巨大電磁砲】により帯電した鉄塊の照準を黒色の頭へと合わせる。
夜姫も【虚構兵装・嵐の砲火】で数を増やした『機動浮遊砲盾【サバーニャ】』を整列させ竜を狙う。
「そんなわけで。ふぁいやー」
「いっせーの!!」
そして同時に放たれる鉄塊と砲撃。それを察知したアウレリアと莉亜は竜から距離を取る。知っていたから避けられる2人と攻撃を知らず、2人に足止めをされていた竜では反応できる速度が違う。
「お腹減った。そろそろ倒れて、ご飯になれー」
竜へ命中した鉄塊はその頭の半数を吹き飛ばし、砲撃はその身を余すところなく撃ちぬき焼き尽くす。
「――参ります…! バード――ストラァァァイクッッ!!」
それに追従する様に森の中を奔る一筋の流星。それは直線ではなく不規則に折れ曲がりながら進み、狙うのは首の中心。
光焔を纏う斧槍の一撃が竜の身体を貫き、核を串刺しにすると塵となり消えていく。
最後に残ったのは魂喰らいの森の核。
こうして魂を啜る森の番人は猟兵たちの手で倒され、この森に平和が訪れた。
戦利品の核は売って山分けするよりも、もう食べられないのかもしれないし食べたほうがいいだろうという誰かの一言で全員で食べることに。
それは確かに売るには惜しい味だった。
大成功
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