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ダイレクト・サボタージュ

#スペースシップワールド

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#スペースシップワールド


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 静寂が支配する漆黒の世界に、更に深い漆黒を纏った一隻の戦艦が浮かんでいた。
 骸の海より復活した、帝国の戦艦である。
 その姿は無機質ながら飢えと暴力を象徴するかのような不気味な雰囲気を醸し出していた。
 無限の宙をそのまま漂うかと思われた戦艦は、突如一つの方角に進路をはっきりと変え、真っ直ぐに進み始めた。
 その直線上にはこちらと対照的な、攻撃性を取り除いた外装の宇宙船が航行していた。
 戦艦は速度を上げ、確実に宇宙船へと近づいてゆく。
 それは、獲物を見つけた獣が、飛び掛かるしぐさに酷似していた。

「いきなりだけど、緊急の大仕事をお願いしたいんです」
 そう言ったアオイの表情は緊張と焦りが混じったものだった。
 集められた猟兵たちは何事かと口には出さず、視線でアオイに問いかけた。
「甦ったオブリビオンが人々を襲おうとしているのが予知されたのですよ。これだけ聞くと、まぁ、いつもの事か……とも言えるのだけど、今回は規模が違い過ぎててね……」
 規模が違う?どういう事だろう。
「今回甦えったオブリビオンは一人じゃない。宇宙戦艦ごと甦ってしまったんだ。この戦艦は平和な宇宙船に攻撃を仕掛け、全てを奪い去るつもりなのです。人も、資源も、一切合切取り零しなく、ね。抵抗しようにも、この宇宙船の自衛能力じゃとても太刀打ちできない」
 数百、数千といった人々の命が危機にさらされるとなれば、アオイのこの焦り様も頷ける。
「幸いにも、この戦艦は僕らの転移方法に対する対処は考えられていないみたいでね。なので、戦艦の内部へ僕がダイレクトに転移させるので、そこで敵を掃討して欲しい。そうすれば、宇宙船への侵攻は未然に防げるはずだよ」
 今回の作戦そのものは非常にシンプルだが、失敗したときの被害は計り知れない。
 猟兵の敗北の先には、無辜の人々の想像を絶する地獄絵図が待っているのだ。
「艦内では、宇宙船に尖兵として放たれる予定の戦闘用ロボットが配置されています。一体一体の力はそれほどでもないけれど、何せ数が多いから十分注意して下さい」
 それだけ説明し終えると、アオイはふぅと息を吐いて、改めて猟兵たちを見回した。
「本当に突然だけど、その宇宙船の人々の未来は、みんなの双肩にかかっているんです。どうか宜しくお願いします」


今川
 初めまして、マスターの今川と申します。
 猟兵として初めての依頼ですが、どうぞ宜しくお願いします。
 今回の内容は突然現れた戦艦に突然内部から攻撃を仕掛ける電撃作戦的なものです。
 SF感を出していけるよう頑張りますので、奮ってご参加下さい。
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第1章 集団戦 『バトルドロイド』

POW   :    バトルスイッチオン
【超戦闘モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    精密射撃
【狙撃用プログラム】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【熱線銃(ブラスター)】で攻撃する。
WIZ   :    シュートダウン
対象のユーベルコードに対し【正確にタイミングを合わせた射撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

小鳥遊・月緒
転移したら手っ取り早く手近な1体を剣刃一閃で倒してしまいましょう。
早く動くものを無差別に攻撃するらしいので、倒したロボットを自分とは別方向にぶん投げて、気がそれている間にもう1体。
大量に配置されているとはいえ、分隊レベルで各個撃破出来ればこちらにも勝ち目はあるはずです。
抜け目なく徹底的に殲滅していきます。



侵略準備に取り掛かるバトルドロイドたち。この無機質な音のみが支配する空間に、突如1人の猟兵が転移にて現れた。
人間の剣豪、小鳥遊・月緒である。
突然の現れた侵入者に、対応が遅れるバトルドロイド。
その僅かな隙を赤い瞳は見逃さなかった。
小鳥遊は素早く鯉口を切り、長く艶やかな髪を靡かせて甲板を蹴った。
目標は眼前にいる一体。
接近戦用の武器を持っていないバトルドロイドは手にした銃器にて防ごうとするが、小鳥遊の一撃はそれを上回る速さであった。
肉薄した小鳥遊は無駄のない動きで斬撃を放つ。
必殺の剣刃一閃である。
美しい刃と無骨な外装がぶつかり合い、甲高い金属音が艦内に鋭く響く。
そして、音の余韻が消えると同時に、対峙していたバトルドロイドは見事に上下に分かれていた。
小鳥遊はそのまま屈んで、断ち切ったバトルドロイドの腕を掴み、別方向へぶん投げて攪乱のための一手に繋ぐ。
「大量に配置されているとはいえ、分隊レベルで各個撃破出来ればこちらにも勝ち目はあるはずです」
そう言って小鳥遊は刀を構え直し、この先の乱戦への決意を固めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

麻生・大地
『一秒たりとも無駄にはできません。後続の為の花道を迅速に創り上げましょうか。』

多少無茶にはなるが、電撃戦でまごつくのは本末転倒。
艦内に転移し、相手が反応する前に初撃を叩き込む。

【POW】

『目標補足。シュート!』

マルチプルシュートを捕捉した目標に射出。
完全破壊よりも、攻撃能力を確実に削ぐ方向で狙う。
大立ち回りになりますが、こちらが大暴れすれば
囮としての役割も果たせるでしょう。

まずは橋頭堡を確保しないと。


ビードット・ワイワイ
出現と同時に手近な敵を【踏みつけ】よう。

その後は【ガジェットショータイム】で自爆特効車を作成。縦横無尽に走らせつつ至近距離になったら爆発させる。

自分は自爆特効車よりは遅く近づきながら近くの物体を豪腕任せて投げつける。

速いものを捉えるならば我より速きものを用意するまでよ。
木偶が大量にいようと我以外にも何かあれば我一人を優先しまいて。ゆえに告げよう。ここが汝らの破滅なり。


飯島・さと子
お困りでしょうか。お困りですね。さと子です
転移されてすぐ、狙撃用プログラムでブラスターを使用します
さと子はチビなので、機関銃の操縦は体から生やしたガジェットを使用します
これにより殆ど反動なく敵をブラスターでなぎ倒すことが出来るのです
更にユーベルコードを使用して事前に計画した効率の良い掃射を行います
回避されても中止はできませんが、この作戦に参加したのはさと子だけではないはずです
撃ち漏らしはお仲間さんにお任せしましょう
オブリビオンの存在は百害あって一利もないのです
それ故さと子たちはお前たちを駆除するのです
お前たちが生者を脅かすように、さと子たちはお前たちを脅かすのです
それが分かったら塵に還るのです


シロガネ・フルーリア
うお、あのねーちゃん(月緒)やってんなー!
じゃ、俺も一暴れしていくか!

一応俺も剣は使えるけど、やっぱり拳だな!
トリニティ・エンハンス! 炎の魔力を纏って近くの敵を全力でぶん殴るぜ!
「燃え盛れ、烈火の魔力!」
吹き飛んだ敵で他のドロイドも巻き込めれば、沢山の相手を倒せるし敵の視線も逸らせるかもしれねーな。
敵の攻撃は水の魔力で守るか、既に倒れたドロイドを盾にして防ぐぜ。スクラップも使いようってな、へへ。
「多すぎる味方ってのも、大変みてーだな!」



一連の騒ぎを聞きつけ、次々と現れるバトルドロイド。
 小鳥遊の戦闘を皮切りに、新たに転移してきた猟兵たちも素早く動いていった。 
 サイボーグの鎧装騎兵である麻生・大地はアサルトウェポンを構え、照準を素早く合わせて、トリガーを引いた。
 照準器越しに、麻生の細い目がカッと開き、黒い瞳が鋭く相手を捉える。 
「目標補足。シュート!」
 掛け声とともに、アサルトウェポンが火を噴き、けたたましい炸裂音が無機質な通路に反響する。
 放たれた数多の弾丸はバトルドロイドに降り注ぎ、反撃させる機会を与えない。
 幾らかの弾は対象をすり抜け、後方に散っていったが、麻生は気にしなかった。
 少々乱雑であることをは否めないが、電撃戦でまごつくのは本末転倒だと冷静に判断した結果である。
 一通り撃ち切ると、そこには蜂の巣となったバトルドロイドの残骸が現れた。
 そのまま自重に任せ、ガコン!と崩れ落ちた対象を見て、麻生は撃破を確認したのだった。
 麻生は流れる様な手つきでマガジンを交換し、次の敵に備えた。
 麻生の撃破に続くように、彼とは別方向へ一人のウォーマシンが跳躍した。
 2メートルを超える黒の巨体からは想像もつかない飛翔。狙いを定めたバトルドロイドに対して空中からの強襲である。
 シンプルな攻撃は圧倒的な質量をそのまま活かし、バトルドロイドを頭上から踏みつける。
 ズン!と重々しい音が密閉空間である艦内を揺るがし、地震の様な錯覚を起こす。
 現れたのはウォーマシンのガジェッティア、ビードット・ワイワイである。 
 ビードットは足元でスクラップと化したバトルドロイドを一瞥すると、ガジェットショータイムで車を作り出した。
 バキバキと質量を増やして作成された無人の自動車は、ビードットの命令を受け、縦横無尽に走り出した。
 車は艦内を狂騒し、派手なエンジン音を奏でながら、車線上にいるバトルドロイドたちを次々と轢いてゆく。
 これに対し、バトルドロイドたちも物量で抵抗する。
 暴れ続ける車を止めるために、バトルドロイドたちは一斉に飛び掛かり、車体をガッチリと固定させる。
 しかし、これもビードットの思惑通りである。
 ビードットは車を自爆させ、飛びついたバトルドロイドたちを派手に吹き飛ばす。
「これはまた、派手にやりましたね」
 麻生は燃え盛る車と、頭上から降り注ぐバトルドロイドの破片を見ると、思わず言葉を漏らした。
 派手に騒ぎを起こしてるため、バトルドロイドたちは次々と艦内のゲートから現れ始める。
 多勢に無勢か……と思われた矢先、転移先から少女の声が聞こえてきた。
「お困りでしょうか。お困りですね。さと子です」 
 自己紹介のような言葉を紡ぎながら現れたのはテレビウムのガジェッティア、飯島・さと子である。
 飯島は現れるやいなや、狙撃用プログラムでブラスターを選択し、次々と現れたバトルドロイドたちに狙いを定める。
 そして、自身のユーベルコード、プログラムド・ジェノサイドを使い、敵に対して一斉に放射する。
 放たれたエネルギー弾はバトルドロイドたちに次々と撃ち抜くも、光弾の雨は止む様子を見せない。 
 この小さな体からどれだけのエネルギーが放射さているのか、と思う勢いで放出し続けながら、彼女は淡々と呟いた。
「オブリビオンの存在は百害あって一利もないのです」
 正面のバトルドロイドの腕が吹き飛んだ。 
「それ故さと子たちはお前たちを駆除するのです」
 その横にいたバトルドロイドは胸部と脚部が撃ち抜かれた。
「お前たちが生者を脅かすように、さと子たちはお前たちを脅かすのです」
 更にその後ろにいたバトルドロイドの頭部が消し飛んだ。
「それが分かったら塵に還るのです」
 呟くのを終えると、飯島の射線上には無残な残骸が床一面に転がっていた。
 飯島のこの勢いは猟兵たちに活気を与えた。
 別方面から投入された戦力に対し、次に転移より現れた猟兵は姿勢を低くして勢いよく飛び出していった。
 シロガネ・フルーリア、羅刹のマジックナイトである。
 シロガネは一瞬だけ視線を小鳥遊の方に向けると、そこで起きた一部始終を素早く理解した。
「あのねーちゃん、やってんなー!」
 思わずシロガネの唇がつり上がる。
「じゃ、俺も一暴れしていくか!」
 そう言って、シロガネは自身の拳を強く握り、内から昂る魔力を込めてゆく。
「燃え盛れ、烈火の魔力!」
 そう叫ぶと、シロガネの拳は炎を纏い始めた。
 魔力によって創られた炎はシロガネの青い瞳の中で煌々と燃え盛る。
 それは、羅刹の本能を呼び覚ますものであるかのように、熱く滾るものであった。
「おおおっ!!」
 雄叫びと共にバトルドロイドに殴りかかるシロガネ。
 放たれた重い一撃はバトルドロイドを燃やしながら吹き飛ばし、後方に構えていた別のバトルドロイドを巻き込んでいった。
 シロガネは次々と敵の懐に潜り込み、炎の拳を叩き付ける。
 四方八方へバトルドロイドを吹き飛ばすその姿は炎の嵐のようであり、羅刹たるシロガネの有り様を象徴しているようでもあった。
「多すぎる味方ってのも、大変みてーだな!」
 そう呟くとシロガネは両手を軽く払い、他の猟兵たちの所へ歩んで行く。
「さて、次に行こうぜ!」
 シロガネの言葉に、麻生とビードットは了解、と短く返事をし、飯島は軽くと頷いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『帝国騎士』

POW   :    インペリアルブレイド
【念動力を宿した「飛ぶ斬撃」】が命中した対象を爆破し、更に互いを【念動力の鎖】で繋ぐ。
SPD   :    ダークフォースバリア
自身に【鮮血の如きオーラ】をまとい、高速移動と【赤黒い電撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    インペリアルフラッグ
【念動力で形成した帝国の旗】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を『帝国の領土』であると見る者に認識させ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「艦内からの強襲だと!?防衛システムは何をやっていた!」
 そう怒声を飛ばすのは、この戦艦の司令たる帝国騎士、ドルドレイである。
 目は殺意に満ち、マスク越しからでもその威圧感は並の者なら失神してしまうほど強力なものであった。
 突如現れた猟兵たちを見据えたドルドレイは物言わぬバトルドロイドを退け、腰に差した光の剣を手に取る。
 ドルドレイが力を込めると、妖しく光る刀身は邪気に満ち、赤黒く染まっていく。
 そのまま邪気は刀身からあふれ出し、刃を一層禍々しいものへと変えた。
 それは生あるもの全てを呪う慟哭のようでもあった。
「身の丈を弁えぬネズミどもが!俺が直々に始末してくれる……!」
イデアール・モラクス
クク…帝国騎士だかなんだか知らないが随分とデカイ態度じゃないか、気に入らないなぁ!

戦法
遠距離から高速詠唱によるウィザードミサイルの連射で圧倒する。
「ご自慢の力で私の炎が防げるか…試してみな!」
帝国騎士は速くて頑強、だから私は罵詈雑言で敵の集中力を乱しながら魔力の炎を四方から浴びせる飽和攻撃で敵の動きを抑制、自由にさせない。
「その剣は飾りか?
そんなモノじゃ私を啼かせる事は出来ないぞ!」
距離を詰めさせずひたすら攻撃、魔力が尽きるか奴が燃え尽きるかの勝負さ。
「熱いだろ?痛いだろ?
イイ声で鳴きな、そうしたら一瞬で逝かせてやるよ!
アッハハハハハハ!」


ビードット・ワイワイ
先ほど自らが作りし自動車を用いて【ビルドロボット】にて合体しよう。

我が4mを越す体躯をごらんあれ。先に見せた機動力と爆発力ここに再現しようぞ。

念動力を使おうとも鋼鉄の車と合体せし我が身体に触れさせはせぬ。この【残像】ができるほどの高速移動。どれが真の姿かわかるまいて。近づいたならば【怪力】で相手を拘束し鋼鉄の身体から離脱。

見たり見たり見たり、汝の破滅を見たり。我が一時の身体の最期をご覧あれ。自爆しもろとも粉砕しようぞ。例え貴様が無事であろうと戦艦は無事なるか?一時の感情に流されての破滅。見たり見たり見たり、汝の破滅を見たり。


パロ・ケト
「あなたがたは選ばれなかったのです、支配者として、民に求められなかった支配者など、いったいどれだけの価値がありましょう」
「そして永遠に選ばれることはないでしょう、力で支配すれば力で支配される、作用と反作用のようなものです」

とか言って挑発して、相手を感情的にさせて動きが大きくなったスキを狙って、サイコキネシスをたたき込みます、フォースソードは前もって出しておきます、サイコキネシスの使用と同時に前進し、サイコキネシスを回避されたり、防御された場合は、そのスキに切り込もうとします、実力差がどのくらいあるかわからないので、極力相手の実力を生かさない動きをしたい所です。


麻生・大地
「そのネズミに今から討たれるわけですが、何か言い残すことは?」

こういう、あからさまに相手を見下すような手合いには遠慮なく『全力で』かかるとしましょう。

【先制攻撃】【二回攻撃】【だまし討ち】【見切り】【カウンター】

高周波ブレードを展開して突撃し、足を止めずに斬り抜けながら攪乱。
わざわざ立ち止まって切り結ぶなんてしませんよ?
せいぜいいら立たせてあげましょう。

【マルチプル・シュート】を、わざとかすめるようにして外す・・。
そのあと、有線制御で背後から一撃。

「卑怯と思うならどうぞご勝手に、ネズミにはネズミの戦い方があるんですよ」



凄みを見せるドルドレイに、一人の美しい女性が前に出て言葉を投げ返した。
「クク…帝国騎士だかなんだか知らないが随分とデカイ態度じゃないか」
 ドルドレイの態度を嘲笑い、魅力的な肢体で挑発したのはダンピールのウィザード、イデアール・モラクスである。
 切れ目の瞳と声色に怒気が籠った。 
「……気に入らないなぁ!」
 そう発するや否や、イデアールは暴虐の杖を構え、高速詠唱によるウィザードミサイルを一斉に放った。
 生み出された炎の矢が次々とドルドレイに襲い掛かっていく。
「くっ、小癪な魔女が……!」
 剣で払いきれる量ではないと判断したドルドレイは、マントを翻して回避に専念する。
 だが、イデアールのウィザードミサイルは執拗にドルドレイを攻め続ける。
「その剣は飾りか?そんなモノじゃ私を啼かせる事は出来ないぞ!」
 一方的な飽和攻撃は暴虐の魔女の二つ名に相応しいものであった。
 ドルドレイも負けてはいない。
 襲い掛かる炎の矢を回避し、何本か剣で払い除けて、確実にイデアールとの距離を縮めて行った。
「このままでは終わらんぞ、女ァ……!」
 憎しみを込めた瞳でイデアールを見つめるドルドレイ。
 それに対しイデアールは、鼻を鳴らして飄々とした態度で受け流す。
 あと数メートルでイデアールを叩き切れる。
 その思いで剣を更に強く握り、飛び掛からんとした刹那、ドルドレイは突如横からの念力波を喰らって、大きく吹き飛ばされた。
「相手は彼女だけではありませんよ」
 何事か、と驚くドルドレイの耳に、穏やかな声が飛び込んできた。
 声の主はブラックタールのフォースナイト、パロ・ケト。彼女はイデアールの炎に気を取られているドルドレイの隙をずっと窺っていたのだ。
 パロはフォースソードを握り、ドルドレイの前に出た。体勢を崩している今が好機と見たからだ。
 フォースソードで鋭く斬り付けるパロ。だが、ドルドレイとてやられっぱなしではない。
「ぬぅッ……!舐めるなッ!」 
 身体を捩り、パロの斬撃を避けようとするドルドレイ。墜ちても帝国騎士。簡単に接近戦で後れを取る存在ではない。
 結果的にマントの一部と甲冑を浅く斬られただけではあったが、その様子にパロは落胆した様子もなく、淡々とした口調で言葉を紡いだ。
「流石に簡単ではありませんね」 
 穏やかな彼女の口調に怒りを露わにするドルドレイ。
 言葉を返すのも惜しいのか、ドルドレイは慟哭と共に自らの感情を刃に乗せてパロに叩き付けようとした。
 だが、ドルドレイの剣は間に割り込んできた別の存在に阻まれた。
 阻んだ高周波ブレードの主は、麻生。先ほどの強襲作戦の立役者の一人である。
 麻生は切れ目を一瞬だけ見開き、全身の力をブレードに込めて、ドルドレイの剣を弾いた。
「おのれッ、次々と湧いてくるネズミどもが……!」
 好機を逃し、苛立ちを隠せないドルドレイ。爛々と輝く瞳は怒りと殺意に満ちていた。
 麻生に狙いを定め、剣を叩き付けるドルドレイ。放たれる剣戟は鋭さこそ落ちているが、その代わり、一撃一撃が重く、激しくなっていった。
 麻生もブレードで捌いていくが、こちらが受ける重さは尋常ではく、衝撃で身体が軋むのが分かった。
「まずは貴様からだ……!」
 そう言ってドルドレイが放った一撃は、麻生のブレードごと真っ二つにする……はずだった。
 ドルドレイの狂気を孕んだ一撃を受け止め切ったのは、もう一人の立役者、ビードットであった。
 彼は自らが作りし自動車を用いてビルドロボットにて合体し、4メートル越す巨体となっていた。
 麻生なら断てたであろう渾身の一撃も、彼の2倍以上の質量を誇るビードットの前には致命傷とは成り得なかったのである。
「ネズミィ!!どこまでも、邪魔をするかッ!!」
 吐き捨てるドルドレイ。それに対し、ビードットは感情を込めずに返す。
 立ちはだかる鋼の巨体は、静かにドルドレイを見下ろしながら、言葉を紡ぐ。
「見たり見たり見たり、汝の破滅を見たり」
 そして、ビードットは抱き締める様な形でドルドレイを捕まえる。腕の中で抵抗するも、その巨躯は微動だにしない。
 動けぬドルドレイに対し、麻生は冷静に言い放った。
「卑怯と思うならどうぞご勝手に、ネズミにはネズミの戦い方があるんですよ」
 腕を伸ばし、マルチプル・シュートを放つ麻生。無慈悲な拳は動かぬ的となったドルドレイの額を確実に撃ち抜いた。
「俺の、俺の野望が……」
 事切れる寸前、無念を語るドルドレイ。狂気の騎士の最後はあっけないものであった。
「力で支配すれば力で支配される、作用と反作用のようなものです。あなたの野望は此処で潰えたのです」
 パロは淡々と亡骸へ語る。せめて死後は穏やかであることを願って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


帝国騎士ドルドレイを打ち取った猟兵たち。
 総司令を打ち取ったものの、戦艦は依然として、宇宙船へと向かっている。
 このままでは衝突してしまうのは時間の問題だった。
 猟兵たちは話し合い、この戦艦を自爆させることを決意する。
 ドルドレイが保持していた自沈コードを戦艦に入力すると、艦内アナウンスが流れる。
「機密保持のための自沈コードが入力されました。本艦は5分後に自沈します。艦内の指揮官は直ちに避難して下さい。繰り返します……」
 制限時間は後5分。
 まだ艦内で残るバトルドロイドたちをくぐり抜け、艦内の転移元まで速やかに脱出しなければ!
麻生・大地
「さて、長居は無用。さっさとおいとまするとしましょうか」

【情報収集】【ハッキング】

残存兵に邪魔されては厄介です。
艦内のデータベースにアクセスして、脱出ポイントまでの最短ルートを検索

ハッキングをかけて、そのルート以外の隔壁を操作して残敵の隔離を
してみましょう。

少しでも余計な邪魔が入らないようにしておきたいですからね。

【見切り】【武器受け】

あとは、わき目もふらず駆け抜けるのみ。

まあ、おそらく邪魔は入るでしょうが相手などしてられません。

【プログラム・ディアボロス】で、徹底的に回避します。

「職務に忠実でまことに結構。そのままここでお仕事を続けてください」


小鳥遊・月緒
残り5分。皆で生きて帰りましょう。

巫顕載霊の舞で神霊体になって先陣を切ります。
「そこを退きなさい!推し通りますよ!」

転移元まで一直線です!



「さて、長居は無用。さっさとおいとまするとしましょうか」
 そう言って、麻生は高周波ブレード【ゲブラー】を格納し、指令室のコンソールパネルを動かし始めた。
 やみくもに離脱を試みるより、艦内のデータベースにアクセスして最短の脱出ルートを探す方が合理的だと判断したのだ。
 時間との勝負ではあるが、麻生は焦ることなく、慣れた手つきでハッキングを行ってゆく。
 やがて提示されたルートを映し出すと、麻生は踵を返して指令室を後にしようとする。
「ルートは分かりましたか?」
 そう麻生に問い掛けたのは、今回一番に切り込んだ小鳥遊だ。
 彼女は指令室までの血路を開き、その後もバトルドロイドたちを切り伏せて、ドルドレイとの闘いを別方面で支えていたのだ。
 口調こそ崩していないが、今も周囲への警戒は解かず、臨戦態勢である。
「ええ、問題なく。そちらの方は行けますか?」
 再度、最短ルートを頭の中で確認しながら、小鳥遊に言葉を返す。
「勿論です。皆で生きて帰りましょう」
 そう言って、小鳥遊は赤い瞳に新たな決意を秘め、麻生の提示したルートを駆けて行った。
 止まないアラート音など気にもせず、残ったバトルドロイドたちは猟兵たちを排除しようと試みる。 
 司令塔が倒れても、末端のすることは変わらない。新たな指令が発せられない限り、バトルドロイドたちはどこまでも忠実に命令を遂行する。
 それが例え、この戦艦と滅びの運命を共にすることであっても。
 そんなバトルドロイドを哀れむ気も余裕も小鳥遊にはなく、道を塞ぐものは全て切り伏せる。
「そこを退きなさい!推し通りますよ!」
 高らかに宣言すると同時に、神霊体となった小鳥遊のなぎなたが猛威を振るう。
 一たび薙げば、強力な衝撃波が生まれ、障害となるものを全て吹き飛ばしていった。
 命を削る荒技だが、一分一秒を争う今では、この力を使うのも仕方ないと小鳥遊は考えた。
 怒涛の勢いで立ちはだかるバトルドロイドを蹴散らす小鳥遊。なぎなたを振るう速度も、進む速度も落とさず、生きるための血路を新たに開く。
 本来、艦内のバトルドロイドはもっと多いのだが、麻生がハッキングを行った際に幾つかの障壁を操作しておいたので、対峙する数が少なくて済んだのが幸いした。
 猟兵たちの往路も復路も切り開いた小鳥遊。それを麻生は頼もしく思い、自らは邪魔にならぬよう回避に徹した。
 艦内アナウンスのカウントダウンも1分を切った頃。アオイの作った転移ポータルが見えてきた。
 全ての猟兵が転移したのを見届けると、麻生は振り返り、遠くからこちらに向かってくるバトルドロイドたちに言葉を紡いだ。
「職務に忠実でまことに結構。そのままここでお仕事を続けてください」
 それだけ言い放つと、ポータルに飛び込んで消えた。
 遅れて数秒後、戦艦は内側から光を放ち、この世界から消滅した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『バーチャル休暇を楽しもう』

POW   :    仮想空間でスポーツをする、飲食を楽しむ

SPD   :    仮想空間でパーティや宇宙船レースを楽しむ

WIZ   :    凝った設定の仮想空間での生活を楽しむ

👑11
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


猟兵たちの活躍により、宇宙船に迫っていた脅威は見事に排除された。
 この知らせは宇宙船内部で大きな衝撃を与え、人々の想いは歓喜に染まっていた。
「猟兵の皆さん、この度は本当に有難う御座います……!なんとお礼を言ってよいのやら……。」
 そう言って、涙声で語るのは初老に差し掛かった痩身の男性。この宇宙船のリーダーたる存在だ。
 帝国の戦艦を確認した時には寿命が縮み、船内は嘆きにくれる有様だったというのだから、この喜びようも当然かもしれない。
「私たちでお礼出来る事があれば、是非仰ってください。本当に、今日は、私たちの命が繋がれためでたき日なのですから……」
 パーティーで美味しいものを食べても良いし、集まってきた人々に戦いの話を聞かせても良い。何だったら、他の事も出来ないか聞いてみても良いだろう。
 ある程度の事なら、大体は答えてくれるはずだ。なぜなら、今日の主役は、紛れもなくこの船を救った猟兵たちなのだから。
小鳥遊・月緒
こんなに喜んでもらえると、頑張った甲斐がありますね。
せっかくですから、バーチャル空間で畳の和室でお茶を頂きましょう。
庭に石庭などあると良いですね。
「こんな事も出来るんですね…。バーチャル空間恐るべしです。」
あ、お茶美味しい。満喫します。



「こんなにも喜んでもらえると、頑張った甲斐がありますね」
 宇宙船の住民たちの歓声を受け止めた小鳥遊は、優しく笑み、穏やかな声色で言葉を紡いだ。
 住民たちの反応に少々気恥ずかしさも感じるが、彼らが体験した絶望からの開放感を考えれば、大げさとは言えないだろう。
 せっかくですから……と切り出した小鳥遊の要望に、住民たちは二つ返事で引き受けた。
 
 所変わって、純和風の茶室。此処で小鳥遊は一人、ゆっくりとお茶の時間を満喫していた。
 小鳥遊の所望したもの、それはバーチャル空間でのお茶室でくつろぐことであった。
 視界をぐるりと周囲に移せば、障子に襖と和を意識した調度品が映り、開かれた障子の外を覗けば、見事な枯山水が姿を現した。
 石塔や岩に付いた深緑の苔は本物かと見違えるほどであり、水を表現する砂紋も、熟練の職人が作り上げたような繊細さで描かれている。
 それは小鳥遊の好む詫び寂びの世界観を見事に現していたのだった。
 思わず、自身が今座っている畳を指でそっとなぞる。指先から伝わる感覚は、本物の畳であるかのようにごつごつとしており、仄かにい草の香りがするかような錯覚を小鳥遊は覚えた。
 「こんな事も出来るんですね…。バーチャル空間恐るべしです。」
 そう感嘆の吐息を洩らすと、小鳥遊は湯のみに注がれたお茶をゆっくりと口に含む。
 鼻に抜ける香りと程よい苦みが味わい深い。
 瞳に映るものはバーチャルであっても、湯のみから伝わる熱とお茶の味だけは紛れもなく本物であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

嵩本・李仁
テオ(f00426) 一六八(f00429)と一緒に参加

一緒に銃でペンキをぶちまけるFPSを楽しむ
銃はやっぱりハンドガンスタイルが手になじむ
実戦は好みじゃないがこういうゲームなら全力で楽しもうかね
「さてと、久々にほどほどを超えて全力でやろうかね」

テオが先陣で俺が二番手。援護をしつつ
領地の色をガッツリ広げていくかね
「テオ、張り切るのはいいが俺の分も残して置いてくれよ」

さて、ラストスパートになったら
背後は一六八に任せて俺は前だけ見て突っ込むぞ
「一六八!ちょっと突っ込むから背中頼む」

いいねテンションが振り切れてきた!
どんな敵でもかかってくるといい
「MEとこの戦いをFEVERしようぜ!」


テオ・イェラキ
李仁(f04699)、一六八(f00429)と参加だ

これが『ばーちゃる空間』とやらか
アックス&ウィザーズの世界に普段暮らしていると、中々に面妖に感じるな

同じ旅団の友人と、この銃からペンキを打ち出し、戦うゲームをやってみよう
紅白のチームに分かれるが、我々は紅チームとして参加だ
赤いペンキをひたすら垂れ流すぞ

「オラオラオラァ!かかってこいやぁ!」
これは楽しい、いつもよりテンションがあがってしまうな
銃から赤いペンキを撃ちまくり、敵チームを真っ赤に染めてやろう

「李仁!一六八!俺についてこい!」
背後を友に任せ、ゲームで突貫するぞ

「ハァーッハッハッハァ!」
もしも他の旅団メンバーがいれば、ドン引きされるかもな


零落・一六八
テオさん(f00426)と李仁さん(f04699)と参加します

ペンキをぶちまけるゲームやりまーす。
このあたり一面を真っ赤に染めてやりますよ、へへ。

「こーいうのは全力でやってこそでしょ。」

ガシャンっとサブマシンガン風の武器を選びます

周りに連射して染め上げながら三番手で着いていきつつ
背中は頼んだといわれたら

「オッケー。背中からぶちかませばいいんですね。」
「いや、冗談ですけど。」

と発言だけ冗談で裏切りながらきっちり背中守ってぶっ放します
二人が特攻系なんで、まぁ、ほどほどにサポートムーヴしつつ楽しみますよ!
飛び道具も現実じゃ使わないし、たまにはこういうポジションも楽しいですしね。

※アドリブ歓迎



「これが『ばーちゃる空間』とやらか……中々に面妖に感じるな」
 視界に広がるサイバー感溢れる光景に、テオ・イェラキ(f00426)は訝しみ、思わず言葉が漏れた。
 リアル過ぎる造詣ではなく、あえてゲームの世界である事を強調するかのようなデフォルメされた空間は、まるで自身がゲームのキャラクターであるかのように感じるほどだった。
 普段暮らしている世界からは文化も技術も異質すぎるが、遊戯であれば、とテオは割り切って違和感を飲み込んだ。
 「まぁまぁ。慣れないのは分かるけどね。こーいうのは全力でやってこそでしょ。」
 そう言って、テオの肩を叩いたのは同じ旅団の仲間である零落・一六八(f00429)だった。
 楽し気な表情は崩さず、手にしたサブマシンガン風の武器に弾をチャージしていた。
 そんな2人に合流したのは嵩本・李仁(f04699)、彼も同じ旅団の仲間である。
 ハンドガン風の武器の調整に余念がなく、これから始まるゲームが待ちきれない様子であった。
 3人が参加しているのは紅白のチームに分かれて、銃でペンキを撃ち出して戦うゲームだ。
 弾がペンキなので、当たっても痛くない上に、色彩も派手で、この宇宙船内では一番人気のゲームである。
 ちなみに、3人以外にも他の猟兵も多数参加しており、船を救った英雄たちの戦いを一目見ようと、観客席には多くの住民が詰めかけた。
 ゲーム開始の合図が鳴ると、3人はスリーマンセルを組んで、敵陣へ駆けて行った。
 先陣をテオが切って、2番手が嵩本、3番手が零落の順に続く。
 「李仁!一六八!俺についてこい!」
  背後を友に任せ、猛スピードで戦場を駆け抜けるテオ。
 果敢に進んでいくと、早速、敵の小隊が視界に飛び込んできた。
 突然の接敵に驚いた隙をテオ見逃さず、素早く引き金を引いて、赤のペンキを射出した。
 勢いよく飛び出したペンキは相手チームを赤く染め、テオのスコアとなる。
 見事な速攻にワーッ!と観客席から歓声が飛び出した。
 「オラオラオラァ!かかってこいやぁ!」
 にんまりと笑顔をこぼし、新しい得物を探すテオ。
 思った以上に楽しく、いつもよりテンションが上がっているのが見て取れる。
 「テオ、張り切るのはいいが俺の分も残して置いてくれよ」
 そう呟く嵩本だが、声色は何処か楽しそうだ。
 その後も3人は快進撃を続けるが、敵も猟兵。最後の砦の守りは堅牢そのものであった。
 曲がり角から顔を少し覗かせば、容赦なく相手のペンキがシャワーのように降り注ぐ。
 終始テオの援護に回っていた嵩本もテオの勢いだけでは無理と判断し、覚悟を決めて零落に作戦を告げる。
 「一六八!ちょっと突っ込むから背中頼む」
 そう言って嵩本は銃を構え直し、角から出るタイミングを窺う。
 背中は頼んだと言われた零落は頷いて返す。
 「オッケー。背中からぶちかませばいいんですね」
  姿勢を低くし、敵の本陣へと駆けて行く嵩本。そうじゃねぇよ!と嵩本が言ったような気がしたが、零落は気にしない。
 突撃してきた嵩本へ敵の射手は狙いを定める。
 だが、嵩本に集中するあまり、自らも身を晒していることを射手は失念していた。
 零落は嵩本を狙う射手たちをサブマシンガンで次々と撃破してゆく。
 「いや、冗談ですけど」
 もう嵩本の耳に届いていないだろうが、言葉では冗談で裏切るものの、きっちりと嵩本の背中は守っていたのだ。
 尚も嵩本を狙った敵を見つけてはサブマシンガンをぶっ放す零落。
 それに合わせ、一層派手なペンキが相手の砦に降り注いでいく。
 ほぼ同時に、敵の最後の抵抗は嵩本に集中する。
 頭上や耳をペンキが掠め、足元には自身を狙ったであろうペンキがべっとりとついている。
 敵の猛攻を一身に受ける嵩本だが、その表情は焦りではなく、獰猛な笑顔を浮かべていた。
 (いいねテンションが振り切れてきた!)
 どんな敵でもかかってくるといい、全て倒して見せる。そう物語っているような顔付きだ。
 観客たちも固唾をのんで見守っている。
 最深部まであと僅かの所で、番人と思われる敵が現れた。
 敵の猛攻は既に止んでいる。おそらく、零落が仕留めたのだろうと、友の顔を思い浮かべながら嵩本は考えた。
 であれば、これが最後の戦いとなる。
 「MEとこの戦いをFEVERしようぜ!」
 そう叫ぶと、軽快に身を翻し、敵のペンキをすんでの所で避ける。
 嵩本の武器はハンドガンだけではない。持ち前の機動力こそが最大の武器なのだ。
 そして、撃ってきた敵にお返しのペンキを放つ。
 勝利のブザーが鳴った。
 会場内は割れんばかりの歓声が轟いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月07日


挿絵イラスト