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帝竜戦役②〜ふわふわひらひら

#アックス&ウィザーズ #戦争 #帝竜戦役 #群竜大陸

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●A&Wにて
 広がる荒野に一陣の風が吹いた。
(ふわり)
(ひらり)
 風に乗って、砂埃と共に舞う獣の群れ。
 ふわふわの毛皮の下に広がる頑丈な鱗が、風で飛ぶ塵を弾いていく。
 ひらひらと上下に動く翼が、風をものともせずに羽ばたく。
(ふわり)
(ひらり)
 「竜」のような「獣」達が、けらけらと楽し気に声を立てた。

●グリモアベースにて
「皆さん、既にご存じかと思いますが、A&Wで動きがありました」
 集まった猟兵達を前に、桐島院・師走(シザーレッグズ・f20989)が事態を告げた。
「オブリビオン・フォーミュラである帝竜ヴァルギリオスが、配下の帝竜を引き連れて、世界を滅ぼそうとしています。帝竜ヴァルギリオスを迅速に撃破するため、今回皆さんには『皆殺しの平野』という場所に赴き、敵の群れの殲滅をお願いします」
 ですが、と師走は付け加えた。
「今回向かってもらう場所は少し特殊なものでして。どうやら、そこで吹く風はオブリビオンを竜化させる効果があるようです」
 具体的には、翼や鱗、角といった特徴がオブリビオンに現れるそうだ。
「敵はそこまで攻撃力の高い相手ではありませんが、数が多いです。また、竜の特性を身に着けたことで、相当身軽になっています。空中からの攻撃に対処し、相手の急所をついて早急に倒すことを推奨します」

「あ、それから」
 思い出したかのように師走は呟いた。
「敵の体内からは、竜胆石(りんどうせき)という財宝が採れるそうです。お金にもなるので、余裕があったら獲得を目指してみても良いと思いますよ」

 説明を終えた師走がグリモアを展開する。
「それでは、よろしくお願いします。皆さんに、神の加護がありますように」


はんぺん
 皆さんもお金は好きですか。はんぺんと申します。今回はA&Wでの戦争シナリオとなります。一章で完結する特殊シナリオです。お手柔らかにお願いします。以下は、シナリオの補足です。

●目的
 『ピンク・モフ』との集団戦です。敵は戦場の効果で竜の特性(翼、鱗、角等)を身に着けているため、それを踏まえたうえで対処してください。

●特殊ルール
 以下に記述した行動をプレイングに盛り込むと、プレイングボーナスが発生します。戦闘で有利になる効果があるため、積極的に盛り込むことを推奨します。

●プレイングボーナス
 空中からの攻撃に対処し、硬いうろこに覆われた「急所」を攻撃する。

 今回は戦争シナリオのため、全てのプレイングの採用と反映が難しいです。人数が集まり次第、プレイングは締め切らせていただきます。また、内容やタイミングによってはプレイングを流す場合があります。予めご了承ください。
 公開された時点でプレイングの受付を開始します。それでは、よろしくお願いします。
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第1章 集団戦 『ピンク・モフ』

POW   :    はい、次は君が鬼ね
【体を擦り付けることで】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
SPD   :    僕が逃げる番だね
非戦闘行為に没頭している間、自身の【体毛】が【激しく光り】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
WIZ   :    僕が見えるかな?
自身と自身の装備、【咥えて持っている】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●皆殺しの平野にて
 猟兵達が到着すると、群れが一斉に宙へと飛び立った。
(ふわふわ)
(ひらひら)
 まるで猟兵達をからかっているかのように、獣達は自在に空を飛び交っている。
ユキ・スノーバー
何か物騒な名前の所だけど、この子達それっぽく見えないよねっ?
接近戦の方が得意だけど…ちゃんと遠距離対応出来るもんっ!
……(宝石どうやって取れば良いんだろうって顔)頑張るぞーっ

鬼ごっこしつつ、こっそりひっそり華吹雪の吹雪を調整して地面凍らせたりして有利な環境整えて
只戯れてる訳じゃないんだよーっt…もふ多いっ!
動きが鈍り始めてきたら、もふに直接吹雪をかけて毛並みをこう、パリパリにして
ぺりーって剥がして、ピックでざくーっと鱗の隙間狙って刺して攻撃するねっ

高い所に飛ぶなら、飛び込み台作ってシュート!って感じで特攻して
しがみ付いてでも攻撃しちゃうもんねっ
…別にもふもふ堪能したいとかそんな訳じゃないよっ?


シン・ドレッドノート
ふっ…また竜化したモフにお目にかかれるとは。
宝石ゲットのチャンスですね!
帝竜撃破の前に、一儲けさせてもらいましょう。

左手の閃光の魔盾を構えて防御姿勢を取りつつ、右手に真紅銃、左手に精霊石の銃、周囲にライフルビットとソードビットを展開して迎撃態勢を整えます。

「さて、どこから来るか…?」
透明化に対しては怪盗の単眼鏡の暗視機能を使って、赤外線で探知。
位置を見極めたら、見えないふりをして接近するのを待ち、空に逃げられないよう【天国へのカウントダウン】による一斉射撃を翼の部分に撃ち込みます。

「竜胆石、いただきます!」
怯んだところで、腹の柔らかい部分をソードビットと真紅銃のビーム剣で切り裂きます!


シャーリー・クラーク
お空にあんなに敵さんが…
世界が滅んじゃったらいったいどれだけの笑顔が消えるんだろう…

そんな事、絶対させないよね?みんな、準備はいい?
標的はあの竜みたいな獣さんだよ!

UC(シェイプ・オブ・ウォーター)で戦場を深海に変化させて
サメさん達に有利な状況を作るよ!
【多重詠唱】の鮫魔術を使い、
複数のサメさん達を召喚して【水中戦】を仕掛けるよ!
敵さんが見えなくなったって、【深海適応】しているサメさん達の嗅覚に見つけられないモノはないんだから!

目標がサメさん達に翻弄されている間に私は【魔力溜め】、
サメさん達の奮闘で急所を攻撃するチャンスが生まれたら
【全力魔法】で決めちゃえ!


草野・千秋
(薄桃色の獣を見て)
UDCアースにもこんな色はありましたね
ちょうど先月頃に、桜っていう花なんですけど綺麗な花です
そんな感じの色ですね、ピンク・モフ
前にもドラゴン化したやつを倒したことがありますが
見た目がかわいいからってなめたらいけないんですよね
……勝負です

ん?鬼ごっこみたいなユーベルコード使いますね
空中戦+勇気で飛び回って敵に対抗しますね
僕が捕まりますか!?
ヴァリアブル・ウェポンは命中率重視です
当たれ、この一撃!
スナイパー、範囲攻撃、一斉発射で敵をなぎ払いますよ
部位破壊+スナイパー+戦闘知識で敵弱点を飛びながら探り撃ち抜きますよ
敵攻撃は戦闘知識+第六感+視力で見切り
盾受け+激痛耐性で耐える


アリシア・マクリントック
あらかわいらしい。とはいえ、敵である以上は倒すしかないのですね……こちらも空を飛んで戦うというのもいいですが、こういうのはいかがでしょうか。変身!ティターニアアーマー!
この巨体なら飛ばずとも近づくことになるでしょう。そして敵が攻撃するために近づいてきたところを捕まえて地面に叩きつけてやりましょう。来ないなら投石で気を引くのもいいですね。
そして地面に落ちた相手はマリアに任せます。このアーマーでは小さな隙間を狙うことはできませんが、マリアの牙や爪ならそれができます!
竜胆石……武器の素材にできるか研究もしてみたいですね。



●ひえひえ鬼ごっこ
「何か物騒な名前の所だけど、この子達それっぽく見えないよねっ?」
 ユキ・スノーバー(しろくま・f06201)の言う通り、やたらと物騒な地名に反して、上空ではふわふわの獣が舞っている。
 獣達はユキの姿を確認すると、周囲をくるりと飛び回って、更に上空へと昇っていった。まるで「遊ぼう」とでも言っているかのようだ。
「むむー!接近戦の方が得意だけど…ちゃんと遠距離対応出来るもんっ!」
 頑張るぞーっと、ユキは愛用のアイスピックを振り回した。その周囲には、既に冷気が纏ってある。
「逃がさないよー!覚悟ーっ!」
 小さな足で一歩を踏み出すと、そのまま地面をとてとてと駆け抜けていく。その様子を見た獣達は、嬉しそうに散り散りになってユキから逃げようとした。傍から見れば、平和な鬼ごっこの風景である。
 だが、ユキはただ闇雲に敵を追いかけているわけではない。絶妙に加減を調節することで、ユキの歩いた跡はスケートリンクのように氷が張られていく。自由に空を飛んでいるように見える獣達は、むしろ空へと無意識のうちに追い込まれているのだ。獣達が気づいた時には、周囲が氷に覆われ、降りることを許されない状況となっていた。
 更に、空気が冷やされたことによって、辺りには吹雪が発生し始めた。これでは、飛ぶこともままならない。
「もう逃がさないよー!」
 ユキがアイスピックを振ると、それに呼応して氷の柱が複数にわたって立ち上っていく。柱は互いに組み合わさると、飛び込み台の形になった。
「待てー!」
 身体を滑らせ勢いをつけると、ユキは飛び込み台から勢いよく飛び上がった。風は追い風、絶好のジャンプ日和である。
「捕まえた!」
 アイスピックが纏った猛吹雪が、直接至近距離で獣達に直撃する。獣達は成す術もなく冷たい地面へと落ちていった。
「うわっ」
 ユキは落ちた獣をクッションに着陸に成功する。100点満点。
「もふもふだー!……じゃなくて!」
 我に返ってきょろきょろと周囲を見回すと、地面にきらりと光るものを見つけた。拾い上げると、それは竜胆石であることがわかる。
「綺麗だー!」
 ユキは石に負けないくらい、きらきらと目を輝かせた。


●きらきらバレット
「ふっ…また竜化したモフにお目にかかれるとは。宝石ゲットのチャンスですね!」
 盗賊稼業をしているシン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)にとって、財宝をその身に宿した相手は恰好の的である。
「帝竜撃破の前に、一儲けさせてもらいましょう」
 その声を聞いて本能的に身の危機を感じたのか、獣達は一斉に透明化してその身を隠した。先程の賑やかな様子からは打って変わって、辺りは急に静まり返る。
「さて、どこから来るか…?」
 左手には閃光の魔盾と精霊石の銃、右手には真紅銃、そして周囲にはライフルビットとソードビットを展開する。防御と攻撃を兼ね備えた、完璧な迎撃態勢だ。
 更に、怪盗の単眼鏡を通して、隠れたつもりの獣達の様子を窺う。たとえ姿を透明化させようと、体温まで消し去ることは出来ない。赤外線を通じて、相手の様子はばっちりシンへと伝わっている。
「…………」
 だが、敢えて自分から仕掛けに行くようなことはしない。数の多い相手にこちらから突っ込んで行っても返り討ちに遭うだけだ。「遊びたがり」な獣達の性質を利用して、我慢しきれず向こうからやってくるのを待つ。油断させるため、わざと見えていない振りをし、近づいてくるよう仕向けるのだ。
(ふわり)
(ひらり)
 案の定、「構ってよ」とでも言うかのように、ふらふらと獣達が近寄ってきた。
「さぁ、自身の罪を数えなさい!」
 その身に、銃口を向ける。
 破魔の力が込められた弾丸が、次々と獣達を撃ち抜いた。意図的に翼の部分を狙うことで、厄介な空中攻撃を封じ、確実に相手を仕留めていく。
「もうお遊びは終わりですよ」
 一匹、また一匹と、獣は撃ち落されていった。それを見た一匹が、上空へ逃げようとする。
「竜胆石、いただきます!」
 怯んで動きが止まったその瞬間を狙って、ソードビットと真紅銃のビーム剣を振るった。完全に竜化していない腹の部分を切り裂くと、相手は崩れ落ち、中から掌に収まる大きさの美しい宝石が出てきた。
「……おや」
 手に入れた宝石を指で掴み、空へとかざす。
 その輝きは、妻の瞳によく似た色をしていた。


●ぱくぱくパフォーマンス
「お空にあんなに敵さんが……世界が滅んじゃったらいったいどれだけの笑顔が消えるんだろう……」
 空を見上げながら、シャーリー・クラーク(大空を遊泳する鮫天使・f26811)は不安げに呟いた。一見平和に見えるこの光景の裏で、刻一刻と破滅への時が進んでいるのを、彼女は察知したのだ。このままでは、「みんなで笑顔」が叶わなくなってしまう。
「そんな事、絶対させないよね?みんな、準備はいい?」
 シャーリーが手をかざすと、辺りにソーダ水の雨が降り注いだ。しゅわしゅわと音を立てながら、地面から水が沸いていく。
「さあ、シャークショーの始まりだよ!☆」
 シャーリーの掛け声に合わせて周囲に水柱が上がると、そこから複数のサメが飛び出してきた。深海と同じ環境に変貌した戦場を、サメたちは悠々と泳いでいく。それを見た獣達は、慌てて逃げ出そうとしたが、深海のような状況に変貌した戦場では、翼も無意味だ。
 ジンベイザメが大きな身体で獣達の逃げ場を塞ぎ、動きを封じる。上へ飛んだ獣はオナガザメが、下へ降りた獣はメジロザメが処理していく。シュモクザメが相手を叩きつけ、ホオジロザメが鋭い歯で噛みつく。
 獣達は姿を消してやり過ごそうとするが、わずかな匂いも嗅ぎ分ける嗅覚と、微弱な電流も感知するロレンチーニ器官を持ったサメの前には無意味な行いだ。分断された獣達は、次々と数を減らされていった。
(ひらひら)
(ふわふわ)
 サメの群れに翻弄されて思うように身動きが取れない獣達は、今度は召喚者を狙おうとする。
 その時だった。
「みんな、ありがとう!」
 周囲をまばゆく照らす虹色の光。サメ達が時間を稼いでいる間に、シャーリーは魔力を蓄え、次の攻撃に備えていたのだ。
「いっけー!☆」
 サメ達の連携により、動きを封じられていた獣達に、シャーリーの全力魔法がぶつかり、光の爆発が起こった。光は水と混ざり合って、美しい模様を描いていく。
 水が弾け、周囲の環境が元に戻ると、空には大きな虹がかかった。
 倒した敵から零れ落ち、地面に転がった竜胆石は、空の虹を反射して鮮やかな色を放っていた。


●びゅんびゅんアタック
「UDCアースにもこんな色はありましたね」
 空を埋め尽くす勢いの薄桃色を見て、草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)はUDCの花を思い起こした。春になると満開に開く桜の花と毛の色がよく似ている。見た目はかわいいが、今は争いの最中。油断してはならないと、自分に言い聞かせた。
「……勝負です」
 千秋が武器を構える。
(ふわ)
(ひら)
「……あれ?」
 その様子を見た獣達は一目散に飛んでいった。まるで鬼ごっこに誘っているかのようだ。
「……良いですよ」
 郷に入っては郷に従え。千秋は足を踏み出すと宙へと舞った。
(ふわり)
(ひらり)
 獣達は角で攻撃を仕掛けようとするが、千秋の動きについてこれずにいる。こうしていると、かつて妹と遊んだ時のことをつい思い出してしまう。あの頃は、妹のためにわざと勝負に負けたこともあったが、今は戦闘中、正義のヒーローとして容赦はしない。
「捕まりませんよ、今度は僕の番だ」
 身を翻し、武器を向けた。
「当たれ、この一撃!」
 銃口から放たれた一撃は、周囲の獣達を巻き込んで貫いた。千秋の周辺にいた敵は、薙ぎ払われたように撃ち落される。
「……なるほど」
 更に、攻撃した敵を即座に分析し、動きを読み取っていく。
 相手は竜の特性を持った獣。しかし、個体差はあれど竜の特性を完全に再現出来ているわけではなさそうだ。
 「鱗」という特性の無い、獣としての構造が残ってしまっている箇所。
「そこだ!」
 千秋は敵の腹を狙って撃ち抜いた。予想通り、鱗に守られていない箇所を攻撃された獣は、あっさりと倒れた。
 的確に急所を突いた攻撃は、次々と獣を撃ち落していく。桜が季節を終えて散っていくように、空から薄桃色は減っていき、地面へと積もっていった。
「……これで大方片付いたでしょうか」
 千秋が武器を下ろすと、何かが足元に当たった感触を覚えた。
「……?」
 手を伸ばしそれを拾い上げると、話に聞いていた竜胆石であることがわかる。
 輝く石は、愛しいあの人の髪に似た色をしている。
「そろそろ帰らないとですね」
 千秋は振り返ると、家路へと足を急いだ。


●もふもふバーサス
「あらかわいらしい。とはいえ、敵である以上は倒すしかないのですね……」
 アリシア・マクリントック(旅するお嬢様・f01607)は、残念そうに呟いた。
(ふわふわり)
(ひらひらり)
 心を痛めるアリシアの気持ちなど知らない獣達は、ぱたぱたと翼を羽ばたかせている。
「こちらも空を飛んで戦うというのもいいですが、こういうのはいかがでしょうか。変身!ティターニアアーマー!」
 光の扉が動くことで大型アーマーが出現し、アリシアがそれに乗り込む。パワー重視のアーマーが、獣達の前に立ち塞がった。
(ふわ)
(ひら)
 物珍しい大きな身体のアーマーに興味を持った獣達は、釣られてアーマーへ近寄ってくる。
「……かわいい、ですが」
 アリシアは操縦席から様子を見つめ、また心を痛めた。
「受けよ、巨人の一撃!」
 決意を固めたアリシアが操縦をすると、群れの一匹をアーマーがガシッと力強く掴む。そのまま腕を振り下ろすと、勢いよく地面に叩きつけた。パワーを用いた一撃は、周囲の地形をも破壊して作り変える。
「まだ、これからですよ!」
 約6メートルの巨大なアーマーは、逃げようとする獣に一歩で近づき、攻撃を与えていった。気づけば空に浮かぶ薄桃色は数を減らしている。
 しかし、硬い竜の鱗で守られた獣達は、ふらふらと起き上がり、また空を目指そうとする。
「マリア!お願い!」
 その様子を見たアリシアは、透き通った声で親友を呼びかける。
 すると、戦場に一匹の狼が現れた。獣へと飛び掛かり、鋭い爪による攻撃で、地に落ちた獣を切り裂く。
「このアーマーでは小さな隙間を狙うことはできませんが、マリアの牙や爪ならそれができます!」
 アリシアの言葉通り、マリアは鱗の鎧の隙間を突いて、相手を倒していく。
「あと少し、頑張ろう!」
 一人と一匹は互いに背中を預け、敵を殲滅していった。

「ありがとう、マリア」
 アーマーから降りたアリシアは、親友の元へと駆け寄る。
 マリアはアリシアの顔を確認すると、咥えていたものを差し出してきた。
「これは、竜胆石ですか。武器の素材にできるか研究もしてみたいですね」
 撫でられたマリアは満足そうに尻尾を振った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月03日


挿絵イラスト