帝竜戦役②〜侮り難し襲撃者
「とうとう、帝竜ヴァルギリオスが現われたわね」
グリモアベースへと入る猟兵たちを迎えたのはポノ・エトランゼ(エルフのアーチャー・f00385)。
これまでにも、群竜大陸を見つけるための調査や戦い、見つけた群竜大陸を堅実に攻略してきた猟兵たち。
その群竜大陸に猟兵たちが侵攻したことに危機感を覚えたのだろう。
帝竜は、恐らくは帝竜たちにとって早い段階でありながらも動き始めたようだ。
「これも頑張ってきた皆さんのおかげよね。敵が完全に行動を開始する前に、対処していきましょう。
今回、皆さんに攻略をお願いしたいのは『皆殺しの平野』と呼ばれる場所なの」
名前の通り、恐ろしい場所となる。
「そこはオブリビオンをドラゴン化する、風の吹く荒野でね。あ、でも皆さんには影響がないから安心して」
オブリビオンはドラゴン化――翼と鱗や角を生やし、荒野に現れた猟兵たちを空から襲撃してくるようだ。
「機動力はあるわ、硬いわ、と色々厄介だから気を付けてね」
「――で、肝心の敵はどんな奴なんだろう?」
「スマイルスライムな、『ポポゥリン』よ」
あんまり強くなさそう……という顔をする猟兵たちだが、忘れてはいけない。
ここのオブリビオンは皆、ドラゴン化しているということを。
「この敵の急所は、目と目の間辺りね。鱗に覆われているし、敵は飛んでいるしで狙うのは難しいかもだけど、対処しながら一体ずつ確実に倒して皆殺しの平野を抜けて頂戴」
そしてドラゴン化したポポゥリンを倒すと、竜胆石という美しい宝石が採れるようだ。
「緑が一番多そうだけど、色違いの種もいてね。ポポゥリンの色によって、色んな色の石が採れるみたいね。
良さそうな色のポポゥリンを見つけたら、是非倒してゲットしてみてね」
ちなみに竜胆石は、金貨四十枚の価値があるようだ。円に換算すると四十万円ほど。
「オブリビオン・フォーミュラ、帝竜ヴァルギリオス――そして蘇生された配下の帝竜たち――彼らの狙いは『世界』を滅ぼすこと……きっと彼らがいるアックス&ウィザーズだけではなく、皆さんの生まれ育った世界を意味しているのでしょうね。
渡らせないよう、しっかりと阻止していきましょう」
そう言ってポノは猟兵たちを送り出すのだった。
ねこあじ
アックス&ウィザーズで戦争だ~。
帝竜戦役はじまりましたね。
ねこあじです。今回はよろしくお願いします。
皆殺しの平野での戦いです。
ドラゴン化したポポゥリンが空から襲ってきます。
遊びながら倒してもいいですし、宝石集めをしてもいいですし。
プレイングボーナスは、
「空中からの攻撃に対処し、硬いうろこに覆われた「急所」を攻撃する」
となります。
それでは、プレイングお待ちしています。
第1章 集団戦
『ポポゥリン』
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POW : 笑顔
レベル分の1秒で【スマイル】を発射できる。
SPD : 怒り
【怒り】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
WIZ : お前の顔は覚えたぞ
【体当たり】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【顔】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
イラスト:透人
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
小宮・あき
すずちゃん(f02317)と。
私の可愛いポポゥリン。
鱗に覆われてしまって…目と目の間が薄いだけですか?
そのぷよぷよボディを隠すなど、魅力が半減ですよぉ。
金貨を狙って良さそうな色のポポゥリンを探すのもアリなのですが、
数をこなしていくのが、戦況的には良さそうかな。
空中戦なので、1体ずつ慢心せず倒していきたいところですね。
怒りの感情を抱かせないようにしましょう。
怒らせてはいけない…。つまりここは、私もスマイル!
存在感と優しさ技能全開のスマイルをポポゥリンに向けます。
空中の攻撃はレガリアスシューズの能力と、第六感、野生の勘で回避しつつ、
地上近くになったタイミングでUC【ひとめぼれ】!
コイスル・スズリズム
オーナーさん(f03848)と同行!
ぽよぽよボディ……
お、オーナーさん、旦那さんしかり、好みわかりやすいね。
オーナーさんと背中合わせに位置どって
『第六感』を頼りに『ジャンプ』や『スライディング』を混ぜつつ相手の攻撃をよけて『見切り』
笑顔を忘れずに動くと、なんだかエクササイズの気分だね!楽しくなってきたかも~!
UCで紙片で「足場」を作って
それにのっていってステップをふんでいって
ハート型の紙片をばらまいて、カラフルに明るく戦うよ~!
オーナーさんの笑顔も怖……かわいいよ~!
オーナーさんの上らへんで足場を大量に作ってステップをふんで敵の注意を惹く
ぷよがきたら二人でタイミングを合わせ攻撃。
アドリブ大歓迎
アックス&ウィザーズ。
空に浮かぶ群竜大陸の、皆殺しの平野と呼ばれる場所。
バサッとドラゴンの翼を広げ、飛行する丸い物体――ポポゥリンを、小宮・あき(人間の聖者・f03848)は残念そうに見上げる。
「私の可愛いポポゥリン……すっかりドラゴンの鱗に覆われてしまって……ぷよぷよボディを隠すなど、魅力が半減ですよぉ」
そう、ポポゥリンは空を飛び、本来のぷよぷよぽよんなボディをドラゴンの鱗で覆い、更には角まで生やしてしまっていた。
「ぷよぷよボディ……」
あきの言葉に、コイスル・スズリズム(人間のシンフォニア・f02317)はちょっと戸惑いの表情。
「お、オーナーさん、旦那さんしかり、好みわかりやすいね」
「すずちゃん、ぷよぷよ、ぽよんぽよんはとっても素敵なものなんですよ」
「そ、そなの? ――って、あ、ぷよが来る」
ドラゴン化ポポゥリンの急降下。
撃ちだされたボールのように一直線に飛んできた敵を避けるコイスル。最初の一体に続き、ドラゴン化ポポゥリンたちが一斉にあきとコイスルを狙って急降下してくる。
「オーナーさん!」
「すずちゃん、彼らに怒りの感情を抱かせないようにしましょう」
「となれば」
「スマイルですよ!」
あきの言葉に頷いて、コイスルも笑顔に。
二人、背中合わせに立ち、次々と襲ってくる敵たちを避ける。
バンッ! と地面でバウンドして再び空へと上がっていくポポゥリン。丸いボディを活かし急旋回する。
彼女たちは時に手を繋ぎ、くるんと回避。死角を補いあって、ジャンプしたり屈んだり――コイスルが低く屈みアクロバティック飛行をするポポゥリンを避ければ、直ぐにあきが立ち上がる動作を助けてくれる。
「笑顔を忘れずに動くと、なんだかエクササイズの気分だね!」
楽しくなってきたかも~! と、コイスル。
「そうでしょう? スマイルは大事ですよ」
にこっと笑顔のあき。ポポゥリンにも向けられていた笑顔は、いつの間にか、ドラゴン化したポポゥリンたちを笑顔にしていた。
スマイルいっぱいの空。
ポポゥリンの一斉襲撃は、一旦止んだようだ。今度はばらばらと仕掛けてくる。
「誰かに恋する時のよに誰かを待つよに深く甘く続いてく――」
回避しながら、魔法学生服の袖口からはらはらと紙片を撒くコイスル。
ハート型の紙片は舞い、くるり。たくさんの色は花弁のように。
それらにのり、ステップを踏むコイスル。くるりと回ればツインテールが広がった。
敵の第二波となる攻撃を、彼女たちは完全に見切る形となり、ダンスをするように攻撃を返していく。
破かれた小冊の紙片がはらはらと振り撒き、ポポゥリンを攻撃するコイスル。
目と目の間の鱗の薄い部分――そこを愛用のマスケット銃を撃つあき。ちなみにスマイルのまま。
ポポゥリンスマイルの中心部への攻撃は、一撃必殺となり、ドラゴン化ポポゥリンはスマイルのまま撃破されていった。
「ぷよもオーナーさんの笑顔も怖……かわいいよ~!」
言葉半ばに、にっこり笑顔が向いて、やや慌てて修正するコイスル。
「すずちゃんも、素敵なスマイルですよ」
「あ、ありがとー」
舞う紙片。平野に響くは速射の銃声。
スマイルになったポポゥリンたちの、キラキラな竜胆石が二人のいる場所へと落ちていく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
リュカ・エンキアンサス
倫太郎お兄さん(f07291)と
目と目の間…眉間か。一応眉っぽいものもあるし
え。お兄さん、そんなに期待されても…わかれば撃てないものはないと思うけれど…、相手、あれだよ?シリアスにならないよ?
まあいいや。いったい一体着実に片づけて行こう
ということで地上から敵へと制圧射撃。なるだけ眉間を狙って数を減らす
とはいえ相手も空を飛ぶし、攻撃もしてくるだろうから…
その辺は、お兄さんに任せる
え、お兄さんなら何とかしてくれると思って
頼りにしてるよ、お兄さん
その分俺は、ただひたすら倒すから
竜化か…
俺、ドラゴン好きなんだよね
俺も竜化したら、でっかいドラゴンになれるかな
ふふ。なったらお兄さんを背中に乗せるね(得意げ
篝・倫太郎
リュカ(f02586)と
そそ、眉間
自分の人差し指で自分の眉間をとんとん
まぁ、リュカは狙撃手として
ぐう有能だって俺知ってるから
トドメは任せるぜ
ってか、ちょっとほぼ俺に丸投げじゃねぇか!
ま、言われたら応えるのも年長者ってな
空中からの攻撃
俺自身は見切りと残像で回避
リュカへの攻撃は拘束術で弾いて射線をずらして直撃回避
敵への攻撃の回避だけに留まらず
敵本体への牽制攻撃にも拘束術を使用
長時間拘束出来なくても僅かな時間でいいさ
リュカなら仕留めるだろ
俺自身も華焔刀で破魔を乗せたなぎ払い
必要なら空中戦で対応
ほうほう?黒い鱗で蒼い瞳の?
愛想無しな竜だな、そりゃ……
でも、カッコいいんじゃね?
竜になったリュカってのもよ
アックス&ウィザーズ世界、群竜大陸――その皆殺しの平野にて飛び交うのは、ドラゴン化したオブリビオンたち。
愛用の改造アサルトライフルを手に、リュカ・エンキアンサス(蒼炎の・f02586)は飛行する丸い物体を見上げた。
普段は愛らしいともいえるポポゥリンは、ドラゴンの翼、鱗、角を備え凶暴性も増しているようだ。
そんな敵の弱点は、
「目と目の間……眉間か。一応眉っぽいものもあるし」
「そそ、眉間」
リュカの呟きに、人差し指で自身の眉間をとんとんとする篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)。
「まぁ、リュカは狙撃手としてぐう有能だって俺知ってるから。トドメは任せるぜ」
その言葉に、リュカはゆるりと倫太郎の方を向いた。
「え。お兄さん、そんなに期待されても……弱点は分かっているし撃てなくはないと思うけど」
相手はポポゥリン。どちらかと言えば可愛らしい系オブリビオン。
「相手、あれだよ? シリアスにならないよ?」
二人が空を見上げれば、ドラゴン化したポポゥリンたちはまだ猟兵の存在に気付いておらず、各々が空中で戦っていた。
バンッ! と鱗に覆われたもの同士の衝突音。
とてもじゃないがスライムの出す音ではない、と倫太郎は目を細めた。
「いやシリアスだ。分かる。これガチ戦系」
球体を活かした方向転換も素早く、衝突しあってもそのまま直ぐに急旋回する。
「結構速いね……なんか、ほぼ笑顔だけど……シリアス?」
スコープ越しに観察していたリュカが、本当に? という顔をした。
「――まあいいや。一体、一体、着実に片づけて行こう」
ドラゴン化ポポゥリンの急降下。
撃ちだされたボールのように一直線に飛んできた敵を避ければ地面で強くバウンドしたポポゥリンは再び空中へ。
硬い鱗に覆われている彼らの体当たり攻撃は地面が抉れる程だ。
「はっや!」
華焔刀に重心を移しひらり避ける倫太郎。
「お兄さん、早く」
「ってか、ちょっとつーかほぼ俺に対処丸投げじゃねぇか!」
動きを止めてという風なリュカの催促に、倫太郎はツッコミを入れながら拘束術を放った。
七十六メートル半径のドラゴン化したポポゥリンたちが見えない鎖の攻撃を受け、動きが重くなった。
「頼りになるね、お兄さん」
動きが鈍れば、急所も捉えやすくなる。――それは僅かな時間で十分であった。
「……星よ、力を、祈りを砕け」
灯り木から放たれるは、星の弾丸。それは一直線に駆けあがる流星のように、幾筋もの軌跡。
滞空するポポゥリンの目と目の間へ着弾し、鱗と、その下のぷよぷよな体を貫く。
落下速度をさらにのせたポポゥリンの突撃を倫太郎は避ける――回避行動から華焔刀を振るい、地面を穿つポポゥリンが跳ねた瞬間を狙ってなぎ払う。
その余波を受け、『><』となった敵を撃つリュカ。
どんどんと減っていく敵数。
銃撃は止めず、リュカは呟く。
「竜化か……俺、ドラゴン好きなんだよね」
オブリビオンをドラゴン化してしまう風は、今も吹いている。どこか血なまぐさい風であった。
少し、想像した。風が猟兵の身にも影響を及ぼしたら、と。
「俺も竜化したら、でっかいドラゴンになれるかな」
「ほうほう? 黒い鱗で、蒼い瞳の?」
リュカの色に刹那、目を向ける倫太郎。
「愛想無しな竜だな、そりゃ……」
でも、と、倫太郎はニッと笑む。
「カッコいいんじゃね? 竜になったリュカってのも、よッ!」
バウンドしたポポゥリンを穿ちながら倫太郎が言う。
「ふふ。なったらお兄さんを背中に乗せるね」
どこか得意げな少年の声に、倫太郎は応じた。
「空の旅もいいかもなー」
晴れ渡る青、満天、夕焼け、いろいろな空。
――ポポゥリンが減り、見晴らしよく広がる空に。
IFの話に、IFの光景を重ねてみる二人であった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
亜儀流野・珠
金貨四十枚。
よく分からんが売って良い奴なのか?
まあ綺麗らしいから手に入れたら手元に置いておきたいな!
……持ち帰って良い奴なのか?
まあ取り敢えず狩るとしよう。
「深く味わい深い緑色の奴」を狙ってみるか!
さて……何やら表情も味わい深いな?
攻撃手段は体当たりか?
取り敢えず突っ込んできたところを狙い
正面から薙刀「狐の爪」で叩き斬ってみよう。
斬れるなら良し。斬れんなら……奥義「纏い火」にて
薙刀に狐火を纏わせ強化、そして斬る!
水分? っぽいし炎には弱いだろ!
他の色というのも気になるな。
余力が有れば他の奴も斬りに行ってみるか!
菫宮・理緒
まだ帝竜の体制が整っていないみたいだから、
いまのうちに前線基地のスペースくらいは確保しておきたいよね。
足がかりをつくっておけば、次の手が打ちやすい、はず!
それにしても、ポポゥリンがドラゴン化かぁ……。
翼と角はともかく、鱗のあるポポゥリンはちょっと可愛くない気がするな-。
【E.C.O.M.S】で【Octagonal Pyramid】を撃ち出して、対空砲火として使って、ポポゥリンを撃ち落としていきたいな。
目と目の間とか、狙い所はけっこうシビアではあるけど、
「数撃てば、当たる! はず!」
竜胆石は空色のとかあったらげっとしたいな。
あ、あと、紅のもあったら、1つ欲しい、なー!
「ここが皆殺しの平野か。物騒な名前だな」
アックス&ウィザーズ世界の群竜大陸。降り立った場所は、亜儀流野・珠(狐の恩返し・f01686)が言った名前の通り、ドラゴン化したオブリビオンたちが交戦する物騒な場所であった。
「まだ帝竜の体制が整っていないみたいだし、いまのうちに前線基地のスペースくらいは確保しておきたいよね」
そのためにもここにいるオブリビオンたちを倒していかないとね、と菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)が言う。
「足がかりをつくっておけば、次の手も打ちやすいはずだよ」
今までも、少しずつエリアとして確保していった橋頭保。猟兵たちの進撃を喰い止めるべくオブリビオンたちの動きも活発化し、猟兵たちもまた更なる攻略へと進む。
理緒の言葉に珠は頷く。
「そうだな。取り敢えず狩っていくとしよう」
二人、見上げる空にはほぼ球体のオブリビオンが生やした翼で飛行していた。
ドラゴン化したポポゥリンは凄まじい機動力を持っていた。
球体を活かした方向転換も素早く、衝突しあってもそのまま直ぐに急旋回する。態勢を立て直すタイムラグがヒトガタのオブリビオンに比べればほぼ無いに等しいのだ。
「翼と角はともかく、鱗のあるポポゥリンはちょっと可愛くない気がするなー」
正八角形のユニット、Octagonal Pyramidを召喚し対空砲火の如く撃ちだす理緒。
現状、急所を狙うのは難しそうだが、
「数撃てば、当たる! はず!」
と、たくさんのユニットを彼女は放った。
その攻撃に気付いたドラゴン化ポポゥリンたちが、急降下してくる。
「そこっ」
真っ直ぐ一直線な急降下は狙いがつけやすく、同時に目と目の間というバイタルゾーンが前面に出ている。
まず急所にユニットを一つ、衝撃に跳ねたポポゥリンへ更に二つ飛ばしての撃破。
「突っ込んできた奴は任せてくれ!」
「うん、お願いするね」
理緒の攻撃網を抜けたポポゥリン。
正面から対峙する珠は薙刀・狐の爪を構えた。
「はあっ!」
落下速度をのせたポポゥリンの突撃は、重い。かつ一突きの手応えは硬かった。そのまま角を絡めとるようにして地面へと叩きつけた珠は、バウンドしたポポゥリンに再びの斬撃を繰り出す。
「俺の炎で燃え尽きろ!」
斬線に色がつく。
炎纏う刃がポポゥリンの鱗、そして奥のぷよぷよな部分まで浸透し――スライム状のポポゥリンは弾け飛んだ。
「よし、次だ」
長柄を繰り、次に迫ってくる深く味わい深い緑色の奴を狙う。
「……ん? 何やら表情も味わい深いな?」
跳ねて弾けたポポゥリンが竜胆石となり、ぱしりと手に取る珠。
ポポゥリンは『><』だったり『◎◎;』だったり、色んな表情を見せながら撃破されていくのだった。
カツン、カツンとたくさんの竜胆石が降ってきて、辺りのドラゴン化したポポゥリンを撃破した二人は石の回収に。
「あ、見つけた」
理緒が手にしたのは紅と空色の竜胆石。空に向かって翳せば、空色の方はほんのりと深みを増した。
「金貨四十枚か。よく分からんが売って良い奴なのか?」
石を一つ、指先でかえしがえしと弄りながら珠が首を傾げる。
「そうだね、売ってお金にしたり、あとは魔法とかの媒介にも使えそうな気がするね」
魔物の被害が大きな場所での復興資金にしたりもできるだろう。
「その緑色、綺麗だね」
「ああ……、これは手元に置いておこうかなと思って」
味わいのある深い緑色の石を一つ、珠は握る。
「そろそろ次の場所へ行かなくちゃだね。このエリア、まだまだ広いみたいだし」
理緒の言葉に珠は頷きを返し、時に他の猟兵と出会いながら、二人は皆殺しの平野を進むのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シリン・カービン
【SPD】
あんなモンスターまでドラゴン化するのですね…
改めてヴァルギリオスの脅威を感じます。
攻撃を躱しながら【ピクシー・シューター】を発動。
数挺の複製猟銃でポポゥリンを囲み、追い立てます。
先手を取って行動をつぶしていけば、
やがて怒りが爆発して巨大化するでしょう。
そこが狙い目。
サイズが大きくなれば急所も大きくなります。
空飛ぶ相手でも動きを封じていれば当てるのは難しくない。
まして、狙うのは私です。
「あなたは私の獲物」
急所を撃ち抜いて、力が削がれたポポゥリンに複製猟銃で一斉射撃。
落ちてくる竜胆石をキャッチして、次へ向かいます。
狩りは、まだ終わらない。
ヴァルギリオスを討つまでは。
アックス&ウィザーズ世界、群竜大陸。
少しずつエリアを攻略し、橋頭保として得ていた猟兵たちの進撃。
それを喰い止めるべくオブリビオンたちの動きも活発化し、猟兵たちもまた更なる攻略へと進む――。
彼の地に降り立ったシリン・カービン(緑の狩り人・f04146)は、仲間同士ですら交戦するドラゴン化オブリビオンを見上げた。
「……あんなモンスターまでドラゴン化するのですね……」
ドラゴン化させる風が吹き、シリンのハンター・マントがはためいた。
ドラゴン化したポポゥリンは、本来であれば愛らしい姿のオブリビオンである。しかし今や、ドラゴンの翼・鱗・角を備え凶暴化した彼らはその面影など無いに等しい。
改めて、帝竜ヴァルギリオスの脅威をシリンは感じた。
その時、交戦していた上空のポポゥリンが衝突しあい、シリンの方へと落ちてくる――猟兵の存在に気付いたのだろう、球体を活かしぐるんと回転した敵はそのまま弾丸の如き勢いで迫ってきた。
敵の方向転換によるタイムラグは無い。だが動きは単純だ。
シリンが回避すれば、地面を穿ちバウンドしたポポゥリンは再び飛翔する。
「――速い」
一体に続くように、次々と襲撃態勢となるポポゥリンたち。
「羽根妖精よ、私に続け」
駆けるシリンはピクシー・シューターを発動し、複製した数挺の精霊猟銃を空へと放った。
精霊の力を宿したライフルたちがポポゥリンを囲み、時に威嚇射撃を行い、追い立てて行く。
『……!!』
ドラゴン化ポポゥリンたちの目がどんどんと険しくなっていく。「(-"-怒)」という感じに。
特に威嚇射撃は鱗を弾き、ポポゥリンの飛行を阻害した。
バンッ! と体を内部から弾けさせたように、ドラゴン化ポポゥリンのサイズが増大する。
「かかりましたね」
銃把を軸に回し、一瞬にして精霊猟銃を正しく構えるシリン。
「あなたは私の獲物」
そう呟いて巨大化するポポゥリンの急所を撃ち抜く。
一体、二体、三体。
続く数多の銃声は複製猟銃による一斉射撃だ。荒野に耳を劈く音が響き渡る。
敵の鱗の砕け、スライム状の身体が弾けた。キラッと陽光を受けながら落ちてくるそれを、パシッとキャッチするシリン。
竜胆石だ。
石を革袋に入れながらも、意識は次の獲物へと。
彼女の歩みは一意専心。
(「狩りは、まだ終わらない」)
群竜大陸に現れるオブリビオンの群れ、帝竜たち。
そして頂に在る、ヴァルギリオスを討つまでは――。
大成功
🔵🔵🔵
木元・祭莉
アンちゃん(f16565)とー♪
皆殺しの荒野。
なんでも、ドラゴン化するんだっけ。スマイルスライムも?
アンちゃん、ポポじゃないよ。
ポノリンだよ!
……あれ?
まいっか。とりあえず、緑のはポノリンね!
弱点は眉間、じゃなくて目の間。眉なかったや。
空中戦なら、おいらも慣れてるからね。迎え撃つよー♪
如意な棒と綾帯を構えて。
ニコニコ急降下してきたところへ、舞扇投射!(ずびし)
ぱぱんと弾けて目が眩んだところを、綾帯で巻き取り。
如意な棒で、ぺしっと。
うわ、蕩けた。
とりあえず、ポノ石ゲットだぜぃ♪(ポッケ入れ)
次は、金色の探そっと♪
アンちゃん、何色がいいー?
金髪眼鏡メイド。
ウサミミは母ちゃんに怒られるよ?(ひょい)
木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と
大切な友達の育った世界とわたし達の世界を守る
ポポぅ…りん!ん、ポポもドラゴン化してる?
せっかくのかわいい笑顔も台無しになる、よろしくない
まつりん、何色のポポがいいかな?
ん、わたしは金色ポポにしてみる
ポポこっち
地上から槍型にした灯る陽光をポポを狙いびゅっと投げ、注意を引きつける
顔覚えた?
ん、くーるびゅーてぃ杏に変身!
ジャンプしてくるんっと回転、
オーラを纏いすちゃっと平野に降りたつ
金髪にほんのりウェーブ、ぐるぐる眼鏡を掛け、きりっと凛々しいメイド姿に変身
ふふ、いつもよりクール度アップ
ね、まつりん
さ、お掃除
飛び立ち槍で目と目の間を突き刺す
宝石は大事に持って帰る(きゅっ
アックス&ウィザーズの群竜大陸、その荒野ではオブリビオンをドラゴン化する風が吹いていて相変わらず物騒な場所のまま。
「ココだと、みんなドラゴン化するんだっけ? スマイルなスライムもー?」
どこか血なまぐさい風を嗅ぎながら、木元・祭莉(とっとこまつさんぽ?・f16554)が双子の妹へと声を掛ける。
「ポポり……ぽぽー……ポポぅ……りん! ――ん、ポポもドラゴン化してる、ぽぽい」
ポポゥリン。一回、二回と声にしてみた木元・杏(食い倒れますたーあんさんぽ・f16565)は諦めたようだ。ざっくりカット。
「アンちゃん、アンちゃん、ポポじゃないよ。ポノリンだよ!」
祭莉は祭莉で、ここに来るまでのあれこれでごちゃまぜになっている。
しかしながら今ここに、ちゃんとした名前を教えてくれる者はいなかった。
二人で「……あれ?」と首を傾げつつ、
「まいっか。とりあえず、緑のはポノリンね! 他はポポ」
「ん、分かった」
兄の言葉にこくりと頷く杏。
そんな二人の上空では、仲間同士で戦っている敵、ポ・なんちゃら。
彼らは猟兵の存在――祭莉と杏に気付き、空で旋回し始めた。
青い空に、青のポポ、赤のポポ、橙のポポ。たくさんの色がくるくると。
「まつりん、何色のポポがいいかな?」
「うーん……アンちゃんは?」
「ん、わたしは金色ポポにしてみる」
杏は白銀の光を槍状に。
「ポポ、こっち」
振り被って投げれば、飛光するそれは一直線に、金色のポポへと向かった。
『!』
ドラゴン化ポポは球体を活かして素早い方向転換。弾丸の如き勢いで杏を目指し落ちていく。
敵の動きは単純で、杏はステップを踏むように回避。ポポは地面を穿ち、バウンドして再び飛翔する。
タンッと、今度はちゃんとステップを踏んだ杏はジャンプしてくるんっと回転した。
桜の花弁が風舞うように。オーラを纏った杏の姿は、着地したその時には既に変身を終えている。
どれすあっぷ・CBA(Cool Beauty Ann)!
ほんのり緩やかなウェーブがかかった金髪。
「わたしはクールな女」
いつもよりきりっとした声でCBA。
「ふふ、いつもよりクール度アップ」
委員長的にぐるぐる眼鏡をくいっとして、凛々しいメイド姿となった杏は「ね、まつりん」と微笑む。
「も~、アンちゃん、ウサミミは母ちゃんに怒られるよ?」
ゆらゆら揺れるウサミミをひょいっと取って祭莉が言う。
今度はロップイヤー的タレミミヘッドドレスにしてみようと思いつつ、杏はポポへと向かい合った。
「さ、お掃除」
軽やかなジャンプ。飛翔した杏は、空へと戻り再襲撃しようとしていた金色ポポをへと向かう。桜の花びらが空を舞った。
『!!』
金色ポポが突撃してくれば、前面に押し出されるバイタルゾーン。目と目の間を、敵の速度をも利用し灯る陽光で突き刺した。
『><』という顔になったポポが弾け、金色の竜胆石となる。
「おいらも負けてらんないや!」
伸ばした如意みたいな棒、天地の綾帯を構えて祭莉も臨戦態勢。
スマイルを発射しながら急降下してくる緑ポノリン。
舞扇の幻影を投射する祭莉の指先はどこか繊細なものへ。
一つ、二つ、舞扇がポノリンへと当たれば幻影は弾けて花火のように光を放つ。
しゅっと赤の綾帯を放てば、先端の白銀の玉がくるんとポノリンを巻き取り、祭莉は釣り上げるように振った。
「ていっ!」
目と目の間めがけてぺしんと如意みたいな棒で叩けば、やっぱり『><』という表情になったポノリン。
「――うわ、蕩けたっ」
でろんとなったポノリン。その中から硬い物――緑の竜胆色が出てくる。
「ポノ石ゲットだぜぃ♪」
ちゃんとポケットに竜胆石を入れて、さて、次は~と見回す祭莉。
「おいらも金色の探そっと♪ アンちゃんは、何色がいいー?」
「次の、ポポ石――ん。お掃除しなきゃ」
メイド服のポケットに石を入れた杏もまた辺りを見回して。
二人は宝探しのように、キラキラ楽しく。お目当ての色を見つけていく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
水鏡・怜悧
詠唱改変省略可
人格:ロキ
竜鱗に覆われたスライム、ですか。眉間が弱点なのに体当たりしてくるのでしょうか。
「武装構築。形状は捕獲檻。属性は氷」
上空からの攻撃なら直線軌道に近いでしょうし、鱗で覆われているなら檻の隙間から出ることもできないでしょう。自身は檻の向こう側(上空から見ると檻の中にいるように見える)で待機し、突進してきたら檻のふたを閉めます。同時に氷属性で檻の中を冷やし、スライム内部の凍結(マヒ攻撃)を狙います。水分が多いのであればよく凍ってくれるはず。
動きが止まったら魔銃で檻の隙間から狙いをつけ、氷の弾丸で眉間を打ち抜きます。
アックス&ウィザーズ世界、群竜大陸。
その荒野にはオブリビオンをドラゴン化するという風が吹いていた。
どこか血なまぐさい風を感じ取りながら、水鏡・怜悧(ヒトを目指す者・f21278)――ロキは上空にて仲間同士で交戦するドラゴン化ポポゥリンを観察した。
「成程……球体であることを活かした動きをしているのですね」
丸っこい体を持つポポゥリン。鱗や角を備えた体になろうとも、そのフォルムは壊れていない。
ぐるんっと回り易い体は、ヒトガタのそれよりも方向転換のタイムラグは無くドラゴンの翼で容易く軌道修正していた。
少しの間、観察を行っていたロキは思考を巡らせ、ユーベルコードを発動する。
「武装構築。形状は捕獲檻」
黒く玉虫色に光る液体金属が複数に分かれ、細く伸びていく。
くるりと回りながら交差し、形状は流動的な檻に――。
「属性は氷」
彼の声に応じ、周囲に冷気が迸る。その頃には、ポポゥリンたちもロキの存在に気付き旋回してから急降下してきた。
(「やはり、眉間が弱点なのに体当たりしてくるのですね」)
知能は無いに等しいのだろう。
バイタルゾーンを前面に出し、突進してくるドラゴン化ポポゥリン。
――上空からの攻撃なら直線軌道に近いだろう――ロキの様々な読みは見事当たっており、ポポゥリンの襲撃はロキを目指して真っ直ぐに。
開いたロキの檻があっという間に、二体のポポゥリンを囲う。あっさりと捕獲できた。
檻の扉を閉め、隙間から逃げ出さないように幅を狭める。
同時に発揮するは氷の属性。急速冷凍よりも速いそれは白靄を発生させながら中のポポゥリンたちを凍結させていく。
『◎_◎;』
『><』
翼の付け根、鱗の下のスライム部と、凍ってしまったポポゥリンの表情。
「……? 少し大きくなりましたね」
――先程よりも少し大きくなったのは怒りによって増大したからなのだろうが、それもひと回り程度で直ぐに動かなくなってしまった。
「よく凍りました。やはり液状なのですね」
動きの止まったポポゥリン。ハンドガンサイズの魔導兵器、オムニバスでロキは敵の眉間を狙い撃った。
着弾部からビシビシビシッとヒビが駆け、ポポゥリンが砕け散る。
細かな石が散るように。
陽光を受けた破片はキラキラとしていて、ポポゥリンの中心部と思われる場所からは大きな石。
「これが竜胆石ですか。風を受け、ドラゴン化したオブリビオン内部で結晶化したもの――」
魔の力が凝縮されているのだろうか、空に翳してみれば深まる色――その向こうには新たにやって来るドラゴン化ポポゥリン。
ロキは再び檻を開き、敵を迎え入れ閉じ込めていく。
大成功
🔵🔵🔵
アヤネ・ラグランジェ
【橙翠】
うーん気が抜ける顔だネ
でもまあ羽が生えてるしドラゴンなのかな?
何色かって?
ソヨゴの瞳の色かな
と微笑み返し
ソヨゴは何色?狙って倒そうか
OK
じゃあ珍しいのを探そう
SilverBulletをケースから取り出して組み立てる
ソヨゴ空中で構わないから相手の動きを止めて
急所がこちらに向くようにして欲しい
条件が揃ったら撃ち抜くネ
大丈夫この子は相手が硬ければ硬いほどダメージが入るから
電脳ゴーグルとスコープをリンク
UC発動し銃を固定
銃口を上に上げる
通常なら不可能な射撃姿勢で狙いを定める
一撃必殺
いくつか手に入ったネ
金貨40枚だって聞いた
あはは
乱獲されたらすぐにレッドリストに載りそう
見た目より強くてよかったネ
城島・冬青
【橙翠】
スマイル?
スライム?
ドラゴン??
…まぁ何でもいいですよね!
でもなんだかお饅頭みたい
へぇ倒すと宝石が取れるんだ
アヤネさんは
何色が欲しいとかあります?
茶色…アンバーですね
私は何か珍しい色がいいですね
バイカラーとかないかな
空から落下してくるお饅頭…じゃなかったポポゥリンは残像を用いてぶつかる寸前で回避!
今度はこっちの番ですよ!
UCで空へ駆けポポゥリンを空中で足止め!
アヤネさんお願いします
無事に倒したら石を確認します
綺麗ですね
これ売ったら幾らくらいになるのかな?
金貨は確か円に換算して……40万?!
では10個集めたら…
いえ、お金には困って無いんですけど
ポポゥリン、弱かったら乱獲されてただろうな…
(o^^o)
「うーん気が抜ける顔だネ」
城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)と共に、アックス&ウィザーズの群竜大陸へと降り立ったアヤネ・ラグランジェ(十二の結び目を解き放つ者・f00432)は空で交戦中のモンスターを見ながら呟いた。
「スマイル? スライム??」
不思議そうな顔をしつつ冬青が視認できたポポゥリンたちの表情は、『(-"-怒)』や『( ̄  ̄;)』であったりと個体によって様々だ。
「でも、まあ翼が生えてるしドラゴンなのかな?」
「ドラゴン???」
アヤネの言葉に、改めて、空を見上げる冬青。
やや凶暴性の増したポポゥリンはドラゴンぽくも見えた。それなりに。
青や緑、赤や黄色と色彩も個体によって様々で、赤といっても紅めいたものなどがいる。
「あのオブリビオンを倒すと、宝石が取れるんですよね? アヤネさんは、何色が欲しいとかありますか?」
「そうだネ――ソヨゴの瞳の色かな」
答えと一緒に微笑むアヤネ。
「……となると、アンバーですかね」
「ソヨゴは何色が欲しいの?」
「私は何か珍しい色がいいですね」
橙と緑の二体のポポゥリンを目にしながら冬青が呟き応じた。今のところ、群れの中には目に付く色は無いようだが――。
「OK。じゃあ珍しいのを探していこう」
背にしていたケースから対UDCライフルを取り出したアヤネは、組み立てながら今回の作戦提案をする。
「ソヨゴ、空中で構わないから相手の動きを止めて、急所がこちらに向くようにして欲しい」
「わかりました! 結構、動きが速いですからね」
と、冬青。彼女が見るドラゴン化ポポゥリンたちは球体を活かした動きを披露している。
「ん。よろしくネ。条件が揃ったら撃ち抜くネ」
「鱗も硬そうですが、大丈夫ですか?」
「――大丈夫。この子は相手が硬ければ硬いほどダメージが入るから」
冬青の言葉にそう返し、アヤネは組み立てたSilverBulletのスコープを覗いた。
二重螺旋のウロボロスを発動したアヤネへ体当たりするため、急降下してきたポポゥリンに残像を見せ誘導からの回避を行う冬青。
「こっちですよ!」
丸いポポゥリンの方向転換によるタイムラグは無く、ぐるんと体を回し容易く軌道を変えてくる。地面を穿ちバウンドした敵は再飛翔。
「今度はこっちからいきますよ!」
黒蘭の花弁を纏い、飛立つ冬青。鞘におさめたままの花髑髏を手に、ポポゥリンへと迫った。
「はあっ!」
一閃。
ポポゥリンを叩くように花髑髏を振るう――攻撃ではなく、ポポゥリンを回すために。
敵の中心部よりも端の鱗と鱗の間、角や翼を引っ掛けるように振るわれた花髑髏の一撃はぎゅるんっとポポゥリンを回転させた。
ポポゥリンはバッと翼を広げ、自身の回転を止める――そこを狙い撃つのがアヤネだ。
瞬時にしてウロボロスと共に射撃姿勢を変え、引鉄を弾いた。
臨機応変を存分に活かした狙撃は、ポポゥリンの目と目の間へと着弾する。
「わ。弾けちゃった」
間近でポポゥリンの最後を見る冬青。緑のポポゥリンの鱗が砕け、内部のスライムが弾け飛ぶ――ニッコニコスマイルのポポゥリンは『><』となっていた。
直後、ハッとして視線をやや遠くへと向ける冬青。
「って、アヤネさーん! いました! レアスライム!!」
「OK、OK。仕留めよう」
接近してくる敵は、その体に二つの色を持っている。バイカラーだ。
●
バイカラーの石を手にして、空に翳してみる冬青。
「わあ、竜胆石、綺麗ですね。これって、売ったら幾らくらいになるのかな?」
「金貨40枚だって聞いたネ」
アックス&ウィザーズでの金貨は1枚、だいたい1万円。
「……ということは……40万?! えっ、じゃあ10個集めたら……よんひゃくまん?」
ドラゴン化ポポゥリンは結構倒した。冬青は地面に落ちている他の竜胆石を見る。
「ソヨゴ?」
「あ、いえ、お金には困って無いんですけど――ドラゴン化したポポゥリン、弱かったら乱獲されてただろうな……って思って」
球体を活かした機動、硬い鱗を活かした体当たりは『冒険者』では太刀打ちできないだろう。
「あはは、乱獲されたらすぐにレッドリストに載りそう」
冬青の言葉に、ニコニコとアヤネ。
「見た目より強くてよかったネ」
そんなアヤネの言葉に、こくこくと頷く冬青。
ドラゴン化したオブリビオンからとれる竜胆石――その変異の原因となる風は今もこの荒野に吹いていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
泉宮・瑠碧
丸い彼らが飛ぶ様子は…
何となく可愛らしい、気もします
私よりも笑顔が素敵と、思うのですが…
鱗では少し見え難いでしょうか
私は天飛泡沫
水の鳥達には
空襲や体当たりの妨害や、空中でも各々で弱点を狙う様に
緊急回復にも数羽待機させておき
数が減ればまた生成しましょう
自身は弓で弱点を狙います
水の鳥の妨害等で動きの鈍った相手を優先的に
牽制でも射って動きの幅を狭めていきます
可能な限り鱗の付け根や隙間、鱗の剥がれ易い部分を
…ドラゴン化すれば、竜胆石が生成されるのは…
苦しかったりするのか、心臓の変化の様なものなのか…
少し可哀想な気も、します
竜胆石は欲しいというよりも…命の証の様で、悲しくなります、ね
…どうか、安らかに
アックス&ウィザーズ世界に現れた、群竜大陸。
その荒野に降り立った泉宮・瑠碧(月白・f04280)は、ドラゴンの翼で飛ぶ球体――ポポゥリンを見上げた。
(「丸い彼らが飛ぶ様子は……何となく可愛らしい、気もします」)
丸みを活かしての飛行は、方向転換や旋回もスムーズだ。どこか舞うように、楽しげに飛んでいるようにも瑠碧には見えた。
視認できたポポゥリンの表情は凛々しかったり、笑顔だったり。
「私よりも笑顔が素敵……ですね……」
今が平和な状況であったなら、つられて微笑みそうなポポゥリンのスマイル。
けれどもここは群竜大陸。オブリビオンをドラゴン化する風が吹き、瑠碧の若緑衣の裾がはためいた。
『!!』
猟兵の気配を感じ取ったドラゴン化ポポゥリンが、くるりと回って急降下――狙いはもちろん、瑠碧だ。
やはり襲撃は免れないようだ。
(「我が生成せし清き流れよ――」)
願う瑠碧の意に添って空気が動く。ドラゴン化する風とは違う、清浄な風が僅かに発生する。
風精霊が助けるは、水の流れ。
(「鳥となりて羽搏き、浄化を成さん」)
瑠碧が生成した浄化の水は数多の鳥を模り、水膜を張るように飛び立った。
正面からまともにたくさんの水鳥の群れへと突っこんだポポゥリンは、笑顔の表情から『><』といった感じのものに。
その表情の変化が活き活きとしていて、瑠碧は目を瞬かせた。
ここが群竜大陸でなかったら、戦場でなかったら、思わず微笑んでいたかもしれない。
ポポゥリンは再び方向転換して空へ。
渇き切った荒野に水気が満ちる。空ではポポゥリンと水の鳥たちが衝突し合っている。――瑠碧が召喚した水の鳥は、ポポゥリンたちを囲うように、急所目掛けて積極的に特攻していた。
瑠碧もまた精霊弓で水矢を射放つ。
ポポゥリンの体当たり攻撃は水の鳥たちが纏い逸らした。くるくると両者が行き交う。
浄化の水の鳥に体当たりされ、怯んだポポゥリンの目と目の間を狙い瑠碧が水矢を飛ばす。
射貫かれたポポゥリンは弾け、キラキラとした石を地面に落としていった。
襲ってくるポポゥリンたちを撃破していった瑠碧と水の鳥たち――弾け、液状化したポポゥリンの痕は、その水分を荒野が吸い込んでいく。
数多に落ちた竜胆石を一つ、瑠碧は手に取った。
「……ドラゴン化すれば、竜胆石が生成されるのは……苦しかったりするのか……心臓の変化の様なものなのか……」
風を受け止め、凝縮されたものなのか――宿ったものなのか――。
ポポゥリンへ矢を放つ時、瑠碧は一体ずつ、真摯に向き合ってきた。彼らが倒される時の表情は『◎◎;』であったり、『><』であったり。
「彼らにとっては、望んだ変化ではない……のでしょうね」
ポポゥリンの姿は野原が似合う――その風景を思い描く瑠碧。
少し、可哀想な気がした。
(「竜胆石は……命の証の様で、悲しくなります、ね」)
掌にあるそれは、瑠碧の体温が少しずつ移っていってほんのりと温かなものに。
「……どうか、安らかに」
過去と現在。
オブリビオンと猟兵。
何度も繰り返される刹那の邂逅に――ポポゥリンに、瑠碧は祈りを捧げるのだった。
大成功
🔵🔵🔵